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直方で『成金饅頭』を探し求めた後、福北ゆたか線で南へ。
飯塚の駅で降りて、15分くらい歩いたところにある和菓子屋さんを訪ねる。
線路沿いを歩いていくと、同じ形態の住宅が列車のように連なり、
やがて、右折して坂道をのぼると国道に出て、そこに大きな看板が立つ。
そう、今回の目的地でもある亀屋延永である。
想像していた以上に、大きなお店であったのでビックリしたのですが、
店内の突き当たり奥には上生菓子も姿を見せていますが、
漆黒の羊羹と言っても良い、名物の羊羹が何よりも目立つ。
その名も『黒いダイヤ』という独特の名前がついているのです。
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もともとは、隣の田川にあった大月堂が考案した羊羹であって、田川銘菓だ。
映画「青春の門」でもお馴染みだが、筑豊炭田で栄えた炭鉱の町。
かつて、石炭を掘り起こして経済が潤っていた時代には、
まさに石炭は『黒いダイヤ』と呼ばれていたわけで、ゴツゴツとした炭鉱石に似せて、
この羊羹が作られるようになったと言われておりまして、
こうして、和菓子を通しても、炭鉱町の栄枯盛衰を感じ取ることができるのです。

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その後、石炭が斜陽化すると、石灰石がメインとなっていったこともあり、
今度は隠元豆を使った白あんの『白いダイヤ』が作られるようになったそうな。
和菓子はその地を現すとは申しますが、本当にその通りのことで、
炭鉱夫たちがこの羊羹を携行して糖分を補給していたというお話もあり、
それは他の土地でも同様のエピソードが残っています。

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さて、そんな炭鉱町の銘菓も、昭和53年に経営が厳しくなって倒れてしまった折、
その社員だった方と製造スタッフの方々が亀屋延永を創業して、
『黒いダイヤ』の商標も引き継いで、この羊羹を復活させたのです。
じっくりと羊羹を煉りあげて、型に流したあと、羊羹が固まらないうちに包んでいく。
そのため、密封されているわけではないので、隅っこやセロハンの接点部分は、
糖化してシャリついてくるので、その食感も楽しみたくなる。
だが、味わってみますと、かつて労働者のエネルギー源であった銘菓ですが、
そんなに強い甘味ではなく、飽きることなく齧っていられるような気がしますね。
小、中、大と3つのサイズがあって、それぞれ選べますぞ。
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ボタ山と呼ばれた黒々とした鉱山も、今は緑に覆われた普通の山となり、
時代の流れによって変わっていく風景と共に、
和菓子もまた新たに受け継がれて、今に残っているのですよね。
もうあの活気は取り戻せないでしょうが、『黒いダイヤ』は残ってもらいたい。

黒いダイヤ 1個 税込275円〜

◆ 本 店/ 福岡県飯塚市忠隈77-34 TEL:0948-25-6771
◇ 販売店/ 伊田駅前店  他
  ※ サイズによって価格が異なりますので、ご注意ください。