相当ウザい街ダル・エス・サラーム

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ワンワールド。それは、1年間FIXの世界一周航空券である。一年で世界一周するのは時間的にかなり厳しい。しかし、その時間制限が有ってこそ光り輝く何かがある。いわば、ワンワールドで旅をするということは、ある一つの作品を作り上げるのと同じこと。みんなそれぞれの旅がある。これはそんなワンワールドを利用し、どこまでできるかチャレンジした365日間の記録である。
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相当ウザい街ダル・エス・サラーム  2007年07月19日

相当ウザい街ダル・エス・サラーム

ザンビアから列車で40時間。タンザニア一の大都会、ダル・エス・サラームへ到着した僕の所持金は、タンザニアシリングで500円ほどだった。
駅に着くと、大勢のタクシーが乗ってけ乗ってけと話しかけてくる。
タウンまで10ドルが基本。交渉で7ドルくらいになるが、高い。
面倒だったが、地元民用の黒人ひしめくミニバス「ダラダラ」に乗って、街の中心部を目指す。十数円。バスの中は、酷いヤツは爪先立ちして乗るほど詰め込まれる。僕は、やたらとフレンドリーな人が席に座らせてくれたからまだ良かったが、それでも超密集状態と黒人独特の匂いでぐったりした。
宿の場所が分からなかったが、バスで道を聞いた若者がとてもいいやつで、一緒にバスを降りて宿を探してくれた。さらに、電話番号とメルアドを教えてくれて、何かあったら電話しろと言ってくれた。その彼曰く、「この町の人間を信用するな」と。それがどういうことなのかは、この後すぐ分かった。

サファリホテル(9ドル)というところに泊まったのだが、レセプションで明日のザンジバル行きの船のことなど聞いていると、隣に居たスタッフ(と思ったが実は違った)が、「5分で用意しろ」とか突然言い出す。「どういうこと?」と聞くと、船着場まで連れてってくれると。絶対にチップを要請されると思い断ったが、

「ノーノー。これはホテルのサービスだから、金は必要ない」

など抜かす。まー地球の歩き方にも『宿のスタッフもやる気が有り親切』とか書いてあったのを思い出し、それじゃぁってことで一緒に行くことにした。治安良くないって話だし、道も分からないから丁度良い。

船の券を購入し、それから金を下ろしに銀行へ。そして、ザンジバルから帰ってきた後のバスのチケットを買いに、宿近くのチケットオフィスへ向かった。自称スタッフのアーリーはとてもいいやつで、いろいろなところに連れて行ってくれた。
薄暗いチケットオフィスにつくと、な〜んか悪そうな奴らが沢山居る。
まーそこでは普通にアーリーの友達の携帯を借りてザンジバルの宿に電話したり(金は払った)、何故かそのオフィスのボスとバーに連れて行かれ、ビールをおごってもらったりしたのだが、ザンジバルの宿と連絡がつかず、それにより今後のバスの日程も決まらなかったので、いったん宿に戻って出直すことにした。その帰り道、「腹がすいたけどお金がない。申し訳ないけど、チップくれないか?」とアーリーに言われた。

「あ、やっぱりきた」

そー思ったけど、かなりいろいろ連れまわしたし、いろいろやってくれたので、むしろ全然OKと思い、チップをあげた。後で気付いたのだが、100円やったつもりが、間違えて1000円あげちゃってた。まーいたしかたない。

一応怪しいので、宿のレセプションに「アーリーはここのスタッフか?」って聞いたら、アーリーなんて知らないと言われる。あらま。こりゃぁもー1000円もらってさようならかと思ったが、1時間後に待ち合わせの場所に言ったら、ちゃんと待ってた。
んで、アーリーと共にまたオフィスへ。結局連絡が取れたので、バスのチケットを買うことに。アーリーに25USドルを渡す。
少しして戻ってくるアーリー。

「ボスがどこかへ行ってしまった。明日の朝チケットを渡すよ」

いやいやいや、意味分からん。

「じゃー25ドル返して」

「ノーノー!明日渡すって!」

「いや、返して」

「こんなにしたのにオレを信用してないのか!?明日の朝もハーバーまで送ってやるって言ってるのに!」

「それとこれとは別。信用したいけど、金がらみの事件が多いから。返せ」

そんなやりとりを奴らの仲間に囲まれたまましてた。今考えるとちょい危険。
すると、

「分かったよ!じゃー今チケット渡す!!!」

アーリーが机をドン!と叩いてそういうと、どこからともなくやってきた彼の仲間が、バスチケットに時間などを書き込み、それを渡された。これ本当に使えるのか?
そんな不安は有ったが、とりあえずチケットゲット。一応予約番号とかも入ってる。

そこから宿へ帰る途中も、「キミはオレを信用してないのか」とかしつこく言ってきた。一応実害は無いので、少々可哀想になったが、

「子供に物を買って帰りたいから、1000円貸してくれ」

と言われると、またかと思い、やれやれな気分に。

「ノー」

「何で!?明日返すって言ってるじゃないか!これでも信用してくれないのか!?」

と。そんなやり取りを数分。

「お前は宿のスタッフなんだよな?金を部屋に忘れてきた。宿で貸してやるから、フロントまで来い」

そういってみた。
アーリーが宿スタッフじゃないことはもう分かっている。こういえば着いてこないと思った。しかし、彼は、

「よし!じゃーそうしよう!」

と強気で言ってきた。んで、実際に宿に一緒に行くと、

「あーアーリーじゃん!」

なんて超フレンドリーにレセプションスタッフと話してる。どういうこと??

「彼はここの人?」

「そうよ。彼はアーリーよ。知ってる知ってる」

と。
まったく意味分からんが、宿まで来てしまったし、実はやっぱりスタッフだったことが判明。しかたないので部屋から金を取って来て貸してやることにした。それでもいまいち信用できないので、むしろ試してみようと思った。果たして明日ちゃんと来るか。

次の日の朝。
うん、やっぱり来ない。さらに、レセプションにアーリー来たかと尋ねると、アーリーはよくここに居るけど、宿のスタッフではない、と。おいおい。

結局そんなもんだった。かなりいろいろ話したし、相当フレンドリーだったのに残念。若者が言っていた、「誰も信用するな」っていう意味が分かった。

仕方なく一人徒歩でハーバーを目指す。
昨日のオフィスの場所など覚えてなかったので、適当に行くと奇跡的に到着。集合時間に遅れていたので、外で待ってたスタッフに、「早くしろ!!」と相当せかされる。
オフィスにて、帰りのチケットは持っているのか?と聞かれ、無いから買いたいと答えると、25USドルと言われる。金を渡すと、そのスタッフは何処かへ走り去った。

汗だくでそいつが戻ってくると、「船が出るから早く荷物もって着いて来い!」といわれる。
両手ふさがった状態だが、とりあえず帰りのチケットを渡せと言い、チケットをもらい、口にくわえて船乗り場までダッシュ。入り口付近で、TAX5ドルかかるから、早く出せと言われ渡した。入り口に行くと人だかりが出来ていて、中に居たゲートスタッフのおばちゃんに「急げ!」と言われ手をひっぱられて無理やり中へ押し込まれた。しかしさっきの船オフィスのスタッフは入ってこない。

「おい!TAXどこで払うんだよ!?」

鉄格子越しにそう叫ぶも、

「ノープロブレム!早く行け!」

と答えになってない。やられたと思い、金返せ!と叫ぶも、本物のスタッフに「早く行け!時間がない!」なんてガンガン言われ、5ドルくらいで船に乗り遅れたら最悪なので、

「FUCK!!!!!!!」

と叫び、仕方なく船へ急いだ。チケットを確認すると、なんと15ドル。しかもTAX込みと書いてある。うんこだ。きれいに25ドル取られた…。

そして、船にたどり着き、本物のスタッフにそのことを話すと、そんなスタッフはいないという。どうやら、船オフィスの中に、スタッフのフリをしたやつがいたらしい。どんだけ?

ここまでアレだと、最早どれが本物か分からなくなる。地元の人も騙されるそうだ。『アフリカは金がかかる』よく言われるその本当の意味が少し分かった気がした。

そこからはすっかり平和。
船スタッフと仲良くなり、携帯ただで貸してくれて、何度もザンジバルの宿のオーナーに電話させてもらったり(彼の方から電話しておけ電話しておけと何度も言ってくれた)、写真を撮ったり、海について語ってくれたり。ベンチの正面に座ったイタリア人カップルや、見た目アジア人のカリフォルニア出身の留学生と仲良くなり、いろいろな話をして楽しく過ごせた。

まーみんながみんな悪い奴じゃないってこと。
こういうことが有ると、タンザニアが嫌いになりそうだが、そんな奴らの為にそういうことになったらつまらない。やっぱり最貧民国の一つだけあって、奴らは奴らなりに、必死に生きているんだと思うことにした。『仕方ない』のかも知れない。『騙される方が悪い』そうやって生きてきたら、それが普通なのだ。そこに僕らの善悪の尺度は通用しない。

こっそり通してもらった船首の甲板で、遠い目をして海を眺めながら、ザンジバルの素晴らしさを語ってくれている船乗りの話を聞きながら、

「こういう人も居るのになぁ。。」

なんて思いながら、複雑な気持ちを抱えたまま、船はザンジバル島へと向かうのだった。。。



ちなみに、アーリーに、「11時に出発して、13時に島に着く」と言われていた船は、13時に出港して、18時頃に島に着きましたとさ。やれやれだぜ。





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