トルコ入国は密輸集団と

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ワンワールド。それは、1年間FIXの世界一周航空券である。一年で世界一周するのは時間的にかなり厳しい。しかし、その時間制限が有ってこそ光り輝く何かがある。いわば、ワンワールドで旅をするということは、ある一つの作品を作り上げるのと同じこと。みんなそれぞれの旅がある。これはそんなワンワールドを利用し、どこまでできるかチャレンジした365日間の記録である。
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トルコ入国は密輸集団と  2007年10月07日

トルコ入国は、密輸集団と共に。。

10月6日、僕らはベイルートからのんびりシリアのアレッポへ向かい、アレッポ石けん(名物)でも買って、往来の激しい国境を抜け、トルコを目指す…つもりだった。

前日調べておいたとおり、午前10時前、バスターミナルへ向かう。

僕「10時のチケット下さい」

女「え〜っと…(目配せ)」

すると、どこからともなくおっさんが走って来て、女性に何か言って去っていった。

女「10時のバスは売り切れです。11時半も売り切れです。次は13時半です」

僕「うそん!?」

目の前に10時出発のバスが止まっているが、明らかにガラガラだ。何かがおかしい。
それでも無いと言われてしまったので、仕方なく他のバス会社をあたることにした。

僕「アレッポまで」

男「シリアビザ持ってる?」

僕「ない」

男「じゃーダメ」

やっぱり。
シリアのビザは、僕ら日本人は国境で取ることができる。しかし、このビザ取得は手間がかかり、ちょっと時間がかかる。そのため、僕ら二人の為に、他のお客さんを30分〜2時間くらい待たせることになるので、ビザを持ってないなら乗せることができないというのだ。「ビザがないと、バスに嫌がられる」これは事前に聞いていた。しかし、ちょっと気まずいくらいだろうとタカをくくっていたのだが、まさか乗車拒否されるとは思わなかった。
先ほどのバス会社に戻り、女性事務員に再度聞く。

僕「俺ビザ持ってないけど、13時半のバスにはちゃんと乗れるの!?」

女「わ、私には分からないわ…(目をそむける)」

やっぱりね。どうやら乗れる可能性は低そうだ。

仕方なく、行き同様セルビスで行くことに。バスは7USドル。セルビスは12USドルだがやむを得ない。しかし、アレッポまで行ってくれるセルビスはなく、途中のハマという水車の町までだという。そこからバスに乗り換えて、アレッポを目指す必要が有る。アレッポに着くのは何時になることやら?
面倒だが仕方ない、そういうわけで僕らはセルビスに人が集まるのを待った。

30分ほど待ったが、一向に人が集まる気配はなし。
さらに待っていると、そこのセルビスを取り仕切ってるおっさんから声をかけられた。

「ラタキア(シリア西部、地中海沿岸の町)行きが今出発する。料金は12USドルでいい。こっちの方がハマより遠くまで行けるからお得だし、ラタキアからトルコの国境は近いから、そっちの方が楽だよ」

たまたまそっちのセルビスが二人足りないだけであって、別に何も得ではないのは分かっていたが、このまま待ってもこちらのセルビスには人が集まる気配が全くないので(それもそのはず。安くて快適なバスがあるのに、わざわざ高い金払って窮屈なセルビスに乗る奴もいない)、その誘いに乗ってみることにした。

5人乗りの狭い車に、6人が乗り込む。
僕は後部座席。左には巨大な姉ちゃん、右にはでっかいおっさん。ともに大また開いて座るので、ギュウギュウ。前の席では、メグが、運ちゃんと中森明菜みたいな姉ちゃんに挟まれて、座席ではないところに座らされていた。

非常に息苦しい移動となった。
2、3時間で着くと言われていたラタキアまでは、5時間ほどかかった。
ここが町のドコなのかも分からぬまま、僕らは車を降ろされた。
ミニバスが沢山駐車してある。どうやらミニバス乗り場らしいが、英語を話せる人が一人もいない。おっさん達に囲まれ、鬱陶しいことになったが、その場を切り抜け、タクシーにて宿を目指した。ミニバス乗り場では街中まで10USドルと言われたが、流しのタクシーを拾ったら、60円くらいしかかからなかった。

翌日10月7日。
昨日バスチケットを買いに行ったが、全席売り切れ。
宿の主人に聞いた、地元の人が使っているルートで国境を抜けることにした。その方がバスより全然安いし、時間にも融通が利くとのこと。

まず乗り合いバスにて、ラタキアを出て、カサブという町で国境行きの乗り合いバスに乗るのだが、ここで見事にはめられた。町に着いて他の乗客が降りると、勝手に国境近くの山の中に連れ去られ、

「乗り合いバスはない、さらに4USドル払えば国境まで連れて行ってやる」

と言われる。

「バスはあるはずだし、4USは高い!!」

と反論するも、どこからともなく仲間がやってきて、やっぱりドライバーと同じことを言って来た。
なんど言っても全く埒が明かず、挙句、最初の町まで引き返そうとし出したので、もう面倒だからそいつに送らせることにした。ただし、一人2USドルということで。

10分も経たずに国境に着いた。
これで2USドルは酷い。

降り際に一芝居うつことにした。
突然僕がメグに対し、狂ったように怒鳴り散らし、メグが誤る。ぽか〜ん…としているドライバーに、さりげなく2ドルだけ渡して、怒鳴りながら去ってみた。
すぐさま追ってきて、

「あと2ドル足りない!!」

といわれる。

「はぁぁ〜??さっきあんたの仲間が二人で2ドルって言ったじゃん?」

と、しらばっくれてみる。

「ふざけるな!一人2ドルだ!」

キレるアラブ人。

「ええ〜?違うって、さっき言ってたじゃん?二人で2ドルだって」

困ったふりをしてさらにしらばっくれる。このままバックレちまおう。
すると、そのオヤジが国境前でタムロしてた国境スタッフに声をかけ、アラビア語で何かわめき出す。こりゃやばい。国境で問題を起こすのは面倒臭い。
スタッフがこちらに近づいてきた。この瞬間に、4ドル払って何事もなくその場を去る方針に方向転換。とりあえず何か言われる前にこっちから言っておこう。

「なんかさっき二人で2USドルって言われたから、お金払ったのに、さらに2ドル払えとか言ってくるんですけど!」

しらじらしく、困ったようなフリをしてスタッフに伝えると、彼は、

「いや、申し訳ないけど、タクシーチャーターは、一人2ドルが相場だよ。彼は嘘ついてるわけじゃないから、払って平気だよ」

と丁寧に英語で言ってきた。

「そうだったんですか!」

と、あっさり答えて、

「聞き間違えちゃったみたい♪」

と伝え、さらに2ドルをドライバーに渡し、さっさとその場を去った。
ま、しかし、混乱に乗じて、ラタキアからカサブまでの代金は払わなかった。っていうか、実は最初からこれが狙い。あわよくばさらに2ドル浮かせてやろうと思ったのだが、それは残念ながらできんかった。転んでただで起きてたらもったいない。アラブの国では、やられたらやり返せだ。

シリア側イミグレにてスムースに出国手続き完了。
徒歩で1分。反対側のトルコ側イミグレへ。
さて、アンマンから紆余曲折あったが、いよいよトルコに入国…と思いきや、またまた足止め。なんと、停電の為、入国オペレーションができないという。

「そっちで待ってろ」

外を指差された。シリアイミグレとトルコイミグレの間の、どっちの国だかよく分からんところで、とりあえず待ってろと。そこで朝から待ってるとかいう、日本語を話せる「自称」トルコ人バスガイドのパシャと、トルコから来た「自称」観光団体さん達曰く、復旧のメドは、午後3時だとのこと。おいおい、まだ昼にもなってないんですけど…

またまた仕方なく待つ。
ここはアレッポからトルコに抜ける時に使う国境かと思っていたら、どうやら違ったようだ。「地球の歩き方」によると、その国境は24時間オープンで、常に混んでいるため、手続きに2,3時間かかることもある、というようなことが書いてあったが、ここには僕らとその団体と、ほんの数名以外は、だ〜れ一人来ない。店もなにも、両替所すらない。たしかに「歩き方」にもトルコに通じる国境がいくつか有るとは書いてあるが、この国境に着いては何も触れていない。いったいここはドコ??

炎天下の中、ひたすら待った。
パシャや、他の自称観光客さんらとすっかり仲良くなり、パンを恵んでもらったりしながら待った。

14時過ぎ、予想より早く電気が通った!
入国手続きは一瞬で終わった。
しかし!
そこから先の足がなかった。
先ほど、一緒に足止めくらってたタクシーのおっちゃんが、無料でトルコ側の町、アンタクヤまで乗せてってくれると言っていたのだが、イミグレが突然、

「今日はタクシーの通行は禁止」

と謎の決定をしてしまったせいで、乗ることができなくなってしまった。

さて困った。
パシャに、

「バスに乗せてもらえません?」

って聞いてみると、

「タブンイイヨ。ショウガナイカライイヨ。タダデイイヨ。ショウガナイカラ」

と。おお!ラッキー!無料で観光バスに乗せてもらえる!

舞い上がったのも束の間、なにやらポリスがやってきて、バスに積んである荷物を全部出せと言ってきた。20人ほどの団体が、それぞれ大量に持った荷物を外に出す。どれも黒いビニール袋で中が見えなくしてあるが、酒とかタバコは、シルエットでバレバレだ。
その様子をボケ〜っと見守った。こっそり持ち込もうとした酒やらなんやらのお土産が、どんどん没収されていく。没収した物は、係員がぽーん!っと遠くへぶん投げちゃう。それを遠くでくっちゃべってるおっさん係員が、リフティングよろしく足で受け止めてケラケラ笑ってる。緊張感ゼロ。

パシャは、「ショウガナイネ」と言って平然としていた。
ちなみにこのパシャ、上野のドネルケバブで2年ほど働いていたそうな。ビザなしで。んで、不法滞在で捕まって強制退去されたんだそうな。

「上野デ捕マッチャッタカラ、ショウガナイ」

と言っていた。こないだイスラエルのテルアビブでも上野で捕まって強制退去になったイスライリーに会った。僕らがガキの頃は、上野と言ったらイラン人の偽造テレカだったんだけど、最近はずいぶん多国籍になったらしい。

1時間後、ようやく荷物チェックが終わり、バスが動き出した。
噂では、シリアやトルコのバスは相当快適…だったはずだが、このバスはどうも様子が違うらしい。
一昔前の観光バスのお下がりみたいな古バス。
シートはリクライニングできたりできなかったり。
埃まみれ。っていうか、時々呼吸が困難になるほどの粉塵が舞う。本気で苦しい。シャツが真っ黒になった。アフリカを彷彿とさせるバス。
乗ってる人がみんなどことなく悪そう。やたらムキムキ。
冷房が全く出ず、蒸し暑い。なのでドアを開けたまま走ってた。

こんなバスで観光?

一番後ろのシートだけ、やたらとスペースが広い。
そこに座らされていたのだが、突然パシャに、

「チョット席ヲコチラニ移っテモラエマスカ?」

と言われ、真ん中らへんの席に移動。
すると、男達が僕らが座っていたシートを取り外し、座席の下から何かを取り出した。

「ひゃっほ〜〜!!」

という歓声と共に、次から次へと袋に詰められた品物が、座席の下からわんさか出てくる。
豆のようなものやら酒やらタバコやら、なにやら怪しげな物がたくさん!

パシャにこの状況は何?って聞いてみると、

「アア、ゴメンナッサイ、コレハ仕事ネ」

と。
あ、なるほど。
どうやらこの人達、観光団体のふりして密輸してたみたい。
そりゃそうだよね、こんなボロバスにこんな汚っない格好で観光旅行なんてしないか。
やってることは違法だけど、別に僕らの知っちゃこっちゃないので、見てみぬふり。

1時間くらいで着くと聞いていたアンタキヤの町には、4時間経っても着かない。埃舞う車内で絶え続けた。
辺りが薄暗くなった頃、アンタキヤには行かないことになったと言い出す。幹線道路沿いのガソリンスタンドでみんなはバスを乗り換える為に降りたが、僕らはその時、パシャにアンタキヤに行きたいので、ここでもうサヨナラすると伝えた。しかしトルコリラがないので、どうしようかと相談すると、そのガソリンスタンドに止まっていた他の大型観光バスを指して、それに乗っていきなさいという。

「オ金ハ僕ガ出スヨ、ショウガナイ」

そういって、そのバス代をおごってくれた。
パシャと別れ、僕ら二人だけを乗せた観光バスは快適で、実は既に通り過ぎていたアンタキヤに向かって元来た道を戻って行った。どうしても最後まで怪しさが消えなかったパシャだが、全て終わってみて本当にいい奴だったことが分かる。悲しいかな、本人と接している時は、常に疑っていないといけない。人を信じたい。しかし、それをすると旅では騙される確立の方が高くなる。このバランスの難しさは、いつになってもいかんともし難いところだ。とりあえず、ありがとう、パシャ。。。

30分ほど走り、アンタキヤのバスターミナルへ到着。ヨルダン、シリアとは比べ物にならない、近代的な作り。ヨーロッパみたい。金の有る国に来たことを実感。物価もいっきに上がった。1時間後のアクサライ行きのバスチケットをクレジットカードで購入し、バスを待つ。トルコは既に冬模様で、夜は冷えるようだ。二人とも風邪を引いているので、鼻水垂らしながらバスが出るのを待った。

午前3時。バス乗務員に起こされる。アクサライに着いたようだ。
寝ぼけまなこでバスを降りると、そこは何も無い幹線道路沿い。
事前に聞いていた話では、バス停に着くから、そこでギョレメ行きのチケットを買えとのことだったが、そこはただの道路だった。

とにかく寒い。凍えそう。遠くの方に24時間営業の巨大なサービスエリアのようなものが見えたので、そこへ逃げ込む。腹が減ったが、全てがエクスペンシブなので、二人で一杯のスープを買ってすする。ひもじい。

5時。近くに居たおっさんによると、5時頃僕らが下りた幹線道路に目指すべき、カッパドキアのギョレメ行きのバスが通るとか。しかしトルコ語なのでそのバスがなんなのかも分からないが、とにかく行ってみることにした。

道路に着くと、ちょうど向こうからバスがやってきた。大型の観光バス。メグがそれを止めると、ちょうど「ギョレメへ行く」とのことだったので、乗せてもらう。またもや僕らしか乗っていない。超快適。

途中、バスが何かを跳ね飛ばして止まり、それを修理したりとハプニングがあったが、1時間ほどでギョレメ到着。金はいくらかと聞くと、

「マイフレンド!金は要らないさ!グッドラック!」

と。おお!すげーラッキー!観光バスヒッチハイクできちゃった♪

まだ薄暗いギョレメの町の入り口に下ろされ、そこからさらに通った車をメグがヒッチ。あっさり村まで乗せてもらった。こんな時は、やっぱ女の子が居ると助かる。僕が隠れてれば、アラブ人はすぐ停まる。

そして、その日は洞窟部屋とやらに一泊。趣は有るが、めっちゃ寒い。二人ともますます風邪引いた。その日は身体を休めるため、ずっと寝てた。



写真;
.薀織アの夜は結構賑わう1



激安宿「ウマヤホテル」「おまや」と書いて有るが…2



ラタキアの昼間3



い海両莵腑丱垢豹変。何故かフロントガラスにマー○ーのような絵が…4



ヌ輸集団のみなさんと。手前がパシャ。「ショウガナイ」が口癖5



Ε肇襯灰ぅ潺哀6



Д轡螢▲ぅ潺哀譟弔隆屬蚤圓7



┐福舛鵑發垢襪海箸ない…8



まだ真っ暗な時間に、ギョレメ付近にたどり着いた9



ヒッチでギョレメに到着!10



町はすぐそこ!長い道のりだった…
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