天使と悪魔
総論:前作よりスケールダウンしてますが、サスペンス映画として合格。

ロン・ハワード監督の大ヒット作、「ダ・ヴィンチ・コード」の続編となる歴史犯罪ミステリー。前作に引き続き主人公・ラングトンにはトム・ハンクス、ヒロインにアイェレット・ゾラー(イスラエル)、敬虔なカソリック教徒にユアン・マクレガー、スイス衛兵隊隊長にステラン・スカルスガルド(スウェーデン)と国際色豊かな実力派をキャスティング。400年の時を超えて甦った秘密結社・イルミナティによるバチカンへの復讐を阻止すべく、宗教象徴学者・ラングトンがガリレオの暗号コード解読に挑む歴史犯罪ミステリー。反物質爆弾によるローマ壊滅の危機が迫る中、歴史の闇が今解き明かされる・・・。

天使と悪魔2
秘密結社・イルミナティの影が見え隠れする犯罪ミステリーと、研究所から盗まれた反物質(≒時限爆弾)の危機というタイムリミットサスペンス。この二重構造で構成されるスリリングな脚本はなかなかに勢いがあり、淀みなくフローする物語展開とあいまって、掴んだ観客の興味を持続させてくれます。

ま、後になって冷静に考えた時に「そういえば・・・」とツッコミを入れたくなる箇所はいくつかありましたが、観賞中にそういうことを考えさせる暇(いとま)は無かったし、冒頭から漂う「犯人はどうせコイツなんだろ?」という予想を裏切る展開もなかなかよろしい。こういう風に観客の興味をちゃんとエンディングまで連れて行ってくれる映画はエンターテインメントとして合格です。

それと、バチカンの伝統文化的な描写が目新しくて面白かったですね。公証については知りませんが、冒頭の「漁師の指輪」破壊シーンに始まり、法王執務室内の様子や、コンクラーベ(次期法王選出会議)の様子、ドアの外から施錠するルール、超ハイテクな地下宝物庫など、普段ではお目にかかれない光景の数々にはテンションがあがりました。

役者の演技もそつがなく、ユアン・マクレガーのファナティックなオーラを静かに放つキャラ作りは良かったし、ヒロインのアイェレット・ゾラーの美しいアラフォー女子っぷりも魅力十分。スイス衛兵隊隊長・リヒターを演じたステラン・スカルスガルドの存在感もGOOD。なんとな~く役に立ってない感のあるラングトン教授はご愛嬌です(笑)

*以下、微妙にネタバレ含む

一方で不満も確実にあります。僕は前作「ダ・ヴィンチ・コード」でのペダンチック(衒学的)なラングトン&リーの語りや、ヒートアップする宗教歴史観の論争、ナショナル・トレジャーよろしくの「なにーっ!?かの有名な○○はそういう意味だったのかー!」的・トンデモ歴史ロマンが大好きだったのですが、今作はその要素がかなり薄味になっていました。それこそが”ラングトン教授シリーズ”の魅力だと思っている僕としては、2作目にしてスケールダウンしたと言わざるを得ません。

それに前作では、キリスト教の”聖杯”にまつわるスキャンダルという否が応にも物議を醸し出す内容をハッキリと打ち出していました。それに比べて今作の”科学への弾圧”は描き込みがとても曖昧でしたね。これでは単に原理主義の一教徒が暴走しただけという結論で、切断操作(このキチガイが悪い、と責任を集約)して終了です。この辺は非常に残念ですね。

とまぁ、いろいろと文句を言いましたが、これは俺の勝手な思い入れでして、前述の通りサスペンス映画として十分楽しめる映画ですし、いづれにしてもラングトン教授ファンとしては要チェック物件だと思います。ということで、映画「天使と悪魔」オススメです。


「天使と悪魔」
公開:2009年5月15日
配給:ソニー・ピクチャーズ
監督:ロン・ハワード
脚本:デヴィッド・コープ、アキヴァ・ゴールズマン
出演:トム・ハンクス、アイェレット・ゾラー、ユアン・マクレガー、ステラン・スカルスガルド
上映時間:138分
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