2025年02月20日

【中学受験2025】首都圏の受験者数2年連続減少

コアネット教育総合研究所は2025年2月14日、「2025年首都圏中学入試総括レポート」を発表した。2月も中旬を迎え、2025年の中学入試は一部の追加募集を除きほぼ終了した。今回の入試では、東京農業大学第一の2月1日入試の新設や東京女子学院の校名変更、明法の共学化などが注目されたが、新規開校はなく、マーケットは比較的落ち着いていたという。


2025年の中学入試は、2020年以降続いたコロナ禍の影響がほぼなくなり、通常通りの生徒募集・広報活動が行われた。受験生も多くの学校を直接見学できる状態に戻り、説明会の実来校者数は増加したものの、のべ来校者数は減少した学校もあった。受験生は複数の学校を見学したうえで、出願・受験する学校を選択する傾向が見られた。

 日能研の集計によると、2025年の首都圏中学受験者数は6万2,200名で、2年連続で減少し、中学受験率は21.5%となった。2024年は受験者数が900名減少したものの受験率は若干上昇していたが、2025年は受験者数の減少が続き、マーケットは一服した状態だという。少子化が進む中、学校は入学者を安定して獲得するために、学校経営や募集・広報活動の改善が求められる。

 公立中高一貫校を含む国公立中学校の志願者数も減少しており、一都三県で約1,500名減少した。適性検査型入試を実施している私立中学の志願者数も減少傾向にあり、約880名減少していた。このことから、国公立中学志願者数の減少がマーケット全体の縮小に影響を与えたと考えられる。

 2025年入試では、豊島岡女子学園が導入した算数・英語資格入試が注目を集めた。探究学習やプログラミング教育、グローバル教育など、教育内容の多様化に伴い、私立中学の入試形態も多様化している。私立中高一貫校の魅力の一つは、高校受験がない分、6年間で多様な体験を積み重ねられる点である。

コアネット教育総合研究所が2024年9月に実施した調査によると、「子供が幸せをつかむために必要なこと」として「心身の健康」「良好な人間関係」「自己実現」が上位にあげられた。「進学実績が良いこと」も重視されるが、学歴だけで子供が幸せになるとは限らないという保護者像が浮かび上がる。

 私学は、学力向上だけでなく、社会に出たときに生きる力を育むことができる。その多様性が私学の価値であり、多様な入試制度がそれを体現している。保護者は偏差値だけでなく、学校の価値や魅力を見極めて選択している。偏差値中位校や下位校でも志願者数を増やした学校があり、志願者数の増加率は高かった。

 学校説明会への参加がしやすくなった今、保護者は直接学校を訪れ、先生方の説明を聞き、在校生のようすを見て、受験校を選択している。派手な改革よりも、実際に学校に通う生徒たちのようすを見て、我が子に合う学校かどうかを判断することが重要な要素となっているという。


2025.2.20 リセマムから転載



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2024年05月08日

『心を育てる中学受験』のご案内

 『心を育てる中学受験』
“全員が中学受験する洗足学園小学校が大切にしていること”

吉田英也著
(洗足学園小学校前校長)
中央公論新社


・私立小学校に通わせているご家庭
・中学受験を考えているご家庭
・小学生の学習と生活について関心のあるご家庭
・小学校受験を考えているご家庭
は是非ご一読ください。
子育てのヒントが沢山書かれています。


私自身、吉田先生には14年間、とてもお世話になりました。
会議をしていても、いつも穏やかな口調でお話しされる先生です。
先般の『神奈川私立小学校フォーラム』の「なんでも相談コーナー」で
相談員を務めていただきました。



wakabanavi01 at 22:26|Permalink ご案内 

2024年05月03日

首都圏「中高一貫共学校」注目の新校長人事、千代田国際、芝国際、芝浦工大附、横浜創英…【中学入試2025】


新入生を迎える春は人事の季節でもある。2024年も多くの中高一貫校で校長が交代した。少子化が進む中、新校長に託された使命とは何か。学校ごとに異なるその課題も念頭に置きながら、男女共学校の状況から見ていきたい。(ダイヤモンド社教育情報)

● 話題のリニューアル共学校の校長人事

 今回は共学校を、次回は男女別学校の新校長人事についてそれぞれ取り上げていきたい。まずは話題の中堅校から見ていこう。女子校が共学化、校名も変更した学校がほとんどで、校長など現場の幹部を外部から招聘(へい)する傾向も見られる。なお、いずれの校名も中高の表記は略してある。

 2023年入試最大の話題校だった芝国際(東京・港区)。校名変更後初めての入試に大量の受験生が押し寄せて、平均実倍率16倍となり、不合格者が続出した。24年入試では偏差値(四谷大塚合不合80)が軒並み50を超え、中堅校の仲間入りをしたこともあり、実倍率は前年の10分の1に急落している。

 22年、東京女子学園から共学化するに際して開校準備室が設けられた。室長は学園長に就いた小野正人理事が、副室長は校長に就いた山崎達雄氏がそれぞれ担った。この二人が、リニューアル開校2年目の今年春にいずれも退任してしまった。小野氏は24年開校の開智所沢中等教育学校に校長代理として着任、山崎氏はさとえ学園小学校教頭になったようだ。

 同じタイミングで多数の教員も退職したため、新年度の体制を整える必要に迫られた。結果として、高校生がまだ残る東京女子学園の顧問だった吉野明氏が、24年から芝国際の校長に就くこととなった。吉野氏は一橋大卒の社会科教員で、準難関校である鴎友学園女子の校長を長らく務め、同校の名誉校長でもある。安定感のあるその手腕への期待は大きい。

 話題の2校目は、横浜創英(横浜市神奈川区)である。千代田区立麹町中学校の改革で一躍全国区の知名度となった工藤勇一氏が、定年退職後にこの学校の校長となったことから、人気が年々上昇、24年入試は驚異的な実倍率となった。25年度から実施予定の新カリキュラムを副校長の本間朋弘氏に託して退任となった。

 横浜創英ともう1校、学校法人堀井学園の傘下には横浜翠陵(横浜市緑区)がある。こちらは今回、17年から校長職を担ってきた田島久美子氏に代わり、社会科教員の山本伸氏が内部昇格している。堀井学園は堀井基章理事長と、白馬インターナショナルスクール理事を務めるなど新しい教育に熱心な堀井章子副理事長の父娘が経営に当たっている。今後、傘下の両校はどのような方向を目指していくのだろうか。

 同じく横浜市にある横浜富士見丘学園(旭区)は、横浜で手広く専門学校を経営する岩崎学園の傘下に入り、5年前に女子校から共学化した。このタイミングで就任した東急不動産出身の永川尚文理事長が、今回校長も兼ねることとなった。副校長には、渋谷教育学園渋谷で入試対策部長を、佐久長聖では校長を務めた柔道五段の佐藤康氏が就任する。創立から100年を経たが、志願者をいかに増やすかが課題であり、佐藤氏の生徒を集める力に期待がかかる。

 東京湾岸の人気校となったかえつ有明は、創立100周年を機に千代田区富士見から江東区有明に移転、女子校から共学化して校名も変更した。前身である嘉悦女子の卒業生で、嘉悦大学学長を経て23年に就任したばかりの石川百代氏は、健康上の理由で退任することになった。後を託したのは、立教大学や東洋大学で教員を務めてきたキャリアカウンセラーの小島貴子氏である。

 同じく湾岸系の人気校である芝浦工業大学附属(江東区)は柴田邦夫氏が教頭から新校長に就いた。3年で交代となった前校長の佐藤元哉氏は、板橋にあった男子校時代の芝浦工業大学高校の卒業生で、芝浦工業大学柏の英語科教員として、高校共学化や中学併設化にも携わり、21年からこちらの中学も完全共学化した。今後は共学校としてのかじ取りを柴田新校長に委ねることになる。


● 大学付属校の意外な新校長

 浄土真宗本願寺派(西本願寺)の東の拠点は築地本願寺(中央区)で、本部を江東区有明に置く武蔵野大学もその傘下にある。武蔵野大の2つの付属校は、いずれも女子校から共学化した。武蔵野大学(西東京市)は、東京都市大学等々力の初代校長を務めた原田豊氏が新校長となった。前校長の中村好孝氏は龍谷大学系列の岡山龍谷高校の副校長から就任した同派の僧侶だった。原田新校長も得度している。

 女子学院(千代田区)のはす向かいにあった千代田学園は武蔵野大学と法人統合し、武蔵野大学附属千代田高等学院と千代田国際中学校とに再編された。新校長に就任した木村健太氏はラガーマンで、医進サイエンスコースの責任者を務めた広尾学園の理科(生物)の名物教員だった。なお、25年から校名を中高共に「千代田」に変更する。“国際”を外す最初の例となるかもしれない。同校の共学化を進めた前校長の日野田直彦氏は、新しい教育を推進する活育財団の共同代表となった。同財団には、軽井沢にあるインターナショナルスクール(ISAK)のメンバーも名前を連ねている。

 7年前に共学化した元女子校の文化学園大学杉並(杉並区)は、ダブルディプロマ(DD)コースをつくり、同校の国際化を担ってきた副校長の青井静男氏が昇格した。ホテル、飲食、旅行といった民間企業勤務経験もある異色の経歴の教員でもある。

 専任教員が男子で固められてきた“男臭い”東京都市大学付属に35年間勤務し、副校長兼教頭まで務めた草間雅行氏が、同じ学校法人五島育英会の元女子校(東横学園)である東京都市大学等々力(世田谷区)の校長に就いた。ご本人も驚いていることだろう。

 世田谷区ではもう一校、国士舘では副校長の渡邊隆氏が昇格した。硬式野球部部長として、春のセンバツ出場経験もある。前校長の岩渕公一氏は、柔道八段の猛者だった。

 日本大学第一(墨田区)の新校長に、日本大学理工学部精密機械工学科教授で同学部長も務めた青木義男氏が就任した。

 文教大学付属(品川区)は、中学校長に社会科(地理)教員の神戸航氏が副校長から昇格している。文教大と同じく小中校教員を輩出する明星大と同じ系列の明星(府中市)では、副校長の水野次郎氏が校長に昇格した。前任の福本眞也氏は母校である県立熊本高校の針路指導部長を長く務め、副校長からベネッセコーポレーション取締役を経ての就任だったが、水野氏もベネッセの出身である。『こどもちゃれんじ』初代編集長にして「しまじろう」生みの親でもある。公募された民間人校長として、千葉県立柏井高校や同松戸国際高校の校長などを歴任している。

 大学の系列校以外では、この4月から男子部と女子部が統合して共学化した自由学園(東久留米市)。旧男子部校舎の中等部部長には理科・産業(技術家庭)教員の山縣基氏が、旧女子部校舎の高等部部長・学園長には男子部と女子部の部長を歴任してきた更科幸一氏がそれぞれ就任した。

 自閉症児の受け入れに積極的で、健常児との混合教育に特色がある武蔵野東中学校(武蔵野市)では、教頭の林武宏氏が昇格している。


● 神奈川・埼玉・千葉・茨城の新校長

 神奈川県は、大学の付属校から見ていこう。2月1日午後を初回入試に設定して人気校となった神奈川大学附属(横浜市緑区)では、副校長から小林道夫氏が昇格した。情報科教員が校長になる例は珍しい。ICT教育に一貫して携わってきており、今後の展開にも期待が持てそうだ。

 日本大学(横浜市港北区)の新校長である中園健二氏は、進路指導部主任、中学教頭、高校教頭を経ての就任となった。同校は、日本大系列校の中では他大学進学志向も強い元男子校である。一方、日本大学生物資源科学部の併設校である日本大学藤沢(藤沢市)では、日本大学高校と日本大学出身の渡辺博氏が新校長となった。

 山手学院(横浜市栄区)の設置母体である学校法人山手英学院は有隣堂の一族が設立したこともあり、現理事長は有隣堂の松信裕会長が務めている。学校長に就いた蓑田大氏は教頭からの昇格である。5年前に就任した前校長の時乗洋昭氏は、神奈川県立湘南高校や秦野高校の校長を歴任、進学重点校や県立中高一貫校の立ち上げなど教育行政にも関与している。

 青山学院大と関係が深かった横須賀学院(横須賀市)では、副校長の天野海走氏が昇格した。前校長の川名稔氏は県高等学校野球連盟参与を務めた社会科教員だったが、天野氏は牧師で宗教主任でもある。

 埼玉県では、冒頭で触れた小野正人氏が、開智所沢中等教育学校(所沢市)の校長代理となった。春日部共栄(春日部市)では、教頭の加藤和己氏が昇格した。昌平(杉戸町)では、高校は加藤慎也氏、中学は村田貴也氏がそれぞれ新校長となった。首都圏唯一といっていい全寮制の秀明(川越市)では、高校の教頭を務めた神原洋氏が中学校長となっている。

 千葉県では、昭和学院(市川市)の中高校長に、筑波大学附属小から系列の小学校校長に移った、算数教育で有名な山本良和氏が就いた。千葉日本大学第一(船橋市)では教頭を務めた羽鳥和弘氏が第6代校長に就任している。

 最後に、県立の二つの中等教育学校についても触れておこう。神奈川県で初の県立中高一貫校となった相模原中等教育学校(相模原市南区)の新校長には県立海老名高校副校長の岡野正之氏が就いた。

 各エリアの県立進学校の中高一貫化が完了した茨城県では、水戸第一と土浦第一が公立校の双璧だが、2008年に設立された並木中等教育学校(つくば市)は、いまや茨城県立御三家と呼んでもいいほど勢いがある。前校長の深澤美紀代氏は、学校教育部高校教育改革・中高一貫校開設チームグループリーダーを務めるなど教育行政に力を振るったが、新校長の柴崎孝浩氏は母校である水戸第一からの就任となった。県としての力の入れ具合がうかがえるような人事である。

ダイヤモンド社教育情報/森上教育研究所


ダイヤモンドオンラインから転載 2024.5.3 




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2023年01月13日

「評判いいし」「SAPIXや浜学園なら安心」という判断には要注意! 塾選びで失敗する5大パターン



◆1. 世間一般の評判や勧誘を理由に入塾する
失敗確率が高くなる5つの入塾理由についてお伝えします。受験にたどり着く前に退塾することにならないよう、要注意な事例を把握しておきましょう。

入塾を考える際につい気になってしまうことの代表例が、すでに通塾している友だちの保護者から聞く評判です。「中学受験するならSAPIX」「浜学園に預けておけば安心」と、評判を頼りに入塾を決めてしまう方がいらっしゃいます。しかし、評判がいいからと小学校低学年から入塾しても、受験終了までに退塾してしまうというケースもありますし、知り合いのお子さんに合っている塾が、わが子にも合うとは限りません。


わが子が友だちから塾の勧誘を受けた場合も注意が必要です。「友だちが誘ってくれるなんて、よほどいい塾に違いない」と思うかもしれません。けれどなかには、誘った友だちが入塾したら、その誘った塾生にインセンティブとして高額な金券を配るような塾もあります。その金券をもらうために友だちを塾に誘う子もいるので、注意しましょう。



◆2. 「合格実績」にひかれて入塾する
合格実績にひかれて入塾するのも、失敗する可能性の高い理由です。合格実績は、塾の指導力を測る指標として扱うには難しいものがあります。なぜなら、毎年高い合格実績を出している塾には、入塾の時点ですでに高い学力がある子が集まってくるからです。

そのような塾に子どもを通わせる保護者は、わが子の成績が伸び悩み始めると、個別指導に通わせたり、家庭教師をつけたりします。そんな個別指導や家庭教師の指導のおかげで合格したとしても、塾に通っていれば、その塾の合格実績としてカウントされます。

このような場合の合格実績は、塾の指導力のおかげとは言い切れません。したがって、合格実績を入塾選びの指標にするのは難しいのです。さらに、合格実績を水増しする塾もあとを絶ちません。合格実績のカウントは、各社自社基準でカウントされていますので、華々しい数字に目を奪われないでくださいね。



◆3. 経済的に余裕のない状態で入塾する

経済的に余裕のない状態で入塾するのも、失敗する可能性が高いです。「これくらいならなんとか払えるか……」と月謝を確認して入塾すると、まもなく金策に苦労することになりかねません。

入塾する前には、月謝以外に発生する費用(テキスト代、模試代)、年額の費用、今後の講習会やオプション講座の費用、受験学年時にかかる費用を確認しておきましょう。その上で概算で構いませんので通塾にかかる費用を試算してから、お子さんを入塾することをおすすめします。

なかには、ホームページに月謝を載せていない塾もあります。載せていても見づらいところに書かれており、小さな注釈が添えられている場合もありますので、よく確認しておきましょう。オプション講座についても開催日や価格はほとんど表に出されません。塾に質問しても、今年度のことは決まっていないことも多いため、参考までに昨年度のものを教えてもらいましょう。



◆4. 塾のブランドで選んで入塾する

塾のブランドで選んで入塾することも、失敗する確率が高いです。塾のブランドは、テキストの質、講師の指導力、カリキュラム、合格実績、合格率などで構成されています。それらが高いSAPIXや浜学園は、高いブランド力を誇りますが、万人に合う塾ではなく人を選ぶ塾です。そしてそれは、SAPIXや浜学園だけでなく、すべての塾にいえることです。

まずは、どの塾がいいのか考えるより前に「わが家の教育方針はどうあるのか?」ということを家族で考えてみましょう。わが家の教育方針をある程度一致させた上で、「わが子にはどんな環境の塾が合いそうか」ということを家族で改めて考えることが大事になります。塾内で勉強のフォローが期待できない塾を選ぶのであれば、どんな方法でフォローするかも決めておくことが必要です。

「もし仮にその塾が全くの無名であったとしても、誰にも自慢できなくてもそこを選ぶか」という問いに「イエス!」と答えられるところを選ぶと、失敗確率を下げることができます。



◆5. 子どもにやる気がないのに入塾する

子どもにやる気がないのに入塾することは、最も失敗する確率の高い入塾理由です。塾は、とりあえず行かせさえすれば子どもが勉強好きになって勉強ができるようになる場所ではありません。

「いまから入塾しておかないと、満席で入れなくなっちゃうから」
「塾に預ければ、勉強の楽しさに目覚めてくれるかもしれない」
「家だと全然勉強しないから、せめて塾で勉強してくれれば」
「周りもみんな塾に通い始めているから、うちも」

このような考えで子どもを塾に通わせて、うまく塾に適応できる子は多くありません。塾講師歴25年以上の筆者の印象では、塾講師には「勉強できない子をなんとかして勉強好きにさせて、勉強ができるようにしたい」と思う人よりも、「勉強好きで勉強ができる子をもっと勉強ができるようにしたい」と思っている人の方が多いと感じます。特に、ハイレベルな大手進学塾であればあるほどその傾向は顕著です。

「わが子を塾に通わせよう」と思ったら、お子さんのことを深く知っているお母様、お父様がお子さんの性格、関心のあることを踏まえて「どうしたら勉強する気持ちが高まるか」を考えて、いろいろ試すことが大切です。その結果、わが子が「塾で勉強してみよっかな」という気持ちになったら、そこで塾に通わせても、遅くはありません。ある程度学力があれば、小4、小5になってからでも入塾可能な枠はあります。

その限られた枠に入るほどの学力がなければ、そもそもその塾には向いていないということです。子どもに塾で勉強したいという気持ちがまったくないのに通わせるのは、雛が卵の内側から殻をつつく前に、親鳥が殻を突いて割ってしまうようなものです。

塾の小学1年生から3年生の成績上位者で、5・6年生になってもそのまま上位でいつづけられる子はほとんどいません。「早く入塾すればそれだけ有利」だと思ってしまうのは、塾のマーケティング戦略です。塾に行かなくても通信教材を使って勉強したり、参考書と問題集を使って勉強してわからないことはネットの動画授業で調べたりと、勉強方法の選択肢はいろいろあります。

小学校低学年であれば、日常の延長線上のさまざまな体験、たとえば身近な自然に触れること、科学技術館のようなところに行って体験型学習をすること、好きな本を読むことなどの経験を積んでおくと、あとで本格的な受験勉強をし始めたときに、実体験と結びついた深い理解ができます。すべては子どものやる気、関心が起点となって伸びていきます。

この機会にわが家の教育方針を話し合って、わが子と相性の合いそうな塾や講師を探してみるのはいかがでしょうか。


▼西村 創プロフィール
早稲田アカデミー、駿台、河合塾Wings等で、講師、講師指導、校長などを務め、受験指導の専門家に。歴史・公民・小論文等に関する書籍を11冊出版。メディア出演・YouTube等で、受験や時事問題に関する情報を精力的に発信している。


2023.1.13
ヤフーニュース・オールアバウト  から転載




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中学受験を考える親が絶対知っておきたい「偏差値との向き合い方」


  開成、麻布、桜蔭、雙葉、筑駒、渋幕……東京・吉祥寺を中心に都内に展開する進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないが、「普通の子ども」を有名難関校に続々と合格させると話題の塾だ。子どもの特徴を最大限に生かして学力を伸ばす「ロジカルで科学的な学習法」が、圧倒的な支持を集めている。本稿では、VAMOSの代表である富永雄輔氏の最新刊『ひとりっ子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)から、特別に一部を抜粋して紹介する。
● 偏差値を見てイライラしてしまう親

 お金も時間も充分にかけていることもあって、ひとりっ子の親は、結果を急ぎすぎる傾向にあります。

 「教育のマニュアル本もたくさん読みました。評判の塾にも入れました。送り迎えもしています。だから、早くその結果は?」というわけです。

 しかし、そんな魔法は存在しません。とくに、誰もが最も気にするのは「偏差値」です。

 中学受験のための模擬試験を受ければ、たとえ小学生でも容赦なく偏差値がはじき出されます。しかし、それをはじき出すテストには、これまで公立の小学校で学んできた内容では解けない問題が多く出題されます。

 ですので、最初のうちは29だの33だのというとんでもなく低い数値になることもしばしばで、親は大ショックを受けます。

 ただ、そもそも中学受験の偏差値は、高校受験の偏差値よりも低く出て当然なのです。高校受験の模擬試験はほぼ全員が受けますが、中学受験は、教育への意識が高い家庭の子どもが受けます。つまり、通っている塾のレベルや母集団の違いで、数字にばらつきが出てしまうのが偏差値なのです。

 そうしたことを知らないと、偏差値が伸びないことに焦ってしまい、「勉強の効果が出ていない」「塾が合っていない」と間違った判断をします。

 ひとりっ子の親ほど、急いで間違えるのです。

● 「偏差値の伸び=学力の伸び」ではない

 まず理解しておいてほしいのは、「偏差値が伸びている=学力が伸びている」ではないということです。

 偏差値は相対的なものですから、自分の子どもが大きく伸びていても、周囲が頑張っているために、それがなかなか偏差値に反映されないというケースはよくあります。

 逆に、周囲のレベルが低い模擬試験を受ければ、偏差値は高く出ます。だから、「偏差値を伸ばす」ということには、たいした意味はないのです。

● 子どもの学習を急かさない

 低学年から5年生の子どもにとって、「相対的な偏差値」よりも重要なのは、「絶対的な学力」です。実際に、偏差値が伸びていなくても学力が伸びている子はたくさんいます。

 偏差値や成績は周囲のレベルに影響されるため、急に跳ね上がったり、頑張っているのに伸びなかったりと、おかしな動きをすることがあり、あまりあてになりません。

 一方で、学力は「やっただけ」伸びますし、「やらない」と伸びません。だから、私は偏差値ではなく学力を重視しているのです。

 では、偏差値のように数値化できない学力は、どう測ったらいいのでしょうか。

 私は、その子が「前に教えた内容ができているかどうか」で判断しています。先週に教えた内容が今週はできていれば、学力は伸びていると考えます。

 こうして、「先週覚えたものは今週身につき、今週覚えたものは来週身につき……」というステップを踏むことで、その子の学力は確実に伸びます。

 一つひとつは小さなステップでも、段階的にアップしていけば、やがて中学受験の志望校にも合格するのです。

● 基礎に時間をかけて大きく伸ばす

 とくにひとりっ子の親は、小さなステップをじっくり見守るのが苦手です。わが子の教育にいろいろ投資をしていれば、「もっと効率的な方法があるんじゃないの?」とイライラしてしまうのかもしれません。

 きょうだいが多い家庭であれば気づかないことにも、目がいってしまうのがひとりっ子の親です。子どもの数が多ければ、親もあまりかまっていられません。家事をやっているときに子どもたちがうるさく騒いでいたら、「あんたたち、30分でいいから公文やっていて」「お母さん忙しいんだから、漢字の勉強でもしていなさい」となり、子どもたちは必然的に基礎の繰り返しをする機会が増えます。

 一方で、ずっと子どもを見ていられるひとりっ子の親は、「また同じようなことやっているの?」「もっと先に進んだほうがいいんじゃない?」と、基礎の反復を軽視する傾向にあるのです。

 もちろん、基礎だけではなく応用力も必要です。しかし、基礎なきところに応用はありません。基礎がしっかりしてこそ、大きく伸びるのだということを忘れないでください。

 (本稿は、『ひとりっ子の学力の伸ばし方』からの抜粋・編集したものです)



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