2010年12月03日

12月から入試は本番モード (DIAMOND online)

12月から入試は本番モード
親子ともども体力・気力を使い果たす


12月からいよいよ本格受験態勢
志望校決定、出願のポイントは
 中学受験の親の負担を考える時に、もっとも大きな負担は何と言っても経済的負担だ。しかし、いよいよ受験となってくる12月からは、経済面よりも精神的な負担のほうがはるかに大きくなってくる。

 その大きな負担のひとつが受験校の決定だ。子どもの学力を考えながら、受験校6~8校を決めなければならない。子どもの意見を十二分に尊重しながら、併願プランを考えるのは親の務めだ。こればっかりは塾任せとはいかない。もしも不合格だった場合、その責任は親しか取れないからだ。

 第一志望校は「合格可能性80%以上」でなくてもかまわない。これから1ヵ月で実力を伸ばせば合格に届く場合もある。どうしても進学したい憧れの学校を、そう簡単に諦めることはない。その代わり、他に絶対合格できる安全校も受けておくことをお勧めする。

 さらに、出願準備にも気を遣う。親にとっての初めての中学入試だと、気遣いからくる負担感はさらに大きい。出願書類に貼る子どもの写真は写真館で撮影してもらい、願書記入もきれいな字で書くのが一般的。長所、短所の記入欄などは、子どもを目いっぱい褒めていい部分だ。

 受験料の振り込みの手続きもある。受験料は2万円が相場だが、同じ学校を何度も受ける場合は優遇制度を設けている学校もある。さらに、中学入試では出願受け付けは郵送ではなく学校持参が多い。受け付け開始時間を目指し、早めに出かけて若い受験番号をとるのが普通だ。来年は東京だと1月20日が願書受け付け解禁日だから、たいていの場合、第一志望校から順に学校を回って出願していくことになる。

 1月に入っていよいよ入試が近づくと、さらにプレッシャーがかかる。インフルエンザなど病気対策や食事に注意し、試験当日に子どもが実力を発揮できる環境を整えなければならない。試験当日の服装は、初めて着るものは避け、着慣れた服で落ち着いて試験に臨めるようにする。学校へは必ず公共交通機関を使い、1時間前には着いておく。午後に入試を受ける場合には、その間に食事をどうするかを考えておかなければならない。当日の忘れ物はないかなど、気を配ることがどんどん増えていく。


入試本番期は過密スケジュール
子どもの心のケアが重要に

 そして東京と神奈川では2月1日から試験が始まる。首都圏の中学入試は過密スケジュール。1週間ほどの間に毎日、極端な場合は午前と午後、合格するまで受け続けることになる。子どもはまだ12歳、かなり過酷だ。親とともに体力と気力の勝負になる。

 試験のできが悪いと子どもは自信をなくし、合格発表が早い学校では、試験当日の夜にはネットで合否が分かる。合格していればいいが、そうでなければ、翌日の試験で力を発揮できるよう、子どもを励ますことが必要になってくる。そこで注意すべきポイントがある。「あんな学校、落ちてよかった」は、励ましにならないのである。

 受験校を決めるまでに、いろいろ親子で考えてきたはず。積み重ねてきた努力を否定する発言はすべきでない。不合格となったはずの学校から追加合格の連絡が来ることだってある。そこまで考えて、あくまでも翌日の試験へ気持ちを切り替えさせることが大切だ。合格を獲得するまで親は苦闘の日々が続くのである。かなりの覚悟が必要なことがわかろう。

晴れて合格! 親は入学金、
初年度納入金など出費が続く

 晴れて合格したら今度は経済的な負担である。東京の学校が第一志望の時には、埼玉や千葉の学校を試し受験することが多い。1月に入試が行われる埼玉の中学校の入学手続き締切日は、東京の私立中入試が終わってからに設定している学校が多い。千葉の渋谷教育学園幕張の1月試験では最初に5万円を払い、残りは2月3日までの延納を認めている。無駄なお金が出ないよう、配慮しているのだ。東京でも入学手続き締切日を遅めに設定している学校が多い。一方で、明らかに第一志望者が多い人気校では、手続き締切日は発表日当日か翌日と早い。

 首都圏の私立中の初年度納入金の平均はおよそ95万円。6年間の学費の平均はおよそ510万円になる。大学付属中高はそれよりやや高めだ。これ以外にも、制服、かばん、体操着など入学時に様々な負担がある。学校によっては全員が参加する海外研修費を入学時に徴収するところがあり、その場合は初年度納入金はさらに高くなる。ただし、寄付金は任意の学校がほとんどで、経済的に余裕がなければ払わなくても問題はない。



最近では不況から在学途中で退学する人もいる。この場合、奨学金などの救済措置を設けている学校も多い。早まらず学校に相談してみるのが一番だ。

私立ならではのPTAづきあい、
いじめの予防・対応策

 経済面以外の負担としては、PTAの付き合いが挙げられるが、学校によって差が大きい。私立では学校と父母の距離が公立より近いのが特徴で、学校に足を運ぶ機会も多い。ただ、近所に同じ学校の父母がいる公立中とは異なり、普段の生活の中で同じ学校の保護者と顔を合わせることはなく、噂話のたぐいは耳に入ってこないので、参加の機会を負担と捉えず生かした方がいいのかもしれない。一方でPTA活動は活発ではない学校もある。PTAの役員のなり手がないために6年間ずっと務めたという保護者もいる。

 子どもが直面する問題もある。そのひとつがいじめ。公私を問わず、いじめがない学校はないだろう。私立の場合は教員が即座に対応するため、学校が「知らなかった」などということはない。教員に異動がなく、担任が6年間変わらない場合も多い。そのため、生徒のことをよく知っており、未然に防げることも多い。

 また、いじめが起きないよう対策をとっている学校もある。例えば、鴎友学園女子では入学当初、席替えを頻繁に行っている。席の周囲で仲良くなることが多く、そこでグループ内のいじめなどが起きるケースが多いため、クラス全体で友人になるよう配慮しているという。私立中学に通う大きなメリットだ。

3年目に迎える
中高一貫校の進級

 子どもにとって最大の問題は、6年間、学び続けられるかどうかだ。

 入学から3年後には進級の問題が出てくる。区立の九段中等教育学校では2009年に中学段階を終えた18人が転学している。これだけ多くの生徒が一度に転学するのは珍しいが、私立中にだってあることだ。2005年の東京都中学校長会の調べによると、私立・国立中から公立中に転校した生徒は2003年が331人、2004年が359人だったという。


反社会的な行動での退学は仕方ないにしても、学校になじめない、いじめにあった、勉強についていけないなどの理由もある。勉強についていけない時には、補習などで面倒をみる学校もあるが、最終的には公立中への転校を勧められる場合もある。高校受験を意識して、中学の早い段階に勧められる場合が多い。

 転居という理由ならば私立中間の転校も不可能ではない。同じ宗教の学校に転校を認めることもあるようだ。同じキリスト教の六甲(兵庫)から栄光学園(神奈川)などへ転校というケースもある。逆に積極的なチャレンジを認めている学校もある。高校入試でトップの私立高・国立高への受験を認め、落ちたらそのまま在学中の併設高校に進学できる制度だ。

 トップの私立中でも入学後1割の生徒が勉強についていけない学校があるという。しかもトップ校になるほど生徒の自主性に任せている場合が多く、勉強をさせるのは親の責任になってくる。「一貫校に入れば安心」という考え方は間違いだ。本当に入学後、勉強しなくなる。そうして転校、あるいは学業不振で大学受験に失敗するケースは間違いなくある。

 中学入試での合格はゴールではなくスタートであることを、親子でしっかり確認しておくことがなにより大切だ。


(2010.12.3  DIAMOND onlineより転載)

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