2011年03月

2011年03月30日

引率先 想定外の足止め  【教育ルネサンス 学校と震災】

東日本巨大地震が起きた11日午後、私立攻玉社中学高校(東京都品川区)のソフトテニス部は、学校から約15キロ離れた墨田区内の公園のテニスコートで練習中だった。

 部員30人が汗を流していると、突然、地面が揺れた。しかし、コート周辺に被害はなく、騒いでいる人もいない。屋外にいるのでテレビニュースも見られない。「大丈夫だろう」。顧問の山口浩人教諭(53)は、そのまま練習を続行した。

 その後、山口教諭は大通りまで様子を見に行ったりしたが、公園の外で何が起きているかはよく分からなかった。結局、夕方5時まで予定通り練習し、最寄りのJR南千住駅へ歩いて移動した。

 駅の外で待っていたが、電車が動き出す気配はない。午後8時ごろ、生徒たちが「寒い」と言い始め、「どうにかしなければ」と思った。事情を知った生徒の父親が助け舟を出し、近くにあった父親の勤務先の研修施設に一晩泊めてもらえることになった。翌日、最後の生徒を親に引き渡したのは昼前だった。

 山口教諭は「運が良かった。こんな大混乱になっているとは思わなかった。早めに警察や学校に相談すれば良かった」と反省する。

 同校は校庭が手狭なため、部活動の練習は校外ですることが多い。地震発生時、陸上部も品川区内の公園で練習しており、生徒16人が園内の都施設で夜を明かした。顧問の羽生稔之教諭(38)は「公園内にいると、いつもよりちょっとひどく揺れたぐらいにしか感じなかった」と振り返った。

 修学旅行中だった沖縄県立浦添高校の2年生269人は、5人程度の班に分かれて都内を見物していた。千葉県浦安市のホテルに宿泊予定だったが、地震による交通機関の混乱のため、ほとんどの生徒がたどり着けなくなった。

 東京駅近くで足止めされたリユー志保子教頭(56)らは、沖縄の留守部隊と連絡を取り合いながら、メールを駆使して生徒全員の無事を確認。並行して、生徒を少しずつ合流させ、最終的に、緊急避難所になっていた東京駅近くの小学校や青山学院大学(渋谷区)など4か所に分宿した。

 リユー教頭は「旅行中に地震にあった時、どう避難するか、具体的に決めていなかった。全員が無事で本当に良かった」と胸をなで下ろす。

 中高生は、部の遠征試合や合宿、修学旅行など、教職員の引率で遠くまで出かける機会が多い。最近は小学校も、総合学習などで地域に出る。だが、少ない教職員で引率する場合もあり、教職員一人一人に的確な判断力と行動力が求められている。

 文部科学省の石田善顕・学校安全対策専門官は、「想定を超えた事態も起きうる。教職員は普段から意識を高く持ってほしい」と話している。

(2011年3月30日 読売新聞から転載)


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被災地でなくても不安・動揺 保健室駆け込む子が急増

東日本大震災の被災地から離れた首都圏などの小中学校で3学期、保健室に駆け込む子どもたちが増えた。「地震や放射能が怖い」「眠れない」と不安を訴えたり、教室で泣き出したりしたという。新学期もなお動揺している子が出ることも考えられ、専門家は保護者や教師に配慮を求めている。テレビで被災地の状況を見続けていることや、保護者が家庭で不安を口にしていることが背景にあるようだ。

 「いつでも逃げられるようにと思うと、カバンが手放せない」。東京都内のある区立中学校では14日、2年生女子が通学カバンを抱きかかえ、泣きながら保健室に来た。震災の様子を伝えるテレビ番組を見続けて「怖くて涙が止まらない」と言う。女性養護教諭(36)はうなずきながら聞き、11日の地震当時のことは「上手に避難できたね」とほめた。彼女は次第に落ち着き、その後体育の授業に参加して「体を動かしたら元気になった」と報告に来た。

 保健室には「不安で眠れない」「揺れ続けているようで気持ち悪い」と生徒たちがひっきりなしに訪れた。授業中に地震があると、泣き出す子も多かった。

 横浜市の市立学校は、震災に関する配慮から保護者が子どもを休ませても欠席扱いにしない措置を取った。ある市立中学校では5日間で1、2年生10人以上が休んだ。登校した2年生男子も「眠れなくて体調が悪い」と保健室を訪れ「こんな大変な時によく授業なんかやりますね」と漏らしたという。養護教諭(48)は「母親が放射能汚染などの報道を見るたびに沈んでいるそうで、生徒にも影響しているようだ」と指摘する。

 川崎市のある市立小学校では震災後、児童らが断片的な情報から「ぼくの家も壊れちゃうに違いない」「今度は東海地震が起きるらしいよ」などと毎日のように不安を口にしていたという。同市では地震後、給食を休止し、午前中だけの授業になっていた。男性教諭(55)は、生活リズムの変化も児童の不安が高まる要因になっているとみる。

学校では教諭らが「地震が起きても守ってあげる」と声をかけている。しかし、家庭では保護者も余震や放射能汚染を不安がり、それが児童に伝わっているとみる。教諭は「保護者は風評にまどわされず、冷静に正しい情報をつかんでほしい」と話す。

 18歳までの子が悩みなどを話せる電話「チャイルドライン」支援センターの太田久美常務理事によると、震災後、西日本からも「自分も地震に遭うかも」「テレビで被災地を見ていて不安になる」という電話がかかってくる。

 日本小児科医会の保科清会長は「米同時多発テロの時なども、日本でテレビの映像を見続けた子どもが不安定になった。被災地以外の子に普通に起こりうる異変だ」と話す。保護者や教師らは▽子どもが不安を話し出したら最後まで聞きとおす▽今いる場所は安全だと伝える▽不安がっている時、特に寝る前は震災に関する映像を見せない▽震災の話をするときは自分の不安が伝染しないよう、落ち着いた口調で話す――といった配慮が必要だと話している。

(2011年3月30日 asahi.comから転載)


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2011年03月28日

教師が保護者を訴えた意味     【教育評論家・石井昌浩】

昨年9月、埼玉県行田市立小学校の女性教師が、度重なるクレームで不眠症になったなどの理由で担任する3年の児童の両親を相手に慰謝料を求めて提訴した。親が教師を訴えるのは今どき珍しいことではないが、教師が親を訴えるのは初めてのことで、訴訟の是非について議論が起きている。

 どっちもどっちだという言い方も聞くが、私はそうは思わない。この訴訟は、今まで一方的に保護者から攻撃され続けてきた教師の側が、初めて、司法の専門家である裁判所の判断を求めた一種の緊急避難と考えるべきだと思う。

 教師は今や、まるでサンドバッグのように打たれっ放しの状態に陥っているのではないか? 文部科学省の問題行動調査によっても、ここ数年小学生の対教師暴力が増加している。教師は、子供や親からの攻撃にじっと耐え続け、専門職としての誇りをはぎ取られている。教師が親を訴える非常手段に出た事実を、今の教育が抱える困難を象徴しているものと見なければなるまい。

少なくとも30年ほど前までは、親は教師にそれなりの敬意のまなざしを向けていたような気がする。教師に面と向かって大声で怒鳴ったり、何時間も続けて電話で抗議したりする親は稀(まれ)だったと思う。ところが近頃では、教師を教育サービスの提供者のように見なす一方で、自分たちはビジネスとしての教育サービスの受け手であるかのように勘違いする親が増えてきている。

 親の間には、教師には何を言っても許されると錯覚する風潮が広まっている。一部の親は公立学校の教師をなめきっているのだ。多くの学校では今、些細(ささい)なクレームでも校内のことは何でも「校長を出せ!」という話になりつつある。スーパーで買い物をして何か気に入らないことがあるとすぐキレて「店長を出せ!」と大騒ぎする不心得な客に似ている。わが子のことしか見ることのできなくなった親の身勝手な要求や、常識というブレーキの壊れた親の問題行動によって学校の教育機能が破壊され始めていると言っていい。

 自らの思い込みを絶対視して、理不尽な要求を突きつける一部の親に、教師たちは心身ともに疲れ果ておびえている。私の耳に入る限りでも、親の度を過ごしたクレームが原因でノイローゼ寸前に追い込まれる校長や教師が目立って増えている。

 今度の訴訟について「教師が親を訴えるのは前代未聞」「訴えるべき相手は上司として自分をサポートしなかった校長と市教委」と批判する人もいる。しかしこれは、事実を見ないお門違いの考えだ。問題を担任に任せて逃げ回る校長や教育委員会が多い中で、校長と市教委は筋を通してきちんと対応していると思う。

もうそろそろ、公立学校の教師をやみくもに非難し追い込むのはやめようではないか。学校教育の現場に、学びにふさわしい静かな環境と秩序を取り戻そうではないか。その上で教師には、教えることについての誇りを回復してほしい。

 東日本大震災は、地震・津波・原発事故という戦後最大の災害となった。避難所に充てられた学校で、教職員は黙々と被災者を支援している。希望を捨てず、たじろぐことなく困難に立ち向かう大人の姿を目にして、子供たちは、きっと何かを学び取ってくれるに違いない。


【プロフィル】石井昌浩

 いしい・まさひろ 都立教育研究所次長、国立市教育長など歴任。著書に「学校が泣いている」「丸投げされる学校」。


(2011年3月28日 産経ニュースから転載)


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2011年03月25日

子どもにケータイ与える前に…… 注意点は?

もうすぐ新学期。携帯電話(ケータイ)のフィルタリングをどう活用するかについては先の記事で取り上げたばかりですが、これまでの記事などを基に、もう一度、ケータイをお子さんに買い与える際の注意点についてまとめてみましょう。

ケータイは、塾や習い事などに通ったり、部活動で遅くなったりする子どもと、いつでも連絡が取ることができ、安心・安全のためにも欠かせないツールとなりつつあります。しかし、今やケータイは電話機能だけでなく、インターネット接続機能が標準装備となっています。……当たり前じゃないか、と思うでしょうね。保護者の方々にとっても、よく使う機能としては、電子メールのやりとりのほうが多くなっていることでしょう。でも、ケータイ「電話」を買い与える前に、まず、「他人からは見えにくいインターネット接続機器」を子どもに与えることが適当かどうか、立ち止まって考える必要があるでしょう。そのうえで、最初は電話機能だけ、あるいは、電話とメールに限ったものを与える、という選択肢があることも忘れてはいけません。

さて、そのうえで、インターネット機能についてです。現在は事業者に対して、18歳未満の子どもにケータイを販売する際、保護者の申し出がない限り、有害情報への接続をブロックする「フィルタリング」の機能をつけるよう、法律で義務付けられています。

ところが、警察庁が昨年12月に行った≪覆面調査≫ によると、ケータイ販売店の4割が、説明が不十分だったり、説明に熱意がなかったりして、改善が必要だったことがわかりました。資料では、年齢確認をしていなかったり、「つけないほうが良い」とすすめたりするなど明らかに問題のある事例のほか、「フィルタリングサービスに加入すると、お友達のブログを見ることが一切できません」「ゲームサイトをするなら、自由にやらせるか、何もできなくするかの二者択一」といった、不十分な説明の仕方しかしてくれないケースさえあります。むしろ、それぞれの機器やサービスの特性に応じて、どうすれば安全に利用できるのか、説明を求めていくような積極的な姿勢も求められるでしょう。

4月からは小学校などでも、本格的に「情報モラル教育」が展開されます。しかし、何といっても、子どもを守るのは、保護者の責任です。常に保護者の目で子どもを守る、「ペアレンタルコントロール」(保護者による制限)が不可欠なのです。そのためには、まず、保護者自身が、知識を持っておくことが必要です。

そうは言っても、一人では限界があることも確かです。だからこそ、PTAの出番ではないでしょうか。そもそもPTA(Parent-Teacher Association)は、保護者と教師が共に学び合う「社会教育団体」です。子どものケータイ問題は、まさにPTAの学習テーマとして最適でしょう。保護者・学校・事業者・各種団体など、関係者が一致協力して子どもを守っていきたいものです。

  <参考>2010年中の出会い系サイト等に起因する事犯の検挙状況 (警察庁)

  (提供:Benesse教育情報サイト)


(2011年3月25日 産経ニュースから転載)


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2011年03月23日

校内泊に追われた私立 【教育ルネサンス 学校と震災】

11日の東日本巨大地震では、首都圏の鉄道網がマヒしたため、生徒が広域から通う私立中学・高校で、当日帰宅できない生徒が続出した。

 都内では、共立女子中学高校810人、日本大学鶴ヶ丘高校180人、巣鴨中学高校160人など、多数の生徒が校内で1泊した。

 頌栄女子学院中学高校(東京都港区)では、電車が不通で駅から引き返してきた生徒も含め、全校生の半数を超える800人以上が家に帰れなくなった。

 全員を耐震工事済みの校舎で待機させたが、電車が復旧する気配はない。横浜市、さいたま市、千葉市など、自宅が遠い生徒もいる。岡見清明校長(67)は覚悟を決め、教職員約60人と一緒に、生徒の世話や保護者との連絡を始めた。

 夕食には、備蓄してあった携帯非常食の「カロリーメイト」を配った。田中貞美教頭(64)らは「何か温かいものを」と、米やかつお節などを買いに走り、調理室でおにぎり約800個を作った。翌日の朝食分約1000個を作り上げた時には、午前2時になっていた。

 家族との連絡用に、校長室にある災害優先電話を開放した。深夜に親が車で迎えに来た生徒もいたが、それでも約500人が配られた保温シートにくるまって寝た。翌朝、高校生は保護者に連絡がついた生徒から下校させ、中学生は親に引き取りに来てもらった。最後の引き取りが済んだのは午後1時だった。

 「教職員は良くやってくれた」と岡見校長は話した。一方、田中教頭は「校内に残った生徒の対応に追われ、下校した生徒の安否確認まで手が回らなかった。保護者への連絡も十分とはいかなかった」と反省した。

 鴎友学園女子中学高校(世田谷区)には、部活動で約1000人の生徒がいた。安全を確認後、徒歩と自転車で約200人が、さらに親が迎えに来た約100人が夜までに下校。生徒約720人と教職員約80人が学校に泊まった。

 吉野明教頭(60)によると、保護者への連絡は比較的スムーズだった。阪神大震災の教訓から、ホームページや携帯サイトでの掲示、メールによる伝言に加え、災害時に不通になりにくい回線を使った音声による情報サービスを設置。保護者はつながりやすい手段で学校からの情報を入手できた。

 東京私立中学高等学校協会長を務める近藤彰郎・八雲学園中学高校長(64)は、「携帯が通じなくても安否が確認できるシステムが必要では」と指摘。佐藤茂樹・都私学行政課長は「私立各校は今回の経験を災害対策マニュアルに生かしてほしい」と話す。

 帰宅困難な生徒の安全と保護者への連絡。通学範囲が広い私立校の課題が明らかになった。


(2011年3月23日 読売新聞から転載)


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