2011年05月

2011年05月15日

栄光が被災地で出前授業 塾、教育産業など支援続々

学習塾、通信添削会社などの教育産業が、東日本大震災の被災地で避難所生活を送る子供たちの学習支援に取り組んでいる。工作の出前授業をしたり、通信講座の受講料を無料にしたりとそれぞれの方法で、学習機会の提供に力を入れている。  

学習塾「栄光ゼミナール」を運営する栄光は、避難所に出向く出前授業を開いている。4月26日には、宮城県石巻市で避難所になっている青葉中学校を会場に、万華鏡を作る理科実験教室を開いた。避難所で生活を送る小中学生24人が目を輝かせ、作品が完成すると会場に歓声が響いた。  

「大好きな工作が久しぶりにできて楽しかった」と参加した子供たちは明るい表情を見せた。  

この日、出前授業に訪れたのは、宮城県内の講師7人。「教育産業らしい支援」を実施するため講師10人の支援チームを組織、避難所めぐりを続けている。  

5月1日には近藤好紀社長直属の「復興支援室」と位置づけられた。5月中は万華鏡教室を開催、6月からは、大きなシャボン玉作りから表面張力を学ぶ内容に改める。  

今後は臨時教室も設置する。すでに宮城県石巻市でで塾に生徒に限らず被災地の子供を広く集めて、学習サポートを無償で行う準備を急いでいる。同社では「今後、進路指導もしたい」と話している。

一方、通信教育大手のZ会グループ(静岡県長泉町)は、被災した幼児~高校生の会員を対象に、23年度末まで通信講座の受講料を無料にすることを決めた。  

インターネット上で学習できるeラーニング学習教材を提供するすららネット(東京都千代田区)も、eラーニング教材「すらら」の無料提供を開始した。岩手、宮城、福島、茨城各県の被災地と、その周辺地域で、休講などにより十分な学習ができない中高生を対象に、英語、数学、国語の教材を8月31日まで無料で利用できる。  

同社では、「震災の影響で学力や受験に不安を抱える方の力になりたい」(広報担当)と話している。

(2011年5月15日 産経ニュースより転載)


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2011年05月10日

公立中高一貫校にも「学力検査」? 中教審が見直し論議

1999(平成11)年度に中高一貫教育校が制度化されてから、10年以上が経ちました。

中央教育審議会(中教審)では、主に公立校を対象にした見直しの検討が進められています。高校の授業料無償化で、6年一貫の教育を受けられる公立中高一貫教育校の人気は、年々高まっています。中教審の論議で今後、どう変わっていくのでしょうか。

中教審に提出された文科省の調査結果を見ると、創造性や自主性を重んじた個性豊かな子どもの育成などの理念は、ほぼ具体化されていると評価されています。一方、▽高校入試がないことによる「中だるみ」現象が起きている▽6年間のうちに、生徒間の学力や学習意欲の格差が拡大する▽教育課程の特例が少ない……などが、課題として挙げられています。

このうち、学力格差の拡大については、現在、中学校段階の入学選抜で「学力検査」を禁止していることが入学後の学力格差につながっているという指摘を受けて、中学校段階の入試に「学力検査」を導入することが検討課題の一つとなっています。現在、中学校段階の入試としては、思考力や創造性などを見る「適性検査」が実施されています。もし「学力検査」が解禁されることになれば、公立中高一貫教育校の入試も大きく変わることになるでしょう。

一方、教育課程の問題では、6年一貫のメリットが現行制度では十分に生かされていないとして、公立中高一貫教育校に対する学習指導要領の特例措置を拡大することも課題になっています。

また、経済的事情などで私立中高一貫校に進学できない子どものために、公立中高一貫教育校をさらに拡大すべきだという意見も出されています。ただ、これについては他の中教審委員から、一般の中学校が大きな打撃を受けること、学習塾通いで逆に保護者の教育費負担が増えることなどを考慮すべきだという意見も、併せて出されています。

こうした論議の背景には、公立中高一貫教育に対する社会の受け止め方の変化があることは、間違いないでしょう。

それまで私立のみだった中高一貫教育が公立学校に導入された1999(平成11)年当時は、「公立学校にエリート教育を持ち込むものだ」という批判の声が強く、そのため中学校段階の「学力検査」が禁止されたほか、学力向上よりも環境教育など特色ある教育に力を置いた教育課程の編成が奨励されるなど、エリート教育校化しないよう歯止めが掛けられました。しかし東京都が、社会のリーダーとなる生徒の育成を掲げて中高一貫教育校を設置し始めたころから、社会の状況も、公立中高一貫教育校に対する見方も、大きく変わってきました。

中教審で行われている論議も、古い時代に構想された公立中高一貫教育の制度を、現在の社会状況に合ったものに変更していこうというのが狙いだと言えそうです。



(2011年5月9日 産経ニュースより転載)


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