英語週1以上、高学年で8割 ベネッセ調査横浜の私立中進学率は3年連続低下、06年度以降最低の水準で経済状況が一要因に

2011年03月05日

2011年度入試傾向分析    「ゆとり教育の終わりと親の収入減で「投資効果」が厳しく問われた中学選び」

今年の首都圏の中学受験の受験者は約5%減ると見られていたが、大手塾の日能研によると約1.9%の微減にとどまった。受験率も昨年の20.3%から0.6ポイントだけ下がって19.7%。受験生1人当たりの併願校数は5.0校で昨年とほぼ同じだったという。厳しい経済不況の中でも私立中人気は根強かったことになる。

今年の保護者は子どもが小学4年生の時にリーマンショックに遭っている。塾通いを始めていたとすると、経済的な不透明感の中で中学受験を目指してきたことになる。それだけ、中学受験を完遂する強い意志を持っていたからこそ、この数字でとどまったのではないかと想像している。


◆今年は難関上位校、とくに 東大合格者が大幅増の学校が人気に


今年の入試で目立ったのが難関上位校の人気が高かったことだ。大学合格実績とりわけ東京大の合格者が大きく増えている学校に人気が集まった。


男子校では東京大合格者が138人から168人に30人増えた開成が5.5%増えて志願者1176人、競争率は2.9倍で昨年の2.7倍からアップした。同様に東京大合格者が16人増の聖光学院、22人増の駒場東邦、15人増の海城、12人増の攻玉社などが人気を集めた。


海城は今年から高校募集を停止して一貫教育のカリキュラムを強化したことも人気を押し上げる要因になっている。全体の志願者は253人、16.8%増えて1758人だった。東京大合格者が3倍に増えた攻玉社は、一般生だけで志願者は318人、21.7%増。競争率も1回目の試験が昨年の2.6倍から3.3倍、2回が1.9倍から2.8倍にアップした。


女子校でも同様の傾向が見られた。女子御三家で志願者が唯一増えた雙葉は、東京大合格者が6人増えて15人だった。豊島岡女子学園は7人増えて24人合格で、志願者は208人増の2913人。首都圏女子校トップの志願者数だ。競争率も1~3回まで順に2.6倍、10.1倍、9.6倍でいずれも昨年を上回り、特に2回、3回はかなり厳しい入試となった。


共学校では東京大合格者19人増の47人で開校以来最高の合格者となった渋谷教育学園幕張が、やはり志願者を増やしている。

こう見てくると、上位校では東京大合格者数が志願者数の動向に大きく影響していることが分かる。東京大だけでなく、全体的に大学合格実績がアップしている中学の人気は高い。男子校では世田谷学園、鎌倉学園、共学校では栄東、西武学園文理、専修大松戸、女子校では浦和明の星女子、鴎友学園女子、洗足学園、東洋英和女学院、共立女子などだ。

こういった大学進学実績至上主義ともいえる動きは近年顕著になった傾向だ。不況の影響で教育投資へのマインドの冷え込みもとあいまって、中学受験・進学に費用対効果がより厳しく求められているようになりつつあるようだ。


◆大学進学重視は早慶 立教などの根強い人気にも表れた


志望校選びでの大学進学重視は、早い時期から大学進学の道を確保し、中高6年間をかけて生徒を伸ばしてくれる有名大付属校の人気にも繋がっている。この意味では早稲田大や慶應義塾大、立教大などの人気が根強かった。

慶應の付属校は普通部、中等部、湘南藤沢の3校とも志願者増。早稲田では開校2年目となる早稲田大高等学院の志願者が21.3%増えて536人になり、競争率も2.9倍から3.7倍にアップした。

同じく開校2年目の中央大付も14%の志願者増で人気を集めた。昨秋、中央大の付属校となった中央大横浜山手は438人、64.3%の大幅な志願者増だ。同校は今年の募集までは女子だけだが、来年から中学が共学となり校舎を移転する予定で、人気はさらに高まる可能性がある。

なかでも今年注目されたのが東京都市大等々力だ。もとは女子校だったが、共学部を設置し併設の東京都市大(旧・武蔵工業大)への進学を保証しながら、難関大進学を目指すカリキュラム改革を行った。志願者数は昨年の1700人増に続き、今年も1000人以上増え、志願者は3376人。同じく進学校として知られる男子校の東京都市大付も志願者が10.9%増え、3692人だ。両校あわせて7000人を超える人気だ。

昨春、東大に4人合格者を出している立教新座も、付属校であることに加えて難関大学合格を目指す進学校として人気が高まっている。

入試の改革で人気を集めた学校もある。日本大は午後入試を新しく実施し、志願者は1172人増えて2689人となった。午後入試を増やした桜美林は567人増、同じく関東学院も222人増えた。特待生入試を実施した浦和実業学園は志願者が倍増。1409人から3030人と人気を集めた。

志願者を増やした学校もある反面、中堅以下の学校では志願者が減った学校も多く、中学受験は明らかに人気の二極化が進んでいる。

ここ数年志願者が伸び続けてきた広尾学園は、試験実施の回数を減らしたことが影響して志願者は600人減の3072人となった。大学合格実績アップで難易度が上がりそうだと敬遠された神奈川大付が713人減で志願者が1827人、同じく国学院大久我山も391人減の2426人だった。人気が高まった栄東の影響からか、同じさいたま市にある開智が677人減の3730人の志願者だった。

人気大の付属校でも青山学院、法政大、明治大付中野、明治大付中野八王子が志願者減で、他にも中堅以下の女子校に志願者が減っている学校が目立っている。


◆関西圏も難関上位校が強く 大学付属校の人気も上昇


次に関西圏を見てみよう。首都圏同様に私立中の人気は根強かった。日能研関西によると、受験生数は昨年並みで、受験率は0.3ポイント下がっただけの9.3%だったという。

関西圏でも難関上位校の人気が高かった。灘、東大寺学園、洛南高付や、東京大と京都大の合格者が増えた甲陽学院、それ以外でも洛星、清風南海などで志願者が増加した。神戸海星女子学院、京都女子、甲南女子などの女子校も大学合格実績がアップしており人気を集めた。

大学付属校の人気も上がっている。昨年は併設小からの内部進学者が出るために募集人員が削減され、競争倍率が高まることが敬遠された同志社大や立命館大の付属校、新設2年目の関西大中等部などが志願者を増やしている。

さらに、大阪桐蔭は、関西圏ではまだ実施校が少ない午後入試で人気を集めた。今後は、関西圏でも午後入試が増えそうだ。

今年から始まる小学生の新学習指導要領では、3割内容カットで話題となったゆとり教育カリキュラムが終わる。ゆとり教育による学力低下への危機感から私立中ブームは起きた。その教育への不安がなくなるわけだから、公立でもいいのではないかと考えが高まってきても、それは自然である。

だからこそ、今いちど、中学受験の意味を考え直しておく必要がある。

私立中の魅力は高い進学実績だけにあるのではない。進学実績は各校が努力して作ってきた教育の結果に過ぎない。その意味では、ここ数年高まっている合格実績主義は一面的な学校評価と言わざるを得ない。特色ある教育方針、多感な6年間を友人と共に過ごす良さなど、中高一貫校のさまざまな魅力を総合的に考えて、受験の目標を定めなくてはならない。


(2011.3.4 DIAMOND onlineより転載)


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