低体温の子ども、「意欲」が低下考える習慣 塾で培う

2011年09月21日

知識活用 根拠まで回答 【PISA型学力】

受験を控えた中学3年生約20人が、真剣な表情で問題と向き合っていた。

 13日夜、千葉県市川市の進学塾「市進学院」本八幡教室で行われていた数学の授業。この日のテーマは「放物線と図形」だ。

 「ここで、どこかおかしな所があるけど、何でか分かる? これ、ありえないんだ」。担当する伊勢屋寛先生が問いかける。生徒たちのけげんそうな表情を見て、「先生が間違うから、誰か突っ込みを入れてくれ」と、今度は図を描きながら呼びかけた。

 生徒たちに問題を解かせている間に、先生は「機械的に解くのではなく、常に『出題者は何を問うているのか』を考えさせることを心がけています」と、記者にその意図を説明してくれた。


 PISA型学力が求める、習得した知識や技能を活用する力は、一朝一夕で身に着くものではない。市進学院では、一見、PISA型とは関係ない設問でも、「なぜそう思うのか」「根拠は何か」を考えさせ、「考える力」の育成に取り組んでいる。

 例えば、「弥生時代に、貧富の差が生まれたのはなぜか」という歴史の問いでは、「稲作が始まったから」と答えれば、正解になる。だが、授業では、さらに「なぜ、そう考えたのか」を聞く。「教科書に載っていたから」ではだめで、自分の知識を活用して回答させる。

 千葉県の県立高校を志望している斎藤翔太君(15)は、「授業でいつも答えた理由を聞かれるので、根拠を考えるという習慣がついた。テストにも使えると思う」と話す。市進の勝見正彦企画部長(57)は、「PISA型学力という言葉が注目される前から、考えさせる授業を続けてきた。入試への導入は大歓迎」と自信を見せる。

 公立高校入試にPISA型学力を問う問題を導入する動きは、各地で広がっている。千葉県では2003年から07年まで、県独自の学力調査を実施。その結果、「筋道立てて考える思考力」「資料を読み取る力、自分の言葉で表現する力」などに課題があることが分かり、08年春の入試から、思考力などをみる問題を増やした。平均点は下がったが、中学生に考える力をつける勉強をする動きが出てきたという。

 同県教育庁の広部泰紀・主任指導主事(53)は「きちんと勉強しないと高校に入れないというメッセージになった。今の方針を続けたい」と話す。

 これからの社会を生き抜くのに必要な力が、受験で鍛えられている。(永瀬章人、写真も)



wakabanavi01 at 13:14│ 教育・学習 | 中学校
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