(2)地方私立中 東京で入試 【当世受験事情】中学受験、本番…震災で「近場」に人気

2012年02月02日

(3)プレテストで囲い込み【当世受験事情】

シーンと静まり返っていた教室から、テストを終えた小学6年の女子児童が次々に出てきた。「入試の雰囲気が味わえた。本番では緊張せずに済みそう」と、女子児童(12)が手応えを語る。

 昨年12月10日、京都市東山区の華頂女子中学校で行われた「プレテスト」。試験問題は、入試本番とそっくりに作ってあった。

 同中は、浄土宗系の学校法人が経営する女子校。総本山・知恩院のそばに立ち、今年で創立101年の伝統を持つ。中高一貫の少人数教育が売りで、募集定員は50人だ。近年は定員割れが続いているため、学校説明会や校内見学会など、生徒募集活動に力を入れている。

 その新戦略として2010年に導入したのが、参加費無料のプレテストだ。テスト当日に保護者向けの入試説明会を併せて開いたり、後日、採点した答案にA~Dの4段階の評価をつけて返却したりする。昨季は1回だけだったが、志願者増を狙って今季は10~12月に3回実施し、延べ約60人が参加した。

 プレテストに付き添ってきた母親の1人は、「初めて来たが、周りが寺社に囲まれていて、落ち着いている」と、印象を口にした。

 前田千秋校長補佐(57)は「閑静な環境は本校の魅力の一つ。プレテストをきっかけに足を運んでもらえれば、本校の良さが伝わるはず」と期待する。

 プレテストは03年頃から、大阪府内の私立中学校で盛んに行われている。「入試の雰囲気に慣れることができる」と人気が高まり、隣の京都府からも参加者を集めるようになった。

 京都府私立中学高校連合会は10年、「このままでは大阪に志願者を奪われてしまう」との声に押されて、プレテストを解禁した。京都私塾連盟によると、2年目となる今季は京都府内25校中、半数を超える13校が行った。

 プレテストを実施する学校は、関西を中心に各地に広がりつつある。関係者によると、一部の学校では、プレテストの結果で、合格や特待生扱いを約束したり、本番の入試で得点を足したりしているという。

 中学受験に詳しい安田教育研究所の安田理代表(66)は「受験人口が減る中で、生徒募集が厳しいことは分かるが、行きすぎた行為は許されない」と、安易な導入に警鐘を鳴らしている。

 生徒募集活動 学校が入学志願者を集めるためのPR活動。生徒が納める学費で経営している私立校では欠かせない。学校説明会や校内見学会を始め、授業や部活動が体験できる「オープンキャンパス」、教員が過去の入試問題の解き方を説明する「入試問題解説会」など、様々な方法がある。

2012.2.2  読売新聞から転載)



wakabanavi01 at 10:43│ 入試関係 | 中学受験
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