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2012年04月03日

中学必修化「男子にダンス」「女子に武道」 今年度から、現場には期待と戸惑い

中学校の新学習指導要領が今年度から本格実施され、1、2年生の体育で、武道とダンスが必修化される。男子にダンス、女子に武道を教えるという画期的な試み。学校現場では、礼儀作法など「武道の精神」の習得に期待が高まる一方、不安や戸惑いもある。

 ■年間各10コマ程度

 旧指導要領での中学校の体育は、陸上や球技などが必修で、武道とダンスについては1年生でどちらかを選ぶ選択制。このため多くの学校は男子が武道を、女子がダンスを選んできたが、今年度からは、いずれも必修となり、男女とも年間各10コマ程度学ぶ。

 ダンスは、運動に親しむ資質の育成を図るためには多くの競技を経験させる必要があるという観点から必修化された。

 ヒップホップなど現代的なリズムのダンスや、創作ダンス、フォークダンスなどから選択するが、ダンスを教えるのは初めてという男性教員も少なくなく、現場では戸惑いもある。

 東京都台東区立駒形中学校の男性教員(55)は「私たちの世代では、音楽に合わせて体を動かすと言ったらラジオ体操。フォークダンスなら、まだ何とかなるかもしれないが、ヒップホップを教えろと言われたら年齢的にも技術的にも不安だ」と話す。

 ヒップホップダンスなどは、地域のダンススタジオの講師らを招き、教員も一から学びつつ、生徒に指導することになるという。

 男子生徒の反応はどうか。東京都武蔵村山市立第一中学校では昨年度、男子生徒にヒップホップダンスを教えるモデル授業を実施。市教委の担当者は「男子は初めてなので恥ずかしがるかと思ったが、生徒たちの間で人気があるヒップホップだったからなのか、みんな楽しそうに踊っていた」と意外そうに話した。

 ■多くが2学期以降

 武道必修化のきっかけは、「伝統と文化の尊重」を盛り込んだ平成18年の安倍晋三政権による教育基本法の改正だ。20年には中央教育審議会が同様の方針を打ち出し、改正学習指導要領で必修化された。

 以降、文科省や学校現場では今年度からの武道必修化に向け、設備面や指導教員の育成など安全面も含め準備を進めてきたが、導入を間近に控え、急速に安全への不安が高まっている。

 死亡事故の発生確率が他の競技より高いと指摘されていることが一因だが、日本スポーツ振興センターの資料によると、元年度から21年度までに、中学生の柔道授業中の死亡事故はゼロ。身体に障害が残る頭部への重大事故は2件あった。部活動中では25件あった。


東京都港区立中の40代の男性教員は「勝敗を競い、必死で取り組む部活動とは違い、授業での柔道は、礼儀作法や受け身など基本動作の指導が中心になるので、安全対策を十分に取れば危険性は低い」と話す。

 不安解消のため、文科省では3月、全国の教育委員会に授業での安全が徹底されるよう指導者や指導計画の見直しを要請。全日本柔道連盟や警察庁などに指導の協力も要請した。

 柔道やダンスとも、実際に実施するのは2学期か3学期という学校が多いといい、各学校では夏休みに研修を開くなど、準備を具体化させていく方針だ。


(2012.4.3 産経ニュース)


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