公立中高一貫 (5)進学実績 生徒集めの壁中高連携の1期生が県立光陵高に入学、国大付属横浜中から

2012年04月12日

公立中高一貫 (6)学力検査導 入望む声

頭をかいたり、首をかしげたり。3月10日、学習塾「ena(エナ)」が新設した瑞江校舎(東京・江戸川区)で、地元の小学4、5年生12人が、無料の「都立中適性検査テスト」に挑んでいた。

 「適性検査」は、公立中高一貫校独自の入試方式。文章や資料を読んで思考、記述する力などを問う。このため、正解は一つとは限らず、受験対策は難しいと言われた。

 しかし、公立一貫校受験塾への特化を進める河端真一・ena学院長(50)は「対策は立てられる」と明言。今春、都内の11校に、学習塾では最多の401人(定員の3割弱に相当)を合格させ、その主張を裏付けた。

 公立一貫校が適性検査を実施するのは、1998年に中高一貫教育制度ができた際、「学力検査は行わない」と、学校教育法施行規則に定められたからだ。受験競争の低年齢化を防ぐのが狙いだった。

 だが、塾による受験対策が進み、塾通いがさらに盛んになる可能性も膨らんできた。

 また、公立一貫校の間では「入学者の学力差が大きく、指導が大変。教科の知識を問う学力検査をやりたい」という声が拡大。複雑な計算が必要な問題や、知識を覚えていると早く解ける問題を適性検査に組み込む学校もある。

 規制改革会議は2008年、「事実上の学力検査が行われている」と批判。文部科学省に公立中高一貫教育の検証と改善の検討を求めた。

 同省が中央教育審議会に設置した作業部会は、昨年5月30日の会合で、公立一貫校の学力検査導入について議論した。議事録によると、公立校側の委員が「最低限の基礎学力は問うほうがいい」と発言。一部慎重論が出たが、同調する意見が相次いだ。

 これに対し、私学団体の日本私立中学高校連合会は、反対の意見書を同省に提出。同省は7月、賛否両論を併記した報告書をまとめ、結論を先送りした。

 作業部会の委員を務める清水哲雄・鴎友学園常務理事(65)は「法令で学力検査は行わないと決めてあるのに、歪曲(わいきょく)されていくのは問題だ」と警戒心を緩めない。

 都内の公立一貫校のある副校長は「出口の大学入試が学力を問う限り、今のジレンマは続く」と困惑する。

 公立中高一貫教育は、入試一つをとっても、曲がり角を迎えている。(石塚公康、写真も)

 メモ 中央教育審議会は2008年の答申で、学力の重要な要素として、基礎的な知識・技能、思考力・判断力・表現力などの能力、主体的な学習態度の3点を提示。このため、思考力などを問う公立校の適性検査は「学力検査そのもの」とする見方も強まり、問題がさらに複雑化している。



wakabanavi01 at 00:44│ 公立 
公立中高一貫 (5)進学実績 生徒集めの壁中高連携の1期生が県立光陵高に入学、国大付属横浜中から