hotline学校分析  【森村学園中等部・高等部】私立大の定員割れ46% 過去最悪レベルに

2012年08月26日

私立校選びの新基準に 〔教育ルネサンス〕

私立の逗子開成中学・高校(神奈川県逗子市)で7月上旬、津波防災用のライフジャケットが生徒全員に1着ずつ配られた。

 防災頭巾と一体となった特注品で、体を水に浮かせるだけではなく、「頭巾」が頭部をしっかり守る。「体から外れないように、ひもの長さを調節して」。先生の指示に従って、生徒たちは真剣な表情で「命を守るジャケット」の素早い装着法を学んだ。

 相模湾に臨む逗子海岸まで「徒歩30秒」という同校は、進学校であるとともに、伝統的に遠泳やヨットなどの海洋教育に力を入れてきた。校舎屋上から太平洋を眺めることが出来る立地は「セールスポイント」の一つだったが、東日本大震災後は、入学希望者の保護者が、この近さを心配するようになった。「学校説明会でも『防災はどうなっているのか』『津波が来ても安全か』などの質問が出るようになった」と山田潤教頭(55)は話す。

 このため、説明会では学校周辺の津波被害想定や避難訓練などの防災対策を詳しく紹介した資料を必ず手渡す。

 そして、特注のライフジャケット――。1着約5000円で、約1700人の全生徒と、教職員分を購入した。普段は教室内の棚に保管し、いざという時は、素早く装着して万が一、津波に追いつかれた場合もこれで命を守る。

 5月に行われた全校避難訓練では、約1・2キロ・メートル離れた標高93メートルの披露(ひろ)山まで逃げる試みにも挑んだ。同校周辺で想定されている最大級の津波は高さ12メートルで、これまでは校舎の3階か屋上に避難すれば安全と考えてきた。同校の校舎は逗子市の「津波避難ビル」に指定されてもいる。

 それでも、同校の防災対策を担当する橋本和明・生活指導部長(45)は「想定にとらわれること自体が良くない」と言う。披露山への避難も選択肢に加え、伝統の海洋教育の時間には、地震を想定して素早く戻る訓練も取り入れた。毛布や非常食などの備蓄も大幅に増やした。身を守るための態勢を整え、判断力も鍛える――。そして、災害への備えが校内の結束を高める。

 東日本大震災から間もなく1年を迎える2月初旬に行われた今年度の入試でも志願者数が大きく減じることはなかった。「本校の防災対策を理解いただけたのではないか」と山田教頭は言う。

 私立中高一貫校の選択基準は、特色ある教育、高度で丁寧な進路指導……。そこに防災が加わり始めた。(木村達矢)

保護者高い関心

 公立に比べ遠距離通学の比率が高い傾向がある私立学校。防災対策の充実の背景には、保護者の関心の高まりがある。

 旺文社中学受験・高校受験パスナビの中井美佳編集長は「説明会では、ほとんどの私立が防災対策に触れるようになった」と話す。

 東日本大震災後に、同社が、関東の私立中高約300校に実施したアンケートでは、約9割が独自の防災マニュアルを整備し、水や非常食などの備蓄や定期的な避難訓練を行っていた。



wakabanavi01 at 01:09│ 中学受験 | 私立
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