国際バカロレア  (1)考えを伝え 違いを知る愛知の中1、最年少合格=気象予報士、12歳11カ月

2012年10月05日

国際バカロレア  (2)評価の基準知り意欲

 「どんな図を書いたか、説明して」。教師用のコンパスや定規を手に、生徒たちが代わる代わる教壇に上がる。

 東京学芸大学付属国際中等教育学校(東京都練馬区)、2年(中2)の数学の授業。課題は「バスのドア付近に危険防止のセンサーをつけよう」だ。ドアの可動域を調べ、図を描く生徒たち。「今の説明についてどう思う? 近くの人と話し合ってみよう」。試行錯誤するうちに、生徒たちの図は正解へと近づいていった。


 同校の数学の授業では、国際バカロレア(IB)に基づき、発表や意見交換を積極的に取り入れている。「問題演習は家でもできる。いろいろな考え方を吸収し、解法の基礎となる概念を形成することは、仲間のいる学校でしかできない」と、指導する本田千春教諭(42)は解説する。


 IBの導入は、2006年、同校の前身となる同大付属高校大泉校舎で、英語担当の教員が提案したのがきっかけだった。07年、「国際化の中で活躍する力」を育てる学校として、同大付属大泉中学校と統合して国際中等教育学校が誕生。同時に1~4年(中1~高1)でのIB実施を決め、オリジナル教科書で授業を始めた。


 数学担当の教員たちは、既に00年から、「生徒が考える数学を」と教材開発を進めていた。「思考の過程を重視するIBの理念と、私たちが目指していたことが、ぴったり一致したばかりか、適切な評価の方法も示していた」と本田教諭は言う。


 例えば、自分の解いた道筋を振り返り、重要性や改善案を検証し、説明する「振り返りの力」。成績をつけるのが難しく、授業に取り入れにくいが、IBでは、到達度などを記した一覧表(ルーブリック)を、評価の基準として事前に具体的に生徒に示す。


 「図形のどんな性質がどのように利用されているか、その利点は何かを説明できる=5~6点」「図形のどんな性質がどのように利用されているのかを説明しようとしている=1~2点」などといった具合だ。


 何をどの程度求められているか、生徒自身が理解できる。「他校の先生は、生徒に成績の付け方を種明かしするなんてと驚くが、苦情を言ってきた生徒は5年間で1人。考える姿勢が評価されると分かり、生徒の意欲は目に見えて上がった」と本田教諭は言う。

 テストで測れない部分をきちんと評価することが、考える力を鍛えている。


 メモ 
IB加盟校は数年に1度、評価のチェックを受けなければならない。加盟校は、授業計画や課題、作成した到達度一覧表、無作為に選んだ8人分の成績を国際バカロレア機構に送付。評価が甘すぎるなど、適正でないと判断された場合は、評価のやり直しや授業計画の改編が求められる。


2012年10月5日  読売新聞から転載)


wakabanavi01 at 09:47│ 教育・学習 | 国際バカロレア
国際バカロレア  (1)考えを伝え 違いを知る愛知の中1、最年少合格=気象予報士、12歳11カ月