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2012年10月12日

国際バカロレア (4)創作過程語り「説明力」

 「この作品における君の意図は?」。刷り上がったばかりの木版画を手に、外国人教諭が英語で問う。

 「花火の手前に灯籠を配置することで、日本の文化と歴史を表現できると考えました」と男子生徒。「葛飾北斎の構図を取り入れました」と付け加えると、教諭は満足そうにうなずいた。

 9月中旬、玉川学園(東京都町田市)で行われた「IB(国際バカロレア)クラス」11年生(高校2年)の美術の授業。生徒たちは木版画に絵の具やクレヨンで色を着けながら、作品の仕上げに余念がなかった。

 海外の大学を含めた幅広い進路に対応できる教育を行おうと、同学園がIBクラスを設けたのは2007年。09年に中等教育課程、10年にはディプロマ資格課程の認定校となった。美術(芸術)はディプロマ資格課程6科目の一つで、授業は英語。生徒は11~12年生(高2~高3)の2年間で20作品に取り組む。

 IBの美術では、作品だけでなく、完成までのプロセスも重視する。そのために使うのが学習進歩ワークブック=写真=。一見、普通のスケッチブックだが、中にはスケッチだけでなく、版画の歴史、作家についての研究、作品プランなどをびっしり書き込む。

 指導にあたるジャロッド・レイナー教諭(39)が、「試験では、これらの書き込みをもとに、テーマや素材、色の選択、参照した作家の技法などについて、どのような意図でそうしたのかを説明するのです」と解説してくれた。

 日本の夏の文化をテーマに、花火と灯籠の作品を手がけた井上昂洋(たかひろ)君(17)は「何でも自分でアイデアを出し、説明を求められる。授業に慣れるまでは大変だった」と振り返る。花火を見上げる男女を題材にした安井萌恵(もえ)さん(16)は「『色をつけるとおもしろくなるかもね』と先生に言われ、水彩絵の具を薄くのばして他の色と混ぜる技法を使った。美術が好きになった」と話す。

 「生徒から質問されても答えは教えず、自分で見つけるよう指導している。そうして身につけた問題解決能力と創造力は、大学進学後に専攻する分野でも必ず役立つはず」とレイナー教諭は強調する。

 曖昧になりがちな創作過程と向き合うことが、説明する力を鍛えている。

 学習進歩ワークブック 
形として表れにくい創作活動の過程を記録したもの。テーマについての調査、作家の技法の研究、作品の構想などを絵や文字にして残していく。


2012年10月11日  読売新聞から転載)


wakabanavi01 at 09:41│ 国際バカロレア 
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