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2016年01月13日

東京23区「学歴格差」ランキング 進学率トップは渋谷区、最下位はどこ?


● 受験シーズンを前に知っておきたい 東京23区の気になる「学歴格差」

 大卒者が多い千代田区、短大卒者が多い世田谷区、そして高卒者が多い足立区――。これらは、東京23区を「住民の学歴構成」というポイントから見た際の特徴である。後ほど詳述するが、これらの事実は『国勢調査』のデータが基になっている。


 日本の自治体の中で「一人勝ち」と揶揄される東京23区にも、実は大きな「格差」が存在している。その一例が、筆者が先日、ダイヤモンド・オンラインに寄稿した記事「港区の所得水準は足立区の3倍!? 東京23区『びっくり格差』ランキング」だ。当記事は、東京23区における意外な「所得格差」について述べたものだった。「その所得格差はトップの区と最下位の区で3倍」というデータに、衝撃を覚えた読者も多かったようだ。

 しかし、所得同様、如実にその格差が現れる数値がある。それが「学歴」なのである。一極集中が進んでいるはずの東京にも、大きな格差が存在していることがここからも見えてくる。
 
 我々一般社団法人東京23区研究所は、常日頃から調査・研究、データベースの構築などを通じて、東京23区に関する情報を提供している。その研究成果をまとめ、昨年、著書『23区格差』(中公新書ラクレ)を上梓した。お蔭様で、1月4日現在“6刷”と好評をいただいている。これは、自分の住んでいる地域が他の地域と比べてどんな特徴を持っているのか知りたいという、読者のごく自然な欲求にマッチしたからだと考える。

 むろん、「格差」という言葉に抵抗感を覚える読者もいるだろう。筆者としても、格差全てを肯定するつもりはない。しかし、東京においては、格差によってそれぞれの地域に「個性」が生まれていることも事実だ。たとえば人々は、所得水準が高く富裕層が多そうな地域にばかり集まるわけではない。所得ランキングで下位に位置する地域の庶民的な雰囲気に魅力を感じ、そこを選んで居住する人もたくさんいるだろう。格差を知ることは、その地域の魅力を再発見することにつながるのだ。筆者は日々そんなことを考えながら、東京23区の実態を研究している。

 今回は、間もなく本番を迎える受験シーズンに合わせ、世間の注目度が高いと思われる東京23区の「学歴格差」について、拙著『23区格差』の中で紹介した内容を基に、そのトレンドを紹介したい。大学入試も1月16、17日に予定されているセンター試験を皮切りに、いよいよ佳境を迎える。お隣の韓国ほどではないにせよ、受験生本人はもとより、受験生を抱える家族にとっても、ピリピリ・ハラハラがしばらく続くのではないだろうか。


孟子の母は子どもが勉強に励むよう三度住まいを変えた、という故事はよく知られている。はたして現代の東京でも、「孟母三遷」は通用するだろうか。自分が住んでいる区の住民の学歴のトレンドを知ることは、「“我が子”をこれからどう育てたいか」と考える読者にとって、1つの指標になるはずだ。

● 大卒者の割合は渋谷区と 足立区で実に「2倍の格差」

 まずは、【図表1】をご覧いただきたい。これは文部科学省の『学校基本調査』による、2014年3月の高校卒業者の大学・短大進学率(以下、「進学率」と略称する)を、東京23区別に記したものである。なお、データは高校の所在地ベースでの集計であり、居住地別の集計ではないが、大きな傾向は両者に共通していると考えていいだろう。
 
 図を見て最初に目を見張るのは、トップの渋谷区と最下位の足立区との間におよそ2倍の差があることではないだろうか。今や、「大学全入時代」と言われる。一部のエリート校は別にして、望めばほとんどの人が大学に進学できる。にもかかわらず、狭い東京23区では進学率に大きな格差が存在しているということがわかる。

 ちなみに、47都道府県の最下位は沖縄県の37.7%。ただし沖縄県には離島のハンデがあることはご存じのとおり。琉球大学など県内に大学はあるにせよ、そのキャパは限られており、県外の大学に進学しようとすれば、どうしても親元を離れての生活を強いられる。周辺に多くの大学が存在するはずの足立区の進学率は、その沖縄県と大差がないのだ。

 改めて大学・短大進学率ランキングを見ると、渋谷、千代田、港、文京、杉並などのいわゆる「ブランド区」が上位を占めていることがわかる。一方、進学率が低い方には、足立、葛飾、荒川、大田、台東と、東京の東部、あるいは下町の各区が並ぶ。

 いったい、なぜこのような「格差」が生じるのだろうか。このランキングを見るとき、考慮してほしい事実がある。それは、私立高校と公立高校では進学率に大きな差があることだ。23区内では私立高校は特定の区にかなり偏在して存在している。そして、2014年3月卒業生の23区平均進学率は、私立の76.3%に対し、公立は50.4%にとどまっている。

また、大学側が立地に対して強いブランド志向を持つことについては、拙著『23区格差』で詳しく記した。2013年に文系学部を渋谷に回帰させた青山学院大学然り、八王子移転の先鞭を切ったものの、一転法学部の後楽園(文京区)移転を目指す中央大学然り。これらの動きは、少子化が進むなか、やむにやまれぬ大学の先祖返りを物語っている。

 過去30年以上にわたり、東大合格者数のトップを走り続ける開成高校は荒川区にあるが、基本的には有名私立高校も、大学と同様、高ブランド区に集まっている。このため、所在地ベースで見た高校生の進学率は、ある程度、街のブランドの高低と連動していることがわかる。

 ならば公立高校に限ると、その差は縮まるのだろうか。トップはダントツで目黒区の78.5%。最下位の葛飾・荒川両区は29.0%。両者の開きは実に3倍にまで達する。21位の足立区(29.8%)も、目黒区との差は2.5倍を超える。むしろ公立高校の方が、その差は広がっている。この事実からは、私立高校の集積だけでは説明できない、より構造的な「進学格差」が存在していることがうかがえる。

● 大卒者は中心部、短大卒者は西部、 高卒者は東部に多い23区の学歴構成

 次の【図表2】に、2010年の『国勢調査』の結果に基づく23区の学歴構成を示した。それぞれ上下7区ずつをピックアップしたが、大きな構造はこれで理解することができる。なお、大卒(大学院を含む)と高卒は男女間に大きな差がないことから、男女の合計値を記した。一方、短大卒は圧倒的に女性が多いことから、女性だけに限って記している。

 このデータを目にすれば、各区が存在する場所に伴い、大きな差が生じているのが一層際立ってわかるのではないだろうか。大卒者の割合は中心区で高く、山の手住宅区がこれに次ぎ、東部各区が低い。これは所得水準の構成とほぼ一致する。「高学歴と高所得」は深く結びついていることを示している。

 逆に、高卒者の割合は東部で高く、中心部で低い。一方、短大卒は西部山の手地区が上位を独占する。こうして見ると、大卒の中心部、短大卒の西部、高卒の東部と、東京には相当根の深い学歴階層社会が形成されていることがわかる。


● 親の「学歴」「所得」と 子の「進学率」は比例しない? 

 以上の分析を踏まえ、ここで1つの「仮説」を検証してみよう。「親の学歴と子の進学率は比例するのではないか」というものだ。もしそうだとすると、「足立区は学歴が低いから進学率も低い」ということになるだろう。しかし、答えはそう単純ではない。

 23区最低であるはずの足立区の大卒者の割合も、47都道府県で比べれば上位である11位の滋賀県(20.0%)に匹敵する。この数値は“九州の雄”、福岡県(18.8%)を上回る。

 同様に、「所得水準が低いから進学率が低くなる」という仮説も検証してみよう。実はこちらも成立しない。足立区の平均所得水準(323万円)は、東京と並ぶ高進学県である京都府の所得水準(319万円)、さらに同府の人口の過半を占める京都市の所得水準(332万円)と大きく変わらないからだ。

  『学校基本調査』によるわが国全体の2014年3月高卒者の平均進学率は、53.8%。東京都の進学率は66.1%。確かに47都道府県のトップだが、2位の京都府(65.6%)とは「厘差」。男子に限れば、東京都は62.6%、京都府は62.9%と順位が逆転する。東京23区に絞っても、66.7%。所得水準に見られるような圧倒的な優位性は影を潜める。

 しかも、公立高校と私立高校の生徒の割合は、全国平均が69%と31%であるのに比べ、東京23区は36%と62%(残る2%は国立高校)。進学率の高い私立高校が多いことを差し引くと、東京の優位性はさらに割り引かれていいだろう。実際、公立高校に限った進学率となれば、全国平均の49.2%に対し東京23区は50.4%で、両者にほとんど差がないと言える。

 では、そもそも東京23区の進学率は全国的に見てどんなトレンドがあるのか。文部科学省のデータ(元データはOECD「Education at a Glance2012」)によると、OECD加盟国の平均大学進学率(留学生を除く2010年値、以下同)は62%。日本は51%で、公表されている31ヵ国中22位にとどまる。ちなみに韓国は71%で、日本より20ポイントも高い。さらに、世界各国で大学進学率が年々上昇しているのに対し、わが国だけは近年頭打ちの状態が続いている。


日本と世界の主要国の大学進学率には、中退率が異なることや教育制度が異なることなど単純に比較できない面もある。しかし、少子化で分母が減っており、かつ「大学全入時代」を迎えているにもかかわらず、先進国の中で高いとは言えない大学進学率が上昇しない日本は、進学に対して独自の価値意識が存在していると考えるべきなのではないだろうか。

 2014年3月に卒業した全国の高校生の進路は、大学・短大への進学が54%、専門学校が17%、予備校や外国語学校などの各種学校等が5%、これに公共職業能力開発施設を加えた広義の進学者が77%、就職(働きながら学ぶ人を除く)が17%、その他が6%だった。

 東京23区では大学・短大進学率が67%に上り、専門学校は12%とやや低いものの、広義の進学者は85%を占める。一方で大学・短大への進学率が低い東部3区は専門学校への進学率が20%を超え、なかでも足立区は25%を数える。大学・短大か専門学校かは別にして、「進学」という大きな枠組みの中ではバランスが取れているようにも思われる。

● 東京の「懐の深さ」が見えてくる 薄っぺらな学歴社会でない23区の姿

 ここまで分析してきたように、少なくとも東京は画一的で薄っぺらな学歴社会ではない、ということをご理解いただけたと思う。

 昨年末、大きな話題を呼んだTBS系ドラマ『下町ロケット』。主人公の佃航平が率いる佃製作所でロケットや人工臓器に欠かせない超精密部品の製造に取り組む彼らの誇り、それは「穴を開ける」「削る」「磨く」といった、大学とは縁遠い、むしろ専門学校で学ぶべき技術・ノウハウに立脚していた。と同時に、彼らの前に立ち塞がる抵抗勢力たちは明らかに高学歴者であり、その性質が画一的であるがゆえにビジネスの未来が見通せなくなった、という構図が見え隠れしている。

 もちろん『下町ロケット』は、原作者である池井戸潤氏の創作ではあるが、そのモデルは東京のそこかしこにある、ごくありふれた中小企業の姿に他ならない。そんな彼らの存在こそが、わが国の今を支え、未来を切り開いていく上で欠かせない原動力となっている。『下町ロケット』が多くの人々の心を打った根底には、この事実への“共感”が存在しているのではないだろうか。

 なるほど、学歴階層社会は存在するかもしれない。が、それは決して優劣を意味するものではない。むしろ、地域や住民の個性を際立たせてくれる存在なのだ。冒頭で述べたように、格差を知ることはその地域の魅力を再発見することにもつながる。そんな東京の懐の深さが23区の「学歴格差」からは見えてくる。読者諸氏は何を感じただろうか。


2016.1.13  ダイヤモンド・オンラインから転載



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wakabanavi01 at 11:12│ 統計・調査関連 
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