公立と私立、どちらが得?保護者に聞くマネー事情 入学金、授業料…家計負担重く一流エリートは「勉強至上主義」で子育てをしない

2016年03月11日

中学生が行く「セブ島英語短期留学」の舞台裏


 2016年に入ってから、たびたびニュースや新聞などで報道されている2020年度に向けた大学入試改革。その中でも英語科目については特に大きな変化となる。


 2020年度から導入される予定の「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」の英語では、「話す」「書く」「聞く」「読む」の4技能が求められる。日本人の英語教育はこれまで「聞く」と「読む」に偏っていた。近年の中高の英語授業の中では「話す」や「書く」といった取り組みが皆無なわけではないのだが、現実的なところで大学入試という仕組みでほぼ必要とされていないのだ。

■ 「話す」「書く」に重点

 入試で必要でなければ「話す」「書く」時間を意味がないと考える子供や保護者、教員も中にはいるであろう。日本の英語教育の方針を見直すためには入試そのものの改革がまず必要となり、それが協議の末に4技能という方向性が打ち出され、動き始めている。

 子供の英語教育に限らず、社会人の英語教育についても日本人と韓国人ばかりが受験しているTOEICがその典型例だ。「話す」「書く」よりも「聞く」「読む」が重視されがちだ。しかし、本当にグローバルに通用する人材育成を掲げた際には「話す」と「書く」は避けて通ることが出来ない。現在、日本企業がグローバル市場で思うように闘えていない最大の要因のひとつは実践コミュニケーションに必要な英語力が不足している点であることは明白だ。

 2020年度の英語試験に大きく変革が起こるため、現在の子供たちは新しい英語教育を大人たちの試行錯誤と共に進んでいくことになる。

 そんな中、2月23日のNHK『おはよう日本』で京都にある立命館宇治中学校の短期英語留学の様子が放送された。中学2年生30名が2月7日から2月14日までの約1週間をセブ島にて短期英語留学を実施したという内容であった。

 筆者は今回放送された立命館宇治のセブ島短期英語留学の研修プログラムのコーディネートを担当した立場。本稿では、話題になったこの研修プログラムにどういった背景があり、どんなプログラムを実施したのかを解説していこう。

まず立命館宇治中学高等学校について触れておきたい。

 立命館宇治はその名のとおり、立命館大学や立命館アジア太平洋大学を擁する立命館学園の一員で、国際教育に力を入れている学校だ。中高一貫校である同校では、海外大学進学基準とした国際バカロレア資格を取得するだけでなく、文部科学省によるスーパーグローバルハイスクール(SGH)認定も取得している。

 SGH認定のIMコースの生徒は全員、英語圏への1年間の留学後、「英語を学ぶ」から「英語で学ぶ」にシフトする。帰国後の授業はすべて英語で行われるのだが、高校生にもかかわらず香港やラオス等での課外研修などにも取り組ませる同校はSGH認定校の中でも意欲的かつ本気だ。完全に大学生顔負け、いや下手をすれば大人顔負けの経験を彼らは積んでいる。

 立命館宇治は中学3年生の夏に学年約180名全員を2週間ほどオーストラリアに留学させるプログラムがある。ここまで国際教育に注力している学校は日本広しといえど、多くはない。

■ 3食に寝室付きで月15~20万円程度

 そんな立命館宇治の教員陣から連絡を受けたのは昨年夏のことだった。まずセブ島への現地視察を行い、実施校を選定。プログラム参加費用を確定したうえで、生徒及び保護者向けの説明会を実施した。

 国際教育の先駆者である立命館宇治の英語教員はつねに新しいものを取り入れる姿勢を持っている。彼らは中学3年時のオーストラリア留学の前段階である中学2年生に向けて、セブ島留学の導入を難なく決めたのだった。

 セブ島留学についてはご存じの人も多いと思うが、まだ物価も安く人件費も安価なフィリピン人英語講師によるマンツーマンレッスンが最大の魅力な英語留学だ。3食に寝室付きで月15万~20万円程度の留学費用で学べるのだから驚きだ。かつては誰も知る由もなかった留学地だが、この数年で留学生数は激増。年間3万人以上の日本人がフィリピンで学んでいる。その需要に伴い日本人経営の語学学校も急増し、競争が激しくなってきている市場だ。その中心地がセブ島である。

 渡航前にはスカイプ英会話によって準備を行った立命館宇治の中学生たちのセブ島留学でのカリキュラムは朝7時から朝食、8時から1日6コマのマンツーマンレッスンと2コマのグループレッスンが軸である。レッスン終了後の18時から夕食があり、19時からは2コマの自由参加のナイトグループクラスを実施した。最大で10コマという、まさに英語漬けの環境だ。通常のレッスン以外にも英語講師から出される宿題や、予習復習、そして日々の英語日記にも取り組んだ。

 大人でも音を上げるような英語漬けの日々だが、中学生である彼らはつねに笑顔にあふれていた。学校で学んでいる英語を、日本語が通じないフィリピン人講師と思う存分話すことができるからだ。授業初日は正直、思うように英語が出てこなく戸惑ったり、悔しい思いをした生徒もいたようだ。

 しかし、3日目頃からは言いたいことが言えるようになってきたという声を聞くようになり、彼ら自身が手応えを感じていたようだ。月曜から金曜まで英語漬けとなった後の土曜日にはセブ市街にあるショッピングモールへと移動し、お土産などの買い物を楽しみながら英語を日常生活で使うイメージを持ってもらえたと思う。その翌日の日曜日の朝のフライトで彼らは日本へと帰国した。文字どおり短期英語留学ではあったものの、引率した教員も確かな手応えを感じたようだった。

 引率の中島先生に留学後の感想を尋ねると、次のような反応があった。

 「事前研修のスカイプ英会話のときから、とにかく英語を口に出すことがいちばん大切だということを生徒に伝えてきました。1週間という短い期間で語彙や文法の飛躍的な習得を目指すことよりも、間違いを恐れずに英語を使ってみる体験を多く持たせたかったのです。留学を終えた生徒たちも自分たちのコミュニケーション能力の上達に驚いていましたし、実際の授業でもネイティブ教員との会話の中で、反応の速さ、相づちの自然さ、自信に満ちた話し方を身につけている姿に本当に驚いています」

 私はこれまで数多くのセブ島留学生と接してきたが、その多くは大学生や社会人という大人だった。彼らは1週間の短期留学の場合、「1週間では時間が足りなかった」と発することが多い。しかし、今回の中学2年生たちは違ったのだから驚きだ。多くの生徒が1週間という短期の中でも自分の成長を実感して帰国しているのだ。英語を学ぶのは早ければ早いほうがいいとは言うものの、ここまで明らかな違いを見せつけられるとは思わなかった。

■ セブ島留学ブームは拡大していく

 中高生向けのフィリピンでの英語留学はまだまだ黎明期だ。しかし、日本の英語試験の変化に伴って、確実に需要が伸びていくことは間違いない。特に「話す」能力を高めるためにはマンツーマンによって、短期間で大量にアウトプットを実施できるセブ島留学は魅力的だ。フィジーやシンガポール、マレーシア、インドなどもアジアの英語留学地としてはあるが、マンツーマンレッスンを実現しているのはフィリピンのみだ。当面セブ島留学ブームは拡大していくであろう。このような事例はひとつだけではない。今年から数多くの中学校・高校・塾がセブ島留学を決めて動き出している。

 まさに子供向けの英語教育は変化の中にある。セブ島での英語留学に限らず、さまざまな英語学習サービスや電子デバイスが発達普及し始めている。日本の英語教育業界は子供たち向けの多種多様な英語学習の選択肢の中から、最適な学習手法を見つけ出し、それらをどのように普及していくのを試行錯誤しながら進めていくことになるだろう。

 もしかすると、子供の英語教育についてはそこまで大きな心配をする必要はないのかもしれない。一方で懸念するべきは現在の20代、30代の社会人だろう。「話す」「書く」というアウトプットを訓練してきていない世代であるにもかかわらず、ビジネスの前線では実践的な英語コミュニケーションが求められていく時代のうねりがある。それに気づいてフィリピンで英語留学を繰り返す社会人層はかなり多い。最近では大手企業もフィリピンでの英語研修を本格的に導入実施し始めている。

 現在の子供たちの英語力が高まれば高まるほど、現在の若手社会人たちの10年後、20年後の仕事領域は限定的になっていくことだろう。いや、むしろ実践的コミュニケーションとしての英語を身につけた若者が就職する際に選んでもらえる企業・組織体となっているかどうか、その時を見据えて真剣に経営者は考えなくてはならないのかもしれない。

 世界を舞台に活躍したい日本の優秀な若者は、日本企業だけではなく、欧米やアジアを含む世界中の企業と働き方を選べる時代へと突入していくのだから。


2016.3.11  東洋経済オンライン


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