中学受験

2019年07月24日

芝浦工大附属中が2021年度より男女共学化、大学連携・STEAM教育強化


 芝浦工業大学附属中学校は2019年7月23日、2021年4月より男女共学化する予定を発表した。高等学校は2017年度より先行して共学化しており、2020年3月には最初の女子生徒が卒業する。

 芝浦工業大学附属中学校では「女性研究者・技術者を増やす」という社会の要請に応えるべく、2021年度より女子生徒を受け入れ、芝浦工大と連携したものづくり教育に加えグローバル教育を強化、STEAM教育をさらに発展させていくとしている。

 なお、女子生徒の受け入れ人数やクラス編成、入試方法などについては、2019年秋以降に発表される予定だ。

 芝浦工業大学附属中学高等学校(東京都江東区豊洲)は、芝浦工業大学附属の中高一貫校。中高大一貫教育によって理工系人材の育成を目指す。2020年度の中学入試は2月1日から2月6日までに4回実施し合計定員は160名。高校では推薦と一般の2回の入試で合計50名を募集している。



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2019年06月07日

「中高一貫校」6年間で本当に子どもの学力を伸ばした学校ランキング


 中高一貫校で6年間学んで、子どもの学力はどれほど伸びるのか。その疑問に対する答えはもっぱら大学合格実績で語られてきた。難関校ほど難関大学の合格者が多いことは容易に想像できる。むしろ知りたいのは、入学時の難易度(偏差値)よりも卒業時の実力(偏差値)がどのくらい伸びているかだろう。今回、森上教育研究所からデータ提供を受けて、「早慶上理」の合格実績から見た「6年間の学力の伸び」をランキングにしてみた。(ダイヤモンド・セレクト編集部)


【6年間の学力の伸びランキング表はこちら】



● 6年間の学力の伸びを算出する試み 

 以前、『中学受験 入りやすくてお得な学校』(ダイヤモンド社)という著書で、森上展安・森上教育研究所代表は、入学時の偏差値に比べて、難関国立大や早慶上理(早稲田・慶應義塾・上智・東京理科)、GMARCH(学習院・明治・青山学院・立教・中央・法政)といった人気大学への合格実績を上げている中高一貫校はどこか、毎回取り上げてきた。

 中学受験では、御三家と称されるような伝統的な難関校が君臨する一方で、創意工夫を凝らした新興校が新しいコンセプトを掲げて、受験生の親の支持を得るという「下克上」が比較的起こりやすい。この点が、偏差値の順位が10年単位で見てもそれほど動かない大学との大きな違いであり、何よりも子どもの学力を中高の6年間でしっかり伸ばしてくれることが最大の評価対象となる実態を示していた。

 では、その学力の伸びをどのように算出したらいいのか。同じ偏差値とはいえ、中学と大学では受験者の数が桁違いに違う。同じ偏差値60が示す「学力」は、中学入試と大学入試とでは大きく異なる。

 2019年大学入試の受験者が中高一貫校に入学したときの四谷大塚の2013年模試結果偏差値をベースに、「早慶上理」合格実績を基に高校卒業時の偏差値を算出、6年間の差分を「学力の伸び偏差値」として示したのが、「早慶上理」合格実績から見た6年間の学力の伸びランキングだ。森上教育研究所アソシエである小泉壮一郎氏作成のデータ提供を受けて、今回初めて掲載する。



● 対照的な男子校と女子校の立ち位置

   このランキングを算出する際の条件をもう少し付けくわえておくと、対象は首都圏にある中高一貫校である。上智と東京理科はいわゆる「付属」中高がない。早稲田と慶應義塾の付属・系属校は内部進学率が9割台後半と高いこともあって、今回の対象から外されている。

 中学入学時の偏差値がずば抜けて高い超難関校は高止まりしているため、「伸び」を示す今回のランキングには顔を見せていない。

 では、ランキングの内容を見ていこう。パッと見て気がつくことは、共学校がないことだろう。25位までが男子校と女子校で占められている。「早慶上理」を第一目標とする傾向は準難関~難関私立女子に強かった。つまり、本来ならば女子校が多くを占めているはずなのだが、男子校がベスト10のうち8校を占めるなど存在感がある。

 その理由としては、こうした上位にある男子校の多くは難関国立大を第一目標としており、早慶上理は併願校で、結果として合格実績が上っているという解釈だ。最近では、東大を目指さず早慶で妥協する傾向もあるというから男子も変わりつつあるのかもしれない。

 一方で、「リニューアル男子校」と呼べそうな学校がベスト10に入っている。6位成城は新しい女性校長と新校舎が、9位芝浦工業大学付属は東京湾岸に新しい校舎があり、10位東京都市大学付属は新校長の下、帰国生比率も高く、進学校化を進めている。

 最近では、きれいな校舎を好む男子が増加傾向にあるように思える。19位の本郷は新校舎が完成して、地の利の良さもあずかって年々人気を増している。生徒が制作した学校紹介が説明会で好評を博すなど、注目校である。



● 女子校は国際化が際立つ

 女子校をランキング上位から見ていくと、1つの共通点があることが分かる。「国際化」である。1位頌栄女子学院のように帰国生の在籍比率20%前後と高かったり、5位東京女学館のように英語で授業をするような国際学級を設けていたりと、英語力が合格力に結び付いている。帰国生が学校に活気を与えている。

 11位聖園女学院や12位大妻多摩、栄光学園の近所で頑張っている18位清泉女学院のように、その地域のまじめな女子の努力が成果に結び付いている例、学力が急速に上昇傾向にある16位恵泉女学園や、校舎もきれいになってリバイバルブームにある22位富士見がランキングに名を連ねている。

 このランキングに載っている学校は、中学入学時の偏差値が40~50台のところがほとんどであり、女子校でも13位洗足学園や17位鷗友学園女子などは国立難関校への志向も強い。


 【訂正】本郷の2号館はすでに完成していましたので、関連箇所を訂正いたしました。

ダイヤモンド・セレクト編集部/森上教育研究所



2019.6.7 ダイヤモンドオンライン から転載



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2019年06月04日

東大、ロンドン大に進学も…学力が伸びる「お得」な男子・女子中高一貫校〈AERA〉


中学受験で志望校を選ぶとき、目安となるのが入るときの偏差値と大学合格の実績だろう。その二つを比べれば「どれだけ子どもの学力を伸ばしてくれる学校か」という点が見えてくる。「学力の伸び」を数値化し、その背景を探った。

【学力が伸びる中高一貫校の一覧はこちら】

*  *  *


 東京大学文科2類にこの春、合格した世田谷学園出身の竹安宏曜(たけやすひろあき)さん(18)は、中学入学当初から飛び抜けて優秀だったわけではない。

「最初の中間テストで思いがけず良い点が取れて、周囲から、おまえは東大に行けよと囃し立てられ、その気になりました(笑)」

 サッカー部の先輩の存在も大きかった。

「高3の夏まで練習を続け、慶應義塾大学に合格した姿を見て、自分もやればできると思った」

 竹安さんが入学した時の世田谷学園の偏差値は57。この春、偏差値67.5前後とされる東大の文IIに合格した竹安さんは、中高の6年間で大きく力をつけたことになる。

 今回アエラでは、在学中に学力を伸ばしてくれる「お得」な学校に焦点を当てた。表は、首都圏の国立、私立中高一貫校の2019年の大学合格実績と中学入学当時の偏差値をもとに、6年間の学力の伸びを数値化したものだ。森上教育研究所アソシエイトの小泉壮一郎さんに作成を依頼した。

 首都圏男子校の表を見てみよう。学校によって受験先の傾向が異なるため、大学を3グループに分けている。国立難関は旧7帝大の東京大、京都大、東北大、九州大、北海道大、大阪大、名古屋大に加え、東工大、一橋大。早慶上理は早稲田大、慶應大、上智大、東京理科大。GMARCHは学習院大、明治大、青山学院大、立教大、中央大、法政大を指す。

「2019偏差値」は各大学の実際の偏差値ではなく、各中高一貫校の合格実績を偏差値に換算した値だ。「2013偏差値」は生徒が中学に入学した13年当時の偏差値で、首都圏の中堅校から難関校をカバーする大手塾「四谷大塚」の模試の値を使っている。

「出口」となる19年偏差値から、「入り口」にあたる13年偏差値を引いた差が、6年間の学力の「伸び」を表す。この伸びが大きければ大きいほど、入りやすく難関大への進学がかなう「お得」な学校ということになる。伸びが大きな学校が一目で分かるよう、差が8以上なら赤色、6以上はオレンジ、4以上は黄色で色分けした。


12年から「学力を伸ばす学校」の一覧表作りを始めた小泉さんは、「入る時の難易度に比べ、大学の合格実績を上げている学校は、今後ますます注目を集めるだろう」と話す。

 例えば筑波大附駒場は大学の合格実績がトップだが、入学時の偏差値も高いので、ここでいう「お得」な学校にはあたらない。

 こうしたことを念頭に国立難関の表を見ると、世田谷学園が9.2と抜群の伸びを見せている。8.3の桐朋が続き、城北、巣鴨、攻玉社が6.0以上と、中堅上位校が健闘。芝、逗子開成、東京都市大付も4.0以上の伸びで迫っている。いずれも面倒見がよく、行事が盛んという共通点がある。

「共学人気に押されて別学の難易度が下がり、入りやすくなった。ただし、これらの男子校は以前と変わらない大学実績を上げているので、結果として伸びにつながりました」(森上教育研究所の森上展安代表)

 学校の規模で比較すると、小規模校の方が機動性に富むため、実績を出しやすいという。世田谷学園も、1学年約200人というメリットを生かしている。毎年、各教科の教員が集まり、その学年の特性を考慮してカリキュラムの微調整を行う。中高の職員室が一緒なので、情報を共有できるのも強みだ。中1は勉強の習慣を身につけるため毎日、英数国の宿題を出し、週に1度、小テストを実施して知識の定着をはかる。定期テストの2週間前には学習計画表を提出させ、担任がアドバイスしてバランス良く勉強するように指導する。広報部長の宝地戸通至(ほうちどゆきのり)教諭は言う。

「まずは学びを習慣にするためのレールを敷く。早いうちにしっかり身につければ、自然と自分から勉強するようになります」

 5年生(高2)から文系と理系に分かれるが、国立型のカリキュラムを組んでおり、高2までは数学が必須だ。検定教科書のほかに、教員が作成したオリジナル教材も併用している。

「検定教科書は中学、高校で内容に重複があるので、そうした点を解消し、数学などは演習問題を中心とした編纂にしています」(宝地戸教諭)

 冒頭の竹安さんも「世界史の教材はまとまっていて、クオリティーが高かった。数学が苦手だったので、基礎的な問題に戻って復習しました」と話す。


 行事が多いのも特徴で、特に中1は入学後すぐのオリエンテーション合宿、サマースクールと宿泊行事が続く。学園祭や体育祭は、生徒が一丸となって盛り上がるという。中期の核となるのが、4年(高1)の夏休みに行われる約10日間のカナダ英語研修だ。歴史は古く、30年以上前から「広い視野を持ってほしい」と、当時としては珍しい全員参加で始めた。

 受験期になると、行事で培ってきた集団の絆が生きる。早朝から登校して自習するトップ層に刺激されて、ほかの生徒も勉強を始め、集団で受験に立ち向かうムードが高まるという。

 森上代表は「男子は集団で伸びる」と話す。

「国立大を狙うなら、理数教育に定評のある男子校が有利。男子同士でノリがよくムードも作りやすい。文化祭や体育祭などの行事でチームワークを固め、一気に受験モードへ向かうのが男子校のパターンです」

 首都圏の女子校はどうか。森上代表によると、女子校での成長の原動力になるのが英語力だという。国立難関で4.7の伸びを見せた洗足学園、早慶上理で6.3伸ばした頌栄女子学院は帰国生を早くから受け入れ、現在は多くの生徒が在籍している。

「帰国生がいると授業が活発になり、主体性のある学びができるようになります」(森上代表)

 国立難関で4.1と伸ばした鴎友学園女子も、英語でディベートを行うなど英語教育に定評がある。早慶上理で5.9の東京女学館は国際学級を設置、英語劇などを通して英語力を鍛えている。英語をバネに実績を伸ばし、優秀な生徒が入ってくると理系化するパターンも多い。豊島岡女子学園はその代表格だ。

「女性教員が理系教科を教えていると、ロールモデルとして理系をめざす女子生徒が増える傾向があります」(同)

 表は四谷大塚の模試を元に作成しているため、受けた生徒が少ない学校は母集団の要件を満たせず、偏差値を出せないことがある。佼成学園女子もそのひとつ。表にはないが、進学実績を大きく伸ばしている。首都圏模試の偏差値で算出すると、GMARCHは100人当たりの合格者が34.4人で、12.6と大きな伸びを見せている。

 今年卒業した土屋穂香さん(18)は、秋からロンドン大学SOAS(School of Oriental and African Studies)校へ進学する。


「中学入学時は、そこそこ英語ができるようになればと思っていた。まさか自分がロンドン大に留学するとは」

 土屋さんの意識を変えたのは、高1の夏に体験したスリランカの青少年たちとの交流だった。

「日本とはまるで違う文化や宗教観に衝撃を受け、もっとスリランカの研究をしたいと思うようになりました」

 南アジアの研究に力を入れている大学を探し、SOAS校がアジア、アフリカ研究の屈指の大学だということを知った。選考のエッセーはその場でテーマが出されるため、英字新聞を読んで要約し、感想を書くなどして英語での記述力を鍛えた。エッセーとスカイプでの面接を無事パスし、合格をつかんだ。

 女子を伸ばすもうひとつの原動力はキャリア教育で、「なりたい自分をイメージさせることが、進学のモチベーションにつながる」(森上代表)。GMARCHで最も大きな6.5という伸びを見せた神奈川学園は、00年に「21世紀教育プラン」を設定。平和学習やフィールドワークを通して生きる力、学ぶ力を育てている。

 前出の土屋さんと同じ佼成学園女子で学んだ徳久愛華さん(19)は、「少数民族などマイノリティーの助けになりたい」という思いを原動力に、早稲田大学法学部へ進学した。きっかけはクラス全員が参加したタイでのフィールドワーク研修で、「山岳民族のカレン族と一緒に畑を耕し生活することで、親しみを感じるようになりました」と振り返る。

 教頭の西村準吉教諭は、「本校は入学時の偏差値が比較的低いため、生徒が自分を不当に低く評価する傾向があり、それを払拭する取り組みを続けています。生徒は誰でも潜在的な力を秘めている。きっかけを与えれば驚くほど成長します」

 生徒の自己肯定感を高めることが、学力を伸ばす鍵だ。(ライター・柿崎明子)

※AERA 2019年6月10日号より抜粋

2019.6.4  転載



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2019年04月25日

「髪をむしるほど過酷」な中学受験の壮絶結末



少子化といわれながら、年々加熱する中学受験。首都圏それも都心に暮らす親にとって、中学受験と無縁という人のほうが珍しいのではないだろうか。

だが、その“リアル”を知る機会は少ない。受験雑誌をにぎわせるのは成功者の話ばかり。しかし家庭によっては文字通り、茨の道であることも少なくない。中学受験をするかしないかは別として、受験をすると決めた家にとってはその道がどのようなものなのか、困難な状況も知ることは大事だろう。今回は残念な個人講師によって、茨の道を歩んでしまった母子に話を聞いた。

 この春、中学3年となった田中智樹くん(仮名)は、自宅から遠く離れた寮のある学校に通っている。寮生活のおかげだろうか、部屋の掃除に洗濯と、身の回りのことは随分と自分でできるようになってきた。月に数度の帰省の度にたくましくなる息子を見て、母親の愛さん(仮名)は胸が熱くなるという。

 だが、今でも悔やむことがある。

 「中学受験に向けた勉強の後半で、息子はどんどん追い込まれていきました。最後は頭にはげができました。でも、私は冷静に判断することができなかった。同じ過ちを他の親子にはしてほしくない。だから、お話ししようと思いました」

 話すには相当の勇気がいっただろう。当時のチラシや資料を手に、少しずつ重い口を開いてくれた。


■はじめは満足のいく成績を収めていた

 智樹くんの中学受験は、受験経験のある母親・愛さんの希望から始まった。幼少期から自宅そばにある大型ショッピングセンター内の幼児教室に通っていた智樹くん。そこが終われば次は塾、というのは自然な流れだったという。智樹くんは小3になると日能研に入塾した。

 日能研は首都圏では名の知れた、大手の中学受験塾だ。入塾にはテストがあり、入塾後は毎回のレベル分けテストの成績によりクラス分けがなされる仕組みになっていた。そして、クラス内での席も成績順。

 こうした塾では子ども同士は否が応でも成績の上がり下がりをお互いに知ることになる。負けず嫌いで競争心のある子どもにとってはいい刺激になるが、成績の上下に敏感に反応し、落ち込んでしまうタイプの子にとっては少々、過酷な環境となる。

 中学受験のための塾は、小3の2月から本格的に開講することが多い。本番である小6の2月の丸3年前、と数えるためだ。ところが智樹くんの入塾は小3のはじめと一足早い。競争相手の数が少ないため、はじめは満足のいく成績を収めていた。



思うような成績を取れなくなったのは小4になってから。理科と社会の勉強が始まった頃のことだという。

 「ランランラン 一番うしろは崖っぷち 一番ま~えはクラスアップ……」

 同じ塾に通う子どもたちの間で、こんな歌が作られて口ずさまれるようになっていた。塾での友だち、“塾友”との関係が良好だった智樹くんも、周りの子と一緒に無邪気にこの歌を口ずさんでいた。

 一番前の席がそのクラスにおける成績トップ集団。一番後ろの席は次のテストの出来が悪ければ、一つ下のクラスに落とされる。そのことをこの歌は意味していた。

 「塾の先生は“やめなさい”って注意していましたけれど、別に悲壮感はなくて、明るく口ずさんでいました」(愛さん)


■親子に芽生えた“上を目指したい”という欲

 成績が“見える化”されているこうした塾では、塾友は仲間でありライバルだ。その意識は通塾により自然に作り出されていく。

 学習量が増えるに伴い、成績が伸び悩んだという智樹くんだが、それでも塾での模試の偏差値は50台後半から60台とまずまずをキープした。だが、この状況がかえって受験熱を加速させることになったのかもしれない。

 「まだ4年生でしたから、頑張れば、もう少し上に上れるのではと、本人も私も思ったのです」(愛さん)

 また、母親の愛さんによれば、本人の希望と環境的要因も大きかったという。自宅のあるエリアでは、受験をして入る中学校の数は限られていた。首都圏の場合、中学受験をして入る学校への通学時間として、1時間は十分に通学圏内といわれる。智樹くんの場合も、その範囲まで考えれば、いろいろな志望校候補が考えられた。

 だが、体力がなく、どちらかといえば気弱なタイプの智樹くん。「あの満員電車に揺られて1時間もかけて通うのは僕にはできない……」そんな気持ちがあったという。

 体力的にも無理のない、比較的通学時間が短い学校――この条件に合う学校は、当時の智樹くんの偏差値では届かない。でも「あと少しで、手が届く」そんな状況だったのだ。ある日、そんな田中家のポストに1枚のチラシが舞い込んできた。

 ――「〇〇中学合格者80%!」「中学入試専門の家庭教師」
「塾の成績が上がらない」「塾の宿題がやりきれない」「算数専門の家庭教師」――

 チラシには目当ての学校の名前が大きく書かれていた。しかも掲げられていたのは80%という高い合格率。受験において算数は要になる科目だ。智樹くんの場合も、算数の成績が上がれば、間違いなく希望の学校の合格ラインに乗れる。そんな思いが親子の頭をかすめたのだ。金額は1時間あたり6000円。息子は「やってみたい」と言ってきた。


 「僕、塾で上のクラスに上がりたい」

 普段は競争心など見えない智樹くんが、はっきりとそう答えた。息子の言葉に押され、愛さんはこの家庭教師に連絡を入れた。

 話を聞くに、首都圏では名の知れた塾の講師として働いた後、個人経営のプロ家庭教師を始めたというこの講師。日能研の宿題のサポートをはじめ、塾の勉強の予習復習を含めて「面倒を見ますよ」との講師の言葉は、親子にとってとても心強く感じられた。

 講師は続けてこうも話した。「この状態ならば何も問題ありません。絶対に受かります!」母親の愛さんはその言葉を信じて、お願いすることに決めたのだ。だが、違和感は「初回の授業からあった」という。


■怒鳴るような声で教える高圧講師

 「コラ! やる気あんのかぁ!」

 ドン。講師の先生と2人きりになる息子の部屋からは、時折凄みの効いた声と共に何かを蹴るような音がした。「受講説明の時にはそんな荒々しい様子は見られなかったですし、この時はもう、“この先生にお願いすれば必ず合格できるんだ”という気持ちばかりが先立っていたので、あの指導は息子が本気を見せないから、先生が活を入れてくれているのだと思っていました」。

 厳しく叱ってくれるのも自分を鍛えるためなのだ。智樹くん自身もそう思うようになっていた。「先生、ちょっと、怖くない?」母親の愛さんが声をかけても「うぅん、ちょっと……」と言うだけ。やめたいとは決して言わないため、そのまま指導をお願いした。

 だが、高圧的な指導はその後も毎回のように続く。「また間違えてる!」「ここはこうだ!」。ドン。「何回やったらわかるんだ」。ノートを叩きつけるような音がすることもあり、指導が穏やかになることはなかった。だが、息子も相変わらず「先生ともう少しやってみる」と言うばかり。

 「実際、この先生についてから、成績が上がり出したんです。クラスも最上位クラスに食い込みだして……。結果がついてこなければ、私もすぐにやめさせていたと思うのですが、結果が出てきていましたから……」

 しかし、成績とは裏腹に、ストレスは着実に智樹くんに蓄積されていた。

 家庭教師をお願いしてからも日能研への通塾は続けていた智樹君。小4の夏休み前になると塾では夏期講習の話が出始めていた。だが、家庭教師からも誘いを受けることになる。「自分が開く夏期講座にこないか」。この夏にグンと成績を上げたいと思った田中親子にとっては大きな選択の時となった。


 「日能研にはすごくお世話になっていましたし、先生もフレンドリーでいい方が多かったのですが、自習室があるといっても自分で勉強を進めるだけでした。宿題があっても丸をつけて返してくれるだけ。一人ひとりに“ここがこう違うから間違えるんだ”という細かな指導は望めませんでした。

 でも、この個人家庭教師の先生は、ノートのとり方にいたるまで、とにかく細かい部分までチェックしてくださいました。自分で進めていく力がまだ弱いうちの子には、手取り足取り教えてくれる個人家庭教師の先生が開く講座のほうがいい気がしてしまったのです」

 こうして、普段は日能研に通いつつも、夏期講習についてはこの家庭教師が開く講座に参加することを決めた。講座と呼ばれる教室では、他学年の生徒が机を並べて勉強していた。面倒見のいい6年生の女の子たちにもかわいがられていたという智樹君。日能研同様にここでの居心地も悪くない様子だった。だが、高圧的な指導は集団指導でも続いていた。

 通い始めて数日、智樹くんの様子が変わった。夜な夜なうなされるようになったという。「う~」とうなされて起きる日々。「怖い……」息子の口からついにこの講師に対しての本音が漏れた瞬間だった。



■いつしか、冷静に判断する力を失っていた

 だが、「やめる」とは言わない。怖い。だけれども成績は上がっている。親子ともに受験という魔物に取り憑かれたかのごとく、成績が上がるということだけにしか頭が働かなくなっていた。

 愛さんが語る当時の様子は、まるでスポーツ指導における指導者からのパワハラを思わせた。一連のパワハラ騒動の中で語られた「ストックホルム症候群」という言葉について、記憶に新しい人も多いだろう。

 怖い。でも、このコーチについていけば必ず力がつく。全国大会に出られる。高圧的な言動におびえる気持ちがある一方で、それは「自分のための指導」だと思い込んでしまう状態を生み出していく。そして、心的外傷後ストレス障害を引き起こす。

 高圧的な指導を繰り返し受けていた智樹くんはまさに、この状態に陥っていたのかもしれない。ジリジリと成績が上がる中、中学受験という茨の道を切り抜けさせてくれるのは、「この先生しかいない」。いつしか、親も子も、冷静に判断する力を失っていた。



2019.4.25
東洋経済オンライン から転載



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2019年04月09日

関西圏中学入試は女子校・附属校が人気、灘中は全国化へ


◆高まる私学志向

近畿2府4県の今年の中学入試を「規模」で振りかえってみると、近年にも増して私学志向が強まっていることが確認できます。近畿統一入試日である1月19日の午前の受験生は1万7008人で、昨年より412人増加しています。統一入試日の午前の受験者数が前年より増加したのは10年ぶりです。また、3年ぶりに1万7000人を超える結果となりました。

 少子化のなか、卒業予定の小学生の数が昨年から約3300人増加していることが大きな要因にあげられます。中学受験率(統一入試日の午前の受験者数÷卒業予定の児童数)でみると、今年は9.51%となり、昨年の9.45%から上昇しています。この中学受験率は2014年の8.91%から5年連続で上昇しており、中学受験の段階での私学志向が強まっていることを示しています。

 全日程での総志願者数をみると、昨年より2837人増と大幅に増加しました。近年、人気校が新たに午後入試に参入し、受験機会が増えていることも影響しています。また、私学への進学を前提とした併願受験が定着してきたことも増加の要因にあげられます。1人あたりの平均出願数は今年は3.3校となり、14年から比べて0.5校増えています。

 地域別に見ると、統一入試日の午前の入試で最も増加したのが兵庫で、京都、奈良がこれに続きます。昨年増加した大阪は予想に反して減少していますが、午後入試や後期入試などでは大幅に増えた学校もあり、全日程ではほぼ昨年並みでした。


◆女子校人気復活の兆し

今年の入試の大きなトピックの一つに、女子の受験者増があげられます。

 最も女子の受験生が増えたのは兵庫で、女子校だけの統一入試日の午前の受験者増加数が105人となっています。中でも大きく増えたのが、神戸海星女子学院の156人で30人増、神戸国際も52人で30人増です。神戸海星女子は入試科目の変更で受験しやすくなったこと、神戸国際は秀でた英語教育・国際教育が注目を集めたことなどが理由にあげられます。

 女子校だけに限らず、白陵、須磨学園、関西学院などの共学校でも女子の受験生が増えており、兵庫の統一入試日午前の受験者の増加数321人のうち、女子の増加数は推定で200人を超えています。

 20年以降の大学入試改革やその先の社会で必要とされる力を身に付ける環境として私学志向が高まっていますが、女子児童の保護者にその傾向が強いようです。

 兵庫以外でも例年より受験生が増えた女子校は多いです。大阪の四天王寺、帝塚山学院、京都の同志社女子、奈良の育英西がそれにあたります。兵庫では上にあげた2校以外にも微増している学校が多いのに対し、その他の府県では人気が偏っています。

 近年やや減少傾向にあった女子校が増加の気配を見せているのは、個性ある女子教育のその中身が再評価されているからでしょう。次年度以降も続く傾向なのか、その動向が注目されます。


◆際立つ関関同立系付属校の人気

 二つ目のトピックは、数年前から続く大学付属校人気がさらに加速したことです。中でも関関同立系付属校(関西学院大学・関西大学・同志社大学・立命館大学の系列校)の人気は際立っており、入試もやや難化傾向にあります。

 大学付属校人気には三つの要因があげられます。一つ目は、大学入試改革を見すえて早い段階から大学までつながる環境を選択したいと考える保護者が増加していることです。保護者自身が経験してきた大学入試とは異なることに不安を感じるからでしょう。二つ目は、これから必要とされる新時代に向けた新しい取り組みが、これまで大学付属校が実践してきた内容に近いものが多く、その教育内容へ期待が高まっていることです。三つ目は、大学入試の定員厳格化の影響で人気の私立大学の難度が急上昇しており、中学から入学させておいたほうがいいと考えられていることです。

 具体的に数字で各校の人気ぶりを紹介します。関西学院大学の付属校3校と立命館大学の付属校3校はそろって受験生が増えました。全日程の合計で、関西学院が318人で33人増、啓明学院が456人で77人増、関学千里国際が91人で30人増、立命館が722人で47人増、立命館宇治が415人で51人増、立命館守山が466人で126人増という結果でした。

 同志社大学の付属校では同志社女子と同志社香里が、昨年よりもさらに受験生を増やしています。同志社女子は861人で151人増、同志社香里は1175人で97人増という結果でした。

同志社(京都共学)と関西大学の付属校3校(関西大学第一・関西大学中等部・関大北陽)は、昨年大きく増やした反動もあり、少し減少しましたが、多くの受験生を集めています。

 上記の各校で実施しているオープンキャンパスの5年生以下の参加人数が年々増加していることからも、今後この傾向が続くと予想されています。


◆灘中入試の全国化

 全国屈指の難関進学校の灘中入試について触れておきます。灘中に多くの受験生が集まることはトピックではありませんが、出願状況を細かく見てみると全国規模で受験生が集まっていることが分かります。15年入試の612人から19年入試の731人へと出願数が119人増加していますが、このうちの82人が首都圏からの受験生です。19年入試の出願数の割合を地域別にみると、関西圏が約50%で、半数は他地域という状況です。中でも首都圏からの出願は26.4%と年々増加傾向にあります。


◆多様化する中学入試

 近年、「英語入試」「適性検査型入試」といった新タイプの入試が増えています。

 「英語入試」を実施したのは34校。国語・算数に追加する学校や、英語がメインの学校などさまざまな形で実施されています。英語で受験できることが浸透してきたこともあって、英語のみで受験できる学校は受験生が増えています。また、英検優遇制度(英検資格を持っていたら加点)の学校も増えており、よく調べておく必要があります。

 「適性検査型入試」は17校で実施されています。その多くは、国立や公立中高一貫校との併願受験を期待して実施されています。兵庫の神戸大学附属中等教育学校、京都の西京高校附属中学校や洛北中学校、滋賀の県立守山中学校がこれにあたります。

 教科横断型の入試やプレゼン入試、首都圏で話題となった1教科入試などが次年度以降の入試で増えてくることが予想されます。教科学習をベースに受験準備を進めながら、我が子に最も合う受験方法を検討していくことが大切です。最新の入試情報に注意しておきましょう。



読売オンライン から転載




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