私立

2018年08月01日

「習い事三昧・塾通い・私立受験」の末路


■「子供が望むなら」“教育費は聖域”と考える家庭

同世代の2人の子を持つ2組のご夫婦。将来の明暗を「教育費」が分けることがあります。

GOOD家夫妻は、小中高大と国公立出身。だから、子どもの進学についても私立は一切念頭にありません。自宅近くの公立中に通う中3の長男と中1の次男ともに補習塾のみ。とはいえ、首都圏の国公立大に現役で合格するとなると、それなりの準備は必要。大学受験のための塾代だけは、今から蓄えています。また子ども2人とも学資保険に入っており、18歳のときに200万円ずつ受け取れますので、大学4年間の授業料のかなりの部分をこれで賄えます。


一方のBAD家では、幼児期から複数の習い事。中1の長女を「校風がよくて安心だから」と、私立中高一貫校に進学させました。すると小4の長男も中学受験をしたいと言い出した。本来ならここで、長男には中学受験をあきらめさせるべきでした。なぜなら、B家は老後に備えた蓄えがゼロに等しかったのですから。

しかし、結局は長男にも受験塾へ通うことを許してしまいました。こうした家庭は、子どもの教育にかかる費用を“聖域”と考えていて、「子どもが望むなら」と、どんどんお金をかける傾向があります。

仮に何とかお金を工面して、長男も私立中高一貫校へ進学させたとしても、長女が大学に進学する頃、貯蓄が乏しいB夫妻の老後に対する不安は一気に高まるはず。夫が50代となり、役職定年や再雇用などで給与が大きく引き下げられる現実が目の前に迫って初めて、そこに気づくのです。

すると頼りたくなるのが貸与制の奨学金。しかし、月12万円ずつ借りると4年で約600万円。子どもたちにそんな大きな借金を背負わせていいものでしょうか。それに奨学金は、子どもの口座に振り込まれる点が曲者。子どもは自由に使えるお金と勘違いし、飲み代など交際費に使ったり、ひどいときは友達にごちそうしたり。特に私立校生は、周囲に裕福な家庭で育った友達が多いですから、そんな金銭感覚になりかねません。

十分な収入や貯蓄のない家庭の親御さんのなかには、「うちは給料を貰える防衛大学校に行かせる。奨学金なんて借りなくても大丈夫」と気軽におっしゃる方も。しかし防衛大は人気も偏差値も高いし、向き不向きもあります。誰もが選べる進路ではありません。

夫が65歳になったとき、G家は退職金を除いても2000万円近い貯蓄がある一方、B家は500万円にも遠く及ばないかもしれません。



2018.8.1

プレジデントオンライン から転載


   

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2017年02月09日

東大合格2位の女子校で毎朝裁縫をする理由

東大合格2位の女子校で毎朝裁縫をする理由

8時15分からの5分間だけは、まるで時が止まってしまったかのような静寂に包まれる



名門進学校で実施されている、一見すると大学受験勉強にはまったく関係なさそうな授業を実況中継する本連載。第2回は東京・池袋の女子校「豊島岡」の「深イイ授業」を追う。
第1回:東京の進学校「海城」が学ばせる究極の対応力


■真っ白な布に、赤い糸を縫っていく

 池袋駅東口からまっすぐ伸びる大通りに面して、豊島岡女子学園中学校・高等学校(以下、豊島岡)はある。8階建ての校舎は、よく見ればたしかに学校らしいたたずまいではあるが、気をつけていなければまわりの商業ビルやオフィスビルにまぎれて素通りしてしまうかもしれない。通りの反対側から見ると、豊島岡の校舎の背後にはサンシャイン60がそびえている。

 朝7時、校門が開く。始業時間の8時10分までにはまだ余裕があるが、パンパンに膨らんだカバンを両手に持った生徒たちが吸い込まれていく。部活の朝練かもしれない。名物「月例テスト」の追試かもしれない。

 「月例テスト」とは、朝のホームルームの時間を使って実施される5~10分間の小テスト。高1までは漢字、英単語、数学の3種類。高2以降は古文単語、英単語、そして理科または社会の3種類。それぞれ月に1回のペースで実施するので、結果的に毎週いずれかの月例テストを受けることになる。しかも合格点を取れるまで追試が待っている。

 これが豊島岡生の基礎学力を担保し、昨今の大学合格実績の土台になっていることは間違いない。東大合格者数に関して言えば、いわゆる女子御三家をも凌駕する実績を誇っている。

 8時15分からの5分間だけは、豊島岡の校舎全体が、まるで時が止まってしまったかのような静寂に包まれる。私語は一切許されない。いすを引く音すらしない。「運針」の時間だ。


5分間、無言で

 豊島岡の生徒は1人ひとり、真っ白な布と、真っ赤な糸と、そして裁縫針を机の中に持っている。8時15分のチャイムが鳴ると、赤い糸で白い布の端からまっすぐに、針目をそろえて縫っていく。

 先生も黙っている。そしてただ、生徒1人ひとりの針の動かし方をじーっと見ている。

 布の長さは約1メートル。そこに赤い縫い目が描かれていく。端から端まで縫い終わると、そのまま赤い糸をすーっと抜き取り、また初めから縫い直す。5分間、無言で、ひたすらそれをくり返す。

 手際のいい生徒は、リズミカルに、針よりもむしろ白い布のほうをぱたぱたとあおぐように動かし、あっという間に端から端まで縫い終わる。何度もそれをくり返す。素早く縫っているのに、縫い目は機械で縫ったかのように均等で、まっすぐだ。縫うときの姿勢も目つきもいい。

 性格にもよるのだろう。スピードは遅くとも、一針一針確かめるように縫う生徒もいる。それはそれで、美しい縫い目ができあがる。

 一方、どうも気が乗らないのか、寝不足なのか、首をかしげながら縫う生徒も中にはいる。縫い目は大きくまばらになる。まっすぐでもない。

 素人の私が遠目に見ても、1人ひとりの針の動きがよくわかる。白い布の上に描かれた赤い糸の縫い目には、個性すら感じる。

 8時20分のチャイムが鳴ると、学校全体ににぎわいが戻る。静と動のコントラストが印象的だ。



■1日1ミリでも、昨日の自分を越えていく

 豊島岡の起源は1892年にまでさかのぼる。裁縫学校として始まった。裁縫上手な普通の女性が、近所の女子たちの手に職を付けるために、縫い物を教えたという生い立ちだ。女性の自立のため、裁縫だけではなく、算術や簿記も教え、評判となった。大正時代になると女子への教育熱も高まったため、裁縫よりも普通教育に軸足を置くようになる。

 毎朝の「運針」が始まったのは戦後のことである。先先代の二木友吉校長が、幼い頃にやらされた黙想にヒントを得つつ、学校の伝統である裁縫の要素を取り入れたのだ。

 ちなみに週1回は「運針」の代わりに「月例テスト」を行う。つまり、「月例テスト」も努力の積み重ねの大切さを学び、基礎基本の大切さを知る機会であるということができる。全生徒が6年間、コツコツと努力を続けた結果が、大学進学実績になって表れているのだ。その意味で、「運針」と「月例テスト」はどちらも豊島岡の教育の柱であり、相乗効果を生み出しているといえる。


赤い糸の縫い目を見れば…

 自身も豊島岡の卒業生である竹鼻志乃校長は、「運針」を「5分間の禅」と表現する。生徒にとっては毎朝5分間、集中力を高め、心を鍛錬する意味がある。担任にとっては、生徒をじっくり観察する時間でもある。針の動かし方、赤い糸の縫い目を見れば、その生徒のその日の心の状態がわかると言う。実際「イライラしているときは針目が乱雑になります」と言う生徒もいる。心の状態が、赤い糸の縫い目に表れてしまい、ごまかしようがない。

■昨日の自分を1ミリでも越えようという意識で

 最初からうまく縫える子は少ない。中1の1学期間を経ても上達しない生徒には、家庭科の教員による夏休みの特訓が待っている。最初は5分間で10センチメートルも縫えないということも多い。しかし1年後にはほとんどの生徒が1メートルを縫えるようになり、さらに2メートル、3メートルと伸びていく。

 かといってスピードや正確さを競わせることはない。進み方は人それぞれ。まわりとの比較ではなく、昨日より今日、今日より明日と、1日1ミリでもいいから進歩することが大事。「運針」をすることで、豊島岡生は毎朝、昨日の自分を1ミリでも越えようという意識になるのだ。

 しかも運針では毎回、最後には糸を抜き去ってしまう。どんなに頑張っても形が残らない。「それが大事」とある教員は力説する。形を残すことは目的ではない。生徒たちは「大切なものは自分の中にしか残らない」というメッセージを受け取って卒業していくのだ。 



東洋経済オンライン 2/8(水)



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2016年05月26日

<熊本地震>私立中学・高校 被災額110億円


◇協会加盟30校 国へ支援強化を要請

 熊本地震で校舎や体育館などが損壊した県内の私立中学・高校の被害額が約110億円に上っていることが、熊本県内の30校で組織する「熊本県私立中学高等学校協会」の集計で分かった。政府は熊本地震を激甚災害に指定しているが、復旧事業に対する国の補助の割合について、私立校は公立校より低く抑えられており、同協会は来月、文部科学省に支援の強化を要請する。

 協会の調査によると、県内の私立高校(全日制)は6市に21校あり、このうち5市20校で被害があった。私立中学は県内(熊本市のみ)に9校あり、すべての学校で被害が確認された。最大で約40億円の被害が出たと回答した学校法人もあった。体育館の天井が落下したり、柱に亀裂が入ったりしたという。

 熊本県教育委員会によると、県内の公立の小中学校などは全643校のうち383校、県立高校と特別支援学校は全71校のうち57校で被害が確認された。被害額は約500億円だという。

 激甚災害で被災した教育施設の復旧については、法律で私立校の場合、事業費の2分の1を国が補助すると定めている。公立校は約8割を国が負担するため、格差がある。

 熊本市中央区の九州学院中・高を運営する学校法人「九州学院」では、中高の校舎3棟(一部含む)と屋内プールが損壊し、原則使用禁止とした。体育の授業や部活動に使う中学のアリーナ(体育館)では、天井のパネルやガラスが破損し、床に飛散した。生徒は仮設校舎で授業を受けている。

 同区の鎮西中・高、真和中・高を運営する学校法人「鎮西学園」も、建築士らが建物の安全性を調べる「応急危険度判定」で、4校共用の体育館と、校舎2棟について、「危険」とされたため、使用禁止にした。建て替えや修繕、仮設の校舎建設などに多額の費用が見込まれ、森永政英事務局長は「私立校も公立校並みの公益性がある。支援に差をつけないでほしい」と話す。

 同協会の赤星政徳事務局長は「復旧費を工面するために授業料を上げれば、今後の生徒募集に影響を与えるだけでなく、保護者の負担増になる。保護者には被災者もおり、配慮してほしい」と語る。

 文科省によると、東日本大震災(2011年)では、施設復旧や物品購入のため「教育研究活動復旧費補助」を約212億円計上した(予算ベース)。熊本地震を受けて今月、成立した補正予算にはこうした補助が含まれておらず、同省の担当者は「熊本地震でも同様の支援を検討したい」としている。


2016.5.26  毎日新聞から転載



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2015年12月07日

教員にも“1人1台タブレット”、「iPad用業務アプリ」を作る中学校


“2020年までに1人1台のタブレット”――。そんなビジョンを文部科学省が掲げていることもあり、近年、タブレットを使ったIT授業を導入する学校が増えてきている。



 こうした学校では“小学校や中学校の生徒にタブレットを渡すと、授業中もそれ以外の時間も積極的に使ってくれる”という話をよく聞く。今ではむしろ、教える側がもっとタブレットに慣れる必要がある、という声もよく聞かれる。

 こうした背景から、1人1台のタブレット環境を生徒だけではなく、教員にも適用する動きもある。東京都北区にある私立中高一貫校、桜丘中学・高等学校もそんな学校の1つだ。同校は生徒に先駆け、2013年度に全60人の教職員に対してiPadを配備し(2014年に全生徒約800人に配備)、現在は学校説明会や入学試験の際にiPadを使っているという。

●「iPadのいい使い方はないかな」

 新しいツールやデバイスを与えても、使い道がすぐに出てくるわけではなく、結局使わずじまいに――。企業の導入でよく聞く話だが、桜丘中学・高等学校も同じような状況だった。40代以降の教員を中心にタブレットを触った経験がない人が多く、iPadをほぼ使わない教員もいたという。

 「iPadを多くの教員に使ってもらうにはどうすればいいか」。同校でICT推進を担当する西岡朱里さんは頭を悩ませていた。校務システムで使う方法も考えたが、当時はAccessでデータベースを構築したWindowsベースのシステムを使っており、iOSに対応すると多額の費用がかかることから、システム改修は現実的ではなかった。

 そんなときに副校長の品田健さんから「FileMaker」の存在を教えてもらった。同社のイベントで、FileMakerで作られた受付システムを見て、「学校説明会に使えるのではないか」と思い付いたのがきっかけだったそうだ。

 西岡さんがFileMakerを検討する中で注目したのは、多くのOSに対応する点だ。彼女は業務でMacを使うことが多いが、教師の多くはWindowsマシンを使っており、iPadにも対応させたい……これら3つのOS全てに対応するデータベースを作れる点が導入の決め手となった。

 もちろんシステム開発を外注する手もあったが、インハウス開発を選んだのは、“かゆい所に手の届く”アプリが作れるためだと西岡さんは話す。「外注すると業者側の仕様にユーザーが合わせる部分が出るのが一般的ですが、内製であればユーザーの声に合わせて柔軟に仕様を変更できます。また、学校独自の用語やフレーズが使えるのも大きなポイントです。自分たちが普段使っている言葉なので、アプリを見ただけで使い方をイメージしてもらえるのです」

 こうしてFileMakerでのアプリ開発を始めた西岡さん。彼女が最初に手掛けたのは、学校説明会用のアプリだった。

●学校説明会でFileMakerアプリケーションにチャレンジ

 同校の学校説明会は200~300人を超える受験生(とその親)が集まる一大イベントだが、中でも個別入試相談の対応に苦労していたという。複数の職員がさまざまな教室で面談を行うが、「各職員が大きなノートPCを持ちこみ、配線を整えるなどの準備に多くの時間がかかっていた」と西岡さんは言う。

 このシステムをiPadアプリにしたところ、運用が大きく変わった。教員はiPadだけを持って身軽に教室を移動できるようになり、配線などの準備も必要なくなったため、好評だったという。翌年からは面談の進行状況もiPadで共有されるようになり、待ち時間の短縮につながった。

 「今までは教室をのぞきに行かなければ状況が分かりませんでしたが、今ではiPadの画面を見れば状況が分かります。このようにスムーズに情報共有ができるようになるのがアプリ化のメリットですね」(西岡さん)

●リアルタイムな情報共有で業務がスムーズに

 少人数での情報共有で効果が上がり、手応えを感じた西岡さんは、より大規模な情報共有にチャレンジすることにした。それが入学試験での活用だ。

 受験生の基本情報や成績データの入力、入試当日の受験生の出欠管理、試験監督の配置や問題配布の確認、そして申し送りなど、入試で発生する作業は幅広い。桜丘中学・高校はこうした校務の大部分を紙で行っていた。「フロアに係を配備し、リレー式に各情報を伝達していました。とにかく学校全体がバタバタするあわただしい一日なのです」(西岡さん)

 わざわざシステムを作らなくても……と思う人もいるかもしれないが、同校は複数の建物が連なる複雑な校舎であるため、人の動きが見えにくく、情報共有が難しいのだという。

 こうした情報の共有をiPadのアプリで行えるようにしたところ、校内での動きが可視化されて一元管理ができるようになった。さらに2014年度の入試では、入試当日に加えて前日の会場設営の準備にもFileMakerアプリケーションを導入。徹底的にアナログな手段での伝達を減らし、作業の効率化を図った。

 「少しずるい考えかもしれませんが、入試関係の業務は全教員が携わることになるため、普段iPadを使っていないような人にも使ってもらえるチャンスになります。iPadの魅力を知ってもらい、他の場面でも使ってもらえないかという狙いもありました」(西岡さん)

 こうして校内のさまざまな問題をインハウス開発のアプリケーションで解決していったところ、最近では、教職員から「こういう問題ってFileMakerで何とかならないか」という質問が増えたという。iPadを使った業務効率化に対して、意識が高まりつつある様子がうかがえる。

●親しみやすくシンプルなデザインにこだわり

 西岡さん自身はデータベースに関する知識はほぼなく、Accessに詳しかったというわけでもない。参考書は2冊ほど買ったものの、後は触って覚えたりカンファレンスで講演者に質問したりしたそうだ。

 「プログラミングの知識が必要なく、日本語でアプリを作れるので“素人”でも作れるところはいいですね。一方で周囲にFileMakerについての知識を聞ける人がいなかった点は苦労しました。最初は本とネットぐらいしか頼るものがなく、途方にくれたときもありましたね」(西岡さん)

 ITに関する知識は少なかったが、美術を専門で学んでいたこともあり、デザインにはこだわって開発を進めた。まず、シンプルな画面構成で使いやすく、そして親しみやすい見た目にしようと心掛けたという。

 「業者に頼むとかっちりとしたデザインで出てくることが多いですが、ITが苦手な教職員でも“使ってみよう”と思えるように季節に合わせたデザインを入れたり、楽しい見た目にしようと工夫しました。また、操作を複雑にすると使う気が失せてしまうこともあるため、タブを使うような操作を避け、なるべくボタンを押すだけで操作が完結するようにしています」(西岡さん)

 また、教職員から改善点の要望が挙がれば、早めに対応をすることにしているという。桜丘中学・高校には左利きの教職員が多く、「左利き用の配置を加えてほしい」と依頼を受けたところ、すぐに左利き用の画面と切り替え用のボタンを配置した。このように、ニーズに対して小回りが利いた対応ができる点もインハウス開発ならではメリットといえる。

●インハウス開発の“課題”

 もちろん、インハウス開発自体にも課題はある。システムを開発する職員の負担が増えることだ。システム開発の専用スタッフがいれば問題ないものの、人員が限られた教育機関では教職員が通常業務と並行して進めざるを得ない。

 西岡さんは開発専任の職員ではない。特に最近はニーズが出てきたこともあり「並列でやるのは厳しくなってきた」という。iPadの利用が増えるにつれて、ヘルプデスク的な業務も増えることが予想されるし、独自で作ってきたアプリの仕様はどうしても引き継ぎがしづらい形になっている。通常業務とのバランスも含めて、こうした点が今後の課題になるだろう。

 それでも西岡さんは、今後もインハウス開発を続けていくと強調する。「教職員全員にiPadを活用してもらうというミッションは変わりません。今あるデータを取り込み、検索や共有できるようにすることで、問題を解決していく役割を追求したいと思っています。基本的にとても簡単な使い方しかしていませんが、iPad導入時と同様にあまり難しく考えずに“まずやってみよう”という意識で取り組むことが大事だと思っています。もちろん、人は増やしてほしいとは思っていますけどね(笑)」(西岡さん)


ITmedia エンタープライズ から転載



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2015年10月18日

中高一貫校でグローバルな人間が育つ理由


■「公立のほうが多様性に富む」は本当か

 私立中学よりも公立中学のほうが多様性があると、要するに私学には多様性が乏しいと、一般的にはいわれることが多い。しかしそれは本当か。

 たしかに公立の中学校にはさまざまな家庭事情の生徒が集まる。一方、私立中学に通うような子供の家庭はたいていの場合経済的に恵まれている。その意味ではたしかに公立のほうが多様性がありそうだ。

 しかしである。この場合の多様性とは、あくまでも家庭の経済状況についての多様性にすぎない。

 公立の中学校の生徒は、ほとんど徒歩で通学できる圏内の、地元の子供ばかり。同じ公園で遊んで、同じ商店街で買い物をして、週末は同じショッピングセンターに家族でお出かけする。半径数キロ圏内で完結してしまう狭い文化圏に住んでいる。

 この状況、近年マーケティング業界で話題になった「マイルドヤンキー」の生態にそっくりではないだろうか。

 マイルドヤンキーとは、一見ヤンキー風ないかつい風貌をしていながら、実は極度に内向的で上昇志向が乏しく、大人になっても小中学生時代の地元の友人とばかりつるみ、半径数キロの生活圏に閉じこもっている人たちのこと。仲間同士のしがらみにとらわれており、みんなで似たようなファッション、音楽、会話を楽しむ。多様性とはほど遠く、挑戦しない、内向き、保守的、臆病などという形容詞が連想される。勝手知りたるホームグラウンドから出ることがほとんどないのだ。

 家庭の経済的な状況に幅があることを多様性と呼ぶのなら、たしかに公立中学のほうが、多様性が豊かであるといえる。しかしそれを多様性と呼び、多様性があるほど好ましいというのであれば、格差社会が進行するほど多様性が豊かになり、学校としては好ましいということになる。果たして本当に、それが学校に存在すべき多様性なのだろうか。

 一方、電車に乗って私立中学に通う子供たちは、常にアウェイの状態にある。毎日、生まれ育った生活圏を飛び出して学校に通うからだ。

 学校には自分が生まれ育った生活圏とはまったく違う地域から通ってくる友達がいる。小さいころ遊んでいた公園も違う。小学生のころに良くやった遊びも違う。休みにやるドッジボールやトランプなどのゲームのルールも違う。高層マンションが建ち並ぶ都心から通う生徒もいれば、ベッドタウンと呼ばれるような郊外から通う生徒もいる。休日に友達の家に遊びに行こうと思ったら、電車の路線図を確認して、何度も乗り換えて、見知らぬ町を歩かなければいけない。やっとのことでたどり着いた友達の家の近所で、その地域の子供たちと一緒に遊ぶことになるかもしれない。だとすれば、自己紹介からはじめなければいけない。


■アウェイな環境でグローバルな素質が育つ

 このように、4月の中1の教室は、まるで未知との遭遇の連続となる。毎日が冒険だ。それぞれの地域にそれぞれの文化があり、地域文化の多様性が教室の中にもたらされる。国境をまたぐわけではないが、これだって立派な異文化交流だ。これぞ学校の中にあってほしい多様性ではないだろうか。

 私立中高一貫校の中には、積極的に帰国子女を受け入れている学校もある。これも学校の中に多様性をもたらすための工夫の一つである。親の所得という意味での多様性は広がらないが、生徒がもつ文化的背景の多様性は広がる。

 それぞれ違った風景を見て育ってきた生徒たちが集い、彼らがお互いの文化を共有するのだ。

 中高一貫校の教育については、拙著『進路に迷ったら中高一貫校を選びなさい』(ダイヤモンド社)をご参照いただきたい。

 現在「グローバル人材」が必要だとされている。では「グローバル人材」とはどういう人のことをいうのだろうか。多言語ができる?  プレゼンテーションやディスカッションが得意?  いろいろな条件を挙げることができそうだが、ひと言で言えば、「日本という足場を離れて、常にアウェイで戦える人」ということではないだろうか。

 常にアウェイなのだから、「あれがない、これも足りない」というようなことの連続を経験することになる。助けてくれる人も近くにはいない。そんな状況では、「とりあえず手元にあるものだけでなんとかする力」がものをいう。ありあわせのものを使って最善を尽くすことができる力といってもいいかもしれない。

 だとすれば、「グローバル人材には、これとこれが必要だから絶対に身につけておくように」という発想自体グローバル人材的ではないと私は思う。

 手元にあるものだけでなんとかする、覚悟と知恵と度胸こそがものをいう。「あれがなければ戦えない」「これが足りなかったから負けたのだ」というような言い訳は、もっともグローバル人材的ではないということになる。

 その点、私立中学に通う生徒たちは、毎日アウェイ。地元という足場を離れて、異文化交流することに慣れている。

 グローバル人材的な感覚は、こうやって少しずつ自分の生活圏を広げていくことで磨かれていくものではないだろうか。「これがグローバル教育だ」というようなパッケージ商品はあり得ないと私は思う。

(プレジデントから転載 2015.10.18)



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