注意

2017年11月21日

エナジードリンクを飲む子どもたちに起きている「異変」


近年、若者を中心に人気が広がる「エナジードリンク」。10代の子どもが自動販売機やコンビニで買える清涼飲料水だが、よく飲んでいる子どもたちの心身の異変を懸念する声が教育現場から上がっている。疑われているのが、エナジードリンクに含まれる成分「カフェイン」の影響だ。今回、日本体育大学・野井真吾研究室と共同で、全国の小中高など1096人の養護教諭にアンケートを実施。その結果をもとに広く実例を取材した。子どもたちの身に何が起きているのか。(ジャーナリスト・秋山千佳/Yahoo!ニュース 特集編集部)


「人が変わった」中3男子

「テンションのアップダウンが激しすぎて、(飲み続けていたら)包丁持って暴れたりしていたんじゃないかな」

静岡県に住む中学3年生のツバサ君(仮名)は、1日1本以上エナジードリンクを飲んでいた中学1〜2年生の時を振り返る。当時は周囲から「人が変わった」と言われていたという。

ツバサ君の取材には母親、養護教諭も同席した。(撮影:編集部)

入学当初はどちらかというとおとなしい生徒だった。だが、ある時期から、教室中に響き渡るような高笑いをしたり場違いなふざけ方をしたりするなど、周囲が戸惑う行動を繰り返すようになった。それを注意する教師に激しく食ってかかるようにもなった。一方で、帰宅すると、ゆううつになり、母親に「頭痛い」「死にたい」と頻繁に訴えていた。

ツバサ君が初めてエナジードリンクを手に取ったのは小学校卒業からまもない時期。最初は体がだるいと感じた時にときどき飲む程度だったが、中1の冬頃から毎日飲むようになる。カフェイン量のより多い商品を選ぶことが多くなった。

取材に応じるツバサ君(撮影:編集部)


「モヤモヤした気持ちを消したくて、寝たくないから飲む。夜10時ごろに飲んで1時間くらいして効いてくると、もうじっとしてられない。スマホでチャットしたり、テンションの高い曲を聴いたりして、気づいたら朝という感じ」

この時期のツバサ君の様子を、小学生時代からツバサ君を知る保健室の養護教諭は「彼本来の姿じゃなく、おかしいと感じていた」という。

このような心身の異変は、ツバサ君に限らない。全国の養護教諭から、エナジードリンクを常飲する子どもたちについて、懸念の声が上がっている。

都内高校で。9月に掲示されていた「高校保健ニュース」でもエナジードリンクによるカフェイン中毒に注意喚起が行われていた。(撮影:編集部)


養護教諭1096人のアンケート

筆者は2010年から各地の中学校の保健室の取材を続けており、その過程で養護教諭から子どもたちの「異変」を耳にするようになった。エナジードリンクを飲んだ後に、頭痛や頻脈(脈拍数が多い状態)などで保健室を訪れた子どもたちからも直接話を聞いていた。

子どもへの影響に焦点を絞ったエナジードリンクやカフェインについての調査や研究は見当たらなかった。そこで、筆者は日本体育大学の野井真吾教授(学校保健学)と共同で、小中高校などの養護教諭を対象に、子どものエナジードリンク摂取に関するアンケートの準備を今年1月から進め、8月に実施した。全国養護教諭連絡協議会など1都2県で行われた計4回の研修会で、全国各地から参加した養護教諭にアンケート用紙を配布。1096人から回答を得た。

寄せられた1096人の養護教諭からの回答(撮影:長谷川美折)


アンケート結果で「自分の学校に、エナジードリンクを習慣的に飲んでいる子どもがいる」と答えたのは、中学で24.4%、高校では48.4%だった。自由記述欄では「問題がある子どもを把握している」という趣旨の回答が80件あった。

こうした回答を寄せた養護教諭の協力を得て、子どもたちへの取材を行った。冒頭のツバサ君もその一人だ。

(図版:ラチカ)


「心臓がバクバクした」高1男子

新宿から電車で約30分の私立の進学校。高校1年生の男子は、中学生の時、先輩が手にしているのを見て興味本位で飲んでみたら「夜遅くまで起きられちゃった」ことから、テスト前夜には連日2本飲むことが習慣となった。

養護教諭の呼びかけでエナジードリンク好きの生徒が集まった進学校の一室。(撮影:編集部)


今年5月、中間テストの前夜、いつものように飲んだところ、突然心臓が痛み始めた。痛みは1時間ほど続き、「1キロくらい猛ダッシュした後みたいに心臓がバクバクして焦った」。結局、その夜は勉強できないまま、翌日試験に臨んだという。

今回のアンケートとは別に、筆者は問題事例を取材の過程で見てきた。

東京都内の中学校。3年生の女子生徒は、受験勉強のため、エナジードリンクを1日2〜4本飲んでいた。頭痛や頻脈が頻繁に起こるようになり、勉強をやめて、夜通しポルノ描写のある映像を見ては「私もやりたい」などと保健室で口にしだした。

「エナジードリンクを飲まないとやってらんない」。その言葉に依存を疑った養護教諭が諭すと、生徒は「それでも手が出ちゃうの!」と叫んだ。養護教諭や友人らが説得を続け、生徒が飲むのをやめると、次第に異変は落ち着いていったという。


頻脈、胸痛を引き起こす「カフェイン中毒」

「興奮状態やいらつき、頭痛はカフェイン中毒のよくある症状です。頻脈や頻呼吸、胸痛などが現れる人もいるし、依存性もあります」

カフェイン中毒に詳しい上條吉人・埼玉医科大教授はそう語る。

冒頭のツバサ君の問題行動や身体的な異変についても、エナジードリンクを日々飲む習慣と一致して出現していることから、カフェイン中毒の影響である可能性が「十分にある」と上條教授は指摘する。

救急搬送の際、「カフェイン中毒はあまり救急隊員に認知されていない」と語る埼玉医科大学の上條吉人教授。(撮影:編集部)


日本でカフェインの健康被害が注目されるようになったのは2015年12月、九州の20代男性の死亡例が報道されたことだった。24時間営業のガソリンスタンド勤務だったその男性は、エナジードリンクを常飲しており、福岡大学法医学教室の分析では、胃からはカフェイン錠剤も見つかったという。血液からは致死量に達する1mlあたり0.182mgのカフェインが検出された。

今年6月、上條教授が日本中毒学会で発表した調査では、2011〜2015年度に全国38の救急施設に搬送されたカフェイン中毒患者は101人。7人が心停止で、うち3人が死亡した。患者の多くは濃度が高く安価なカフェイン錠剤が主因と診断されているが、エナジードリンクだけで搬送された例も4人あった。

(図版:ラチカ)


「子どもの手が届きやすい」エナジードリンク

そもそもカフェインは、コーヒー(1杯あたり約65mg)やお茶など多くの嗜好品に含まれる。だが、清涼感のある炭酸飲料であるエナジードリンクは「子どもの手が届きやすい」と複数の養護教諭が指摘する。代表的なエナジードリンクのカフェイン含有量は、レッドブルが250ml缶で80mg、モンスターエナジーは355ml缶で142mgだ。

市場調査会社の富士経済によると、国内のエナジードリンク販売額は2007年からの10年でおよそ34倍に伸びている。

(図版:ラチカ)

「飲んだら受験勉強に集中できるよ」と

野井教授とのアンケートや調査後の養護教諭や生徒への聞き取りを整理していくと、子どもがエナジードリンクを摂取する目的は、おおよそ二つに大別される。

一つは勉強やスポーツのため、もう一つは日常の息苦しさ・生きづらさを紛らわせるため、だ。

まず前者の勉強やスポーツ。中学や高校、特に進学校では、テスト勉強や受験勉強を機にのめり込む生徒がいるという回答が複数あった。

筆者が会った都内屈指の進学校である私立高校に通う1年生女子は「高校受験の時に、進学塾の大学生の先生から『飲んだら集中できるよ』と勧められて飲み始めた」と取材に答えた。

夜、勉強をする前に、エナジードリンクをスマホで撮影し、SNSのグループにアップ。「グループトークでオンラインでつないだまま勉強するのが多いです」とある高校生は語った。(撮影:長谷川美祈)


神奈川県の県立高校では、バスケットボール部の2年生の女子生徒が、試合間の休憩時間に「気持ち悪いし、心臓が痛い」と訴えた。平常時は1分間に70回台の脈拍数が、運動直後ではないのに110回を超えていた。同校の養護教諭が聞き取りをしたところ、直前にエナジードリンク2本(カフェイン計280mg)を飲んでいたことがわかった。女子生徒は「飲めばパフォーマンスが向上する」と信じ、試合前の「ルーティン」となっていた。

養護教諭はこの女子生徒について「彼女は『食事代わり』というくらいよく飲んでいた」と話す。

「それが関係しているのか、内科健診で心臓に異常がなかったのに、突然頻脈が発生し、心臓が痛いという訴えが1年間で4回もありました」

家庭などに複雑な事情を抱える子どもがエナジードリンクを常飲するケースもある。

過剰摂取後に救急搬送の短大生

(撮影:長谷川美祈)

静岡県内の中学校の養護教諭は、経済的に厳しい家庭環境の子どもほどエナジードリンクへの依存性が高い可能性があると指摘した。2017年3月に卒業した男子2人は「多い日は5本」と日常的に飲んでいた。2人とも母子家庭で、ワイシャツが破けても買い換えずに着続けるなど、経済的に苦しいところがあったが、どちらも親から食費として渡されるお金までエナジードリンクに費やしていた。

また、夜中まで起き続けることで2人とも睡眠時間が短く、そのせいか学校でささいなことにもイライラするような態度が続いていた。荒れた生活を心配していた養護教諭は2人と保健室で話をするようにした。「受験勉強が手につかず、自己肯定感も著しく低下していた」という。

「原因不明」と診断されているものの、エナジードリンクの過剰摂取後、救急搬送された事例もある。

東京都内の短大。養護教諭によると、4年前、男子学生がテストの最中に過呼吸状態になった。学生は「心臓のあたりにドンと衝撃が走った」と語り、さらに手足のしびれも訴えたため、救急車を呼んだ。

男子学生は前日あまり食事を取らずに、テスト勉強のために一晩でエナジードリンクを5本飲み、さらに朝登校してテスト前にもう1本飲んでいたという。24時間のカフェイン摂取量は合計840mgになっていた。養護教諭はカフェイン中毒を疑い、学生にその可能性を指摘した。

「しかし、このことを学生自身が搬送先の医師に伝えても、カフェインに対する検査はされなかった。結局、『原因不明』ということで終わったそうです」(養護教諭)

都内の中学校でもエナジードリンクを1日4本(カフェイン計560mg)ほど飲んでいるという男子生徒が授業中に倒れて救急搬送されたが、行われた検査の内容としては異常なし。診断は原因不明とされたという。

(撮影:編集部)

前出の上條教授は、「診断する医師にカフェイン中毒という観点がなく、見逃されている症例がたくさんあると思う」と言う。

「カフェインは昔からコーヒーなどの嗜好品に入っている天然の成分だから、たいしたものじゃないという先入観が一般にある」


カフェインの半減期は成人で2〜7時間

米国精神医学会の医師らによる医学書『アディクション・ケースブック』によると、カフェイン中毒の特徴的な症状としては、興奮/不安/ふるえ/頻脈/利尿/胃腸系の障害/痙攣/不眠がある。さらには、黙っていることができず話し続けたり異常な妄想にとらわれたりといった、躁病に似た症状も見られるという。

(図版:ラチカ)


カフェインの血中濃度が最大になるのは摂取から1時間以内で、その濃度が半減するまでの「半減期」は、成人でおおむね2〜7時間だ。

そこで問題となるのが、子どもにおけるカフェインの作用だ。

国立成育医療研究センターの和田友香医師は、「代謝酵素が未熟な子どもの場合、カフェインの半減期はもっと長く、新生児の場合は100時間以上かかる」と警鐘を鳴らす。

「子どもにとってタバコやお酒は危険だと誰もが思うでしょうが、カフェインも同じ。中毒になりかねないものなのに、あまりに知られておらず啓発もされていないのが現状です」

国立成育医療研究センターの和田友香医師。(本人提供)


死亡例でも子どもと成人ではカフェインの摂取量で違いがある。

日本中毒学会理事の監修による『臨床中毒学』によれば、成人でも短時間にカフェイン1g以上の過剰摂取をするとカフェイン中毒を引き起こし、5〜50gでは死に至る可能性がある。だが、体が小さい子どもの場合、その量より少なくても中毒を引き起こす可能性がある。

米国では、2011年にメリーランド州の14歳の少女が、24時間で700ml入りモンスターエナジー2本(カフェイン計480mg)を摂取し死亡。検死によって死因は「カフェインの毒性による不整脈」とされ、訴訟が起こされた。その米国では、薬物乱用・精神衛生管理庁(SAMHSA)によると、救急外来で受診したエナジードリンク関連の患者数は、2011年で2万人超。2005年のおよそ14倍に増えている。1日に50人以上が救急外来で病院を訪れたことになっている。

(図版:ラチカ)

カナダ保健省は注意喚起

カナダ保健省は2010年、13歳以上の青少年や成人について1日に体重1kgあたり2.5mg以上のカフェインを摂取しないようよう、注意喚起を行った(12歳以下はさらに少量)。日本では独自の基準値を設けず、農林水産省や内閣府の食品安全委員会が、カナダのこの数値を引用して「過剰摂取には注意が必要」と示している。

この基準値に照らすと、「モンスターエナジー」の場合、355mlの缶1本分にカフェイン約142mgが含有されているため、体重56kg未満の子どもは1日で飲みきると基準を超える計算になる(カフェイン2.5mg×体重56kg=140mg)。

(撮影:長谷川美祈)

欧米におけるカフェイン摂取の事例に詳しい米国在住の内科医・大西睦子氏によると、科学的検証はまだ必要だとしつつも、米国の医学界ではエナジードリンクのリスクを指摘する報告が複数上がっているという。

「たとえば、2013年2月、医学雑誌『Pediatrics in Review』でバージニア州のポーツマス海軍医療センターの研究者は、アルコール入りエナジードリンク1缶(695ml)を飲むことは『ワインのボトル1本あるいはビール6缶(355ml)と、5杯ものコーヒーを一緒に飲むのと同じ影響がある』と指摘しています」

大西氏は「カフェインにはある程度のリスクがあることは、子どもにもっと知られてよいのではと思います」と話す。

カフェインの「依存性」

米国精神医学会の診断基準(DSM-5)によれば、カフェインには「依存性」はあるものの、使用そのものを治療の対象としなければならないような「依存症」はないとされる。つまり、カフェインの過剰摂取は様々な問題を引き起こすものの、「十分に教育して理解すれば自分の意思でやめられるはずだ」と見なされている。

だが、社会的な背景を含めて考えると、そう単純なわけではないと指摘する研究者がいる。精神科医で国立精神・神経医療研究センター薬物依存研究部長の松本俊彦氏だ。

「依存には、単に物質の薬理作用だけでなく、その人の置かれているつらい状況、抱えているトラウマという心理・社会的な要因も関係しています。その物質を摂取することで、悩みや苦しみが一瞬でも和らいだり消えたりするという体験をすると、やめられなくなる」

国立精神・神経医療研究センター薬物依存研究部長の松本俊彦氏。(撮影:編集部)


松本氏は、「カフェインは、薬理学的には覚せい剤と同じく気分を高揚させるアッパー系ドラッグの一種」だと言う。

たとえば受験生や進学校に通っているような子どもの場合、「ちょっとでも気を抜いたらライバルが迫ってくるのでパフォーマンスを維持しないといけない、というものすごいプレッシャーの中で生きている子たちにとって、エナジードリンクは大きな必要性がある」と松本氏は解説する。

前出の米国在住の大西医師によると、米国でも「スタディドラッグ」という言葉がある。多くの子どもが夜遅くまで勉強するためにエナジードリンクを摂取しているというのだ。

松本氏が最も不安視するのが、日常の息苦しさ・生きづらさを紛らわせるための摂取だ。

いじめ、暴力、家庭内の不和、貧困など、身近な問題やトラウマを抱えている子どもの場合、カフェインをなかなかやめられないという。

「健康な子たちであれば、エナジードリンクもすぐ飽きるかもしれない。しかし、つらい境遇を抱え、やっとこさ表向き普通の中学生をやっているような子たちは、飲むとすこし気分がスッキリする。そこで、ハマっちゃうんだろうなと。つまり快感じゃなくて苦痛の緩和こそが、子どもを依存症にさせるのです」


厚生労働省とメーカーの考え

松本氏は「子どもたちがあまりに早い段階でカフェインに遭遇しないような販売上の気遣いは必要」と話す。だが、エナジードリンクは清涼飲料水という「食品」。自動販売機やコンビニエンスストアで目立つ位置にあることも珍しくない。また、一部商品に「お子様、妊娠中または授乳中の方、カフェインに敏感な方にはお勧めしません」といった注意喚起表示はあるが、実際の販売現場では子どもに対する規制はない。

こうした状況の中、厚生労働省はどう考えているのか。

厚生労働省の食品基準審査課と医薬品審査管理課の担当官は、死亡事故を含め、カフェイン中毒による搬送事例が起きていることは把握していると認める。その一方で、カフェインに対して規制まで行うのは難しいという見解を示した。

(写真:アフロ)


カフェインは天然由来の食品に含まれる成分のため、含有量ではなく、効果効能をうたうかどうかで医薬品か食品かの線引きがされる。そしてエナジードリンクのような食品の場合、「カフェインの量に法的な上限はない」と解説した。

だが、カフェイン含有量や販売上の規制がないままで、子どもたちへの健康被害は防げるのだろうか。その問いに同省の新井剛史衛生専門官はこう答える。

「人によって(カフェインへの)感受性は異なるので、まずはカフェインのリスクを知っていただくことが大事かと思っております」

そのため子どもに特化せず、周知を図る方針で、今年7月、同省のサイトに過剰摂取への注意喚起の文章を掲載した、という。

2017年7月に公開された厚生労働省の注意喚起のページ。同省ウェブサイトから。


メーカー側はどのように考えているのか。

世界のエナジードリンクを代表する2社、モンスターエナジー社(本社・米国)とレッドブル社(本社・オーストリア)に日本法人を通じて、書面で2点について回答を求めた。

英語と日本語の併記で届いたモンスターエナジー社、レッドブル社からの回答。(撮影:編集部)


1点目は、子どもの飲み方について摂取量や頻度での目安があるのかどうか。2点目は、われわれの行ったアンケートに基づき、頻脈や頭痛など心身の不調が出ており、カフェインの影響が疑われていることについて、どのように考えているか。

モンスター社は、1点目について、「10代を含めた全ての年齢層で、エナジードリンクの消費量は低水準を維持しています」とし、カフェイン含有量は同容量のコーヒー飲料よりも低く、安全だとしたうえで「エナジードリンクを日常的に飲んでいるのはごくわずかな割合の未成年のみです」と回答。2点目の問いについては、欧州食品安全機関(EFSA)の研究から、「エナジードリンクを摂取する10代において、エナジードリンクまたはカフェイン摂取により健康に影響を及ぼすリスクが増加したり、特有のリスクが現れたりするということはない」とし、「エナジードリンクが多くの重篤な症状の原因であるという指摘には全く根拠がなく、医学・科学文献により裏付けられているものではない」と回答した。

(撮影:長谷川美祈)


レッドブル社は、1点目の問いについては、「子どもは体重が軽いので、一般的に成人よりカフェイン摂取を控える必要があります」と体重とカフェインの関係から摂取を控える必要性を指摘。その上で「そのため、レッドブル・エナジードリンクは子どもたちにマーケティングはしておりません」と記した。ただし、2点目の問い──子どもに起きている頻脈や頭痛などの心身の不調に関する問いには直接答えず、250mlのレッドブルに含まれるカフェインはコーヒーと同じ含有量であることから、「すべての年齢層の人々が日々カフェインを摂取する主な方法とエナジードリンクを分けて扱う科学的な根拠はありません」とした。

無規制の販売のあり方は妥当か

エナジードリンクの販売のあり方については、世界保健機関(WHO)欧州事務局が2014年、小児・青少年へのエナジードリンク販売の規制を提唱しており、すでに取り組みを始めた国もある。

(撮影:長谷川美祈)

リトアニアは2014年、未成年(18歳未満)へのエナジードリンクの販売を禁止、未成年に販売した者は400リタス(約16300円)の罰金が科せられることになった。エジプトでは2014年、エナジードリンクの広告が全面的に禁止されるとともに、教育・スポーツ関連施設でのエナジードリンク販売が禁止された。また米国でも、2013年、米国医師会が20歳未満へのエナジードリンク販売禁止を呼びかけるといった動きが広がっている。

前出の松本氏は、「日本でもたとえばコンビニでアルコールの販売エリアを分けているようにエナジードリンクも別枠にするとか、15歳以下や、せめて小学生への販売はダメとか、どんなことができるか広く議論したらいい」と述べる。

一方で、それ以前に考えなければいけない大事なことがある、とも言う。

「エナジードリンクにはまる子どもたちは、カフェインというターボチャージャーをつけてやっと普通の子になれると思っている可能性がある。そんな彼らからすれば、大人に無理やり取り上げられたら『もう人並みに生きていけない』という絶望感が生まれる。そういう子たちを救うためには、『ありのままでいいんだよ』というメッセージをいかにいろんな形で伝えられるかと考えることも必要です」

アンケートの詳細など関連記事『「エナジードリンク」養護教諭アンケートから――現場の懸念浮き彫りに』はこちら。





秋山千佳(あきやま・ちか)

1980年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、朝日新聞社に入社。記者として大津、広島の両総局を経て、大阪社会部、東京社会部で事件や教育などを担当。2013年に退社し、フリーのジャーナリストに。著書に『ルポ 保健室 子どもの貧困・虐待・性のリアル』『戸籍のない日本人』。公式サイトで本件に関する情報を募集中。

[写真]
撮影:長谷川美祈
写真監修:リマインダーズ・プロジェクト
後藤勝


2017.11.21
ヤフーニュース から転載



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wakabanavi01 at 14:37|Permalink

2015年04月14日

子のスマホデビュー、その時親は 「ダメ」ばかりはダメ

新学期。子どもの入学や進学を機に、スマホを買い与えるかどうか悩む親は少なくない。スマホを使ったオンラインゲームをめぐるトラブルも増えている。心配は尽きないが、学校の学習でもネットを使う時代。親子で、上手に使うためのコツは――。  

9歳の娘が、親のスマホでゲームをして、勝手に高額なアイテムを買っていた――。今年2月、甲信越地方の40代の母親から、消費者センターにこんな相談があった。業者から、アイテムの代金として5万円を請求されたという。  

一方、関東地方の30代の母親から相談があったのはアダルトサイト。8歳の娘が、スマホでネット検索していたら、「画面がおかしい」と言ってきた。母親が見たところ、「誤作動はこちら」と指示する画面が表れ、操作すると、「お金を支払うようにというメールが送られてきた」という。  

国民生活センターによると、スマホを利用したデジタルコンテンツに関する相談件数は、2009年度は2件のみ。ところが14年度になると、今年2月末現在で6万件を超えるなど、急増している。  

未成年の被害も増えている。オンラインゲームに関するトラブルは、12年11月の532件から13年11月の1341件に増え、未成年者の割合は、4割に倍増。うち、9歳以下が12%から18%になった。「保護者が新しい機種に変更して、使わなくなった中古のスマホを与えて、制限をしない状況で使わせている例も多い」と担当者は言う。  

今年1月、有害なサイトから子どもを守るフィルタリング会社のデジタルアーツが調査したところ、小学3年以下の子どもがネットに接続できる自分専用の端末を持っていたのは約55%。携帯ゲーム機、子ども用携帯電話に次いで、「契約の切れた中古のスマホ」が多かったという。  

契約が切れたスマホでも、家の中に無線LANがあれば、ネットにつながる。親が使っていた中古スマホは、アダルトや残虐なサイトなどをブロックするフィルタリングがかかっていない場合が多く、子どもが有害サイトに遭遇してしまう可能性が高い。  

このため、無線LANも制限するためには、子どもに中古スマホを渡す前に、フィルタリングアプリをインストールし、閲覧できるサイトなどを制限しておくことが必要だという。


■目標は18歳での習熟  

ネット上の有害な情報は、フィルタリングである程度防げる。だが、個人情報や悪口を書き込んでしまうなど不適切な発信は、技術で防ぐことができない。  

川崎市で中学1年生が殺害された事件では、被害生徒と年上の容疑者との交流には、「LINE」が使われていた。デジタルアーツの調査でも、小学4年生から高校生のスマホ所有者のうち約62%が、「LINE」を使っているという。  

こうした現状に対して、インターネット事業者らでつくる「子どもたちのインターネット利用について考える研究会」(座長・坂元章お茶の水女子大教授)は、ネット上のコミュニケーションを少しずつ拡大する「段階的利用」を提言する。親子で話し合って、子どもに考えさせる方法だ。  

まず、ネットの特性として、①公開されている②匿名性はない③書き込みは取り消せない④自分の将来が台無しになることがある――ということを理解させる。その上で、オンラインのコミュニケーションは意思疎通が難しいこと、必要以上に自分を開示してしまうこと、未知の人の言うことを過剰に信じやすい傾向があることを伝える。  子どもがこうした特性を理解していく発達段階に合わせて、コミュニケーションの相手を、家族、顔見知り、見知らぬ相手へと少しずつ拡大していく。親でも子どもの力を見極めるのは難しいが、最終的に18歳での習熟を目指す。  

子どもネット研事務局の高橋大洋さんは、「リスクがあるからといって禁止すると、ネットのリスクを知って使いこなす能力が育たない」と話す。中高生向けの講演で講師を務める経験から、「長時間の利用については、子ども自身も困っている」と言い切る。「既に与えてしまった家庭も、春の買い替えなどをチャンスに、スマホを寝室には持ち込まないなど、親子で利用のルールを決めてはいかがでしょうか」


イラスト入り記事 こちら
 

(2015.4.11 朝日新聞から転載)



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2015年03月19日

騎馬戦事故で賠償2億円の判決、確定へ 県教委控訴せず

福岡県の県立高校で行われた体育祭の騎馬戦で男子生徒(当時)が騎馬から落ちて障害を負ったのは学校が安全配慮を怠ったからだとして、生徒だった男性(29)と両親が学校を設置管理する県に約2億9千万円の損害賠償を求めた訴訟で、同県教委は17日、約2億円の支払いを命じた福岡地裁判決を受け入れ、控訴しないと発表した。原告も控訴しない方針で、一審判決が確定する。

 城戸秀明教育長が同日、「これ以上裁判を長期化することは適当ではない。当時、学校で行われた安全対策よりも高度な安全配慮義務が指摘されたことを真摯(しんし)に受け止める」などとする談話を出した。県教委は月内に、事前指導の徹底などを指示する通知を県内の市町村教委や県立学校に出すという。原告代理人の中村亮介弁護士は同日、「今回の判決を無駄にしないよう、再発防止を徹底してほしい」とコメントした。

 原告の男性は同県立筑前高校(福岡市西区)の3年生だった2003年、体育祭の騎馬戦で、騎馬の上に乗る騎手として、相手と組み合った際に転落。首を骨折して首から下がほとんど動かなくなった。04年に身体障害者手帳1級を交付され、13年7月に県を相手取り提訴した。福岡地裁は今月3日、事前の練習が不十分だったなどとして、学校側の安全配慮義務違反を認め、県に約2億円の損害賠償の支払いを命じる判決を言い渡した。

(2015.3.17 朝日新聞から転載)


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2015年01月13日

子供に向精神薬処方増…注意欠如などで2・5倍

子どもへの向精神薬の処方件数が増加し、13歳~18歳では、2002年~04年と08年~10年との比較で、注意欠如・多動症に使うADHD治療薬が2・49倍、統合失調症などに使う抗精神病薬が1・43倍になったことが、医療経済研究機構(東京)と国立精神・神経医療研究センター(同)などによる初の全国調査で分かった。

 調査は、02年から10年の間に、外来診療を受けた18歳以下の患者の診療報酬と調剤報酬の明細書約23万件を分析した。1000人あたりの向精神薬の処方件数などを算出し、統計解析で年齢層ごとの処方件数の年次推移などを比較した。

 02年~04年と08年~10年の処方件数を比べると、13歳~18歳ではADHD治療薬と抗精神病薬の増加に加え、抗うつ薬の処方も1・31倍となっていた。6歳~12歳でも、ADHD治療薬が1・84倍、抗精神病薬が1・58倍と増えていた。

(2015.1.13 読売新聞から転載)



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2014年09月24日

子供の心を深く傷つけるNGフレーズ



心を深く傷つける!運動会帰りに「子どもに言っちゃダメな」NGフレーズ集


運動会は子どもにとって一大イベント。活躍できた子どもは意気揚々ですが、悔しさや恥ずかしさを抱えて帰宅する子どももきっと多いことでしょう。

では、運動会で子どもが思うような結果を残せなかった場合、お母さんはどのように出迎えてあげればいいのでしょうか? お母さんの一言で子どもが立ち直ることもあれば、逆に運動会がますます嫌いになってしまうこともあるようです。

そこで今回は、“日本と欧米文化両方の優れた点を取り入れたしつけ”を提唱する幼児教育研究家の平川裕貴さんに、運動会帰りの子どもに言ってはいけない言葉、かけてあげたい言葉を教えていただきました。

まずは、言ってはいけない言葉から見ていきましょう!


 

■子どもをおとしめるNGフレーズ4種


かけっこでビリになったり、ダンスで失敗したりした場合、誰よりもショックを受けているのは子ども自身。お母さんもガッカリなのでしょうが、それがお子さんに伝わってしまうような発言はNGです。具体例として、以下4つのフレーズがあります。 

・「かけっこあんなに遅くて見ていて恥ずかしかったわ」

・「全然ダメだったね」

・「どうしてもっと練習しておかなかったの!?」

・「あんなに下手くそだと思わなかったわ」

これらのフレーズは、子どもに面と向かって発するのがよくないのは当然ですが、本人がいないところでも、なるべく避けるべきでしょう。たとえば夜、もう子どもは眠っているだろうと夫婦でこんな会話をしていたら、子どもの耳に入ってしまった……なんて事態も想定できます。

「本当はそんなふうに思われてたんだ……」と子どもにとってショックですよね。


 

■励ましのつもりが逆効果になりかねないNGフレーズ2種

運動会で思うような結果が残せず、お子さんが意気消沈している場合、お母さんとしては何とか励ましてあげたいと思いますよね。もちろんポジティブな言葉がけをすることは大切なのですが、励ましのつもりが逆効果になってしまうこともあるようです。具体例として、以下2つのフレーズがあります。

・「一生懸命やれば勝てたのにね」

結果はどうあれ、本人は一生懸命だったのではないでしょうか? 「自分はがんばったのに、そんなふうに思ってもらえていないんだ」と子どもにとって励ましにならないこともあります。

・「負けたからって泣いたらカッコ悪いよ」

負けて悔しいという気持ちも大切です。もしお子さんが悔しさのあまり泣いてしまったら、お母さんは「泣くんじゃない」と鼓舞することなく、そっと見守ってあげましょう。

 


■子どもが「がんばってよかった」と嬉しくなるフレーズ6種


では、運動会から帰宅した子どもにはどんな言葉をかけてあげるとプラスになるのでしょうか? 具体例6つをチェックしてみましょう! 

・「最後まであきらめなかったのがすごいよ」

・「一生懸命な姿はカッコ良かったよ」

・「失敗してもニコニコしていたから、ママたちも見ていて楽しかったよ」

・「みんなが力を合わせたから、上手にできたのよね」

・「今年こんなに上手にできたのだから、来年も楽しみ」

・「来年はきっと、もっといろいろなことができるようになっているね」

“結果”よりも“がんばったこと”、“楽しくやったこと”、“来年はもっと成長しているであろうこと”に重点をおくといいでしょう。


 

以上、運動会帰りの子どもに言ってはいけない言葉、かけてあげたい言葉をお伝えしましたが、いかがでしょうか?


母親の言葉は子どもにとって百人力となることもあれば、刃となることもあります。運動嫌いのお子さんでも「またがんばろう」「来年の運動会が楽しみ!」と思えるような前向きな一言を笑顔でかけてあげたいものですね。


(2014.9.23 ヤフーニュースから転載)


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