弁護士・金原徹雄のブログ

憲法を大事にし、音楽を愛し、原発を無くしたいと願う多くの人と繋がれるブログを目指します。

「自衛隊を活かす会」協力シンポから学ぶ「憲法9条のもとで自衛隊の在り方を考える」(2/28仙台)

 今晩(2016年5月23日)配信した「メルマガ金原No.2465」を転載します。

「自衛隊を活かす会」協力シンポから学ぶ「憲法9条のもとで自衛隊の在り方を考える」(2/28仙台)

 自衛隊を活かす会(自衛隊を活かす:21世紀の憲法と防衛を考える会)は、安保法制が成立した昨年9月以降、「新安保法制の予想される発動事例の検証」にシリーズで取り組んでおり、昨年12月22日に東京で開催された「南シナ海―警戒監視のための自衛隊派遣をどう見るか」、今年1月30日に札幌で開催された「南スーダン─。駆けつけ警護で自衛隊はどう変わるのか」という2つのシンポジウムについて
は、その動画とテキストを本メルマガ(ブログ)でご紹介済みです。

2016年1月1日
「自衛隊を活かす会」シンポジウムから学ぶ「南シナ海―警戒監視のための自衛隊派遣をどう見るか」①動画編(付・札幌企画(1/30)のご案内)
2016年2月14日
「自衛隊を活かす会」シンポジウムから学ぶ「南シナ海―警戒監視のための自衛隊派遣をどう見るか」②テキスト編(付・札幌シンポ(1/30)の動画紹介)
2016年3月3日
「自衛隊を活かす会」シンポジウムから学ぶ「南スーダン─。駆けつけ警護で自衛隊はどう変わるのか」(1/30@札幌)

 その後、同会は既に3回のシンポジウムを重ねており(本年2月、4月、5月)、その内、2月と4月のシンポについては、テキストも最近ホームページにアップされましたので、ご紹介しようと思います。
 まず今日は、2月28日に仙台市で開かれた「2.28仙台緊急集会 憲法9条のもとで自衛隊の在り方を
考える」(於:エル・パーク仙台6階ギャラリーホール)です。
 ただし、このシンポ(集会)は、従前の「自衛隊を活かす会」のシンポとは異なり、同会は「協力」と
いう立場であり、主催は他団体(共催:立憲民主主義を取り戻す弁護士有志の会、野党共闘で安保法制を廃止するオールみやぎの会)でした。
 だから伊勢﨑賢治さんが出ていないのか?については不明というしかありませんが、テキストをお読みいただければ分かりますが、全体の議論のトーンが、ややいつもの「自衛隊を活かす会」シンポとは異な
る印象を受けます。
 それは、伊勢﨑さんが出ていないというだけではなく、元自衛官でも、これまで登壇された方々は、とっても偉い将官級の方々でしたけど、泥憲和さんは違いますからね。泥さん自身、普通の退役自衛官とはだいぶ毛色の異なった方ではあるでしょうが、やはり、その発想は将官クラスとは当然違いますよね。
 なお、このシンポは、南スーダンで初めて「駆け付け警護」の任務を与えられることになるのは、東北方面隊ではないか、という推測がなされる中での地元での開催でしたから、PKO活動と駆け付け警護の問題に力点を置いた議論がなされています。
 それでは、以下に、動画とテキスト(特に印象深い部分の抜粋)をご紹介します。

動画 憲法9条のもとで自衛隊の在り方を考える(2時間38分)


テキスト 憲法9条のもとで自衛隊の在り方を考える
(抜粋引用開始)
泥憲和氏(元自衛官・防空ミサイル部隊所属)
 今日は南スーダンのことだけに関してお話をしたいと思います。国連平和協力法(PKO協力法)に基づい
て、2011年から自衛隊の施設部隊がおよそ350人が駐屯しています。その任務は皆さんよくご存知のように道路を作ったりなどのインフラ整備が主な役割です。しかし、今後は報道されておりますように、南スーダンPKOでは安倍首相が「駆けつけ警護」任務に就かせようということで、今、非常に心配をされていると
いうことですね。
(略)
 しかし実は、選挙が終わろうが終わるまいが、政府が何を言おうが、自衛隊は「駆けつけ警護」を出来ないし、住民を守れません。それは、安保法制で改定されたPKO参加5原則の「受け入れ国の同意」ということと「中立の厳守」という2つの理由で、結果的に「駆けつけ警護」が出来ない、住民を守れないとい
う状態になっています。
(略)
 どういうことかと言いますと、「駆けつけ警護」や住民の保護というのは反政府武装勢力から住民や他の各国の部隊を守るというのが前提になっていますが、相手は反政府武装集団だけではないんですね。南
スーダンの政府軍が住民をコンテナ詰めにして窒息死させたりなんていうことをやっています。
(略)
 ですから、こうなりますと自衛隊は政府軍から住民を守れません。なぜならば、政府軍が住民を攻撃します。自衛隊は住民を守るために政府軍に武器を使用出来るか?それはできません。武器使用には現地政府の同意が必要だからです(PKO5原則)。政府軍に対する攻撃を現地政府が認めるはずがないです。そうなると、自衛隊は政府軍に武器を使用出来ない、結果として、政府軍の攻撃を止められず、自衛隊は住民を守れないということになります。つまり、PKO5原則の2番目「受け入れ国の同意」(受け入れ国の政府を含む紛争当事者が平和維持隊の活動に同意している)がない。政府軍を攻撃することに同意はありえな
いから、住民を守れない。
 政府軍からは守れないけれども、反政府軍からの攻撃だけが守れるのかというと、それもダメです。と
いうのは、反政府側にしか攻撃出来ないなら、中立性が失われるからです(PKO5原則「中立の厳守」)。
 ですから、どちらにしても自衛隊は身動きができません。このPKO5原則がある限り、法律を変えてもダメです。そこで今、この原則をどうにか失くしてしまおうというのが政府の考えだろうと私は見ています。自衛隊以外の各国の軍隊は既にそういう立場です。中立性を放棄しています。政府軍とはさすがに戦えないけれども、反政府軍側だけを一方的に攻撃する立場に立っています。中立性を喪失しているので、先
ほどのような事件が起きるわけです。
(略)
 ですから、既に欧米諸国はPKOに部隊を派遣していません。南スーダンに部隊を派遣している国名を挙げますと、ケニア、モンゴル、ウガンダ、カンボジア、インド、ネパール、バングラディシュ、その他には
中国、韓国、日本だけです。
 西洋諸国は司令部要員として幹部を派遣しているだけです。ですから、自衛隊を南スーダンで「駆けつけ警護」の任務にあたらせるということは、欧米諸国の下請けとして、欧米諸国の代わりに自衛隊が現地
の住民の恨みを買わされる、ということになるということです。
 自衛隊が住民を守れない理由はもう1つあります。というのは、今、派遣されているのは施設部隊で、戦闘職種ではないんです。道路工事とかが専門の部隊です。こう言った専門職種の隊員というのは戦闘訓練をほとんどやっていません。やっても年に1、2回、タコツボを掘って敵が向こうから攻めてくるのを待ち構える、あるいは匍匐前進して一斉突撃というような訓練しかやっていません。市街地で敵と渡り合うとか、住民を防護するまでの訓練は全くやっていないんです。そんなことをやる暇はないんです。それ
だけ難しい専門の訓練をやっていますのでね。
 そして、自衛官は誰でもそうですが、訓練したことしかできません。ですから、派遣している部隊をそ
のまま「駆けつけ警護」や住民防護に使うととんでもないことになります。そんな任務は失敗します。多数の死傷者が出るでしょう。そんなことは自衛隊側としては初めから分かっていたはずなんですが、なかなか官邸にそれが伝わらなかった。今になってようやくわかってきたのかな、という気がします。
 それどころか、自衛官は自分の身も守れません。安倍総理は危険ではない理由として、これから「駆けつけ警護」などの特別の訓練をしていく、これまではできなかった訓練をするから、習熟するので安全が増しますと国会で答弁しました。しかし、訓練をするには訓練用の弾薬、実弾訓練が必要なのですが、自衛隊は今、弾薬予算を減らしています(2015年度は対前年比112億円減)。「ヒゲの隊長」の佐藤正久参議院議員もツイッター上で怒っています。「オスプレイだとか、水陸両用車だとか、「高額輸入品」を買うために弾薬予算が減らされている。こんなことでどうして訓練が出来るんだ」と佐藤さんが言うぐらいで
す。
 もっと恐ろしいことに、TECMAGAというアメリカの会社が日本に進出しました。何を売っているか。「警察、自衛隊、海上保安庁、警備会社又それに準ずる組織の皆様へお知らせ!3月から日本国は『ハイブリッド戦争の時代』になります。備えは万全でしょうか?弊社は世界最高レベルの戦闘外傷救護教育を提供します」自衛隊も海上保安庁も教育してくれないでしょう?私達が教育してあげますよ。隊員の皆さん、
勉強しに来てくださいね、ということです。
 前例があるんです。自衛隊では市街地戦闘訓練を全くやっていなかったころ、自衛官は個人で戦闘インストラクターに習いに行っていたんです。これが本当の自衛隊の実態です。それで戦闘に参加させられて、殺されるのは自衛官ですから冗談ではないです。憲法9条に対する立場を除いても、これほど出鱈目な
ことに自衛隊を送ってはいけないというのが私の意見です。以上です。
 
谷山博史氏(日本国際ボランティアセンター代表理事)
 ご紹介に預かりました谷山と申します。私は1986年からタイ・カンボジア国境の難民キャンプで活動を始めて、その後、ラオスで3年半、そしてUNTAC(国際連合カンボジア暫定統治機構)のPKOが派遣されていたカンボジアで、1992年?1994年の2年間、活動していました。一旦、東京に帰って事務局長をしておりましたが、9.11後のアフガニスタン戦争の後、自分で手を挙げてアフガニスタンに赴任しまして、東部の
ジャラーラーバードを拠点に4年半ほど活動をしていました。
 私はこれまで12年間、現場を歩いてきたんですが、PKOや多国籍軍が展開しているところに赴任していることが多かったです。当然の話なんですが、NGOにとって紛争地での人道支援というのは、そもそもミッションですから、PKOが派遣されようがされまいが、自衛隊が派遣されようがされまいが、私達はそこに行く
んです。
 私達は現場で外国軍に守ってもらおうと思ったことは、一度もありません。逆に、外国軍が近づいてきたら逃げる、あるいは外国軍と共に行動しないよう、細心の注意を払うことによって、自分達の安全を確保してきました。徹底した情報管理、情報収集をしながら、特に地元の人達の需要を掴むことを徹底することによって、情報がつぶさに入り、危険なところには近づかないようにすると同時に、本当に危険な時
には守ってもらうということでしか、私達は自分を守る術がないと思ってやっていました。
 今日は南スーダンでの話を中心にということですが、後でアフガニスタンやイラクの現場、外国軍が展開されていた現場でどういうことが起こっていたのかということにも触れたいと思います。やはりアフガ
ニスタン戦争、イラク戦争を検証せずに、今後、日本が紛争現場に自衛隊を送るというのは、とても危険なことなので、2つの戦争を検証し、振り返るということは絶対に必要だと私は思っています。
(略)
 これまでの紛争というのは、アフガン戦争、イラク戦争、リビアでの戦争も、対テロ戦争という性格が
とても強くなってきています。対テロ戦争は普通の戦争とは違います。敵がどこにいるか分からないような状態の中で、外国軍が入って行って、鎮圧するという状態になっていますので、ちょっとやそっとで終わる戦争ではない。場合によってはずっと終わらない戦争です。交渉も出来ません。相手がテロリストであったら交渉はしないというのが対テロ戦争です。そして対テロ戦争は「住民の中で戦う戦争」です。したがって、外国軍にとっては前線も後方もない、どこから狙われるか分からない、「テロリスト」に対して撃ち返したら住民を巻き込むという、そういう性格の戦争です。
(略)
 南スーダンでの戦争に入る前に、スーダンの紛争について触れたいと思います。私達が南スーダン独立前のスーダン南部に入ったのは2007年からです。2010年まで「自動車整備学校」を開設して、帰還難民などに対する職業訓練を行ってきました。スーダン共和国の北の方には2005年の包括的和平協定の後に入っ
て平和構築の活動をしていました。
 本来であれば、スーダン紛争は2005年の包括的和平協定で解決したはずなんですが、2011年の南スーダン独立の前後に南スーダンと境界を接する州で内戦が勃発しました。私達が活動していたのは南コルドファン州で、州都はカードゥクリと言います。私達の事務所はそのカードゥクリという州都にありました。
突如、内戦が勃発して、事務所にいた駐在代表の今井高樹は孤立してしまったんですね。
 写真をまずお見せしましょう。これがカドクリ市内の爆撃被害の写真です。
 これは農村部で洞窟に避難している親子の写真です。長い紛争を経験してきたスーダンの人達は、戦争
になるとこうやって洞窟に逃げるんです。
 紛争が始まった時に、今井は国連に自分の所在を何回も電話で伝えていますから、当然、PKOにも紛争に今井が巻き込まれて孤立しているという情報は入っていました。しかし、PKOが助けに来てくれた訳ではあ
りません。その時の状況を今井がこのように伝えています。
――「私が緊急退避を行なった際の状況は、政府軍と反政府軍とがともに民兵を動員し、正規兵・非正規兵の区別が曖昧な中で戦闘が行なわれていました。明確な指揮系統はなく、市内では戦闘と同時に、『兵士』が商店や住宅に押し入り、『敵兵』を探索しながら、破壊や略奪行為が行なわれていました。誰が破壊・略奪をしているかもよく分からないまま、危険はNGOや国連の施設にまで迫っていました。
平和維持軍(PKO)は戦闘に巻き込まれることを恐れ、部隊の派遣を躊躇したのです。」――
 それはそうですよね。こういう混乱した中でやってくる外国軍であるPKOが、住民であれ外国人であれ、助けようとしたら完全に巻き込まれてしまいます。事務所で孤立した今井は、夜間に10名以上の兵士に襲われたと言いますか、事務所に押し入られて、しばらく拘束された状態になりました。その間に私達の事務所の物品や金銭は全て略奪されました。その時にPKOが突入していたら、今井の命があったかどうか分かりません。私達はこういう時、どういう対応をしたらいいかという訓練をしていますので、結局、今井は拘束されながら相手を刺激しないよう息を潜めていました。そのうち兵士達は去っていきました。最終的
に今井を助けに来たのは国連の非武装の民生機関の車両でした。
(略)
 これまでと違い、南スーダンのPKO(UNMISS)の任務も昨年10月に明確に国連憲章第7章に基づいての派遣であるとされました。南スーダンの状態が地域の安全や国際平和への脅威であると認定した上での派遣
に変わっています。そこに日本の自衛隊も派遣されているという状態なわけです。
 先ほど、泥さんからお話がありましたが、南スーダンでは今、民族間の対立、紛争だけではなく、国連PKOに対する攻撃も頻繁に起こっています。ドクターが狙われたり、河川航行中のPKOの船舶が拘束されるということもありました。多くの場合、PKOも武装勢力と交渉によって解決に至るケースが多いようです。これまでの紛争を見ていて、PKOが「駆けつけ警護」のような任務をした例というのは見当たりません。多くの場合、司令官が交渉する、或いはいろいろなことに対応出来るように、武装勢力側、政府軍側の双方
に対して、信頼関係を作れるということが司令官に求められる任務だと言われています。
 これらの状況を見て、南スーダンで「駆けつけ警護」ということをもし考えるとすれば、以下のような
ことが言えると思います。
 UNMIS(国際連合スーダン派遣団 United Nations Mission in Sudan)も、UNMISSも(国際連合南スーダン派遣団 United Nations Mission in the Republic of South Sudan:)も、「駆けつけ警護」はしな
かった。これからするんでしょうか?
 「駆けつけ警護」は、対立が紛争になってしまった段階で抑え込む鎮圧ですから、交戦に発展する可能性があります。そして、武装勢力に対して武器を使う場合、武装勢力が政府軍なのか、反政府軍なのか分
からないケースがままあります。
 武装勢力が政府軍だった場合、これは完全に憲法違反です。紛争解決において武力行使をしないというのが憲法の規定ですから。だから、駆け付け警護で武器を使用する場合は、相手が武装勢力であっても紛争当事者ではない場合に限ると日本政府は言っているわけです。それで憲法違反ではないと言っています。法律に書いてある「国及び国に準ずる組織」でない場合は、武力を行使しても大丈夫なんだという机上
の空論を言っているわけですが、それは現場では何の意味もありません。
 紛争当事者を武器を使って鎮圧をすれば、自衛隊そのものが紛争当事者になり、狙われ、それに対してまた反撃をするという循環に陥っていくわけです。そもそも、武器使用は武力の行使です。そして、今の南スーダンは紛争状態です。そもそもそういう状態の中に、自衛隊が派遣されている状態そのものを捉えなければいけない。これは一昨年の段階で議論をしていなければいけなかったのですが、私達は国会で議論されることなく、今まで来てしまったということについて、本当に反省しています。

柳澤協二氏(元内閣官房副長官補、自衛隊を活かす会代表呼びかけ人)
 先ほど、谷山さんのお話にありました「国または国準(国に準ずるもの)」です。端から見れば同じこ
とだということなんですが、日本人なりの憲法を理解する上で、日本国憲法には国際紛争を解決する手段として武力の行使を放棄すると書いてあるわけですね。
 国際紛争とは何かと言うと、国際法の主体同士の紛争です。国準とは、相手国に、相手国と同等の政治
力を持った――何と言うのでしょうか――、反政府団体、を国に準ずるものと言っているんですね。
 国準を相手に自衛隊が戦っちゃったらそれは憲法9条の違反になる。しかし、相手が国準でなければ、相手が単なる強盗や盗賊だったら、撃っても別に憲法に違反しないよねという理屈でやってきたわけです

 しかしこれは、例えば、シリアの和平協議が進んでいます。アサド政権とアサドに反対する自由シリア軍が和平協定のテーブルに入ってきている、これらは「国または国に準ずる」相手なんですね。これらと交戦してはいけない。だけど、ISIL(イスラム国)は和平交渉に呼ばれていないんです。ISILが「国または国に準ずる」団体ではないということになると、交戦しても憲法には違反しないということになります
。何かそれって変だよね?結局、やることは一緒でしょ?ということなんですね。
 これからいろいろと大きな矛盾が出てくるはずです。今までもこういう矛盾はあったのですが、私はそ
れに気づかずにずっと防衛官僚をやってきました。なぜ気づかなかったか。それは、1発も撃っていないから、気づく必要がなかったんですね。
 それは確かにいろいろなごまかし的なガラス細工のような理屈はあった。しかし、それが壊れなかったのは、自衛隊が1発も撃たずにこれまでやってきたからなんですね。今度の安保法制では、撃たなければいけない仕事が出てくるわけです。だから、現憲法との矛盾もはっきり出てくる、そして現場の抱える矛
盾もはっきり出てくるということです。
 私は官邸にいた時、陸上自衛隊のイラク派遣をずっと統括する立場にいました。1人も死なずに帰ってきたことを、私はまず良かったと思っているのですが、なぜ、それで済んだかということを、小泉総理に記者会見で言って頂いたんです。1人の犠牲者も出なかったのはいいことですが、もっと大事なことは、1発も撃っていないことなんだということなんですね。イラクにいた陸上自衛隊の相手は全部イラク人です。何万人もイラク人がいます。そこで1発撃ったなら、何発返ってくるのかということを考えないといけないということですね。それを考えると私は本当につくづく撃たないでくれて本当に良かったと思います。と同時に、政治の雰囲気も、そんなに無理して撃つような状況になっちゃまずいよね、という雰囲気
があったんです。隊員の皆さんも抑制的に頑張ってくれたんですね。
 やはり、自分の属する組織の雰囲気というものが最後に人間の判断を決めちゃうんですね。そうすると、今の政権のような状況でやっていけば、撃たないで帰ったら怒られるんじゃないかという発想になるんだろうなと思います。これはすごくまずいと思うんですね。イラク以上のことをやったら、絶対に戦死者
が出るというのが私の確信です。だから今、声を上げなければいけないと私は思っているんです。
(略)
 もう1つ、自衛官は「事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に務め、もって国民の負託にこたえる」という服務の宣誓をしています。一番最初に何と書いてあるか。ここに私は最近こだわっています。こう書いてあるんですね。「私は、わが国の平和と独立を守る自衛隊の使命を自覚し」と書いてあ
るわけです。
 そして「日本国憲法及び法令を遵守し」と書いてあります。――最近ではブラックジョークのように聞こえてしまいますが――、そのために「事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に務め」とあり、一番大事なことは「もって国民の負託にこたえる」ということなんですね。総理大臣の命令や、総理大臣の意志にこたえるんじゃないんですね。裏から読めば、国民が本当に負託しているのか。それがな
ければ、命をかけるということにはならないんです。逆にそうでないと死ねないんですね。
 私達が自衛隊を活かす会をやらさせて頂いているのは、憲法9条について、この間も国会で、自民党の稲田朋美議員と安倍総理の間で議論があったんです。9条2項で軍隊を持たないと書いてあって、自衛隊の存在を説明しにくいから、それは変えた方がいいのかもしれないというようなことです。私はこれは、
二重の意味でおかしいと思うんです。
 1つは、説明しにくくても、まずそれをきちんと説明するのが現職の総理大臣の責任でしょうというの
が1つ。もう1つは、分かりにくい、国民の理解が得られないから憲法を変えるというのなら、国民が理解出来ない安保法制はどうするの?安保法制も変えるの?という話になるんです。憲法学者の7割が自衛隊に反対している、だから憲法を変えるんだと言っている。そうなると、安保法制は憲法学者の95%が反対している――賛成しているのは3人しかいないわけですから――、そっちをどうするのかという話になります。
 要は今、憲法9条の中身、憲法9条の下でどうして自衛隊がいるのか。それは災害派遣で国民を献身的に助けながら、そして60年間、海外で1発も撃っていない、1人も殺していない、1人も戦死者を出していない、そういう自衛隊の姿を90%の国民が支持している。つまりそれが、生きた憲法9条の内容なんだということなんです。なぜ総理大臣が胸を張ってそう言えないのか――そう考えていないからなんですが――。私達は、そういう自衛隊を国民が支持してきたということを出発点にして、これからも活動していきたいということです。ありがとうございました。

(弁護士・金原徹雄のブログから)
2015年4月15日
「自衛隊を活かす会」5/18「提言」発表記念シンポジウム&6/20関西企画のお知らせ
※この記事の末尾に、これ以前に私がメルマガ(ブログ)で取り上げた「自衛隊を活かす会」関連のほぼ
全記事にリンクしています。
2015年5月19日
「自衛隊を活かす会」による「提言・変貌する安全保障環境における「専守防衛」と自衛隊の役割」(5/18)
2015年6月21日
「自衛隊を活かす会」三題~6/20関西企画、6/19柳澤協二氏講演(神戸)、5/18提言発表記念シンポ
2015年9月8日
「自衛隊を活かす会」シンポジウムから学ぶ「新安保法制にはまだまだ議論すべき点が残っている」

映画『日本と原発 4年後』を和歌山市で上映しました(2016/5/22)

 今晩(2016年5月22日)配信した「メルマガ金原No.2464」を転載します。

映画『日本と原発 4年後』を和歌山市で上映しました(2016/5/22)

 今日(5月22日)、和歌山市あいあいセンター6Fホールにおいて、午前と午後の2回上映を行った映画『日本と原発 4年後』(河合弘之監督)については、私も和歌山上映実行委員会の一員でありながら、予告編しか観たことはなく、前作『日本と原発 私たちは原発で幸福ですか?』のDVDも、実行委員会のメンバーが購入したので借りようかとも思ったのですが、借りても観る時間がなさそうということで未
見でした。
 ということで、いかに河合監督が弁護士としては有能であっても、それと映画を作る能力はまた別物であるという
当然の事理から、一抹の不安を抱えたまま今日を迎えたのですが・・・。
 結果はどうであったかと言えば、内輪誉めとか身内の欲目とか言われることを覚悟で評すれば、「とても良かった」「感銘を受けた」というものでした。
 私は、午前10時からの第1回上映を観たのですが、2時間18分という長さをほとんど感じさせず(かどうかは個人差があったようですが)、新垣隆氏作曲の管弦楽をバックに、日本の全ての原子力発電所の外観の映像が次々と映し出されるラストシークエンスまで、全く退屈することなく映像に見入っていま
した。
 
 ・・・と言っただけでは、未見の人にとっては、どんな映画なのか見当がつかないでしょうね。
 短時間でイメージを掴んでいただくために、第1作『日本と原発 私たちは原発で幸福ですか?』(2014年)と『日本と原発 4年後』(2015年)の2本の予告編をご覧ください。今日上映した『日本と原発 4年後』は、第1作の続編ではなく改訂版であり、第1作で使われた映像の多くが第2作でも使われていることが、予告編を観ただけでもよく分かります(もちろん、同じ素材でも、編集によって使用する部分は変わっていたりするようです)。
 
映画『日本と原発 私たちは原発で幸福ですか?』予告編(2分03秒)

映画『日本と原発 4年後』予告編(1分42秒)


 また、今日の上映会を予告した私のブログに、第1作についてのレビューなど、いくつかの関連情報を掲載しています(
和歌山でも『日本と原発 4年後』(河合弘之監督)を脱原発運動として上映します(5/22@和歌山市あいあいセンター)/2016年3月26日)。

 さて、上映会終了後、事務所に立ち寄って速報的にFacebookに投稿した私の文章を引用しておきます。
「映画を観てくれた方からの反応はすごく良く、アンケート用紙の回収率も非常に高いものでした。正直、映画には素人の弁護士が監督する作品ということで、不安な気持ちもあったのですが、欲目抜きで「非常に優れている」と思いました。もちろん、編集にはしかるべきプロが力量を発揮しているはずですし、脚本を担当した海渡雄一弁護士の構成力も作品の成功を支えた重要な要素でしょう。しかし、この作品によって原発推進論を完璧に粉砕してみせるという河合監督の鉄の意志がなければ、この作品は成り立たなかったことは間違いありません。普通の意味で「良い映画」か?と問われればいささか疑問もありますが、制作意図(河合監督が最大のターゲットとした“観客”は多分裁判官です)は十分に達成されていると
思いました。
 という感想を持つ一方、もっと多くの人に来てもらいたかったなあという思いもあったりはしますが、
まずは、ご来場いただいた方にお礼申し上げます。
 また、実行委員会の皆さん、お疲れ様でした。」
 
 上映会が終わって間のないうちに一気に書いた以上の「感想」に何かを付け加えても蛇足になるだけでしょうから、以下には、アトランダムに(補注)を書き加えるだけにしておきます(と言いつつ、これが長くなるかもしれませんが)。
 
〇「3+1(サンタスイチ)宣言」
 『日本と原発』公式サイトの中の「上映会予定」を閲覧していて、『日本と原発』第1作・第2作の上映スケジュールが掲載されているだけではなく、『フタバから遠く離れて 第二部』(舩橋淳監督)と『小さき声のカノン』(鎌仲ひとみ監督)との「相互連携を開始し、イベントスケジュールをご紹介していま
す。」とあることに今頃気がつきました(前から載っていたはずですが)。
 そして、この3作品というか3監督の「相互連携」プロジェクトのためのホームページ
「3+1(サンタスイチ)」というのがあることに今日初めて気がつきました。
 同ホームページに掲載された「3+1(サンタスイチ)宣言」を引用します。
(引用開始)
311・・・・・・・・・
あの日から長い時間が経ってしまいました。
それなのに、この国は驚くほど何も変わっていない、と思いませんか?
原発、地域格差、米軍基地、貧困、差別など多くの矛盾を抱えたまま、
311以前も、311以後の今も、状況は変わっていないどころか慢性化しつつあります。
わたしたちは、このままやり過ごすしかないのでしょうか。
「被災者を救済したい」
「貧困や差別をなくしたい」
「他国に戦争を仕掛けたり、国同士の対立を生むことはしたくない」
つまり、日本が“ごく普通にモラルのある国”になって欲しい、ということ。
そんな強い思いを共有する、われわれ映画監督3人がタッグを組み、
「3+1(サンタスイチ)」と名付けました。
3人の監督+1。その+1が、あなたであれば嬉しいです。
一人一人の問題意識【+1】を持ち寄り集う広場を作りたい、と思います。
この3監督の映画と一人一人のあなたが加わり続けることで、変わり難いと思えるものも変わっていくはず
です。
さぁ 一緒に始めませんか?
河合弘之「日本と原発」×鎌仲ひとみ「小さき声のカノン」×舩橋淳「フタバから遠く離れて」
(引用終わり)
 
〇河合弘之、鎌仲ひとみ、舩橋淳、3監督が語る「6年目の選択」
 「3+1」プロジェクトの第1回イベントが今年の3月8日、「3.11映画祭」のプレイベントとして開催されました。3監督と下村健一さん(元TBSアナウンサー)とが語り合う「話そう、6年目の選
択」です。
 そのダイジェスト映像(58分)が動画サイトにアップされていました。

〇河合弘之監督が語る『日本と原発』の制作意図
 上記3/8ダイジェスト映像のさらに抜粋が『日本と原発』YouTubeチャンネルにアップされているのです
が、その中から、河合監督が『日本と原発』の制作意図を語った映像(5分34秒)をご紹介します。
 映画に何を求めるかは鑑賞者1人1人によって違うでしょうが、私は、河合監督の目指した目的が高いレベルで達成されていると思い、感心したのです。
 

〇河合弘之著『原発訴訟が社会を変える』
 河合弘之氏が、映画『日本と原発』を補充するものとして刊行した(のだと推測します)著書『原発訴訟が社会を変える』(集英社新書/2015年9月刊)は、映画『日本と原発』を観た人にとってもまだ観ていない人にとっても、非常に興味深く読めます(私は映画を観た直後、第2回上映時にホールのロビーで通読しました)。原発訴訟の内情(の一部)も紹介されており、福井地裁(当時)の樋口英明裁判長の訴訟指揮ぶりなど、私にとっては興味津々でした。


〇次の企画、何をやろうか?
 今回の和歌山上映実行委員会を担ったメンバーの多くは、昨年、東条雅之監督の第1作『祝福(いのり)の海』上映のために結集した人たちであり、その流れで『日本と原発 4年後』の上映会を手掛けたことになります。
 終わったばかりですぐ次の企画という訳にはいかないかもしれませんが、参院選の後にでも(正直みん
なこれで忙しい)、次の企画を具体化できないか、話し合ってもいいですよね。
 実は、今日の上映会にお子さん連れで来てくださった「わかやま避難者のWA」のかわたさんから、「避難者の中で『小さき声のカノン』の上映会を是非やりたい(もしかすると「是非観たい」だったかも)という人がいるんだけれど、これまで和歌山で上映されたことありますか?」と質問されたものの、とっさに適切な回答が出来ず申し訳なかったのですが、その後、何人かの実行委員に尋ねても、和歌山ではや
っていないということのようです。
 ということで、この実行委員会のメンバーで、次の企画として『小さき声のカノン』、考えてみません
か?
映画『小さき声のカノン』予告編(2分00秒)

 
〇ここのところは・・・
 『日本と原発 4年後』の予告編で特にフューチャーされている小泉純一郎元総理大臣のスピーチには「何だか違和感がある」という声がちらほら聞こえてきており、それも分からないではないのですが、河合監督の制作意図からすれば、あのシーンがあってもおかしくはないわけで、まあここは目をつぶりましょう。
 
○関連動画(予告編)
映画『フタバから遠く離れて 第二部』予告編(2分30秒)

映画『祝福いのりの海』予告編(3分53秒)


※映画『日本と原発 4年後』和歌山上映実行委員会メンバーの、全員ではありませんが、今日の2回の上映会終了後、会場に居合わせた者で記念撮影しました。1枚目は私(金原)が撮影し、2枚目は西郷章さんが撮影したものです。
「日本と原発 4年後」記念撮影1「日本と原発 4年後」記念撮影2 

自衛隊海外派兵を食い止めようとした元自民党国会議員がいた~毎日新聞・特集ワイド(5/20)「元自民党タカ派の遺言 安倍首相、覚えてますか?」のご紹介

 今晩(2016年5月21日)配信した「メルマガ金原No.2463」を転載します。

自衛隊海外派兵を食い止めようとした元自民党国会議員がいた~毎日新聞・特集ワイド(5/20)「元自民党タカ派の遺言 安倍首相、覚えてますか?」のご紹介

 ある訴訟の「請求の趣旨」をご紹介します。2004年(平成16年)1月28日に札幌地方裁判所に
提訴された訴訟です。

(引用開始)
 被告は、「イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法」及び「イラク人道復興支援特措法に基づく対応措置に関する基本計画」に基づいて自衛隊員及び装備品をイラク国内並びにその周辺地域及び海域に派遣又は輸送して、同法及び同計画に基づく活動を行なってはならな
い。
 被告は、原告に対して、金1万円及びこれに対する本訴状送達の日の翌日から支払い済みまで年5分の
割合による金員を支払え。
 訴訟費用は被告の負担とする。
との判決並びに第2項につき仮執行宣言を求める。

(引用終わり)

 被告は「国」、原告は「箕輪登(みのわのぼる)」という方でした。
 先月(4月)26日に東京地裁に提起された2件の安保法制違憲訴訟がそうであるように、この種の訴訟で原告が1人ということは(本人訴訟でもない限り)めったにないことで、実際、札幌地裁での自衛隊
イラク派遣差止訴訟も、第2次提訴では32人の方が原告となっています。

 小泉純一郎内閣によって実施された自衛隊イラク派遣に対しては、最終的に全国11箇所の地方裁判所に訴訟が提起され、その内、名古屋訴訟の抗告審(名古屋高裁)が、原告らの請求自体は棄却したものの、航空自衛隊の空輸活動を明確に憲法9条1項に違反するものと断じたことは有名ですが、これらの訴訟
の先陣を切ったのが、原告1人だけで提訴に踏み切った札幌第1次訴訟でした。
 
 実は、私が札幌第1次訴訟の「訴状」「請求の趣旨」を読んでみようと思い立ったのは、昨日(5月20日)の毎日新聞・特集ワイドをインターネットで読んだからなのです。
 
毎日新聞2016年5月20日 東京夕刊
特集ワイド 元自民党タカ派の遺言 安倍首相、覚えてますか?

(抜粋引用開始)
 参院選が近い。大勝して、悲願の改憲に乗り出したい安倍晋三首相は「今の憲法には自衛隊という言葉がない」(3日、改憲派集会へのメッセージ)と9条改正に意欲的だ。1960年代にも同じような主張をした自民党きってのタカ派議員がいた。安倍首相は覚えておられるだろうか。その彼が晩年には「自衛
隊を愛するからこそ9条を守らねば」と訴えたことを--。【吉井理記】
 その人の名は、箕輪登さん。北海道小樽市出身の元衆院議員だ。医師から転じ、67年衆院選で旧北海道1区で初当選。81年の鈴木善幸内閣で郵政相を務めた。防衛政務次官、衆院安保特別委員長も務めた
経験から、一般的には防衛族議員として知られる。
(略)
 横路さん(注:横路孝弘衆院議員)は“政敵”の箕輪さんと議員時代に私的な交流はなく、引退を聞いた後も久しく名前を思い出すこともなかった。だから箕輪さんが2004年1月、小泉純一郎政権が行ったイラクへの自衛隊派遣(03~09年)の差し止めを求め、国を相手に札幌地裁に訴訟を起こした時は驚
いた。
(略)
 箕輪さんが訴訟で訴えたのは、自衛隊のイラク派遣は武力行使を禁じた憲法9条に違反するという内容
だった。
 「札幌の弁護士会が開いている市民向けの相談電話があるんだけど、そこに03年12月、箕輪さん本人が『元国会議員の箕輪ですが』と相談を求める電話をかけてきて。最初は冗談かと思いました。僕も学生時代は箕輪さんを『タカ派で自衛隊寄りの悪いヤツ』だと思っていたんで」。訴訟弁護団の事務局長を
務めた札幌市の弁護士、佐藤博文さん(61)はこう振り返る。
(略)
 「箕輪さんの『自衛隊は専守防衛のための最低限、必要な自衛力で、だからこそ合憲である。日本が侵略されたわけでもないのに、自衛隊を海外派遣するのは専守防衛の枠を逸脱する』という立場は、保守の主張としては新鮮でした。湾岸戦争以来、どんどん海外活動を広げるやり方が我慢できなかったようです
。タカ派と言われていたが、ピシッと筋が通っていました」
 箕輪さんは提訴に先立ち、イラク特別措置法(03年成立)に反対する手紙を自民党の国会議員全員に送っていた。提訴は、反応がない小泉政権への抗議でもある。安倍首相は当時、党幹事長だった。引退した箕輪さんがそこまで海外派遣反対にこだわったのはなぜか。晩年、秘書役を務めた札幌学院大名誉教授
(平和学専攻)の坪井主税(ちから)さん(74)はこう回想する。
 「箕輪さんから、何度も防衛政務次官時代の話を聞きました。立場上、隊員に訓示する機会が多い。彼は『日本に急迫不正な侵害が起きた時は、専守防衛として、みなさんの力で国民の安全と生命を守ってもらいたい。その任務を全うしていただくみなさんに感謝します』と言っていたそうです。海外派遣を認めたら、専守防衛ではないのに必ず犠牲者が出る。それは自分が頭を下げて任務の全うを頼んだ自衛隊員へ
の裏切りだ。そう考えていたんです」
(略)
 亡くなる3カ月前の06年2月、札幌地裁の口頭弁論で箕輪さんは、専守防衛を前提にした自衛隊合憲
論を持論とするようになった経緯について、次のように証言した。
 「自衛隊が違憲なら、自衛隊法を作った自民党、いや、むしろ議員をやめようと。それで当時の佐藤栄作首相に相談したら『違う。自衛隊は専守防衛、攻められた時に独立を助けるためのものだから違憲じゃないんだ。もっと自衛隊法を勉強しろ。参議院では自衛隊の海外派遣を禁じる決議もした』と諭され、自
衛隊や法律を学び始めたんです」
 箕輪さんが議員になる前に秘書として仕えた佐藤栄作は、安倍首相の大叔父。箕輪さんが「勉強しろ」と叱られたのは、54年の参院決議だ。この決議は今も有効だが、法的拘束力はない。決議の年に生まれ
た安倍首相が安保法を成立させたことで、ますます有名無実のお題目になった。
(略)
 小池さん(注:現新潟県加茂市長、元防衛研究所長、教育訓練局長)も箕輪さんも戦争を知る世代。小池さんの叔父はフィリピンで戦死し、妻の父親は沖縄で戦死した。箕輪さんも軍医として陸軍に従軍した。箕輪さんが引退直後の90年に出した自伝「腰を据え脊筋伸ばして」(非売品)には、戦争体験のほか、全盲でマッサージ師だった父と暮らした少年時代、近所で垣間見た朝鮮人差別への怒りなどがつづられ
ている。
 小池さんが嘆息する。「箕輪さんの根底にはそういうヒューマニズムがあるんです。だから自衛隊員は国の宝で、何があっても彼らを死なせてはいかん、と。本来の任務ではない集団的自衛権行使や海外派遣でなら、なおさらです。『一将功成って万骨枯る』と言いますね。箕輪さんは枯れる『万骨』に思いを寄せた。最近の政治家は『一将』ばかりです。憲法解釈を変え、自衛隊を海外に出して功を成したい、と…
…」
 専守防衛を前提にした自衛隊合憲論を唱えた箕輪さんが、改憲を諦めたのはなぜか。坪井さんは、箕輪さんの胸の内を解説する。「9条改正で自衛隊を明記すれば、もう普通の軍隊です。イラク派遣のやり方を見ていて、今後、米国から集団的自衛権行使を求められれば日本は断れないだろう。それは自衛隊員と
の『約束』に背くことになる。そこに気づいたんでしょう」
(略)
 06年5月、箕輪さんの葬儀で、参列者に配られた礼状を佐藤さんに見せてもらった。亡くなる3カ月
前のイラク訴訟に出廷した最後の法廷で述べた言葉が刷られていた。
 <何とかこの日本がいつまでも平和であって欲しい 平和的生存権を負った日本の年寄り一人がやがて死んでいくでしょう やがては死んでいくが死んでもやっぱり日本の国がどうか平和で働き者の国民で幸
せに暮らして欲しいなと それだけが本当に私の願いでした みのわ登>
(引用終わり)

 本当は全文引用したいのですが、インターネットでの視聴回数が1ヶ月5ページ以内に制限された記事
なので、さすがに遠慮しました。
 是非、皆さん、リンク先で全文読んでいただければと思います。
 毎日新聞の特集ワイドには良い記事が多いのですが、その中でも今回の箕輪登さんを取り上げた吉井理
記記者による記事は素晴らしいと思いました。
 物故者をテーマとするのだから当然ご本人から話を聞く訳にはいかないのですが、箕輪さんの周辺取材もしっかり行い(ご家族が登場しないのは少し残念ですが)、箕輪さんの憲法9条をめぐる発言の変遷も押さえながら、晩年に1人で国を相手とする訴訟に踏み切った1人の元国会議員の内面に鋭く迫っていま
す。しかも、箕輪さんに対する深い敬意を抱きながら。
 
 なお、上記の記事の中で言及されている「54年の参院決議」というのは、以下のようなごく短いものです。

第19回国会 昭和29年6月2日 
参議院本会議 
自衛隊の海外出動を為さざることに関する決議

(引用開始)
 本院は、自衛隊の創設に際し、現行憲法の条章と、わが国民の熾烈なる平和愛好精神に照し、海外出動
はこれを行わないことを、茲に更めて確認する。
 右決議する。
(引用終わり)

 参議院は、いまだにこの昭和29年決議を撤回するという趣旨の決議をしたことはありません。吉井記者が「この決議は今も有効だが」と書いているのはそういうことでしょうが、どう考えてもその決議の趣旨と矛盾する法律案を可決することにより、参議院自身が決議を「有名無実化」しているということにな
ります。

 なお、この「自衛隊の海外出動を為さざることに関する決議」といわゆる安全保障関連法との関係については、民進党の小西洋之参議院議員が詳しく論じていますので、参照をお勧めします。

 最後に、裁判所の判例検索システムから、イラク派兵差止訴訟についての判決を2つご紹介しておきま
す。
 1つは、箕輪登さんらの訴えを全面的に斥けた札幌地裁判決、もう1つは、航空自衛隊の空輸活動を憲法9条1項に違反するとした名古屋高裁判決です。
 

 4月26日に東京高裁に提訴された2つの安保法制違憲訴訟の原告となった合計509名の方々、そして今後も全国の裁判所に次々と提訴されるであろう違憲訴訟の原告となるはずの多くの方々の先頭を切って自衛隊の海外派兵を食い止めようとしたのが、長年、自民党の国会議員を務めた箕輪登さんという方であったということを、あらためて国民に広く知ってもらいたいというのが、今日ご紹介した毎日新聞・特
集ワイドの記事に込められた願いだと私は読み取りました。
 タイトルは、「安倍首相、覚えてますか?」となっていますが、首相が箕輪登氏の思いを真摯に受け止める可能性などゼロであることは、執筆者も編集デスクも百も承知のはずですから、この記事のタイトルに込められた真の思いは、「元自民党タカ派の遺言 国民の皆さん、是非知ってください!」のはずです

 是非、多くの人に読むことを奨めて欲しいと思い、ご紹介しました。

(参考書籍)
憲法9条と専守防衛(教科書に書かれなかった戦争シリーズ) 』(梨の木舎)

『我、自衛隊を愛す 故に、憲法9条を守る―防衛省元幹部3人の志』(かもがわ出版)

(付録)
『理想と現実』 作詞:中川五郎 作曲:PANTA
演奏:PANTA&中川五郎with制服向上委員会feat.橋本美香
 

アンコール放送『音で描く賢治の宇宙~冨田勲×初音ミク 異次元コラボ~』(5/29ETV特集)のご紹介

 今晩(2016年5月20日)配信した「メルマガ金原No.2462」を転載します。

アンコール放送『音で描く賢治の宇宙~冨田勲×初音ミク 異次元コラボ~』(5/29ETV特集)のご紹介

 昨日、久々の大作(?)「「内閣総理大臣である私は立法府の長?」~会議録と動画で振り返る安倍晋三首相の【4事例】」を書き上げた疲れが残っており、今日は、もっと短時間で書ける、できれば「さわやかな」題材はないかと探したところ、興味深い番組が、ETV特集でアンコール放送されるとい
う告知を見つけました。
 
NHK・Eテレ ETV特集
2016年5月29日(日)午前0時50分~午前1時50分
「音で描く賢治の宇宙~冨田勲×初音ミク 異次元コラボ~」
アンコール放送告知
「アンコール放送。先日亡くなった作曲家・冨田勲さんが、4年前の秋、宮沢賢治をテーマにした「イーハ
トーヴ交響曲」を発表。賢治作品がもつ独特の世界を表現するため、ソリストに起用したのは、今大人気の歌うCGキャラクター“初音ミク”。ミクとオーケストラが初共演する舞台に、大きな壁が立ちはだかる。一体どんなコンサートになるのか、その舞台裏に密着。少年時代の夢を形にしたという交響曲。そこに込められた思いに迫る。」
2013年2月3日初回放送番組告知
「日本を代表する作曲家の一人、冨田勲さん(80歳)。自身の集大成となる「交響曲」を作曲しました。その名も「イーハトーヴ交響曲」。テーマは、冨田さんが長年描きたいと思い続けてきた、作家・宮沢賢治の世界です。賢治の4次元的・宇宙的な世界観を、どうやって音楽で表すか。悩んだ末、冨田さんが思いついたのは、なんとインターネットの動画サイトで大人気のバーチャル・シンガー“初音ミク”の起用。こうしてオーケストラと初音ミク、200人の合唱が奏でる、前代未聞の壮大な交響曲が生まれることに。その5か月に及ぶ制作過程に密着。なぜ宮沢賢治の世界に初音ミクなのか。そして、交響曲誕生の裏に秘められた、賢治の「雨ニモマケズ」をめぐる10年越しの約束とは。みずからも少年時代に大地震に被災したという冨田さんが交響曲に託した、東北の被災者への思いとは。人生の集大成だ、という「イ
ーハトーヴ交響曲」に込められた冨田さんの思いに迫ります。」

 今年の5月5日に84歳で亡くなられた冨田勲さんは、日本で長年暮らしながら、その音楽を1度も聴いたことのない人って、少なくとも大人である限り、ほとんどいないのではないかというほど、多彩なジ
ャンルに多くの名曲を残された作曲家でした。
 RCAと契約して次々と世に送り出し、「シンセサイザーの冨田」の名を世界に知らしめたアルバム(もちろんLPレコードです)の数々は、私も何枚か購入し、今でも探せば自宅のどこかにあるはずです。『月の光』、『惑星』、『宇宙幻想』などを買ったのは確実で、『展覧会の絵』は、何度も聴いたことがあるのは間違いないものの、LPを買ったのか、カセットテープを買ったのか(そういうメディアも売っ
ていたのです)、FM放送をエアチェックしたのか、記憶が定かではありません。
 けれども、私が冨田勲さんと聞いてまずまっさきに思い出すのは、手塚治虫さんのアニメーション『ジ
ャングル大帝』のあの雄大なテーマ曲なのです。
 実はこのテーマ曲についての興味深いエピソードがWikipediaで紹介されていました(「ジャングル大帝」の項)。
 
(引用開始) 
 冨田勲の回想によれば、虫プロダクション製作のテレビ漫画「ジャングル大帝」の作曲担当として直接手塚本人から依頼があり冨田はこれを受けたが、その楽曲打ち合わせの際、スタジオの一角にあった古いピアノで、チャイコフスキーの交響曲を手塚自らが弾いてみせ、自分の要望する雄大なクラシック音楽のイメージを伝えようとしたという。しかし出来上がってきた旋律の冒頭、1オクターブ+1度の跳躍について手塚は、「こんな跳躍はあり得ない」と難色を示して書き直し指示したが、冨田はこれをのらりくらりとかわして時間を稼ぎ、結局「これ以上のものは思いつかない」と、そのまま本放送に持ち込んだという。放送が始まり、主題曲は大好評を得たが、手塚は終生、冨田に対して「やはり(あの主題歌は)よかった
。私が間違っていた」とは語らなかったという。
(引用終わり)

 さて、ETV特集でアンコール放送される番組は、冨田勲さんの晩年の大作『イーハトーヴ交響曲』
の「5か月に及ぶ制作過程に密着」した番組ということで、楽しみに視聴したいと思います。
イーハトーヴ交響曲
冨田勲
日本コロムビア
2013-01-23


 なお、同交響曲の概要、楽章構成、引用曲、想定あるいは引用されている賢治作品、演奏記録などは、Wikipediaの「イーハトーヴ交響曲」の項に要領よくまとめられています。

「内閣総理大臣である私は立法府の長?」~会議録と動画で振り返る安倍晋三首相の【4事例】

 今晩(2016年5月19日)配信した「メルマガ金原No.2461」を転載します。

「内閣総理大臣である私は立法府の長?」~会議録と動画で振り返る安倍晋三首相の【4事例】

 インターネットの世界では喧(かまびす)しいことになっているものの、ネットと無縁の生活を送っている人にとっては、その事実自体知られていないと思われる今週(5月16日)の安倍晋三内閣総理大臣による「私は立法府の長」発言ですが、私があらためてこの発言を取り上げた方が良いと考えたのは、昨日、朝日新聞デジタルの以下の記事を読んだからです。
 
朝日新聞デジタル 2016年5月18日20時23分
安倍首相「私は立法府の長」 衆院予算委、混同し発言か

(引用開始)
 安倍晋三首相が16日の衆院予算委員会で、民進党の山尾志桜里政調会長を「勉強不足」と指摘しながら、行政府の長である自身を「立法府の長」と混同して発言した。翌17日の参院予算委でも「立法府の
私」と発言、混同が続いている。
 16日の発言は、民進党が提出した保育士給与を引き上げる法案が審議入りしないことについて、山尾
氏が「委員会が決めることと言って逃げている」と首相を批判したことに対する答弁。
 首相は「議会の運営について少し勉強して頂いた方がいい。議会については、私は『立法府の長』。立
法府と行政府は別の権威。(国会での)議論の順番について私がどうこう言うことはない」と反論した。
 参院予算委では、民進の福山哲郎氏が安全保障法制採決の議事録について質問した際、首相は「立法府
の私がお答えのしようがない」と答弁した。
(引用終わり)

 私が注目したのは、既にお分かりかと思いますが、衆議院予算委員会で山尾志桜里議員の質問に対する答弁で「私は立法府の長」発言をした、そのよりにもよって翌日、参議院予算委員会において、同じ民進
党の福山哲郎議員に対し、再び「立法府の私」という発言をしたという部分です。
 いずれも「言い間違い」には違いないでしょうが、これは誰しもありがちな「言い間違い」とは明らか
に性質を異にする問題点を含んでいるという印象を受けました。
 そういう関心に導かれてネット検索を試みたところ、簡単に同種事例があと2つ見つかりました。2007年5月11日開催の参議院・日本国憲法に関する調査特別委員会と、2016年4月18日開催の衆議院・環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会での行政府の長・安倍晋三氏による答弁です

 やはり、これはただごとではありませんでした。
 まずは、裏付けとなる「会議録」及びインターネット審議中継の動画(及び該当箇所の文字起こし)をご紹介します。

 なお、5月17日に福山哲郎参議院議員が追及した昨年9月17日の参議院「我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会」会議録「ねつ造疑惑」問題ほどではないかもしれませんが、会議録の記載が実際の発言と同じとはうかつに即断できないという実例を1つご紹介することになります。

【内閣総理大臣は立法府の長?/事例1】
第166回国会 参議院 日本国憲法に関する調査特別委員会 第12号
平成十九年五月十一日(金曜日)午後零時五十五分開会

(抜粋引用開始)
○簗瀬進君(民主党) 国民とともに議論をすると、そういう総理にお言葉がございました。私は、まあ
私がどう評価しようと、それは国民がよく分かっていると思うんですよ。
 何しろ今日、先ほどの理事会で、残念ながら私たちは本日審議を終局するということで合意をせざるを得ませんでした。この週後半はずっと私たちが何を求めたかといえば、正に国民とともに議論をする、それが制度的にしっかりと表れたものとして何があるかといえば、これは公聴会じゃないですか。地方公聴会は六回やりました。しかし、前日連絡をして翌日公述人を選ぶような、そういう地方公聴会と、官報に掲載をして五日間国民の皆さんに対してしっかりと議論をする、意見を述べる、そういう機会を保障する中央公聴会とは、委員派遣の実質の地方公聴会は全く違うんです。その中央公聴会を私たち何度も求めま
したけれども、結局自民党、公明党はそれを受けてくれませんでした。
 正にそれは総理が、総裁として、自民党の総裁として国民とともに議論をするとおっしゃったその言葉
と全く矛盾する対応を現場がしている。これどう思うんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは、正に参議院のこの委員会の運営は委員会にお任せをいたしておりますから、私が立法府の長として何か物を申し上げるのは、むしろそれは介入になるのではないかと、
このように思います。
○簗瀬進君 先ほど憲法尊重擁護義務の話がございましたけれども、総理大臣として現在の憲法を尊重し擁護をすると、これは憲法にちゃんと明記されている。しかも、三権分立というものがあります。国権の最高機関として定められているのは国会である。そして、その国権の最高機関と分立する形で立法府のほかに内閣があり司法があって三権が成り立っているんです。あなたはそういう意味では行政府の長であり
ます。
 正にそういう意味では、行政府の長として、内閣の例えば審議の在り方に対する外部的な様々な注文というのは絶対にこれ抑制すべきじゃないですか。正に、審議促進を様々にさせるような、そういう圧力を国会やら自民党に対して掛けてくるということは、これは絶対に避けるべきじゃないですか。それを延々とおやりになって今日まで来ているんじゃないんですか。正にそういう意味では、総理のこの国会に対する様々な総理としての圧力というようなものは行政府の立法府に対する容喙であり、立憲主義に違反する憲法違反の態度だと私は思いますが、いかがですか。
(引用終わり)
 
【内閣総理大臣は立法府の長?/事例2】
第190回国会 衆議院 環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会 第6号
平成二十八年四月十八日(月曜日)午前八時五十六分開議

(抜粋引用開始)
○下地幹郎委員(おおさか維新の会)(略)
それで、総理に三つお聞きしたいんです。
 今、安定をつくるという意味では、一点、消費税は来年上げるのをやめる。これも、今こういうふうな状況の中では、私は、経済界においてもどこにおいても、このことがしっかりと災害に対する対策をして
いけるというようなメッセージになるんじゃないかというのが一点ある。
 二つ目は、今、ダブル選挙をやるとかやらないとかという話がありますけれども、そういうことについても、安易に政治の混乱とか戦いみたいなものがあるようなことをしないということが二点目に私は必要
ではないかなというふうに思っているんです。
 三点目には、やはり国会の姿勢を見せる。三・一一のときには私たちは歳費の削減をしました。これは五十万近くの歳費の削減をしましたけれども、こういうふうな、国会も削減してこの熊本と大分の災害に
予算を回すんだというようなことをやる。
 この三つをやられることが大事じゃないかなというのが私の考えなので、これにお答えいただきたいと
いうのがあります。
 それともう一つ、朝の論議の中でも松本副大臣を行かせたとかと言っていますけれども、僕は、議院内閣制だから、与党の、阪神大震災も経験した、三・一一も経験した、そういう人たちがやはり行って、総理に答えを提案していくというのが一番いいんじゃないかと思うんですよね。やはりもっと党を活用するというようなことが、私は、内閣でだけでやるんじゃなくて、党を活用してやるというのも大事じゃない
かなというふうに思うんです。
 やはり経験が必要なんです。阪神も経験してきた、三・一一も経験してきた、そういう両方を見てきた
人が行って、総理にタイムリーに答えを出していくというようなことも大事だと思いますけれども、この
四つについて総理のお考えを聞かせていただきたいと思います。
○安倍晋三内閣総理大臣 まず、消費税につきましては、今までも申し上げているように、リーマン・ショック級あるいは大震災級の事態にならない限り消費税は予定どおり引き上げていく、この基本的な考え
方に変わりはないわけであります。
 そしてまた、歳費についてお話が、これは議員歳費ということですね。(下地委員「そうです、議員歳
費です」と呼ぶ)議員歳費につきましては、これはまさに国会議員のいわば権利にかかわる話でございま
すから、行政府の長である私はそれについてコメントすることは差し控えさせていただきたい。
 行政府の歳費の削減でございますが、内閣においては、既に大臣は二割、私は三割削減をしておりまして、例えば私の場合、これ以上切っていきますと議員歳費にかかわってまいります。他方、これは公職選挙法とのかかわりもございますので、そこまで今来ているということは御理解をいただきたい、このよう
に思います。
 また、救国内閣についてでございますが、まさにこれは、この災害を乗り切っていく上において、さまざまな場面においてぜひ御協力をいただきたいと考えておりますが、新たにそのために内閣を改造したり
、あるいは連立を組み直しているいとまはない、このように考えております。
 また、党については、いわば、さまざまな経験を積んだ方々が現地に行って、そしてそうした観点から情報を上げていただくことは有益だろうと思いますが、今直ちには、余震も続いておりますし、まだ救命
活動も続いておりますので、現場側の受け入れ体制ということも勘案しながら御勘案をいただきたい、このようには思いますが、いずれにいたしましても、そうした知見をぜひ我々といたしましても生かさせて
いただきたいとは考えておるところでございます。
(引用終わり)
※(金原注)
 上記安倍首相の答弁のうち、会議録に「議員歳費につきましては、これはまさに国会議員のいわば権利にかかわる話でございますから、行政府の長である私はそれについてコメントすることは差し控えさせていただきたい。行政府の歳費の削減でございますが・・・」と記載されている部分の実際の発言を、衆議
院インターネット審議中継から文字起こししてみます。
衆議院インターネット審議中継

9分14秒~
安倍晋三内閣総理大臣 
・・・議員歳費につきましては、これはまさに、これはまあ、国会、国会議員の、これはいわば権利につく話、関わる話でございますから、まあ、立法府の長である私がですね、それについてコメントすることは差し控えさせていただきたい。是非・・・(議場がざわめき、「行政府、行政府」と注意する者あり)あっ、行政府だ、失礼、ちょっと。あの、行政府の歳費の削減でございますが・・・
 
【内閣総理大臣は立法府の長?/事例3】
第190回国会 衆議院 予算委員会
平成二十八年五月十六日(月曜日)午前八時五十九分開議 会議録未搭載
衆議院インターネット審議中継

8分52秒~
山尾志桜里委員(民進党・無所属クラブ)
「・・・この社会が求めている待機児童問題、保育士さんの給料をどうするのかという問題、議論をこの
国会で、しっかり与野党前向きにできるんですよ。この場で是非、「一歩でも前に進めよう」「対案を議
論すべきだ」とおっしゃることできないんですか。」
安倍晋三内閣総理大臣
「ええ、山尾委員はですね、議会の運営ということについて、少し勉強していただいた方がいいと思いま
す。議会についてはですね、私は立法府、立法府の長であります。国会は、国権の最高機関として、その誇りをもってですね、いわば立法府とは、行政府とはですね、別の権威として、どのように審議をしていくかということについては、各党、各会派において、議論をしているわけでございます。」
 
【内閣総理大臣は立法府の長?/事例4】
第190回国会 参議院 予算委員会
平成二十八年五月十七日(火曜日) 会議録未搭載
参議院インターネット審議中継(5月17日→予算委員会→福山哲郎)
35分43秒
福山哲郎委員(民進党・新緑風会)
「事務総長にお伺いします。この議事録が10月に掲載された時に、特別委員会の委員長ならびに委員は
、理事は存在しましたか。」
中村剛参議院事務総長
「昨年の通常国会は9月27日に閉会してございますので、当日、9月17日の会議録が出た時点では、
特別委員会は存在しておりません。」
福山哲郎委員
「総理は国会の判断だと言われましたが、国会の委員長も理事も存在してないんですよ。じゃあ、誰が判
断してるんですかね、これ。誰が判断してるんですかね。総理、どうお考えですか。」
安倍晋三内閣総理大臣
「議院の事務局がお答えしていることについて、私は、立法府の私としてはお答えのしようがないわけであります。」

 ネットリテラシーの基本は、何よりも「裏をとる」ことにありますから、ここにたどり着くまでに相当
手間暇がかかったのは仕方がありません。辛抱強くお付き合いくださった方にお礼申し上げます。
 そして、ここまで裏をとれば、あとは個々人がこの事象をどのように解釈するのも自由でしょう。ことは、日本の「行政府の長」の資質にかかわる問題なので、全ての国民が関心を持つのが当然であり、自由な議論が最大限に保障されねばなりません。

 以上に紹介した4事例は、野党議員からの批判的な質問に対する答弁が3事例、友好的な「ゆ党」議員からの質問に対する答弁が1事例ですが、いずれも、首相の立場に立てば、「(質問された事項は)国会が自ら判断すべきことがらであって、内閣総理大臣が答えるべき筋合いの問題ではない」と答弁すればよいことで、何も「立法府」「行政府」の区別を一々説明するまでもないはずであるのに、まるで強迫観念にとらわれたものの如く、その説明を付け加えようとして、「行政府」と言うべきところを「立法府」と言い間違えているのです。

 それから、この4事例に共通して見られるもう1つの特徴にお気づきでしょうか?
2007年5月11日 「私が立法府の長」
2016年4月18日 「立法府の長である私」
2016年5月16日 「私は、立法府、立法府の長」
2016年5月17日 「立法府の私」
 そう、いずれの事例においても、「私」との関わりで「立法府」という言葉が使われており、「私」とは離れた位置から「立法府」を客観視する視点がどうやら安倍氏には存在しないようなのです。

 そして、今年の3事例について言えば、4月18日から5月17日まで、わずか1か月の間に3回も同
じ「言い間違い」を犯しています。
 「言い間違い」は誰にでもあることと言って済ますには、あまりにも一定の方向に傾斜した指向性がある
ように思われます。
 しかも、この事象は昨日今日に始まったことではなく、2007年の第1次政権の際に既に出現してい
たのですから、何らかの痼疾を疑うことが可能かもしれませんが、専門的素養を欠く私が適当な当て推量
を述べることは控えたいと思います。
 専門家によるしっかりした根拠に基づく的確な判定を期待したいところです。

 結局、私の能力では、現段階で結論めいたことを書くことは無理だということを確認しただけに終わっ
てしまいましたが、それでも、やはりこういう人物が内閣総理大臣の地位にあって良いはずはないと思い
ます。
 大手メディアがほとんど「私は立法府の長」発言を取り上げようとしない中、極力、客観的な裏付けをとった上でこの事実を広めることが重要だと考え、今日はこの記事を書いてみました。

 ところで、5月16日と17日の会議録はまだ確定していないようですが、一体どのような記述になる
のか、注目したいと思います。
 4月18日は、その場で注意されて「言い間違い」に気がついた安倍首相が(ごにょごにょとではあり
ますが)一応言い直しましたので、会議録は、言い間違い訂正後のすっきりと整理された表現になっていますが、5月16日・17日の両日とも、誰もその場で間違いを指摘する親切心の持ち合わせがなかったため、首相は言い直しの機会を持てませんでしたから、2007年5月11日の時のように、言い間違えた内容がそのまま会議録に掲載されるのでしょう、当然。
 もしもこれが勝手に「立法府」→「行政府」に書き換えられていたら、民進党は絶対に黙っていてはいけないですよね、福山さん。
 
(参考)
第189国会 参議院 我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会
平成二十七年九月十七日

同会議録第21号(PDFファイル)
同選択閲覧
(抜粋引用開始)
○委員長(鴻池祥肇君)……(発言する者多く、議場騒然、聴取不能)
 〔委員長退席〕
  午後四時三十六分
     ────・────
本日の本委員会における委員長(鴻池祥肇君)復席の後の議事経過は、次のとおりである。
速記を開始し、
○我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律案(閣法第
七二号)
○国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律
案(閣法第七三号)
○武力攻撃危機事態に対処するための自衛隊法等の一部を改正する法律案(参第一六号)
○在外邦人の警護等を実施するための自衛隊法の一部を改正する法律案(参第一七号)
○合衆国軍隊に対する物品又は役務の提供の拡充等のための自衛隊法の一部を改正する法律案(参第一八
号)
○国外犯の処罰規定を整備するための自衛隊法の一部を改正する法律案(参第一九号)
○国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する人道復興支援活動等に関する法律案(参第二〇号)
○国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律の一部を改正する法律案(参第二三号)
○周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律及び周辺事態に際して実施
する船舶検査活動に関する法律の一部を改正する法律案(参第二四号)
右九案を議題とし、
○我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律案(閣法第
七二号)
○国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律
案(閣法第七三号)
右両案の質疑を終局した後、いずれも可決すべきものと決定した。
なお、両案について附帯決議を行った。
     ─────・─────
(引用終わり)
 

(付録)
『ライセンス・トゥ・キル(の替歌)』 原曲:
ボブ・ディラン 日本語詞・演奏:中川五郎
 

ゆら登信(たかのぶ)さんが野党3党の推薦を得て事務所開きを行いました@和歌山

 今晩(2016年5月18日)配信した「メルマガ金原No.2460」を転載します。

ゆら登信(たかのぶ)さんが野党3党の推薦を得て事務所開きを行いました@和歌山

 市民連合わかやま(安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合わかやま)の広報係といっていいのかどうか、何となくそういう役回りになっている私としては、今日5月18日は1つの節目の日として、皆さんにご報告すべきことがいくつかあります。
 去る5月6日に市民連合わかやまは、弁護士のゆら登信(たかのぶ)さんとの間で政策協定を締結し、7月の参院選和歌山県選挙区に同氏を擁立し、全力で支援することになったということは、既に本メルマガ(ブログ)でご紹介してきたとおりです。
 

 そして、本日(5月18日)、大きな動きが2つありました。いずれも、私が報道機関プレスリリースを送っていますので、それを引用してご紹介に代えたいと思います。
 まず、本日午後1時から和歌山県庁内の県政記者室で行った、ゆら氏に対する政党推薦を報告するための記者会見です。
 
(プレスリリースから引用開始)
 私たち「市民連合わかやま」(安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合わかやま)は、去る5月6日、弁護士のゆら登信(たかのぶ)氏との間で政策協定を結び、来るべき参院選和歌山県選挙区において与党候補に対抗できる統一候補として同氏を推薦し、全力で支援することを決定しました。
 また、かねてより同氏への推薦を要請していた県内各野党の内、このたび、日本共産党和歌山県委員会及び社会民主党和歌山県連合とゆら登信氏及び当市民連合わかやまとの間において政策協定を締結し、ゆら氏をご推薦いただける運びとなりました。
 つきましては、下記日程にて、両党から推薦を得たことをお知らせするための記者会見を開催することとなりましたので、ご案内致します。
                  記
日時 2016年5月18日(水)午後1時00分~
場所 和歌山県庁内県政記者室
出席者 ゆら登信弁護士、豊田泰史市民連合わかやま代表、日本共産党和歌山県委員会、社会民主党和歌山県連合
備考 県政記者室加盟社以外のメディアによる取材の可否は、県政記者室まで直接お問い合わせください。
(引用終わり)

 私は、仕事のために記者会見に同席することはできませんでしたが、その席で配布された「政策協定書」の写しは入手しましたので、その全文を以下に引用します。
 内容は、去る5月6日の市民連合わかやまとゆら氏との協定書と同一です。

(引用開始)
                 
政  策  協  定  書
 2016年7月予定の参議院選挙和歌山選挙区において、安保法制の廃止と立憲主義の回復、戦争する国づくりをすすめる安倍政権の暴走を阻止するため、下記の基本政策で合意し、勝利するために全力をあげます。
                          記
       1 憲法違反の安保関連法(戦争法)の廃止
       2 集団的自衛権行使容認の閣議決定の撤回
       3 日本の政治に立憲主義と民主主義を取り戻す
                                    2016年5月16日
  参議院和歌山選挙区立候補予定者
         由 良 登 信
  安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合わかやま
    代表  豊 田 泰 史
  社会民主党和歌山県連合
    代表  野見山   海
  日本共産党和歌山県委員会
    委員長 下 門   力
(引用終わり)

 記者会見の模様は、和歌山放送ニュースが報道しています。
 
和歌山放送ニュース 2016年05月18日 18時16分 
市民連合の由良登信氏を共産・社民・生活が推薦

(引用開始)
 この夏の参議院選挙・和歌山県選挙区で、市民団体「市民連合わかやま」から、野党統一候補として擁立する新人で弁護士の由良登信(ゆら・たかのぶ)氏について、きょう(18日)までに共産・社民・生活の野党3党が推薦することを決めました。
 共産党県委員会と社民党県連、それに市民連合わかやまは、おととい(16日)安保関連法案の廃止と、集団的自衛権行使を容認する閣議決定の撤回、立憲主義と民主主義を取り戻すことの3点を柱とする政策協定を由良氏と結び、推薦することになりました。
 また、市民連合わかやまが今月(5月)6日に推薦を依頼していた「生活の党と山本太郎となかまたち」も、きょう党本部から「推薦状を送った」と連絡があり、これで、民進党を除く野党3党が統一候補として推薦することになりました。
 由良氏と市民連合わかやまの豊田泰史(とよだ・やすふみ)代表、共産党県委員会の下角力(しもかど・つとむ)委員長の3人は、きょう午後、和歌山県庁で記者会見し、豊田代表と下角委員長は「暴走を続ける安倍政権に歯止めを掛けるべく、政策協定を結び、由良氏を統一候補として擁立出来ることを大変喜んでいる」と述べ、推薦に消極的な姿勢を示す民進党に対しては「選挙区候補を転戦させたことで協力を得られたと考えているが、引き続き、県連の岸本周平(きしもと・しゅうへい)代表に働きかけていく」と話しました。
 この夏の参議院選挙の和歌山県選挙区には由良氏のほかに、自民党の現職・鶴保庸介(つるほ・ようすけ)氏と、幸福実現党の新人で党県本部副代表の西本篤(にしもと・あつし)氏が立候補を表明しています。
(引用終わり)
 
 午後1時からの記者会見から少し経った夕刻6時から、南海和歌山市駅前の一角で、ゆら登信(たかのぶ)さんの「事務所開き」が行われました。
 これについても、私が報道機関に送ったプレスリリースを引用します。

(プレスリリースから引用開始)
 私たち「市民連合わかやま」(安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合わかやま)は、来るべき参院選和歌山県選挙区に、与党候補に対抗できる統一候補を擁立すべく努力を重ねた結果、去る5月6日、弁護士のゆら登信(たかのぶ)氏との間において、①憲法違反の安保関連法の廃止、②集団的自衛権行使容認の閣議決定の撤回、③日本の政治に立憲主義と民主主義を取り戻すことを内容とする政策協定を締結することができました。
 そして、ゆら登信(たかのぶ)氏の信念や政策を県民に広く知っていただくための活動拠点となる事務所を南海和歌山市駅前に開設し、下記日程にて、事務所開きを行いますのでご案内申し上げます。
                  記
日時 2016年5月18日(水)午後6時00分~
場所 和歌山市杉の馬場2丁目81 厚仁ビル1階(〒640-8212)
     TEL:073-428-7300 FAX:073-428-7301
出席者 ゆら登信弁護士、豊田泰史市民連合わかやま代表ほか
備考 事務所が大変手狭なためご迷惑をおかけすることがあるかと存じますが、何卒ご容赦ください。
(引用終わり)
 
CIMG5956 リリースにも書いたとおり、南海和歌山市駅のすぐ前の角地に立つビルの1階で、場所的には非常に分かりやすく、立地条件は良好である代わり、狭いことは否めません。市民からのカンパによって運営せざるを得ないのだから、贅沢は言っていられませんしね。

 6時から始まった「事務所開き」は、芝野友樹弁護士の司会のもと、スムースかつ和やかな、ゆらさんの人柄にふさわしい雰囲気で進行し、約30分でとどこおりなく終了しました。
 式次第代わりに、発言された方のお名前をご紹介します。

司会 芝野友樹さん(弁護士)
挨拶 豊田泰史さん(市民連合わかやま代表、弁護士)
※以上のお2人の写真は、私のFacebookアルバム「ゆら登信(たかのぶ)さん『事務所開き』1」をご覧ください。
 
応援スピーチ
 坂口多美子さん(日本共産党和歌山県委員会)
 東山昭久さん(社会民主党和歌山県連合)
 多田さん(安保関連法に反対するママの会@わかやま)
応援メッセージ朗読
 花田惠子さん(9条ネットわかやま共同代表)
が、小沢一郎さん(生活の党と山本太郎となかまたち代表)と島久美子さん(6年前の参院選和歌山県選挙区に民主党公認で出馬して自民党現職と闘い惜敗)から寄せられたメッセージを紹介してくださいました。
※以上の皆さんの写真は、私のFacebookアルバム「ゆら登信(たかのぶ)さん『事務所開き』2」をご覧ください。
 それにしても、この中に坂田隆徳さん(民進党/参院選和歌山県選挙区への出馬を取り下げ衆院和歌山2区候補に転身することを表明)の姿がなかったのはまことに残念と言うしかありません。
 
ゆら登信(たかのぶ)さん
※ゆらさんのスピーチする姿、応援スピーチをしてくださった方々との手を繋いでの記念撮影、「頑張ろう」に唱和する参加者などの写真は、私のFacebookアルバム「ゆら登信(たかのぶ)さん『事務所開き』3」をご覧ください。

 最後に、今日の事務所開きのために、生活の党と山本太郎となかまたち共同代表の小沢一郎さんから寄せられたメッセージをご紹介します。
 
(引用開始)
 ゆら登信様の事務所開きを心よりお祝い申し上げます。
 現在の自民党一強政治を食い止めるためには、野党が一丸となって立ち向かう必要があります。
 その中で、このたび地元の関係皆様方のご尽力により、野党共闘のかたちが整いましたこと、大変心強く思います。
 地元和歌山のため、日本の政治を変えるため、ゆら様の掲げる政策は、まさに私どもの基本理念である「国民の生活が第一」の政策であると思います。長年の弁護士生活で培った経験は、必ずや国政の場で力を発揮できるものと確信しております。
 本日を機に所期の目的達成のため、どうかより一層のご支援をゆら登信様に賜りましよう、よろしくお願い申し上げますとともに、ゆら様の益々のご奮闘とご参会皆様のご健勝を心よりお祈り申し上げます。
  平成二十八年五月十八日
    生活の党と山本太郎となかまたち 代表 小沢一郎
(引用終わり)
CIMG5963
 

“GO VOTE サウンドウォークデモ”@和歌山市(6/11)のご案内

 今晩(2016年5月17日)配信した「メルマガ金原No.2458」を転載します。

“GO VOTE サウンドウォークデモ”@和歌山市(6/11)のご案内

 いわゆる「サウンドデモ」が全国的に広がるきっかけとなったのは、3.11直後から東京で始まった反原発デモだったように記憶します。
 もちろん、和歌山においては、イラストレーター(というのは今やその活動のごく一部となっているようですが)の奥野亮平さんが呼びかけた「原発さよなら行進@和歌山」をはじめ、何度も反原発デモが取り組まれており、それらのデモでは、持参した楽器を演奏しながら参加してくださる人の姿も珍しくなくなっていました。
 けれども、「サウンドカー」が先導し、その荷台からコールやスピーチが行われるという、本格的な「サウンドデモ」が和歌山で行われたのは、去る3月27日(日)の“Sound Walk Festa –Democracy Never Falls Silent–”(サウンド・ウォーク・フェスタ「民主主義は黙らない」)が初めての試みだったと思います。
 従来のデモに慣れた年輩の参加者の中には、「あのテンポには付いていけない」という声があったりしたものの、他方、「元気が出てとても良い」という人も結構多く、「この試みを続けて、もっと若い人に参加してもらえるように努力したい」というあたりが、大方の感想だったような気がします。
 3月27日の第1回「サウンドデモ」については、私がFacebookに写真レポートをいくつか投稿していますので、末尾に転記しておきます(写真はリンク先でご覧ください)。

 そして、いよいよ待望の「サウンドデモ」第2弾が、来る6月11日(土)に行われることが決まり、フライヤーも入手できましたので、以下にご紹介します。

フライヤー文字情報から引用開始)
フライヤーA面】
GO VOTE
SOUND WLAK -DEMO-

2016/6/11(SAT)
14:30 START@和歌山市役所前広場

【フライヤーB面】
It’s time to change ××
「選挙」     「和歌山」      「生活」
     「未来」      「政治」

今が、変える時。
あなたは××に何を入れますか?
それぞれの××を胸に
今、思いを一票に変えるための一歩を。

・日時:6/11
・場所:和歌山市役所前広場
・時間:14:30 START

・SCHEDULE:
14:30~ 集会(あいさつ・コール練習)
15:00~ デモ出発

主催:GO VOTE -It's time to change-××-実行委員会
お問合せ:
go_vote_wakayama@yahoo.co.jp
(引用終わり)

 6月11日という開催時期にまことにふさわしい「GO VOTE」がメインのキャッチコピーとして使われています。
 前回(3月27日)とは異なり、和歌山城西の丸広場に先約があったために使用できず、和歌山市役所前の使用許可を申し込み、同所が集合場所となりました。
 今回も、企画・運営は若い人たち(せいぜい30代まで?)が中心となって担ってくれています。
 どんなコールやスピーチが飛び出すか、楽しみですね。ただ、時期が時期なので、「アベは辞めろ!」は止めておいた方がいいでしょうね(などということは先刻ご承知でしょうが)。
 
 ただ、個人的に大問題なのは、このメルマガ(ブログ)でもご紹介したとおり、6月11日の午後、デモの集合場所(和歌山市役所前広場)からもほど遠からぬ和歌山市あいあいセンター6階ホールにおいて、核戦争防止和歌山県医師の会主催による、映画『放射線を浴びたX年後』第1作(2012年)、第2作(2015年)一挙上映と伊東英朗監督講演会という長時間企画(13:00~17:30)がかねてから予定されており、これは、我が国で放射線被ばくの問題を考える上で、逸することのできない企画なのです。時間帯がもろにバッティングしており、正直「どうしたらいいんだ」と悩んでいるところです(予告6/11映画『放射線を浴びたX年後』2部作一挙上映と伊東英朗監督講演会へのお誘い(核戦争防止和歌山県医師の会)/2016年4月26日)。

【和歌山市あいあいセンターにて 映画と講演のつどい】
13:00~14:30 第1作『放射線を浴びたX年後』上映
14:45~16:15 第2作『放射線を浴びたX年後2』上映
16:20~17:20 伊東英朗監督講演会
【和歌山市役所前から GO VOTE サウンドウォークデモ】
14:30~ 集会
15:00~ サウンドデモ

 私は、上記時間表を眺めながら、
①映画『放射線を浴びたX年後』(第1作)鑑賞
②市役所前の集会に途中から参加し、そのままデモに加わる
③デモは1時間ほどで離脱して再び和歌山市あいあいセンターを目指す
④伊東英朗監督講演会に参加する
という作戦は実行可能だろうか?と検討を始めたところです。
 デモコースが、前回と同じだと仮定すると、デモ隊が元寺町通りのドンキホーテ前付近に差しかかかったところで離脱し、中ぶらくり丁を抜けてさらに西進し、あいあいセンターに戻るというのはどうでしょうか。体力勝負の1日になりますが。
 

写真レポートで振り返る“Sound Walk Festa –Democracy Never Falls Silent–” サウンド・ウォーク・フェスタ「民主主義は黙らない」
※各タイトルから私のFacebookアルバムにリンクしていますので、写真はそちらでご覧ください。 
 いよいよ今度の日曜日(3月27日)に迫ってきた“Sound Walk Festa –Democracy Never Falls Silent– サウンド・ウォーク・フェスタ「民主主義は黙らない”(和歌山城西の丸広場)。先ほどプレスリリースを送信しましたので、FBにもアップしておきます。ちなみに、WAVEsの橋本さんには、FBが勝手にタグ付けしてくれました。
サウンドデモ1・開会前に朝方の雨模様でどうなることかと心配された今日(3月27日)の「サウンド・ウォーク・フェスタ 民主主義は黙らない」(和歌山城西の丸広場)ですが、予報通り、昼前から天候が持ち直し、絶好の集会日和、デモ日和となったのは幸いでした。何枚か写真をお届けします。アルバム(1)は、集会開始前の写真。パラソル付きの無料法律相談所を開設したのは「憲法9条を守る和歌山弁護士の会」。私も1件相談を聞きましたが、こういう場所なので、ご本人の相談というよりは、友人・知人から相談を受けている案件について弁護士に助言を求めるという人が何人か訪れており、それなりに良い機会になったようです。なお、会場で口に入るものといえば、美里からやって来た焼き芋屋さんと「ママの会」の手作りクッキーだけ。どちらもとても美味しかったですよ。
「サウンド・ウォーク・フェスタ 民主主義は黙らない」アルバム(2)は、ついに和歌山に登場したサウンドカーの勇姿です。泉州から応援にかけつけた(のでしたっけ?)2tトラックと、和歌山現地調達の軽四トラック2台がサウンドカーに早変わりです。事前に綿密な打ち合わせをして本番に備えます。
サウンドデモ1・WAVEs「サウンド・ウォーク・フェスタ 民主主義は黙らない」アルバム(3)は、午後2時から始まった集会の様子。トップに演奏した北野亮さんは、どうやら予定されていた人が出られなくなったため、急遽代役で登場した模様(ではなかったかな?)。お疲れ様でした。WAVEsのお2人は、19日の和歌山弁護士会主催の集会のためのネタをさらに練り上げての登場。「安保法制の廃止を求める和歌山の会」からは由良登信弁護士がスピーチ。
「サウンド・ウォーク・フェスタ 民主主義は黙らない」アルバム(4)は、リレートークのトリを務めた服部涼平さん(WAASA)、服部さんの首唱でコーラーの皆さんと一緒にコールの練習、デモ出発前に注意事項を説明する芝野友樹弁護士。
サウンドデモ1・スタート「サウンド・ウォーク・フェスタ 民主主義は黙らない」アルバム(5)は、いよいよサウンドデモのスタートです。最初の2枚はダイワロイネット前を行く第1てい団と第2てい団、3枚目は三木町交差点を左折して北上するデモ隊が中谷医科歯科病院前に差し掛かり、音を出さないようにセーブしているところ。
サウンドデモ1・WAASA「サウンド・ウォーク・フェスタ 民主主義は黙らない」アルバム(6)は、「安全保障関連法制の廃止を求める和歌山大学有志の会(WAASA)」の皆さんをフューチャーしました。越野章史先生は、事前の企画準備の取りまとめ役を担われた上にデモの際は2号車に搭乗し、学生の服部さんの活躍は既にご紹介済みですが、教育学部教授の山崎由可里先生は、ドイツを訪問された際に感じたことをはじめ、今の状況についての思いをトラックの荷台から訴えられました。1号車ではパンダさんの横で、2号車では服部さんや越野先生とともに。
「サウンド・ウォーク・フェスタ 民主主義は黙らない」アルバム(7)はドンキホーテ前を行く1号車とデモ隊です。この通りがデモのルートになるって、やっぱり珍しいんだろうか?道行く人が珍しがっているのがひしひしと伝わってきました。

【アルバム(8)ゴールは近い】
サウンドデモ1・車の上「サウンド・ウォーク・フェスタ 民主主義は黙らない」アルバムは、(8)でとりあえず終了です。ゴールの南海和歌山市駅を目指して西進する「サウンド・ウォーク・デモ」の一行です。皆さん、お疲れ様でした。なお、参加者数は、西の丸広場の後片付けのためにデモ自体には参加できなかった方も含めて200名だったと推計しています。参加された皆さん、ありがとうございました。サウンド・デモ、是非またやりたいですね。

サウンドデモ2フライヤー 

早稲田の杜から「Democracy Strikes Back!! 民主主義の逆襲」(5/15)

 今晩(2016年5月16日)配信した「メルマガ金原No.2458」を転載します。

早稲田の杜から「Democracy Strikes Back!! 民主主義の逆襲」(5/15)

 2015年、各地の大学では、安保法案に反対する教職員、学生、卒業生らによる多くの「有志の会」が立ち上げられ、様々な行動が取り組まれました。私も母校の大阪市立大学有志の会だけではなく、附属中学校出身というご縁から、和歌山大学有志の会の賛同者にもなっていました。
 これからの「大学有志の会」は、昨年9月19日未明の安保法案国会通過を機に、会の名称を1字か2字変更しただけで、安保法制廃止のための活動を継続しているところが大半だろうと思います。
 とはいえ、各「有志の会」ごとに様々な事情があるのですから、活動の活発さの程度に濃淡があるのは当然です。
 そして、東京という地の利を得ている上に、人的パワーに圧倒的に恵まれているからか、「Democracy Strikes Back!! 民主主義の逆襲」を合い言葉として、充実した大型企画を次々と繰り出す早大有志の会(安全保障関連法の廃止を求める早稲田大学有志の会)の活躍には目をみはるものがあります。
 現に、私のメルマガ(ブログ)でも、ここ半年の間に3回も早大有志の会の企画をご紹介しています。
 
 今日ご紹介しようとする企画は、予告記事を見た段階から非常に興味を引かれていました。だって、高畑勲さんとアーサー・ビナードさんの対談と聞いたら、誰だって興味津々でしょう?
 Facebookのイベントページから開催概要を引用します。

(引用開始)
Democracy Strikes Back!! 民主主義の逆襲
第1部:語る(対談)
 高畑 勲、アーサー・ビナード
第2部:歌う(演奏)
 木村 弓
第3部:力を合わせて
 岸井 成格
 大学連帯挨拶
デモ行進(早大から高田馬場)
共催:早稲田大学メディア・シティズンシップ研究所、安全保障関連法の廃止を求める早稲田大学有志の会、早稲田大学教職員9条の会
後援:早稲田大学憲法懇話会
(引用終わり)

 昨年12月17日に引き続き、大隈記念大講堂で開かれたこのイベントを収録・公開した三輪祐児さん(UPLAN)のコメントも、動画の前に引用しておきましょう。ちなみに、三輪さんは、1975年、早稲田大学理工学部卒だそうです。

(引用開始)
 「早稲田から止める」を掲げて、民主主義の逆襲。高畑勲さんとアーサー・ビナードさんの、ボケと突っ込みみたいだが奥深い示唆に富む対話、そして竪琴の旋律にのって美しく響き流れる木村弓さんの歌声。この日大隈講堂は、いまの陰惨な時代状況へのレジスタンスの決意を静かに漲らせた。
 第三部で集まってくれた各大学の皆さまにも深く感謝したい。デモ後のなごやかな打ち上げでアーサーさんが感想を述べていた。「あれだけたくさんの人が同じ一つのテーマについて語りながら、誰一人同じ話をしていない。」まさに個の多様性を重んじるからこそ、幾重にも多彩な糸が織りなされて新しい時代模様を描きだしていくことができるのだ。
国民を主権者とした豊かな未来はこのようにして切り開かれていく。国会前の若者たちに、誇らしく応えよう。「これが民主主義だ」。
(引用終わり)
 
20160515 UPLAN【第1部・第2部】Democracy Strikes Back!! 民主主義の逆襲(1時間26分)

3分~ 主催者挨拶  小原隆治氏(安全保障関連法の廃止を求める早稲田大学有志の会)
5分~ 第1部:語る(対談) 高畑 勲氏、アーサー・ビナード氏
51分~ 第2部:歌う(演奏) 木村 弓氏
 
20160515 UPLAN【第3部・デモ】 Democracy Strikes Back!! 民主主義の逆襲(2時間10分)

冒頭~ 第3部:力を合わせて 岸井成格氏
17分~ 大学連帯挨拶
19分~ 佐藤 学氏(安全保障関連法に反対する学者の会)
24分~ 慶應義塾大学
26分~ 上智大学
30分~ 成蹊学園
34分~ 創価大学
37分~ 中央大学
41分~ 中央学院大学
43分~ 東京大学
47分~ 東京学芸大学
50分~ 東京経済大学
53分~ 東京芸術大学
57分~ 東洋大学
1時間01分~ 法政大学
1時間03分~ 武蔵野美術大学
1時間05分~ 国立天文台
1時間08分~ 明治大学
1時間12分~ 明星大学
1時間16分~ 立教大学
1時間21分~ 早稲田大学
1時間25分~ 戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会
1時間31分~ デモ行進

(弁護士・金原徹雄のブログから)

立憲デモクラシー講座第10回(5/13)「戦争化する世界と日本のゆくえ」(西谷修立教大学特任教授)のご紹介

 今晩(2016年5月15日)配信した「メルマガ金原No.2457」を転載します。

立憲デモクラシー講座第10回(5/13)「戦争化する世界と日本のゆくえ」(西谷修立教大学特任教授)のご紹介

 回を重ねて10回目という節目を迎えた立憲デモクラシー講座(主催:立憲デモクラシーの会)、今回
の担当講師は、「立憲デモクラシーの会」の当初からの呼びかけ人の1人である西谷修氏(立教大学特任教授・哲学)であり、テーマは「戦争化する世界と日本のゆくえ」というものでした。
 不勉強な私は、哲学に特段の関心を持って学んだこともなければ、西谷教授の論考を読んだ記憶もなく、わずかに、同教授が監修した『自発的隷従論』(エティエンヌ・ド・ラ・ボエシ著、山上浩嗣訳/ちく
ま学芸文庫)を一読したことがあるだけなのです。
自発的隷従論 (ちくま学芸文庫)
エティエンヌ・ド・ラ・ボエシ
筑摩書房
2013-11-08


 ただし、少し調べてみると、呼びかけ人の中で、立憲デモクラシー講座で「戦争」を担当するに足るだ
けの業績をあげている研究者ということで言えば、まず西谷教授に指を折るのが当然であったようなのですね。以下のような単著が公刊されていました。
 
『戦争論』(岩波書店1992年→講談社学術文庫1998年)

『夜の鼓動にふれる―戦争論講義』(東京大学出版会1995年→ちくま学芸文庫2015年)

『「テロとの戦争」とは何か―9.11以後の世界』(以文社2002年→『〈テロル〉との戦争―9.11以後の世界』増補新版2006年)


 5月13日に、立教大学池袋キャンパス8号館8202教室で開催された西谷修教授の講義の模様を収録した動画をご紹介しておきます。
 
20160513 UPLAN 西谷修「戦争化する世界と日本のゆくえ」(2時間04分)


 ただし、今回のUPLANによる動画は音声レベルが非常に低いため、内容を理解するのに困難がともなうと
思います。
 もう1つ、IWJによる中継も行われてアーカイブが公開されていますが(音声は非常にクリアに聴き
取れます)、全編視聴するためには会員登録が必要です。
 
立憲デモクラシー講座 第10回 西谷修・立教大学特任教授(哲学)「戦争化する世界と日本のゆくえ」2016/05/13(※会員登録

 なお、中継したユーストリームIWJチャンネル4の「過去の番組」で、現在のところ全編視聴できる
ようです(早晩見られなくなるはずですが/29分ころから講座が始まります)。
  
 正直、UPLANでは声が非常に聴きずらかったため、私はIWJチャンネル4で西谷教授の講義を聴講したのですが、特に興味深かったのは、1時間12分~(UPLANでは39分~)で語られるフランス革命時の義勇兵から始まった近代国民国家における徴兵制の性格についての説明でした。これは、最も基礎的な「常識」に属
することだと思いますが、まだまだ一般の「常識」にはなっていないように思われます。

 私がこの部分に特に注目したのは、昨日、和歌山市で行われた小林節さんの講演会終了後、会場のロビーで行われたサイン会のために購入した小林さんと樋口陽一先生の対談本『「憲法改正」の真実』(集英社新書)をぱらぱらと流し読みしていて、以下のような樋口先生の発言に気がついたことにもよります。


(引用開始)
樋口陽一「行き着くところではなくて、『専守防衛のための国防軍をもつというならば、徴兵制であるべ
きだ』と、私が考えるのです。」
「九条改憲を説く政治家は、しばしば『徴兵制にしないから安心しろ』と言いますね。これは非常に不見
識だと思う。(略)これはまったく本質を見失っています。
 もし日本国民が正規の軍隊を憲法で承認することが必要だと判断するならば、そのときには全国民が、
女性も含めて、短期間ずつでもその軍に関与していく必要があると思う。」
(略)
「徴兵制の起源はフランス革命にあります。王制を廃して、人民の国をつくるからには、人民の軍隊が必要である。戦闘のプロが権力者と結びついた、王のための傭兵集団ではいけない。それが徴兵制による国
民の軍隊のはじまりだったわけです。」
(略)
「国民のための軍隊だと言うなら、貧しい若者だけに負担を押しつけ、血を流させるという方法は公正だ
とは思えない。」
(引用終わり)

 もちろん、樋口先生は9条を改正して国防軍を持つということ自体には反対なのですが、もしも「専守防衛」に限定してであれ、国民が軍隊を持つという決断をするのであれば、その軍は「徴兵制」であるべきだというご意見であり、私も基本的には賛成なのです(参考・
「安保法案だよ全員集合!」(9/12@田辺市)で話すつもりだったこと/2015年9月12日)。

 そして、西谷修教授による講義では、このような義勇兵という前史を持たなかった日本の戦前の軍隊の
性格を、靖国神社の位置付けとも関連付けながら論じており、非常に興味深かった次第です。
 これも「常識」に属することかもしれないのですが、日本の伝統的な神社の多くが、朝廷の「敵」を祀り、祟りをなさぬように鎮めることを目的としているのに対し、靖国神社はその真逆であり、「朝敵と闘
って倒れた者」を英霊として賞揚するという、まことに非伝統的な存在であるということに言及された箇所なども新鮮でした。 

 なお、西谷修さんの「戦争論」については、先にご紹介した3冊の単著の他、映像ドキュメントによる
シリーズ「18歳のためのレッスン」第4回として公開された以下のような映像もあります。

18歳のためのレッスン4 西谷修さんと学生 ほんとうの戦争の話をしようか v.2(59分)


 「立憲デモクラシー講座」は、この第10回でとりあえず中締めかと思っていたのですが、引き続き第1
1回、第12回が立教大学で開催されると告知されていました。
(引用開始)
好評を頂いております立憲デモクラシー講座ですが、このたび第11回・第12回の開催が決まりました。
なお、会場は第9回・第10回と同じく立教大学池袋キャンパス8号館ですが、8201教室(定員300名)に教室
が変更されますので、ご注意ください。
会場:立教大学池袋キャンパス8号館8201教室
時間:18:30~20:00 (開場:18:00)
共催:立教大学大学院比較文明学専攻
第11回
6月3日(金)18:30~20:00
講師:石田英敬(東京大学教授・ 記号論、メディア論 )
「現代のメディアと政治」
第12回
6月10日(金)18:30~20:00
講師:岡野八代 (同志社大学大学院教授・政治学)
「女性と政治と憲法と」
(引用終わり)

(弁護士・金原徹雄のブログから)
2015年11月15日
佐々木惣一が発見した「国民の存在権」(憲法13条)と自民党改憲案~石川健治東大教授の講義で学ぶ(11/13立憲デモクラシー講座 第1回)
2015年12月12日
山口二郎法政大学教授による「戦後70年目の日本政治」一応の総括~12/11立憲デモクラシー講座 第3回)
2016年1月8日
中野晃一上智大学教授による「グローバルな寡頭支配vs.立憲デモクラシー」~1/8立憲デモクラシー講座第4回)
2016年1月31日
杉田敦法政大学教授による「憲法9条の削除・改訂は必要か」~1/29立憲デモクラシー講座 第5回)
2016年2月6日
立憲デモクラシーの会・公開シンポジウム「緊急事態条項は必要か」を視聴する
2016年3月28日
立憲デモクラシー講座第6回(3/4三浦まり上智大学教授)と第7回(3/18齋藤純一早稲田大学教授)のご紹
2016年4月11日
立憲デモクラシー講座第8回(4/8)「大震災と憲法―議員任期延長は必要か?(高見勝利氏)」のご紹介(付・『新憲法の解説』と緊急事態条項)
2016年4月25日
立憲デモクラシー講座第9回(4/22)「表現の自由の危機と改憲問題」(阪口正二郎一橋大学教授)」のご紹介(付・3/2「放送規制問題に関する見解」全文)

小林節氏講演会「政治の暴走を止めるために」@和歌山市(5/14)のご紹介と見えてきた課題

 今晩(2016年5月14日)配信した「メルマガ金原No.2456」を転載します。

小林節氏講演会「政治の暴走を止めるために」@和歌山市(5/14)のご紹介と見えてきた課題

 好天に恵まれた5月半ばの土曜日、全国各地で様々な行事が行われ、和歌山のお隣の大阪では、大阪弁護士会始まって以来の(多分)大反響で、はやばやと定員に達して申込受付をストップした「憲法という希望~対談:木村草太×国谷裕子」が、同会館2階ホールを満員の聴衆が埋め尽くす大成功を収めたとい
う情報が伝わってきています。
 私としても、メルマガ(ブログ)で紹介したご縁もあり、非常に嬉しいことです(
開催予告5/14「憲法という希望~対談:木村草太×国谷裕子」(大阪弁護士会)/2016年3月31日)。

 他方、当地和歌山では、既に何度もご紹介してきたとおり(1回目2回目3回目4回目)、今話題の小林節さん(慶應義塾大学名誉教授、弁護士)をお招きし、同氏の講演を中心とした集会を和歌山市民会館大ホールで開催しました(予告タイトル「小林 節、アベを叱る。野党統一 独裁政治の終焉を!」/本日のタイトル「政治の暴走を止めるために」)。
DSC01103 キャパ1,400席という大きな会場であったため、満席とはいきませんでしたが、それでも約1,000人という多くの参加者においでいただくことができました。主催の「小林節さんの講演会を成功させる和歌山の会」の末端で広報の一部を手伝わせてもらった私からも、お礼申し上げます。
 また、今日は、先頃(5月6日)、市民連合わかやま(安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合わかやま)との間において、①憲法違反の安保関連法の廃止、②集団的自衛権行使容認の閣議決定の撤回、③日本の政治に立憲主義と民主主義を取り戻すことを内容とする政策協定を締結し、来る7月の参院選和歌山県選挙区への立候補表明を行ったゆら登信(たかのぶ)弁護士も登壇し、所信を述べる機会が得られたのは良かったと思います(よく間に合った)。

 今日の集会には、IWJ和歌山チャンネル1やスターズライフ(清瀬航輝さん撮影)など複数の撮影が入っていましたが、まずIWJ和歌山チャンネル1のアーカイブ映像が視聴できるようになっていますので、今日はこれをご紹介
しようと思います。
 実は、今日の講演のマイクを通じた音声が、座席の位置によっては非常に聴き取りずらかったという声も複数の方から聞いており、音声が比較的クリアに収録されているIWJの中継動画を急いでご紹介しよ
うと思った次第です(それでも聴き取りにくい箇所はありますけどね)。
 また、スターズライフの動画についても、アップされ次第、ブログの方に追加で紹介させていただこう
と思います。
 ちなみに、IWJの中継を担当してくださったボランティアスタッフ「吉田洋太郎」さんとは、2年前の憲法記念日に長野たかしさん、森川あやこさんご夫婦が鞍馬寺で行われた奉納ライブのIWJによる中
継動画を私のブログでご紹介して以来、Facebook「友達」となっていただいていたというご縁もあったりします(音楽で憲法を感じる、考えるⅡ(長野たかし氏・森川あやこ氏 奉納ライブ 鞍馬寺/2014年
5月6日)。
 今日は、清瀬航輝さんとも名刺交換させていただき、私のブログによる情報提供をを読んでくださって
いる方がいろんなところにいることが分かって嬉しかったですね。

 それでは、IWJによる中継をご紹介します。なお、チラシの予告とは異なり、講演の演題は「政治の
暴走を止めるために」となっていました。
 
2分~ オープニングアクト(漫才) WAVEs
DSC01124※最近、WAVEsは男性路線から女性路線に転換したようです。
 なお、参考までに(?)、昨年11月21日に和歌山県田辺市(WAVEsの地元)の紀南文化会館小ホールで開かれた小林節さん講演会のオープニングア
クトを担当した際のWAVEsの動画もご紹介しておきます。このコントのあとに登壇された小林節さんから「感動した」と絶賛されたものです。
 ちなみに、5月4日の新コンビニよる漫才も小林先生が絶賛されていたという評判が伝わってきています。

※WAVEsの公式Facebookページで当日(5月14日)の動画が公開されていました。

9分~ 主催者あいさつ 豊田泰史(やすふみ)弁護士
       小林節さんの講演会を成功させる和歌山の会 代表
       市民連合わかやま 共同代表
DSC01154※主催者あいさつの13分過ぎに豊田弁護士が話している、「豊田さん、あまり過激なことは言わないでおこう」と引き留めたうちの1人は私です(あまり効果はなかったけれど)。
 参加者に配布された資料の中に「県下各政党の連絡先・住所」が入っていました。これ、豊田さんの要請かどうか確認していませんが、15分ころの発言を聴くと怪しいなあ。ということで、ここにも連絡先を転記しておきます。
  民進党和歌山総支部連合会
    〒640-8156 和歌山市七番丁11-1 アラスカビル5F
    TEL:073-427-2255 FAX:073-427-2277
  日本共産党和歌山県委員会
    〒640-8290 和歌山市西長町2-23
    TEL:073-425-4111 FAX:073-433-4186
  社会民主党和歌山県連合
    〒640-8118 和歌山市北細工町21
    TEL:073-425-2471 FAX:073-426-0210 
    
18分~ 連帯あいさつ ゆら登信(たかのぶ)弁護士
       市民連合わかやま 参院選予定候補
※配付資料の中にも入っていましたが、5月6日に市民連合わかやまと締結した政策協定書を引用してお
きます。
(引用開始)
                    政 策 協 定 書
 安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合わかやま(以下、市民連合わかやま)は、立憲主義
・民主主義・平和主義の理念に基き、戦争をしない国から戦争ができる国づくりを進める安倍政権の暴走を阻止するため、下記の3点を公約する市民派野党統一候補・由良登信弁護士を擁立し、市民連合わかやま推薦の候補として全力で支援いたします。
DSC01180                   記
  1 憲法違反の安保関連法(戦争法)の廃止
  2 集団的自衛権行使容認の閣議決定の撤回
  3 日本の政治に立憲主義と民主主義を取り戻す
 私、由良登信は、市民連合わかやまの掲げる上記3点を2016年参議院選挙において公約とし、安倍
政権の打倒に向け全力を尽くすことを約束いたします。
                            2016年5月6日
   安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合わかやま
                   代表 豊 田 泰 史
                       由 良 登 信
(引用終わり)
 
28分~ メッセージ紹介 岸本周平氏(民進党衆議院議員)より

31分~ 講演「政治の暴走を止めるために」 小林 節氏(慶大名誉教授・弁護士)
※当日配布されたレジュメの見出しを引用したいと思います。もっとも、見出ししかないので、実質は全文引用(転載)になるのですが。講演映像と照らし合わせながらご覧いただくと、理解に資すると思いま
す。
DSC01229(レジュメから引用開始)
1.アベ独裁政権
(1)「日本を取り戻す」と言いながら「売り渡している」のではないか?
(2)立憲主義を弁えていない
 ①9条無視
 ②議会制民主主義の否定:「王政」のつもり?
 ③緊急事態条項は憲法否定・独裁条項である
(3)戦争法が招く危険
 :テロと戦費破産
(4)「平和国家」の喪失:平和のための仲裁者になれるのに
(5)「中国と北朝鮮の脅威」の嘘
(6)メディアの威嚇と懐柔
(7)大学の変質と学問の自由
(8)アベノミクスの失敗は明白
2.アベ政権を倒す方法
(1)現行選挙制度の下で選挙で勝つしかない
(2)足並みが揃わぬ野党と民意の力
(3)論争から逃げるアベ政治
(4)共産党が毛嫌いされる理由
3.主権者国民の心の独立戦争
(引用終わり)

2時間05分~ 小林節さんがゆら登信(たかのぶ)さん(豊田泰史さん)と激励の握手
※パンダちゃんも応援のために登場
 
2時間06分~ 5・14集会アピール
※拍手で採択されたアピールを全文引用します。
(引用開始)
           参議院選挙で安倍暴走政治にストップをかけ、
               戦争法を廃止し、立憲主義を取り戻そう!
 「日本国民は・・・〈中略〉・・・政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないやうに決意し、・・・〈後略〉」これは、国民が戦後70年以上にわたって、守ってきた日本国憲法の前文の一部です。
 今、この私たち国民の決意が安倍内閣によって、踏みにじられようとしています。安倍首相はほとんど
の憲法学者や歴代の内閣法制局長官が違憲とする「戦争法」を強行し、日本の若者が海外で「殺し」「殺される」状況が現実に起ころうとしています。さらに、明文改憲で「緊急事態条項」を盛り込み、憲法を
「権力を縛るもの」から「国民を縛るもの」へと変質させようとしています。
 一方で、「戦争法廃止」「立憲主義・民主主義を守れ」「野党は共闘」という国民的な運動が未曾有の
勢いで日本中に広がり、未だかつてない規模で、政治を変えようとする大きな潮流が生まれています。
 7月に行われる参議院選挙は、戦争する国へ進むのか、それとも立憲主義を取り戻し、集団的自衛権行使容認の閣議決定を撤回し、戦争法廃止を実現させるのか、日本の歴史上でも最も重大な政治戦となりま
す。
 全国各地で野党共闘が前進し、和歌山でも「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合わかや
ま(略称、市民連合わかやま)」から弁護士のゆら登信氏が無所属で立候補することを決意しました。
 今日、ここに集まった私たち一人一人が、家族や親戚、友人、知人等、平和を願う多くの方々と対話し、みんなの力を合わせて、戦争法を廃止し、立憲主義を取り戻しましょう!
(引用終わり)
 
2時間09分~ 閉会あいさつ 琴浦龍彦氏
             憲法九条を守るわかやま県民の会代表運営委員

 以上が今日の集会「政治の暴走を止めるために」のあらましです。
 県下さまざまな地域から多くの人に来ていただいたというものの、誰しも「若い人が少なかったなあ」という感想を持たれたことと思います。まさに、その年代の人たちがどれだけ投票所に足を運んでくれるかが、日本の命運を決するということを誰もが意識している中でのこの結果には、多くの反省点があるは
ずです。
 それにしても、和歌山の若者たちは、今日の昼間、どこで何をやっていたのでしょうかね?
 7月まで残された時間はわずかですが、どういう努力が必要なのか、私自身ももう一度真剣に考えねばと思った1日でした。

 なお、掲載した写真は、中北幸次さんからご提供いただいたものです。

改憲派の「憲法おしゃべりカフェ」はあなどれない

 今晩(2016年5月13日)配信した「メルマガ金原No.2455」を転載します。

改憲派の「憲法おしゃべりカフェ」はあなどれない

 5月3日の憲法記念日、私は終日、“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama 2016”が開かれた和歌山城西の丸広場を走り回っており、それが終わった後はFacebookへの写真レポートのアップに忙しく、憲法記念日関連のテレビ番組を視聴する時間的余裕など全くありませんでした(
写真レポートで振り返る“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama 2016”/2016年5月5日)。
 もっとも、普段から、優れた番組が放送される可能性の高いドキュメンタリー番組枠以外は、テレビの
スイッチを入れること自体(よほどの重大ニュースでも見ようという時以外は)まずないですけどね。
 前日の2日の夜も、和歌山弁護士会でTV会議システムで中継された「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」についての学習会に参加しており(被災者のための制度紹介「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」について/2016年5月9日)、帰宅後はメルマガ(ブログ
)執筆に忙しいという訳で、もちろんテレビ番組を見るような時間は全然ありませんでした。
 ですから、今年の憲法記念日関連のNHKの番組はひどかったという話をあちこちで見聞きしても、何しろ「見てないからなあ」状態であったため、基本的には責任をもった発言はしかねるのです。たとえば、以下のような記事を読んだとしても。
 

 しかしながら、10年前とはこと違い、今日のネット環境では、見逃した番組の内容を後日検証すると
いうことが比較的容易にできることも多いのですよね。
 NHKの憲法記念日関連の番組でも、著作権法適合性に疑問はあるものの、動画サイトで全編視聴でき
るものがあったりするのです。
 たとえば、5月2日の午後10時から放送されたクローズアップ現代「密着ルポ わたしたちと憲法」
です。
 さすがに動画サイトについては、見たい人は各自で検索して欲しいと言うしかありませんが、クローズ
アップ現代の番組ホームページでは、「特集ダイジェスト」として、番組の内容がテキストとして再現されており、番組の内容を検証するのにとても便宜です。
 「密着ルポ わたしたちと憲法」で特に私が注目した部分を引用します。

(引用開始)
改憲の署名活動に参加している、主婦の白須夏さんです。求めているのは、「家族が国家の基礎であること」を明記することです。1児の母の白須さん。今の社会の閉塞感は、家族よりも個人の権利を優先し
すぎた結果だと考えています。
主婦 白須夏さん
「離婚率も増えていますし、女性もいろいろな事件もありますし、そこが問題だと。個人を優先して、み
んなわがままになっていった結果じゃないかな。
日本人ってどうなっちゃったのかなって。」
個人ではなく家族を土台とした国の形を描くことが、今の日本にとって重要だと考えています。
主婦 白須夏さん
「日本人が日本人のために日本人らしく生きられるために、憲法に(家族について)きちっと明記すべき
だと考えます。」

個人の自由よりも国家を重視し、公共に尽くす精神を明確に掲げていくべきだという人たちもいます。

参加者
「ある程度の土台の上に、個人的な自由がある。土台をなくしての自由はありえない。」
参加者
「国の安定が保てないときには、個人の自由はそもそもないと思います。」
参加者
「自由なんて、そうだよね。ひもが付いて、ようやく本当の自由。」
参加者
「今、自由がおう歌できるのは、日本が安定しているから。 だからそこを守るのが第一の目的であって、
自由を守ることが第一目的じゃない。」
(引用終わり)

 なぜ上の2つのシーン(連続していますし、説明はありませんが、白須夏さんも後半の一座の中におられたように思います~見間違いかもしれませんが)に注目したかを述べておきます。それは、主婦・白須夏さんが登場するシーンで、これ見よがしに画面に映った書籍2冊のためです。


 監修者が百地章日本大学教授であることから想像がつくと思いますが、これはれっきとした改憲推進本であり(私自身未読なのですが間違いなくそうです)、この2冊の他にもはっきりと日本会議発行であることが分かるように雑誌「日本の息吹」の表紙をカメラが撮しだしているとおり、インタビューに応じた
白須夏さんというのは、ただの主婦ではなく、こういう公式ホームページも持っておられる方です。
 そして、「4月の活動報告」の中には、「憲法おしゃべりカフェを主催:諌山仁美さんをお迎えしての
勉強会、多くの女性にご参加頂き、憲法改正の重要性を皆で議論いたしました。」という記載があったりします。

 『女子の集まる憲法おしゃべりカフェ』が発行されたのが2014年9月のこと。「あすわか」が本格的に憲法カフェを始めたのがいつ頃であったか詳しくは知りませんが、少なくとも、クローズアップ現代のディレクターは、憲法カフェよりも、改憲派の憲法おしゃべりカフェの方を取り上げるという選択をし
た訳です。
 もしかしたら、憲法カフェの方も取り上げたかったのだが、そうすると、番組全体として改憲派の紹介に割く時間よりも、護憲派の紹介に費やす時間の方が多くなってしまうので断念したということだったのか
もしれません。
 何しろ、5月2日のクローズアップ現代は、「改憲派と護憲派を平等に扱いましたよ」というエクスキューズはよく伝わってきますが、「それで番組制作者としては何が言いたかったの?」ということがよく分からない番組でした(と後日動画サイトで視聴した感想です)。

 ところで、『女子の集まる憲法おしゃべりカフェ』ってどんなことが書いてあるんだ?と気になります
よね。「『憲法カフェへようこそ 意外と楽しく学べるイマドキの改憲』(あすわか編著)を推奨します」2016年4月23日)という記事を書いた私としては興味津々なのです。
憲法カフェへようこそ
かもがわ出版
2016-04-27

 特に、「あすわか」の『憲法カフェへようこそ 意外と楽しく学べるイマドキの改憲』が1200円+税であるのに対し、『女子の集まる憲法おしゃべりカフェ』の方は、半額の600円+税という、とってもお購めやすい価格設定になっていますからね。

 「それなら買えばいいのに」と思われるでしょうし、実際、「資料」として近々発注しようかと思っているのですが、その前に「音声による書評」が聴けることに気付きましたので、皆さまにもご紹介しよう
と思います。
 去る5月5日、TBSラジオの「荻上チキ・Session-22」という番組のオープニング(約15分)で、パーソナリティの荻上チキさんが、この本を「精読」した上での感想をたっぷりと話しておられました(ポッドキャストで録音を聴取できます)。
 

 また、この荻上チキさんの「書評」を理解する上で参考となる「アニメ版 女子の集まる憲法おしゃべりカフェ」という気色の悪い動画もご紹介しておきます。ちなみに、このアニメを公開しているのは「美しい日本の憲法をつくる国民の会」(共同代表:櫻井よしこ、田久保忠衛、三好達)です。

アニメ「女子の集まる 憲法おしゃべりカフェ」(4分45秒)


 
 荻上チキさんという信頼できる方の紹介によれば、予想通り、とんでもない内容の本であるようですが(アニメを見てもだいたい分かります)、それにもかかわらず、堂々と言うか、ぬけぬけとと言うか、これを広めようとしている勢力が現に存在することはクローズアップ現代が伝えるとおりでしょう。
 「憲法おしゃべりカフェ」がどの程度全国で開催されているのか知りませんが、この動きをあなどることはできません
 私たちは私たちで、「あすわか」にだけ憲法カフェをまかしておくのではなく、いたるところで憲法を語る機会を増やしていかねばならず、そのためにも、いかにトンデモ本であろうと、そのトンデモぶりを的確に論破できるだけの準備が必要なのだと思います。

三たび国会を包囲する「女の平和 6.4 国会ヒューマンチェーン」

 今晩(2016年5月12日)配信した「メルマガ金原No.2454」を転載します。

三たび国会を包囲する「女の平和 6.4 国会ヒューマンチェーン」

 「メルマガ毎日配信」&「ブログ毎日更新」が段々怪しくなってきた今日この頃ですが、とにかく続けられるところまでは頑張ろうと思っています。
 ということで、今日も時間不足のため、情報の検索がはなはだ手薄なままで書かざるを得ないのが申し訳ないところですが、
取り上げるのは、再び(いや三度か)赤いアイテムを身につけた女性たちが国会を包囲する「女の平和 6.4 国会ヒューマンチェーン」です(「男性の参加も歓迎」だそうですが)。

 今日(5月12日)、参議院議員会館において記者会見が行われました。公式Facebookの告知によれば、会見参加者は、「湯川れい子、角田由紀子、神田香織、黒澤いつき、雨宮処凜ほか」の皆さんということでしたが、IWJのダイジェスト映像を見ると、昨年1月17日の第1回ヒューマンチェーン呼びかけの中心を担った横湯園子さんや杉浦ひとみ弁護士も出席されていました。



 公式Facebookに掲載された記者会見レポートを引用します。

(引用開始)
本日5月12日記者会見を開きました。
参加者の雨宮処凜さんは
「私たちの洋服を血に染めるのはいや」
との発言をされました。
これも『赤』の衝撃です。
服が血に染まるという痛みを伴ったイメージは、
すごくインパクトがありました。
神田香織さんは
「昨年ノーベル文学賞を受賞したベラルーシの女性作家スベトラーナ・アレクシエービッチさんの作品は原発事故をモチーフにしたもの。この作品にノーベル平和賞が与えられたということは
世界が日本にメッセージを送っているということ。
私たちの背後には世界がある」
と力強いメッセージを伝えました。
今回のヒューマンチェーンは、私たちを装う赤だけでなく
魂の赤、そして、今の危機的状態に私たち一人ひとりが
心にレッドカードを掲げて集う必要があります。
みなさんからも、危機感を伝え、平和に向かってあるかなければという気持ちを後押しするようなメッセージを送ってください。
(引用終わり)

 なお、上記記事に、記者会見に出席した皆さんが並んでフライヤーを手に持って記念撮影に応じている写真が載っており、そのフライヤーのPDF ファイルまたはJPEGファイルはないかと思って探したのですが、残念ながらまだ見つけられていません。
 どうやらこれかな?という画像が公式Facebookにありますが、紙のフライヤーをデジカメで写した写真のようで、小さな文字は非常に判読しにくいです。
 
 とにかく「2016年6月4日(土)13:00~15:00」に、国会をヒューマンチェーンで取り囲むというのですから、参加を志す人は、上記時間帯に何か赤いアイテムを身につけて国会を目指せばいいということだと思います。
 先に書いたとおり、これまで通り「男性の参加も歓迎」だそうです。
 「今の危機的状態に」「心にレッドカードを掲げて」多くの皆さんが集われますように。 
 その日、和歌山でも何か考えられればいいのですが。

(付録)
「女の平和」のテーマ 『弱いものいじめをするな』
作詞・作曲:長尾圭一郎 演奏:大田美和
 

『人生の終(しま)い方』(5/22NHKスペシャル)は良い番組だという予感がする

 今晩(2016年5月11日)配信した「メルマガ金原No.2453」を転載します。

『人生の終(しま)い方』(5/22NHKスペシャル)は良い番組だという予感がする

 今日は、「平成28年度 和歌山弁護士会新役員就任披露の会」(於:アバローム紀の国)に会員として出席したところ、いわゆる余興のために招かれたゲストが、何と「トンカラポンガとポズック楽団」ということで驚きました。おそらく、藤井幹雄会長のセンスだと思いますが、広い会場(2階・鳳凰の間)いっぱいの参加者から盛大な拍手が送られました。
※参考サイト
  ポズック楽団(公式Facebook)
  トンカラポンガ(公式Facebook)

 その就任披露の会を終えて帰宅したものの、今晩のメルマガ(ブログ)に何を書くか全然アイデアはなく、連日の睡眠不足で倒れそうな時はどうするか?
 いささか安直の感は否めませんが、テレビのドキュメンタリー番組の予告ページを調べ、気になる番組、予約録画しようという気になる番組はないか?と探し、適当なものが見つかったら皆さまにもお知らせするのが一番時間がかかりません。
 民放も含め、(幸いにも今はまだ)様々なドキュメンタリー番組枠がありますが、その中でも、最も大きな予算を持っているのではないかと思われるのがNHKスペシャルです。もっとも、本数も多い分、期待したほどでもなかったとがっかりすることもあるのですが、そこは「心眼」を澄まし、長年の経験をフルに動員して良い番組を予想することになります。
 今日閲覧した放送予定の新作は、以下のとおり、全部で12本が予告されていました。
 
揺れ続ける被災地 “連鎖”大地震1か月の記録 (仮)
総合 2016年5月14日(土)午後9時00分~9時49分

天使か悪魔か 羽生善治 人工知能を探る
総合 2016年5月15日(日)午後9時00分~9時49分

人生の終(しま)い方

総合 2016年5月22日(日)午後9時00分~9時49分

シリーズ 廃炉への道2016 (仮)
総合 2016年5月29日(日)午後9時00分~9時49分

調査報告 北朝鮮の真実 ~新資料が語る内幕~ (仮)
総合 2016年6月5日(日)午後9時00分~9時49分

討論 私たちのこれから #不寛容社会!? (仮)
総合 2016年6月11日(土)午後9時00分~9時50分


古代史ミステリー 「御柱」 ~最後の縄文王国~ (仮)
総合 2016年6月26日(日)午後9時00分~9時49分

 あなたなら、どれに一番関心がありますか?
 タイムリーということでいえば「“連鎖”大地震1か月の記録」でしょうし、アスリートにとっては「パタゴニア 超人レース140キロ」を見てみたいかもしれませんね。また、古代史ファンなら「「御柱」~最後の縄文王国~」は見逃せないでしょう。
 私自身はどうかといえば、「そしてテレビは“戦争”を煽(あお)った」、「廃炉への道2016」、「北朝鮮の真実~新資料が語る内幕~」などにも興味を引かれますが、「これ1本!」ということで決め打ちをするとしたら次の番組ですね。

NHK総合テレビ 
初回放送 2016年5月22日(日)午後9時00分~9時49分
NHKスペシャル 「人生の終(しま)い方」

(番組案内から引用開始) 
 人生の最期、あなたなら誰に、何を伝え、残しますか?或いは残さないですか?
 今、自分らしい最期とは何か、かつてないほどに関心が高まっています。人それぞれに「生き方」があるように、それぞれに人生の「終い方」(しまいかた)があります。そこには、その人の生き様が色濃く反映され、残された人たちの生き方にも影響を与えます。
 番組の進行役は、落語家の桂歌丸さん(79歳)。入退院を繰り返し、医師に止められながらも地方公演を続け、「高座の上で死ねれば本望」と言います。それは、ある人に最期に「託された」から・・・。
 番組では、漫画家の水木しげるさんをはじめ、最近亡くなった著名人の知られざる「終い方」にも迫ります。また、「あなたならどう終いたいか?」「心に残る終い方は?」など「ラジオ深夜便」等でお便りを募集、およそ500通が寄せられました。無口な夫が亡くなる直前に初めて妻に語った感謝の言葉。仕事一筋だった夫が最期に漏らした後悔の言葉。母親が病床で家族に綴った最期の言葉、そしてそれを受け止めた家族は・・・。一人一人の「終い方」に密着します。
 ナレーションは、女優の樋口可南子さん。最期の時を、『縁起でもない』とタブー視せずに、家族や大切な人と、あるいは一人で、穏やかに考えてみませんか。
(引用終わり)

 なぜ「人生の終(しま)い方」なのか?
 自分も60代に足を踏み入れてみると、人生の終わり方を意識せざるを得なくなってくるのですよね。この言い方がやや正確性を欠くとすれば、人生の最後に至るまでどう生きるのかを考えざるを得なくなると言い替えてもよいでしょう。
 私がそのような考えを意識するようになったのは、ちょうど私が60歳になった直後に映画『エンディングノート』の上映に関わったことがきっかけだったように思います。
 それに、番組には桂歌丸さんが登場し、樋口可南子さんがナレーションを担当されるのですから、それだけでも視聴する価値はあると推測しているのです。ディレクターのキャスティングのセンスから、番組の出来上がりを想像するというやり方はかなり高い確率で「当たり」ます。
 もっとも、当たるも八卦、当たらぬも八卦ですから、私の予感(予想)が「はずれ」であっても責任のとりようはないので悪しからず。
 

(付録)
『ラブソング・フォー・ユー(LOVESONG FOR YOU)』 
作詞・作曲:ヒポポ大王 演奏:ヒポポフォークゲリラ
 

小林節さんは予定通り5月14日に和歌山市民会館で講演されます~「国民 怒りの声」設立宣言のご紹介

 今晩(2016年5月10日)配信した「メルマガ金原No.2452」を転載します。

小林節さんは予定通り5月14日に和歌山市民会館で講演されます~「国民 怒りの声」設立宣言のご紹介

 昨日(5月9日)の小林節さんによる「国民 怒りの声」設立宣言と参院選比例区への立候補表明に驚かれた方も多いことと思います。
 今から振り返れば、IWJが以下のような【スクープ速報】を報じたのが4月11日のことだったのですから、構想はかなり早い段階から具体化していたのでしょうね。
 

 実際、これから夏にかけて小林さんの講演会を予定していた主催者も多いことと思いますが、今頃さぞてんやわんやになっているでしょう、などと他人事のようなことは言っていられないというのは、今週末の5月14日(土)午後1時30分から、和歌山市民会館大ホール(キャパ1,406席)に小林さんを招き、「小林 節、アベを叱る。【演題】野党統一 独裁政治の終焉を!」というイベントを開くことになっており、私もプレスリリースを書いたりして広報を手伝ったりしているからです。
 気になった私は、今朝、主催者である「小林節さんの講演会を成功させる和歌山の会」事務局に電話したところ、結論として「予定通り開催します」ということでした。このタイミングで今さら中止はできないですよね。当日の進行(案)で、政党関係者に登壇してもらうことは予定していなかった(のはずです)のも結果として幸いしました。
 結局、演題の「野党統一 独裁政治の終焉を!」の後半は良いとして、前半(野党統一)との整合性はどうなるんだ?という疑問を抱えたまま、当日になだれ込むことになるのでしょうね。
 念のため、5月14日の講演会の概要を再掲しておきます。
 
小林 節、アベを叱る。
【演題】野党統一 独裁政治の終焉を!
日時 2016年5月14日(土)13:30~16:00(予定) ※開場13:00
場所 和歌山市民会館 大ホール
    和歌山市伝法橋南ノ丁7(南海和歌山市駅より徒歩5分) ☎073-432-1212
参加無料
主催・問い合わせ 小林節さんの講演会を成功させる和歌山の会
 和歌山市湊通丁南1丁目1-3 名城ビル2階 
 TEL:073-436-3520 FAX:073-436-3554 e-mail:
w-9jokenm@naxnet.or.jp

 今日は、過去メルマガ(ブログ)で何度もこの講演会を告知し、参加を呼びかけてきた責任上、5月14日に予定通り講演会が開催されるということをお知らせしなければと考えた次第です。なお、この結論は、主催者(事務局)と小林節さんが直接協議して決めたことだと聞いていますので、参加予定の方は安心して(?)会場にお越しください。

 「国民 怒りの声」に対する反響はしばらく様子を見てみないと何とも言えませんが、主催者の心配をよそに、かえって一般の関心は高まるかもしれません・・・というか、メディアの取材意欲が大いに高まることは間違いないでしょう。
 どんな講演会になることやら。私自身、何だか「怖いもの見たさ」で出かけることになりそうです。
 
 野党に投票しようと考えていた層のうちの一定数が「国民 怒りの声」に流れるものの、小林さんが期待するような「棄権しようと考えていた層」の多くを投票所に向かわせることは難しく、結果として自民・公明を利することになるのではないか、ということは、誰でも思いつく疑問点ですが、ここで私の評価を述べることは控えたいと思います。
 14日の講演会の前であるということもありますが、現時点で評価をくだすのは時期尚早でしょうから。

 ところで、宮武嶺氏の「Everyone says I love you !」に、早速「頑張ろう!小林節先生!新政治団体「国民怒りの声」結成!「自公お維勢力に3分の2の議席を取らせない」」という応援記事が載っていました。この「予想」通りにいけばいいのですけどね。

 以下では、昨日の小林節さんによる記者会見の動画と同日発表された「国民 怒りの声」設立宣言をご紹介します。
 設立宣言については、IWJに小林先生自筆ではないかと思われる宣言の写真が掲載されていましたので、出来るだけそれを忠実に再現しました。
 批判するにせよ、支持するにせよ、はたまた静観するにせよ、まずはこの設立宣言を読むのが礼儀というものでしょう。
 
【安倍戦争法を許さない】小林 節、新政治団体『国民 怒りの声』設立記者会見[2016.05.09](1時間10分)

                国民 怒りの声  設立宣言
                                  2016年5月9日 
                                         小林 節
 政治の使命は、国家権力を用いて主権者国民の幸福を増進することに尽きる。
 国民にとって、幸福の条件は、自由と豊かさと平和である。
 しかるに安倍政権は、まず、世界のどこででも戦争のできる法律を成立させてしまった。その理由として、中国と北朝鮮の脅威からわが国を守るためと主張している。しかし、両国の脅威がわが国の専守防衛を実際に超え得るかは疑わしい。そして何よりも、憲法9条が軍隊の保持と交戦権の行使を禁じているために海外派兵はできないとしてきた政府自らの解釈との矛盾を説明できていない。それは、政府自身が公然と憲法を破ったことになる。
 これが立憲主義の危機である。つまり、権力を一時的に託されただけの立場にある政治家が、主権者国民の最高意思である憲法を無視して、勝手に行動を始めたことを意味する。これは、国民主権国家における主客転倒であり、許されることではない。
 次に、安倍政権は、政府が秘密に指定した情報を永久に秘匿できる特定秘密保護法を制定してしまった。これは自由主義社会に例のないもので、主権者国民の知る権利を封殺し、ジャーナリストの報道の自由を奪うものである。加えて、放送法を悪用して、政府にとって耳の痛い言論人に「不公平」のレッテルを貼り、順次、論壇から追放している。これは、民主主義の前提である言論の多様性が保障された社会の圧殺である。
 また、今回の、消費税最増税「中止」の雲行きを見ても明らかなように、いわゆるアベノミクスは失敗している。年金基金の投機的運用による損失も深刻である。加えて、戦争法の制定に伴う防衛予算の突出は、着実にわが国の富を減殺して行く。米国の経験を見るまでもなく、戦争は確実に国家財政を破綻に導くものである。
 さらに、海外派兵を可能にした戦争法がこれまで70年にわたり平和でいられたわが国に、戦争の危険を現実のものにしてしまった。これはまた、国際社会における「平和国家」としてのブランドの放棄でもある。
 このように、政治の使命(つまり、主権者国民の自由と豊かさと平和の推進)に逆行する政策を確信を持って推進している安倍内閣には一日も早く退場してもらわなければならない。
 そのために、現行選挙制度の下では、自公に学んで、野党は誠実に選挙協力をしなければならないと、私たちは熱心に主張し続けてきた。
 その結果、参議院1人区での野党統一候補の擁立は着実に前進している。
 他方、比例区に野党は統一名簿で参加せよという私たちの主張は理解が得られていない。統一名簿方式のメリットは二つある。第一は、これまでバラバラに戦って野党各党が無駄にしてきた莫大な死に票も、統一名簿であれば合算されて確実に議席を生むという事実である。第二が、野党共闘の「本気」度を示すことにより、これまでは「どうせ政治は変わらない」と諦めて棄権してきた3割以上もの無党派層に「今度こそ政治が変わるかもしれない」という期待感を抱かせ、投票所に向かわせる効果がある。経験上、その多くは野党に投じられ、相対的に与党の組織票の効果を下げることができる。
 しかし、現実には、この野党統一名簿構想は頓挫してしまった。このままでは与党の勝利は目に見えている。
 そこで、私たちは、安倍政権の暴走は止めたいのだが、かといっていまだに民主党政権の失政を赦すことができず、また、共産党に投票する気にもなれない多数の有権者の代弁者たらんとして、ここに第三の旗を立てることにした。
 基本政策は次の通りである。
1.言論の自由の回復(メディアへの不介入)
2.消費税再増税の延期と行財政改革
3.辺野古新基地建設の中止と対米再交渉
4.TPP不承認と再交渉
5.原発の廃止と新エネルギーへの転換
6.戦争法の廃止と関連予算の福祉・教育への転換、改悪労働法制の改正等により、共生社会の実現
7.憲法改悪の阻止
                                            以上
 

(付録)
『君こそは友』 作詞・作曲:藤村直樹 演奏:長野たかし&森川あやこ
 

小林節チラシ(和歌山市民会館大ホール) 

被災者のための制度紹介「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」について

 今晩(2016年5月9日)配信した「メルマガ金原No.2451」を転載しました。

被災者のための制度紹介「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」について

 4月14日以降、熊本県を中心に発生した大規模地震による被害については、熊本県だけを見ても、昨日
(5月8日)現在、
  死者 67人(震災関連死を含む)
  行方不明 1人
  重軽傷者 1,648人
  住家被害(全壊、半壊、一部破損) 67,638棟
にのぼっています(熊本県「熊本地震に係る被害状況等について(第49報)」)。
 被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げるとともに、南海トラフ地震も近いといわれる和歌山に
住む者として、自らが震災に備える意識をより一層高めねばと思います。 

 この事態をうけ、地元の熊本県弁護士会では、被災者に対する法的支援の一環として、ただちに「熊本県弁護士会ニュース<災害Q&A>」を発行するとともに、ホームページで公開しました(※PDF)。
 このことを伝えた弁護士ドットコムニュースを引用します。
 
弁護士ドットコムニュース 2016年04月22日 15時38分
熊本県弁護士会、被災の法律問題まとめた「Q&A」公表 「社会インフラの役割果たす」

(引用開始)
 熊本県弁護士会は4月22日、熊本地震で被災した人々に向けて、被災によって生じる法律問題に関するQ&Aをネット上で公表した。被災した人にはどのような支援制度が用意されているのか、ローンの支払う余裕がない場合はどうすればいいのか、保険・共済はどうなるのかといった問題について、Q&A形式にまと
めている。
 このQ&Aは、新潟県中越地震や東日本大震災など、過去の災害時にも活用されたもので、その都度、全国の弁護士によって内容がアップデートされてきた。今回は、熊本地震の被害に向けて、熊本県弁護士会
が再構成した。
 Q&Aは、(1)支援制度関係、(2)支払関係、(3)保険・共済の問題、(4)紛失物関係、(5)収入の関係、(6)その他の6つの項目に分かれている。「り災証明書とは何か。これがあるとどうなるのか」、「当面の生活費をどうにかしたい」、「住宅ローン、事業性ローン等を支払う余裕がない」などの問題に
答えている。
 熊本県弁護士会によると、弁護士会には、1日に数十件、被災に関連した法律相談の問い合わせがきているという。4月25日からは、弁護士が対応する無料の電話法律相談も開始する予定。熊本県弁護士会の板井俊介弁護士は弁護士ドットコムニュースの取材に対し、「弁護士には社会のインフラとしての役割がある
。こうした時だからこそ、弁護士を活用してほしい」と話していた。
(引用終わり)

 上記ニュースにもあるとおり、こ
の「ニュース<災害Q&A>」は、実際に大規模災害に見舞われた地域の弁護士会が作成して住民に配布し、その有用性が実証されたとして、各地の弁護士会が先行した地域の「ニュース」を参考に既に作成している、あるいは作成しようとしているものです。
 実際、私が所属する和歌山弁護士会災害対策委員会でも、他会の「ニュース」などを参考にしながら、委員会での素案を作成したという段階で熊本地震の報に接し、早急に和歌山版を完成させなければと考えているところです(和歌山弁護士会では、平成27年度にようやく災害対策委員会が設置され、私も委員となっています)。
 
 また、被災者に対する法的支援の中で、いずれ大きなウエイトを占めることになると思われるのが、いわゆる「二重ローン問題」への対応でしょう。
 東日本大震災で大量に発生した「二重ローン問題」に対処するための
「個人債務者の私的整理に関するガイドライン」を基に、恒久的な「二重ローン問題」への対応策として新たに策定された「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」が施行されたのが今年の4月1日のことであり、そのわずか2週間後に熊本地震が発生しました。
 この新ガイドラインについては、上掲「熊本県弁護士会ニュース<災害Q&A>」にも説明がありますので、その部分を引用します。

(引用開始)
○住宅ローン、事業性ローン等を支払う余裕がない。
→「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」により、住宅ローン等の免除・減額を受け
られることがあります。
 同制度には、利用できた場合、
・弁護士(登録支援専門家)による手続支援を無料で受けられる
・財産(後記支援金等を含む)の一部を手元に残してローンの支払免除・減額等を受けることができる
・破産等の手続と異なり、債務整理をしたことは個人信用情報として登録されないため、新たにローンを
組むときに不利益なし
・原則、連帯保証人も支払いをしなくてよくなる
等のメリットがあります。
 そのため、安易に地震保険金等でローンの一括、繰上返済などをしないよう注意が必要です。繰り返しになりますが、支援金・弔慰金等を手元に残してローンの免除・減額を受けられる場合もあるので、これらをローンの返済にあてる前に、弁護士又は金融機関にご相談ください(金融機関に相談する前に弁護士
に相談することをお勧めします。)。
→その他、住宅金融支援機構及び旧公庫を債権者とする被災者の方の住宅ローンについては,被災の状況等によって,1年~3年の払込みの据置き、金利引下げ等が受けられる可能性があります。代理をしてい
る各金融機関窓口までお問合せ下さい。
(引用終わり)

 震災によって住宅が損壊して住めなくなったにもかかわらず、多額のローンが残ったような場合、債務
の支払いを免れるために破産手続開始を申し立てるという究極の手段はあるものの、そのことにともなう法的不利益も大きく、何とかそれを回避し、被災者の経済的再建を支援しようとして策定されたガイドラインですので、我々弁護士も被災者に適切な助言をするためには、まずその内容について十分な知識を持つことが必要です。
 ということで、連休の谷間の5月2日(月)午後6時から、全国の弁護士会をテレビ会議システムで結んだ(希望する弁護士会だけが接続するのですが)「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」学習会の中継があり(日弁連の災害復興支援委員会主催によるものだと思います)、和歌山弁護士会で
も中継することになったと聞き、参加しました。
 講師は大阪弁護士会の亀山元(はじめ)弁護士でしたが、同弁護士は、東日本大震災発生当時は日弁連が設立した「遠野ひまわり基金法律事務所」所長として岩手県遠野市で弁護士業務を行っており、2013年12月に離任するまで、被災者に対する法的支援に尽力した方であり、講師としてまことに適任であ
ったと思います。
 亀山弁護士の離任時に地元紙「岩手日報」が掲載した記事がネットで読めます。

岩手日報 2013年12月16日
災害弔慰金の法改正に尽力 遠野の亀山弁護士離任へ

(引用開始)
 ひまわり基金法律事務所の弁護士として、県内最長の5年間にわたって法律問題解決に取り組み、震災後は法律面で被災者を支えた遠野ひまわり基金法律事務所長の亀山元(はじめ)弁護士(35)が任期満了で今月末に退任する。それに先立ち、所長引き継ぎ式が15日、遠野市内の催事場で行われた。亀山弁
護士は災害弔慰金の法律改正など岩手のために奔走した日々を振り返り、被災地支援を仲間に託した。
 名古屋市出身で、大阪弁護士会に所属していた亀山弁護士は2009年1月、遠野事務所に着任。震災後は被災地で精力的に無料法律相談を展開した。被災者の声に耳を傾ける中で、災害弔慰金が同居していた兄弟姉妹に支給されないことを聞き、全国の弁護士に問題提起。416人の賛同を得て要請書を提出し
、法律改正を実現した。
 引き継ぎ式では市民らが亀山弁護士や新所長の大沼宗範弁護士(30)、来年1月に着任する上山直也弁護士(26)の門出を祝福した。亀山弁護士は「住宅の二重ローン減免を手伝った男性から『これで復
興できる』と言われた喜びを今も覚えている。被災地にはまだ弁護士の力が必要だ」と強調した。
(引用終わり)

 さて、「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」を利用した債務整理の手続につき、4月25日から、熊本県弁護士会において、同ガイドラインに基づく登録支援専門家の委嘱依頼の受付を始め
ています。
 熊本県弁護士会による「ガイドラインの利用を考えられている皆様へ」の一部を引用してご紹介します。

(引用開始)
 平成28年熊本地震には災害救助法の適用がなされており、地震の影響を受けたことによって、住宅ローン、住宅のリフォームローンや事業性ローン等の既往債務を弁済できなくなった個人の被災者の方は、破産手続等の法的倒産手続によらずに、債権者(主として金融債務に係る債権者)と債務者の合意に基づき債務の全部又は一部を減免すること等を内容とする債務整理を公正かつ迅速に行うための準則(「自然
災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」)の適用がなされます。
 一定の要件のもと、このガイドラインによる債務整理が行われることにより、破産手続等を行わず、ま
た信用情報に登録されずに、債務者の生活や事業の再建が可能となります。
 熊本県弁護士会では「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」に基づく登録支援専門
家の委嘱依頼を平成28年4月25日から受け付けています。
 当会への委嘱依頼までの手続は別紙「委嘱依頼までの手続の流れ」をご参照ください(委嘱依頼後の手続については、選任された登録支援専門家である弁護士にお尋ねください)。なお登録支援専門家である弁護士は中立・公正な立場で被災者の支援を行います。また登録支援専門家である弁護士の費用は無料で
す。
(引用終わり)

 「登録支援専門家である弁護士」ってどんなことをするのか?「中立・公正な立場」ということは、被
災者の代理人ではないということか?などなど、利用される被災者だけではなく、一般の弁護士にとっても、勉強しなければ分からないことだらけですよね。
 私は、5月2日の学習会を視聴したので、おぼろげながらのイメージは持てましたが、それでも細かな
ことは基礎資料に基づいてしっかり勉強した後でなければ、うかつなことは言えません。
 ということで、以下には、これから被災者からの法律相談に応じる立場の弁護士にとっては必須の知識となる「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」本体とその「Q&A」をご紹介しておきます。
 もちろん、被災者ご自身やその関係者の方が読んでも、大いに参考となるはずですが、やはりある程度の法的素養がないと十全には理解するのが難しいと思いますので、具体的な手続を考えておられる方には、
弁護士による法律相談を受けられることをお勧めします。
 一般社団法人全国銀行協会ホームページで資料が公開されています。

(抜粋引用開始)
はじめに
 我が国に未曾有の被害をもたらした東日本大震災以降も、地震や暴風、豪雨等による様々な自然災害が発生している。将来的にも、このような自然災害の影響によって、住宅ローン等を借りている個人や事業性ローン等を借りている個人事業主が、これらの既往債務の負担を抱えたままでは、再スタートに向けて困難に直面する等の問題が起きることが考えられる。
 かかる債務者への適切な対応は、自然災害からの着実な復興のために極めて重要な課題であり、東日本大震災に関して策定された「個人債務者の私的整理に関するガイドライン」に係る対応を通じて得られた経験等も踏まえ、新たな債務整理の枠組みが望まれている。
 このような状況の中、金融機関等が、個人である債務者に対して、破産手続等の法的倒産手続によらず、特定調停手続を活用した債務整理により債務免除を行うことによって、債務者の自助努力による生活や事業の再建を支援するため、債務整理を行う場合の指針となるガイドラインを取りまとめることを目標として、本年(注:2015年)9月「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン研究会」が発足した。
 この「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」は、本研究会における金融機関等団体の関係者等や、学識経験者らの議論を踏まえ、自然災害により被災した個人債務者の債務整理に関する金融機関等関係団体の自主的自律的な準則として、策定・公表するものである。
1.目的
 本ガイドラインは、本研究会の設置(本年9月2日)後に災害救助法(昭和22年法律第118号)の適用を受けた自然災害(以下、特段の断りがない限り、「災害」という。)の影響を受けたことによって、住宅ローン、住宅のリフォームローンや事業性ローン等の既往債務を弁済できなくなった個人の債務者であって、破産手続等の法的倒産手続の要件に該当することになった債務者について、このような法的倒産手続によらずに、債権者(主として金融債務に係る債権者)と債務者の合意に基づき、債務の全部又は一部を減免すること等を内容とする債務整理を公正かつ迅速に行うための準則を定めることにより、債務者の債務整理を円滑に進め、もって、債務者の自助努力による生活や事業の再建を支援し、ひいては被災地の復興・再活性化に資することを目的とする。
2.債務整理の準則
(1) 本ガイドラインは、前項の債務整理を公正かつ迅速に行うための準則であり、金融機関等団体、日本弁護士連合会、商工団体等の関係者等が中立公平な学識経験者などとともに協議を重ねて策定したものであって、法的拘束力はないものの、金融機関等である対象債権者、債務者並びにその他の利害関係人によって、自発的に尊重され遵守されることが期待されている。
(2) 「対象債権者」(特定調停手続により本ガイドラインに基づく債務整理が成立したとすれば、それにより権利を変更されることが予定されている債権者として第3項(2)に定める者をいう。以下同じ。)は、この準則による債務整理に誠実に協力する。
(3) 対象債権者と債務者は、債務整理の過程において、共有した情報について相互に守秘義務を負う。
(4) 本ガイドラインに基づく債務整理は、公正衡平を旨とし、透明性を尊重する。
3.対象となり得る債務者及び債権者
(1) 次のすべての要件を備える個人である債務者は、本ガイドラインに基づく債務整理を申し出ることができる。
① 住居、勤務先等の生活基盤や事業所、事業設備、取引先等の事業基盤などが災害の影響を受けたことによって、住宅ローン、住宅のリフォームローンや事業性ローンその他の既往債務を弁済することができないこと又は近い将来において既往債務を弁済することができないことが確実と見込まれること。
② 弁済について誠実であり、その財産状況(負債の状況を含む。)を対象債権者に対して適正に開示していること。
③ 災害が発生する以前に、対象債権者に対して負っている債務について、期限の利益喪失事由に該当する行為がなかったこと。ただし、当該対象債権者の同意がある場合はこの限りでない。
④ 本ガイドラインに基づく債務整理を行った場合に、破産手続や民事再生手続と同等額以上の回収を得られる見込みがあるなど、対象債権者にとっても経済的な合理性が期待できること。
⑤ 債務者が事業の再建・継続を図ろうとする事業者の場合は、その事業に事業価値があり、対象債権者の支援により再建の可能性があること。
⑥ 反社会的勢力ではなく、そのおそれもないこと。
⑦ 破産法(平成16年法律第75号)第252条第1項(第10号を除く。)に規定する免責不許可事由がないこと。
(2) 対象債権者の範囲は、金融機関等(銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫、農業協同組合、漁業協同組合、政府系金融機関、貸金業者、リース会社、クレジット会社及び債権回収会社並びに信用保証協会、農業信用基金協会等及びその他の保証会社(以下「保証会社等」という。))とする。ただし、本ガイドラインに基づく債務整理を行う上で必要なときは、その他の債権者を含むこととする。
(3) 対象債権者は、対象債務者に対して保証付き貸付を行っている場合、代位弁済受領前においては、保証会社等に対する適宜の情報提供その他本ガイドラインに基づく債務整理の円滑な実施のために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
~以下略
(引用終わり)
 
自然災害による被災者の債務整理に関するガイドラインQ&A[451KB/37ページ]
 

(付録)
“Hard Times Come Again No More” 作詞・作曲:Stephen Foster.
日本語詞:長野たかし 演奏:森川あやこ&長野たかし
 

中川五郎さんの新曲“Sports for tomorrow”をじっくりと聴く

 今晩(2016年5月8日)配信した「メルマガ金原No.2450」を転載します。

中川五郎さんの新曲“Sports for tomorrow”をじっくりと聴く

 今日(5月8日)、放送大学和歌山学習センターでの面接授業「江戸期、城下町世界の社会史」(藤本清二郎和歌山大学名誉教授)の2日目を終え、その充実した内容に感銘を受け、日程が合えば是非第2学期も藤本先生の面接授業を受講したいものだと思いながら事務所に立ち寄り、今晩のブログの下書きを書き終えてメールで自宅に送信した・・・つもりで帰宅したのですが、何と届いていない!
 帰りを急いでいたので「送信したつもり」になっていたようです。
 さてどうしよう?と考えた結果、昨日書いたメルマガ(ブログ)「小林節さんGWも駆け回る~5/14は和歌山市民会館大ホール(付・5/7岡山弁護士会のイベントは凄かった~中川五郎さんの“新曲”にも注目!)」から、「中川五郎さんの“新曲”」をスピンオフさせることにしました。

 昨日(5月7日)、岡山シンフォニーホール大ホール(キャパ2,001席)に、満員に近い参加者が集まって大成功した岡山弁護士会主催による憲法記念県民集会「危機に立つ立憲主義―安保法廃止を目指して―」において、第1部、小林節さん(慶應義塾大学名誉教授)の講演に引き続いて行われた制服向上委員会と中川五郎さんのライブ(PANTAさんや橋本美香さんも登場)で披露された中川さんの新曲が“Sports for tomorrow”という曲でした。
 私がこの曲の存在を知ったのは、5月1日付の中川五郎さんのFacebookへの投稿によってでした。

(引用開始)
大嘘つきの安倍首相の言葉に曲をつけました。作詞安倍晋三、作曲中川五郎です。題して『Sports for tomorrow』。今日のライブで歌います。首相官邸のページの言葉に曲をつけるなんて思ってもみなかった。
(引用終わり)

 その「首相官邸の言葉」というのは以下のようなものでした。読み返すのもばかばかしいスピーチですが、そのばかばかしさを忘れぬために、日本国民は何度でも読み返すべきでしょう。・・・という風に中川五郎さんも思ったのだと推測します。
 以下に日本語訳の全文を引用します。
 それにしてもひどい。史上最低のスピーチライターの業績として後世に残ることは間違いありません。
 
(日本語訳)
 委員長、ならびにIOC委員の皆様、東京で、この今も、そして2020年を迎えても世界有数の安全な都市、東京で大会を開けますならば、それは私どもにとってこのうえない名誉となるでありましょう。
 フクシマについて、お案じの向きには、私から保証をいたします。状況は、統御されています。東京には、いかなる悪影響にしろ、これまで及ぼしたことはなく、今後とも、及ぼすことはありません。
 さらに申し上げます。ほかの、どんな競技場とも似ていない真新しいスタジアムから、確かな財政措置に至るまで、2020年東京大会は、その確実な実行が、確証されたものとなります。

 けれども私は本日、もっとはるかに重要な、あるメッセージを携えてまいりました。
 それは、私ども日本人こそは、オリンピック運動を、真に信奉する者たちだということであります。
 この私にしてからが、ひとつの好例です。
 私が大学に入ったのは、1973年、そして始めたのが、アーチェリーでした。一体どうしてだったか、おわかりでしょうか。
 その前の年、ミュンヘンで、オリンピックの歴史では久方ぶりに、アーチェリーが、オリンピック競技として復活したということがあったのです。
 つまり私のオリンピックへの愛たるや、そのとき、すでに確固たるものだった。それが、窺えるわけであります。
 いまも、こうして目を瞑りますと、1964年東京大会開会式の情景が、まざまざと蘇ります。
 いっせいに放たれた、何千という鳩。紺碧の空高く、5つのジェット機が描いた五輪の輪。何もかも、わずか10歳だった私の、目を見張らせるものでした。
 スポーツこそは、世界をつなぐ。そして万人に、等しい機会を与えるものがスポーツであると、私たちは学びました。
 オリンピックの遺産とは、建築物ばかりをいうのではない。国家を挙げて推進した、あれこれのプロジェクトのことだけいうのでもなくて、それは、グローバルなビジョンをもつことだ、そして、人間への投資をすることだと、オリンピックの精神は私たちに教えました。
 だからこそ、その翌年です。日本は、ボランティアの組織を拵えました。広く、遠くへと、スポーツのメッセージを送り届ける仕事に乗り出したのです。
 以来、3000人にも及ぶ日本の若者が、スポーツのインストラクターとして働きます。赴任した先の国は、80を超える数に上ります。
 働きを通じ、100万を超す人々の、心の琴線に触れたのです。
 敬愛するIOC委員の皆様に申し上げます。
 2020年に東京を選ぶとは、オリンピック運動の、ひとつの新しい、力強い推進力を選ぶことを意味します。
 なぜならば、我々が実施しようとしている「スポーツ・フォー・トゥモロー」という新しいプランのもと、日本の若者は、もっとたくさん、世界へ出て行くからです。
 学校をつくる手助けをするでしょう。スポーツの道具を、提供するでしょう。
体育のカリキュラムを、生み出すお手伝いをすることでしょう。
 やがて、オリンピックの聖火が2020年に東京へやってくるころまでには、彼らはスポーツの悦びを、100を超す国々で、1000万になんなんとする人々へ、直接届けているはずなのです。
 きょう、東京を選ぶということ。それはオリンピック運動の信奉者を、情熱と、誇りに満ち、強固な信奉者を、選ぶことにほかなりません。スポーツの力によって、世界をより良い場所にせんとするためIOCとともに働くことを、強くこいねがう、そういう国を選ぶことを意味するのです。
 みなさんと働く準備が、私たちにはできています。
 有難うございました。
(引用終わり)

 さて、IWJ岡山チャンネル1によって中継されたライブのアーカイブ映像の47分~で“Sports for tomorrow”を視聴することができます。歌詞を書き出しても、中川五郎さんから文句は出ないでしょう(首相官邸は分かりませんが)。
 もっとも、この曲の作詞者って誰だろう?中川さんの言にもかかわらず、一応「作詞・作曲:中川五郎」としておきます。
 なお、歌詞書き出しの文字使いは当然私(金原)の判断によるものであり、聞き間違いという可能性もあることをお断りします。

♪(歌詞書き出し)
“Sports for tomorrow” 作詞・作曲:中川五郎
 
ウエルカム・トゥ・東京  ウエルカム・トゥ・東京
ドント・ウォリー・アバウト福島 ドント・ウォリー・アバウト福島
私が保証いたします
状況はアンダー・コントロール
 
ウエルカム・トゥ・東京  ウエルカム・トゥ・東京
ドント・ウォリー・アバウト福島 ドント・ウォリー・アバウト福島
私が保証します
状況はアンダー・コントロール

これまでも 今後も
東京には いかなる悪影響もなし

ウエルカム・トゥ・東京  ウエルカム・トゥ・東京
ドント・ウォリー・アバウト福島 ドント・ウォリー・アバウト福島
世界有数 安全な都市 東京
真新しいスタジアム 確かな財政措置

スポーツ・フォー・トゥモロー スポーツ・フォー・トゥモロー
スポーツ・フォー・トゥモロー スポーツ・フォー・トゥモロー
スポーツは万人に 等しい機会を与え
スポーツこそは 世界を繋げる

1964(いちきゅうろくよん) 東京オリンピック
国家的な推進 立派な建物も残った
でもそれだけじゃない オリンピック精神が教えてくれたもの
グローバルなビジョンを持つことに 人間に投資すること

2020年まで 100を超える国
1000万人にお届けしましょう スポーツの道具
学校も作りましょう
スポーツで世界は よりよい場所に

ウエルカム・トゥ・東京  ウエルカム・トゥ・東京
ドント・ウォリー・アバウト福島 ドント・ウォリー・アバウト福島
情熱と誇りに満ちた オリンピックの信奉者 東京
福島のことは ひとまず忘れましょう

ウエルカム・トゥ・東京  ウエルカム・トゥ・東京
ドント・ウォリー・アバウト福島 ドント・ウォリー・アバウト福島
情熱と誇りに満ちた オリンピックの信奉者 東京
福島のことは このまま忘れましょう

ウエルカム・トゥ・東京  ウエルカム・トゥ・東京
ドント・ウォリー・アバウト福島 ドント・ウォリー・アバウト福島
情熱と誇りに満ちた オリンピックの信奉者 東京
福島のことは 今はもうあってない
福島のことは 今はもうあってねえ
福島のことは 今はもうあってね
福島のことより 今はもうアテネ

※当初の書き出しに一部誤りがあることを中川五郎さんご本人から(Facebookを通じて)ご指摘いただきましたので、訂正しました。

(参考動画)
 昨日の岡山弁護士会のイベント全体(小林節さんの講演や閉会後の安保法廃止を求めるパレードを含む)の動画こちらから。
(弁護士・金原徹雄のブログから)
2012年8月22日(2013年2月11日に再配信)
中川五郎さんの新しい“We Sall Oercome”=『大きな壁が崩れる』
2012年9月25日(2013年2月3日に再配信)
『一台のリヤカーが立ち向かう』~彼は3.11前から3.11後を歌っていた~
2015年1月2日
中川五郎さんは問いかける~“ああ どうすれば男の耳を傾けさせられるのか”


(付録)
『腰まで泥まみれ』 作詞・作曲:ピート・シーガー 日本語詞・演奏:中川五郎
 

小林節さんGWも駆け回る~5/14は和歌山市民会館大ホール(付・5/7岡山弁護士会のイベントは凄かった~中川五郎さんの“新曲”にも注目!)

 今晩(2016年5月7日)配信した「メルマガ金原No.2449」を転載します。

小林節さんGWも駆け回る~5/14は和歌山市民会館大ホール(付・5/7岡山弁護士会のイベントは凄かった~中川五郎さんの“新曲”にも注目!)

 人によっては5月5日でゴールデンウィークが終わっているかもしれず、またある人は明日(5月8日
)が長い休暇の最終日かもしれません。
 私はどうかといえば、終わったのか終わっていないのかさえ判然としないまま、明後日からは日常進行
に戻るのですが、その前の今日・明日の2日間は、放送大学和歌山学習センターでの面接授業「江戸期、城下町世界の社会史」(藤本清二郎和歌山大学名誉教授)を受講しています。
 今日(1日目)第4限までが終わったところですが、紀州藩の牢番頭家(ろうばんがしらけ)に伝わっ
た御用記録を豊富に引用しながら、近世城下町和歌山の実相を2日間で描き出そうという非常に興味深く、意欲的な面接授業であり、この分野の第一人者である藤本先生の名声を慕い、他府県からも多くの学生が受講しているようでした。
 今日は、藤本先生による面接授業の紹介が目的ではありませんが、ここまで書いたのだから、全8時限
で講じられる項目だけご紹介しておきます。
 (1日目/5月7日)
  第1回 近世都市城下町 附・和歌山
  第2回 都市の徘徊者
  第3回 都市の異端-逸脱と立ち帰り-
  第4回 飢饉と弱人(よわにん)・非人、行き倒れ
 (2日目/5月8日)
  第5回 乞食村(非人村)の形成と御救い小屋
  第6回 城下町・村方の警察体制
  第7回 城下の慎みと施行
  第8回 19世紀の城下町世界と物貰い
 参考書籍としては、藤本先生が和歌山大学を定年退官される直前に刊行された
『城下町世界の生活史-没落と再生の視点から-』(清文堂出版/2014年3月)があります。

 ただし、12,000円(+税)という高価な本なので、関心のある方は図書館で借り出しできるかど
うか調べてみてください。
 藤本先生は、10月から始まる第2学期にも、和歌山学習センターで面接授業を担当される予定とか。放送大学の学生でなければ受講申し込みできませんが、(まだどんなテーマで講義されるのか伺っていないものの)絶対お奨めだと思います。

 さて、今日のテーマは、和歌山市民会館(大ホール/キャパ1,406席)での小林節さん(慶應義塾大学名誉教授、弁護士)講演会「小林 節、アベを叱る。野党統一 独裁政治の終焉を!」まであと1週間、連休中も全国を講演で飛び回っておられる小林節さんの活躍を動画サイトで確認しつつ、最後の一声を周りの人にかけましょうという(主に和歌山の人たちへの)呼びかけです。
 これまで、私のメルマガ(ブログ)で2回にわたって紹介してきた5月14日の小林節さん講演会の概要をあらためてご紹介します(※チラシ)。
 
講演 小林 節、アベを叱る。
【演題】野党統一 独裁政治の終焉を!
戦争法廃止の戦いは 私たちの、主権者としての 心の独立運動です
2016年5月14日(土)13:30~16:00(予定) ※開場13:00
和歌山市民会館 大ホール
 和歌山市伝法橋南ノ丁7(南海和歌山市駅より徒歩5分) ?073-432-1212
参加無料
※保育希望の方は、お名前・お子様の年齢と性別をご連絡ください。
【主催・問い合わせ】小林節さんの講演会を成功させる和歌山の会
和歌山市湊通丁南1丁目1-3 名城ビル2階 
TEL:073-436-3520 FAX:073-436-3554 e-mail:
w-9jokenm@naxnet.or.jp

 講演会の開催趣旨からいって、昨日(5月6日)、「市民連合わかやま」と政策協定を結び、正式に7月の参院選和歌山県選挙区への立候補を表明した弁護士のゆら登信(たかのぶ)さんも、何らかの形で登
場してもらえるのではないかと期待しています。
 和歌山において、市民が主体となって野党共闘の機運を一層盛り上げるためにも、5月14日は万難を排して
和歌山市民会館大ホールに結集して欲しいと心から願っています。
 
 以下では、景気づけのために(?)と言っては失礼かもしれませんが、「小林節さんて誰?憲法学者の講演なんて難しくて分からない」という人を何とか誘おうと考えている人のために、「小林さんの話って、こんなに面白いんだよ。一度YouTubeを見てごらん。爆笑の連続だよ。面白くてためになる、こんな講演会なんてめったにないよ。見逃したらもったいないよ。入場無料だし」と勧めていただくためのツールを
提供しようというものです。
 ただし、「爆笑の連続」となるのは、5月4日のように、福島みずほ参議院議員のような(三輪祐児さ
んがいみじくも「夫婦漫才」と評したような)素晴らしい「相方」に恵まれるという条件が必要ですが。

 ところで、小林節さんの講演動画については、「撮影:清瀬航輝/制作:合同スターズライフ」という
ところが、ほぼ追っかけ状態で撮影しており、録画がいっぱいアップされています。ご参考までに。
 とにかく小林節さんの講演動画はあり過ぎて選ぶのが難かしいので、ここ10日間ほどの動画に絞ってご紹介します。どれでも興味がわいたものを視聴し、宣伝に活用してください。
 とにかく説明抜きで面白いのが、5月4日の福島みずほさんとの掛け合いであることは間違いありませ
ん。

 それから、事前に私のブログでエールを送った岡山弁護士会の憲法記念県民集会が今日、岡山シンフォニーホールの大ホール(キャパ2,001席)に満員に近い聴衆を集めて開催され(
岡山弁護士会にエール!~小林節さん、中川五郎さん、制服向上委員会、安保法廃止パレードを全部一緒にやるそうです(5/7)/2016年4月28日)、IWJ岡山のアーカイブ動画が視聴できました。
 小林さんの講演とは別に、中川五郎さんの新曲
『Sports for tomorrow』(何と作詞:安倍晋三・・・というか、実態はスピーチライターが書いたのでしょうが・・・2013年9月7日にアルゼンチンのブエノスアイレスで行われたIOC総会における安倍晋三首相による「世紀の大嘘」オリンピック招致プレゼンテーションに曲を付けたものです)も聴けます。必聴です。
 
2016年4月27日
【保存版】長野から必ず日本を変える大集会 小林節 講演、小池晃 演説(ホクト文化ホール)
[2016.04.27](1時間46分)

2016年4月28日
《小林 節 講演》安保法制 = 戦争法廃止 ! 立憲主義を取り戻す ! 戦争させない ! 所沢 日本共産党演
説会(所沢ミューズ・中ホール)[2016.04.28](1時間33分)

2016年5月1日
【音声】小林 節 講演会(諏訪市文化センター)[2016.05.01](1時間09分)

2016年5月1日
【音声】小林節先生を囲む感想質疑意見交流会 ( 諏訪市文化センター ) [2016.05.01](1時間34分)

2016年5月3日
20150503 小林節講演@憲法記念日松本平(21分)

2016年5月4日
20160504 UPLAN 安倍政権の暴走をSTOP!対談 福島みずほX小林節+川口真由美ライブ(2時間34
分)

2016年5月5日
【音声】小林 節 講演会『立憲主義をとりもどそう』(越谷市中央市民会館 劇場)[2016.05.05](1時
間33分)

2016年5月7日 
IWJ岡山中継
平成28年度 岡山弁護士会憲法記念県民集会
「危機に立つ立憲主義―安保法廃止を目指して―」(岡山シンフォニーホール大ホール)
第1部 小林 節 氏(慶應義塾大学名誉教授)講演(1時間30分)
第2部 制服向上委員会&中川五郎ライブ※ゲスト PANTA(1時間08分)
※47分~で中川五郎さんが披露した新曲(作詞:安倍晋三、作曲:中川五郎)『Sports for tomorrow』
は必聴です。作曲の動機を簡潔に語った中川さんのFacebookもご覧ください。
第3部 安保法廃止を求めるパレード(52分)
※小林節さんはデモの先頭にも立たれたのですね。岡山弁護士会の皆さん、ありがとうございました。
 

(付録)
『We Shall Overcome 大きな壁が崩れる』 日本語詞・演奏:中川五郎
 

ゆら登信(たかのぶ)さんが「市民連合わかやま」と政策協定を結び正式に立候補を表明しました(参院選和歌山県選挙区)

 今晩(2016年5月6日)配信した「メルマガ金原No.2448」を転載します。
 
ゆら登信(たかのぶ)さんが「市民連合わかやま」と政策協定を結び正式に立候補を表明しました(参院選和歌山県選挙区)

 本日(5月6日)午後2時から、和歌山市勤労者総合センター6階文化ホールにおいて、「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合わかやま(略称:市民連合わかやま)」が通算3回目となる「集い」を開催し、その中で、「市民連合わかやま」と由良登信(ゆら・たかのぶ)氏との政策協定調印式を
行いました。
 とりあえず、今晩のうちに目に付いた報道として、テレビ和歌山ニュースと和歌山放送ニュースを引用
します。
 
テレビ和歌山ニュース 2016-05-06(金)18:42
参院選へ統一候補として立候補
(引用開始)
 今年夏の参議院議員選挙に市民団体から擁立された無所属の新人の弁護士、由良登信氏が今日、和歌山
選挙区から立候補することを正式に表明しました。
 無所属の新人で弁護士の由良登信氏は今日、和歌山市の勤労者総合センターで市民団体「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合わかやま」との間で、安全保障関連法案の廃止と、集団的自衛権行使容認の閣議決定の撤回など3項目の政策協定を結んだ上で改めて参院選和歌山選挙区への立候補を表明
しました。
 由良氏は御坊市出身の63歳、中央大学法学部卒業後弁護士として活動し、和歌山弁護士会会長などを
歴任しています。
 由良氏を巡っては、擁立した「市民連合わかやま」が、県内の野党各党に統一候補としての推薦を要請しています。民進党県連と共産党県委員会などとでは推薦に対する温度差があるものの、和歌山選挙区に立候補を予定していた候補者の衆院選和歌山2区や参院選比例代表への鞍替えを表明していて、由良氏は
事実上の野党統一候補となりました。
 参議院議員選挙和歌山選挙区には由良氏のほか、これまでに自民党の現職、鶴保庸介氏と幸福実現党の
新人、西本篤氏が立候補を表明しています。
(引用終わり)
 
和歌山放送ニュース 2016年05月06日20時44分
市民連合わかやまが由良登信氏擁立を正式決定

 安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民団体「市民連合わかやま」は、きょう(6日)、この夏
の参議院選挙和歌山県選挙区に野党統一候補としての擁立を進めている新人で弁護士の由良登信(ゆら・た
かのぶ)氏と政策協定を結び、由良氏を市民連合わかやまの推薦候補とすることを正式に決めました。
CIMG5833 きょう午後2時から和歌山市西汀丁(にしみぎわちょう)の勤労者総合センターで開かれた支援者の集いで、市民連合わかやまの豊田泰史(とよだ・やすふみ)代表と由良氏が、安保関連法案の廃止と、集団的自衛権行使を容認する閣議決定の撤回、立憲主義と民主主義を取り戻すことの3点を柱とする政策協定書に
調印しました。
 由良氏は「日本が戦争する国へ行くのか、恒久平和のため外国と友好関係を結ぶのか、いまが分岐点だ。更に、格差の拡大や福祉の切り捨てを進める安倍政権の暴走を止めるため全力で戦う」と決意を表明し
ました。
 市民連合わかやまは、民進、共産、社民など野党各党に推薦を働きかけていますが、豊田代表は「共産と社民の両党とも前向きで、今後歩調を合わせて速やかに発表できるよう調整を続けている」と話したう
えで、きょう新たに「生活の党と山本太郎となかまたち」にも推薦を依頼したことを明らかにしました。
 一方「統一候補とは考えていない」として、推薦には消極的な姿勢の民進党について由良氏は「既に決めていた立候補予定者を衆議院和歌山2区に転戦させたということは、事実上、私に協力してもらえたと考えている。同じく候補の比例転戦を決めた共産党にも感謝し、野党統一候補として安倍政権の暴走を止
めるため、全力で戦っていく」と述べました。
 市民連合わかやまは今後も引き続き民進党と協議を続け、参議院選挙以降の選挙で民進党の候補者を支
援する考えを示しました。
 この夏の参議院選挙の和歌山県選挙区には、由良氏のほかに、自民党の現職・鶴保庸介(つるほ・ようすけ)氏と、幸福実現党の新人で党県本部副代表の  西本篤(にしもと・あつし)氏が立候補を表明していま
す。
(引用終わり)
 
 今日も私が司会を務めましたので、手元にある進行予定に基づき、今日の「集い」の流れを簡単にご報告しておきます。
 
1 開会挨拶・経過報告 豊田泰史「市民連合わかやま」代表
 豊田代表から、4月16日(第2回集い)において、由良登信氏を7月の参院選和歌山県選挙区における与党候補に対抗するための統一候補として擁立する旨決定し、県内各野党に推薦依頼したこと、その後、民進党と日本共産党が独自候補を他に転身させて和歌山県選挙区の候補からははずす決定を行ったことをうけ、本日、由良
氏と正式に政策協定を締結する運びとなった経緯を報告しました。

2 政策協定調印式
 準備された「政策協定書(案)」は、以下のとおりシンプルなものでした。

(引用開始)
                  政  策  協  定  書

 安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合わかやま(以下、市民連合わかやま)は、立憲主義・民主主義・平和主義の理念に基き、戦争をしない国から戦争ができる国づくりを進める安倍政権の暴走を阻止するため、下記の3点を公約する市民派野党統一候補・由良登信弁護士を擁立し、市民連合わかやま推薦の候補として全力で支援いたします。

                   記

    1 憲法違反の安保関連法(戦争法)の廃止
    2 集団的自衛権行使容認の閣議決定の撤回
    3 日本の政治に立憲主義と民主主義を取り戻す

 私、由良登信は、市民連合わかやまの掲げる上記3点を2016年の参議院選挙において公約とし、安倍政権の打倒に向け全力を尽くすことを約束いたします。

                                  2016年5月6日
(引用終わり)

 由良登信氏と豊田泰史「市民連合わかやま」代表が、それぞれ「政策協定書」に署名・押印し、参加者から盛大な拍手が送られました。
 
3 由良登信氏決意表明
 由良登信氏から、正式に立候補の決意が表明されました。

CIMG58454 推薦人・来賓からの挨拶
① 堀内秀雄氏(和歌山大学元副学長、名誉教授)
 推薦人を代表して、堀内秀雄さんが、市民が自分たちの候補を擁立することの意義と、その候補として
由良さんが最適の資質を持っていることについて、詳しく紹介されました。
② 塩田 潤氏(安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める関西市民連合、SEALDsKANSAI)
 今日の「集い」のために、関西市民連合から3人の方が応援に駆け付けてくださいました。3人を代表
して、神戸大学院生の塩田潤さんから、応援のメッセージをいただきました。

5 今後の取組方針
 今後の運動の進め方の概略につき、「市民連合わかやま」の琴浦龍彦さんから説明していただきました

 そのうちの「基本方向」のみご紹介します。
(1)ワンコイン(500円)の2万人カンパ
(2)10万人の応援隊
(3)100の推せん団体、3000人の推薦者
(4)25万票の得票で、由良さんを国会へ

 その後、同じ会場で、午後3時から記者会見が行われました。出席者は以下の5名でした。

由良登信氏 
豊田泰史氏 
堀内秀雄氏 
花田惠子氏(9条ネットわかやま共同代表)
金原徹雄(司会)

 花田さんは、「市民連合わかやま(当初の名称は「安保法制の廃止を求める和歌山の会」)」の候補者選定作業に当初から関わっておられましたが、まだ誰も(多分由良さん自身も)「由良弁護士を統一候補に」というアイデアを思いついていなかった時から、「由良さんが絶対にいい」と考えておられたということです。何という目の高さ!

 さて、何だかものすごく忙しくなりそうなのですが(みんな、今でも十分に忙しい)、みなさん明るい
ですね、というのが私の印象です。
 とにかく、わくわくする選挙にしよう、というのが、選挙に関しては大半が素人である私たちの共通認
識ではないかと思います。
 同じ忙しい思いをするのなら、明るくやらなければね。
 ・・・これを「甘い」としたり顔で評する選挙の「玄人」に一泡吹かせたいと本気になる市民がこれからどれだけ出てくるかが勝負でしょう。

写真レポートで振り返る“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama 2016”

 今晩(2016年5月5日)配信した「メルマガ金原No.2447」を転載します。

写真レポートで振り返る“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama 2016”

 “HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama 2016”~回を重ねて3回目、今年も、5月3日の憲法記念日に和歌山城西の丸広場に帰ってきました。
 その日の夜から今日までの足かけ3日の間、当日撮影した写真をもとに、せっせとFacebook タイムラインに投稿した記事が15本に達し、そろそろ写真も尽きてきましたので、記録として保存するために、メルマガ&ブログに「まとめ記事」をアップすることにしました。
 ただし、写真については、オリジナルのFacebookでは2枚~5枚(多くは3枚)のアルバムとしてアップしたのですが、ブログでは(原則として)1枚ずつの掲載としましたので、残りはリンク先のFacebookでご覧になってください(各レポートのタイトル部分をクリックすればFacebookのリンク先が見られます)。
 
 何日か前から雨の予報が出され、「小雨決行」と告知していたため、ステージにテントの屋根を設ける段取りなどをしていた今年の“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama 2016”。終了予定の午後3時までは何とか天候が持つような天気予報を便りに会場の和歌山城西の丸広場に着いたのが開演1時間前の午前9時。
CIMG5718 ところが、実行委員会代表の藤井幹雄さんや事務局長の(実質そうだよね)芝野友樹さんが心配していたのは、雨よりも風でした。実際、風が強くてテントが煽られるくらいであり、何でも和歌山市に「暴風警報」が出たとか。その影響で、ステージのトップに出演する予定だった粉河高校軽音学部が、泣く泣く出演キャンセルとなり、顧問の先生が1人で会場を訪れて事情を説明されるということになりました。
 実行委員会本部テントでは、とにかくスケジュールを前倒しして、遅くとも2時には終了するようにという打合せが行われたのですが・・・。目論み通りにはならないものですね、という話はあとのことにして。
 ということで、手違いで、スタッフの制服代わりの「9条ネットわかやま法被」の到着が遅れたことなどの事情も重なり、予定より20分程度遅れての開会となりました。
 開会挨拶は、例年通り実行委員会を構成する団体の内の2団体(「9条ネットわかやま」と「憲法9条を守る和歌山弁護士の会」)の共同代表を兼ねる藤井幹雄弁護士が務めました。そして、今年の司会は植田奈津子さん。まとまった休憩をとる余裕もなく、出ずっぱりの司会、お疲れ様でした。
 
CIMG5741 実行委員会を代表して藤井幹雄弁護士が挨拶した後、ゆら登信(たかのぶ)弁護士が憲法の危機に立ち向かうことの必要性と決意を述べました。どういう立場で?実行委員会構成団体の1つである憲法9条を守る和歌山弁護士の会の会員として、この日、同会が提供して和歌山放送から放送される特別番組「憲法を考える」にゆら弁護士が出演したので(事前録音)、その告知をするために登壇したはずなのですが、その話、ありましたっけ?私が聞き漏らしただけかもしれないし、まあいいか。
 その後、「市民連合わかやま」のブースで花田惠子さん、道本みどりさんらと記念撮影したり、各ブースに顔を出した後、午後から田辺の紀南文化会館で開かれる宇都宮健児弁護士講演会に参加するために昼前に会場をあとにしたのですが、その前に、日教組和歌山春駒保存会のかすうどんで腹ごしらえしていきました。
 
CIMG5747 残念ながら粉河高校軽音学部が出演辞退となった穴を十分に埋めてくれたのが紀北農芸高校和太鼓部の皆さんです。「憲法9条を守る和歌山弁護士の会」が呼びかけて、毎年の憲法記念日に、JR和歌山駅前で憲法9条「改正」に反対する署名活動を行っていた当時、紀北農芸高校の和太鼓部が、和歌山近鉄百貨店前で演奏していることが何度かありましたので、その実力の程は十分に理解していたつもりですが、しっかりと時間をとって出演してくれての演奏に聴き入ったのは初めてのことで、いやあ、迫力満点のさわやかな演奏でした。是非また出演して欲しいですね。
 
CIMG5749 福井奈央子先生が指導する2つのフラダンスチーム、「憩楽(いこら)クラブかつらぎ・ハワイアンフラチーム」と「ハワイアンフラ根来チーム」の出演も3年連続、すっかり恒例となりました。もっとも、私はいまだに2つのチームの内どちらがどのチームなのか、さっぱり分からないのですが。
 ということで、Facebookのアルバムには、福井先生のソロ、両チーム合同、各チーム単独の4枚をお送りすることにします。誰か分かる人(藤井先生は分かるはず)、各写真にチーム名を書き込んでください。
 最後に、今年ならではの感想を1つ。ハワイアンフラの出番の際も風は強く、ビニールシートがまくれ上がりそうに波打っていたのですが、これがちょうど海の波を連想させ、ハワイアンフラにはぴったりだったのですよね。
 
CIMG5762 今年はステージでの演奏は、粉河高校軽音学部が出演キャンセルとなったため、3組だけとなりました。そのうちの2組が親子バンドだったのは偶然でしょうが。
 最初は、道本浩司さんと息子さんの啓介さん、それに1曲だけですが道本みどりさんも加わってのフルハウスによる演奏でした。
 みどりさんがボーカルで参加したのは、ピーター、ポール&マリーの演奏で日本でも有名になった『悲惨な戦争』(The Cruel War)でした。
 そして、この日のサプライズ・ゲストとしてフルハウスのステージに招かれたのは、闘うボーカリスト・歌舞さんでした。ブラボー!
 ということで、満場の注目の中、ジョン・レノンの『イマジン』を歌い上げてくれたのでした。
 
CIMG5768 私たち「憲法9条を守る和歌山弁護士の会」が呼びかけて、2005年から出場を続けているのが紀州おどり(正調・ぶんだら節の部)なのですが、年々、紀州よさこいの方に人気が奪われていくのをひしひしと感じながら、「まあゆったりした踊りの良さもある」などと思いつつ、「よさこい」って実際のところ、どんなものだろう?と、私自身は興味津々でした。
 3回目の開催で、初の紀州よさこいグループの出演となりました。プログラムでは、「紀州よさこい連 紀風」「十兎」「烏天狗」の3組が告知されていましたが、出来たばかりの新グループも加わっての4組での出演だったようです。
 それで感想は?というと、いやあ、見ていて楽しくなりますね。こちらに人気が移るのも当然か?
 しかし、観衆を楽しませるためには、演者は厳しい練習を重ねる必要があるのでしょうね。仮に私が若かったとしても、とても付いて行けそうもないことは間違いありません。
CIMG5789 親子バンドの2組目は、3年連続の出場となるM&Nの皆さんです。お父さんの「まさき」さんとお嬢さんの「えな」さんに加え、昨年からは息子さんの「れなん」君も出演するようになったのに、まだユニット名にイニシャルを加えてもらっていません。やはり、リードボーカルをとるようにならないと、お父さんやお姉さんが一人前とは認めてくれないのでしょうか?頑張れ「れなん」君。
 それはともかく、今年も「この島~憲法9条のうた~」をはじめ、吟味した平和の歌を届けてくれました。
 また、これも恒例のゲスト、チャッチャラーの「あゆみ」さんが三線とボーカルで参加し、「平和の琉歌」と「島んちゅぬ宝」が演奏されました。
 是非、来年も演奏して欲しいですね。
 
 今年のステージ企画のトリとして、津軽三味線の名手・三木久美夫さんが出演してくださいました。
CIMG5798 共演者は、皆さんお弟子さんなのでしょうか?
 口野典子さん、中尾玲子さん、那須ひとみさんの3人が三木さんと共演されました。皆さん遠方から、和歌山城西の丸広場まで来ていただき、素晴らしい演奏を聴かせていただきました。ありがとうございました。
 主催者としても、本来ならスケジュールを前倒しして早く終えようと言っていたにもかかわらず、どこでそうなったのか、粉河高校軽音学部がキャンセルしたにもかかわらず、スケジュールが予定よりもどんどん押してしまい、空の雲はいよいよ黒さを増してくるし、雨が降り出したらどうしよう(三木さんも仰っていたとおり、雨が降ると楽器が大変)と心配していましたが、何とか雨に見舞われずに最後まで演奏していただくことができました。
 出演者・関係者全員の日頃の心がけの良さのたまものでしょう、きっと。
 
 ステージ企画も終わり、そろそろ餅撒き目当ての人たちが集まり始めるころに、憲法についてのスピーチを何人かにお願いしよう、というのが今年の新機軸でした。
CIMG5806 最初は、敗戦の年に19歳であったといいますから、現在90歳の真田よねさんがお話してくださいました。教科書が「サイタサイタサクラガサイタ」から「ススメススメヘイタイススメ」に変わっていく時代を身をもって体験し、地元の神社で出征する多くの若者を日の丸の小旗を振って見送ったこと、その中には遺骨となって帰ってきた人もあり、遺族の嘆きがいかばかりであったかなど、自らの体験を通して、憲法によって守られた平和の尊さを訴えられました。
 その後、「安保関連法に反対するママの会@わかやま」の一児のお母さん、そしてWAVEsの「パンダちゃん」(いつものお兄さんではなく、可愛いパンダでした)から説得力豊かなスピーチが行われ、今日のイベントにしまりが出来ましたね。
 
CIMG5814 フィニッシュは恒例のお菓子まき(お子様専用)&餅まきです。・・・という文章を読んで何の疑問も抱かなくなれば、あなたも立派な「餅まきの聖地=和歌山県」の住民です。
 5月3日には、全国様々なところで護憲派、改憲派の集会が開かれたはずですが、和歌山城西の丸広場以外で「餅まき」が行われたという情報に、少なくとも今のところ私は接していませんし、もしもあったとすれば、それは和歌山県下のどこかである公算が高いと思われます。
 ことほどさように、何故和歌山県民が餅まきを偏愛するのか?同県出身の私にしても謎ですが、何しろ県職員有志が運営する「和歌山餅まきカレンダー」があったり、「『餅まきの聖地!』和歌山の餅まき情報」というFacebookページがあったりします。
CIMG5818 私も、広報担当としてマスコミ各社にプレスリリースは送りましたが、「和歌山餅まきカレンダー」に情報提供したおぼえはありません。にもかかわらず、毎年情報が掲載されているのですよね。餅撒き情報の伝播力恐るべし!
 ちなみに、今年もステージ前のブルーシートを敷いた区画は「お子様ゾーン(中学生以上立ち入り禁止)」として、まずお子様だけのためのお菓子まきを行い、引き続き餅まきを行いました。
 直前になって餅投げ役が足りないということが判明し、急遽私も少し餅を投げましたが、これも体力を消耗するものの、結構楽しいものですよ。
 最後に、このイベントが続く限り、餅まきは絶対にやるということだけは断言できます(誰か異論のある人います?)。
 
 さて、昨日から断続的にお送りしてきた“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama 2016”も、あとはブース企画のご紹介を残すのみとなりました。
 ただし、いつもそうなのですが、ステージ企画の方はしっかり写真を撮っているものの、ブース企画の方は、全部網羅的に撮影している訳ではなく、第一、私自身が世話人を務めている「子どもたちの未来と被ばくを考える会」のブースの写真を撮っていないことに、今さら気がついたりしています。このブースには何度も足を運び、1回50円の輪投げも2回挑戦したりしたのに、写真を撮ることだけはころっと忘れていました。
 という訳で、たまたま写真を撮っていたブースをアトランダムにご紹介することにならざるを得ません。
CIMG5765 今年のブース配置については、当日来場者に配布したチラシのPDFをご紹介しましょう。
 このブースの配置を考える面倒な作業は、実行委員会事務局長の芝野友樹弁護士が一手に引き受けているはずですが、実行委員会の会議で初めてこの素案を目にした時、私が思わず芝野さんに「プラバンとかすうどんのブースを隣同士にしたのは意図的?」と尋ねたところ、芝野事務局長は「当然意図的です」と即答したものでした。
 これ、何のことか分かります?当日のブース配置図でいうと、ステージに向かって左上の方に、「プラバン」と「かすうどん」が並んでいるでしょう。どちらも2年前からずっと出店してくれているブースなのですが、その運営主体は、「プラバン(プラ板)」が和歌山県教職員組合(「全教(全日本教職員組合)」系)であり、「かすうどん」が日教組和歌山春駒保存会なのです。2年前、この2つのブースは、会場の対角線上の最も離れたところに(なぜか)位置取りしており、私など、「いっそ隣り合ったブースにすればいいのに」と無責任に思ったりしていたのですが、芝野事務局長は、今年それを実行に移したようです。
CIMG5766 そのおかげかどうか、和歌山県教職員組合前執行委員長で、現和歌山県地方労働組合評議会(県地評)議長の琴浦龍彦さんが、お隣の「かすうどん」をせっせと来場者に売り込み、私も危うく2杯目を食べさせられそうになりました。
 なお、そのお隣で焼き鳥・生ビールなどを販売していたブースは和歌山県平和フォーラムで、同会が事務局を務める「戦争をさせない和歌山委員会」の幟がはためいていましたが、さらにそのお隣で綿菓子やポップコーンを販売していたブースには、「平和・憲法9条」と染め抜いた下に「9条センター」と手書きされた幟がはためいていましたので、憲法九条を守る和歌山市共同センター(和歌山市9条センター)ではないかと思われます。
 「だからどうなの?」と言われたら説明に窮しますが、(少なくとも私には)なかなか感慨深いものがあります。
 
 このアルバムでは、たまたまブースにいた人たちを記念撮影した3枚をご紹介します。
CIMG5725 まず、揃いの「九条ネットわかやま」法被を着用した3人の女性は本部テントで「焼き餅」やプチトマト販売のお店番をかねていた3人の女性方。何だか去年本部テントを撮影した時もこの3人だったような記憶が・・・。本部テントは時間帯によって留守番を交替していくのですが、私がカメラを持って撮影に行く時にはなぜかこの皆さんがいる巡り合わせのようです。
 あとの2枚は本部テントの並びのブースの中から、たまたま私の知り合いが店番をしていた「にんにこ被災者支援ネットワーク和歌山」と「紀州農レンジャー&ふうど」を訪問して撮影したものです。
 そういえば、この3箇所で、私はそれぞれ「焼き餅」「みかん茶」「玉葱」を買ったのでした。
 
CIMG5730 「憲法9条を守る和歌山弁護士の会」では、西の丸広場入り口に最も近い場所にブースを設け、特製9条風船プレゼントやスーパーボールすくい、ヨーヨーすくいなどを店開きし、お子さんたちに喜ばれていました。
 なお、集合写真は、前列向かって左の小川裕和弁護士とそのお隣の奥様と子どもさんを囲み、その場にいた和歌山の弁護士が小川さんとの旧交を温めるために集まった際の写真です。
 小川さんは、弁護士登録以来数年間、和歌山で弁護士活動(その中には「憲法9条を守る和歌山弁護士の会」会員としての活動もありました)をされていたのですが、郷里で独立開業するため、京都弁護士会に登録換えされました。この日は特にご家族で和歌山まで駆け付けてくれたのでした。
 
CIMG5731 落ち穂拾い的なブース紹介その2です。「にんにこ被災者支援ネットワーク和歌山」の隣に、「だれの子どももころさせない」という「安保関連法に反対するママの会」の標語が掲げられたスペースが「おえかき」コーナーになっていました。もっとも、私がシャッターを押した時に「おえかき」にいそしんでいたのは子どもではなく、プロの「えかきさん」でしたが。
 「焼きそば300円」のブース出店者はチラシによれば「いこらクラブかつらぎ-安井商店」となっていました。私は日教組和歌山春駒保存会のかすうどんを食べた後で各ブースをのぞいていたところ、ここで「焼きそばあります」とタイミング良く声をかけられ、思わず「1つください」と言ってしまったのですが、量がたっぷりあって、いかに麺好きの私でも「かすうどん+焼きそば」でお腹がいっぱいになってしまいました(その上、琴浦さんから2杯目のかすうどんを押し売りされそうになった)。
 「わたがし100円、ポップコーン50円」のお店は和歌山市9条センター(憲法九条を守る和歌山市共同センター)。子どもさんたちで賑わっているところを1枚。
 
CIMG5803 今年の “HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama 2016”の私個人にとってのハイライトは、展示コーナーに置かれた1通の手紙(PDF化したものを拡大してプリントアウトしたのでしょうか)でした。便せん6枚にびっしり書かれたその手紙は、妻と3人の子どもを残して帝国海軍に召集され、駆逐艦乗組となった一兵員が、妻に送った多くの手紙のうちの1通ということでした。もともと字が上手な方であったのだとは思いますが、これを受け取った妻が読みやすいように丁寧に書こうという心遣いを私は感じました。
 私は、開会前にこのコーナーを訪れ、引き入れられるように6枚の便せんの文字を追いながら、その手紙を声に出して読み始めていました。傍らには、この手紙を書いた中村富雄さんの孫娘にあたる方もおられ、判読しにくい箇所の読み方や、登場する人名の執筆者との血縁関係などを説明してくださいました。
CIMG5708 6枚の内、最初と最後の便せんを撮影していますので、手紙を提供されたお孫さんの許可を得て書き出してみます(適宜句読点を補っていますが、漢字の読み方はあえて注していません)。

(1枚目)
拝啓
其の後、躰の方は如何ですか。一別以来絶えてたよりに接せぬままに、あの当時の事ばかり偲ばれ、如何して居る事かと按じて居ります。
由紀子や重樹は無事進學しましたか。
母上は達者ですか。立つ時、禎二の納骨に京都へ行く様云って居たの、お参り致しましたか。
何だか、あの彼岸頃に夢を何度も見ました。
私も日々の勤務にも少し宛落付きが出来る程になれて来た様に感じ、前戦の日々も送って居ります。
日が経つ程に気を付けてゐる所為か、胃の方の患ひも充分目方も十六貫目(?)と肥えて来ました。
誰ともなく、今日も感謝の一日は終わりと
(6枚目)
あれ程云って置いたので、躰の方は充分手当をして元気になって居る事と思ふが、要はお前の躰が一番大事なんだから、充分気を付けて、母様や子達の生長を手落なくやって呉れる様。
色々とりとめもなく書いたが、右の意味を充分かみしめて日々の事に当る様。
                          前線にて
                            中村富雄
最愛の
 我が妻
  すが江 殿

 ここまで声に出して読んできた私も、「前線にて 中村富雄」の次の末尾3行はとても声になりませんでした。
 手紙とともに展示されていた書籍には、以下のように記載されていました。

「中村富雄殿 
 昭和十九年六月七日戦歿
 年 三十五歳
 海軍一等機関兵曹
 駆逐船「早波」乗組」

 Wikipediaによれば、駆逐艦「早波」は、米海軍潜水艦の魚雷攻撃によって撃沈され、253名が戦死し、45名が救助されたとありました。
 なお、この手紙を書かれた中村富雄さんの孫娘であり、この手紙を公開してくださったのは、私たちの仲間である歌舞(にしでいづみ)さんでした。
 

『この島~憲法9条のうた~』 作詞・作曲:烏野政輝 演奏:M&N
(2014年5月3日開催の““HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama”より)
 

2016ハッピーバースデイ憲法ブース“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama 2016”フライヤー
 

「平和といのちと人権を!5.3憲法集会」(東京臨海広域防災公園)を視聴してこれからを思う

 今晩(2016年5月4日)配信した「メルマガ金原No.2446」を転載します。

「平和といのちと人権を!5.3憲法集会」(東京臨海広域防災公園)を視聴してこれからを思う

 昨日(5月3日)、和歌山城西の丸広場で開催された“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama 2016”については、昨日から断続的にFacebookタイムラインに写真レポートを投稿しているのですが、なかなか終わらず、今日(4日)のメルマガ(ブログ)にまとめ記事を書くことは断念し、代わって、全国の動きをフォローすべく、昨日、東京の有明防災公園(東京臨海広域防災公園)で開催された「明日を決めるのは私たち―平和といのちと人権を!5.3憲法集会」の動画をご紹介しようと思いますが、その前に、この集会を伝えた東京新聞の記事を引用しておきます。

東京新聞 2016年5月4日 朝刊
「憲法は私たちが支えてきた」 江東の公園 集会に5万人

(引用開始)
 憲法記念日の三日、護憲派の市民団体メンバーらが集まり、東京臨海広域防災公園(東京都江東区)で憲法集会を開いた。憲法施行から六十九年を迎えた今年の集会は、昨年より一万三千人多い五万人(主催者発表)が参加。安倍政権の下で立憲主義が揺らいでいると危機感を訴え、「憲法を守れ」と声を上げた。
 集会では、安全保障関連法反対や脱原発、沖縄の米軍基地の建設反対など、さまざまな立場の人たちがマイクを握った。安保法に反対する若者グループ「SEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動、シールズ)」の奥田愛基(あき)さん(23)は「憲法の主権者は私たち一人一人。これまでの不断の努力がこれを支えてきた。こんなところで終わるわけがない」と述べた。
 高校時代、核兵器の廃絶を求める署名運動に取り組んだ杉並区の大学一年白鳥亜美さん(18)は、今夏の参院選から投票権を得る。「憲法九条を変えようとする動きがある中、そのままにしておけない。私たちが行動を起こすことが大切」と語った。
 従軍記者を経験した百一歳のジャーナリストむのたけじさんは「国連に加盟しているどこの国の憲法にも九条と同じ条文はない。日本だけが理想を高く掲げ、必ず実現する」と主張。会場に集まった若者や女性の姿に希望を感じたとして「新しい歴史が大地から動きだした。とことん頑張りましょう」と呼び掛けた。参加者は集会後、会場周辺をデモ行進した。
(引用終わり)

 また、東京新聞は、以下のような記事も掲載しました。

東京新聞 2016年5月4日 朝刊
憲法に若い力 有明の集会参加


 気合の入った東京新聞に比べ、今日、私の事務所に届いた朝日新聞(大阪本社)は、安倍首相のビデオメッセージが上映された改憲派の集会と横並びの扱いでした。それなりに考えた末の編集方針なのでしょうが、どう考えたのでしょう?

 それはともかく、昨日の有明防災公園での集会です。動画は既にいくつもアップされていますが、私が
見た中で一番視聴しやすかった森薫さん撮影のものをまずご紹介します。
 発言者の氏名なども詳細に書かれていて視聴するのに便利です(視聴の目安時間は私が書き入れました)。

2016年5月3日「明日を決めるのは私たち―平和といのちと人権を!5・3憲法集会」(2時間42分)

プレコンサート

冒頭~ きたがわてつさん
15分~ 古謝美佐子さん 
開会挨拶
1時間00分~ 高田健さん(解釈で憲法9条を壊すな!実行委員会)
ゲスト挨拶
1時間09分~ 白鳥亜美さん(高校生1万人署名活動実行委員会)
1時間14分~ 山口二郎さん(立憲デモクラシーの会)
1時間20分~ 菅原文子さん(辺野古共同基金共同代表)
1時間28分~ むのたけじさん(ジャーナリスト)
1時間38分~ 朝倉むつ子さん(市民連合) 
カンパのお願い
1時間43分~ 小田川義和さん(戦争する国づくりストップ!憲法を守り・生かす共同センター)
政党挨拶
1時間46分~ 岡田克也さん(民進党代表)
1時間49分~ 志位和夫さん(日本共産党委員長)
1時間54分~ 吉田忠智さん(社会民主党党首)
2時間00分~ 小沢一郎さん(生活の党と山本太郎となかまたち共同代表)
プラカードアピール
2時間04分~ 菱山南帆子さん(解釈で憲法9条を壊すな!実行委員会)
リレートーク
2時間06分~ 三宅隆史さん(シャンティ国際ボランティア会)
2時間09分~ 青木初子さん(沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック)
2時間11分~ 片岡遼平さん(原子力資料情報室)
2時間13分~ 家平悟さん(障碍者の生活と権利を守る全国連絡協議会)
2時間16分~ 朝鮮学校生徒
2時間19分~ 纐纈美千世さん(日本消費者連盟)
2時間23分~ 糀谷陽子さん(子どもと教科書全国ネット21)
2時間25分~ 嶋崎量さん(日本労働弁護団)
2時間27分~ 竹内三輪さん(しんぐるまざーす・ふぉーらむ)
2時間29分~ 奥田愛基さん(SEALDs) 
行動提起
2時間33分~ 福山真劫さん(戦争させない1000人委員会)
司会 斉藤優里彩さん(制服向上委員会)

 和歌山市と同じように、昨日の有明防災公園も風が強かったようですね。もっとも、「臨海」だから、
一層風が激しいのかもしれないけれど。
 なお、閉会後のクロージングライブ、the LOW-ATUS(細美武士×TOSHI-LO)による演奏の動画もご紹介しておきます。
 
2016.05.03 明日を決めるのは私たち 平和といのちと人権を!5.3憲法集会 《クロージングライブ編》(53分

演奏曲目
2分~ 「自衛隊に入ろう」
9分~ 「イムジン河」
19分~ 「雨を見たかい」
34分~ 「スローバラード」
38分~ 「PLACEBO」
41分~ 「青空」
49分~ 「酒と泪と男と女」

 ところで、私のメルマガ(ブログ)でよくその動画をご紹介する三輪祐児さんも、昨日の有明集会を収
録アップされていたのですが、それを紹介したご自身のFacebookに以下のように書かれていました。
「有明の憲法集会と豊洲までのデモ。民進・社民・共産・生活の党首が並び手をとりあったところは去年の横浜に比べ危機感があったともいえるが、それにしても遅すぎるし少なすぎる。1200万というのも、5万というのも少なすぎる。こんどの選挙は私たち日本人の馬鹿さと愚かさを後世に証するものとなるだろう。」

 まあ、そうとも言えるけど、それを言ってどういう良いことがあるのかがよく分かりません。この文章を読んだ人に奮起を促しているという訳でもなさそうだし。

 いずれにせよ、今年2月19日の5党合意(その後、民主党と維新の党が民進党に合流)を実践するために4党の党首がそろい踏みして手を繋いだのでしょうが、そういう状況がなかなか実現しない地方もある訳で、とりあえず当面は中央の姿勢を地方にも及ぼしてもらいたいですね。それも大至急。
 

(付録)
『腰まで泥まみれ』 作詞・作曲:ピート・シーガー 日本語詞・演奏:中川五郎
 
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