弁護士・金原徹雄のブログ

憲法を大事にし、音楽を愛し、原発を無くしたいと願う多くの人と繋がれるブログを目指します。

開催予告7/17今中哲二氏講演会「ふくしまの祈り-チェルノブイリから30年-」(泉南市樽井公民館)

 今晩(2016年6月30日)配信した「メルマガ金原No.2498」を転載します。

開催予告7/17今中哲二氏講演会「ふくしまの祈り-チェルノブイリから30年-」(泉南市樽井公民館

 久しぶりに大阪府泉南市の北出寧啓さんからメールを頂戴しました。北出さんは、メルマガ金原の読者であり、私が書いた行事案内などを読んで、わざわざ泉南市から仲間と一緒に和歌山の企画に足を運んでくださったことが何度もありました。
 また、北出さんから泉南市での行事のご案内をいただき、メルマガ(ブログ)でご紹介したこともありました。例えば、以下の企画などです。
 

 そして今日、北出さんから届いたメールも、今中哲二さんの講演会のお知らせでした。しかもそのメー
ルによると、「今年は、17日を含めて、三回の講演をお願いしています」とありましたので、連続講演会の第1弾という位置付けのようです。
 以下に、チラシの文字情報を転記します。
 
(チラシから引用開始)
葦の会フォーラム
講演「ふくしまの祈り-チェルノブイリから30年-」
講師 今中哲二 氏(元京都大学原子炉実験所助教)
【講師プロフィール】
1950年広島県生まれ。大阪大学工学部、東京工業大学大学院卒。原子力工学専攻。1976年原子炉
実験所に入所。チェルノブイリ原発事故後現地調査を行い、以後継続的に被曝の実態調査に取り組む。
東京電力福島第一原発事故後福島県飯舘村に入り、放射能汚染による健康への影響について調査を継続中。

【日時】2016年7月17日(日)午後1時30分~(開場午後1時)
【場所】泉南市樽井公民館1階会議室A・B
      住所 泉南市樽井6丁目11番16号
【参加費】無料
【主催】葦の会-今ここから-
      代表 石神節子
     連絡先 072-482-4017(17:00~)
【後援】泉南市
※近隣の方はできるだけ自転車もしくは公共交通機関等のご利用をお願い致します。
※お車をご利用の際は、出来る限り乗り合わせにてお越しください。
(引用終わり)

 今年の3月末で京大原子炉実験所を定年退官された今中さんですが、まだ継続中の研究もあるということで、「パートタイムの研究員」(今中さん自身の言葉)として、週に何日かは京大原子炉実験所に行かれているようですが、おそらく時間的にはかなり自由になっておられるのでしょうね。

 今年の4月29日、和歌山市において、「原発がこわい女たちの会結成29年のつどい」の講師として
今中さんが講演されるという告知記事をメルマガ(ブログ)に書いた際、1月28日に行われた今中さんの退官記念「最終講義」の報文集と発表スライド、それから2月10日に開かれた第112回原子力安全問題ゼミの動画を併せてご紹介していますので、ご参照いただければ幸いです。

 そして、4月29日に開かれた上記「原発がこわい女たちの会結成29年のつどい」の講演動画が
YouTubeにアップされていますので、これもご紹介しておきます。
 
「チェルノブイリ30年・福島5年を考える」今中哲二講演録 原発がこわい女たちの会結成29年のつどい20160429(2時間02分)


 ところで、いわゆる熊取6(5)人組こと原子力安全研究グループの研究成果の多くが、
同グループのホームページにアップされているのですが、これが京都大学サイトの一部を間借りしているというのか何といういのか、いつまでこのサイトを維持できるのだろうと勝手に心配しているのですが、全員が定年を迎えた今でも、何とか維持されているようです。
 今現在、更新してアップされるのは、正直今中さんの研究成果だけですが、皆さまにも定期的に更新情報をチェックされるようにお勧めします。
 例えば、岩波書店の雑誌「科学」2016年3月号に掲載された今中さんの「チェルノブイリと福島:事故プロセスと放射能汚染の比較」という論文なども読めます。
 その末尾は、こういう文章で締めくくられていました。
 
(引用開始)
 チェルノブイリ調査ということで私がはじめてソ連を訪問したのは事故から4年後の 1990年8月のことだ
った。以来,20回以上の現地調査を通じて得た教訓は次の2つである。
・原発で大事故が起きると,まわりの人々が突然に自分の家に住めなくなり,村や町が丸ごと消えてしまう
・原発事故によって人々が蒙る災厄は,放射能汚染や被曝といった私が専門としている物差で測れる範囲をはるかに超えている
 2011年3月末にはじめて飯舘村の調査に入って以来この5年間,原子力専門家として私なりに福島原発事故のことにかかわり続けてきた。福島第一原発周辺では,いまだ約 900km2が避難指示区域に指定され,約10万の人々が避難生活を余儀なくされている。本稿で述べたように,放射能放出の量や組成また汚染の規模に違いはあるものの,チェルノブイリと同様のことが福島で起きていると私は実感している。これからも原子力をエネルギー源として利用することとは,チェルノブイリや福島のような事故がまた起きる可能
性を抱えこむことだと承知しておくべきである。
(引用終わり)

今中哲二「泉南講演会」チラシ 

泥憲和さんが紀南講演ツアーで語ったこと

 今晩(2016年6月29日)配信した「メルマガ金原No.2497」を転載します。

泥憲和さんが紀南講演ツアーで語ったこと

 参議院議員選挙の公示(6月22日)後、初めての休日となった25日(土)・26日(日)の両日、私は、和歌山県選挙区の野党統一候補・ゆら登信(たかのぶ)さんの応援などをしていましたので、紀南地方の田辺市と那智勝浦町で連日行われた元自衛官・泥憲和(どろ・のりかず)さんの講演会は、気になりながらも、とても聴きに行くような余裕はありませんでした。
 両日の講演会の開催概要は以下のとおりです。
 
2016年6月25日(土)13時30分~
ひがしコミュニティセンター 大会議室(和歌山県田辺市)
元自衛官が語る 戦争の作りかた 平和の築きかた
主催:9条ママnetキュッと 後援:紀南9条交流ネット

2016年6月26日(日)13時30分~
那智勝浦町立体育文化会館 2階大集会室(和歌山県東牟婁郡那智勝浦町)
元自衛官が語る。憲法と戦争を考える講演会
戦争の作り方と平和の築き方

主催:くまの平和ネットワーク(構成団体:紀南9条の会/しんぐう九条の会/紀宝9条の会/宝来9条の会/年金者組合新東支部9条の会/新日本婦人の会東牟婁支部/ほんぐう9条くらぶ/御浜九条の会/なちかつ・たいじ九条の会/くしもと九条の会)

 いずれ、和歌山市のどこかの団体が泥さんを招いてくれるのを期待するしかないかなと思っていたのですが、幸いにも、柳川ゆたかさんが、25日の田辺市での講演の模様を撮影してYouTubeにアップしてくださいました。
 
元自衛官が語る 戦争の作られかた 平和の築きかた(1時間43分)


 26日の那智勝浦町での動画は未見ですが、この紀南ツアーのためのパワーポイント資料を別々に作るとは思いにくいですから、基本的には同一内容でしょう。
 ちなみに、パワーポイントでは、講演のタイトルは「9条の輝き・平和の築き方-戦争できる国づくりを斬る-」となっていました。
 動画サイトは世界中から視聴できるのですから、和歌山の人だけにお勧めする訳ではありませんが、この前の土日に忙しくて泥さんの講演会に行けず、残念に思っている方に推奨したい動画です。
 泥さん自身の滑舌が非常に良いこともあり、動画の音声は非常に聞きやすいです。また、分かりやすいことを主眼にパワーポイント資料が作られていますので、多くの人にお勧めできます。

 ただ、冒頭で紹介された自民党右派の言いたい放題動画(城内実氏は正式には復党直前だったかな)くらいは、出典を明示してもらった方が良いのではと思いましたので、余計なお世話かもしれませんが、出典動画を引用しておきます。

 まず最初の稲田朋美氏の「日本だけが道義大国を目指す資格があるんです」という吐き気を催す発言は、2012年4月16日に行われた「衆議院議員 稲田朋美さんと道義大国を目指す会」での発言です。
 
【稲田朋美】4.16 道義大国を目指す会[桜H24/4/17](18分)

※「国民の生活が第一なんて政治はですね、私は間違ってると思います」「世界中で日本だけが道議大国を目指す資格があるんです」という一連の発言は14分~で確認できます。
 
 この発言の11日後(4月27日)に自民党(当時はまだ野党だった)は「日本国憲法改正草案」を発表しました。
 そして、その発表から13日後の2012年5月10日、創生「日本」なる議員連盟(当時の会長は安倍晋三氏ですが、まだ自民党総裁に返り咲いていませんでした)の第3回東京研修会における出席議員の好き勝手な暴言を編集した動画が現在出回っており、泥さんもそれを借用に及んだという次第です。ちなみに、この日の模様は3本に別れた公式動画がアップされています。全部視聴しようという物好きはいないかもしれませんが、歴史的資料としてご紹介しておきます。
 ここでご紹介した動画に登場する面々が、この年の9月に行われた自民党総裁選挙を勝ち抜いて同党を乗っ取り、さらにその年12月に行われた民主党・野田佳彦首相による「自爆解散」「政権返上解散」を経て、安倍独裁が確立していく路線が固まったのです。私が以下の動画を「歴史的資料」と評したのはそういう趣旨です。
 
創生「日本」第3回東京研修会①(51分)

※櫻井よしこ氏による基調講演です。

創生「日本」第3回東京研修会②(33分)

※安倍晋三会長による挨拶というにしては長いので講演でしょうか。

創生「日本」第3回東京研修会③(53分)

※日本の右派国会議員のレベルがよく分かる放談はこの第3部で視聴できます。

ゆら登信候補vs鶴保庸介候補(和歌山県選挙区)~毎日新聞候補者アンケートから 

ゆら登信候補vs鶴保庸介候補(和歌山県選挙区)~毎日新聞候補者アンケートから 
(配信日:2016年6月28日)

 昨日、選挙関連ブログを休んで久しぶりに「メルマガ金原」を配信しましたが(文庫本を3冊買った、みんな素晴らしい本に違いない~『立憲非立憲』『音楽入門』『山之口貘詩集』/2016年6月27日)、再び選挙モード復帰です。
 昨日に引き続き、ゆら登信(たかのぶ)さんご本人は、紀の川筋を遊説して回っているはずで、今日の
個人演説会は岩出市を会場として開催されました。
 岩出市といえば、公示の2日前、若い大学生らが中心となって企画した公開討論会(主催:わかやま夢スクール実行委員会)が、同市の「ホテルいとう」で開かれたことが思い出されます。あれからまだ8日
しか経っていないのですよね。
 この公開討論会については、主催者のご了解を得て市民連合わかやまが撮影・公開している動画がありますので、是非視聴されることをお勧めします。
 
参議院議員和歌山選挙区公開討論会ー和歌山夢スクールー2016062011(1時間58分)


 また、この公開討論会を詳しくご紹介したものとして、私のブログと、ゆら登信公式サイトに掲載された「ひまわりネット」にリンクしておきますので、参考にしていただければと思います。
 
(弁護士・金原徹雄のブログから)
2016年6月21日
「2016参議院和歌山選挙区公開討論会」(6/20わかやま夢スクール実行委員会)動画を視聴してください
※各テーマごと、発言者ごとに検索することが容易に出来るように、視聴のための目安の時間をインデックス代わりに記載してありますので、ご活用ください。
 なお、テーマについては、当日配布された「予定質問事項」をそのまま引用しています(奨学金につい
ては括弧書きでややおせっかいな注を付けておきましたが)。「てにおは」が変だったり、趣旨がとらえにくい部分がない訳ではなく、奨学金について答える前に鶴保さんが司会者に逆質問したのもそういうことからでしょうが(54分~)、私など、文章が少し変なのは、周りの大人が余計な差し出口をしていない証拠だし、質問の趣旨は大体分かるのになあ、と思いましたけどね(多分、ゆらさんもそうだったと思います)。
2016年6月26日
ゆら登信(たかのぶ)さんへの応援演説その3~6/26河西コミセン(和歌山市)にて
※(補注)として【鶴保庸介氏の奨学金に関する意見】を整理しました。6月18日のニュース和歌山からのアンケートに対する奨学金についての回答と、その2日後の公開討論会でのご本人の発言とが、同じ人物の見解とは到底思えないことも指摘しておきました。
 
(ゆら登信公式サイトから)
「ひまわりネット 第5号」

 さて、公開討論会については以上のサイトでおさらいしていただくとして、今日ご紹介するのは毎日新
聞の候補者アンケート(全国版)です。このうち、核武装についての質問に対する回答は、一昨日(6月26日)の応援演説でご紹介しましたが、念のため以下に抜き出しておきます。
 
(引用開始)
 これだけは是非とも皆さんに知っていただきたいことがあります。
 国政選挙の際には必ず行われる毎日新聞・候補者アンケートの結果が公表されましたので、和歌山県選挙区の3人の候補者の回答を読んでみたのですが、3人の回答ががばらばらであった質問のうちの1つに目が吸い寄せられました。
 質問は以下のようなものでした。
【質問17】「日本の核武装について、あなたの考えに近いものを一つ選んでください。」
 これに対する3人の回答は以下のとおりです。
西本篤氏(幸福実現党)「核兵器を保有すべきだ」
由良登信氏(無所属)「将来にわたって検討すべきでない」
鶴保庸介氏(自民党)「国際情勢によっては検討すべきだ」
 何と、日本は絶対に核武装すべきではないと主張する候補者はゆら登信さん1人だけなのです。もしもゆらさんを落選させてしまえば、和歌山から選出される議員は、ただちに核武装すべきだという人か、もしくは、国際情勢によっては核武装を検討すべきだという人のどちらかになるのです。
 私も、候補者アンケートをこんなにじっくり読んだのは初めてなので、過去の和歌山の選挙でこういう事態があったのかどうか知りませんが、恐ろしい時代になったものだと思いませんか?
(引用終わり)

 今日は、その毎日新聞アンケート(全国版)の紹介・補遺として、核武装以外の質問に、ゆらさんと鶴
保さんがどう回答したかを比較してみましたので、参考にしてください。
 ただ、お断りしておかねばならないことがいくつかあります。
 まず、申し訳ありませんが、西本篤さん(幸福実現党)の回答は省略し、ゆら登信さん(無所属)と鶴
保庸介さん(自民党)の2人の回答を対比しています。双方が同じ回答(選択肢)を選んだ質問も省略せず紹介しました。
 また、設問で示した選択肢以外の回答をした場合「非該当」と表示されますが、その具体的回答内容は私が閲覧したサイトでは表示されませんでしたのでご紹介できませんでした。
 一部の回答に付した(コメント)は、私の感想です。
 
【毎日新聞 候補者アンケート】
ゆら登信氏の回答
 

問 1:憲法改正に賛成ですか、反対ですか。
ゆ ら:反対
鶴保:賛成
(コメント)いつものことですが、どの部分をどういう風に「改正」するかを具体的に示さず、一般的に憲法改正に賛成か反対かという質問をし続けることにどれだけの意味があるのかと思いますよね。

問 2:憲法9条の改正について、あなたの考えに近いのはどれですか。
ゆ ら:改正には反対だ
鶴保:非該当(選択肢以外の回答)
(コメント)鶴保さんの回答は要調査ですね。しかし、どうしたら分かるのだろうか?

問 3:有事や大規模災害時を想定した「緊急事態条項」の創設から憲法改正を始めるべきだ、という意見が
あります。あなたはこれに賛成ですか、反対ですか。
ゆ ら:反対
鶴保:反対
(コメント)ではどこから改憲に手を付けるべきだと考えているのだろうか?公開討論会では、改憲問題については〇×式の質問しかなかったから、鶴保さんの憲法についての意見がよく分からなかったのですよね。
 ちなみに、和歌山の青年会議所が憲法問題についてのシンポジウムを、和歌山大学の堀内秀雄教授(現名誉教授)をコーディネーターに依頼して開催したことが2回あり、いずれも「憲法9条を守る和歌山弁護士の会」からもパネリストを派遣したものでした。その2回目のシンポが、数年前の憲法記念日に和歌山県民文化会館小ホールで開催された際には、私も聴きに行きました。当時のJCにはまだそれなりに見識があり、改憲派、護憲派の双方からパネリストを呼び、堀内先生にコーディネーターを依頼し、さらに、余興としてザ・ニュースペーパーを呼んでいたのですから驚くでしょう?その2回目のシンポに改憲派として登壇したパネリストが参議院議員の鶴保庸介氏だったのです。その時コーディネーターを務めた堀内先生が、今やゆら登信さんの応援隊長ですからね。その後、和歌山のJCが憲法記念日に開催している行事に足を運ぶこともなくなりました。つまり、堀内先生も手を引き(なのか、JCの方から頼まなくなったのか不明ですが)、改憲派オンリーになったということです。
 それで、その時の鶴保さんの改憲についての意見はどうだったかと言うと、全然記憶にないですねえ、
申し訳ないですが。

問 4:高市早苗総務相は、政治的公平性を欠く放送を繰り返した放送局に対し、電波停止を命じる可能性に
言及しました。こうした政府の姿勢をあなたはどう思いますか。
ゆ ら:問題だ
鶴保:問題とは思わない

(コメント)自民党議員としてはこういう答えになるのでしょう。高市総務相の発言は、表現の自由・報道の自由を弁えない最低のものですけどね。

問 5:来年4月の消費税率10%への引き上げについて、どう考えますか。
ゆ ら:法改正し、引き上げを延期または中止すべきだ
鶴保:法改正し、引き上げを延期または中止すべきだ
(コメント)延期と中止ではだいぶ違うけどなあ(選択肢の作り方が問題では)。

問 6:安倍政権の経済政策「アベノミクス」の恩恵は、地方や中小企業にも及んでいると思いますか。
ゆ ら:及んでいない
鶴保:及んでいない
(コメント)さすがに「及んでいる」と答えるだけの厚顔さはなかったということでしょうか。

問 7:財政健全化に向けた取り組みとして、あなたの考えに近いのはどれですか。
ゆ ら:経済成長による税収増で対応すべきだ
鶴保:経済成長による税収増で対応すべきだ

問 8:環太平洋パートナーシップ協定(TPP)に賛成ですか、反対ですか。
ゆ ら:反対
鶴保:賛成
(コメント)農業関係者や医療関係者の皆さん、それに我々の業界も無縁ではない、みんな注目しましょうね。

問 9:将来の年金について、あなたの考えに近いのはどちらですか。
ゆ ら:非該当(選択肢以外の回答)
鶴保:無回答
(コメント)ゆらさんの回答内容は選対事務所を通じて調べることもできるだろうけど、鶴保さんの「無回答」というのが謎だ。
 
問10:同一労働同一賃金について、あなたの考えに近いのはどちらですか。
ゆ ら:同じ仕事なら正社員、非正規社員で賃金の差をなくすべきだ
鶴保:同じ仕事なら正社員、非正規社員で賃金の差をなくすべきだ
(コメント)総論は一致している訳ですね。

問11:「子供の貧困」など格差問題について、あなたの考えに近いのはどちらですか。
ゆ ら:格差は広がっている
鶴保:無回答
(コメント)「非該当(選択肢以外の回答)」というのならともかく、「無回答」って何?選択肢の中に適当なものがなく、自由回答を考えるだけの時間もなかったのか?

問12:原発は日本に必要だと思いますか。
ゆ ら:必要ない
鶴保:必要だ
(コメント)この回答の違いだけで、候補者選びは十分だと考える者が、日本の有権者のうちどれだけいるのだろうか?(どちらの候補を選択するにせよです)

問13:待機児童解消に向け、政府は自治体への財政支援を増やすべきと思いますか。
ゆ ら:増やすべきだ
鶴保:増やすべきだ
(コメント)それはそうでしょう。それ以外の選択肢って何があったんだろうか?

問14:地方自治体の活性化を目指す「地方創生」は、成果が表れていると思いますか。
ゆ ら:表れていない
鶴保:表れていない
(コメント)和歌山県選出の議員で「表れている」と答えるためには相当の図々しさが必要でしょうけど、鶴保さんにはそういう図太さはあまりないようですね。

問15:安全保障関連法について、あなたの考えに近いのはどれですか。
ゆ ら:廃止すべきだ
鶴保:今の法制でよい
(コメント)ゆらさんは安保法制の廃止と立憲主義の回復を実現するために立候補し、鶴保さんは参議院議員として安保法案に賛成したのですからこういう答えしかあり得ません。あとは、それを私たちがどう評価するかということでしょう。

問16:政府は、沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場を同県名護市辺野古に移設する計画です。移設先とし
てあなたの考えに近いのはどれですか。
ゆ ら:国外
鶴保:沖縄県名護市辺野古

問17:日本の核武装について、あなたの考えに近いものを一つ選んでください。
ゆ ら:将来にわたって検討すべきでない
鶴保:国際情勢によっては検討すべきだ
(コメント)先にブログに書いたとおりです。

問18:日韓は昨年12月、慰安婦問題を最終的に解決することで合意しました。あなたはこの合意を評価し
ますか。
ゆ ら:評価する
鶴保:評価する

問19:米国とロシアの関係が悪化しています。日本の対ロシア外交で、あなたの考えに近いのはどちらです
か。
ゆ ら:北方領土問題の交渉など独自外交を進めるべきだ
鶴保:北方領土問題の交渉など独自外交を進めるべきだ

問20:日本の対中国外交について、あなたの考えに近いのはどれですか。
ゆ ら:対話を重視すべきだ
鶴保:より強い態度で臨むべきだ
(コメント)「より強い」って、何をどう強くするんでしょうか?

問21:米大統領選は共和党のトランプ氏と民主党のクリントン氏の争いになる見通しです。あなたはどち
らを支持しますか。
ゆ ら:どちらとも言えない
鶴保:クリントン氏

問22:国会議員の定数について、あなたはどう考えますか。
ゆ ら:増やすべきだ
鶴保:現行のままでよい

問23:参院選の選挙制度について、あなたの考えに近いのはどちらですか。
ゆ ら:非該当(選択肢以外の回答)
鶴保:各都道府県から最低1人は選ばれる制度にすべきだ

問24:選挙権年齢が18歳以上に引き下げられました。被選挙権(参院30歳以上、衆院25歳以上)の年齢も
引き下げるべきだと思いますか。
ゆ ら:引き下げるべきだ
鶴保:引き下げる必要はない

文庫本を3冊買った、みんな素晴らしい本に違いない~『立憲非立憲』『音楽入門』『山之口貘詩集』

 今晩(2016年6月27日)配信した「メルマガ金原No.2496」を転載します。

文庫本を3冊買った、みんな素晴らしい本に違いない~『立憲非立憲』『音楽入門』『山之口貘詩集』

 2011年3月28日の創刊以来、1日も休むことなく配信を続けてきた「メルマガ金原」を、今度の参議院議員選挙に突入してから、断腸の思いで休刊日を設けることにしたとお知らせしてから何日かが経
過しました。
 その間、ブログ(「弁護士・金原徹雄のブログ」と「wakaben6888のブログ」)は更新を続けていますの
で、ブログを閲覧してくださっている方には、この間、私が何をしていたか、ご説明するまでもないでしょう。
 私は候補者ではなく、少し選挙のお手伝いをしているだけですが、それでもいささか疲れますね。もともとそうでしたが、従来にもまして睡眠時間が少なくなっており、もしかすると、候補者のゆら登信(たかのぶ)さんの方がよく寝ているかもしれないと思うほどです。
 ということで、今日は1日、選挙関係のブログはお休みとし、通常モードの「メルマガ金原」を何日ぶりかで配信することにしました。
 とはいえ、材料を探している時間もなく(これをやっていたら休養にならない!)、たまたま今日出先から事務所に歩いて戻る途中、雨宿りがてら久しぶりに入った書店で目に付いた文庫本を3冊購入しましたので、買った本をご紹介しようと思います。
 もっとも、買ってきたばかりで、これから時間が作れれば読もうと思ったいるのですから、まだ読後感を書く訳にはいきません。
 3冊とも、店頭に並んで間のない文庫本で入手は容易ですし、おそらく文庫で出たことを知れば「是非
買いたい」と思う同好の士もきっといるでしょうから、そういう方々のための情報提供という趣旨でご紹介しようとするものです。
 私自身、最近はめっきり書店から足が遠のき、「本はネットで注文するもの」という生活になって久しいのですが、10年位前までは、よく書店に立ち寄っては、読むかどうかも分からぬながら、良さそうな本を買い求めるのが趣味でした。特に、古い価値ある作品が文庫で復活したような場合には、出来るだけ買っておくように心掛けていたものです。
 そういう身についた習慣は、久しぶりに書店の陳列台や棚の前に立っても変わらぬもので、今日、文庫新刊コーナーで買い求めた3冊のうち、1冊は原本の出版が1918年(立憲非立憲)、もう1冊が1951年(音楽入門)であり、文庫オリジナル編集の詩集(山之口貘詩集)も、著者は1963年に他界しています。
 いずれも「価値ある本に違いない」という私の見立ては、未読でありながら、多分はずれることはない
という自信があるのです。
 前置きはこれくらいにして、その3冊を、版元などのホームページに掲載された紹介文を引用することによってご紹介するとともに、その著者(あるいは解説者)にかかわる記事を掲載した私のブログにもリンクしておきます。ご参考までに。

 
佐々木惣一 著 『立憲非立憲』(講談社学術文庫) 
2016年6月10日 第1刷発行 860円+税
(原本 1918年 弘文堂書房)
立憲非立憲 (講談社学術文庫)
佐々木 惣一
講談社
2016-06-11

(引用開始)
 本書の著者である佐々木惣一(1878-1965年)は、京都帝国大学で法学を学び、母校で教授を務めた憲法
学・行政学の大家として知られている。
 厳密な条文解釈に基づいて独自の学説を展開した佐々木は、弟子の大石義雄(1903-91年)とともに「憲法学の京都学派」と呼ばれ、東京帝大教授を務める美濃部達吉(1873-1948年)に伍す存在として「東の美濃部、西の佐々木」と称された。1933年に滝川事件が起きると、これに抗議して京都帝大を退職したよう
に、常に「学問の自由」を重んじた人でもある。
 戦後には、貴族院議員を務めるとともに、近衛文麿(1891-1945年)から依頼されて憲法改正調査にあたり、憲法草案を作成したことでも知られる。この草案は採用されずに終わったが、学問に対する姿勢を変
えることのなかった佐々木は、『日本国憲法論』(1949年)、『憲法大義』(1950年)などを物した。
 本書は、その佐々木惣一が「大正デモクラシー」華やかなりし1918(大正7)年に出版した著作である。ここで打ち出されている主張は、表題作「立憲非立憲」を見れば一目瞭然と言える。「政治は固より憲法に違反してはならぬ。而も憲法に違反しないのみを以て直に立憲だとは云えない。違憲では無いけれども而も非立憲だとすべき場合がある。立憲的政治家たらんとする者は、実に此の点を注意せねばならぬ」。違憲ではないか、という疑念の声が多くあげられた法案が可決され、改憲への動きが現実味を帯びる現在、「合憲か、違憲か」の対だけでは本質をつかむことはできない。本書で提示される「立憲か、非立憲か
」という対こそが、日本の未来を左右する最重要の争点である。
 今こそ重要性を増している本書を異彩を放つ憲法学者・石川健治氏による渾身の書き下ろし「解説」と
ともに送る、待望の文庫化!
(目次)
国民普及版の発行に就て

立憲非立憲
 一 人類の文化と我が立憲制度
 二 我が憲政に対する欧米人の懐疑
 三 我が日本人の悲観
 四 君権行使の制限
 五 立憲制度への経過
 六 立憲制度と東洋の君主道
 七 立憲主義の実行
 八 責任の帰着
 九 罷免と弾劾と辞職
 十 立憲主義と議会政治
 十一 違憲と非立憲
 十二 憲政と我が国民性
立憲政治の道徳的意味
 第一 政治の道徳的意味を考うる必要
 第二 政治の影響
 第三 政治と理想
 第四 国家主義
 第五 立憲政治と道徳的自由
 第六 立憲政治と我が国民道徳
 第七 政治の教育的意味
我が立憲制度の由来
 一 我が憲法の最初
 二 我が憲法の由来を見るの用意
 三 憲法思想の発達
 四 憲法制定の由来
 五 由来の尊重
 六 憲法と人類の生活
 七 憲法に対する無頓着
現代の政治と信念
 一
 二
 三
 四
 五
 六
一票の投げ所
 一 要は深い人情に在る
 二 政見か人物か
 三 政見は明瞭を要す
 四 政見の合する程度
 五 同じ政見ならば人物
 六 国民自ら責めよ
 七 利益にくらむ勿れ
 八 選挙法違反ならでも不道徳
 九 棄権も政治上の不道徳
 十 最後の一筆
 十一 選挙と第三者
憲法裁判所設置の議
 一 憲法擁護の制度
 二 大臣責任の実現
 三 議会政治と大臣責任の制度
 四 憲法裁判及び憲法裁判所
 五 憲法裁判所と帝国議会
 六 憲法裁判所の規定
 七 憲法裁判所と我が国現時の政治思想
解説(石川健治) 
(引用終わり)
伊福部 昭 著 『音楽入門』(角川ソフィア文庫)
平成28年6月25日 初版発行 760円+税
(原本 1951年)
音楽入門 (角川ソフィア文庫)
伊福部 昭
KADOKAWA/角川学芸出版
2016-06-18

(引用開始)
本能を震わす、メロディの秘密。ゴジラ音楽の原点を明かす!
 真の美しさを発見するためには、教養と呼ばれるものを否定する位の心がまえが必要です――。土俗的なアイヌ音楽に影響を受け、日本に根ざす作品世界を独学で追求した作曲家、伊福部昭。語りかけるように綴られた音楽芸術への招待は、聴覚は最も原始的な感覚であり、本能を揺さぶるリズムにこそ本質があるとする独自の音楽観に貫かれている。「ゴジラ」など映画音楽の創作の裏側を語った貴重なインタビュ
ーも収録。(解説・鷺巣詩郎)
[目次]

はしがき
第一章 音楽はどのようにして生まれたか
第二章 音楽と連想
第三章 音楽の素材と表現
第四章 音楽は音楽以外の何ものも表現しない
第五章 音楽における条件反射
第六章 純粋音楽と効用音楽
第七章 音楽における形式
第八章 音楽観の歴史
第九章 現代音楽における諸潮流
第十章 現代生活と音楽
第十一章 音楽における民族性
あとがき
一九八五年改訂版(現代文化振興会)の叙
二〇〇三年新装版(全音楽譜出版)の跋
インタビュー(一九七五年)
解説 鷺巣詩郎 
(引用終わり)
 
(参考/弁護士・金原徹雄のブログから)
2014年6月8日
『ゴジラ』は今も世相を撃てるか?
2014年8月27日
放送予告8/30「伊福部昭の世界~ゴジラを生んだ作曲家の軌跡~」(Eテレ)ほか


高良勉 編 『山之口貘詩集』(岩波文庫)
2016年6月16日 第1刷発行 640円+税
(文庫オリジナル編集)

(引用開始)
内容紹介
結婚願望や貧乏生活、あるいは故郷沖縄のなつかしい風景やビキニ核実験を描いたものなど、推敲に推敲
を重ね、ユーモアにみちた滋味掬すべき詩を書き続けた詩人山之口貘のエッセンス。「日本のほんとうの
詩は詩人山之口君のような人達からはじまる」(金子光晴)。
目次
『思辨の苑』(むらさき出版部、一九三八)(襤褸は寝ている、加藤清正 ほか)
『定本山之口貘詩集』(原書房、一九五八)(喪のある景色、世はさまざま ほか)
『鮪に鰯』(原書房、一九六四)(野次馬、ひそかな対決 ほか)
『新編山之口貘全集』(第1巻 詩篇)(思潮社、二〇一三)(吾家の歌、あわてんぼう ほか)
(引用終わり)

(コメント)
 オリジナル編集の山之口貘(やまのくち・ばく)詩集としては、1999年に講談社文芸文庫から刊行された版(山之口貘詩文集)が今も入手可能なようです。

 何より、音楽好きにとっては、高田渡さんが愛した詩人として、そのメロディーとともに多くの曲を思い出すことでしょう。最も有名な作品は『生活の柄』でしょうかね。


(弁護士・金原徹雄のブログから~参院選本番突入)
2016年6月20日
インターネット選挙運動のすすめ~参院選公示まであと2日
2016年6月21日
「2016参議院和歌山選挙区公開討論会」(6/20和歌山夢スクール実行委員会)動画を視聴してください
2016年6月22日
いよいよ参院選が始まった~澤藤統一郎さんと田中龍作さんが取り上げたゆら登信(たかのぶ)さん(和歌山県選挙区)
2016年6月23日
ゆら登信(たかのぶ)さんへの応援演説その1~6/23有田教育会館(有田郡湯浅町)にて
2016年6月24日
県に対する提訴を「たかり」と評した仁坂吉伸和歌山県知事に強く抗議する
2016年6月25日
ゆら登信(たかのぶ)さんへの応援演説その2~6/25選挙カーからの訴え(和歌山市内)
2016年6月26日
ゆら登信(たかのぶ)さんへの応援演説その3~6/26河西コミセン(和歌山市)にて

ゆら登信(たかのぶ)さんへの応援演説その3~6/26河西コミセン(和歌山市)にて

ゆら登信(たかのぶ)さんへの応援演説その3~6/26河西コミセン(和歌山市)にて
(配信日:2016年6月26日)
 
 選挙戦に突入してからというもの、「メルマガ金原」を休載し、もっぱらブログだけ更新しているのは、公職選挙法がインターネット選挙運動を解禁しながら、電子メールを利用しての文書図画の頒布は原則禁止とするという中途半端な方針をとっているからで、迷惑なことですがやむを得ません。
 私も、7月10日までの間、選挙関連以外の記事も書きたくなることがあるとは思いますが、まずは選挙最優先で行かざるを得ない時でしょう。
 
CIMG6243 ということで、今日も、参議院選挙和歌山県選挙区の野党統一候補・ゆら登信(たかのぶ)さん(共産、社民、生活推薦)の応援演説に行ってきました。
 今日(6月26日)は、選挙戦最初の日曜日ということで、ゆらさんは、終日、県内最大人口を抱える県庁所在地・和歌山市での活動となりました。
 個人演説会は、
  16時00分 楠見東小学校
  16時30分 砂山小学校
  18時30分 河西コミュニティセンター
の3箇所で行われ、各会場の応援弁士の内、1人は弁護士とすることになり、河西(かせい)コミセンには地元の私が行くことになりました。
 今回は、6月23日の有田教育会館(有田郡湯浅町)よりも持ち時間が短かったため、前回お話したことをベースとしつつ、少し手直しした改訂版原稿を用意しました。以下に掲載するのは、その応援演説用の原稿です。文章を引用した場合は原稿を目で追いながら読みましたが、それ以外ではほとんど原稿を見ずに話しましたので、以下の原稿と実際に話したことには相当違いがありますが、それを手直ししている余裕はありませんので、ほぼ原稿のまま掲載しています。

 なお、本日の登壇者は、登壇順に以下の4人でした。
 1 下角 力 氏(日本共産党和歌山県委員会委員長)
 2 金原徹雄
 3 坂口多美子 氏(日本共産党・比例代表候補)
 4 ゆら登信 氏(無所属・和歌山県選挙区候補)

(動画追加)
 当日の動画を小谷英治さんがYouTubeにアップしてくださいました。
ゆら登信選挙区候補 個人演説会 和歌山市河西コミュ 20160626(49分)

冒頭~ 下角 力さん(途中から)
5分~ 金原徹雄
16分~ 坂口多美子さん
26分~ ゆら登信さん


 なお、最初の方が収録されていない下角さんの演説完全版については、貴志公一さんがFacebookにアップされた動画をご覧ください。 
 

2016年6月26日(日)午後6時30分~ 於:河西コミュニティセンター(和歌山市)2階多目的ホール
ゆら登信(たかのぶ)個人演説会における応援演説

 皆さん、今晩は。ただいまご紹介いただきました弁護士の金原(きんばら)と申します。
 私は、生まれは「梅原(うめはら)」、小学校以来今に至るまで「栄谷(さかえだに)」在住という完全な地元人間なので、お馴染みの顔がそこここにいらっしゃいます。今日は、ゆら登信(たかのぶ)さんの個人演説会に、このように多数おいでいただきまして、本当にありがとうございます。

 私の肩書きなどはどうでも良いのですが、一応ゆらさんが今度の選挙に立候補したこととの関連で、市民連合わかやまというのがどういう団体かだけは、一言ご紹介しておいた方が良いと思います。
 今回の参議院選挙和歌山県選挙区に、共産党が坂口多美子さんを、民主党が坂田隆徳さんをそれぞれ独自に擁立するという発表がなされ、このまま野党が分裂したまま選挙戦に突入したのでは話にならない、何としても野党統一候補を実現して勝ちに行かなければならないと決意した弁護士など市民有志が急遽昨年末に集まり、何の目算もない中、クリスマスイブの日に、県庁内の県政記者室で記者会見を開き、統一候補実現を県内各野党に要請する方針を公表して走り出しました。
 ゆらさんは、その最初から、豊田泰史弁護士とともに、野党統一候補の実現を目指す運動の主要メンバーであり続けたのです。
 記者会見以降の具体的な統一候補の擁立に向けた紆余曲折は省略しますが、そろそろ3月も終わろうという頃、さすがに「もう時間がない」、「ご免なさいと謝って、活動を終えるしかないのでは」という声が内部で聞こえ始めたその時、「それは絶対に駄目だ」と断言したのがゆらさんでした。
 ゆらさんは、野党統一候補擁立を求める県下の様々な集会に参加し、「何としても野党共闘の実現を!」という県民の熱い思いを真正面から受け止め、絶対に統一候補を実現しなければならないと決意していたのでした。
 私は、市民連合わかやま(当時は「安保法制の廃止を求める和歌山の会」と名乗っていました)の会議で、いよいよ候補者選定が行き詰まったことを確認したその席上、ゆらさんが、「候補者選びを断念することはできない。もしも、皆さんが『由良でいい』と言ってくださり、共産党、民主党が独自候補を取り下げて協力してくれるのであれば、私が出ることにしたい」という決意を披瀝するのを聞き、「よくぞそこまで決心してくれた」と感動しました。
 私が今日ここに立っているのは、その感動の延長線上で、私に出来ることは何でもやらなければと思ったからに他なりません。

 ところで、6月24日の新聞各紙が選挙戦序盤における情勢を一斉に伝え、改憲勢力が参議院の2/3をうかがう勢いという記事を掲載したのを読まれた方も多いのではないかと思います。この観測報道自体にも色々問題はあるのですが、それはさておき、このような観測が出ることにはそれなりの理由があります。
 今回改選期を迎える121議席は、6年前の選挙で選ばれた議員たちですが、当時は民主党の菅直人政権の時代で、与党であった民主党がそこそこ議席を確保した選挙でした。今の民進党に、当時のような力は正直ありません。
 新聞各紙が改憲勢力に分類する自民党、公明党、おおさか維新の会、日本のこころを大切にする党の4党が、観測のとおり、衆議院に続き参議院でも2/3以上の議席を確保するには、現有議席から16議席上積みするだけで良いのです。
 選挙前の民進党の46議席が、どこまでの減少で食い止められるかが、(民進党の運命などどうでも良いとしても)日本国憲法、そして日本国民の将来の運命を大きく左右するのです。
 私は、民進党とも共産党とも何の関係もありませんが、日本共産党が、坂口多美子さんを含む選挙区に擁立するはずだった多くの予定候補を比例区に回し(これだけでも多額の供託金の負担増加です)、民進党公認候補や無所属統一候補の支援を行う方針に大転換したのは、このような憲法の危機を突破することが、国民・市民の願いであり、大義であるということを理解した結果であると、私は高く評価し、感謝しているのです。
 憲法を守り、これを子や孫の世代に引き継いでいく責任を果たせるかどうか、今がまさにその正念場です。
 ゆら登信さんは、弁護士として、憲法の大切さを1人でも多くの人に知ってもらおうと、何年も前から県下各地で憲法について講演して回っており、和歌山の弁護士の中で、一番たくさん憲法学習会の講師を務めている人です。
 憲法を安倍政権による破壊から救い出し、次の世代に伝えるため、是非ゆら登信さんを国会に送り出してください。

 この他にも、6月20日の公開討論会で明らかとなった、自民党公認候補・鶴保庸介さんの、奨学金制度についての、あまりといえばあまりな無理解についてもお話したいと思ったのですが、持ち時間の関係から、泣く泣く省略します。詳しくは、今晩の私のブログをご参照ください。

 ただ、これだけは是非とも皆さんに知っていただきたいことがあります。
 国政選挙の際には必ず行われる毎日新聞・候補者アンケートの結果が公表されましたので、和歌山県選挙区の3人の候補者の回答を読んでみたのですが、3人の回答ががばらばらであった質問のうちの1つに目が吸い寄せられました。
 質問は以下のようなものでした。
【質問17】「日本の核武装について、あなたの考えに近いものを一つ選んでください。」
 これに対する3人の回答は以下のとおりです。
西本篤氏(幸福実現党)「核兵器を保有すべきだ」
由良登信氏(無所属)「将来にわたって検討すべきでない」
鶴保庸介氏(自民党)「国際情勢によっては検討すべきだ」
 何と、日本は絶対に核武装すべきではないと主張する候補者はゆら登信さん1人だけなのです。もしもゆらさんを落選させてしまえば、和歌山から選出される議員は、ただちに核武装すべきだという人か、もしくは、国際情勢によっては核武装を検討すべきだという人のどちらかになるのです。
 私も、候補者アンケートをこんなにじっくり読んだのは初めてなので、過去の和歌山の選挙でこういう事態があったのかどうか知りませんが、恐ろしい時代になったものだと思いませんか?

 最後に、6月23日に湯浅町の有田教育会館で開催された個人演説会で私が応援演説をした際、最も好評だったのが、私の話ではなく、東京の澤藤弁護士からゆら登信さんへの熱烈なエールを紹介した部分であったと後日聞きました。それなら、ということで、今日も最後は、澤藤先生からのメッセージをご紹介します。
 ゆらさんを応援してくださっているのは、東京弁護士会のベテラン、澤藤統一郎弁護士です。日本弁護士連合会に消費者問題対策委員会という委員会があって、消費者被害の救済などに活発に活動していますが、澤藤先生は、かつてその委員長を務めておられたことがあり、その澤藤委員長の下で副委員長を務めたのがゆらさんだったのです。
 澤藤先生は、ご自身のブログ「澤藤統一郎の憲法日記」(今年5月19日の記事)の中で、ゆらさんのことを以下のように評しておられます。

(引用開始)
 私は、由良さんをよく知る一人だ。日弁連の消費者委員会で活動をともにした。信頼のできる人だし、社会的弱者の立場に立つことを鮮明にしている人。到底、自ら国政に出ようというタイプには見えなかったが、この人が選挙に出るなら、なるほどよい候補者だ。人当たりが柔らかで、誰の意見にも穏やかに耳を傾ける。何よりも声がよい。歯切れがよいし、滑舌が滑らかで聞きやすい。そして、話が分かりやすい。説得力がある。
 がんばれ、由良さん。がんばれ、和歌山野党共闘。
(引用終わり)

 ゆら登信さんの当選を目指し、最後までみんなで頑張りましょう。ありがとうございました。
 

(補注)
【鶴保庸介氏の奨学金に関する意見】
1 ご本人が話されたこと
 2016年6月20日、和歌山県岩出市の「ホテルいとう」で開かれた公開討論会(主催:わかやま夢スクール)での発言から。
「奨学金を貰って、ある程度社会に出てですね、ある程度収入も得られる立場になったときに、返さないようにしてもらったら、楽は楽ですよ。でもそうするべきか?それが世の中のあるべき姿なんだという風に、そう若者が思ってらっしゃるとしたら、私は悲しい思いをするんですね」
 以下の動画の54分~をご覧ください。

 なお、56分~あたりでの発言で、学校の教員になったら奨学金が免除される制度があるかのような発言がありますが、日本学生支援機構ホームページに以下のように説明されている制度(既に廃止されている)のことを言っておられるのでしょうかね?国会議員だからといって、全ての法律制度に通暁することはもちろん不可能でしょうが、それにしてもねえ。
(引用開始)
なお、平成10年(1998年)4月1日以降に大学(学部)、短期大学もしくは高等専門学校の1年次に入学し貸与を受け、卒業後教育の職に就いた場合の奨学金返還特別免除制度は廃止されました。ただし、平成10年(1998年)3月31日以前にこれらの学校に入学し、その在学期間中の平成10年(1998年)4月1日以降に第一種奨学金の貸与を受け、引続き進学している等就職するまでの期間が所定の要件を満たしている場合は、奨学金返還特別免除制度の対象になります。
(引用終わり)

2 ニュース和歌山からのアンケート調査に答えたこと
 全国紙に挟み込んで配布されるフリーペーパー「ニュース和歌山」からのアンケートに対する回答(6月18日号に掲載)は以下のとおりでした。
(引用開始)
 質問 奨学金の給付型を増やす政策はお考えですか。
 給付型奨学金制度の創設に向け、しっかり進めます。経済状況にかかわらず、学ぶ意欲と能力のある全ての若者が質の高い教育を受けられる社会を作らねばなりません。また、無利子奨学金の採用枠拡大や、返還月額が所得に連動する制度を定着させることで返還の不安を軽くし、学業に集中できる環境を作ります。
(引用終わり) 

3 それで?
 ニュース和歌山への回答を誰が書いたのか知りませんし、草稿をスタッフが書くこと自体、別に非難されることでもないとは思いますが、少なくとも回答した内容には本人が責任を負ってもらわなければね。

ゆら登信(たかのぶ)さんへの応援演説その2~6/25選挙カーからの訴え(和歌山市内)

ゆら登信(たかのぶ)さんへの応援演説その2~6/25選挙カーからの訴え(和歌山市内)
(配信日:2016年6月25日)

 第24回参議院議員通常選挙も今日(6月25日)で4日目、選挙戦最初の休日(土曜日)、各候補とも県内各地を精力的遊説していることでしょう。
 野党統一候補のゆら登信(たかのぶ)さんも、日中は和歌山市内各所の街頭で演説し、JR和歌山駅前と(和歌山城)公園前では、ゆらさん自身の演説以外は、全て応援してくれている若者たちに任せるという大胆な試みを行ったとか。
 そして、ゆらさん自身は、夜7時から御坊市の市民文化会館大ホールで開催される個人演説会、というより「地元大集会」に参加するため和歌山市をあとにしましたが、選挙カー自体は、午後8時まで一刻も休ませることをせず(機械とはいえ可愛そうな気もしますが)、和歌山市内でフル稼働させるというスケジュールが組まれ、ゆらさんに代わって住民の皆さんに訴える弁士が必要ということで、午後6時から8時まできっちり2時間、私がゆら選挙カーに乗車し、白手袋を着けて窓から手を振ったり(生まれて初めての経験です)、市内5箇所で、道ばたに駐めた選挙カーの屋根の上に上がり、それぞれ10分ずつ、ゆら登信(たかのぶ)さんへの投票を訴える演説を行いました。
 あいにくの雨模様(小雨だったのがまだしも幸いでしたが)の上、時間も時間でしたから、道行く人はほとんどおらず、家の中にいる人たちに呼びかけるという具合でした。
 今朝から、6カ月点検に出かけたディーラーショールームの中や、夕方出発する前の選対事務所の中で急いで書き上げた原稿をもとにお話しました。
 拙い内容ではありますが、以下に転記します。
 明日(6月26日)も、ゆらさんは和歌山市です。
 個人演説会は、以下の3箇所で開かれます。
  16時00分~ 和歌山市・楠見東小学校 
  16時30分~ 和歌山市・砂山小学校 
  18時30分~ 和歌山市・河西コミセン
 私は、18時30分からの河西(かせい)コミュニティセンターで応援弁士を務める予定です。今回の持ち時間は約7分で、23日の有田教育会館(湯浅町)よりやや少なめなので、内容を吟味しなければ。和歌山市及びその周辺にお住まいの方は、是非連れ立って近くの会場にお越しください。
 

2016年6月25日(土)午後6時~8時 和歌山市内5箇所に駐めた選挙カーの上で
ゆら登信(たかのぶ)候補への投票を呼びかける応援演説

 皆さん、こんにちは(注:日が暮れそうになったら「こんばんは」)。
 私たちは、今度の参議院選挙の和歌山選挙区に無所属で立候補した野党統一候補、弁護士のゆら登信(たかのぶ)さんを推薦し、何としても国会に送り出したいと応援している市民団体、市民連合わかやまのメンバーです。
 私は、弁護士の金原(きんばら)と申します。短い時間ですが、お耳を傾けていただけると嬉しいです。

 今日、私から皆さんに訴えたいことは2つだけです。
 1つは、私たちの平和な暮らしを守ってきた日本国憲法が、その制定から70年目の今年、最大の危機を迎えているということです。
 そして2つ目は、日本の将来を担う子ども・若者たちの教育権の保障についてです。

 最初に、憲法の危機についてお話します。
 そう言うと、「憲法なんて難しくて分からない」と仰る方がいます。そういう方に私は、こういう風に説明することにしています。
 人間は、きれいな水や空気がなければ生きていけませんが、私たちがそのことに気がつくのは、水や空気が汚され、きれいだった時の有り難みを実感した時かもしれないのです。けれども、その時にはもう遅く、いったん汚された自然環境を元通りにするのは容易なことではありません。
 憲法についても、水や空気と同じようなところがあります。
 多くの人にとって、普段から、憲法の有り難みを実感している人はそう多くはないかもしれません。
 実際に、多くの人が憲法の大切さに気付くのは、憲法が蔑(ないがし)ろにされ、憲法による権力へのしばりが失われようとしている危機の時でしょう。
 数十年来の政府解釈を一片の閣議決定で覆し、集団的自衛権の行使を認めた一昨年以来、安倍政権による憲法無視の暴政の数々は目に余ります。
 憲法9条を無視したいわゆる安保法制を強引に成立させただけではなく、21条の表現の自由・報道の自由の旨を没却してマスメディアに強引な介入を繰り返したり、さらに、昨年の通常国会閉会後、衆参両院の各1/4以上の野党議員から、臨時国会の召集を請求したにもかかわらず、安倍政権は、憲法53条によって召集することを義務づけられているにもかかわらずこれを無視し、ついに臨時国会を召集しませんでした、
 権力者が、自分にとって都合が悪ければ憲法を守らなくてもよいという国を「独裁国家」と言うのです。日本海の対岸に、そういう国がありますよね。日本は、今どんどんその国に近付いて行っており、私はそのことに非常に強い危機感を抱いています。
 私たち市民連合わかやまの正式名称は、「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合わかやま」です。
 安保法制が憲法9条に違反することは、全国すべての弁護士会、最高裁判所元長官や歴代の内角法制局長官らを含め、圧倒的多数の法律専門家が一致して認めています。
 それにもかかわらず、自衛隊員から犠牲者、戦死者が出る。また、自衛隊が他国の市民を殺傷してしまう。そういう危機が目の前に迫っています。安保法制を1日も早く廃止し、そのような事態を何としても阻止しなければなりません。
 また、昨日(6月24日)の新聞各紙は、選挙序盤における情勢を一斉に伝え、一致して、改憲勢力が参議院の2/3をうかがう勢いという記事を掲載しました。この種の観測報道の問題自体はさておくとして、今度の参議院選挙の結果、新聞各紙が改憲勢力に分類する自民党、公明党、おおさか維新の会、日本のこころを大切にする党の4党で、衆議院に続き参議院でも観測の基礎となったデ2/3を確保したならば、憲法改正案を国会で発議し、明文改憲に踏み出すことが優に予想されます。その意味で、憲法を守れるかどうかの瀬戸際であることは間違いありません。
 私たちは、きれいな水や空気と同じように、失ったものの大切さを、失ってから初めて気付いて後悔するようなことがあってはなりません。
 ゆら登信さんは、弁護士として、憲法の大切さを1人でも多くの人に知ってもらおうと、何年も前から県下各地で憲法について講演して回っており、和歌山の弁護士の中で、一番たくさん憲法学習会の講師を務めている人です。
 憲法を安倍政権による破壊から救い出し、次の世代に伝えるため、是非ゆら登信さんを国会に送り出してください。

 もう1つ、ゆらさんの重点公約の1つである「教育権の保障」についてお話します。
 文科省は、道徳を正式教科とし、子どもたちに道徳の点数を付けて序列化するという愚劣な教育政策を進めていますが、本来が国がやらなければならないことはそんなことではなく、憲法26条が保障する教育を受ける権利を実効性あるものにするため、義務教育課程だけではなく、高校から大学にかけての高等教育についても、無償化の方向に政策の舵を切るべきなのです。
 日本が自由と平等を基本原理とする国であることは、与党支持者の方の大半もご同意いただけるものと思いますが、そうであるならば、どのよな経済環境の家庭に生まれ落ちるかという、子どもたちにとって選択の余地はなく、何の責任もない事情によって、受けられる教育の質や量に大きな差があっても良いものでしょうか?それで、この国が自由で平等な国だと胸をはれるのでしょうか?
 ここで私の個人的な体験をお話させてください。私の家庭は決して裕福ではありませんでしたが、それでも大学の法学部を卒業し、時間はかかりましたが、司法試験に合格して弁護士になることができました。
 そのようにして私が「弁護士になりたい」という夢を実現する上で、自宅から通える距離にある大阪市立大学の年間授業料がわずか1万2000円であったという事情はとても大きなことでした。
 今や、国立大学でさえ、授業料だけで年間約54万円が必要ですし、自宅から通学できず、親元を離れて暮らさざるを得ないとなると、親や学生本人の負担は本当に大変です。従って、学費の無償化を目指すだけではなく、返済義務のない給費制の奨学金を拡充することが、どうしても必要です。
 この点について、今回の選挙に立候補している各候補の考え方が端的に分かる得難い機会がありました。6月20日に岩出市で、若い学生の皆さんなどが中心となって、立候補予定者3人に様々なテーマについてその意見をただす公開討論会が開かれたのですが、奨学金問題も、彼らの強い関心を持つテーマとして各候補にその意見が求められました。
 ゆら登信さんは、奨学金を返済できず、裁判所に呼び出されて被告席に座らされる多くの若者を見たことを紹介し、将来の日本への投資として、給付型奨学金を制度として確立することが必要であると訴えました。
 これに対して与党候補は、「奨学金を貰って、ある程度収入も得られる立場になった時に、返さないようにしてもらったら、楽は楽ですよ、でもそうするべきか?それが世の中のあるべき姿なんだというふうに若者が思ってらっしゃるとしたら、私は悲しい思いをするんですね」と答えました。
 私は、討論会の翌日、YouTubeにアップされた動画でその回答を聴き、私の方が悲しくなりました。
 政治というのは、どの政策に重点を置くかの選択にほかなりません。
 日本の将来のために、意欲のある若者が、たとえ経済的境遇が違っても、誰もが心おきなく勉学ができる環境を整えるため、重点的な予算配分をすべきだというゆら登信さんを是非応援し、国会に送り出してください。皆さんもゆらさんと一緒に、日本の将来の希望でである子どもたち、若者たちのために、日本の政策の方向を変えるための1票を投じてください。よろしくお願いします。
 ご静聴、ありがとうございました。

(参考動画)
参議院議員和歌山選挙区公開討論会ー和歌山夢スクールー2016062011(1時間58分)

※奨学金についての各候補の発言は、54分頃以降です。

県に対する提訴を「たかり」と評した仁坂吉伸和歌山県知事に強く抗議する

県に対する提訴を「たかり」と評した仁坂吉伸和歌山県知事に強く抗議する
(配信日:2016年6月24日)

 参議院議員選挙の公示翌日の昨日(6月23日)、野党3党(共産、社民、生活)が推薦する無所属の新人で弁護士のゆら登信(たかのぶ)さんの個人演説会が有田郡湯浅町で開かれ、私が応援弁士の一人として演説をしたことは、昨日のブログでご紹介したとおりです(ゆら登信(たかのぶ)さんへの応援演説その1~6/23有田教育会館(有田郡湯浅町)にて)。

 ところが、同じ23日、さすがに現職の自民党公認・鶴保庸介氏の個人演説会には、私のような無名の一弁護士などではなく、和歌山県知事その人が応援弁士に立ったというのですから豪華なものです。ただし、結果として、仁坂吉伸和歌山県知事を弁士に招いたことが良かったのかどうか、鶴保陣営でも判断に苦しんでいるかもしれません。
 
 既に多くの人はご存知かと思いますが、昨晩、多くの新聞(ほとんどが有力地方紙)のWeb版に一斉に掲載された共同通信配信の記事があり、一読した人を驚かせました。
 
47ニュース・共同通信 2016/6/23 22:44
和歌山県知事、野党候補を中傷 県に提訴は「たかり」

(引用開始)
 和歌山県の仁坂吉伸知事は23日、事実上の野党統一候補として参院選和歌山選挙区に立候補した弁護士の無所属新人由良登信氏を念頭に「県から見たらたかりじゃないかなという案件(裁判)でいつも出てくる」と批判した。
 和歌山市で開かれた自民党現職鶴保庸介氏の個人演説会に応援弁士として出席し発言した。
 仁坂知事は県が裁判を起こされると対応に税金がかかると指摘した。
 仁坂知事の発言に関し由良氏は「事実であれば、知事の発言は行政訴訟における弁護活動を理解していないもので、撤回し謝罪すべきだ」とのコメントを出した。
(引用終わり)

 鶴保氏のホームページによれば、6月23日のスケジュールの中で個人演説会が行われたのは、
  18:30~ みどり幼稚園(和歌山市東高松3丁目3−30)
  19:00~ ルミエール華月殿(和歌山市屋形町2丁目10)
の2箇所でしたが、仁坂知事が弁士を務めたのはみどり幼稚園の方だったようです。

 今のところ、実際の録音を耳にした訳ではなく、裏付けがとれたとは言えませんが、当然、この記事を書いた共同通信の記者は、知事の発言をICレコーダーで録音しているはずですし、これだけの内容の記事を書く以上は、何度も録音を聴き直して確認したに決まっています(私が共同の記者なら絶対にそうします)。
 配信する記事の見出しに「中傷」という言葉を付けるのは1つの「決断」だったと思いますが、取材した記者だけではなく、共同通信和歌山支局全体として、「中傷」という見出しを付けて至急全国に配信すべきニュースであると判断したものでしょう。
 知事という、この県の最高権力者におもねることなく、ニュース価値を正しく評価して直ちに配信した共同通信和歌山支局に深く敬意を表したいと思います。

 なお、共同通信以外で、この暴言を伝えたのは産経でした。こちらも引用します。共同と産経のどちらの配信が早かったのか、両社とも「中傷」という言葉を見出しに用いたのは全くの偶然か、今のところ確認はとれていませんが、いずれにせよ、産経新聞和歌山支局に対しても、共同と同じように、メディアとしての使命を果たした記事を配信されたことに対し、敬意を表します。
 
産経WEST 2016.6.23 22:43
知事が野党弁護士候補を中傷 県相手の訴訟に「いつも出てくるたかり」 名前は言わず

(引用開始)
 
和歌山県の仁坂吉伸知事は23日、事実上の野党統一候補として参院選和歌山選挙区に立候補した弁護士の無所属新人、由良登信氏を念頭に「県から見たらたかりじゃないかなという案件(裁判)でいつも出てくる」と批判した。
 和歌山市で開かれた自民党現職鶴保庸介氏の個人演説会に応援弁士として出席し発言した。
 仁坂知事は県が裁判を起こされると対応に税金がかかると指摘し「何でこんなことをしなければいけないのかと思う。民主主義だから権利は尊重しなきゃいけないけど、割り切れなくもなる」とも述べた。
 由良氏の名前に触れず「相手の方」「弁護士の方」と言いながら「(選挙結果で)そういう人に鶴保さんが接近されたら申し訳ない。皆さん熱心に応援してください」と訴えた。
 仁坂知事の発言に関し由良氏は「事実であれば、知事の発言は行政訴訟における弁護活動を理解していないもので、撤回し謝罪すべきだ」とのコメントを出した。
(引用終わり)

 私は、昨日深夜にこの暴言を教えられ、頭に来てFacebookに怒りの投稿をしたにとどまりましたが、市民連合わかやまの豊田泰史共同代表は、さすがにそれだけでおさめるつもりはなく、本日(6月24日)正午から、山﨑和友、阪本康文両弁護士とともに、和歌山県庁内の県政記者室において、抗議の緊急記者会見を行いました。
 午前中、私の携帯に豊田さんから電話がかかってきていたのは、どうやら都合がつけば私にも記者会見に参加して欲しいという要請だったようですが、午前中はずっと裁判所で調停中であり、残念ながら私は参加できず、また今のところ、記者会見の内容を伝える報道に接していません。
 そこで、豊田弁護士に頼んで、記者会見で発表した3人連名のコメントを送ってもらいましたので、それを以下にご紹介します。
 
(引用開始)
コメント
 仁坂吉伸知事が23日夜、和歌山市内の鶴保個人演説会で、野党統一候補として参院選和歌山選挙区に立候補した弁護士の由良登信氏を指して、「県から見たらたかりじゃないかという案件でいつも出てくる。」「県が裁判を起こされると対応に税金がかかる。」「こういう人に、大事な鶴保さんが接近されたら申し訳ないと思っていますので、ぜひ鶴保さんを応援していただきたい。」などと誹謗中傷した発言をされたとの報道に接しました。
 この仁坂知事の発言は、刑法第230条1項の名誉毀損罪に該当するだけでなく、公職選挙法第235条2項の虚偽事項の公表罪に該当するもので、明らかな選挙妨害行為です。
 基本的人権の擁護、社会正義の実現を使命とする弁護士が、県民の訴訟代理人として行政訴訟や国家賠償訴訟などを提起するのは当然の職務行為であり、これを知事が「たかり」などと誹謗中傷するのは弁護士の職務行為に対する甚だしい偏見というだけでなく、県民の司法救済そのものを頭から否定するものであります。
 今回の仁坂知事の暴言については看過出来るような内容ではなく、上記の刑事告発を含め然るべき対応を検討してきたいと考えます。

                 平成28年6月24日

                    市民連合わかやま
                      弁護士 山 﨑  和 友
                      弁護士 豊 田  泰 史
                      弁護士 阪 本  康 文
(引用終わり)

 今後この問題がどのように進展するか、まだ見通せませんが、弁護士がなぜこれほど怒っているのか、その真の理由を県民の皆さんに理解していただく努力を私たちも怠らないようにしなければなりません。
 今回の暴言は、様々な角度から批判することが可能でしょうが、私が一番問題だと思うのは、上のコメントにもあるとおり、「県民の司法救済そのものを頭から否定する」点です。
 共同、産経の伝えるところによると、仁坂知事は、「県が裁判を起こされると対応に税金がかかる」と発言し、あたかも、県民の財産を守ろうとする自分が「善」であり、応訴の費用を県に使わせる提訴者が「悪」であるかのような印象を与えようとしていますが、これほどふざけた理屈はありません。
 この論理を貫けば、公金を原資として応訴することになる国、地方自治体などを相手に訴訟を起こすこと自体が「悪」であり、民(たみ)はお上(かみ)に従順に従っていればいいのだと言っているのも同然です。
 いかに経産官僚出身とはいえ、ここまで住民を見下したお上意識丸出しの発言ができる知事も珍しい、というか、私は他に知りません。
 
 私としても、自分の中学・高校の4年先輩にあたる知事のことを悪し様に言いたくなどないのですが、私も代理人として和歌山県を訴えたことがありますし、私の元依頼者である原告(既に故人ですが)の名誉のためにも、この「たかり」発言だけは絶対に許せません。

 それに、知事にここまで言われたら、皆さんには是非昨年4月の仁坂知事による原発推進発言を思い出していただきたく、私が昨年書いた関連ブログを末尾にリンクしておきますので、是非お読みください。
 人格権に基づき、大飯原発3号機、4号機の運転差し止めを命じた2014年の判決、及び高浜原発3号機、4号機の運転差し止めを命じた2015年の仮処分命令を出した福井地裁(樋口英明裁判長)を批判するに際し、原発事故と交通事故という、本来比較すべからざるものを比較するという、陳腐極まりない屁理屈を持ち出したものの、「人格権」と言うべきところを「生存権」と言い間違え(本人がその間違いに気がついているかどうかもあやしい)、ろくに「判決」も読んでいないことを露呈したのが仁坂和歌山県知事でした。

 今回の暴言も、仁坂知事としては、鶴保候補やその支持者に「いい顔」をするため、何でもよいから、ゆら登信(たかのぶ)候補をおとしめるネタはないかと考え、思いついたのが「たかり」発言だったのでしょう。所詮はその程度のことでしょうが、そうであればこそ、自分一人を尊しとし、無意識にせよ、住民を見下しきった「本音」が露わになってしまったというのが私の感想です。

ゆら登信(たかのぶ)さんへの応援演説その1~6/23有田教育会館(有田郡湯浅町)にて

ゆら登信(たかのぶ)さんへの応援演説その1~6/23有田教育会館(有田郡湯浅町)にて
(配信日:2016年6月23日)
 
 第24回参議院議員通常選挙公示翌日の今日(6月23日)、午後6時30分から、有田郡湯浅町の有田教育会館2階において、和歌山県選挙区に立候補した弁護士のゆら登信(たかのぶ)さんの個人演説会が開かれました。
CIMG6222 私は、ゆらさんの推薦母体である市民連合わかやま(安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合わかやま)を代表して、参加者にゆらさんへの支援を訴える応援弁士として、持ち時間10分ということでお話をする機会をいただきました。
 スピーチ用の原稿を作っておれば、それをそのままアップすれば良いのですが、あいにく今日は原稿を書くだけの時間が全くとれず、出たとこ勝負でお話しましたので、以下に掲載するのは「再現原稿」であり、再現の正確性は全く疑わしいものです。あとから考えて、「こう言っておけば良かった」と思うところは、遠慮なく訂正したりしています。
 ちなみに、主催者代表による開会挨拶の後の発言順は、1人目が私、2人目がゆらさん、3人目が坂口多美子さん(日本共産党比例代表候補)、最後が松坂英樹さん(地元選出県議会議員)でした。
 なお、末尾の集合写真は、松坂英樹さんのブログに掲載されたものを、ご了解を得て転載させていただいたものです。
 

2016年6月23日(木)午後6時30分~ 於:有田教育会館(有田郡湯浅町)2階
ゆら登信(たかのぶ)個人演説会における応援演説

 皆さん、今晩は。ただいまご紹介いただきました弁護士の金原と申します。「初めまして」と申し上げなければならない方もたくさんおられる一方、お馴染みの方も何人も来てくださっているようです。
 市民連合わかやまを代表して、皆さんにゆら登信(たかのぶ)さんへのご支援をお願いする者としては、本来であれば、私の桐蔭高校時代の同級生である市民連合わかやま共同代表の豊田泰史弁護士こそ適任であると思うのですが、選挙対策のための重要な会議があり、私が代わってお話させていただくことになりました。

 そもそも、市民連合わかやまというのはどういう団体かと言うと、2016年7月の参議院選挙の和歌山県選挙区で、野党が分裂していたのでは話にならない、何としても野党統一候補を実現して勝ちに行かなければならないと決意した弁護士などの市民有志が集まった団体であり、何の目算もない中、昨年のクリスマスイブの日に、県庁内の県政記者室で記者会見を開き、統一候補実現を県内各野党に要請する方針を公表して走り出しました。
 ゆらさんは、その最初の記者会見の時から、豊田弁護士とともに、野党統一候補の実現を、(当時の)民主党や共産党にお願いする立場の側の主要メンバーであったのです。記者会見以降、具体的な統一候補の擁立に向け、様々な検討や交渉の場には、ほぼ必ずゆらさんの姿がありました。あくまでも「擁立する側」の人間としてですが。
 そのゆらさんが、何故、「擁立される側」に立場を換えることになったのか、お話します。
 統一候補の擁立を目指す活動は紆余曲折を経ながら、適当な候補者を確保することができないまま3月も終わろうという時期になり、さすがに「もう時間がない」、「ご免なさいと謝って、活動を終えるしかないのでは」という声が内部で聞こえ始めたその時、「それは絶対に駄目だ」と言い切ったのがゆらさんでした。
 ゆらさんは、野党統一候補擁立を求める県下の様々な集会に参加し、「何としても野党共闘の実現を!」という県民の熱い思いを真正面から受け止め、絶対に統一候補を実現しなければならないと決意していたのでした。
 私は、市民連合わかやま(当時は「安保法制の廃止を求める和歌山の会」と名乗っていました)の会議で、いよいよ候補者選定が行き詰まったことを確認したその席上、ゆらさんが、「候補者選びを断念することはできない。もしも、皆さんが『由良でいい』と言ってくださり、共産党、民主党が独自候補を取り下げて協力してくれるのであれば、私が出ることにしたい」という決意を披瀝するのを聞き、「よくぞそこまで決心してくれたものだ」と感動しました。
  
 ところで、全国32の1人区ので全てにおいて、野党共闘(「事実上の」という枕詞が必要なところもありますが)が実現したのは、「何としても憲法を守らなければ」「そのためには参院選で絶対に負ける訳にはいかない」という危機感、切迫感を共有した多くの市民の声が原動力となったことは間違いありません。
 ご存知のように、憲法を改正するためには、衆参両院のそれぞれ2/3以上の多数で改憲案を発議し、国民投票で過半数の賛成を得る必要があるのですが、既に与党の自民・公明は、衆議院で2/3以上の議席を確保しています。そして、参議院では、いまだ2/3の議席は持っていませんが、おおさか維新の会や日本のこころを大切にする党などの改憲政党も含めれば、今回の選挙で、自公ら改憲政党4党が、合わせて16議席増やすだけで参議院でも改憲派が2/3以上の議席を持つことになるのです。
 今回改選される議席数は121議席。その中で16議席を増やすことは自民党にとってもそこそこハードルが高いと思われますか?いえ、決してそうではありません。今回改選期を迎えるのは、6年前、民主党の菅直人政権の下で実施された選挙で当選した議員たちですが、6年前にはまだそこそこ民主党に力があり、比例代表選挙では、自民党よりも民主党の方が多く当選していたのです。今では信じられませんが。民進党が改選46議席から16減らすことなど、3年前の参院選での民主党の惨敗ぶりを想起すれば(全部で17議席しか取れなかった)、少しも驚くべきことではありません。
 今回、市民の強い後押しがあったからとはいえ、日本共産党が、大半の選挙区で立候補予定者を下ろし、無所属候補だけではなく、民進党の公認候補も支援する決断をしたのは、民進党が惨敗すれば、憲法明文改憲の危機を直ちに招くことになると判断し、それを何としてでも阻止しなければならないと決断したからに違いないと私は理解しており、その共産党の姿勢を心から敬意をもって高く評価しています。
 私はもともと共産党のシンパでも何でもない、典型的な無党派、支持政党なしの人間ですが、立候補予定者を選挙区から比例に回したことによる300万円から600万円への供託金増額分300万円は、民進党が負担しても罰は当たらない選挙区も多いはずだと思っています。
 それだけ今度の参議院選挙は重要です。大げさではなく、日本国憲法施行後、最大の危機を迎えていることは間違いありません。

 さて、政策などについては、ゆらさん本人からお話するはずなので、私からは、ゆらさんの人となりなどを紹介すべきだと思うのですが、今日は1日仕事が忙しく、スピーチ用の原稿を書いている時間が全くありませんでした。
 そこで、昨日の私のブログでもご紹介したのですが、県外にもゆらさんを熱烈に応援している人がおり、そのことをインターネットで発信してくださっているということをご紹介して私の責めをふさぎたいと思います。

 まず1人目は、東京弁護士会のベテラン、澤藤統一郎弁護士です。日本弁護士連合会に消費者問題対策委員会という委員会があって、消費者被害の救済などに活発に活動していますが、澤藤先生は、かつてその委員長を務めておられたことがあり、その澤藤委員長の下で副委員長を務めたのがゆらさんだったのです。
 澤藤先生は、ご自身のブログ「澤藤統一郎の憲法日記」(今年5月19日の記事)の中で、ゆらさんのことを以下のように評しておられます。

(引用開始)
 私は、由良さんをよく知る一人だ。日弁連の消費者委員会で活動をともにした。信頼のできる人だし、社会的弱者の立場に立つことを鮮明にしている人。到底、自ら国政に出ようというタイプには見えなかったが、この人が選挙に出るなら、なるほどよい候補者だ。人当たりが柔らかで、誰の意見にも穏やかに耳を傾ける。何よりも声がよい。歯切れがよいし、滑舌が滑らかで聞きやすい。そして、話が分かりやすい。説得力がある。
 がんばれ、由良さん。がんばれ、和歌山野党共闘。
(引用終わり)

 そして、もう1人ご紹介するのは、フリージャーナリストの田中龍作さんです。田中さんは、ご自身のサイト「田中龍作ジャーナル」に取材活動の成果を掲載し、積極的な活動をされている方です。
 その田中さんが、公示後最初の取材地に和歌山を選び、昨日8時45分から南海和歌山市駅前で行われたゆらさんの出発式を取材し、その後、自民党の鶴保庸介氏による県庁前と和歌山市役所前での演説会を取材した結果を「田中龍作ジャーナル」に掲載されましたので、そのうちの末尾の部分を引用したいと思います。

(引用開始)
 若者、老人、障がい者、生活保護受給者が駆けつけてくる由良候補の出陣式と違い、鶴保氏を出迎えるのは権力の一翼を担う人々だった。
 6年前民主党候補として鶴保氏と戦い12万票もの差をつけられた島久美子氏が次のように語った。
 「当時自分がアリで相手がゾウだと感じた。由良さんはアリです。アリが塊となってゾウを足の裏からひっくり返そう」。
 塊となったアリが象を倒す戦いが日本中で始まった。
(引用終わり)

 島久美子さんが言われたとおり、私たちは小さなアリに過ぎません。けれども小さなアリでも、ゾウを倒すことは可能です。
 この闘いは絶対負ける訳にはいきません。団結して勝ち抜きましょう。よろしくお願いします。

ゆら演説会(有田教育会館) 

いよいよ参院選が始まった~澤藤統一郎さんと田中龍作さんが取り上げたゆら登信(たかのぶ)さん(和歌山県選挙区)

いよいよ参院選が始まった~澤藤統一郎さんと田中龍作さんが取り上げたゆら登信(たかのぶ)さん(和歌山県選挙区)
(配信日:2016年6月22日)

 いよいよ今日(6月22日)参議院議員通常選挙が公示され、7月10日の投開票日における勝利を目指した選挙戦がスタートしました。
 私も、所用のために、ゆら登信(たかのぶ)さんの出発式には参加できなかったものの(その代わり?自民党の鶴保庸介氏の出陣式の様子は信号待ちの車の中から眺めましたけど)、昼にはゆらさんを支援する弁護士有志の会議に出席して街頭演説や応援演説の割り振りを相談し、明日は、18時30分から有田教育会館(有田郡湯浅町大字湯浅2721−4)で行われるゆらさんの個人演説会に駆け付け、市民連合わかやまを代表して応援演説を行うことになっているなど、私も臨戦態勢とならざるを得ません。
 とはいえ、日常業務を放り出す訳にはいかず、自ずからブログに割ける時間が少なくなるのは理の当然という訳で、選挙が終わるまでは、手抜きヴァージョンを駆使することが多くなるはずです。

 今日が早速そのパターンで、ゆら登信(たかのぶ)さんを紹介してくださった2つのサイトの記事をご紹介しようというものです。もちろん、私は「手抜き」させてもらいますが、引用するサイト自体は手抜きどころではなく、私たち、ゆらさんを応援して何とか国会に送り出そうとしている者にとっては、心から感謝したい、非常に充実した文章なのです。(遠慮して)部分引用にとどめていますので、是非リンク先のオリジナルサイトで全文をお読みください。
 そして、是非これらの記事の「拡散」にご協力ください。
 今日から「選挙運動」が出来るようになりました(昨日までは「事前運動禁止」という制限がかかっていました)。そして、インターネットでの「選挙運動」は原則自由です。今日は、一昨日(6月20日)書いた「インターネット選挙運動のすすめ~参院選公示まであと2日」の実践でもあります。皆さんも、是非「インターネット選挙運動」の当事者になってください。

 まず最初は、東京弁護士会のベテラン、澤藤統一郎弁護士が毎日更新しているブログ「澤藤統一郎の憲法日記」に昨日(6月21日)掲載された心温まる応援のメッセージです。

澤藤統一郎の憲法日記 2016年6月21日
「市民連合わかやま」の由良登信(ゆら・たかのぶ)さんに声援を送る。

(抜粋引用開始)
(略)
 今回の選挙では、「市民と4野党」の選挙共闘ができたことが何よりの収穫。32の1人区全部で野党統一候補の擁立ができたことに限りない祝意を送りたい。
 その32人の中に親しい顔がある。和歌山の由良登信(ゆらたかのぶ)さん。「出たい人より出したい人」の典型だろう。こういう人の立候補が好もしく、頼もしい。
 由良さんの経歴は、「和歌山弁護士会元会長、日本弁護士連合会元常務理事、日弁連消費者問題対策委員会元副委員長、和歌山県消費生活審議会元副会長」と四つ並べられている。由良さんは、1986年に弁護士になっており、弁護士としての経歴では私が15年ほど先輩になる。由良さんが「日弁連消費者問題対策委員会副委員長」を務めたとき委員長だったのが私。私には、消費者弁護士としての由良さんしか思い描けない。まさか、あの穏やかな風貌から、「安保法制(戦争法)をなくし 立憲主義・民主主義を取り戻す」運動の先頭に立つ人とは予想し得なかった。
 「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合わかやま」から、推薦依頼があったので、よろこんで推薦人の一人として名を連ねた。添えられたリーフには、「ワンコイン(500円)募金にご協力をお願いいたします」とあった。無数のワンコインが支える政治運動なのだ。
 由良さんの「ごあいさつ」を引いておこう。
 
 安倍政権は「戦争する国づくり」に暴走しています。昨年9月19日に強行成立させた安保関連法は、日本が武力攻撃を受けた時の備えではなく、自衛隊をいつでも海外に派兵して武力行使できるようにするものであり、明白に憲法9条に違反しています。
 主権者として、憲法違反の政治を許しておくわけにはいきません。憲法にもとづく政治(立憲主義)を取り戻すために、市民が各地で立ち上がっています。
 私も、その熱い思いを共に抱いて、戦争しない国、平和な国日本を子や孫に引き継ぐために頑張り続けます。
  弁護士 由良登信(ゆらたかのぶ)

(略)
 ゆらさん応援のリーフレットの出来がよい。応援する人たちのコメントがまた、すばらしい。すべて名前が明記され、写真も掲載されているが、コメントと肩書だけ紹介したい。

 戦争と平和が争点、決めるのは市民です、ゆらさんは、野党合意を実現する唯一の人、市民連合の宝です!!(和歌山大学名誉教授)
 私たちは、先の戦争の反省に立って平和憲法を定めました。安倍政権の暴走は止めなければなりません。(弁護士)
 庶民の声に耳を傾け代弁する信念の人・ゆら登信さんをみんなの力で国会に送りましょう! (女優・和歌山市出身)
 ウソや暴言連発の政権にあきれています。誠実さと弱者への想像力を持たない政治家はいりません。(ママの会@わかやま)
 時代は「小さくされた人たち」に聞くリーダーを必要としています。心より応援します。(牧師)
 障害のある人も地域で楽しく豊かに暮らせる社会にして欲しい。日本を戦争に巻き込む安倍政権にNO! (社会福祉士・作業療法士)
 誰もがもっている「平和」への想い。その想いとあまりにもかけ離れている政治にはがまんできません。(まちづくり協会理事長)

 由良さん、がんばれ。私も応援する。「市民が主体となって運動し、市民の願いを託せる人を国政に送り出す、という和歌山の新しい民主主義」が実を結ぶまで。
(引用終わり)

 澤藤先生は、5月19日にも、以下の記事の中でもゆらさんのことを紹介し、エールを送ってくださっていました。

澤藤統一郎の憲法日記 2016年5月19日
改憲阻止を目指す野党選挙共闘実現の流れー32の一人区のうち、あますところはあと3区。

(抜粋引用開始)
 私は、由良さんをよく知る一人だ。日弁連の消費者委員会で活動をともにした。信頼のできる人だし、社会的弱者の立場に立つことを鮮明にしている人。到底、自ら国政に出ようというタイプには見えなかったが、この人が選挙に出るなら、なるほどよい候補者だ。人当たりが柔らかで、誰の意見にも穏やかに耳を傾ける。何よりも声がよい。歯切れがよいし、滑舌が滑らかで聞きやすい。そして、話が分かりやすい。説得力がある。
 がんばれ、由良さん。がんばれ、和歌山野党共闘。
(引用終わり)
 
 この5月の記事に気がついた私は、それをゆらさんに知らせるとともに、澤藤先生にもすぐにお礼のメールを送りました。すると澤藤先生から、「由良さん、金原さん、ご苦労様です。僭越ながら、日本国憲法になりかわりまして御礼を申しあげ、限りない激励の声援をお送りいたします。」という丁重な返信のメールを頂戴しました。私は、これを読み、胸にこみ上げるものがありました。
 そして昨日の応援記事です。澤藤先生、ありがとうござました。ゆらさんは、選挙運動突入で寸暇も惜しんで駆け回っていますので、まだ先生の応援メッセージを読めていないかもしれません(私のFacebookでは紹介させていただきましたが)。ゆらさんやゆらさんとともに闘っている和歌山の市民になり代わり、心よりお礼申し上げます。ご期待に添えるよう、全力を尽くします。

 さて、もう1つは、フリージャーナリスト・田中龍作さんによる田中龍作ジャーナルの本日(6月22日)の記事です。何と、参院選公示日の今日、まず田中さんが取材のために訪れたのは和歌山だったのです。

田中龍作ジャーナル 2016年6月22日
【和歌山選挙区】 「アリは塊となって象を倒す」 弱者の味方が出陣

(抜粋引用開始)
 
和歌山の野党統一候補は弁護士の由良登信氏(ゆら・たかのぶ 共産、社民、生活推薦=64歳)だ。生活保護裁判や労働問題などを手がけてきた。「反貧困ネットワークわかやま」の代表でもある。
 弱者切り捨てのアベ政治に抗して立ち上がった由良弁護士の第一声を伝える必要がある・・・田中はその一念で、保守王国・和歌山を公示日の取材地に選んだ。
 けさ南海・和歌山市駅前で開かれた由良候補の出陣式には、生活保護裁判の原告(和歌山市内・男性70代)の姿があった。
 「裁判だけではどうしようもない(※)。根本(政治)から変えないといけない」。男性は由良候補を国政に送り出そうとする理由を語った。(※生活保護裁判は原告敗訴が続いてきた)
 由良候補は支援者たちを前に第一声をあげた。
 「大学の授業料がすごく高い・・・(奨学金の返済金を)払えない若者が次々と法廷の被告席に立たされているのを見た。奨学金の返済が始まると子供を作るのがすごく不安だという声も聞く。
 多重債務の背景にあるのは低賃金と非正規雇用だ。非正規雇用を一時的なものに限定する政策を採りたい。残業時間を規制し、人間らしく生活できるルールを作って行きたい」。
(略/鶴保陣営の県庁前及び和歌山市役所前での演説会の模様をレポート)
 若者、老人、障がい者、生活保護受給者が駆けつけてくる由良候補の出陣式と違い、鶴保氏を出迎えるのは権力の一翼を担う人々だった。
 6年前民主党候補として鶴保氏と戦い12万票もの差をつけられた島久美子氏が次のように語った。
 「当時自分がアリで相手がゾウだと感じた。由良さんはアリです。アリが塊となってゾウを足の裏からひっくり返そう」。
 塊となったアリが象を倒す戦いが日本中で始まった。
~終わり~
読者の皆様。全国各地に足を運ぶための交通費が足りません。田中龍作に選挙取材を続けさせて下さい… 
http://tanakaryusaku.jp/donation
(引用終わり)

 新聞記事を読んでいては分からない臨場感を伝えてくれる、これも素晴らしい記事だと思いました。田中さん、ありがとうございます。

 今日ご紹介した澤藤統一郎弁護士や田中龍作さんの文章をFacebookでシェアし、自分の意見を付け加えて発信することは何ら問題ありません(もちろん、シェアだけでもかまいません)。インターネット選挙運動は「原則自由」なのですから。
 

(付録)
『この島~憲法9条のうた~』 作詞・作曲:からすのまさき 演奏:m&n
 
※“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama 2015”から

「2016参議院和歌山選挙区公開討論会」(6/20わかやま夢スクール実行委員会)動画を視聴してください

 今晩(2016年6月21日)配信した「メルマガ金原No.2494」を転載します。

「2016参議院和歌山選挙区公開討論会」(6/20わかやま夢スクール実行委員会)動画を視聴してください

 選挙の立候補予定者を招いた公開討論会というのは、今や決して珍しいものではなく、全国的には、青年会議所が中心になって呼びかけることが多いようです。
 今年の参議院議員選挙は、選挙権年齢が18歳以上に引き下げられた後、初めて行われる国政選挙ということで、公開討論会の運営に若者が参加する工夫を行うところが増えているようです。
 和歌山がまさにそうで、昨日(6月20日)の夜、岩出市の「ホテルいとう」で行われた「2016参議院和歌山選挙区公開討論会」(和歌山夢スクール実行委員会主催)は、粉河高校など出身の大学生らが作った「わかやま夢スクール実行委員会」が主催したもので、各候補者への質問項目も、高校生らの意見を取り入れるなどの工夫をこらしたそうです。
 広報用チラシから、文字データを引用します。

(引用開始)

2016
参議院和歌山選挙区
公開討論会
わかやま夢スクール

平成28年6月20日(月)
ホテルいとう(岩出市宮83)四階 鳳凰の間
開場 午後5時30分
開会 午後6時
閉会 午後8時

出演予定者
つるほ庸介
西本あつし
ゆら登信

内容
 
リンカーンフォーラム式(公開討論会を通じて政治家を選ぶというルールを日本に根付かせる実践運動と
ネットワーク創りを行っている)討論会
主催
わかやま夢スクール実行委員会
後援・賛同
公開討論会支援リンカーンフォーラム
日本青年会議所和歌山ブロック協議会
和歌山大学地域連携・生涯学習センター
呼びかけ団体
NPO法人わかやま市民自治ネットワーク
KOKO塾「まなびの郷」
粉河大学(KOKO塾をOB・OGがサポートする組織)
入場料
無料(予約不要)
事務局
和歌山市吉田787 郵政クラブ内 担当 橋本
電話073-431-2339 FAX 073-422-7868
(引用終わり)

 以上のとおり、つるほ庸介氏(自由民主党)、西本あつし氏(幸福実現党)、ゆら登信氏(無所属/市民連合わかやま等推薦)の3人全員が出席し、事前に主催者から提示されていた質問項目に答えていくというスタイルで行われました。
 当日会場で配布されたとおぼしい「予定質問事項」をブログにアップした人がおり、これを読むと、「発言時間各質問2分以内+補足説明2分以内 又は他候補予定者への質問1分以内 質問への受け答えは2分以内)というルールであったようです。
 
 それでは、公開討論会の動画がアップされていますので(小谷さん、ありがとうございます)、これを
紹介しつつ、各質問項目に対する各候補者の発言を視聴するための目安の時間を書き込んでおきますので、ご活用ください。
 
参議院議員和歌山選挙区公開討論会ー和歌山夢スクールー2016062011(1時間58分)

自己紹介を含めた所信表明
 7分~ 西本あつし氏
 9分~ つるほ庸介氏
 11分~ ゆら登信氏
質問1 若者にアピールする政策
 16分~ つるほ庸介氏
 18分~ ゆら登信氏
 20分~ 西本あつし氏
 23分~ ゆら登信氏(補足説明)
 25分~ つるほ庸介氏(補足説明・安保法制について)
質問2 政治不信を払しょくの具体的な政策 
 28分~ ゆら登信氏
 30分~ 西本あつし氏
 32分~ つるほ庸介氏
 34分~ ゆら登信氏(つるほ氏、西本氏に対する質問・企業献金について)
 35分~ つるほ庸介氏(ゆら氏の質問に対する回答)
 37分~ 西本あつし氏(ゆら氏の質問に対する回答)
質問3 安定して生活を継続していける制度・政策
 41分~ 西本あつし氏
 43分~ つるほ庸介氏
 45分~ ゆら登信氏
 47分~ 西本あつし氏(補足説明)
 49分~ ゆら登信氏(補足説明)
 51分~ つるほ庸介氏(補足説明)
質問4 奨学金(貸与制奨学金?)から給付金(給付制奨学金?)への移行するために若者として何をすべきか?
 54分~ つるほ庸介氏
 57分~ ゆら登信氏
 59分~ 西本つよし氏
 1時間02分~ ゆら登信氏(補足説明)
 1時間03分~ 西本あつし氏(補足説明)
 1時間06分~ つるほ庸介氏(補足説明)
質問5 若者の流出について
 1時間08分~ ゆら登信氏
 1時間10分~ 西本あつし氏
 1時間12分~ つるほ庸介氏
 1時間15分~ ゆら登信氏(補足説明)
 1時間17分~ 西本あつし氏(補足説明)
質問6 最も訴えたい政策
 1時間20分~ 西本あつし氏
 1時間23分~ つるほ庸介氏
 1時間25分~ ゆら登信氏
 1時間27分~ つるほ庸介氏(補足説明)
 1時間30分~ 西本あつし氏(補足説明)
 1時間32分~ ゆら登信氏(補足説明)
〇×問題
 1時間32分~ 「日米同盟は外交・防衛上で最も重要な関係である」
   〇 西本、つるほ
   × ゆら
 1時間35分~ 「国会議員は一人ひとり仕事を担っていると思うか」
   〇 西本、つるほ、ゆら
 1時間36分~ 「和歌山には大企業が必要だ」
   〇 西本、つるほ、ゆら
 1時間36分~ 「和歌山にもっと大学をつくらなければならない」
   〇 西本、つるほ、ゆら
 1時間37分~ 「公営のカジノは必要だ」
   × 西本、つるほ、ゆら
 1時間37分~ コメント つるほ庸介氏
 1時間38分~ コメント ゆら登信氏
 1時間39分~ コメント 西本あつし氏
〇×問題(会場のみなさまもご参加ください)
 1時間41分~ 「経済は回復傾向にある」
   〇 つるほ
   × 西本、ゆら
 1時間42分~ 「日本国憲法を見直す見直す時期だと考える」
   〇 西本、つるほ
   × ゆら
 1時間42分~ 「今の総理に良い印象を持っている」
   〇 つるほ
   × 西本、ゆら
 1時間43分~ 「国会議員の給料は多いと思う」
   〇 西本、ゆら
   × つるほ
 1時間44分~ コメント つるほ庸介氏
 1時間46分~ コメント ゆら登信氏
 1時間47分~ コメント 西本あつし氏
最後の感想
 1時間49分~ ゆら登信氏
 1時間51分~ 西本あつし氏
 1時間53分~ つるほ庸介氏

 棄権はせずに投票するつもりでいる人の中で、まだ誰に投票するかを決めていないというような人がはたしてどれほどいるのかよく分かりませんが(少なくとも、私の周囲にはそういう人はあまりいないもの
で)、最近は、案外そういう人もいるのかもしれないという気もしています。
 初めて選挙権を行使できることになった若者、あるいは、しばらく投票所から足が遠ざかっていた人たちの中で、投票に行こうと思うが誰に投票するか決めていないという人に、是非この公開討論会の動画を視聴して、自分の考えに最も近い候補を選び、棄権することなく投票して欲しいと切に願っています。
 この公開討論会を準備し、開催にこぎつけた「わかやま夢スクール実行委員会」の皆さんに、心から感謝したいと思います。

 なお、付言すると、私自身がこの3人のうちの誰の意見に最も共感しているかということは、それをよく知っている人に対しては、あえて書く必要もないことですし、知らない人に対しては、余計な先入観なく、この公開討論に耳を傾けていただきたいと思っていますので、この動画を視聴した上での私の感想は、あえてここには書かないことにしました(他の機会には大いに書くかもしれませんが)。

(参考記事)

インターネット選挙運動のすすめ~参院選公示まであと2日

 今晩(2016年6月20日)配信した「メルマガ金原No.2493」を転載します。

インターネット選挙運動のすすめ~参院選公示まであと2日

 参院選公示まであと2日、立候補予定者やその事務所関係者はもちろんですが、これまで選挙に直接関わったことなど一度もないけれど、現在の日本の政治状況に強い危機感を抱き、自分に出来ることを是非やりたいと考えている市民が今までになく増えているという実感を、多くの人が感じているのではないでしょうか。

 ところで、今年の参議院議員選挙は、18歳、19歳の国民が選挙権を行使する初の国政選挙となる訳ですが、3年前の参議院議員選挙は、インターネット選挙運動が解禁された後、初めて実施される国政選挙でした。
 あれから3年、その間には2014年12月の衆議院総選挙も行われましたが、インターネット
が政治の流れを変えたという実例を、私たちはまだ持ち得ていないと言っても間違いではないでしょう。

 さて、いよいよ明後日から選挙運動突入です。
 3年前からインターネットによる選挙運動が解禁されたと言っても、インターネット媒体にも公職選挙法の選挙運動に関する規制は等しく適用されるのですから、インターネットだけ事前運動ができる・・・はずがありませんので、ご注意を。
 とりあえず、公示まであと2日、参考となるサイトでしっかり勉強した上で、合法的に何が出来るのかをよく見極めてください。
 インターネットによる選挙運動を解説したサイトは、探せば色々ありますが、最新のものとして(何しろ今日アップされました)、NPJ(News for the People in Japan)の特設ページ「選挙へ行こう~自民党改憲草案と参議院選挙@2016」に掲載された大城聡弁護士による論考をご紹介しておきます。

公職選挙法とインターネット ~新しい言論空間の誕生~
寄稿:大城聡(弁護士) 2016年6月20日

(抜粋引用開始)
1 インターネット選挙運動の解禁
 公職選挙法が改正され、前回の参議院議員選挙(2013年)からインターネットによる選挙運動が解禁され
ました。解禁前は、インターネットのホームページやブログなども「文書図画の頒布」(同法142条)にあた
ると解釈されて、選挙期間中の書き込み、更新が禁止されていました。
 しかし、公職選挙法の改正で、「インターネットを利用する方法による文書図画の頒布」は自由となり
ました(同法142条の3)。改正後は、インターネットによる選挙運動は原則自由です。
 実は、この法改正によって、選挙に関するインターネット上の言論(報道・評論)も実質的に自由に行えるようになりました。今回の参議院選挙では、選挙権年齢が18歳以上に引き下げられます。インターネットから情報を得ることが多い世代が、どのような情報に接して投票先を選ぶことになるのかは、民主主義
の未来にかかわる非常に重要な問題です。
 そこで、本稿では、公職選挙法とインターネットを利用した言論(報道・評論)がどのように自由になっ
たのか、その意義は何なのかを解説します。
2 実質的に禁止されていた選挙に関するインターネット上の言論
(略)
3 インターネットを利用するときの注意点
 公職選挙法は、候補者に対して悪質な誹謗中傷をする等表現の自由を濫用して選挙の公正を害すること
がないよう、インターネット等の適正な利用に努めなければならないと定めています(同法142条の7)。
 また、公職選挙法は、何人に対しても、署名運動の禁止(同法138条の2)、人気投票の公表の禁止(同法138条の3)を規定していますので、これらの禁止行為はインターネットを利用しても行うことはできません

 また、電子メールを利用する方法による選挙運動用文書図画については、候補者・政党等に限って頒布することができますが、候補者・政党等以外の一般有権者は引き続き禁止されていますので注意が必要で
す(公職選挙法142条の4第1項)。
 この他に、投票日当日は情報発信しないなど、候補者・政党以外の第三者が選挙運動をするときに守るべきルールを守れば、選挙期間中もインターネットで選挙について情報発信ができます。インターネット
選挙解禁の法改正は、選挙運動だけではなく、選挙に関する言論の自由の場も生み出したのです。
4 インターネット上に生まれた新しい言論空間
 選挙運動で、「清き一票のお願い」や「対立候補者への批判」という情報だけがインターネット上で溢
れても、有権者にとっては十分な判断材料があるとは言えません。むしろ、インターネット選挙解禁によって生まれた新しい言論空間には、これまでの選挙の常識であった「清き一票のお願い」、「対立候補者
への批判」からの脱却が期待されます。
 インターネットによってより多くの情報を知ることで、有権者はより賢く、より深く考えて、投票先を
決めることができるようになります。インターネット選挙解禁によって生まれた新しい言論空間は、民主主義の未来を左右する非常に重要なものです。
 インターネット上では、社会問題に取り組む様々な個人や団体が情報を発信しています。社会問題の解決には多くの場合、より有効な政策が必要です。社会問題と選挙を結びつけた情報があれば、自分の関心ある社会問題に関する情報を調べることで、政策から吟味して投票先を選ぶこともできるようになります。また、各候補者・政党の政策を比較、論評する情報があれば、投票先を選ぶ際の判断材料の一つとなります。選挙期間中に、新聞・テレビだけではなく、インターネットを利用してさまざまな情報に接するこ
とで、自分の一票をどのように使うか、より良く考えることができます。
 インターネット選挙解禁の真の効果があらわれるのは、これからです。選挙という民主主義の重要な機会に、良い情報を発信すること、そして、良い情報を受け取ること、その両方を私たち自身が行うことが、自分たちの社会を自ら責任を持って担っていくために必要なのです。インターネット選挙解禁は、新しい言論空間を生み出しました。それがより良い未来の選択につながるかどうか、その鍵は私たち自身が持
っているのです。
(引用終わり)
 
 なお、もっと詳細な情報が知りたい(そんな勉強をしている時間があるのか?という問題はありますが)という人のためには、総務省ホームページの選挙関連情報を集めているコーナーの中に「インターネット選挙運動の解禁に関する情報」というページがありますので、そこに集められた資料の中から、自分が知りたい情報が見つけやすいコンテンツを選んでアクセスすることをお奨めします。

 「インターネット選挙運動解禁(公職選挙法の一部を改正する法律)の概要」というPDFファイル21ページの説明資料がありますので、系統的に理解するためにはまずこれを読むべきなのでしょう。

 ただし、これではやや迂遠なので、もっと具体的なケースに即した解説が読みたいという人のためには、「改正公職選挙法(インターネット選挙運動解禁)ガイドライン/インターネット選挙運動等に関する各党協議会」(第1版:平成25年4月26日)が良いと思います。もっとも、PDFファイルで67ページもありますが、何も全部読む必要はありません。冒頭に、目次として様々な設問が掲載されていますので、自分の知りたい内容を目次で探し、該当ページの解説を読めば良いのです。

 例えば、「【問11】候補者・政党等以外の者は、SNSのユーザー間でやりとりするメッセージ機能を利用して選挙運動用文書図画を頒布することはできるか。また、当該選挙運動用文書図画がメッセージの受信者自身の電子メールアドレスに自動的に転送された場合、選挙運動用電子メールの送信主体の規制に違反したこととなるか。- 19 -」が知りたければ、19頁の解説を読んでみることになります。

(引用開始)
【答】
1 本改正では、「電子メール」を、特定電子メール法の定義を用いて、「SMTP方式又は電話番号方
式を使用した電気通信」としており(公職選挙法142条の3第1項、特定電子メール法2条1号)、これらの通信方式以外の通信方式を用いるもの、具体的には、フェイスブックやLINEなどSNSのユー
ザー間でやりとりするメッセージ機能は、「電子メール」ではなく、「ウェブサイト等」に含まれる。
 したがって、候補者・政党等以外の者も、SNSのユーザー間でやりとりするメッセージ機能を利用し
て選挙運動用文書図画を頒布することができる。
2 また、仮に、当該メッセージ機能を利用して頒布された選挙運動用文書図画が受信者自身の電子メールアドレスに自動的に転送された場合には、それはメッセージの受信者自身の設定によるものであり、メッセージの送信者があずかり知るところではないため、メッセージの送信者自身は、あくまで、ウェブサイト等を利用する方法により選挙運動用文書図画を頒布したものと評価され、送信主体の規制に違反した
こととはならない。
(引用終わり)
 
 ただ、このガイドラインが作られた時は、まだ選挙権は20歳以上の者しか行使できませんでしたので、18歳、19歳の者が、SNSを利用してどんなことが出来るのかがよく分かりません。
 それについては、総務省と文部科学省が共同で作った高校生向け副教材「私たちが拓く日本の未来」を紹介するコーナーからQ&Aに入っていくという方法があります。
 この冊子の「参考編 第1章 投票と選挙運動等についてのQ&A」を参考にしてください。
 例えば、こういうQ&Aなどが参考になるのではと思います。

(引用開始)
Q15 私は18歳です。今回の選挙で誰に投票しようかと,インターネットで候補者のホームページを調べてみたところ,○○さんの政策に最も共感しました。○○さんは,誠実で良さそうな人なので,SNSで○○さんのメッセージを広めようと思いました。こうしたインターネットを使った活動はできるのでしょう
か。また,こうしたインターネットを使った活動を行う場合に注意する点があれば教えてください。
 選挙運動は,選挙ごとに決められた選挙運動期間(選挙の公示日又は告示日に候補者が立候補の届出をした時から投票日の前日までの間)内にしか行うことができません。したがって,選挙運動期間内において,満18歳以上の者であれば,ホームページ,ツイッター,フェイスブック,LINEなどのウェブ
サイト等を利用する方法による選挙運動を行うことができます。
 例えば,次ページの図表のように,自分で選挙運動メッセージを掲示板・ブログなどに書き込んだり,他人の選挙運動の様子を動画共有サイトなどに投稿したり,他人の選挙運動メッセージをSNSなどで広
めることなどができます。
 ただし,ウェブサイト等を利用する方法による選挙運動を行う場合,電子メールアドレスやその他その人に連絡するために必要となる情報(ツイッターのユーザー名や返信用フォームのURL等)を表示することが義務付けられています。一方,電子メールを利用する選挙運動は,候補者や政党等のみに限られ,満18歳未満の者だけでなく,満18歳以上の者も行うことができないので注意が必要です。また,候補者や
政党等から来た選挙運動のための電子メールを他の選挙人に転送することも禁止されています。
(引用終わり)
 
 以上のアンサーの中で「電子メールアドレスやその他その人に連絡するために必要となる情報(ツイッターのユーザー名や返信用フォームのURL等)を表示することが義務付けられています。」という、いわゆる「表示義務」について、どの程度の表示をすれば義務を果たしたことになるのか気になると思いますので、先にご紹介した「ガイドライン」から該当部分を引用しましょう。
 
(引用開始)
【問19】 ウェブサイト等を利用する方法により選挙運動用・落選運動用文書図画を頒布する場合において、電子メールアドレス等をどこに表示すれば表示義務を果たしたことになるか。例えば、ウェブサイト、掲示板、ツイッター、フェイスブックの場合、どこに書けばよいのか、リンク先の記載でよいのか。
【答】
1 ウェブサイト等を利用する方法により選挙運動用・落選運動用文書図画を頒布するに当たっては、その者の電子メールアドレスその他のインターネット等を利用する方法によりその者に連絡をする際に必要となる情報が、当該文書図画に係る電気通信の受信をする者が使用する通信端末機器の映像面に正しく表示されるようにしなければならない(公職選挙法142条の3第3項、142条の5第1項)。
2 具体的には、例えば、ウェブサイト(いわゆるホームページ)の場合、全体が1つの文書図画と評価されるため、トップページに電子メールアドレス等を分かりやすく表示するのが原則である。
 ただし、そのウェブサイト中の「トップページに戻る」等のリンクを介して、又はブラウザの「戻る」機能を利用してトップページを表示させることができないページがある場合には、表示義務を課した趣旨から、その中に電子メールアドレス等を表示する必要がある。
3 掲示板の場合、1つ1つの書込みが「文書図画の頒布」と評価されるので、1つ1つの書込みの中に、電子メールアドレス等の連絡先情報を表示する必要がある。
 もっとも、掲示板に自らのIDやハンドルネームを記載し、当該記載に張られたリンク先のページに電子メールアドレス等の連絡先情報が記載されている場合には、表示義務を果たしていると考えられる。
4 ツイッターやフェイスブックの場合、投稿をすると、自動的に投稿者のユーザー名が表示され、かつ、ユーザー名によりその者に対し連絡が可能であるので、投稿の中身に電子メールアドレス等を記載していなくても、表示義務を果たしていると考えられる。
(引用終わり)

 調べてみれば、「こんなことも出来るのか!」という発見があるかもしれません。文明国の中で、日本ほど選挙運動が不自由な国はないと言われていますが、そういうがんじがらめの規制の中で、インターネットによる選挙運動は規制が非常に緩やかな方です(これが当たり前だと思いますが)。是非賢く活用しましょう。
 

(付録)
『この島~憲法9条のうた~』 作詞・作曲:からすのまさき 演奏:m&n

※“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama 2015”から

参院選公示前最後の日曜日(6/19)に行われた市民と野党による合同街頭演説会~東京有楽町&JR和歌山駅前

 今晩(2016年6月19日)配信した「メルマガ金原No.2492」を転載します。

参院選公示前最後の日曜日(6/19)に行われた市民と野党による合同街頭演説会~東京有楽町&JR和歌山駅前

 参院選公示前の最後の日曜日となった今日(6月19日)、おそらく全国各地で様々な陣営による街頭演説会が行われたことでしょうね。
 その中でも全国的な注目を集めたのは、東京有楽町で行われた市民連合(安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合)と4野党代表による街頭演説でしょう。
 いくつか動画がアップされていますが、その中から(「あえて」と言いたい)民進党公式チャンネルにアップされた動画をご紹介します。
 
民進党・野党4党首と市民連合による合同街頭説明会(東京) 2016年6月19日(26分)

冒頭~ 司会 奥田愛基さん(SEALDs)
22秒~ 山口二郎さん(立憲デモクラシーの会)
4分~ 吉田忠智さん(社会民主党党首)
9分~ 志位和夫さん(日本共産党委員長)
15分~ 岡田克也さん(民進党代表)
20分~ 溝井萌子さん(SEALDs)
24分~ 各党党首が手を繋いで共闘をアピール
※生活の党と山本太郎となかまたちの小沢一郎代表も登壇予定であったものの、不幸ごとがあり、やむなく欠席となったとのことでした。

 そして、同じく今日(6月19日)正午からJR和歌山駅前では、市民連合わかやまが擁立し、日本共産党、生活の党と山本太郎となかまたち、社会民主党が推薦する(順番はゆら事務所に張り出してある各党から届いた推薦書の日付順による)ゆら登信(たかのぶ)さんによる街頭演説会が行われました。
 まだ動画はアップされていないようなので、私がFacebookに投稿したレポートと写真の一部を引用します。その熱気を推測していただければ幸いです。
 なお、演説会が始まった時には結構強い雨が降っていたのですが、最後にゆらさん本人の演説が始まるころには、ほとんど雨も上がり、ゆらさんが「雨男」ではないことが実証されたと公式Facebookで強調されていました。
CIMG6184 本日(6月19日)JR和歌山駅前において、ゆら登信(たかのぶ)さんの街頭演説会が行われました。写真は、開始前、街宣車が駐まっている車道手前の新橘ビル(ゆらさんの法律事務所が入居している)の1階ロビーでの、街宣車で演説予定の弁士の皆さんの集合写真です。天候が良ければ、全員街宣車の上にあがっていただく予定だったのですが、あいにくの雨のため、それは危険ということで、代わりにロビーでの記念撮影となったものです。
 写真は、向かって右から、
渡辺義彦さん(元衆議院議員、生活の党と山本太郎となかまたち)
古梅敏彦さん(社会民主党和歌山県連常任幹事)
坂口多美子さん(日本共産党比例予定候補)
ゆら登信さん
島久美子さん(一般社団法人共助のまちづくり協会理事長)
豊田泰史さん(市民連合わかやま共同代表)
です。
 
CIMG6192 6月19日(日)正午からの街頭演説会。雨の中、近鉄百貨店側の歩道から多くの方が演説に耳を傾けていただきました。それにしても、1週間前の12日といい今日といい、何故和歌山駅前で大がかりな街頭演説会をやろうとすると雨が降るのか?(戦犯さがしが始まっているとかいないとか)。
 雨の中、ずっと司会を務めていただいたのは「安保関連法に反対するママの会@わかやま」の松永久視子さんでした。
 以下は、応援弁士の皆さんの写真です(登壇順)。
古梅敏彦さん(社会民主党和歌山県連常任幹事)
渡辺義彦さん(元衆議院議員、生活の党と山本太郎となかまたち)
馬場潔子さん(安保関連法に反対するママの会@わかやま)
島久美子さん(一般社団法人共助のまちづくり協会理事長、6年前の参院選和歌山県選挙区に民主党公認で立候補)
 なお、トップバッターの豊田泰史さん、2番手の坂口多美子さんについては、雨が激しく、申し訳ありませんが、新橘ビルの中で雨宿りしていたため、写真がありません。
 6月19日(日)正午からJR和歌山駅前で行われた、ゆら登信(たかのぶ)さんの街頭演説会に、小沢一郎さんから連帯のメッセージが寄せられ、司会の松永久視子さんから披露されました。以下に全文を書き写します。
(引用開始)
 いよいよ参議院議員選挙が近づいてまいりました。
 今度の選挙は、私ども野党にとりまして、政権交代への足掛かりとなる大変重要な選挙でございます。
 暴走する安倍政権を止めるため、国民の生活を守るため、今回の選挙は野党が一致結束して闘ってまい
ります。
 ここ和歌山においては、ゆら登信さんが立憲主義、民主主義を取り戻すべく立ち上がりました。
 和歌山から日本を変えるため、ゆら登信さんへ多大なるご支援を賜りますようお願い申し上げます。
 共に頑張りましょう。
 平成二十八年六月十九日
    生活の党と山本太郎となかまたち 代表 小沢一郎
(引用終わり)
 
CIMG6205 6月19日(日)正午からJR和歌山駅前で行われた、ゆら登信(たかのぶ)さんの街頭演説。応援弁士の皆さんのお話が全部終わった後、いよいよ「本人」というタスキをかけたゆらさんの登場です。
 なお、司会の松永さんだけではなく、自分の演説が終わった後も、島久美子さんは、ゆらさんが演説されている間、ずっとゆらさんの横で手を振っておられましたし、ご自分が街宣車に登る順番が来る前も、雨の中、街宣車の横に立って、ずっと手を振っておられました。さらに言えば、正午からの街頭演説が始まる前、「ママの会」や若者が街頭宣伝を行っていたのですが、そこでも島さんは、ゆらさんのパンフレットを道行く人に配ってくださっていました。島さんの“本気”には頭が下がります。6年前の参院選和歌山県選挙区に民主党公認で立候補し(この時は共産党公認候補も出ていました)、自民党現職に惜敗した島さんですが、その時に得た多くの有権者からの支持に対する決着を今こそつけるべき時だと腹をくくっておられるというのは、単なる私の憶測に過ぎません。
 ところで、肝心のゆらさんの演説ですが、堂に入ってきましたね。あとは、今日の渡辺義彦さんの演説なども参考にして、もっと短いフレーズで訴えるパターンも必要かなとは思いますが。
 
 有楽町と和歌山駅前の2箇所の街頭演説会をご紹介しました。あと3日で選挙戦に突入です。全国各地、それぞれ選挙区の事情は異なるでしょうが、最後まで悔いを残さぬように頑張りましょう。
 

(付録)
『この島~憲法9条のうた~』 作詞・作曲:からすのまさき 演奏:m&n

※“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama (2014)”から

CIMG6180 

「安保法制違憲訴訟おかやま」提訴(6/17)~これで全国6地裁に(付・動画4本雑感)

 今晩(2016年6月18日)配信した「メルマガ金原No.2491」を転載します。

「安保法制違憲訴訟おかやま」提訴(6/17)~これで全国6地裁に(付・動画4本雑感)

 参院選公示直前のこの時期、全国各地で様々な企画が取り組まれており、その一々を取り上げたいのはやまやまながら、時間の都合で本格的な紹介は割愛せざるを得ません。以下には、本来なら本格的に取り上げたかった企画のいくつかについて、内容を知ることが出来る中継動画にリンクだけしておきます。
 
6月16日(木) 香川県高松市 高松三越前
野党4党合同演説会
田辺健一氏(参院選香川県選挙区・野党統一予定候補)、志位和夫氏(日本共産党委員長)、小沢一郎氏(生活の党代表)、安住淳氏(民進党衆議院議員国対委員長)、吉川元氏(社民党衆議院議員政策審議会
長)
動画(IWJ):
野党4党合同演説会 ―田辺健一氏(香川地区・野党統一予定候補)、志位和夫氏(日本共産党委員長)、小沢一郎氏(生活の党代表)、安住淳氏(民進党衆議院議員国対委員長)、吉川元氏(社民党衆議院議員政策審議会長) 2016.6.16
動画(サンプル)

※32の参議院選挙1人区の中で、唯一共産党公認候補が野党統一候補となった香川県での4党合同演説
会です。たとえ共産党公認であっても、民進党のしかるべき者が応援するからこそ「野党共闘」なのですよね。言いたくないけど、民進党和歌山県連は、全国の1人区で唯一「野党共闘」を拒んだという「名声(?)」がどうしても欲しいんだろうか?なお、6月3日に日本共産党香川県委員会委員長と民進党香川
県総支部連合会代表との間で「基本的事項の確認書」というものが締結されていました。

6月16日(木) 日本記者クラブ
公開討論「テレビ報道と放送法―何が争点なのか」
<放送メディアの自由と自律を考える研究者有志>
砂川浩慶氏(立教大学教授、メディア総合研究所所長)、岩崎貞明氏(放送レポート編集長)、醍醐 聰
氏(東京大学名誉教授)
<放送法遵守を求める視聴者の会>
ケント・ギルバート(米カルフォルニア州弁護士、タレント、放送法遵守を求める視聴者の会呼びかけ人)、上念 司氏(経済評論家、放送法遵守を求める視聴者の会呼びかけ人)、小川榮太郎氏(文藝評論家
、放送法遵守を求める視聴者の会事務局長)
動画:20160616 UPLAN【公開討論】テレビ報道と放送法――何が争点なのか(1時間57分)

※この公開討論は、「放送法遵守を求める視聴者の会」事務局長である小川榮太郎氏から、同会に対して批判的な意見を公表した人々に送付した公開討論の呼びかけに、醍醐聰東京大学名誉教授らが応えて実現したものでしょう。この小川氏からの呼びかけ文書は相当多くの人に送られたに違いありません。何しろ、私の事務所にも(クロネコメール便で)届いたほどですから。
 
6月17日(金)16時30分~ 参議院議員会館1階講堂
特別講演「なぜ文明国ドイツにヒトラー独裁政権が誕生したのか?」
講師:石田勇治(東京大学教授)
主催:村山首相談話を継承し発展させる会
動画:20160617 UPLAN 石田勇治「ヒトラーとナチ・ドイツ~なぜ文明国ドイツにヒトラー独裁政権が誕生
したのか?」(2時間25分)

※石田教授による講演は1時間04分~から始まります。
 
6月17日(金) 日本外国特派員協会
市民連合(安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合)呼びかけ団体メンバーによる記者会見
中野晃一氏(立憲デモクラシーの会、上智大学教授)、長尾詩子氏(安保関連法に反対するママの会)、奥田愛基氏(SEALDs)
動画:Nakano, Nagao & Okuda: "Civil Alliance for Peace and Constitutionalism" / deformed
democracy by Abe(1時間21分)

※中野教授による冒頭発言は英語によって行われました。

 最後に、安保法制違憲訴訟の最近の動向を確認しておきます。
 4月26日に東京地裁と福島地裁いわき支部、5月6日に高知地裁、6月8日に大阪地裁と長崎地裁、そして昨日(6月17日)岡山地裁に提訴され、これで全部で6つの地裁に安保法制違憲訴訟が提訴され
たことになります(東京地裁には2件)。
 今日は、そのうち、(これまで注目してきたという流れもあり)岡山訴訟の提起を伝えた新聞報道と、提訴後に岡山弁護士会館で開かれた「安保法制違憲訴訟おかやま 提訴報告集会」で採択された「アピール」を引用したいと思います。
 
西日本新聞 2016年06月17日 18時48分
安保法違憲と400人提訴、岡山 集団訴訟、全国で6件目

(引用開始)
 安全保障関連法は憲法に反し、成立や施行で平和的生存権を侵害されたとして、岡山県民ら約400人が17日、1人当たり10万円の損害賠償を求めて岡山地裁に提訴した。弁護士らでつくる「安保法制違
憲訴訟の会」の呼び掛けによる集団訴訟の一環で、福島や長崎に続き全国6件目の提訴。
 原告らは提訴後に集会を開き、45年の岡山空襲時に2歳だったという男性は「戦争の反省から生まれ
た憲法に反する政治は許さない」と訴えた。
 原告側代理人の河田英正弁護士は「単に違憲と訴えるだけでは門前払いになりがちだが、多種多様な原
告に対する具体的な権利侵害を明らかにし、勝訴を目指す」と述べた。
(引用終わり)
 
(引用開始)
 本日、「安保法制違憲訴訟おかやま」の原告402名が、岡山地方裁判所に、国を被告とする安保法制違憲訴訟を提訴しました。この訴訟は、安保法制に反対する国民の激しい怒りを背景とし、東京をはじめ
全国各地で提訴されている、あるいは提訴予定の安保法制違憲訴訟に岡山から呼応し連帯するものです。
 日本は、先の大戦に対する痛切な反省から平和憲法を制定しました。政府の行為によって再び戦争の惨禍をもたらさない、との固い決意の下に憲法9条が定められました。この恒久平和主義に基づく憲法の下で、戦後71年間、日本は戦争したり、他国を侵略したりしたことは一度もなかった、ということはまぎ
れもない歴史的事実です。
 ところが安倍政権は、過去の戦争の惨禍に目を塞ぎ、再び日本を「戦争する国」へと大転換しました。すなわち、歴代内閣が、自衛隊が行使できるのは個別的自衛権に限り、「集団的自衛権」は認められないとしてきた政府見解を、安倍内閣は国会にはかることもなく、わずか19人の大臣による閣議決定で覆し、集団的自衛権行使を容認しました。まさにクーデターと言わなければなりません。この閣議決定とそれに基く「安保法制」に対しては、元最高裁長官や元最高裁判事、歴代の元内閣法制局長官、憲法学者、日弁連をはじめ全国の弁護士会など、圧倒的多数の法律家が憲法9条に違反するとの意見を表明しました。しかし、2015年9月19日、国会は自公議員らの多数の力で安保法制を強行採決し、2016年3月29日、安保法制は施行されるに至りました。この施行により、いつでもどこでも日本が戦争を開始し、明日にも自衛隊や国民に死者が出たりテロに襲われるという、現実的危険が目の前に迫っている状況とな
りました。
 私たち原告団は、主として岡山県内に住む市民です。先の大戦の被害者・軍人やその家族、岡山空襲の被害者、有事体制の下で従事させられる労働者や医療従事者、宗教家、教育関係者、法律専門家、障がい者、子を持つ母親、若者等、20歳台から80 歳を超える高齢者まで、多種多様な市民で構成されています。私たちは、この憲法9条に反する違憲の安保法制によって、私たちの「平和的生存権」や「人格権」が日々侵され脅かされています。さらにこの解釈改憲により、主権者としての「憲法改正権・決定権」が侵害されました。今、ここで行動を起こさなければ、というやむにやまれない思いで提訴に踏み切りまし
た。
 私たち原告は、この違憲訴訟を、立憲主義と民主主義および恒久平和主義を取り戻し、安保法制の廃止を求める大規模な国民運動の一環として位置づけ、裁判において違憲判決を勝ち取ることにより、安保法制廃止を実現するための大きな役割を果たしたいと思います。そして、この提訴によって、日本の平和と
全世界の平和に結びつくことを心から希求し、ここにアピールします。    
          2016年6月17日
          安保法制違憲訴訟おかやま 原告団 弁護団
(引用終わり)

 岡山弁護士会前会長にして、安保法制違憲訴訟おかやまの原告でもある吉岡康祐さんのFacebookへの投稿にリンクしておきます(「公開」設定なのでどなたでも見られるはずです)。

 それにしても、各地で着々と提訴や原告募集が進んでいるというニュースに接するとプレッシャーを感じるなあ。
 
(弁護士・金原徹雄のブログから)
2016年6月4日
安保法制違憲訴訟を地方から起こす~「安保法制違憲訴訟おかやま」の動き

VOYCEによる自民党「日本国憲法改正草案」英語全訳のご紹介

 今晩(2016年6月17日)配信した「メルマガ金原No.2490」を転載します。

VOYCEによる自民党「日本国憲法改正草案」英語全訳のご紹介

 一昨日(6月15日)、自民党「日本国憲法草案」を批判する講演レジュメをアップしたばかりですが(自民党「日本国憲法改正草案」批判レジュメ~2016年参院選直前ヴァージョン)、今日は、その自民党改憲案の英語全訳をご紹介します。
 自民党「日本国憲法改正草案」の英訳としては、あすわか(明日の自由を守る若手弁護士の会)による部分訳がありましたが、私の知る限り全訳は初めてではないかと思います。
 ちなみに、この全訳は、今年の3月には公表されていたようなのですが、私は、最近になって、NPJ(News for the People in Japan)リンクしてるのにようやく気がついた次第です。

 まず、この全訳を完成させた“VOYCE”とはどのような団体か、公式サイトの中の自己紹介を読んでみましょう。

WHAT’S VOYCE?
(引用開始)
 VOYCE (ヴォイス: Voices of Overseas Youth for Civic Engagement) は日本国内外で起きている様々な政治・社会問題について、日本社会の一員として積極的に向き合っていこうという共通の意思の下に集結した、日本国外にいる若者を中心とした集まりです。当初、私たちは「安全保障法制に反対する在外学生の意志を可視化させる」ことから活動を開始しました。しかし、日本の政治・社会問題は安全保障法制に限られたものではなく、人びとの自由を保障する民主的な社会を実現するためには、継続的な政治参加を呼びかけていく必要があると考えます。
(引用終わり)
 
 そして、今年の3月16日、自民党「日本国憲法改正草案」の英訳を発表するにあたっての声明も読んでみたいと思います。
 
自由民主党による「日本国憲法改正草案」
英訳完成に当たっての共同声明

(引用開始)
 2012年に発表された憲法改正草案の英訳を行いここにまとめました。自民党は緊急事態の名の下に「言論の自由」と「表現の自由」を制限しようと努め、又、自衛隊を”国防軍”にアップグレードしようと試みています。さらに、このような内容の憲法改正案を計画すること自体がこの国の帝国主義という歴史を振り返り責を自覚するという行為からかけ離れているといえます。依然、この国が侵略的な軍国主義へとひた走り、自国の民を抑圧したという過去から学びとれることはたくさん残っています。
 現安倍政権がこの国に住んでいる人たちが直面している最も急を要する数々の問題を無視し続け、この目的を優先しているという状況は論外であると言えます。「自由」とさらに「民主主義」を政党の信義として掲げている政党がこのような、自由と民主主義を蔑ろにするような憲法改正を試みているということは非常に皮肉なことだと言えます。これまで日本国内において、多くの憲法学者や法曹界関係者によって自民党による当改憲草案の危険性が指摘されてきました。日本の国内外に住む多くの人たちに対して自民党の理念の危険性を発信すべく、私たちはここに当改憲草案全文の英訳を掲載します。
 私達の英訳をご自由に掲載、引用、使用していただいて結構ですが、私たちが法学の専門家、もしくは翻訳家でないことをご理解ください。私たちはあくまでも、この危機的状況を多くの人々に知らせるために力を合わせた海外在住の若者の集まりです。当英訳文に関しましては、予め幾人の専門家の方々に読んでいただき修正点等のご指摘をいただいたので、大きな間違いはないとは思います。もし翻訳、又は解釈の点における間違い等が見当たりましたらお気軽にご連絡ください。
注)訳中の [Current] と [Draft] の文言はそれぞれ現行憲法と自民党改憲草案に対応します。
 2016年3月16日
VOYCE (ヴォイス: Voices of Overseas Youth for Civic Engagement) 一同
※金原注:以下、25人の氏名、在住国、所属大学の引用は省略します。
(引用終わり)
 

 それでは、以下、自民党「日本国憲法改正草案」のVOYCEによる英語全訳にリンクします。「翻訳、又は解釈の点における間違い等が見当たりましたらお気軽にご連絡ください。」に応えて意見を送るだけの力のある方は、是非読破していただければと思います。
 私は?とりあえずは最も関心のある条文が、どう英訳されたかを確認してみようと思います。まずは、何と言っても13条でしょうね。


日本国憲法
 
第13条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

[Current](現行憲法)
Article 13. All of the people shall be respected as individuals. Their right to life, liberty, and the pursuit of happiness shall, to the extent that it does not interfere with the public welfare, be the supreme consideration in legislation and in other governmental affairs.

自民党 日本国憲法改正草案
第13条 全て国民は、人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公益及び公の秩序に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大限に尊重されなければならない。

[Draft](自民党改憲案)

(Respect, etc. for people as persons)
Article 13. All of the people shall be respected as persons. Their right to life, liberty, and the pursuit of happiness shall, to the extent that it does not interfere with the public interest and public order, be the supreme consideration in legislation and in other governmental affairs.

 皆さんも、関心を持つ条文(自民党改憲案)を英訳するとどうなるのか、個別にあたってみてはいかがでしょう。
 そして、海外を含めた多くの人々に自民党改憲案の実体を知ってもらうため、大いに「拡散」していただければと思います。

立憲デモクラシー講座第11回(6/3石田英敬東京大学教授)と第12回(6/10岡野八代同志社大学大学院教授)のご紹介

 今晩(2016年6月16日)配信した「メルマガ金原No.2489」を転載します。

立憲デモクラシー講座第11回(6/3石田英敬東京大学教授)と第12回(6/10岡野八代同志社大学大学院教授)のご紹介

 前半は早稲田大学を、後半は立教大学を会場として第12回まで開催された立憲デモクラシー講座(立憲デモクラシーの会主催)、6月3日(金)の石田英敬東京大学教授(記号論、メディア論)による「現代のメディアと政治」、同月10日(金)の岡野八代同志社大学大学院教授(政治学)による「女性と政治と憲法と」(会場はいずれも立教大学池袋キャンパス8号館8201教室)をもって、一応第1シーズ
ンは終了ということのようです。

 先日(6月12日)、市民連合(安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合)を代表して、ゆら登信(たかのぶ)さんとの政策協定調印式に出席するため和歌山に来られた西谷修先生(立教大学特任教授、立憲デモクラシーの会呼びかけ人)にうかがったところでは、今秋から、第2シーズン(?)をやろうという声もあるようです。期して待ちたいと思います。

 以下に、6月開催の2回分を、全12回の講座を全編収録公開してくださった三輪祐児さん(UPLAN)の動画でご紹介するとともに、三輪さんがFacebookに書かれた感想を引用します。このような無私の努力を続けてくださる方のおかげで、貴重な連続講座を居ながらにして受講することができます。心から感謝します。
 
20160603 UPLAN 石田英敬「現代のメディアと政治」(1時間59分)

(三輪祐児さんのFacebookから)
「メディア論の講義の終わりの方は、個人的なことになるが亡父を彷彿と思い出させるものだった。電通でおそらく一番くらいに原発大好きだった父は、原発推進のためのさまざまな宣伝活動を行っていた。博覧会、展示会やイベント事業のほか、自宅に若い官僚を招いて原子力の未来や反対派の潰し方謀略などを論じていた。さまざまなニセ宣伝や洗脳に嬉々として取り組み、なかでもテレビこそは国民の無脳化、白痴化に欠かせないメディアだと理解していた。父の想いはいま自民党の独裁と電通分類「B層」の大量発生
という形で実現している。
 現在の自分とは正反対の立場にあり敵対関係にはあるが、いまさらながらに偉大な父だったと思う。」
 
20160610 UPLAN 岡野八代(同志社大学大学院教授・政治学)「女性と政治と憲法と」(1時間37分)

(三輪祐児さんのFacebookから)
「「貧困層とくに一人親家庭に鞭打つ日本の政府」といった生活レベルでの問題を具体的に例示し、他国との比較も見せながら如何に酷い状況におかれているかを実証する。岡野八代さんの歯切れの良さはいつ
もと変わらない。
 そして立憲デモクラシー講座は、番外編も含めて今回で終了。半年以上続いた12の講座をすべて配信することができた。関係者、視聴者の皆さまの応援と協力に感謝。」

 さて、第1シーズン終了と参院選を期して(?)、立憲デモクラシー講座が本になります。
 立憲デモクラシーの会公式サイトから告知記事を引用します。」
(引用開始)
好評を頂いております立憲デモクラシー講座を記録した書籍が、2016年6月29日に発売されることになりました。
 
山口二郎、杉田敦、長谷部恭男編『立憲デモクラシー講座 憲法と民主主義を学びなおす』 岩波書店 本体1800円+税
安倍政権が憲法改正に本腰を入れた今、戦後70年にわたる日本の平和主義、民主主義の歩みと、その到達点たる2015年安保の経験に基づいて、憲法と民主主義の意味を学びなおす必要がある。代表制民主主義、緊急事態条項などをテーマに、「立憲デモクラシーの会」が行ってきた講座の記録。巻末に樋口陽一・三谷太一郎特別対談を収録。
(引用終わり)

(弁護士・金原徹雄のブログから)
2015年11月15日
佐々木惣一が発見した「国民の存在権」(憲法13条)と自民党改憲案~石川健治東大教授の講義で学ぶ(11/13立憲デモクラシー講座 第1回)
2015年12月12日
山口二郎法政大学教授による「戦後70年目の日本政治」一応の総括~12/11立憲デモクラシー講座 第3回)
2016年1月8日
中野晃一上智大学教授による「グローバルな寡頭支配vs.立憲デモクラシー」~1/8立憲デモクラシー講座第4回)
2016年1月31日
杉田敦法政大学教授による「憲法9条の削除・改訂は必要か」~1/29立憲デモクラシー講座 第5回)
2016年2月6日
立憲デモクラシーの会・公開シンポジウム「緊急事態条項は必要か」を視聴する
2016年3月28日
立憲デモクラシー講座第6回(3/4三浦まり上智大学教授)と第7回(3/18齋藤純一早稲田大学教授)のご紹
2016年4月11日
立憲デモクラシー講座第8回(4/8)「大震災と憲法―議員任期延長は必要か?(高見勝利氏)」のご紹介(付・『新憲法の解説』と緊急事態条項)
2016年4月25日
立憲デモクラシー講座第9回(4/22)「表現の自由の危機と改憲問題」(阪口正二郎一橋大学教授)」のご紹介(付・3/2「放送規制問題に関する見解」全文)
2016年5月15日
立憲デモクラシー講座第10回(5/13)「戦争化する世界と日本のゆくえ」(西谷修立教大学特任教授)のご紹介

自民党「日本国憲法改正草案」批判レジュメ~2016年参院選直前ヴァージョン

 今晩(2016年6月15日)配信した「メルマガ金原No.2488」を転載します。

自民党「日本国憲法改正草案」批判レジュメ~2016年参院選直前ヴァージョン

 今晩(6月15日)、「憲法をまもりくらしに活かす田辺・西牟婁会議」主催の学習会で、自民党改憲案についてお話する機会をいただきました。
 田辺市で夜7時からの開催であったため、当然、和歌山市の自宅に帰り着く時間は遅くなり、それからメルマガ(ブログ)の記事を書いている時間はありませんので、当初から、メルマガ(ブログ)に掲載することを前提にレジュメを書いていました。
 ということで、今晩の講演用に書いたレジュメ(というより講演用台本)をそのままお届けします。
 ただし、今日の講演は、質疑応答の時間を含めて1時間以内ということでしたので、これだけの分量の話ができたはずはなく、大幅にはしょりながら、「詳しくは帰宅後レジュメを読んでください」ということになったことをお断りします(結果的に、活発に質問していただいたということもあり、トータル約1時間半の学習会になりましたが)。
 講演の最初の方でもお話しましたが、私が各地の学習会で集中的に自民党改憲案についての話をして回っていたのは2013年の参院選までの時期でした。そして、今回久々に自民党改憲案について話して欲しいというご依頼があったのが、再び参院選直前の時期となったのは、決して偶然ではないでしょう。
 なお、講演の演題は、主催者からご提案があったものをそのまま採用しました。
レジュメPDFファイル(印刷される場合はこちらからどうぞ)
 

2016年6月15日(水) 西牟婁教育会館にて
憲法をまもりくらしに活かす田辺・西牟婁会議
 
           自  民  党  改  憲  案  を  斬  る 
                         ~いま主権者がなすべきこと~

                                      弁護士 金 原 徹 雄
                                                                
【本日のお話の構成】
1 はじめに
2 憲法をめぐる重要論点の推移
3 明文改憲の危機と参議院選挙
4 自民党改憲案を知るための“教材”
5 憲法は誰が守るべきものか(立憲主義とは何か)
6 「個人」が消えた自民党改憲案
7 復古主義の衣をまとった「新自由主義」至上憲法?
8 平和主義の放棄
9 緊急事態条項は不要であるばかりか有害
10 終わりに~いま主権者がなすべきこと~

 
1 はじめに
 本日は、「憲法をまもりくらしに活かす田辺・西牟婁会議」の学習会でお話をさせていただく機会を頂戴し、まことにありがとうございます。
 和歌山県下で行われる憲法学習会で講師を務める弁護士としては、皆さまもよくご存知のゆら登信(たかのぶ)弁護士が第一人者であり、今日の講演も、本来であれば、ゆら弁護士が最適任だったのではないかと思うのですが、いかんせん、ご存知のような事情で、学習会の講師どころではありません。
 ゆら弁護士並みのお話が出来るかどうか心許ない点もありますが、質疑応答も含めて約1時間お付き合いください。

 なお、話を始める前に1つお断りしておくことがあります。今日は自民党改憲案についてお話するのですが、自民党は、2012年改憲案に先立ち、2005年10月28日に「新憲法草案」を発表しています。
 同草案でも、①前文を全面的に書き換える、②9条2項を削除して自衛軍を保持する、③「公共の福祉」を「公益及び公の秩序」に置き換える、④22条の経済的自由を制約していた「公共の福祉に反しない限り」を削除する、⑤最高裁の下にある下級裁判所としての軍事裁判所を設置する、⑥96条の改正発議の要件を各議院の総議員の2/3から過半数に緩和する、などを提案しており、前文や9条2項の削除、改正要件の緩和などは大問題でしたが、2012年改憲案に比べれば、まだしも近代憲法の枠内に収まっていたというべきでしょう。
 従って、今日のお話で「自民党改憲案」といえば、特に断らない限り、自民党が野党時代の2012年4月27日に発表した「日本国憲法改正草案」のことを指します。
 

2 憲法をめぐる重要論点の推移
 私は、ゆら弁護士ほどではありませんが、いろいろな団体から頼まれて憲法学習会の講師を務めることがあります。振り返ってみると、第二次安倍政権が誕生してからの3年半、主催者から依頼される講演のテーマが、ほぼ1年おきに交替してきたことが分かります。はなはだ大ざっぱに言えば、
 2013年:自民党「日本国憲法改正草案」批判、96条先行改憲論批判
 2014年:集団的自衛権行使容認批判、立憲主義無視批判
 2015年:安保関連法(戦争法)批判
 2016年:戦争法批判(継続)、緊急事態条項批判
というものであったと思います。もちろん、これは重点の置き所が換わっていったということです。
 ところで、私にとって、自民党「日本国憲法改正草案」批判をメインテーマとした講演の依頼があったのは、ほぼ3年ぶりと言ってもよいので、思えば、2013年の春から初夏にかけて、つまり前回の参院選の直前までということですが、県下の様々なところ、和歌山市だけではなく、田辺、新宮、龍神などで、自民党改憲案の危険性を指摘して回っていました。もっとも、その甲斐なく、与党(自民・公明)の圧勝を食い止めることは出来ませんでしたけど。


3 明文改憲の危機と参議院選挙
 今回、「憲法をまもりくらしに活かす田辺西牟婁会議」が学習会のテーマを自民党改憲案批判にしようとされた趣旨まではうかがっておりませんが、改憲を目指す諸政党(自民党、公明党、おおさか維新の会、日本のこころを大切にする党)が、既に衆議院で2/3以上の勢力を持っている現在、7月の参議院選挙の結果、同院でも改憲政党が2/3以上の議席を確保するような事態となれば、いつでも改憲発議が可能となり、取り返しのつかない事態を招きかねないという危機感からではないかと推測しています。
 ここで、現在の参議院における会派別議席状況をご紹介することで、憲法を取り巻く情勢分析に代えたいと思います。
 参議院は任期6年の議員(定数242人)を3年ごとに半数(121人/選挙区73人・比例代表48人)ずつ改選します。
 現在の会派別議席状況は以下のとおりです。なお、括弧内に、今回改選期を迎える議員数と選挙区・比例の内訳を記載します。
 自由民主党           116(改選50/選挙区38+比例12)
 公明党               20(改選9/選挙区3+比例6)
 おおさか維新の会          7(改選2/比例2)
 日本のこころを大切にする党    3(改選0)
  改憲政党計   146(改選61/選挙区41+比例20)
 民進党・新緑風会        64(改選46/選挙区27+比例19)
 日本共産党            11(改選3/比例3)
 日本を元気にする会・無所属会  4(改選2/選挙区1+比例1)
 社会民主党・護憲連合       3(改選2/比例2)
 生活の党と山本太郎となかまたち   3(改選2/選挙区1+比例1)
 無所属クラブ             2(改選0)
 新党改革・無所属の会       2(改選1/比例1)
 無所属                7(改選4/選挙区3+比例1)
  改憲4党以外計   96(改選60/選挙区32+比例28)
 以上の議席状況によれば、改憲4党が参議院の2/3(162議席)以上を確保するためには、改選議席61を確保した上で、あと16議席上積みすれば良いということが分かります。
 今回改選期を迎えるのは、2010年、民主党の菅直人政権時の選挙で当選した議員であり、各会派別の改選数を見れば分かるとおり、6年前の選挙では、比例では、自民12議席に対し、民主が16議席確保していたのです。今から見れば信じられないと思いますが(民進党で改選期を迎える比例議員数19となっているのは、6年前にみんなの党で当選した議員3人を含むという趣旨でしょう)。
 従って、手をこまねいて選挙になだれ込めば、仮に他の政党の獲得議席が6年前と全く一緒であったとしても、自民党が50+16=66、民進党が46-16=30になっただけで、改憲4党が2/3確保です。
 ちなみに、3年前の参議院選挙での獲得議席数は以下のとおりでした。
  自由民主党   65(選挙区47+比例18)
  民主党      17(選挙区10+比例7)
  公明党      11(選挙区4+比例7)
  日本維新の会   8(選挙区2+比例6)
  日本共産党    8(選挙区3+比例5)
  みんなの党      8(選挙区4+比例4)
  社会民主党    1(比例1)
  沖縄社会大衆党 1(選挙区1)
  無所属       2(選挙区2)  
 これを一瞥するだけでも、民進党が(旧みんなの党系の議員の一部が合流したにせよ)30議席確保するということでさえ、非常にハードルが高いということが分かります。
 選挙区のうち、32の1人区で「野党統一候補」擁立が目指されたのも、比例代表選挙でぎりぎりまで「統一名簿方式」が模索されるであろうことも、以上のような状況を踏まえた上でのことであり、事態はまことに危機的と言わざるを得ません。
 逆に言うと、来月の参議院選挙で改憲派が2/3を超える議席を確保できなければ、3年後の参議院選挙で改憲派がこれ以上議席を増やすことは難しく(3年前に民主党があまりに負け過ぎている)、「改憲のチャンス」が当面遠のく可能性が高いとも言えるのです。
 日本会議や神社本庁などが中心となって構成する「美しい日本の憲法をつくる国民の会」が、有名神社の境内で初詣客に「1,000万人賛同署名」を呼びかけたり、全国各地で「憲法おしゃべりカフェ」なる改憲推進イベントを活発に開催しているのも、今年の参議院選挙後の国会による改憲発議を目指した動きであることは明らかです。
 改憲派と護憲派の決戦の場が7月10日の参議院選挙であるということをあらためて強調しておきたいと思います。
 

4 自民党改憲案を知るための“教材”
 わずか1時間の講演の前置きにしては長く時間をかけ過ぎましたが、ここからはいよいよ本論の「自民党改憲案を斬る」です。
 ただし、時間の都合により、細かな問題点を解説している余裕はありませんので、はじめに、皆さんが自習するための“教材”をご紹介しておきます。
 まず、2012年4月27日に発表された自民党改憲案そのものを読まなければ話になりません。その全文は、自民党ホームページにPDFファイルで掲載されています(現行憲法との対照形式で縦書きのもの/全30ページ)。
自由民主党「日本国憲法改正草案」(現行憲法対照) 平成24年4月27日(決定)
 それから、条文を横書きにし、条文の前に問答式の解説を添えた「Q&A」もダウンロードできます。ただし、全部で88ページもあります。
自由民主党「日本国憲法改正草案Q&A 増補版」
 自宅に家庭用プリンターのある方には、少し手間でも、88ページの「Q&A」をプリントアウトして手元に置かれることをお勧めします(モノクロ印刷で十分です)。現行憲法との対照条文自体、横書きの方が読みやすいですし、「Q&A」の解説がまた、突っ込みどころ満載で、この改憲案を作った人々の思想的背景を推測する有力な材料になりますから。

 次に、自習の手引きとなる参考書として、以下の2冊を推奨します。
 1冊目は、自民党改憲案の逐条解説、それも鼎談なので読みやすい(情報を詰め込むために文字がやや小さめなのが難点ですが)本です。ジャーナリストの岩上休身さんが、2人のベテラン弁護士と縦横無尽に語り合い、鼎談後に詳細な注釈も付けたというコンメンタールです。
『前夜』(増補改訂版) 梓澤和幸、岩上安身、澤藤統一郎
 現代書館 2015年12月16日刊 2700円(税込)


 もう1冊は、高名な憲法学者2人(樋口陽一東京大学名誉教授・東北大学名誉教授・日本学士院会員、小林節慶應義塾大学名誉教授・弁護士)による対談で、自民党改憲案の本質的問題点を、深い学識を踏まえ、これほど分かりやすく解説してくれた本は他にないと思います(絶対のお奨めです)。
『「憲法改正」の真実』 樋口陽一、小林 節
 集英社新書 2016年3月22日刊 861円(税込)

 
 “教材”の最後は視聴覚教材です。しかも、無料で視聴できます(1枚500円のDVDも継続販売されていますが)。弁護士の伊藤真さんが2013年4月に語りおろしたDVD「憲法ってなあに?憲法改正ってどういうこと?」(55分)は、タイトルのとおり、憲法とは何か?自民党改憲案の問題点はどういうところにあるのか?について、実に分かりやすく解説されており、初めて視聴した時、私は「目から鱗とはこのことだ!」と感激し、以後、和歌山県下で憲法学習会の講師を頼まれるたびに持参し、2013年のうちに200枚以上売りまくりました。
 そして、収録から丸1年が経過した2014年4月30日、この動画は「憲法ってなあに?」というタイトルでYouTubeに無償アップロードされました。



5 憲法は誰が守るべきものか(立憲主義とは何か)
 問題続出の自民党改憲案の中でも、とりわけ重大な肝となる条文は、樋口先生、小林先生が語られているとおり、現行13条「すべて国民は、個人として尊重される。」が「全て国民は、人として尊重される。」に変更され、「個人」が消滅していることでしょう。
 この点については後ほど触れられればと思いますが、以下には、2012年4月27日に自民党改憲案が発表された後、私自身が自民党ホームページに掲載された改憲案をざっと通読した時に最も衝撃を受けた条文「102条1項 全て国民は、この憲法を尊重しなければならない。」を中心に、やや詳細に自民党改憲案の反立憲主義ぶりをご紹介しようと思います。

 さて、この改憲案を最初の前文から読み始めた人は、「なんて義務規定が多いんだ」と思われるでしょう。ざっと目に付く規定を抜き出してみます。

3条2項
 日本国民は、国旗及び国歌を尊重しなければならない。
9条の3 国は、主権と独立を守るため、国民と協力して、領土、領海及び領空を保全し、その資源を確保しなければならない。
12条後文 国民は、これを濫用してはならず、自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚し、常に公益及び公の秩序に反してはならない。
19条の2 何人も、個人に関する情報を不当に取得し、保有し、又は利用してはならない。
21条2項 前項の規定にかかわらず、公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは、認められない。
24条1項後文 家族は、互いに助け合わなければならない。
25条の2 国は、国民と協力して、国民が良好な環境を享受することができるように
その保全に努めなければならない。
28条2項前文 公務員については、全体の奉仕者であることに鑑み、法律の定めるところにより、前項に規定する権利の全部又は一部を制限することができる。
92条2項 住民は、その属する地方自治体の役務の提供を等しく受ける権利を有し、その負担を公平に分担する義務を負う。
99条3項 緊急事態の宣言が発せられた場合には、何人も、法律の定めるところにより、当該宣言に係る事態において国民の生命、身体及び財産を守るために行われる措置に関して発せられる国その他公の機関の指示に従わなければならない。この場合においても、第十四条、第十八条、第十九条、第二十一条その他の基本的人権に関する規定は、最大限に尊重されなければならない。
102条1項 全て国民は、この憲法を尊重しなければならない。

 この一々にコメントを付すことも可能ですが、それをやり出すときりがありません。ただ、12条後文は、まず日本語になっていません。改憲派は、現行憲法が翻訳憲法であって日本語としておかしいと批判しますが、十分意味は伝わります。これに対し、自民党改憲案の12条後文はそもそも文法的に成り立ちません。

 それはそれとして、私は、この自民党改憲案を、発表されてから遅くとも6日以内には読んでいます。なぜはっきりそう言えるかと言うと、2012年5月3日に配信した「メルマガ金原」で「憲法記念日に考える(立憲主義ということ)」という記事を書いているからです。
  ブログに転載した前編
 それは、改憲案102条1項「全て国民は、この憲法を尊重しなければならない。」を読んだ衝撃によって一気に書き上げたものでした。
 私が言わんとしたのはこういうことです。やや長くなりますが、この部分が今日のお話のポイントなので、我慢してお付き合いください。

 現行の日本国憲法は、97条から99条までの3箇条で「第10章 最高法規」という章を設けています。引用してみます。

第97条 この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。
第98条 この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。
2 日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。
第99条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。

 「第1章 天皇」「第2章 戦争の放棄」「第3章 国民の権利及び義務」「第4章 国会」「第5章 内閣」「第6章 司法」「第7章 財政」「第8章 地方自治」「第9章 改正」までは、どういうことが規定されているのか、章の標題だけからでも、ある程度は推測がつくと思いますが、「最高法規」という第10章の標題を読んだだけで何らかのイメージがわく人がどれほどいるでしょうか?実際に3箇条の条文を読んでみたらどうでしょう?
 「どうやら憲法が一番偉い規定であって、他の法律などは憲法に違反すると効力がないということを定めたのかな」位のことは(98条にそう書いてあるのですから)誰でも分かると思いますが、最高法規性を定めた98条と、その前後の97条、99条との関係、何故この3箇条で一つの章をわざわざ設けているのか、ということは少し説明を加える必要があります。
 実は、今日のお話は、この第10章の意義とこれをなきものにしようとしている自民党改憲案の対比を説明すれば、ほぼそれで尽きると言ってもよい位なのです(というか、他にも重要な論点はあるのですが、多分お話している時間がありません)。
 私自身、日本国憲法の条文を初めて通読したのは、大学の1回生として教養課程の「憲法」を受講した時だったから相当昔のことですが、その時は、「第10章 最高法規」の本当の意義は全然分かっていませんでした。
 学生時代の私が何より疑問に思ったのは97条でした。基本的人権の重要性を強調するのであれば、「第3章 国民の権利及び義務」の最初の方に置けば良いし、実際、第3章には既に以下のような条文が置かれています。
 
第11条 国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。
第12条 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。

 大学に入ったばかりの私には97条の存在意義が理解できず、「11条や12条と無駄に重複しているのではないか」などと考えていたものです。97条や99条の重要性を理解するまで、相当時間がかかったように記憶しています。
 ここで、97条及び99条の意義を理解するためのこれ以上ない「反面教師」として、自民党改憲案「第11章 最高法規」を読んでおきましょう。

現行の第97条 → 全文削除
(憲法の最高法規性等)
第101条 この憲法は、国の最高法規であって、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。
2 日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。
(憲法尊重擁護義務)
第102条 全て国民は、この憲法を尊重しなければならない。
2 国会議員、国務大臣、裁判官その他の公務員は、この憲法を擁護する義務を負う。
 
 どこをどう変えようとしているのかを確認しましょう。
 97条はどうなったか?「全面削除」です。これについて、自民党「Q&A(増補版)」は、「我が党の憲法改正草案では、基本的人権の本質について定める現行憲法 97条を削除しましたが、これは、現行憲法 11 条と内容的に重複していると考えたために削除したものであり、「人権が生まれながらにして当然に有するものである」ことを否定したものではありません。」としています。
 けれども、そらなら何故11条ではなく97条の方を削除したのかについては一言も触れられていません。
 現行98条は、ほぼそのまま101条となっていますが、現行99条の憲法尊重擁護義務はどうなったか?
 まず、現行規定にはなかった「国民」の憲法尊重義務なるものが102条1項として規定されています。
 102条2項には、現行の99条からあえて「天皇又は摂政」を削除した上で、公務員の憲法擁護義務を残しています。

 ここで、「立憲主義」とは何かを考えるために、迂遠なようではありますが、日本で最初の近代的「憲法」として制定された「大日本帝国憲法」を振り返っておきたいと思います。
 1888年(明治21年)6月22日(大日本帝国憲法公布の約8か月前)、憲法草案を審議していた枢密院において、議長である伊藤博文が述べた以下の発言は非常に著名なものです。

「そもそも、憲法を創設するの精神は、第一君権を制限し、第二臣民の権利を保護するにあり。ゆえに、もし憲法において臣民の権利を列記せず、ただ責任のみを記載せば、憲法を設くるの必要なし」
(原文は旧字・カタカナ・句読点なしなので、読みやすくしました)

 そして、大日本帝国憲法「第2章 臣民権利義務」の中で、臣民に直接義務を課す規定は、兵役の義務(20条)と納税の義務(21条)を定めた2箇条だけにとどめられていました。
 伊藤博文が正しく指摘しているように、そもそもなぜ憲法を定めるかと言えば、それは国民の権利・自由を保障する(臣民の権利を保護する)ためであって、そのために国家権力に制限を加える(君権を制限し)必要があるからです。つまり、「憲法を守らなければならない」という規範の名宛人は国家であって国民ではない、というのが大原則なのであって、これが「立憲主義」の本質です。
※伊藤博文の発言の淵源の1つが、1789年~大日本帝国憲法発布のちょうど100年前~フランス人権宣言(人及び市民の権利の宣言)16条「権利の保障が確保されず、権力の分立が規定されないすべての社会は、憲法をもつものでない。」(岩波文庫「人権宣言集」の訳による)にあることは言うまでもありません。

 ここまで書けば、現行憲法の「第10章 最高法規」において、憲法の形式的最高法規性を明示した98条に先立ち、基本的人権の不可侵性を強調した97条がなぜその直前に置かれねばならなかったかが理解されるでしょう。
 97条は、憲法が最高法規でなければならないその根拠を明示した規定なのです。
 そして、99条の憲法尊重擁護義務に列挙された「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員」は、正に最高法規である憲法規範の名宛人である国家を実際に運営する主体であるがゆえに、明示的に「憲法尊重擁護義務」が課せられているのです。
 以上のとおり、97条-98条-99条という第10章の3箇条は、非常に論理的なつながりをもって構成されており、最も根本的な憲法の基本原理である「立憲主義」を明らかにした章なのです。

 さて、自民党改憲案です。
 97条が全面削除されることにより、伊藤博文の言う「臣民の権利を保護する」という憲法の最も重要な目的が消えてなくなっています。
 98条の形式的最高法規性はそのまま残っていますが、現行の第10章において、真に重要な規定は97条と99条であり、98条はこれらの条文の存在理由を論理的に明らかにするために必要であったため、97条と99条の間に置かれた規定です。
 考えてもみましょう。憲法が形式的に法律等の規範より上位にあるなどということは、規定があろうがなかろうが「当たり前」でしょう?
 そしてとどめは99条です。自民党は新102条で、あろうことか国民の憲法尊重義務をまず規定しました。
 実はこの規定に限らず、先に列挙したとおり、自民党改憲案には国民に義務を課す規定が目白押しです。数え方にもよりますが、新たな義務規定が少なくとも10箇所はあります。
 自民党改憲案は、国際標準で言えば「憲法」の名に値しません。
 もちろん、世界には様々な国家があり、それぞれ憲法を持っているのですから、伊藤博文が述べたような意味での「立憲主義」に立脚した憲法ばかりではなく、国民の自由・権利よりも「公益や公の秩序」を重しとする全体主義国家の憲法もあるでしょう(特定のファミリーが三代にわたって強権的に国民を支配している国も近隣にありますしね)。
 しかし、そのような「立憲主義」に立脚しない「憲法」は、「近代的意義の憲法」とは言いません。自民党は、「立憲主義」を捨て去ることによって、日本を全体主義国家にしようと提唱していると言わざるを得ません。
 

6 「個人」が消えた自民党改憲案
 立憲主義について詳しく論じたため、それ以外の論点については簡単に触れるにとどめます(時間がなくなってきました)。もともと、こういうことになるだろうと思い、「4 自民党改憲案を知るための“教材”」を先にご紹介しておいたのです。
 ただ、そうは言うものの、13条の「個人」の消滅には一言せざるを得ません。
 先にも少し触れましたが、多くの憲法学者が、現行憲法の最重要条文(の1つ)と認める13条「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」を、自民党改憲案は「全て国民は、人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公益及び公の秩序に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大限に尊重されなければならない。」に改めようとしています。
 「公共の福祉」から「公益及び公の秩序」への変更については、憲法学者の間でも意見が別れるところのようですが、それよりも問題なのは、「個人」から「人」への変更です。
 これについて自民党「Q&A」は、黙して語りません。  
 しかし、総論部分の「Q&A」を読むことにより、だいたいの推測はつきます。

Q14「日本国憲法改正草案」では、国民の権利義務について、どのような方針で規定したのですか?
 国民の権利義務については、現行憲法が制定されてからの時代の変化に的確に対応するため、国民の権利の保障を充実していくということを考えました。そのため、新しい人権に関する規定を幾つか設けました。
 また、権利は、共同体の歴史、伝統、文化の中で徐々に生成されてきたものです。したがって、人権規定も、我が国の歴史、文化、伝統を踏まえたものであることも必要だと考えます。現行憲法の規定の中には、西欧の天賦人権説に基づいて規定されていると思われるものが散見されることから、こうした規定は改める必要があると考えました。
例えば、憲法 11 条の「基本的人権は、……現在及び将来の国民に与へられる」という規定は、「基本的人権は侵すことのできない永久の権利である」と改めました。

 これについては、Q44の答において、「人権は、人間であることによって当然に有するものです。我が党の憲法改正草案でも、自然権としての人権は、当然の前提として考えているところです。ただし、そのことを憲法上表すために、人権は神や造物主から「与えられる」というように表現する必要はないと考えます。こうしたことから、我が党の憲法改正草案11条では、「国民は、全ての基本的人権を享有する。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利である。」と規定し、人権は神から人間に与えられるという西欧の天賦人権思想に基づいたと考えられる表現を改めたところです。」と説明しており、Q14において「西欧の天賦人権説に基づいて規定されていると思われる」「こうした規定は改める必要がある」としたのは、単なる「表現」の問題について述べただけだと主張しているようです。

 しかし、問題の本質は、造物主(などと日本国憲法は書いていない)から「与へられる」と書こうが「永久の権利である」と書こうが、権利(人権)の主体が、他人とは異なった一人一人のかけがえなのない「個人」であると考えるかどうかという点にあるのです。
 「Q&A」Q14における「現行憲法の規定の中には、西欧の天賦人権説に基づいて規定されていると思われるものが散見されることから、こうした規定は改める必要があると考えました。」は、表面上は、「表現」の問題にとどまるようでありながら、「個人の尊重」という日本国憲法の最重要規定を骨抜きにし、国家主義的憲法を確立しようという底意が透けて見えてしまったということでしょう。


7 復古主義の衣をまとった「新自由主義」至上憲法?
 「4 自民党改憲案を知るための“教材”」で推奨した『「憲法改正」の真実』では多くのことを学ばせてもらいましたが、その中でも重要ポイントの1つがこの論点です。
 上記著書から樋口陽一先生の発言を引用します(149~156頁)。
 
「「美しい国土」などについて謳う前文をもう一度、見てください。同じ前文のなかに、異様な規定があるでしょう。「活力ある経済活動を通じて国を成長させる。」」
「つまり、自民党改正草案が憲法になると、いわゆる新自由主義が国是になってしまうのです。」
「うっかり制限をつけ忘れたわけではないのでしょう(金原注:22条の経済活動の自由から「公共の福祉」による制限を削除したこと)。用意周到に、前文で新自由主義を国是とする宣言を行い、経済的領域における基本権だけ自由を拡大しているのです。」
「効率重視、競争の拡大を進めて、無限の経済成長を目標に置けば、「国と郷土」「和」「家族」「美しい国土と自然環境」「良き伝統」、この全部は壊れていまいます。片方で日本独特の価値を追及しつつ、他方国境の垣根を取り払い、ヒト・モノ・カネの自由自在な流通を図るグローバル化を推進するというのは、矛盾というほかありません。」
「論理的にはひどく矛盾していますね。けれども、実はこの二つは表裏一体なのかもしれません。つまり、「美しい国土」など復古調の美辞麗句は、競争によって破綻していく日本社会への癒しとして必要とされた、偽装の「復古」なのではないかと思うのです。」

 22条1項の経済的自由についての規定を比較しておきましょう。

現行憲法
22条1項 何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。
自民党改憲案
22条1項 何人も、居住、移転及び職業選択の自由を有する。

 はたして樋口先生が言われるように、復古調の美辞麗句が「偽装の「復古」」なのかどうかについて、私にはにわかに断言することができません。
 しかし、2012年の改憲案制定から現在の安倍政権に至るまで、事実上、日本政治の駆動力が、復古反動勢力と新自由主義勢力の微妙な(これまでは絶妙な?)バランスの上に成り立っていると考えれば、かなり明瞭な見取図を描くことができるように思います。
 

8 平和主義の放棄
 2014年7月の閣議決定、2015年9月の安保関連法強行成立により、憲法の平和主義は蹂躙されてきましたが、その総仕上げが9条「改正」です。
 自民党改憲案を参照しておきましょう。
 まず、現行憲法の前文を全面的に書き換え(そんなことが論理的に可能なのか?という疑問もあるのですが)、「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し」も、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」も、「平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。」も、「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。」も一切なく、単に「平和主義の下」と書くだけです。
 ついでに、自民党改憲案の前文について一言すれば、「先の大戦による荒廃や幾多の大災害を乗り越えて発展し」には「反省」という契機は完全に欠落しており、「今や国際社会において重要な地位を占めており」に至っては、夜郎自大の卑しい表現と言うしかありません。
 あと、現行憲法9条2項の戦力不保持、交戦権否認を削除した上で認める「自衛権の発動」には、当然ながら集団的自衛権も含まれます。
 なお、9条の2以下の規定については、「法律の定めるところにより」とか「法律で定める」が頻出しており(他の条項でもそうですが)、ほとんど憲法でしばりをかけるという機能を果たしていません。

(前文)
 日本国は、長い歴史と固有の文化を持ち、国民統合の象徴である天皇を戴く国家であって、国民主権の下、立法、行政及び司法の三権分立に基づいて統治される。
 我が国は、先の大戦による荒廃や幾多の大災害を乗り越えて発展し、今や国際社会において重要な地位を占めており、平和主義の下、諸外国との友好関係を増進し、世界の平和と繁栄に貢献する。
 日本国民は、国と郷土を誇りと気概を持って自ら守り、基本的人権を尊重するとともに、和を尊び、家族や社会全体が互いに助け合って国家を形成する。
 我々は、自由と規律を重んじ、美しい国土と自然環境を守りつつ、教育や科学技術を振興し、活力ある経済活動を通じて国を成長させる。
 日本国民は、良き伝統と我々の国家を末永く子孫に継承するため、ここに、この憲法を制定する。
(平和主義)
第9条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動としての戦争を放棄し、武力による威嚇及び武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては用いない。
2 前項の規定は、自衛権の発動を妨げるものではない。
(国防軍)
第9条の2 我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全を確保するため、内閣総理大臣を最高指揮官とする国防軍を保持する。
2 国防軍は、前項の規定による任務を遂行する際は、法律の定めるところにより、国会の承認その他の統制に服する。
3 国防軍は、第一項に規定する任務を遂行するための活動のほか、法律の定めるところにより、国際社会の平和と安全を確保するために国際的に協調して行われる活動及び公の秩序を維持し、又は国民の生命若しくは自由を守るための活動を行うことができる。
4 前二項に定めるもののほか、国防軍の組織、統制及び機密の保持に関する事項は、法律で定める。
5 国防軍に属する軍人その他の公務員がその職務の実施に伴う罪又は国防軍の機密に関する罪を犯した場合の裁判を行うため、法律の定めるところにより、国防軍に審判所を置く。
 この場合においては、被告人が裁判所へ上訴する権利は、保障されなければならない。
(領土等の保全等)
第9条の3 国は、主権と独立を守るため、国民と協力して、領土、領海及び領空を保全し、その資源を確保しなければならない。


9 緊急事態条項は不要であるばかりか有害
 自民党改憲案は、「第9章 緊急事態」という一章を設けています。まず条文を読んでみましょう。

(緊急事態の宣言)
第98条 内閣総理大臣は、我が国に対する外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩序の混乱、地震等による大規模な自然災害その他の法律で定める緊急事態において、特に必要があると認めるときは、法律の定めるところにより、閣議にかけて、緊急事態の宣言を発することができる。
2 緊急事態の宣言は、法律の定めるところにより、事前又は事後に国会の承認を得なければならない。
3 内閣総理大臣は、前項の場合において不承認の議決があったとき、国会が緊急事態の宣言を解除すべき旨を議決したとき、又は事態の推移により当該宣言を継続する必要がないと認めるときは、法律の定めるところにより、閣議にかけて、当該宣言を速やかに解除しなければならない。また、百日を超えて緊急事態の宣言を継続しようとするときは、百日を超えるごとに、事前に国会の承認を得なければならない。
4 第二項及び前項後段の国会の承認については、第六十条第二項の規定を準用する。この場合において、同項中「三十日以内」とあるのは、「五日以内」と読み替えるものとする。
(緊急事態の宣言の効果)
第99条 緊急事態の宣言が発せられたときは、法律の定めるところにより、内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができるほか、内閣総理大臣は財政上 必要な支出その他の処分を行い、地方自治体の長に対して必要な指示をすることができる。2 前項の政令の制定及び処分については、法律の定めるところにより、事後に国会の承認を得なければならない。
3 緊急事態の宣言が発せられた場合には、何人も、法律の定めるところにより、当該宣言に係る事態において国民の生命、身体及び財産を守るために行われる措置に関して発せられる国その他公の機関の指示に従わなければならない。この場合においても、第十四条、第十八条、第十九条、第二十一条その他の基本的人権に関する規定は、最大限に尊重されなければならない。
4 緊急事態の宣言が発せられた場合においては、法律の定めるところにより、その宣言が効力を有する期間、衆議院は解散されないものとし、両議院の議員の任期及びその選挙期日の特例を設けることができる。

 該当部分の「Q&A」も引用しておきます。

Q39緊急事態に関する規定を置いたのは、なぜですか?
 8章の次に2条から成る新たな章を設け、「緊急事態」について規定しました。具体的には、有事や大規模災害などが発生したときに、緊急事態の宣言を行い、内閣総理大臣等に一時的に緊急事態に対処するための権限を付与することができることなどを規定しました。
 国民の生命、身体、財産の保護は、平常時のみならず、緊急時においても国家の最も重要な役割です。今回の草案では、東日本大震災における政府の対応の反省も踏まえて、緊急事態に対処するための仕組みを、憲法上明確に規定しました。このような規定は、外国の憲法でも、ほとんどの国で盛り込まれているところです。

 以上のとおり、立法事実として挙げられているのは「東日本大震災における政府(注・民主党政権)の対応の反省」とある部分だけです。
 このようなあるのかないのかすら曖昧な立法事実で、99条に規定するような強大な独裁権限を内閣総理大臣に付与する規定を新設する必要性・合理性がどこにあるのでしょうか。
 しかもこの緊急事態条項は、改憲政党が参議院でも2/3以上の議席を確保すれば、まず最初の改憲発議の対象となるものと想定されており、「美しい日本の憲法をつくる国民の会」なども、重点的に緊急事態条項の必要性を訴えるパンフレット類を配布するなどして、改憲機運の醸成に躍起となっています。
 改憲派のいう「外国の憲法でも、ほとんどの国で盛り込まれているところです。」について、東京大学の石川健治教授(憲法学)が、今年の4月30日、日弁連主催のシンポジウムで次のように述べたことが印象に残っているのでご紹介します。
 
「『海外では(憲法に緊急事態条項があるのが)普通である』ということですが、確かに、緊急事態条項を持っている国は多いということがあります。何故そうなのかというと、その国は『戦争する』からなんですね。簡単にいえば、戦争をする準備である。我々は少なくとも『戦争を絶対しない』という憲法を持っているということですから、結局、根本問題はどこかということです。逆にいえば、根本問題を先送りして、緊急事態条項だけを作るということには意味がないということです。」
 
 日本では、大規模災害に備えて緊急事態条項が必要というプロパガンダが盛んですが、災害時には現場に権限を下ろすことこそ重要であって、内閣総理大臣に権限を集中する緊急事態条項は百害あって一利なしであることは、災害支援に深く関わってきた弁護士やNPO関係者らの一致した意見です。
 また、日本国憲法制定時の国会審議における政府側答弁者(金森徳次郎国務大臣)の答弁内容からも、現行憲法に旧憲法における緊急勅令等に相当する規定を置かなかったのは意図的であったことが分かります。
 そのことを示す文献(現行憲法公布時に内閣が発行した『新憲法の解説』)から該当部分を引用します。
 
「明治憲法においては、緊急勅令、緊急財政処分、また、いわゆる非常大権制度等緊急の場合に処する途が広くひらけていたのである。これ等の制度は行政当局にとっては極めて便利に出来ており、それだけ、濫用され易く、議会及び国民の意思を無視して国政が行われる危険が多分にあった。すなわち、法律案として議会に提出すれば否決されると予想された場合に、緊急勅令として、政府の独断で事を運ぶような事例も、しばしば見受けられたのである。
 新憲法はあくまでも民主政治の本義に徹し、国会中心主義の建前から、臨時の必要が起れば必ずその都度国会の臨時会を召集し、又は参議院の緊急集会を求めて、立憲的に、万事を措置するの方針をとっているのである。」 


10 終わりに~いま主権者がなすべきこと~
(1)憲法を取り巻く様々な「危機」の具体的内容をしっかりと見定める必要があります。そのためにも学習を怠らないようにしなければなりません。
(2)とりわけ、自民党「日本国憲法改正草案」については、集中的に理解を進める必要があります。そのために、「4 自民党改憲案を知るための“教材”」でご紹介した文献や動画を活用してください。
(3)そして、学んだ者は、自らが改憲阻止のための「伝道師」としての役割を果たす自覚を持たなければなりません。まずは家族、親戚から。さらに自らの周囲へ。憲法に関心の薄かった者を1人でも説得できれば、立派な「護憲の伝道師」です。
(4)「伝道」の方法は、1人1人が最も得意とするところで力を発揮すべきです。対面による話し合いが効果的だとは思いますが、それが不得手な人は手紙やメールでもよいでしょう。
 食わず嫌いでソーシャルメディアを敬遠するのではなく、Twitter や Facebookにも果敢に挑戦してください。ただし、あまりのめり込み過ぎても問題ですが。
(5)来るべき7月の参議院議員通常選挙に向けての目標は明確です。改憲政党(自民党、公明党、おおさか維新の会、日本のこころを大切にする党)の獲得議席を1議席でも少なくすることに尽きます。その結果として、何としても改憲政党が参議院で2/3以上の議席を確保することを阻止しなければなりません。
(6)新たに選挙権を持つに至った18歳、19歳の有権者をはじめ、これまであまり投票所に足を運んでいなかった若者層への働きかけを最優先課題として取り組んでいただきたいと思います。手近なところで、自分の子供や孫、甥、姪に声をかけていますか?
(7)現実の情勢は冷静に分析しなければなりませんが、とはいえ、いかに情勢が厳しくとも、絶対に諦めないように1人1人が仲間を鼓舞するという意識を常に持つことが必要です。「評論家」になって、上から目線で仲間を批判したりするのは最悪です。
(8)ともに頑張りましょう。 
                                             以上
 

(付録)
『この島~憲法九条のうた~』 作詞・作曲:からすのまさき 演奏:m&n

※“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama 2015”より

(歌詞)
この島が誇り高く
思うべきことは
小惑星の探査機じゃない
空の中を木登りすることじゃない

ハイブリッドのくるまじゃない
細胞研究の成果じゃない
それはわずか数行のことば
じっくり読んでみたことがあるかい

この島は 平和を求め
その民に託す
争そうときには 力ずく以外で 解決しなさい

「平和」を名乗る定めは
受け継がれるだろうか
いくさから解き放たれた
人類のこれからの手引き

この島は 平和を守り
その民へと つなぐ
武器を持つことも 使うことも 認めてはならない

ひとよりひどいことをひとにして
ひとよりひどい仕打ちをひとにされ
当然の報いとしての裁きが
いま 恵みとなる

一度侵した過ちを
二度と繰り返さぬよう

この島は 平和を守り
未来へとつなぐ
争そうときには 力ずく以外で 解決しなさい

DVD『ニュークリア・サベージ 極秘プロジェクト4.1の島々』上映会のご案内(6/25子どもたちの未来と被ばくを考える会@和歌山)

 今晩(2016年6月14日)配信した「メルマガ金原No.2487」を転載します。

DVD『ニュークリア・サベージ 極秘プロジェクト4.1の島々』上映会のご案内(6/25子どもたちの未来と被ばくを考える会@和歌山)

 2012年4月に結成され、当初から私も世話人に名前を連ねる「子どもたちの未来と被ばくを考える会」の総会が来る6月25日(土)に開かれるのですが、総会の際には、会員以外の方の参加も歓迎する企画も併せて開催する例になっており、今年はDVDの上映を行います。
 以下に、開催概要をお知らせします。
 
「子どもたちの未来と被ばくを考える会」総会とDVD上映会
日時 2016年6月25日(土)
(13:30~14:15 総会議事)
 14:30~ DVD(映画)上映
会場 和歌山市勤労者総合センター4階 視聴覚室
      和歌山市西汀丁34番地
参加費 無料(どなたでも参加できます)

上映作品
『ニュークリア・サベージ 極秘プロジェクト4.1の島々』
“Nuclear Savage the Islands of Secret project4.1”

監督 アダム・ジョナス・ホロヴィッツ Adam Jonas Horowitz
87分/日本語字幕(松久保肇 原子力資料情報室)
作品の内容 ビキニ水爆実験後のマーシャル諸島島民への極秘被ばく人体実験(プロジェクト4.1)を追いかけた貴重なドキュメント映画です。
 1986年、アダム・ジョナス・ホロヴィッツはマーシャル諸島で最初の映画を撮影し、そこで目にしたものに大きなショックを受けた。放射性ヤシの実、漏洩する放射性廃棄物貯蔵施設、過密なスラム、これらは全て米国の植民地時代に受けた、67回に及ぶ冷戦期の核実験の影響だ。核実験は島々を吹き飛ばし、全ての人々に壊滅的な打撃を与えた。
 20年後、アダムは「Nuclear Savage」と題したドキュメンタリ―を撮るためにマーシャル諸島に帰ってきた。米政府による意図的な放射能汚染から数十年後の、島民たちの尊厳と生存をかけた戦いを、生活に密着して描き出したのだ。
 Nuclear Savage は政治的・文化的なスキャンダルを暴露し、数々の賞を受賞した。
 近年、機密解除された米政府の公文書や、生存者の証言、非公開だった写真などにもとづき、これまで語られてこなかった物語の真実の姿をドキュメンタリ―で明らかにした。米国の科学者たちがどのようにして、この太平洋の楽園を放射能の地獄に変えてしまったのか。マーシャル諸島の人々が、30年にもわたって、死の灰が人体へ与える影響を調べる実験動物として扱われてきたという事実。

主催 子どもたちの未来と被ばくを考える会
連絡先 松浦(073-451-5960)

 
 日本語字幕付き予告編の動画はないか?と探してみたのですが、見つかりませんでした。やむなく英語版を探したところ、約7分の映像がありましたのでご紹介します。これで大体のイメージはつかんでいただけると思います。
 
Nuclear Savage(7分13秒)


 原子力資料情報室が、第85回公開研究会として、「ニュークリア・サベージ上映会」を開催した際(2014年11月16日)に講演されたフォトジャーナリスト・豊﨑博光さんのプレゼンテーション資料が、同情報室ホームページにアップされていました。これを読むだけでも、この映画が取り上げた「プロジェクト4.1研究」のアウトラインを知ることができます。

 つい先日(6月11日)、核戦争防止和歌山県医師の会主催により、映画『放射線を浴びたX年後』二部作(伊東英朗監督、南海放送制作)上映会があったばかりですが、もちろん、米国による核実験で被ばくしたのは日本の漁民だけでないことは言うまでもなく、生活の場を核実験場とされた多くの人々がいたのです。
 貴重な機会ですので、関心のある方に是非お勧めしたい企画です。
 ただし、会場のキャパに限りがあるため、何人もの方が連れ立って来られた場合に席があるか?という問題がありますので、事前に「連絡先」に問い合わせていただいた方がよいかもしれません。

市民連合リレートーク「市民がつくる新しい政治」(6/10)を視聴する~“対話”を進め広げるために

 今晩(2016年6月13日)配信した「メルマガ金原No.2486」を転載します。

市民連合リレートーク「市民がつくる新しい政治」(6/10)を視聴する~“対話”を進め広げるために

 いよいよ参議院議員通常選挙の投票日までちょうど1か月となった6月10日(金)、全電通会館ホールにおいて、市民連合(安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合)が主催するリレートーク「
市民がつくる新しい政治」が開かれました。
 東京でも全国でも、いささか行事疲れしているのか、この日の参加者も多くはなかったようですが、あと1か月、市民の間に「対話」を進め、広げて行くための貴重な素材を提供してくれる(佐藤学氏発言
)有意義なリレートークだったと思います。
 また、生まれて初めて選挙にかかわる人のための「公職選挙法入門」を竹内彰志弁護士が解説していま
すので(16分~)これも参考にしてください。
 以下に動画を視聴するための目安時間を書いておきますので、興味を引かれた発言者の分だけでも是非
視聴されるようお勧めします。
 例えば、日ごろ「野党がだらしない!」と思っている人は、まず中野晃一さんの発言(51分~)に耳を傾けられて
はどうでしょうか。
 また、SEALDsの千葉泰真さんが、パワーポイントを使って報告された「選挙を変える。市民が変える。~今年の選挙の光景をどのように変えるか~」も聞き応えがありますよ。
 
2016年6月10日 市民連合「市民がつくる新しい政治」リレートーク(2時間29分)

1分~ 開会挨拶 佐藤学さん(安全保障関連法に反対する学者の会)
7分~ 市民連合の取り組み方針の提起 山口二郎さん(立憲デモクラシーの会)
16分~ 公職選挙法について 竹内彰志さん(弁護士)
リレートーク
25分~ 大沢真理さん(安全保障関連法に反対する学者の会)
33分~ 菱山南帆子さん(総がかり行動実行委員会)
41分~ 町田ひろみさん(安保関連法に反対するママの会)
51分~ 中野晃一さん(立憲デモクラシーの会)
1時間01分~ 高野千春さん(SEALDs)
1時間08分~ 池田香代子さん(翻訳家)
1時間18分~ 斉藤凜さん(SEALDsKANSAI)
1時間25分~ 広渡清吾さん(安全保障関連法に反対する学者の会)
1時間35分~ 岡歩美さん(SEALDsTOKAI)
1時間45分~ 青井未帆さん(立憲デモクラシーの会)
1時間54分~ 「選挙を変える。市民が変える。」 千葉秦真さん(SEALDs)
2時間21分~ 閉会挨拶 福山真劫さん(総がかり行動実行委員会)
司会 
佐藤学さん(安全保障関連法に反対する学者の会)
長尾詩子さん(安保関連法に反対するママの会)

ゆら登信(たかのぶ)さん@和歌山が市民連合と関西市民連合から推薦を得ました

 今晩(2016年6月12日)配信した「メルマガ金原No.2485」を転載します。

ゆら登信(たかのぶ)さん@和歌山が市民連合と関西市民連合から推薦を得ました

 参院選の公示(6月22日)まであと10日と迫った今日(6月12日)午後3時30分から、JR和歌山駅前の新橘ビル8階A会議室において、和歌山県選挙区に立候補を予定するゆら登信(たかのぶ)さんと、市民連合(安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合)及び関西市民連合(安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める関西市民連合)との間で政策協定が調印され、ゆら登信さんが、市民連合及び関西市民連合の推薦候補となりました。
 それぞれの政策協定書の内容は以下のとおりです。
 
 安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合(以下、市民連合)は、「立憲主義、民主主義、平和主義の擁護と再生は、誰もが自由で尊厳あるくらしをおくるための前提となるものである。私たち市民連合は、安全保障関連法を廃止、立憲主義を回復し、自由な個人が相互の尊重のうえに持続可能な政治経済社会を構築する政治と政策の実現を志向するという理念の下、下記の3点を公約する「市民派・野党統一」候補を推薦し、市民連合推薦候補として全力で支援を行います。
公約1 安全保障関連法の廃止
公約2 立憲主義の回復(集団的自衛権行使容認の閣議決定の撤回を含む)
公約3 個人の尊厳を擁護する政治の実現
 なお、市民連合は、推薦候補に対し、公約3について、下記の政策志向の共有を要望します。
①格差・貧困の拡大や雇用の不安定化ではなく、公正な分配・再分配や労働条件にもとづく健全で持続可能な経済
②復古的な考えの押しつけを拒み、人権の尊重にもとづいたジェンダー平等や教育の実現
③マスコミや教育現場などにおける言論の自由の擁護
④沖縄の民意をふみにじる辺野古新基地建設の中止
⑤脱原発と再生可能エネルギーの振興
  
          安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合
 
 私は、市民連合の掲げる上記3点を2016年参議院選挙において公約します。
 市民連合の推薦を受け、当選したあかつきには、原則として任期満了まで特定政党に属さず、上記公約実現のため全力を挙げることを約束します。
          2016年6月12日
               由 良 登 信
(引用終わり)

安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める関西市民連合 政策協定書
(引用開始)
 「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める関西市民連合(以下関西市民連合)は、安保法制の廃止、立憲主義の回復、個人の尊厳を尊重する政治の実現を目指す立場から、下記の3点を公約する候補を関西市民連合推薦候補として全力で支援を行います。
                       記
一、安全保障関連法の廃止
二、立憲主義の回復(集団的自衛権行使容認の閣議決定の撤回)
三、個人の尊厳を擁護する政治の実現
(とりわけ憲法13条個人の尊重、第24条個人の尊厳の擁護に基づいた両性の本質的平等、第25条生存権、第26条教育権、第27、28条労働権の確立に向けて)

 
私は、関西市民連合の掲げる上記項目3点を2016年参議院選挙において公約します。
          2016年6月12日
               由 良 登 信
(引用終わり) 

 今日の協定調印式の司会進行は、いつものとおり(?)私が担当しました。
 時間配分の点を除けば、おおむね私が事前にお願いしたとおりに進行しましたので、今日の進行表を以下に引用しておきます。

開会 参加者の紹介
 司会・金原徹雄(市民連合わかやま、弁護士) 
挨拶・趣旨説明 豊田泰史氏(市民連合わかやま代表、弁護士)
政策協定書 調印
 ゆら氏が市民連合及び関西市民連合との協定書2通ずつに署名捺印
調印後 記念撮影
① 署名した者だけでまず撮影(市民連合、関西市民連合、5人全員)
② ママの会メンバーなど、応援隊の皆さんも加わって(ボードも持って)記念撮影
記者会見
(1)冒頭発言
 ① ゆら登信(たかのぶ)氏
 ② 西谷 修氏(市民連合、立憲デモクラシーの会呼びかけ人、立教大学特任教授)
 ③ 大野 至氏(関西市民連合、SEALDs KANSAI)
 ④ 堀内秀雄氏(ゆら登信応援隊(後援会)代表、和歌山大学元副学長・名誉教授)
 ⑤ 豊田泰史氏(市民連合わかやま代表、弁護士)
(2)質疑応答
終了後 記念撮影2
(5人全員が手をつないで健闘を誓い合う

 実は、午後4時30分から、会場の新橘ビル(このビルの中にゆらさんの法律事務所が入居しています)の前に停めた街宣車の上から街頭演説を行う予定となっており、記者からの質問の時間を15分は確保したいと考えていたので、冒頭発言は4時10分か15分には終わって欲しいなと思っていたのですが、西谷修教授以下、皆さん、今の危機的状況についての切実な認識を縷々述べられ、司会としても途中で発言をさえぎる訳にもいかず、内心「困ったなあ」と焦っていました。けれども、記者の方が気を利かせてくれたのか、質疑が5分で終了し、何とか、雨の中、駅前に集まってくださった多くの市民の皆さんをそれほど待たせずに済みました。
 西谷さん、大野さん、堀内さんから、いずれも力のこもったスピーチをいただいたのですが、詳しくはいずれ動画がアップされると思いますので、ブログには追加でご紹介できればと思います。
 ここでは1つだけ、西谷修先生の発言から印象に残ったお話をご紹介しておきます。

「和歌山では、民進党の推薦が得られていないということだけれど、東京に帰ったら、民進党に影響力があるという山口二郎(法政大学教授)に、『是非、和歌山に行ってくれ』と言うつもりです」

 ・・・是非期待して山口教授(立憲デモクラシーの会共同代表)の来県をお待ちしたいと思います。

(付言)
 言うまでもないと思いますが、市民連合との政策協定書は、ゆらさんが、市民主導の無所属候補なので、こういう内容となっていますが、民進党公認候補との政策協定では、公約3までであり、「なお、・・・」以下はないそうです。

(写真/記念写真2枚は西郷章さんが撮影したものを使わせていただきました。2通の協定書は原本のカラーコピーをスキャンしたものです。)
市民連合&関西市民連合と協定調印市民連合&関西市民連合と協定調印②市民連合協定書関西市民連合協定書
 

放送予告6/26『汚名~放射線を浴びたX年後4~(仮)』(NNNドキュメント)

 今晩(2016年6月11日)配信した「メルマガ金原No.2484」を転載します。

放送予告6/26『汚名~放射線を浴びたX年後4~(仮)』(NNNドキュメント)

 今日(6月11日)、私は相当に忙しい1日を過ごしました。
 和歌山市役所北側無料駐車場に空きスペースを見つけて駐車し、まず向かった先は、和歌山市教育会館(和歌山県教職員組合和歌山市支部)の1階駐車場で、そこを作業場として借り受け、2台のサウンドカ
ーをデコレーションしている現場を訪ねたのです。
 今日は、午後3時から“GO VOTE サウンドウォークデモ”と題した和歌山で2回目のサウンドデモが行われることになっており、和歌山大学の越野章史先生、WAASAやワカケン、それに泉州サウンドデモの皆さんの手際の良い作業をしばらく見学した後、私は次の目的地、和歌山市あいあいセンター6階を目指しました。核戦争防止和歌山県医師の会主催の映画上映会&講演会に参加するためです(事前に紹介した私のブログ
「予告6/11映画『放射線を浴びたX年後』2部作一挙上映と伊東英朗監督講演会へのお誘い(核戦争防止和歌山県医師の会)」/2016年4月26日)。

 あいあいセンターのスケジュールは以下のように発表されていました。
 ①「放射線を浴びたX年後(2012年)」上映 午後1時~2時30分
 ②「放射線を浴びたX年後2(2015年)」上映 午後2時45分~4時15分
 ③伊東英朗監督講演会 午後4時20分~5時20分

 これに対し、“GO VOTE サウンドウォークデモ”のスタートは午後3時。集合場所の和歌山市役所前まで、あいあいセンターからはごく近い、ということを踏まえ、私が立てた作戦は、上記②の「放射線を浴びたX年後2」の鑑賞を断念し、この間の時間を利用してデモに参加し、再び伊東監督の講演を聴くため
に和歌山市あいあいセンターにとって返すというものでした。
 ①「放射線を浴びたX年後(2012年)」鑑賞
 ②“GO VOTE サウンドウォークデモ”参加(和歌山市役所前→南海和歌山市駅前)
 ③伊東英朗監督講演会 参加

 そしてこの作戦がうまくいったかと言うと、デモを途中離脱することなく、ゴールまで参加した上で、
和歌山市あいあいセンターに再び到着したのは午後4時15分、監督の講演が始まる5分前という、何とも絶妙のタイミング!とういことで、とにかく作戦は無事遂行されました。

 なお、“GO VOTE サウンドウォークデモ”については、Facebookに写真アルバムを連投してご紹介していますので、そちらをご参照ください。

 さて、ここで映画『放射線を浴びたX年後』二部作鑑賞と伊東英朗監督講演の感想を書ければ良いのですが、いかんせん、最新作『放射線を浴びたX年後2(2015年)』を見逃しているため、どうも書きにく
いのですよね。
 講演会終了後、ロビーで監督によるサイン会が行われたので、私は、映画2部作のパンフレットを購入してサインしていただいたのですが、その際、「デモ参加のために第2作を見逃したのですが、近くテレビ放映の予定はありませんか?」と監督にお尋ねしたところ、伊東監督から、「今、編集の最終段階にあるシリーズ最新作が、6月26日にNNNドキュメント枠で1時間番組として放送されるので、それを視
てください」ということでした。
 そこで、今日は、その番組案内をご紹介することとしました。
 
日本テレビ系列(関西では読売テレビ)
2016年6月26日(日)24時55分(27日(月)0時55分)
NNNドキュメント『汚名~放射線を浴びたX年後4~(仮)』

(番組紹介から引用開始)
これは、遠い時代・遠い場所の話ではない。知られることのない、X年後の物語である。
「放射線を浴びたX年後」シリーズ第4弾は「父の死の真相」を追い求める1人の女性をクローズアップし
た。漁師だった父が早死にしたのは?酒の飲みすぎだとばかり思っていた。しかし、映画「X年後」を観て、考え方は一変した。「父の死と核実験は因果関係があるかもしれない」女性は、真実を確かめるため
、遺族や乗組員を訪ね歩いた。そこで見た現実とは?
再放送
7月3日(日)11:00~ BS日テレ
7月3日(日)5:00~/24:00~ CS「日テレNEWS24」
(引用終わり)

 上記の番組案内に「「父の死の真相」を追い求める1人の女性」というのは、まさに映画『放射線を浴び
たX年後2』の主人公、川口美砂さんのことですね。
 テレビでは、今度の放送が4本目となるようですが、主には、映画第2作の素材の内、川口美砂さん登場シーンがフューチャーされているのかもしれません。
 以下に、以前書いた私のブログでご紹介した予告編(これは第1作・第2作の両方)、及び第2作のストーリー、制作者のことばなどを、映画公式サイトから再度引用しておきます。
 私自身、サウンドデモ参加のために映画『放射線を浴びたX年後2』を見逃していますので、是非、テ
レビ版の「4」を録画して視聴したいと思います。
 このシリーズを全然観たことのない方にも、絶対にお奨めです。
 
映画「~放射線を浴びた~X年後」 予告編


映画「放射線を浴びたX年後2」予告編(90秒ver.)


【ストーリー】
(引用開始)
 東京で広告代理店を経営する川口美砂さん、59歳。故郷である高知県室戸市で、映画『放射線を浴びたX年後』を観たことがきっかけで、元漁師だった父の早すぎる死に疑問を抱き始める。当時「酒の飲みすぎで早死にした」と言われた父。本当にそうなのだろうか?高知県室戸市出身の漫画家、和気一作さん(本名:大黒正仁。代表作「女帝」など)もまた、映画との出会いがきっかけとなって父の死に疑問を抱く
。愛する父への強い思いが、二人を動かし始める。
 一方、取材チームは放射線防護学の専門家と共に、1950年代当時、雨水の中に高い放射性物質が測定された沖縄、京都、山形を訪れ、独自に土壌調査をおこなう。民家の床板を外し、半世紀ぶりに現れた土。
遠く離れた太平洋でおこなわれた核実験の影響は、今も日本列島に影響を及ぼしているのだろうか?
 元漁師たちの証言、破られた船員手帳、厚労省への情報開示請求―。日本列島を揺るがした巨大被ばく
事件から半世紀を経た今、決して消え去ることのない「被ばく」の傷跡が、徐々に明らかになる。
(引用終わり)

【制作者のことば 監督 伊東英朗】
(引用開始)
 取材を始めた12年前からずっと感じてきたが、室戸の海は見るたびに表情が違う。色も音も波の大きさも。ああ、瀬戸内海に面した地元愛媛とは違うなあ、と感じる。何しろ大らかで豪快だ。「おんちゃんたち」は、その海と隣り合わせに生きてきた。話は語れど、苦しいことや辛いことを饒舌に語ることはない。命に関わることも、人を助けたことも、体の異変も――。川口美砂さんのお父さんも、そんなマグロ漁師の一人だった。

 川口さんとは、2013年に室戸で元漁労長の山田勝利さんが上映した『放射線を浴びたX年後』を見て僕たちに連絡をくれたのがきっかけだった。都内のカフェで初めて会った川口さんは、お父さんは36歳で亡くなったと語った。愛媛に戻り調べたところ、お父さんが乗っていた船は、放射能で汚染した魚を廃棄していた。その後、高知県室戸市に年末年始で里帰りしていた川口さんと2015年正月、再会。早速、生存者の聞き取りが始まった。その後、10月までに、川口さんは70人近い生存者や遺族から聞き取った。その一部始終に立ち会い、カメラに収録することができた。

 広島、長崎の原爆投下からわずか10ヶ月後、マグロの漁場で始められた核実験。繰り返される核実験で漁場は激しく汚染。第五福竜丸の被ばく発覚後、放射能検査が行われ、延べ992隻もの被ばく船が見つかったにもかかわらず、政府は「すでに測定の必要がない」とし、その年の12月、わずか10か月で検査を打ち切った。『直ちに健康に影響がでない』ため、人々は少しずつ事件を忘れていった。10年後には東京オリンピックが開催され、日本は、さらに上を向いて歩み始めた。いつしか、事件は完全に忘れられ、「第五福竜丸」と「髪の毛がぬける」という言葉だけが脳裏に刻まれた。

 そして第五福竜丸の事件から57年後の2011年3月。福島で原発事故が起こり、放射能検査が始まった。そして12月、安全宣言がされた。事故からもうすぐ5年。放射能の影響があいまいなままだ。「いつまでも、悲しいことを考え続けるのはやめよう。前向きに生きようじゃないか」という声が聞こえてくる。奇しくも事故から9年後となる2020年、東京オリンピック・パラリンピックが開催される。ビキニ事件では、半世紀後、事件の記憶はほぼ消えていた。いま、新たなX年後に向けてカウントダウンが始まっている。半世紀後、日本人は、何を覚えているのだろうか。そしてその時、人体に何が起こっているのだろうか。

 いま、新たなX年後に向けてカウントダウンが始まっている。
 しかし半世紀前の事件では、放射線を浴びたX年後、何が起こったのか・起こっているのか、まだわかっていない。仮定の話をしても意味のないことかもしれないが、僕はいつも、もし、核実験中、政府が検査を続けていれば・・・と考える。1954年、わずか数ヶ月で放射能検査を打ち切った後も、100回以上の核実験がマグロの漁場で続けられた。マグロ船や捕鯨船は、変わらず操業を続け、貨物船は行き来する。誰がどう考えても、海上での従事者の健康、ほとんどの日本人の口に入る食品(魚)の安全を考えると、検査をやめることは非常に不自然だ。核実験が再開されれば「同じような被ばくがある」と考えるのが当然だろう。また放射能の雨についても、観測されていた放射線の数値が、天気予報のように日常的に知らさ
れるべきではなかったか。雨や晴れや曇りの情報以上に重要な情報ではなかったかと思う。
「そんな情報は不安を煽るだけだ」という人もいるだろう。しかし、不安だからといって「目を背けて忘
れていれば、何も起こらない」わけではない。目を背けていても現実は確実に刻まれていく。煙を追いや
るのではなく、火を消さなければなんの解決にもならない。

 私たちに今必要なことは、特別なことではない。ごく常識的に普通にやるべきことをやることだろう。
すなわち、人体に危害が及ぶ危険な物質はばら撒かない。もしばら撒かれれば、危険だと知らせ、身体を診察し、状況を記録し、来るべき時に備える。深く反省し、二度と危険な物質をばら撒かないよう最も確実な方法を実行する。

 36歳で亡くなった川口さんの父親や、45歳で亡くなった和気(大黒)さんの父親が受けた被ばくを医学的に裏付けることは難しい。しかし人体に重大な危害を加える危険な物質が蔓延する中で操業を続けたことは、船員手帳と厚生省の文書をつき合わせば事実であることは分かる。
 この事件に限らず、被ばく事件においては、被害者が『被ばくしていること』を証明しなければならない。なんという矛盾だろう。本来ならば、加害側に立つ者が、激しく放射能汚染した漁場で働き、早く亡くなった乗組員の死が、100パーセント放射能によるものではないことを医学的に証明し、被害者や遺族に伝えるべきだろう。想像を絶する量の放射線を生み出し、アメリカ本土や日本列島が放射能汚染していることを、少なくとも1952年には把握しながら実験を続けた責任は重い。

 2004年に前作『放射線を浴びたX年後』のための取材を開始してから12年。これまで多くの方々に支えられて、ここまで来ることができた。これまで自分が倒れるまで一生追い続けていくものだ、と覚悟を決め、取材を続けてきた。『放射線を浴びたX年後2』が完成した今、ますますその思いは強くなっている。僕の旅はまだ終わっていない。これからも被災者と共にありたい。

 何があっても諦めないぞ!
(引用終わり)

(参考書籍)
『放射線を浴びたX年後』 伊東英朗著 講談社(2014年11月刊)

 
(参考インタビュー)
週刊通販生活 今週の読み物
 映画『放射線を浴びたX年後』監督・伊東英朗さんインタビュー

 
『放射線を浴びたX年後 2』監督・伊東英朗さんインタビュー
封印された「被ばく」の記憶を解く~映画「X年後2」(OurPlanet-TV)(16分)
 
「放射線を浴びたX年後」パンフレット「放射線を浴びたX年後2」パンフレット
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