弁護士・金原徹雄のブログ

憲法を大事にし、音楽を愛し、原発を無くしたいと願う多くの人と繋がれるブログを目指します。

100回目を迎える「憲法の破壊を許さないランチTIMEデモ」@和歌山

 2022925日配信(予定)の「メルマガ金原No.3525」を転載します。

100回目を迎える「憲法の破壊を許さないランチTIMEデモ」@和歌山

 毎月一度、平日の昼休み、和歌山市役所前に集合して京橋プロムナードまで、約15分弱の行程を歩きながら憲法の大事さをアピールし続けてきた「憲法の破壊を許さないランチTIMEデモ」(呼びかけ:憲法9条を守る和歌山弁護士の会)が、いよいよ次回(2022年10月17日)で100回目を迎えます。

 2014年6月23日に第1回のランチTIMEデモを実施するので是非参加して欲しいという呼びかけの文章は、同年6月2日付で公表されています。初心を思い返すために、憲法9条を守る和歌山弁護士の会からの呼びかけ文(起案は私が担当しました)の本文を引用します。

(引用開始)
 去る5月15日、私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」からの報告書の提出を受け、安倍晋三首相は、長年にわたり憲法9条の下では行使できないとされてきた政府の憲法解釈を変更し、集団的自衛権行使を容認する「基本的方向性」を明らかにしました。
 これは、本来、憲法改正の手続をふみ、最終的には国民の判断にゆだねるべき重大な問題を、一内閣の恣意的な決定によって変更しようというものであり、立憲主義そのものを否定する許し難い暴挙です。
 憲法9条改正の要否やわが国の安全保障政策について、国民の間に様々な意見があることは承知していますが、今、安倍政権がやろうとしていることは、政府の一存で憲法規範を無力化しようというものであり、これに対して異議申立てをしないということは、日本が民主主義、法治主義という価値を捨て去り、為政者の独裁を許すことに加担するのも同然です。
 私たちは、従来の立場の違いを乗り越え、広汎な市民・国民が、「憲法の破壊を許さない」という一点で結集し、安倍政権の企てを阻止する行動に立ち上がることを呼びかけます。
 まずは、そのためのアピール行動として、以下の昼休みデモを企画しました。1人でも多くの方のご参加をお待ちしています。
(引用終わり)

 このデモの企画については、主催(呼びかけ)団体となった憲法9条を守る和歌山弁護士の会の定例会だけではなく、9条ネットわかやまでの議論も反映させて呼びかけ文を起案したのだということを思い出しました。
 この呼びかけ文は、すぐに私のブログに掲載したのですが、読み返してみると、当時の様子が鮮やかに甦ってきます。

2014年6月2日 
6/23「憲法の破壊を許さないランチTIMEデモ」(@和歌山市)をやります! 

 この8年以上前に書かれたブログを読んで「懐かしい」と思うのは私だけかもしれませんが、これからの運動にとって参考になる部分があるかもしれず、長くなって恐縮ですが、引用します。

(引用開始)
 和歌山では、各地の「9条の会」の役員などが登録している「9条ネットわかやま」のメーリングリスト上に、「5.15」直後から、以下のような様々な提案が寄せられました。

①昼休みデモの実施(単発ではなく少なくとも月1回定例で、団体色を薄めて出来るだけ様々な個人・団体が結集できるように、「憲法9条を守る和歌山弁護士の会」からの呼びかけであることが望ましい)
①-2 市内中心部だけでは参加できない人も多いので、郊外デモもやろう。ふじと台デモ(新興住宅開発地)とかイオンモール・デモ(開業したばかりのショッピングモール)とか。
②新聞への意見広告の掲載
③様々な団体・個人が、間断なく抗議の「声明」「意見」等を首相官邸に送り続ける。
④公明党に立党の原点を守って頑張って欲しいという応援メッセージを送る。
⑤新聞・雑誌の投稿欄に積極的に自分の意見を書いて送る。

 今回、上記のうちの①の昼休みデモ(ランチTIMEデモと称することになりましたが)の内容が固まりましたので(警察への届出などはこれからですが)、お知らせすることにしたものです。

 呼びかけ文は私が起案したのですが、悩んだのは、デモ行進でよく参加者が携行して掲げる幟の扱いをどうするか?ということでした。
 昨年来、何度か行われた秘密保護法反対デモの際にもよく聞いたことなのですが、特定の政党とのつながりが強いと(世間で)思われている労働組合や平和団体の幟ばかりが目立つと、それらの団体と無縁な市民は「参加しにくい」というのです。
 かといって、長年、熱心に平和運動に取り組んできた実績のある団体の「やる気」を削ぐようなことはしたくないし、ということで、まことに悩ましい問題なのです。

 これは、「憲法9条の明文改憲に反対する」という1点で結集し、できるだけ広い層に参加を呼びかけることを建前とする各地の「9条の会」でも問題になることで、会の趣旨に矛盾するからということで、「これもダメ」「あれもダメ」と言い出すと、ウイングを広げるという本来の目的とは真逆に、どんどん出来ることの範囲を狭め、かえって運動を細らせてしまいかねないということがあり、私はこれを密かに「9条の会のパラドックス」と名付けているのです。

 結局今回の「憲法の破壊を許さないランチTIMEデモ」については、「出来るだけ様々な立場の方に参加していただくため、団体名のみを表示した幟の携行はご遠慮願います」ということにしました。
 その「心」は、「戦争する国造りを許さない!」というようなスローガンの下に、小さく団体名が表記されているようなものは「OK」ということなのですが、これで良かったのかどうかに一応の結論が出るのは、第1回のデモが終わった後のことでしょうね。)
(引用終わり)

 5.15の衝撃(呼びかけ文冒頭で言及)を受け、実に様々な提案がなされ、そのかなりのものが実現したことを思い出しました。
 イオンモール和歌山を出発点とする地域デモも取り組まれましたし、(この時だったかどうかやや自信がないものの)全国紙の和歌山版に弁護士有志が意見広告を出しました。それに、私自身、賛同者を募り、公明党に「励ましのお便り」を送りましたもの。

2014年6月10日 
公明党に応援メッセージを送りました 

 そして、このような多種多様な提案が9条ネットわかやまのメーリングリスト上で活発に発信されていたということを思い出すにつけ、このMLはまだ生きているのだから、もっと活用しなければ・・・という思いを新たにしたりします。

 さて、100回目の「憲法の破壊を許さないランチTIMEデモ」です。あらためて開催概要を以下に記載します。

日程 2022年10月17日(月)
     集合 午後0時00分
     出発 午後0時20分
集合場所 和歌山市役所前
コース  和歌山市役所前→公園前交差点(左折)→京橋プロムナード(ゴール)
主催団体 憲法9条を守る和歌山弁護士の会
お問合先 ℡073-436-5517(わかやま法律事務所:弁護士浅野喜彦)

 100回記念ではありますが、デモの概要自体は従来通り、同じ時間に同じコースを歩きます。
 ただ、このランチTIMEデモが多くの市民に支えられてきたからこそ、ここまで続けることができたということを具象化するような工夫ができないか、という貴重なご提案もいただいていますので、鋭意検討中です。
 また、9条ネットわかやまからは、参加者に進呈する記念品の提供を検討するという話も聞いています。

 第1回のランチTIMEデモには160人の市民が参加しました。第99回の参加者は40人でした。第1回なみというのは難しくても、次回の100回目を何とか100人規模のデモにできないかと切望しています。
 初めての方や、かつて参加されたもののしばらく遠ざかっておられた方などにも広くご参加いただければと思います。

 日本国憲法施行後、今ほど改憲の現実性が高まった時期はありませんが、問題はその改憲の方向性です。私自身、一字一句改憲してはならないなどとは思っていませんが(臨時国会召集請求があれば、2週間以内に召集を決定しなければならないとする自民党案など大変結構なものです)、世上に流布する有力な改憲案には到底賛同しかねる内容のものが多いことも事実です。
 「憲法の破壊を許さないランチTIMEデモ」も、過去何度か「もう止めようか」という議論がありつつも、今まで続けてきたについては、それなりの理由があると言うべきでしょう。
 基本的に、このデモは立憲主義を守るデモとしてスタートし、今もその性格を変えてはいません(9条護憲が表に出ることはありつつも、ですが)。
 あなたも、多くの仲間と共に憲法の重要さをアピールしませんか?
 心からお待ちしています。
 もちろん、事前申し込みなど必要ありません。
 スタート(12時20分)に遅れないように和歌山市役所前までおいでください。

備考1 年内のランチTIMEデモの日程
 第100回 2022年10月17日(月)
 第101回 2022年11月16日(水)
 第102回  2022年12月8日(木)

備考2 ランチTIMEデモの回数について
 2014年6月以来毎月実施してきたランチTIMEデモですが、「だとすると2022年9月で100回に到達しているのでは?」という疑問を持たれる方もいますので説明しておきます。これは、2015年2月だけは、同月16日に和歌山弁護士会が主催する「集団的自衛権行使容認に反対するアピールパレード」が同じ時間帯、同じコースで実施されたため、普段のランチTIMEデモの参加者はそちらに合流することとし、ランチTIMEデモはお休みにしたのでした。

備考3 第1回と第99回の写真
 上段が2014年6月23日の第1回、下段が2022年9月14日の第99回の模様です(撮影はいずれも金原)。

第1回ランチTIMEデモDSCN5942 (2)

「憲法に緊急事態条項って!?」市民集会(和歌山弁護士会)開催のお知らせ(2022年10月28日/和歌山城ホール4階大会議室)

 2022827日配信(予定)の「メルマガ金原No.3524」を転載します。

「憲法に緊急事態条項って!?」市民集会(和歌山弁護士会)開催のお知らせ(20221028日/和歌山城ホール4階大会議室)

 2か月後に開催される和歌山弁護士会の行事「憲法に緊急事態条項を新設する憲法改正について考える」市民集会をご案内します。
 講師には、この分野の第一人者である永井幸寿弁護士(兵庫県弁護士会)をお招きし、日弁連が呼びかける「憲法改正問題に取り組む全国アクションプログラム」の一環として開催されるものであり、弁護士会内では憲法委員会が所管しています。

 もちろん、この内容であれば、憲法委員会が所管して当然なのですが、全国的には、憲法委員会のない単位会もあるでしょうし、もしかしたら、災害関連委員会が所管して開催するところがあるかもしれません。
 実際、後に掲載するチラシに記載されているとおり、講師としてお招きする永井先生は、日本弁護士連合会災害復興支援委員会の元委員長(現在でも委員・部会長)という経歴から分かるとおり、いわゆる「憲法族」ではなく、「災害族」なのです。

 おそらく、いわゆる「改憲派」が、大規模災害を「だし」にして緊急事態条項の必要性を声高に主張するという傾向にありましたので、そのことが、日弁連の「災害族」の中からこの問題についての論客を生みだす素地となったのではないかと思います。

 今年の5月2日、日弁連が「憲法改正による緊急事態条項の創設及び衆議院議員の任期延長に反対する会長声明」を発出した際、永井幸寿弁護士と小口幸人弁護士(沖縄弁護士会)が説明員を務める記者会見がPTから提案されたと聞いていますが(残念ながら実現しなかったようですが)、お2人とも「災害族」ですからね。
 上記会長声明及びそのベースとなった2つの日弁連意見書にリンクしておきますので、お読みいただければ幸いです(2017年2月の意見書はPDFで31頁もあるので通読するのは大変ですが)。これらが、この問題についての日弁連の基本的見解です。

2017年2月17日
日本国憲法に緊急事態条項(国家緊急権)を創設することに反対する意見書 
2017年12月22日
大規模災害に備えるために公職選挙法の改正を求める意見書 
2022年5月2日
憲法改正による緊急事態条項の創設及び衆議院議員の任期延長に反対する会長声明 

 それでは、以下にチラシの文字データを転記します。

(引用開始)
憲法改正問題に取り組む全国アクションプログラム
憲法に緊急事態条項って!?
市民集会 憲法に緊急事態条項を新設する憲法改正について考える

憲法に緊急事態条項を新設することで、民主主義や国民の人権保障にどのような影響があるのでしょう?
なければ何か不都合があるのでしょうか?

2022年10月28日(金)午後6時~8時(開場30分前)
和歌山城ホール4階大会議室
●参加費無料 ●席数180 ●オンライン配信は行いません

講師/永井幸寿 弁護士(兵庫県弁護士会)
【プロフィール】
■永井幸寿(ながいこうじゅ) 1955年7月生れ
■経歴□1979年(昭和54年)早稲田大学法学部卒業□1999年(平成11年)阪神・淡路まちづくり支援機構事務局長□2007年(平成19年)日本弁護士連合会災害復興支援委員会委員長■現在□関西学院大学災害復興制度研究所研究員□アンサー法律事務所所長■著書□「憲法に緊急事態条項は必要か」岩波書店□「よくわかる緊急事態条項Q&A」明石書店 ほか多数

主催/和歌山弁護士会
   〒640-8144 和歌山市四番丁5番地
   Tel073-422-4580(代)
共催/日本弁護士連合会
(引用終わり)

 チラシに記載された開催趣旨はやや簡略過ぎるので、以下に、和歌山弁護士会の会員に会長名で配布された案内文書から一部引用します。

(引用開始)
 衆議院憲法審査会で、新型コロナウイルス感染症の拡散、大規模地震・津波等の大規模災害及びロシアのウクライナ侵攻のような国家有事に備えて、憲法に緊急事態条項を新設すべきであるとの意見が語られています。そして、内閣総理大臣や政府に法律と同等の効力を持つ政令制定権限や国会の決議によらない財政支出権限を憲法に新設することや衆議院議員の緊急時における任期延長規定を設ける内容の改憲案も浮上してきています。
 しかし、憲法にこのような緊急事態条項を設けることによって、国民の人権に対する過度の制約が課されることはないか、国民の代表である国会が本来行うべきことを緊急時とはいえ、行政府に委ねることは民主主義にとって問題はないか、そもそも憲法改正をしなければ感染症、大規模災害、有事への備えと対応はできないものであるか等について、知識を得て、議論を深めることが必要です。
(引用終わり)

 過去、私のブログで緊急事態条項を取り上げた投稿は相当な数にのぼりますが、そのうちのいくつかをピックアップして巻末にリンクしておきます。しかし、振り返ってみると、2016年に集中してこの問題を取り上げていたのですね。

 最後に、講師である永井幸寿先生が、2017年(平成29年)3月23日の衆議院憲法審査会において、緊急事態条項について参考人として意見陳述をされていますので、会議録と動画にリンクしておきます。

2017年3月23日 衆議院憲法審査会 会議録 
(抜粋引用開始)
○永井参考人 私は、阪神・淡路大震災で事務所が全壊して以来、二十二年間、被災者支援にかかわってきた者です。その立場でお話をいたします。
 第一に、災害を理由に緊急事態条項を憲法に設けるべきかということです。
 私は、災害を理由にした緊急事態条項を憲法に創設することには反対です。
 緊急事態条項とは、国家緊急権を憲法に創設する条項です。国家緊急権とは、戦争、内乱、大規模災害など、平時の統治機構では対処できない非常事態に、国家の存立を維持するために人権保障と権力分立を停止する制度です。
 日本国憲法は国家緊急権を置いていませんが、その趣旨は、昭和二十一年七月十五日、帝国憲法改正案委員会の議事録の中での政府の答弁で明らかにされております。国家緊急権の濫用の危険からあえて憲法には国家緊急権は設けないが、緊急事態には平常時から法律などで準備するというものです。
 では、災害関連の法規は整備されているのでしょうか。これは大変よく整備されております。
 例えば、内閣は、災害緊急事態には、国会のコントロールのもとで、四つの項目に限り罰則つきの政令制定権が認められております。また、内閣総理大臣は、関係指定行政機関の長、地方公共団体の長などに対する指示権が認められ、防衛大臣に対する自衛隊の部隊派遣要請ができ、警察庁長官を直接指揮監督して一時的に警察を統制するなど、権力が集中するシステムとなっております。
 また、人権の制限に関して見ると、都道府県知事に、医療関係者に対する従事命令、財産権の管理、使用、物資の保管命令、収用の権限、職員の立入検査などが認められ、これらを罰則つきで強制しています。さらに、市町村長に対しても、瓦れきの撤去などにつき強制権が十分認められております。
 では、被災者にとって一番重要な国のルールというのは何でしょう。これは、憲法ではなく、それよりも下位のルールである法律、通達、条例などです。
 例えば、仮設住宅に断熱材が入るのか、あるいは復興住宅に入居するには連帯保証人が必要か、これらは被災者にとって大変重要な問題ではありますが、法の運用や条例の問題であって、憲法の問題ではありません。
 災害対策の原則は何でしょう。これは、医療の専門家あるいは建築の専門家など、災害の専門家が口をそろえて言うのは、準備していないことはできないということです。
 国家緊急権は、災害が発生した後、泥縄式に権力を集中する制度です。しかし、災害後にどのような権力を強力に集中しても対処することはできません。東日本大震災で国や自治体の不手際というものが言われましたが、その多くが事前に準備していなかったことが原因です。例えば、原発事故で、原発から四・五キロの双葉病院などでは、寝たきりの高齢者が避難の前後の混乱で五十人亡くなりました。
 これは、なぜこういうことが起きたのでしょう。法律の制度では、国は防災基本計画、都道府県、市町村はこれに基づいて地域防災計画を策定する義務があり、そして、指定行政機関、自治体の長は防災教育の実施に努め、防災訓練の実施義務が認められています。
 しかし、国、自治体、事業者において、事実上、災害で原発事故は起こらないということになっていたんです。つまり、事前に、県境を越えた避難者の避難経路、あるいは渋滞のときのサブの経路、あるいは事前のドライバーや車両の確保、そして、避難した後の長期の生活の場の確保の計画、あるいはその訓練、これについての自治体の連携や住民参加がなかったことが原因です。
 法律の適正な運用による事前の準備がなかったことが原因であり、緊急事態条項を創設しても対処することはできません。
(略)
 第二に、緊急事態における国会議員の任期について申し上げます。
 衆議院議員の任期は四年、または衆議院解散のときは期間満了前、これは憲法四十五条に書かれております。参議院議員の任期は六年、これは憲法四十六条に書かれています。そこで、大規模災害が選挙のときに発生した場合のために、憲法を改正して議員の任期を延長すべきかが議論されています。特に、衆議院の解散や任期満了が問題となります。
 結論から申し上げますと、私は、憲法を改正して議員の任期を延長することに反対です。
 まず、憲法は大規模災害時の制度を二つ設けています。一つは、憲法五十四条二項の参議院の緊急集会です。衆議院が解散されたときで、国に緊急の必要があるとき、内閣は参議院の緊急集会を求めることができます。緊急集会でとられた措置は、次の国会開会の後十日以内に衆議院の同意がない場合は効力を失います。
 二つ目は、憲法七十三条六号の法律による政令への罰則委任です。永田町での直下型地震が発生した場合のように、参議院の緊急集会も請求できない場合は、内閣は法律に基づいて政令で対処することになり、政令に実効性を持たせるためには罰則が必要となります。他方で、内閣の権力の濫用の危険があるので、特に法律の委任がないと政令に罰則が設けられないとする制度です。
 これを受けて、災害対策基本法の厳格な要件のもとで、緊急時に内閣は罰則つきの政令、緊急政令が制定できます。
 では、衆議院解散中に大規模災害が発生したときはどう考えるべきでしょう。
 先ほどのように、内閣は参議院の緊急集会を求めて対処できます。また、災害緊急事態においては、国会閉会中や衆議院解散中で臨時国会や緊急集会の措置を待ついとまがない場合でも、災害対策基本法による緊急政令で対処できます。
 では、衆議院の任期満了時に大規模災害が発生したときはどうすべきでしょう。
 参議院の緊急集会の規定は、文言上は、衆議院解散のときと定めています。何らかのニーズがあった場合、憲法は最高法規でありますので、まず法律で対処することを考え、それができない場合は憲法の解釈で対処することを考え、それができないときに初めて憲法改正を検討すべきです。
(略)
(引用終わり)

2017年3月23日 衆議院憲法審査会 インターネット審議中継 

(弁護士・金原徹雄のブログから/緊急事態条項関連)
2016年1月26日
水島朝穂教授による自民党改憲案「緊急事態条項」批判論文(2013年)がネットで公開されました 
2016年2月3日
自民党改憲案・緊急事態条項はナチス授権法の再来か?~海渡雄一弁護士の論考を読む 
2016年2月6日
立憲デモクラシーの会・公開シンポジウム「緊急事態条項は必要か」を視聴する 
2016年4月11日
立憲デモクラシー講座第8回(4/8)「大震災と憲法―議員任期延長は必要か?(高見勝利氏)」のご紹介(付・『新憲法の解説』と緊急事態条項) 
2016年5月29日
金森徳次郎国務大臣答弁と『新憲法の解説』を読む~災害を理由とした緊急事態条項は不要! 
2016年10月6日
自民党の憲法改正草案批判~「緊急事態条項」を中心に(参院選の結果を踏まえた憲法学習会用レジュメ)
2016年11月20日
第12回「那賀9条まつり」とそこでお話しした「戦争法緊急事態条項とは」 
2017年2月25日
日本弁護士連合会「日本国憲法に緊急事態条項(国家緊急権)を創設することに反対する意見書」(2017年2月17日)を読む 
2018年11月18日
自民党の緊急事態条項・条文イメージ(たたき台素案)を読む~付・永井幸寿弁護士が訴える緊急事態条項の危険性

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司法エリート・検察エリートと原発訴訟

 2022723日配信(予定)の「メルマガ金原No.3523」を転載します。

司法エリート・検察エリートと原発訴訟

 ここ1か月ほどの間に、世間の耳目を集め、大きく報道された原発訴訟についての判決が2件、相次いで言い渡されました。しかも、その判決のよって立つ基本的見解が非常に対照的であったことも印象的でした。
 一方は最高裁(第二小法廷)、他方は地裁(東京地裁)の判決ですから、もとよりその影響力を同列に論じる訳にはいきませんが、いずれの判決についても、後続の裁判に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 まず、6月17日に最高裁判決がありました。

最高裁判所 第二小法廷
令和4年6月17日判決
裁判官:菅野博之(裁判長)、三浦 守、草野耕一、岡村和美(三浦裁判官が反対意見)
概要:東京電力福島第1原子力発電所の事故で避難住民らが国に損害賠償を求めた4件の集団訴訟につき、たとえ国が東電に命じて防潮堤を設置していたとしても事故を防げなかった可能性が高いなどとして、国が電気事業法(平成24年法律第47号による改正前のもの)40条に基づく規制権限を行使しなかったことを理由として国家賠償法1条1項に基づく損害賠償責任を負うとはいえないとされた。

裁判所公式サイト 裁判例検索結果 
令和3年(受)第342号(原審:仙台高等裁判所) 
令和3年(受)第1205号(原審:東京高等裁判所) 

 次に、7月13日に東京地裁で以下の判決が言い渡されました。

東京地方裁判所 民事第8部
令和4年7月13日判決
裁判官:朝倉佳秀(裁判長)、丹下将克、川村久美子(下級審では個々の裁判官の意見は公表されない)
概要:東京電力福島第1原子力発電所事故を巡り、同社の株主らが旧経営陣5人に計22兆円を東電に支払うよう求めた株主代表訴訟で、被告の内、勝俣元会長ら4人が津波対策を怠ったとして、東電に対し計13兆3210億円を支払うよう命じる判決を言い渡した。
平成24年(ワ)第6274号他
 裁判所サイトの裁判例検索で見つけられなかったので、「東電株主代表訴訟」公式サイトにアップされているPDFファイルをご紹介しておきます。
判決骨子 10ページ
判決要旨 43ページ
判決全文その1 200ページ
判決全文その2 200ページ
判決全文その3(当事者目録省略) 230ページ
がPDFでアップされていましたのでご紹介します。

 まず、6月17日の最高裁第二小法廷判決についてです。判決当日、私も登録しているMLに判決骨子と判決要旨が流れてきたので一読しましたが、「えっ!それで国の責任が免除されてしまうのか」と、驚くというか、呆れるというか、何とも言えない気持ちになりましたが、4人の内、三浦守裁判官が反対意見を書いていることを知り、気を取り直して読んでみることにしました。
 上にご紹介した全54頁の判決の内、(原審:東京高裁の方では)1~11ページが3人の裁判官(菅野博之、草野耕一、岡村和美)による多数意見、11~17ページが菅野博之裁判官による補足意見、17~25ページが草野耕一裁判官による補足意見、そして25~54ページ(判決文全体の半分以上!)が三浦守裁判官による反対意見です。
 一々引用することはしませんが、三浦裁判官の反対意見は、非常に緻密に論理を積み上げていくスタイルで書かれており、とても分かりやすく(「法律家にとっては」かもしれませんが)、是非一読されることをお勧めしたいと思います。

 そして、次に私がしたことは、第二小法廷の4人の裁判官の経歴を調べてみることでした。国民審査があるということからでしょうか、最高裁ホームページには、各裁判官の経歴紹介のページがあります。

(多数意見/国の責任を否定)
菅野博之裁判官⇒東北大卒/裁判官出身
※7月3日に定年退官されたため最高裁の裁判官紹介ページからは削除されていましたので、新日本法規の裁判官情報をご紹介しておきます。
草野耕一裁判官⇒東大卒/弁護士出身
岡村和美裁判官⇒早大卒/弁護士・外資系金融機関法務部・その後検事に任官
(反対意見/国の責任を肯定)
三浦守裁判官⇒東大卒/検事出身
(引用開始)
昭和55年 東京大学法学部卒業
昭和55年 司法修習生
昭和57年 検事任官
その後,東京,宇都宮,福岡,名古屋各地検,長野地検上田支部,法務省刑事局等に勤務
平成10年 法務省刑事局参事官
平成12年 法務省大臣官房参事官
平成13年 法務省刑事局刑事法制課長
平成17年 法務省大臣官房審議官
平成21年 最高検検事
平成21年 那覇地検検事正
平成22年 最高検検事
平成22年 法務省矯正局長
平成25年 最高検監察指導部長
平成26年 最高検公判部長
平成27年 札幌高検検事長
平成29年 大阪高検検事長
平成30226日 最高裁判所判事
(引用終わり)

 上記経歴から明らかなように、三浦守裁判官は検察・法務畑のエリートコースを歩んでこられた方です。
 ところで、最高裁判所裁判官の国民審査に際し、「とにかく全員に×を付ける」という人もいれば、「裁判官出身・検事出身は全員×」という人もいたりしますが、それってどうなの?ということが前から疑問でした。
 もちろん、最高裁裁判官は様々な事件に関与しますから、個々の国民にとって、何から何まで自分と同じ意見の判決ばかりなどという裁判官などいる訳がなく、その意味では「全員に×」というのもあながち理由がない訳ではありませんが、憲法が国民審査の制度をわざわざ設けた趣旨を合理的に解釈すれば、「全員に×」とか「検察出身だから×」はないだろうと思います。
 ところで、三浦裁判官は、昨年10月の総選挙の際に行われた国民審査を受けたはずなので(個々の裁判官は10年に一度審査を受ける)、次の審査までに満70歳の定年に達してしまいますから、今回の判決(少数意見)を踏まえた審査は受けられないのですね(残念)。

 さて、次は7月13日の東京地裁判決です。前述のとおり、これは原発事故の翌年(平成24年)に提訴された東電役員を被告とする株主代表訴訟です。
 以下に判決の「主文」を引用します。

1 被告勝俣、被告清水、被告武黒及び被告武藤は、東京電力に対し、連帯して、13兆3210億円及びこれに対する平成29年6月2日から支払い済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 本件原告らの被告勝俣、被告清水、被告武黒及び被告武藤に対するその余の請求並びに被告小森に対する請求をいずれも棄却する。
3 訴訟費用は(略)の負担とする。
4 この判決は、第1項に限り、仮に執行することができる。

 請求認容額が「13兆3210億円」などという判決は初めて見ましたし、おそらく日本裁判史上のレコードでしょう。
 これは株主代表訴訟だからこそ「あり得た認容額」です。というのも、通常の民事訴訟では、原告は請求額に応じた印紙を収めねばならず(たとえば、請求額1000万円なら印紙代5万円、請求額1億円なら印紙代32万円)、兆を超える請求など「あり得ない」のですが、株主代表訴訟は例外的に、請求額にかかわらず、印紙代は一律1万3000円とされているのです。

 ところで、この判決を主導したと思われる朝倉佳秀裁判長の経歴は以下のとおりです(新日本法規の裁判官情報から)。

(引用開始)
R 2.10.26 東京地裁部総括判事・東京簡裁判事
R 2.10.16 東京高裁判事・東京簡裁判事
H31. 4. 1 検事
H29. 4. 1 東京地裁部総括判事
H27.12.18 東京地裁判事
H26. 2.20 東京高裁判事
H24. 2. 3 最高裁人事局給与課長(東京地裁判事)
H23. 9.18 最高裁民事局第一課長・最高裁民事局第三課長・最高裁広報課付(東京地裁判事)
H22. 4. 1 最高裁民事局第一課長・最高裁民事局第三課長・最高裁広報課付(東京地裁判事・東京簡裁判事)H20.10. 1 最高裁民事局第二課長(東京地裁判事・東京簡裁判事)
H19. 4. 1 司法研修所教官(東京地裁判事・東京簡裁判事)
H17. 5.26 千葉地家裁判事・千葉簡裁判事
H17. 4. 1 千葉簡裁判事・千葉地家裁判事補
H13. 9.25 大阪簡裁判事・大阪地家裁判事補
H13. 9.18 東京簡裁判事・東京地裁判事補
H 9. 9. 1 検事
H 5. 4. 9 東京地裁判事補(司法修習第45期)
(引用終わり)

 原告弁護団の海渡雄一弁護士がFacebookで朝倉裁判長についてこんな紹介をしていました。

(引用開始)
この判決を主導した朝倉裁判官は最高裁で民事課長の要職をつとめた後、内閣官房に出向していた超エリートです。今日の判決、言い渡しは40分くらいの要旨を読み上げたのですが、立派でした。ゆるぎない自信と確信に満ちていました。弁護士冥利に尽きるとはこのことです。
(引用終わり)

 もう一つ、私が読んだ7月14日の朝日新聞・大阪本社13版朝刊(30面)の記事を引用します。

(引用開始)
今回の判決を言い渡した朝倉佳秀裁判長(54)は1993年に判事補任官。民事裁判の経験が長く、内閣官房内閣審議官として裁判のIT化にも関わった。2020年10月に2度目の東京地裁部総括判事となり、会社関係の訴訟を担う商事部に所属する。今回の株主代表訴訟は、12年3月の提訴時から数えて4人目の裁判長として担当した。被告の本人尋問や専門家の証人尋問を行ったほか、21年10月には『現地進行協議』を実施。原発事故をめぐる関連訴訟で、裁判官として初めて福島第一原発の構内まで視察した。
(引用終わり)

 私はこの記事を読み、特に最後の「原発事故をめぐる関連訴訟で、裁判官として初めて福島第一原発の構内まで視察した」とある部分に感銘を受けました。

 三浦守裁判官にしても、朝倉佳秀裁判官にしても、私との共通点は、司法試験に合格したことくらいしかなく、検察エリート、司法エリートとしてお2人がどのような体験を積み重ねて今回の判決に至ったのか、想像することすら困難です。
 ただ、検察エリート、司法エリートにもいろんな人がいるのは当然として、法律家としての矜持に恥じない判決に接することができたのは幸いでした。

(参考記事)
東京新聞 2022年6月23日
「原発避難者訴訟 国の責任は否定されたが…最高裁判決文に異例の反対意見 三浦守裁判官が痛烈批判」

(抜粋引用開始)
福島訴訟原告団の馬奈木厳太郎(まなぎ・いずたろう)弁護士は「反対意見が判決の形で書かれているのは極めて異例のこと。これが本来あるべき最高裁判決だという思いを感じる。原告の思いに向き合い、法令の趣旨からひもとき、証拠を詳細に検討しているこの反対意見は後陣の訴訟にとって宝。第2判決として位置付けたい」と評する。
(引用終わり) 

7/22(金)講演会「赤木さん事件の真相と意義」(青法協大阪支部2022年総会記念講演)のお知らせ

 2022630日配信(予定)の「メルマガ金原No.3522」を転載します。
 Facebookにも同内容で掲載しています。

7/22(金)講演会「赤木さん事件の真相と意義」(青法協大阪支部2022年総会記念講演)のお知らせ

 コロナ禍のために私たちの生活スタイルが大きな変容を強いられましたが、そのことによるプラスの側面がない訳ではありません。その1つが、ZOOMYouTubeLiveなどを活用した「オンライン講演会」の普及でしょう。
 コロナ禍前であれば、ごく稀な例外を除き、いかに興味深い講演会やシンポジウムであっても、基本的には現地に出向いて参加するしかありませんでしたが、今やオンライン講演(併用もしくは専用)がごく普通に利用できるようになってきました。

 ということで、7月22日(金)午後6時から、大阪弁護士会館で開催される青年法律家協会大阪支部の総会記念講演「赤木さん事件の真相と意義」をご紹介できることになりました(ZOOM併用)。
 チラシには、「参加費無料です。若手弁護士、修習生、学生の参加も大歓迎です。」とありますが、もちろん、「一般市民」も大歓迎という趣旨です(青法協大阪支部の佐々木正博事務局長から確認済み)。

 以下に、開催概要を転記します(佐々木事務局長の案内メールから)。是非1人でも多くの方に関心を持って参加していただければと思います。

[青法協大阪支部 2022年総会記念講演]
「赤木さん事件の真相と意義」
森友学園への国有地売却をめぐる財務省公文書改ざん問題。改ざんを強いられ、自死された近畿財務局職員の赤木俊夫さんの妻・雅子さんが国と佐川元理財局長を訴えた裁判が大阪地裁で闘われています。現場では何が起こっていたのか、赤木ファイルには何が遺されていたのか、国の請求認諾の背景には何があったのか…。代理人弁護士及び赤木さんから、本事件の経過や意義、工夫点、そして、訴訟手続きの中で明らかとなった真相をお話いただきます。

日時:2022年7月22日(金)18:00~
参加費:無料
場所:
①大阪弁護士会館11階 1110会議室
②ウェブ配信(ZOOM)
講師:
松丸正弁護士(堺法律事務所)
生越照幸弁護士(弁護士法人ライフパートナー法律事務所)
ゲスト:
赤木雅子さん(赤木さん事件原告)

※事前申込制とさせていただいております。
会場の人数には限りがありますので、会場の人数制限をさせていただく場合がありますがご容赦下さい。
※下記URLは申込フォームにリンクしています。
ブラウザの仕様等により、フォームが表示されない方は、チラシのQRコードからお申し込みください。
 【URL】 https://bit.ly/3a488xB
申し込みができない場合は、担当:弁護士吉留慧(06-6576-7680)もしくは、seihokyooosaka@gmail.comまでご連絡ください。
会場、web参加問わず、写真、動画撮影は禁止です。

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7/16(土)岩波新書『学問と政治』出版記念シンポジウム~学術会議任命拒否問題とは何か~(オンライン視聴あり/申込不要)

 2022621日配信(予定)の「メルマガ金原No.3521」を転載します。
 Facebookにも同内容で掲載しています。

7/16(土)岩波新書『学問と政治』出版記念シンポジウム~学術会議任命拒否問題とは何か~(オンライン視聴あり/申込不要)

 菅義偉政権によって違法・不当にも6人の日本学術会議会員候補が任命を拒否された「事件」からはや2年近くが経過しましたが、岸田文雄政権もその過ちを認めず、違法状態を放置するという由々しい事態が続いています。
 その任命を拒否された当事者である6人の共著として、2022年4月、岩波新書から『学問と政治 学術会議任命拒否問題とは何か』が刊行されました。
 それを記念して、版元の株式会社岩波書店と「学問と政治」出版記念シンポジウム実行委員会の共催により、以下の内容で記念シンポが開催されます。
 会場は東京ですが、オンライン視聴(申込不要)も可能ということなので、ご紹介することとしました。
 岩波新書の該当ページを閲覧してもまだオンライン視聴についての案内は掲載されていませんでしたが、申込不要なので、開催時期が近付いてから閲覧していただければ良いと思います。
 私もチラシ記載の情報しか持ち合わせがありませんが、時間をとって視聴するだけの価値は十分にあると思います。

(シンポジウムの概要)
日時:2022年7月16日(土)13:30~16:00(開場13:00)
会場:全国町村会館(会場参加は先着100名まで)
オンライン視聴(申込不要)あり
 詳細は以下の岩波書店HPに掲載予定
  https://www.iwanami.co.jp/book/b603071.html 
  http://iwnm.jp/431925
基調講演「焼け野になる前に―現在の状況を歴史家はどう見ているのか」
 講師:加藤陽子(東京大学)
◆発言・メッセージ
芦名定道(関西学院大学)/岡田正典(早稲田大学)/小沢隆一(東京慈恵医科大学)/松宮孝明(立命館大学)/池内了(名古屋大学名誉教授)/佐藤学(東京大学名誉教授)/前川喜平(元文部科学事務次官)ほか
◆シンポジウム呼びかけ人
高山佳奈子/永田和宏/長谷部恭男/廣渡清吾/福田護/藤谷道夫/三宅弘

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鵜飼信成著・石川健治解説『憲法』(岩波文庫白版)を買ってきた

 2022619日配信(予定)の「メルマガ金原No.3520」を転載します。
 Facebookにも同内容で掲載しています。

鵜飼信成著・石川健治解説『憲法』(岩波文庫白版)を買ってきた

 文庫に解説は付きものとはいえ、全484ページの本のうち、解説部分が389~484頁の96ページと、全体のほぼ2割を占めるというのは珍しいでしょう。
 もっとも、古典作品などの場合、注釈や書誌部分を含めた解説の方が、本文よりも分量が多いということも珍しくありませんが、昨日(6月18日)私がたまたま書店で見かけて購入してきたこの文庫本の場合、元本の初版が刊行されたのは1956年のことですからね。
 その文庫本というのは、
  書名:憲法 
  著者:鵜飼信成(うがい・のぶしげ/19061987
  解説:石川健治(いしかわ・けんじ/東京大学教授)
    岩波文庫(1260円+税)
    2022年6月15日 第1刷発行
です。

憲法 (岩波文庫 白 35-1)
鵜飼 信成
岩波書店
2022-06-17

 
 東京大学社会科学研究所長、国際基督教大学学長、成蹊大学教授、日本学士院会員などを歴任した、憲法・行政法の研究者・鵜飼信成氏については、私自身、名前に聞き覚えはあるものの、その著書を読んだことはない高名な学者のお一人というに過ぎませんでしたが、たまたま立ち寄った書店の文庫コーナーでふとこの本を見かけて手に取ったところ、
  これはひとつの奇跡である。
  ―石川健治(東京大学教授/本書解説者)
という帯の惹句に目が引き寄せられてしまい、ぱらぱらとページを繰ってみたところ、元本が1956年に岩波全書の1冊として刊行されたこと、石川教授による解説が100ページ近くもあるということが分かり、即決で購入しました。

 実は、石川教授が解説を担当された文庫本としては、2016年6月に講談社学術文庫から刊行された佐々木惣一著「立憲非立憲」を購入し、とにもかくにも一読したことがありましたので、石川教授解説本の購入は2度目ということになります。そういえば、「立憲非立憲」も充実した解説でした。

 何を言うにも、まだ、著者「はしがき」と、解説の冒頭8ページを読んだだけなので、本書自体についての感想を書くわけにはいきません。
 ただ、石川教授による解説の冒頭部分の一部を引用することにより(帯の惹句もこの部分からとられていました)、「本書を読んでみたい」という意欲を1人でも多くの方と共有できればと思います。

(解説-389頁-から引用開始)
「浩瀚な専門書とは趣を異にし、之を圧縮して一小冊子内に最も平易に且つ興味深く叙述することを本旨となし、しかも飽くまでも学究的なることをその特色とし」(金原注:岩波茂雄「岩波全書発刊に際して」より)た憲法書としては、本書が空前のものであることを本稿執筆者は疑わない。本書には、鋭い先見性をもって未来の憲法学に挑戦する趣があり、規格化された教科書には見られない精神の躍動がある。しかも、それに触発される読書公衆が実在していたからこそ、本書は、初型を維持したまま三〇年間にわたって読まれ続けた。著者の才気を縦横に展開することを許容した岩波全書という器と、五〇歳を迎えた著者自身の学問的充実と、読書する公衆という共鳴板との相乗積として産み出された、これはひとつの奇跡である。
(引用終わり)

 前述のとおり、私はまだ著者「はしがき」と解説の冒頭8ページ分を読んだだけですが、それでも本書を読み進めるためには、元本に著者によって付された詳細な脚注部分も絶対に飛ばさず読み込まねばならないということは分かりました。

 憲法制定以来、最大の転機となるかもしれない時期が迫っている今こそ、読むに値する碩学の書ではないかと思います(実際に読み終えた後でまた感想を書ければと思います)。

鵜飼信成「憲法」「

原発賠償関西訴訟での森松明希子さんの4回目の意見陳述(2022年5月26日)

 202261日配信(予定)のメルマガ金原No.3519を転載します。

原発賠償関西訴訟での森松明希子さんの4回目の意見陳述(2022526日)

 去る2022年5月26日(木)午後2時から、大阪地方裁判所において、原発賠償関西訴訟の第33回口頭弁論が開かれました。
 前回の裁判以降に裁判長と陪席裁判官のうちの1人が交代し、弁論更新手続が行われるのを機に、原告本人の意見陳述が行われることになり、原告団代表の森松明希子さんが、4回目となる意見陳述を行いました。

原発賠償関西訴訟第33回口頭弁論チラシ 森松さんが4回も意見陳述を行ったと聞くと、原告団には他に意見陳述できる人がいないのか?と疑問に思われるかもしれませんね。最初に審理を担当した裁判長が寛容だったからか、裁判が始まった当初は、毎回のように原告が交代で意見陳述をしていたのですが、やがて、裁判長の交代による弁論更新手続が行われるというような節目の時だけに原告意見陳述が行われることが慣例化し、自然と「森松さんに任せよう」ということになったのかもしれません(詳しいことは知りませんが)。

 原発賠償関西訴訟の原告弁護団に参加している和歌山の弁護士は私を含めて2名しかいないため、2人が交互に弁論期日に出頭することにしており、たまたま5月26日は私が出廷する番でした。
 前にも書いたことがありますが、私は、いつも法廷の中の傍聴席との仕切りのバーに沿って置かれたベンチの真ん中近くに席を占めるのが常なのですが、26日もいつもの席に着席し、証言台のところに立つ森松さんから約2m以内という至近の距離から、その意見陳述に耳を傾けました。
 これまで私が聞いた1回目と3回目の意見陳述と異なったのは、事前に森松さんから読み上げ用の原稿をメールで送ってもらっていたことで、私は、原稿に目を落としながら森松さんの意見を聞いていました。
 森松さんの講演を聴いたことのある方なら分かると思いますが、彼女の単位時間当たりの「発言量」は非常に多いのです。まあ、早口と言っても良いのですが、それでもしっかりとした口跡で、明快な語り口ですから、聴き取りにくいとか、分かりにくいということはありません。
 私は、26日には特に「早口になり過ぎないか」と心配しながら原稿に目を落としていました。というのは、この日には原告側から提出した準備書面について弁護士が口頭で説明(弁論)することも予定されており、どうやら弁護団事務局長から森松さんに対し、「意見陳述は15分程度でお願いしたい」という要請があったようなのですね(私の推測ですが)。
 しかし、原稿を読むととても15分で読み上げができるような分量とは思えず、そのことを開廷前に森松さんに話したところ、「予行演習では18分だったけど、大丈夫です」と自信たっぷりでした。
 ということで、「本当に大丈夫か?」と思いながら聴いていたのです。
 確かに、森松さんの陳述は早口には違いありませんでしたが、しっかりと気持ちも込められ(時にせくりあげそうになるのを堪えているのが分かりました)、感銘深い陳述となりました(21分間かかりましたけど)。ただ、もう一段ギアを上げてペースアップしていたら、いくら何でも早すぎたでしょうね。

 以下に、森松さんから送っていただいた意見陳述のための読み上げ原稿を、そのまま全文転載します。
 是非多くの方に読んでいただけるよう、「拡散」にご協力いただければと思います。

(引用開始)
平成25年(ワ)第9521号,第12947号
平成26年(ワ)第2109号 平成28年(ワ)第2098号,第7630号
損害賠償請求事件
原 告  原告番号1-1 外239名
被 告  国 外1名

                意  見  陳  述  書 

                                                                     原告番号1-1

 原告番号1-1です。
 意見陳述の機会を与えていただきまして、感謝申し上げます。
 私は福島原発事故の放射能汚染の影響で、11年間、福島県郡山市から大阪府大阪市に、子ども二人とともに国内避難を続けています。いわゆる母子避難で、2011年3月11日(3.11)当時0歳と3歳だった子どもたちは父親とは離れ離れで暮らしています。
 小学校6年生になった娘は、父親と一緒に暮らした記憶がありません。野球部に入部した中学3年生の息子は、週末、父親とキャッチボールをすることさえ叶わない日々を送っています。月に1度しか会えない父親との別れのたび、号泣していた二人ですが、11歳と14歳になった今、“なぜ、避難しているのか”十分に理解していますし、この裁判の意味も分かる年齢になってきました。
 また、子どもたちは現在も、福島県が実施している県民健康調査で甲状腺エコー検査を受け続けています。避難していても検査を受け続けなければいけない理由も、その必要性もよく理解しています。

1.原発事故は終わっていない
 原発事故から2ヶ月後に、放射線被ばくの身に迫る危険と命や健康に関わる権利が脅かされながらも、ようやく避難に至る条件がかろうじて整ったので、私は福島から大阪に逃れることができました。
 逃げるかとどまるか、客観的な状況を把握したくても、必要な情報は与えられず、他方で「ニコニコ笑っていれば放射能は来ません」「年間100ミリシーベルトまでは大丈夫」などのプロパガンダも含め、おかしいことにもおかしいといえない雰囲気が作り続けられ、耐え難きを耐え忍び難きを忍ぶかのごとくの精神論や、自分よりもっと大変な人がいるからという謎の不幸比べによる我慢大会さながらの美談による陶酔的思考が蔓延する中で、人権保護や個人の尊厳よりも「復興」「頑張ろう福島」という大合唱によって異論を唱えることが困難な雰囲気に包まれる中、「被ばくはしたくない」「子どもを被ばくから絶対に守りたい」という思いで、なんとか私は福島を出てきました。一つでも条件が整わなければ、私は避難したくても出来なかったと、それは今でも強く思います。
 やっとの思いで避難をして初めて、放射能汚染の線源からおよそ600キロメートルほど離れたこの関西の地から、避難元の状況を見つめたあの日のことが、今も鮮明によみがえります。
 今そこにある危機から即座に避難できる人の方が少ないのです。事故から2ヶ月後の避難は、1年後、3年後、5年後に避難を決断できた人と比べると、極めて早期の避難開始ともいえるのです。何の制度や保障もない中で「自力避難」を余儀なくされる状況では、避難の開始にも時間はかかるのです。
 また、一緒に住んでいた家族揃って避難することも“強制避難”でなければ難しいのが現実です。11年経っても家族・親子が離れ離れのまま避難を続けている母子避難等のケースが如実にそのことを表しています。
 さらに、実際は、多くの住民が、「避難したくても出来ない」「本当は避難できるものなら今からでもしたい」と話しています。
 国と東京電力は、全国各地の避難者が起こした裁判で、圧倒的多数の住民がとどまる中、避難している人はあなた達だけだ、というように、避難している人が何か特別で、まるで異端者であるかのような印象を裁判所に印象付けようとしています。
 しかし、避難せず福島にとどまっている人も「あのとき避難しなかった息子たちが将来、癌になったら、孫に何かあったら、ということは今でも考える。覚悟して背負って生きるしかないな、と。苦難の中で生き続けるのも抵抗の仕方として意味がある」(福島生業訴訟原告・2022年04月23日弁護士ドットコムニュースより)と公言し、とどまる人の苦悩や苦痛が現在も続いていることを、今でも多くの人々が話し続けています。
 原発は国策です。唯一の規制権限を持つのも国ですが、ひとたび事故を起こせば犠牲になるのは周辺に住む無辜の人々です。原発に賛成していた人にも反対していた人にも無差別に被ばくの脅威はおそいかかります。そして、特に被ばくに最も脆弱な子どもたちが、いちばん犠牲になるのです。
 国策による犠牲を、とりわけ子どもたちに強いることは許されないと私は思います。

2.避難しても地獄 とどまっても地獄 帰還しても地獄
 東京電力福島第一原発事故から11年後の奇しくも本日(2022年5月26日)、東京地方裁判所では3.11当時福島県在住の6歳~16歳だった子どもたちが、小児甲状腺がんになったのは東電福島原発事故の放射能被ばくによる健康被害だとして裁判所に訴えています。健康被害の因果関係を争う裁判は、私たちの裁判以上に時間も労力も奪われることは必至です。それでも、3.11当時、子どもだった世代も、被害が顕在化しているところから、「おかしい」という声を上げ始めています。それに対し、世界中から共感と応援の声が上がっています。
 とはいえ、健康被害が明確に顕在化しなければ、そして、子どもが病気になってからでなければ、訴えを起こすことができないのでしょうか。
 避難した私たちも、避難したからそれで終わりではありません。原発事故直後の被ばくにより健康を害するリスクは確実に高まっておりその後に避難したことにより、被ばくのリスクがさらに高まることを防ぐことができているだけであり、避難したから安泰で平穏な日常が取り戻せたというわけではないのです。もしかしたら自分が、あるいは子どもたちが、がんや被ばくによる疾病を発症するかもしれない、という恐怖は、避難した人もとどまる人も帰還した人も、ずっといだき続けているのです。
 何の保護や救済もない現状は、「避難しても地獄 とどまっても地獄 帰還してもまた地獄」なのです。
 そのような被害は、裁判所以外に、一体どこの誰が正当に評価してくれるのでしょうか?
 11年後の今、原発事故までは100万人に1人か2人しかならないと言われていたにもかかわらず、分かっているだけでも300人近い子どもたちが小児甲状腺がんを発症しています。この小児甲状腺がんの多発の事実を前にして、それでも、自らに健康被害が生じなければ訴えるに値しない、「避難」の必要はないと、皆さんは考えるのでしょうか。
 事故が起こったとき、最も被害を受けるのは、社会的にも弱く、また被ばくに対しても最も脆弱な子どもたちです。子どもは親が避難しなければ基本的には自分の意思で避難することはできないのです。被ばくは嫌だと訴えも出来なければ、被ばくを避ける術も持ち合わせてはいません。制度や保障がなければ、自らの意思にかかわらず、避難することは出来ないのです。
 また、避難できたとしても、避難先でいじめられたり、家族の意見が対立する中、家族離散を経験し、「生き地獄」と表現した現在中学2年生の少女もいます(愛媛訴訟原告・最高裁弁論での原告意見陳述より)。
 この国は、子どもの権利条約を批准しているというのに、最も守られるべき子どもたちの受けた被害や損害、とりわけ「子どもの権利」侵害については、まったく評価も賠償もされていません。この14歳の少女は、最高裁判所に対し「この世は変わらない、と思わせないようにして欲しい」と訴えていますが、大人である私も全く同じ思いです。
 放射能汚染の事実があり、被ばくを避ける必要があるから、多くの人が、あらゆる困難を乗り越えてでも「避難」という決断をしたのです。
 実際に避難するのは、そしてその避難生活を継続させるのは、簡単ではありません。避難の決断とともに、避難の継続には、実際に、強制避難区域と同様に、精神的負担、経済的負担を強いられます。差別的な取扱をすることは許されず、それは国連の「国内避難に関する指導原則」にも明確な規範として国際社会でも共有されている世界の標準です。そうであるにもかかわらず、人権保護の観点からの救済はありません。人権侵害が常態化しているから、この国は、国連人権理事会ほか、国際社会からも数多くの勧告を受け続けているのです。

3.「線引き」による差別
 そして、事故直後に福島第一原発からの距離という合理性のない線引きを行い、あたかも国が認める公式の避難者と非公式の避難者といわんばかりに被害者を分断し、賠償に差別的思考を持ち込んでいるのも、紛れもなく責任を問われ、また、国策で原発を推進している国です。土壌の汚染や内部被ばくは考慮に入れず、また、年齢・性別・職業・家族構成などきめ細やかな保護も施策も救済も11年経っても確立されず、ひたすら私たち被害者は“いないこと”にされ続けています。
 私たち原告は、そうした国と東京電力が勝手に持ち込んだ避難区域内・区域外・福島県外などという差別と偏見と固定観念を助長するような線引きによる分断を乗り越え、放射能汚染地のすべての被害者の救済を求めています。
 放射能汚染という客観的事実に向き合い、「万が一にも事故を起こさない」と約束した側が「これくらいの被ばくなら良いだろう」と勝手に基準を決め、被害者は誰かを勝手に決めるような線引きをし、「被ばくしたくない」「健康を享受したい」という私たちの人間としての生命と生存に関わる根本的な権利を侵害し、尊厳を踏みにじることは決して許さない、という思いから、その思いを同じくする人々とともに、こうして司法による救済を求めることにしました。
 逃げることは簡単ではありません。原発事故による放射性物質がばらまかれても目には見えません。色もついていないし、放射能被害は晩発性障害が多く、被ばくから数年後、数十年後に起きるからです。
 火事があったら逃げるのは当たり前です。「逃げずに火を消せ」と言われたら「それはおかしい」「私は嫌だ」と言えるのは、被害を知り、避難の権利性に気づき、確信をもっているからで、たとえ圧倒的多数の人が避難を選ばなかったとしてもその権利を主張することができると私は思うのです。
 私たちは、これまで、「放射線被ばくから免れ健康を享受する権利」の具体的・直截的・積極的な被ばく防護の行為として、原発事故により拡散された放射線被ばくからの「避難の権利」ということを主張してきましたが、「逃げること(避難)」、「逃げ続けること(避難の継続)」の権利性ついて、もっと多くの人にその重要性を知ってほしいと思いますし、裁判において確立してほしいと思います。

4.避難は終わっていない
 福島をはじめとする放射能汚染地から続々と逃れる人がいる反面、戻る人もいます。福島原発事故から数年後には、避難する人より戻る人のほうが多いと喧伝され、これもまた、避難する状況にない、非常事態は終息したという宣伝に用いられるわけです。
 しかし実際のところは、「原子力緊急事態宣言」は現在も発令されたままで、今現在も緊急事態宣言下にあるのです。緊急事態宣言を解く事ができないのは、国際基準(国際原子力事象評価尺度International Nuclear and Radiological Event Scale,INES)からしてもレベル7の事故が終息していないからです。
 さらに、モニタリングポストの空間線量こそ水素爆発直後の線量よりは下がったというだけであって、土壌(土)には、まだ何万ベクレルもの汚染があり、何よりも、38万人ほどの福島県民の子どもたちを調べただけでも300人の子どもたちが小児甲状腺がんを発症し、私の子どもたちと同世代の子どもたちの身に明らかに異変が起きているという事実があるのです。
 そうであるにもかかわらず、実際に避難している人の人数さえまともに数えられたことはなく、何人が避難したのかも、そのうちの何人が戻ったのかも、11年経っても明らかではないというのが日本の現状です。
 私もこの11年間で、何人もの母親の避難させてもらえなかった涙とともに、「住み慣れた我が家に帰りたい」「子どもが父親と離ればなれで泣き続ける」「自力での避難費用が底をつき、精神的にも経済的にも不安におしつぶされてしまう」と泣きながら帰還していった母親の姿を見てきました。その声は、「復興」「頑張ろう福島」の大合唱にかき消され、いつも「ない」ことにされています。
 非常事態であればあるほど、実際には「逃げる」ことは許されません。心を一つにして、一丸となって頑張れと鼓舞されます。その雰囲気の中、本当はいやだ、逃げたい、と思っても、抗い実際に行動に移せる人がどれだけいるのでしょうか。
 確かに、避難せずに「とどまれ」という命令こそ出されはしていません。そして、多くの人々が放射能汚染の「ある」場所にとどまっています。
 でも、汚染地にとどまる人々が、みんな安全だと思ってとどまった訳ではありません。少なくない人たちが、被ばくのリスクにおびえながら避難できずに生活しています。
 被ばく防護のための施策があれば、状況は違ったと思います。もっと多くの人々が、被ばくから身を守るため、避難することが出来たと思いますし、多くの被害者がこれほど全国各地で声を上げ続けなければならないこともなかったと思います。
 少なくとも、被ばくから身を守るための何の制度も施策もない中で、放射能汚染があるところに、私は避難を終えて子どもたちを連れて帰還することは、考えられないですし、放射能汚染をばらまいた側が、客観的な汚染の事実や住民の心情も把握せず、合理的根拠もなく「いつまで避難と言い続けるのか」とか「避難はもう終わりでしょう」と勝手に避難の終期を決めることもありえないことだ と思います。

5.「平和のうちに生存する権利」について
 裁判官のみなさんは、「平和」とは何かと子どもにたずねられたら、何と答えますか?
 私は、平和とは、平穏な日常の暮らしそのものがあることだと思います。住み慣れた家や町で、家族で毎日の食卓を囲み、「行ってきます」「行ってらっしゃい」「ただいま」「おかえりなさい」「おはよう」「おやすみ」と顔を見て挨拶や言葉を交わし、子どもの健やかな成長をともに見守り育てるというあたりまえの日々の暮らしそのものであると思います。
 その平和な暮らしが3.11以降、原発事故により一変し、奪われました。空気・水・土壌が汚染される中、私は、幼い子どもたちに汚染された水を飲ませてしまいました。また、自らも汚染された水を飲み、0歳の娘に母乳を与えてしまいました。葉物野菜や乳牛の出荷停止が続く中、人間にだけ放射性物質が降り注がないわけはないのです。
 知って被ばくすることと、何も知らされずに被ばくさせられることは、まったく意味が異なるのです。
 一体どれほどの初期被ばくを重ねたのかも定かではなく、避難していても、とどまる人と同じように、将来いつ自分や被ばくに脆弱な子どもたちに影響がでないだろうかと「核の脅威」にさらされ続けているのです。
 だからこそ、避難元の客観的な汚染の事実を知った今、私は、これ以上、1マイクロシーベルトたりとも無用な被ばくを重ねることはしたくないですし、被ばくの生涯積算量を無駄に増やしたくはないのです。被ばくを拒否することも、それを拒否して自身の被ばく量をコントロールする権利も私たちの側にあり、国がその圧倒的な権力で基本的人権を蹂躙し続けている現状を一刻も早く改めてほしいと願っています。
 戦争でなくても「逃げることは許さない」という雰囲気は容易に作り上げることができることを証明し続けているような11年間でした。避難し(続け)たくても出来なかった人の声は一切表には出てきません。かろうじて避難できた私たちも「非国民」とか「歩く風評被害」、「風評加害者」などと揶揄され続けています。
 さらに、東京高裁の法廷では、あろうことか、区域外避難者の損害賠償を認めると、「自主的避難等対象区域に居住する住民の心情を害し、ひいては我が国の国土に対する不当な評価となる」(令和元年9月11日付け国側第8準備書面27頁) と国は主張しました。
 国土を放射能で汚染したのは、私たちではありません。原子力発電所を動かしていた東京電力と、唯一の規制権限を持つ国が事故を防止する義務を怠ったからです。責任転嫁も甚だしい厚顔無恥な主張を繰り返す国と東京電力によって、私たち被害者はさらなる苦痛を与えられ続けています。
 有事のときこそ、国策による人権侵害が横行するのです。
 来月2022年6月17日には、最高裁判所が国の責任を認めるかどうかの判断を下します。絶対に忘れてはならないことは、裁判所がどのような判断を下したとしても、客観的な汚染の事実が消えてなくなるわけではないということです。科学的には、半減期をすぎれば低減していくというだけで、客観的な放射能汚染の事実が今なお厳然と存在し、同時に、私たち原発事故による被害者は、国策によって稼働していた原発の事故によって苦痛を受け続けながら存在しているのです。
 目には見えないのを良いことに、放射線被ばくの問題から目をそらし、なかったことにする、もしくは、終わったことにすることは、不誠実かつ欺瞞に満ちています。「被ばくしたくない」、「健やかに平穏に暮らしたい」という、人としてあたりまえの暮らしそのものが奪われ続けているという被害事実は今もあるのです。
 なぜ、被ばくから身を護るための保護も救済もないまま11年間、私たちは放置されなければならないのでしょうか。
 なぜ、被ばく情報を直後も知らせてもらえず、今なお、私たち周辺に暮らしていた人々は、一体どれくらい被ばくしたかも知らされず、被害もなかったことにされなければならないのでしょうか。
 なぜ、将来にわたり、生涯積算被ばく量を自分でコントロールできないのでしょうか。

 放射能をばらまいておいて、無主物だとか、原状回復できないだとか、多くの人が我慢してそこに住んでいるからだとかは全く理由になりません。
 誰しも、無用な被ばくを本人の意思に反して強いられる根拠はありません。
 この問題は、人の生命・健康にかかわる基本的人権の問題なのです。
 そして、人間の尊厳に関わる問題であると私は思っています。
 この裁判を通して、核被害の脅威にさらされた時、被ばくを強いる側に立つのか、それとも被ばくから人々の命と健康を守る側に立つのか、司法がどちら側に立つのかが、明らかになります。
 被ばくするかしないかは「私が決める」、無用な被ばくを強いられることに対しては一歩も引かない、というのが私の今の思いです。
 被ばくにもっとも脆弱な子どもたちが守られる社会を実現するため、今こそ裁判所の役割を果たしてほしいと思います。そして、司法のあるべき姿を次世代に見せてほしいと私は願っています。
 この裁判で、国の責任がみとめられ、その上で、被害実態に見合った損害が認定され、人としての尊厳が、これ以上踏みにじられることのない公正な判断がなされることを、心から期待しています。
 私は、放射線被ばくから免れ、命を守る行為が原則であり、それを社会の共通認識にすべきと考えます。
 裁判長、人の命や健康よりも大切にされなければならないものはあるのでしょうか。
                                          以上
(引用終わり)


(弁護士・金原徹雄のブログから/森松明希子さん関連)

2013年9月1日 
8/31シンポ「区域外避難者は今 放射能汚染に安全の境はありますか」(大阪弁護士会)に参加して 
2013年12月21日 
森松明希子さんが語る原発避難者の思い(12/19大阪市立大学にて) 
2014年2月8日 
母子避難者の思いを通して考える「いのち」(「母と女性教職員の会」に参加して) 
2014年9月12日 
原発賠償関西訴訟と森松明希子さん『母子避難、福島から大阪へ』 
2014年9月16日 
9/18原発賠償関西訴訟第1回口頭弁論に注目を!~原告団代表・森松明希子さん語る 
2014年11月29日 
東日本大震災避難者の会「Thanks & Dream」(略称「サンドリ」)の活動に期待します 
2015年4月11日 
原発賠償関西訴訟(第1回、第2回)を模擬法廷・報告会の動画で振り返る(付・森松明希子原告団代表が陳述した意見) 
2015年10月30日 
「避難の権利」を求める全国避難者の会が設立されました 
2015年12月1日 
11/23世界核被害者フォーラム「広島宣言」&「世界核被害者の権利憲章要綱草案」(付・森松明希子さんの会場発言「避難の権利と平和的生存権」) 
2015年12月14日 
避難者の声を届けたい~森松明希子さんのお話@12/13東京都文京区(放射線被ばくを学習する会) 
2016年1月11日 
「避難者あるある五七五」東日本大震災避難者の会Thanks&Dream(サンドリ))の挑戦~五七五だから語れる避難者の思い 
2016年9月17日 
UPLAN【原発事故避難者インタビュー】に注目しよう~まずは松本徳子さんと森松明希子さん 
2016年11月30日 
「避難の権利」を訴える総理大臣と福島県知事への手紙~森松明希子さんから 
2017年3月5日 
『3.11避難者の声~当事者自身がアーカイブ~』(東日本大震災避難者の会Thanks&Dream(サンドリ))を是非お読みください 
2017年9月19日 
「ともに生きる未来を!さようなら原発さようなら戦争全国集会」(2017年9月18日@代々木公園)の動画を視聴する 
2017年9月20日 
平和のうちに生きる権利を求めて~森松明希子さんの「ともに生きる未来を!さようなら原発さようなら戦争全国集会」(2017年9月18日@代々木公園)での訴え 
2018年3月9日 
院内勉強会「国連人権理事会、福島原発事故関連の勧告の意義とは?」を視聴し、3/16国連人権理事会での森松明希子さんのスピーチに声援を送る 
2018年3月21日 
国連人権理事会での森松明希子さんのスピーチ紹介~付・4か国からのUPR福島勧告と日本政府による返答 
2018年5月29日 
森松明希子さんらによる「国連人権理事会発言者による報告会~東電福島原発事故と私たちの人権~」(2018年5月27日@スペースたんぽぽ)を視聴する 
2018年7月5日 
院内勉強会「国連人権理事会に福島原発事故被災者が参加~国連国内避難民に関する指導原則を政策に生かす~」(2018年7月4日)を視聴する 
2018年7月12日 
森松明希子さん「原発事故による被ばくからの自由・避難の権利とは」(2018年8月26日@和歌山ビッグ愛)へのお誘い 
2018年8月26日 
森松明希子さん 和歌山で語る! 
2018年10月31日 
三たび「避難の権利」を訴える総理大臣と福島県知事への手紙~森松明希子さんから 
2020年8月2日
原発賠償関西訴訟での森松明希子さんの3回目の意見陳述(2020730日)を読んでください

放送大学和歌山学習センターで久々の面接授業「高野山とその文学」(下西忠高野山大学名誉教授)を受講して

 202258日配信(予定)の「メルマガ金原No.3518」を転載します。
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放送大学和歌山学習センターで久々の面接授業「高野山とその文学」(下西忠高野山大学名誉教授)を受講して

 昨日・今日(5/78)の2日間、放送大学和歌山学習センターで、実に久しぶりの(コロナ禍発生以後初めての面接授業「高野山とその文学」を受講してきました。
 講師は下西忠高野山大学名誉教授であり、私が和歌山学習センターで下西先生の授業を受講するのはたしか4回目となります(前3回のテーマは「御詠歌」「中世説話文学」「中世紀行文学」でした)。

 講義の冒頭で下西先生から、今回の放送大学和歌山学習センターでの面接授業を最後に、長年の教員生活にピリオドを打つつもり(つまり、5月8日の面接授業2日目が実質的な最終講義)というお話をうかがいました。講演については、既に引き受けている分はまだ残っているものの、やはり年内には打ち止めにするつもりとか。
 高野山大学での正式な最終講義は既に何年か前に実施済みのはずですが、コロナ禍のために制限された(和歌山県外からの受講申込みは断ったそうです)わずか7人の受講生に対する2日間の面接授業が事実上の最終講義となりました。
 もちろん、研究活動、執筆活動は続けていかれるのでしょうが、もう面接授業を受講する機会もなくなり、とても寂しい限りです。

 私にとって、2017年5月13日・14日の両日、下西先生による「中世の紀行文学(東関紀行)を鑑賞する」の受講をきっかけに、「山部赤人はどこから富士を眺めたのか?~名歌「田子の浦ゆ・・・」を解釈する」という、我ながら気合い十分の「古典文学解釈」に挑んだブログを書けたことが懐かしい思い出です。

 昨日・今日の講義の内容を、受講していない方に説明するのは私には荷が重過ぎますので、面接授業の最後で、下西先生が7人の受講者に語りかけられたポイントを、私が書き取った講義メモから抜き出してご紹介します。

・古典文学は、ただ単に昔書かれたというだけではなく、常に「今」に通じるものがあるからこそ「古典」となる。
・今、文学を取り巻く状況はとても厳しいが、文学と共に生活し、文学の素晴らしさを是非体感していただきたい。
・文学を読む際には、出来れば自分なりの「解釈」を試みていただきたい。その際、「解釈は作者と読者による合作」という外山滋比古の言葉をご紹介しておく。是非「良い解釈」を!

 上でご紹介した2017年のブログは、下西先生から教えられたことの実践例だったのだな、ということにあらためて気付きました。
 あのような「解釈」に挑む機会が今後どれだけあるかは分かりませんが、下西先生の教えを忘れず、文学に接していければと思います。 

「日本国憲法施行75年 5・3憲法記念日宣伝行動inわかやま」に参加して

 202253日配信(予定)の「メルマガ金原No.3517」を転載します。
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「日本国憲法施行75年 5・3憲法記念日宣伝行動inわかやま」に参加して

 日本国憲法が施行されて75年目となる5月3日、11時30分から約1時間、JR和歌山駅前(西口)において、県下3団体(憲法9条を守る和歌山弁護士の会、戦争をさせない和歌山委員会、憲法九条を守るわかやま県民の会)が呼びかける「5・3憲法記念日宣伝行動inわかやま」が行われました。
 宣伝行動の中身は、参加者が手に手に持ったプラカードや横断幕などによるスタンディングアピール、呼びかけ団体メンバーによるマイクでのアピール(リレートーク)、うたごえ9条の会メンバー(?)らと一緒に2曲ほど、といったところでした。

 この宣伝行動の事務局は、和歌山県地方労働組合評議会(県地評)と和歌山県平和フォーラムが担当していたこともあり、呼びかけ団体の一員とはいえ、私は開始時刻のぎりぎりに駅前に着いたのですが、そこでいきなりワープロ打ちの進行表のようなものを見せられ、「金原さんのスピーチは3番目なのでよろしく」と言われて驚きました。
 「憲法9条を守る和歌山弁護士の会」からは、浅野事務局長が参加予定でしたから、浅野さんがスピーチするのは当然と思っていましたが、私は「行けたら行く」としか言っておらず、誰からも事前に「スピーチをよろしく」という予告などされていませんでしたからね。

 とりあえず、今日の進行を振り返っておきます。

スピーチ1 浅野喜彦さん(憲法9条を守る和歌山弁護士の会・事務局長)
スピーチ2 坂本文博さん(憲法九条を守るわかやま県民の会・代表運営委員)
スピーチ3 金原徹雄(憲法9条を守る和歌山弁護士の会)
スピーチ4 裏野勝也さん(戦争をさせない和歌山委員会、和歌山県平和フォーラム代表)
うたごえ(2曲)「ウクライナの空に」(“We shall overcome”のメロディーで)ほか新作1
スピーチ5 琴浦龍彦さん(憲法九条を守るわかやま県民の会、和歌山県地評議長)

 憲法記念日に様々な団体が共同で和歌山駅前で取組を行うようになったのはいつからか、ご存知でしょうか?
 ちょうど取材に来ていた読売新聞の記者さんからこのような質問を受けた県地評の杉さんから助け船を求められ、とっさに2006年の憲法記念日に憲法9条を守る和歌山弁護士の会が呼びかけて街頭署名行動を行ったのが最初、と答えられたのは我ながら上出来でした。
 2014年の憲法記念日からは、和歌山城西の丸広場で「HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama」を開催するようになったので、私自身は憲法記念日に和歌山駅前に行くことはなくなりましたが、同年以降も、少数ながら別働隊が和歌山駅前での署名集めを中心とした宣伝行動を続けていました。
 その「HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama」もコロナ禍の影響などから2020年以来中断しており、今のところ再開のめどは立っていません。

 そのような中、私としては実に久しぶりに憲法記念日に和歌山駅前まで足を運びました。振り返ってみると、この前5月3日にここに来たのは2013年のことで、その年は駅前での署名行動の後、第1回「憲法9条を守り生かそう わかやまアピール行進」を実施したのでした。
 私が書いたブログを読み返してみると、当時90歳であった故・月山桂先生が元気に先頭を歩いてくださったことなども思い出されて感慨一入です。
 ちなみに、その翌年からは西の丸広場でイベントを開くことになったため、このデモの第2回は今までのところ行われていませんが、その精神は2014年6月以来毎月実施している「憲法の破壊を許さないランチTIMEデモ」に受け継がれています。

 ところで、私は何をスピーチしたかを書いてこの稿を終えたいと思います。
 11時半に和歌山駅前に着いて「3番目」のスピーチを頼まれてすぐにネタ探しを始め、今最も気になっている、4月26日に自民党安全保障調査会が公表した「提言」から、特に「敵基地攻撃能力あらため反撃能力」の保持と、防衛予算倍増計画の2点に絞ってお話ししようと決めました。
 ところが、私のすぐ前でお話しされた坂本文博さんが、この2つの論点についてもしっかり話されてしまったため、私の急遽立てた計画はあえなく頓挫してしまい、あれこれ考える間もなく、マイクを手に持たざるを得なくなりました。
 そこで咄嗟にお話ししたのは、やはり私の中でとても気になっていた問題でした。

 それは、4月28日に行われた半田滋さん講演会(主催:青年法律家協会和歌山支部)の質疑応答で発言された1人の女性の質問についてです。正確に再現は出来ませんが、その方の質問は大要以下のようなものでした。

・私はこれまで9条は守らなければいけないと思ってきました。
・けれども、ウクライナで戦争が始まり、連日の報道などを見聞きするにつけ、本当にこのままで良いのだろうかと心配で心配で夜も寝られないほどです。
・どう考えたら良いのでしょうか?

 この質問に対する半田さんの答えは、(これまた正確な再現ではありませんが)「戦争するための意思と能力がない限り、戦争は絶対に起こりません。日本を取り巻く中国、北朝鮮、ロシアには日本に侵攻する理由がありませんから、安心しておやすみください(※金原注:もっとも、日本が米軍と一体化して武力行使に至れば話は別という含意あり)」というものでした。時間の限られた質疑応答の中ではこれ以上の答えは無理だったでしょう。
 ただし、それでこの女性が得心できたかどうかは別問題であり、本来なら、その不安について真摯に耳を傾けながら対話する時間が必要なのだろうと思います。
 もちろん、いかに対話しても、考えの溝が埋まらない可能性は十分にありますが、9条を守ることに不安を感じる人との真摯な対話の機会をどのように確保していくかが、今後の運動にとってとても大事なことだと思います。

 概要、以上のようなことを話そうとしたのですが、とっさの思いつきで話し始めたことですし、他のスピーカーのお話とは全然方向が異なる内容なので、どれだけ伝わったか自信はありません。そこで、一文を書き留めておこうと思った次第です。

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自民党・安全保障調査会の「提言」に注目してください

 202252日配信(予定)の「メルマガ金原No.3516」を転載します。
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自民党・安全保障調査会の「提言」に注目してください


 去る4月28日にプラザホープで開催した半田滋さん講演会(主催:青年法律家協会和歌山支部)に足をお運びいただいた皆さまにお礼申し上げます。

 講演会終了後、講師を囲む懇親会に参加したのですが(時節柄参加者1ケタ台でした)、会場がイタ飯屋風居酒屋(?)で、その日の客層は相当若く(我々はやや場違いな雰囲気)、しかも普通に会話していたのではお互いに聞き取りに苦労するほど周りがやかましく、さんざんコロナ対策に気を遣った講演会が終わった後、「飛沫感染などどこの世界のことか」という3年前に舞い戻ったかのような店内に身を置き、いささか呆然とした気分でした。

 まあ、それはさておき、講演の中で半田さんも言及されていましたが、自民党政務調査会安全保障調査会が、「新たな国家安全保障戦略等の策定に向けた提言~より深刻化する国際情勢下におけるわが国及び国際社会の平和と安全を確保するための防衛力の抜本的強化の実現に向けて~」という長ったらしいタイトルの提言をとりまとめ4月27日に岸田総理に提出しました。

 これは、12月までの改定を目指すと岸田総理が公言している安全保障関連の基本3文書「防衛計画の大綱」「中期防衛力整備計画」「国家安全保障戦略」について、改定の方針についての「提言」(表題を変えろとまで書いています)をまとめたものです。
「提言」PDFファイル

 全部で16ページもあるので、いささか億劫かもしれませんが、政府がこれを丸呑みする可能性も否定できず、是非目を通しておくべきかと思いますので情報共有しました。

 なお、この提言についての半田滋さんによる解説がネットで読めます。
 また、デモクラTVでの解説も視聴できます。


 提言は多岐にわたりますが、特に注目されている箇所を指摘すると、
●「防衛費関係」(4ページ以下)
●「弾道ミサイル攻撃を含むわが国への武力攻撃に対する反撃能力の保有」(9ページ以下)
など
どでしょうか。

 ちなみに、「専守防衛」という項目もありますが(10ページ)、わずかに本文6行だけであり、しかも説明するだけで「守る」とも「重要」とも何とも言っていません。
 また、その(後段の)説明自体、従来の政府解釈の域を超え、勝手に拡大しているそうです(和歌山駅から会場までお送りする車の中で伺った半田滋さんのご意見)。
 以下、16ページに及ぶ自民党「提言」中の「専守防衛」の項を全文引用してみましょう。

(引用開始)
専守防衛
 専守防衛とは、相手から武力攻撃を受けたときにはじめて防衛力を行使し、その態様も自衛のための必要最小限度にとどめ、また、保持する防衛力も自衛のための必要最小限のものに限るなど、憲法の精神に則った受動的な防衛戦略の姿勢をいう。
 ここで言う必要最小限度の自衛力の具体的な限度は、その時々の国際情勢や科学技術等の諸条件を考慮し、決せられるものである。
(引用終わり)

 最後に、私もこの「提言」をまだ十分には読み込めておらず、流し読みしただけですが、最も気になったというか、注意をひかれた点を指摘しておきます。
●「わが国を取り巻く安全保障環境は加速度的に厳しさを増している」(1ページ)という表現があちこちにばらまかれています。2014年の安保法制懇の報告書以来、このフレーズは聞き飽きました。日本語の通常の用法に従って理解すれば、日本はとっくに「滅亡」していなければおかしいくらいです。
●「日本は、国家の独立、国民の生命と財産、領土・領海・領空の主権、自由・民主主義・人権といった基本的な価値観を守り抜いていくために」(1ページ)、「わが国の独立と平和を守り抜く上で真に必要な防衛関係費を積み上げて」(5ページ)など、「守って」とか「守る」とすれば意味が通じるにもかかわらず、「守り抜いて」とか「守り抜く」というより扇情的な用語を使っている文章に出会ったら(安倍晋三元首相のスピーチに「守り抜く」は頻出していました)、よほど警戒する必要のある内容なのだと理解すべきです。

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2022/4/13 第94回ランチTIMEデモに60人の市民が参加

 2022年4月13日配信(予定)の「メルマガ金原No.3515を転載します。
 ※Facebookにも同内容で掲載しています。

2022/4/13 第94回ランチTIMEデモに60人の市民が参加

 昨日告知した際、本文には正しく4月13日(水)に実施すると記載した第94回「憲法の破壊を許さないランチTIMEデモ」(呼びかけ:憲法9条を守る和歌山弁護士の会)、投稿の件名だけ「4/14」と誤った表記になっていて失礼しました。おそらく、先月のランチTIMEデモが「14日」だったので、ついそれに引きずられたのでしょう。よもや明日市役所前に出かける人はいないと思いますが、周りに誤解している方がいる場合には注意していただければ幸いです。

 朝方は小雨模様で心配しましたが、デモの時間には雨もあがり、春と言うよりは初夏の暖かさで、スーツを着てきた私など、汗だくになっての行進でした。
 なお、昨日の新型コロナウイルス感染症の新規感染者数が384名にも及んだという事態に鑑み、今日は「完全サイレントデモ」として実施しました。
 出発前に、本来ならコーラー役であった森亮介弁護士から、感染防止のために「シュプレヒコールは行わない」「行進中もマスク着用をお願いする」ことなどの注意が行われた後、ウクライナ情勢に言及した上で、「こんな時こそ9条の意義を再認識しながらゴールまで歩きましょう」という呼びかけがなされ、デモに出発しました。
 行進中は全くコールは行われず、先頭で横断幕を持った3人の弁護士(由良登信さん、戸村祥子さんと私)も、ペースがつかみづらく、ついつい早足になってしまって後続に呼び止められる有様でした。ただ、途中に森弁護士から、沿道に向かい、「2014年6月23日に、集団的自衛権の行使を容認するという憲法違反の閣議決定を阻止しなければと考えた市民が集まってこのデモを始め、以後毎月欠かさず実施して、今日が94回目となる」ということがアピールされました。
 今日は、天候が回復したおかげもあったのか、60人の市民が参加してくださいました。
 中には、4月9日(土)に行われた「守ろう9条 紀の川 市民の会」第18回総会に参加してくださった方もいて、嬉しいことに、その際の記念講演の最後で清水雅彦日体大教授が言われたこと、「1人で参加するのではなく必ず誰かを誘って参加しましょう」を早速実践し、今まで私たちのデモに参加したことのなかったお友達を誘って参加してくれていたのはとても嬉しかったですね。
 他の参加者の皆さんも、デモ未経験者(あるいは最近遠去かっていた方)へのお声がけを何卒よろしくお願いします。

 ところで、最前列で「憲法9条を守る和歌山弁護士の会」の横断幕を持って歩いた3人による歩きながらの雑談の中で、「今年の10月で100回目のランチTIMEデモになるけれど」ということが話題となり、私から「100回目だから“目標100人!”として参加者に何か記念品をプレゼントしては?」というアイデアを出したりしました。例えば、缶バッジなどなら、100個、200個発注しても、それほど大層な費用はかかりませんしね。
 もっとも、デモ終了後の帰り際、事務局長の浅野喜彦弁護士にその話をしたところ、間髪入れず「“目標100人”では少な過ぎるでしょう!」という頼もしいリアクションが返ってきました。
 これから呼びかけ団体内部で検討することですが(今から「記念品」をお約束する訳にもいきませんが)、今年10月(日程未定)のランチTIMEデモ、是非とも周囲を巻き込んだ記念すべきデモとなるよう、ご協力をよろしくお願いします。

 次回(第95回)は「5月16日(月)」に実施します。コーラー役は、今日最前列中央で横断幕を持って行進した(実は、94回目にして、最前列で横断幕を持った最初の女性弁護士かもしれない)戸村祥子さんの予定です。正午和歌山市役所前に集合、12時20分にスタートして京橋プロムナードまでです。
 ご参加、よろしくお願い致します。

※写真は浅野喜彦弁護士撮影です(私は横断幕係で撮れなかった)。
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「守ろう9条 紀の川 市民の会」第18回総会と清水雅彦日本体育大学教授による記念講演「岸田政権が狙う改憲をめぐる情勢と私たちの課題」

 2022410日配信(予定)のメルマガ金原No.3514を転載します。

「守ろう9条 紀の川 市民の会」第18回総会と清水雅彦日本体育大学教授による記念講演「岸田政権が狙う改憲をめぐる情勢と私たちの課題」

 昨日(2022年4月9日・土曜日)、私も運営委員に名前を連ねる「守ろう9条 紀の川 市民の会」(紀の川北岸に居住する和歌山市民で構成/3月末時点の会員数576名)の第18回総会が、和歌山市河北コミュニティセンター2階多目的ホールで開かれました。

DSCN5805 (2) 当会は、概ね春に総会、秋(可能な限り11月3日)に憲法フェスタを開催することとし、これまでのところ、2020年の春の総会がコロナ禍のために中止となったのを唯一の例外とし、毎年開催を続けてきました。

 近年は、総会、憲法フェスタとも、憲法研究者の皆さんに記念講演をお願いするのを例としており、今年は、日本体育大学(「にほんたいいくだいがく」ではなく「にっぽんたいいくだいがく」と発音するのが正しいと昨日初めて知りました)教授の清水雅彦さんに、「岸田政権が狙う改憲をめぐる情勢と私たちの課題」と題してご講演いただきました。

 以下に、当会で講演していただいた憲法研究者のお名前をご紹介しておきます。

2012年 憲法フェスタ 吉田栄司関西大学教授
2014年 総会 森英樹名古屋大学名誉教授 ※2020年4月 ご逝去
2014年 憲法フェスタ 清水雅彦日本体育大学教授
2015年 憲法フェスタ 高作正博関西大学教授
2016年 総会 石埼 学龍谷大学教授
2017年 総会 植松健一立命館大学教授
2017年 憲法フェスタ 本 秀紀名古屋大学大学院教授
2018年 総会 三宅裕一郎三重短期大学教授 ※現・日本福祉大学教授
2018年 憲法フェスタ 飯島滋明名古屋学院大学教授
2019年 総会 長峯信彦愛知大学教授
2019年 憲法フェスタ 長岡徹関西学院大学教授
2020年 憲法フェスタ 君島東彦立命館大学教授
2021年 総会 上脇博之神戸学院大学教授(オンライン講演)
2021年 憲法フェスタ 多田一路立命館大学教授

 上記一覧でお分かりのとおり、清水雅彦さんは,2014年憲法フェスタでの記念講演「ちょっと待った!集団的自衛権~日本を戦争する国にさせない~」に続いて2度目のご登壇でした。
 この間の経緯については、私が書いた以下のブログなどをご参照いただければと思います。

2014年11月8日 
『脱走兵』が日本の現実とならないように~11/8守ろう9条紀の川市民の会「第11回 憲法フェスタ」 

2022年2月12日 
2022/4/9(土)清水雅彦氏講演会~「守ろう9条紀の川 市民の会」第18回総会記念講演~のお知らせ 

 以下にレジュメの見出しから大項目と中項目を引用します。これを一読していただければ、清水教授のご講演の概要を推測していただけるのではないかと思います。

(引用開始)
一 緊急事態条項論の内容と問題点
 1 自民党の「日本国憲法改正草案」(2012427日)第9章緊急事態
 2 自民党の4項目改憲案の緊急事態条項(20183月)
 3 国家緊急権を容認する事例
  4 日本国憲法の場合
 5 まとめ
二 「敵基地攻撃論」の内容と問題点
 1 経緯
 2 政府の基本的立場(『令和3年版 防衛白書』より)
 3 私の立場からの検討
 4 従来の政府の立場からの検討
三 ロシアによるウクライナ侵攻の問題点と日本における改憲論との関係
 1 国連憲章との関係
 2 その他協定・条約との関係
 3 日本における改憲論との関係
四 9条改憲論の内容と問題点
 1 従来の9条改憲案
 2 自民党の4項目改憲案の9条「加憲」論(20183月)
 3 憲法の平和主義の意義
五 その他4項目改憲案・政党改憲案の内容と問題点
 1 合区解消・地方公共団体について
 2 教育充実について
 3 維新の会・国民民主党の改憲案
六 この間の運動を振り返り、今後の運動を考える
 1 必要なのは正確には「市民と野党の共闘」ではなく「労組と市民と野党の共闘」
 2 労組と市民の運動の土台ができたことで野党共闘へ
七 この間の選挙を振り返り、今年の参議院選挙を考える
 1 2016年参議院選挙の結果・課題
 2 2017年衆議院選挙の結果・課題
 3 2019年参議院選挙の結果・課題
 4 2021年衆議院選挙の結果・課題
おわりに
・最終目標としての憲法の全面改正~20124月の自民党「日本国憲法改正草案」の主な内容…国家主義、平和主義の変更、人権の制約、首相の権限強化、地方自治の後退、緊急事態条項
・参議院選挙前…改憲を発議させない(憲法改正手続法に問題があるため国民投票に持ち込ませない、国民投票で負けを意識させ発議を断念させる運動・世論作り)「労組と市民と野党の共闘」の発展、権力(政権)を取る運動へ
・個人の課題…自己満足で終わらない、若者に働きかける、自己規制・萎縮・忖度しない
(引用終わり)

DSCN5800 (2) 清水教授のレジュメは、小さなポイントで12ページにぎっしりと書かれており、最初にこれをメールでお送りいただいて一読した際には、「半分くらい端折らざるを得ないのでは」と思ったりしたのですが、実際の90分のご講演では、説明を省略された部分はごく一部にとどまり、しっかりと筋道を立て、今まさに問題となっている重要論点「緊急事態条項」「敵基地攻撃論」「ロシアによるウクライナ侵攻」「9条改憲論」についての憲法論的意味づけを明快に解き明かすと共に、講演の終盤では、運動論としての「労組と市民と野党の共闘」の重要性を強調されました。
 まさに、今最も必要とする知見をご提供いただけた講演会であったと思います。
 ただ、主催者の力不足により、参加者の数が伸びなかったばかりでなく、若い世代の参加がほとんど得られなかったことは、重大な反省点でした。
 実は、講師の清水さんからも、2014年の前回講演の最後でお話しされたことを振り返りながら、なかなか耳の痛い「要望」が語られました。
 その1つは、「講演会には1人で来るのではなく、必ず誰かを誘ってくるように」ということでしたが、もう1つは若い人をいかに誘い込むかということについてのアドバイスでした。2014年に清水さんが語られた内容を、当時書いた私のブログを引用しながら、あらためてご紹介しておきます。

(引用開始)
 なお、「どのように考え、行動するか」という提言の中で、いかにして若い人に運動に加わってもらうかという、どの団体にとっても切実な課題について、実に具体的なアドバイスがあり、非常に参考になりました。その2、3を標語風にご紹介します。
○今の若者は打たれ弱い。
○行事のあとには懇親会に誘え。そこで説教はするな。費用はこちらが負担する。
○金は出しても口出すな。
(引用終わり)

 なお、鉄道を趣味とする清水さんは、2014年の時に果たせなかった紀州鉄道(御坊市を走る全線わずか2.7㎞の私鉄)乗車と有田川鉄道公園見学のため、9日は和歌山市に宿泊されました。
 見学の模様は、撮影したフィルムの現像が出来上がり次第、ご自身のブログ(清水雅彦のブログ)に掲載予定だそうです。
 なお、昨日のご講演の模様は既に清水さんのブログに掲載済みです。

2020年4月10日
4月9日紀の川市民の会総会記念講演 

 さて、清水雅彦教授による記念講演の後は、「守ろう9条 紀の川 市民の会」の総会議事が行われたのですが、この部分については、私も引き続き運営委員に選任されたこと(何とか新しい人に入ってもらいたいものですが)をご報告するのと併せ、総会議案書の中の「私たちを取り巻く情勢」のパート(私が分担執筆しました)を引用してご紹介しておきます。
 ただし、総会でもお話しましたが(まあ「愚痴」です)、情勢論・運動論を語っては日本の憲法研究者の中で右に出る者のない清水雅彦さんが詳しく講演された直後に情勢分析の報告を行うというのは、正直「勘弁して欲しい」ところでしたが、まあ役目柄仕方がないので議案書に基づき報告しました。
 とにかく、清水教授も強調されていたとおり、今夏の参院選が終わると、その先3年間は(解散がない限り)大きな国政選挙はない訳で、参院においても現在の衆院と同様、改憲派に2/3の議席保有を許せば、改憲派のやりたい放題を許しかねないという危機意識をもって参院選に臨むべきだろうとう思います。

「守ろう9条 紀の川 市民の会」2022年度 第18回総会 議案書
「Ⅱ.2022年度の活動方針」
1.【私たちを取り巻く情勢】
(引用開始)
(1)菅義偉首相の退陣と岸田文雄首相の誕生
 2020年9月、安倍晋三首相の突然の退陣表明により実施された自民党総裁選に勝利した菅義偉氏が第99代内閣総理大臣に就任したが、その1年後、自民党総裁選への再出馬を模索した菅首相が党内事情により出馬を断念し、岸田文雄氏が総裁選に勝利して第100代内閣総理大臣となった。
 岸田首相は、任期満了を待つことなく衆議院を解散し、2021年10月31日に総選挙が実施された結果、自民党は若干議席数を減らしたものの、単独での絶対安定多数は維持した。
(2)岸田文雄政権誕生後の改憲に向けた動き
①岸田首相の防衛問題・改憲問題についての発言
 2021年12月6日に召集された第207回国会(臨時会)における所信表明演説において、岸田首相は、「敵基地攻撃能力も含め、あらゆる選択肢を排除せず現実的に検討し、スピード感をもって防衛力を抜本的に強化し」「新たな国家安全保障戦略、防衛大綱、中期防衛力整備計画を、概ね一年をかけて、策定します」と防衛力の増強を強調するとともに、憲法改正について、「まず重要なことは、国会での議論です。与野党の枠を超え、国会において、積極的な議論が行われることを心から期待します」と述べた。
②衆議院憲法審査会での注目すべき動き
 国民民主党が、「野党幹事懇談会」から「与党及び協力会派連絡会」に鞍替えして参加することになった。日本維新の会は従来から与幹懇に参加していたが、第207回国会からは国民民主党もこちらに加わることになった。玉木代表は、立憲民主から声がかからなかったと会見で述べている。
③茂木敏充自民党幹事長の発言
 自民党の茂木幹事長は、2021年11月12日、読売新聞のインタビューに応じ、衆院選で憲法改正に前向きな日本維新の会や国民民主党が議席を伸ばしたことを踏まえ、改憲論議を加速し、緊急時に政府の権限を強化する「緊急事態条項」の創設を優先的に目指す方針を示した。
④自民党が憲法改正推進本部を憲法改正実現本部に改組
 自民党は、2021年11月19日に憲法改正推進本部を「憲法改正実現本部」に改め、12月7日の実現本部第1回会合において、実現本部の中に「憲法改正・国民運動委員会」を設置し、全国遊説や対話集会などの活動を精力的に進めていくこととなった。
(3)衆議院憲法審査会の動き
 1月17日に召集された第208回国会(常会)では、予算委員会での審議中は開催しないという近年の慣例を破り、2月10日以降、4週連続で毎週(木曜日)開催した上、3月3日には、憲法56条1項の「出席」の概念をめぐり、オンライン審議を可能とする「とりまとめ案」を賛成多数(共産党は反対)で採択するという、拙速かつ強引な審査会運営がなされており(3月16日付で憲法研究者有志による批判声明が出ている)、これまでの審議のあり方についての慣例を無視した動きが顕著となっており、警戒が必要と思われる。
(4)衆参両院の会派状況
[衆議院(2021年12月22日現在)]
   定数 465人
    欠員 0人
自由民主党             263人
立憲民主党・無所属         97人
日本維新の会             41人
公明党                 32人
国民民主党・無所属クラブ       11人
日本共産党                 10人
有志の会                  5人
れいわ新選組                 3人
無所属                    3人
※定数465人の2/3は310人
参議院(2022年3月20日現在)]
  定数 245人
  欠員   3人
自由民主党・国民の声        110人
立憲民主・社民              45人
公明党                    28人
国民民主党・新緑風会        16人
日本維新の会               15人
日本共産党                13人
沖縄の風                    2人
れいわ新選組                  2人
碧水会                      2人
みんなの党                   2人
各派に属しない議員             7人
※定数245人の2/3は163.3…(164)人
※現在総議員数242人の2/3は161.3…(162)人 
 衆議院では、従来から憲法審査会「与党及び協力会派連絡会」に加わっていた自民党(263)、公明党(32)、維新(41)の3党だけで、優に総議員の2/3以上を占めている。
 これに対し、参議院では、
  自民党(110)+公明党(28)+維新(15)=153
であり、これにみんなの党や無所属から改憲に賛成しそうな議員を加えたとしても、ぎりぎり総議員の2/3(162)に届くのは難しい。
 こういう状況であれば、国民民主党の「16議席」がどちらに付くかで結論(改憲発議ができるか否か)が異なる可能性が出てくるので、まさに同党がキャスティングボードを握る状況が出現しないとも限らない(とりあえず今夏の参院選挙までではあるが)。
 自衛隊明記や緊急事態条項などを内容とする改憲を阻止したいと考える勢力にとって、わざわざ国民民主党を今以上に改憲派の側に押しやる愚は避けるべきとはいえ、当面次の参院選挙における立憲民主党と日本共産党の獲得議席数がどうなるかがポイントとならざるを得ないことも事実だろう。
(引用終わり)

4/28 青法協和歌山支部 憲法を考える夕べ 「敵基地攻撃と日米一体化-踏み越える専守防衛-」 講師:半田 滋氏(防衛ジャーナリスト)/於プラザホープ/定員120名(要予約)

 2022年4月4日配信(予定)のメルマガ金原No.3513を転載します。
 Facebookにも同内容で投稿しています。

4/28 青法協和歌山支部 憲法を考える夕べ 「敵基地攻撃と日米一体化-踏み越える専守防衛-」 講師:半田 滋氏(防衛ジャーナリスト)/於プラザホープ/定員120名(要予約)

 ご案内が遅くなりましたが、恒例の青年法律家協会和歌山支部主催による「憲法記念の夕べ」、今年は4月28日(木)、防衛ジャーナリストの半田滋さんをお招きし、「敵基地攻撃と日米一体化-踏み越える専守防衛-」と題してご講演いただきます(半田さんは2014年に続いて2回目の当支部でのご講演です)。この青法協の恒例行事、一昨年、昨年と2年連続で志田陽子先生(武蔵野美術大学教授)によるリアル講演会が(コロナ感染拡大を承けて)中止となり、昨年、代替措置として、志田先生に講演内容を収録いただいた動画をYouTubeで公開するという新しい試みを行いましたが、今年は(今のところ)3年ぶりのリアル講演会をプラザホープで開催すべく準備しています。
 ただし、オミクロン株による感染者数が再び増加傾向を見せるなど、予断を許さぬ状況であることに配慮し、定員120名(事前予約制)とさせていただきます。
 予約申込方法(FAXまたは電話)は以下のチラシ記載情報をご参照ください(申込締切:4月26日)。
 諸般の事情からチラシの作成が遅れたため、SNSを利用した広報を主体に広めていく必要がありますので、何卒本投稿をシェアするなどして、拡散にご協力いただけると幸いです。

〈チラシ表面〉
青法協憲法記念行事 憲法を考える夕べ
敵基地攻撃と日米一体化-踏み越える専守防衛-
講師 半 田   滋 
    防衛ジャーナリスト
SHIGERU HANDA
1955年(昭和30)年生まれ。防衛ジャーナリスト。元東京新聞論説兼編集委員。獨協大学非常勤講師。法政大学兼任講師。92年より防衛庁取材を担当している。2007年、東京新聞・中日新聞連載の「新防人考」で第13回平和・協同ジャーナリスト基金賞(大賞)を受賞。

 2021年10月に就任した岸田文雄首相は、敵基地攻撃能力をも排除せずに防衛力を強化し、国家安全保障戦略、防衛大綱、中期防衛力整備計画の3点セットを今年12月をめどに策定すると明言しています。台湾有事をにらんだ日米一体化とともに、日本の防衛問題の「今」を明快に解き明かします。

2022年4月28日(木)
開場:午後5時30分 開演:午後6時00分
和歌山県勤労福祉会館プラザホープ 4階ホール
  和歌山市北出島1丁目5番47号

入場無料
定員120名(先着順)・事前申込みが必要です(詳細は裏面をご覧ください)

新型コロナウイルス感染症の状況次第では中止となる可能性があります。
当日はマスクの着用をお願いします。会場での検温にご協力ください。
37.5℃以上の熱がある方、その他体調不良の方は参加をご遠慮ください。

主催 青年法律家協会和歌山支部
お問合せ先 和歌山市六番丁24 ニッセイ和歌山ビル11階
        TEL 073-433-3980  FAX 073-433-3981
        あすか綜合法律事務所(弁護士 重藤雅之)

〈チラシ裏面〉
青法協憲法記念行事 憲法を考える夕べ
2022年4月28日(木)
開場▶午後5時30分
開演▶午後6時00分

【会場】
和歌山県勤労福祉会館 プラザホープ 4階ホール

講演
敵基地攻撃と日米一体化-踏み越える専守防衛-
【講師】
 半田 滋 氏(防衛ジャーナリスト)

 青年法律家協会和歌山支部では、憲法の理念について市民の皆様と一緒に考える場として、憲法記念講演会を1984年から毎年開催してまいりました。ところが、新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延という事態のため、一昨年、昨年と2年続けて、講師においでいただく講演会は中止のやむなきに至りましたので、今年は3年ぶりに講師においでいただいての開催となります。
 講師の半田滋氏には、2014年にも「集団的自衛権のトリックと安倍改憲」というテーマでご講演いただいていますが、防衛ジャーナリストの第一人者として、明快で具体的なお話には定評があり、今回も必ずや有益なお話をうかがえるものと確信しています。
 新型コロナウイルス感染症の完全な収束までにはまだ多くの時間を要すると思われますので、開催にあたっては、下記のとおり万全の感染防止対策を講じたいと考えておりますので、何卒ご協力をよろしくお願いします。

●密を避けるため120名を定員とし、完全事前申込制とさせていただきます。
●当日はマスクの着用をお願いします。
●37.5℃以上の熱がある方、その他体調不良の方は参加をご遠慮ください。
●会場での検温にご協力ください。

「青法協憲法記念行事 憲法を考える夕べ」参加申込書

下の申込書に、参加を希望される方全員のご氏名・ご住所・電話番号を記入の上、FAXにてお申し込みください。【1枚で3名様までお申込みいただけます】
申込締切:4月26日(火)
お申込受付は先着順とし、定員に達し次第締め切ります。

※FAXを利用する便宜のない方は、電話で申し込んでいただいても結構です。(ご氏名・ご住所・電話番号をお聞きいたします)
※万一参加者の中から新型コロナウイルス感染者が出た場合、ご記入いただいた情報を保健所等関係する公的機関に提供することがあります。予めご了承ください。

FAX 073-433-3981
あすか綜合法律事務所(弁護士 重藤雅之) 073-433-3980

憲法を考える夕べ2022_最終omote憲法を考える夕べ2022_最終ura

追悼 宝田明さん

 2022318日配信(予定)のメルマガ金原No.3512を転載します。
 Facebookにも同内容で投稿しています。

追悼 宝田明さん

 俳優の宝田明さんが急逝されたという報道に接し、多くの方が大きな衝撃と悲しみに見舞われたことと思いますが、私もその1人です。
 私が宝田さんと直接お会いできたのは一度きりですが、その時の写真を何とか探し出しましたのでご紹介します。私が撮影したものではないのですが(災害NGO結の前原土武さん撮影/当日手伝いに来ていただいていた)、おそらくご了解いただけるものと判断して掲載します。
 この写真は、2019年8月25日(日)に(今は閉館した)和歌山市民会館小ホールで開催された「ゴジラ」第1作(1954年)デジタルリマスター版上映と主演俳優・宝田明さんの講演(ゴジラ 和歌山上陸!宝田明さんと考える「平和」~これまでとこれからと~)終了後、主催した実行委員会(和歌山G&Tプロジェクト)や9条ネットわかやまのメンバー、それにお手伝いにかけつけてくれた仲間たちが、「やり遂げた」という充実感の中、宝田明さんと記念写真を撮らせていただいたものです。みんな「いい顔」していますよね。

 このイベントを事前告知した私のブログ(8/25ゴジラ 和歌山上陸!~映画『ゴジラ』第1作(1954年)デジタルリマスター版の上映と主演俳優宝田明さんの講演(和歌山市民会館小ホール)のご案内/2019年7月3日)はこちら。
 わかやま新報の報道を紹介しつつ、開催に至った経緯を私が補足説明したFacebookへの投稿はこちら。

 私自身、主催者の一員として、事前告知には相当頑張った企画でしたが、終了後の報告ブログは書いておらず、Facebookへの事後投稿も上にご紹介したもの位です。
 その理由は、
・その年の1月、体調不良で入院したことを契機として、6年間続けていた「ブログ毎日更新」が途絶えたこと
・本番の充実感が半端なく、いわゆる「燃え尽き症候群」に陥ったこと
・私は会計担当だったのですが、かなり大きな規模の企画であり(「ゴジラ」第1作はまだ著作権が切れていないので東宝に上映権料を払わねばならないとか)、赤字となるかどうかぎりぎりの線だったので、最終的な収支が確定するまで気が休まらなかったこと(相当なカンパがあったことで赤字は免れました)

などでした。

 この企画の発案者であり、和歌山G&Tプロジェクトの中心メンバーとして宝田明さんの事務所との連絡役となり、当日は宝田さんからお話を引き出す聴き手の重責を担った(他にも秘蔵のゴジラ・コレクションを展示用に提供した)伊藤宏先生(和歌山信愛女子短期大学教授/現副学長)こそ、企画終了後「真っ白な灰」状態になったはずです。

 私も、有志で実行委員会を作り、企画の実現に関わった経験はいくつかありますが、「ゴジラ 和歌山上陸!宝田明さんと考える「平和」~これまでとこれからと~」ほど、充実した経験ができた企画はありません。
 企画の中心である宝田さんの「平和」への熱い思いを共有しながら、実に多くの方々の協力を得て成功させられた企画でした。

 主演作『世の中にたえて桜のなかりせば』の公開を間近に控えての急逝でした。まだまだ多くの作品に出演していただきたかったという思いが胸に迫ります。宝田さん、どうか安らかに。

 最後に、映画製作委員会と所属事務所が公開したリリースを引用します。

(引用開始)
俳優 宝田 明(たからだあきら 87)が、2022314()午前031分、肺炎のため都内病院で急逝いたしました。
本作「世の中にたえて桜のなかりせば」で岩本蓮加(乃木坂46)と共に主演を務め、エグゼクティブプロデューサーも務めさせていただきました。
この映画は宝田が「桜」をモチーフに企画を温め、宝田の情熱で実現に至ったものです。
宝田は1954年東宝ニューフェース第6期生としてデビュー以来、映画や舞台、TVの第一線で活躍してまいりました。41日(金)公開の本作が遺作となります。
葬儀につきましては、ご遺族の意向により感染症禍を考慮し、近親者のみで執り行いました。
お知らせが遅くなりましたこと、心よりお詫び申し上げますとともに、故人が生前に賜りましたご厚誼に対し、熱く御礼申し上げます。

宝田明さんと (2)

2022/4/9(土)清水雅彦氏講演会~「守ろう9条 紀の川 市民の会」第18回総会記念講演~のお知らせ

 2022212日配信(予定)のメルマガ金原No.3511を転載します。

2022/4/9(土)清水雅彦氏講演会~「守ろう9条 紀の川 市民の会」第18回総会記念講演~のお知らせ

 2月5日から同月27日まで、和歌山県にも「まん延防止等重点措置」が適用され、連日、500人前後の新規感染者が発生するなど、新型コロナウイルス感染症をめぐる情勢は、まことに予断を許さぬ状況が続いています。
 そのような中でも、既に決定済みの企画の広報を始めなければならないタイミングとなりました。今回ご紹介する「守ろう9条 紀の川 市民の会」第18回総会の記念講演についても、企画が決定したのは昨年12月のことで、コロナ流行の第5波は全国的に収束し、和歌山でも長く新規感染者「0」が続いていた時期でした。

 今年の総会記念講演の講師をお引受けいただいた清水雅彦先生(日本体育大学教授・憲法学)には、実は、2014年11月8日に開催した憲法フェスタでも講演していただいておりますので、当会では2度目のご講演ということになります(当日の憲法フェスタの模様については以下の私のブログをご参照ください)。

2014年11月8日 
『脱走兵』が日本の現実とならないように~11/8守ろう9条紀の川市民の会「第11回 憲法フェスタ」 

 また、その際の清水先生のご講演「ちょっと待った!集団的自衛権~日本を戦争する国にさせない~」の概要は、会紙「九条の会・わかやま」に掲載された要約(3回分載)をお読みください。

会紙「九条の会・わかやま」第260号 
会紙「九条の会・わかやま」第261号 
会紙「九条の会・わかやま」第262号 

 ところで、「守ろう9条 紀の川 市民の会」が清水先生に「2度目の講演」をお願いしたのと時を同じくして、同時期に和歌山で開催される憲法関連の講演会でも、符節を合わせたように、「2度目の講演」が企画されていました。

2022年4月28日(木) 青年法律家協会和歌山支部
⇒半田滋氏(防衛ジャーナリスト) 2014年に続いての依頼 

2022年5月21日(土) 憲法九条を守るわかやま県民の会
⇒渡辺治氏(一橋大学名誉教授) 2018年に続いての依頼 

 ちょうど同じ時期に3つの団体がそれぞれかつて講演していただいたことのある講師に再度の講演依頼を行ったのはおそらく偶然ではないだろうと思います。私は、そのうちの2つの企画決定に関与していますが(紀の川市民の会と青法協)、2021年秋の岸田新政権の発足と衆院総選挙を承け、何とももどかしい閉塞感の中で、どうすれば今後の展望を切り開いていけるのか、その手がかりを得たいという切実な思い(少なくとも私はそうでした)から、かつてお願いした講師陣の中から、現時点で最も有益なお話をうかがえる方ということで、再度の講演をお願いすることにしたのではないかと思います。

 4月から5月にかけての以上の3つの講演会は、時期から考えて、内容的にかぶる点もあるかと思いますが、私としては、連続講演会として、できれば複数参加することにより、しっかりした自分なりの現状分析をするための得難い機会ととらえていただければと期待しています。

 それでは、以下に「守ろう9条 紀の川 市民の会」第18回総会のチラシ文字情報を転記しますが、4月にコロナ禍の状況がどうなっているのか、今から予想することは困難です。清水先生は、和歌山まで来られ、聴衆と直に対面しながら講演されることに大変意欲的ですが、状況によっては、来和せずにリモートでご講演いただき、その映像を河北コミセンのスクリーンで上映する(昨年の上脇博之先生の時と同じ方式)ことになる可能性もあります。なお、主催団体のスキルの関係から、ZOOMYouTube LIVEなどを利用したリモート参加方式は準備できませんので悪しからず。

(チラシの文字情報から引用開始)
守ろう9条 紀の川 市民の会 第18回 総会

 岸田政権は昨年末に、「国家安全保障戦略」や「防衛計画の大綱」の改定を表明し、その上で「ミサイルの脅威に対抗するための能力を含め、国家の防衛に必要なあらゆる選択肢を検討する」と表明しました。これは、憲法上問題がある「敵基地攻撃能力」を保有するということであり、いわゆる日米「2プラス2」で検討を対米公約したのは大問題です。   
 日
本政府は軍事対応の強化ではなく、いかなる国の覇権主義も許さず、国連憲章など国際法に基づき、あらゆる紛争を話し合いで解決する憲法9条を生かした平和外交に徹することこそ必要です。
 日本経済は、安倍・菅政治をはじめ歴代自民党政権から続く新自由主義路線で、雇用破壊による賃下げ、社会保障の切り捨て、消費税増税などによって国民の購買力を奪い、いつまでたっても経済成長できないジレンマに陥っています。今求められるのは6兆円もの軍拡ではなく、国民の暮らしを豊かにし、消費を増やし、平和な日本にしていくことではないでしょうか。そのために私たちは何をしなければならないかを考えたいと思います。多数のみなさまのご参加を願っています。

※総会は会員でなくてもどなたでも参加できます。是非多くの方にご参加いただきたいと願っています。

日時 2022年4月9日(土)午後1時30分~4時20分
場所 河北コミュニティセンター 2F 多目的ホール
      和歌山市市小路192-3(TEL073-480-3610)(無料駐車場あり)
 南海本線「紀ノ川駅」下車徒歩3分(改札口を左折120m、左折し踏切を越え180m、右側)
 和歌山バス・六十谷線(川永団地⇔南海和歌山市駅)「梶取東(かんどりひがし)バス停」前

◎第1部 記念講演 13:40~15:2022年2月12日
「岸田政権が狙う改憲をめぐる情勢と私たちの課題」
 講師 清水 雅彦 氏
  日本体育大学教授(憲法学)、九条の会世話人

◎第2部 総会議事 15:20~16:10

記念講演はコロナ禍の状況によっては、会場内での映像による講演に変更する場合があります

お願い
●4月9日当日、発熱がある方、体調不良の方は参加をご遠慮ください。
●会場入場の際は手の消毒を行い、会場内ではマスク着用をお願いします。
●ご来場の際は必ず「参加者カード」にお名前・住所などをご記入ください。

主催:守ろう9条 紀の川 市民の会
お問合せ先:090-3165-1889 原 通範
(引用終わり)

 なお、スペースが限られているため、チラシには掲載できなかった講師の清水先生のプロフィールについては、会員向けに送付予定の総会開催通知に記載した内容(清水先生の了解済み)をご紹介しておきます。

【講師プロフィール】
◎1966年兵庫県生まれ。
◎明治大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学、札幌学院大学法学部教授などを経て、日本体育大学スポーツマネージメント学部教授。専門は憲法学。
◎九条の会世話人、戦争をさせない1000人委員会事務局長代行、民主主義科学者協会法律部会事務局長
◎主な著書
『治安政策としての「安全・安心まちづくり」』単著)、『平和と憲法の現在』(共編著)、『憲法を変えて「戦争のボタン」を押しますか?』(単著)、『秘密保護法から「戦争する国」へ』(共編著)、『9条改憲 48の論点』(単著)など多数
◎趣味 鉄道、バイク、映画など

(過去「守ろう9条 紀の川 市民の会」で講演された憲法研究者一覧)
2012年 憲法フェスタ 吉田栄司関西大学教授
2014年 総会 森英樹名古屋大学名誉教授 ※2020年4月 ご逝去
2014年 憲法フェスタ 清水雅彦日本体育大学教授
2015年 憲法フェスタ 高作正博関西大学教授
2016年 総会 石埼 学龍谷大学教授
2017年 総会 植松健一立命館大学教授
2017年 憲法フェスタ 本 秀紀名古屋大学大学院教授
2018年 総会 三宅裕一郎三重短期大学教授 ※現・日本福祉大学教授
2018年 憲法フェスタ 飯島滋明名古屋学院大学教授
2019年 総会 長峯信彦愛知大学教授
2019年 憲法フェスタ 長岡徹関西学院大学教授
2020年 憲法フェスタ 君島東彦立命館大学教授
2021年 総会 上脇博之神戸学院大学教授(オンライン講演)
2021年 憲法フェスタ 多田一路立命館大学教授

(弁護士・金原徹雄のブログから/清水雅彦さん関連)
2015年11月3日 
「運動論」を語れる憲法学者・清水雅彦日本体育大学教授の講演動画視聴の勧め 
2017年7月26日 
法律家6団体アピール「自衛隊の存在を9条に明記する安倍改憲提案に反対します」と清水雅彦氏講演動画「『2020年 安倍改憲』~その中味と狙いとは何か」のご紹介 
2017年10月22日 
清水雅彦氏(日本体育大学)講演動画「学ぶ!安倍改憲の真実!」(10/17市民連合@国分寺)を視聴する 

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半田滋さんのブックレット『台湾有事で踏み越える専守防衛~敵基地攻撃能力と日米一体化~』(頒価100円)のご紹介

 202226日配信(予定)のメルマガ金原No.3510を転載します。

Facebookにも同内容で掲載しています。

半田滋さんのブックレット『台湾有事で踏み越える専守防衛~敵基地攻撃能力と日米一体化~』(頒価100円)のご紹介

 「東京新聞論説兼編集委員」であった半田滋さんの肩書きに「元」がつき、まず「防衛ジャーナリスト」という表記になったのはいつからだったでしょうか。著書に記載されたプロフィールでは、この他に「獨協大学非常勤講師」と「法政大学兼任講師」などが付け加えられています。
 その半田さんは、少なくとも2度講演のために和歌山に来ておられ、その都度お話する機会がありました(以下のブログ参照)。

2014年4月26日 
半田滋さんの講演から学んだこと(付・半田滋さんの論説『首相の奇妙な状況認識』を読む) 

2016年7月30日 
戦地からの“最愛の妻”への手紙~「2016平和のための戦争展わかやま」から

 上記ブログでご紹介しているとおり、半田さんの最初の和歌山での講演会は、2014年4月25日に青年法律家協会和歌山支部が主催した「憲法を考える夕べ」でしたが、実は今年(2022年)の4月28日(木)、8年ぶりに青法協和歌山支部が半田さんにご講演をお願いしています。コロナの状況を見極めながら開催方法を検討中ということでまだチラシは出来ていませんが、4月28日午後6時からの予定を空けておいていただけると幸いです。

 さて、今日は、その半田さんが書かれたブックレット『台湾有事で踏み越える専守防衛~敵基地攻撃能力と日米一体化~』(立憲フォーラムブックレット/36頁/2022年1月刊/頒価100円)のご紹介です。

 以下に目次を引用します。

1 はじめに
2 冷戦終結と安全保障関連法を受けた自衛隊の変容
3 奄美、沖縄侵攻を想定した日米共同訓練
4 米軍が利用する「南西諸島のミサイル網」
5 米国の対中政策の変化
6 台湾有事が「6年以内」の理由
7 安全保障関連法による日本の「巻き込まれ」
8 英空母打撃群がインド太平洋へ
9 英国が日本の防衛力を重視する理由
10 EU各国が視線を向けるインド太平洋
11 中国に「けんか腰」で向き合うのか
12 米国が中国に核兵器使用を検討した過去
13 政権の重鎮さえ理解していない安全保障関連法
14 現実味を増す敵基地攻撃能力の保有
15 国家安全保障戦略、防衛大綱、中期防を3点セットで改定へ
16 防衛費を対GDP比2%以上に急増
17 平和的な問題解決の道を探れ

 本書は、半田さんが東京高裁に提出するための追加意見書として執筆された論考に加筆して完成したものだそうで、近時の我が国の防衛政策をめぐる様々な情勢を、事実を踏まえながら俯瞰するというもので、とにかく分かりやすい。是非みんなが1冊手許に置いてひもといていただければと思います。
 それに何より安い!
 しかも10冊(これでも1,000円)以上の注文で送料無料になります。
 是非何人かでまとまって購入されてはいかがでしょうか。

 注文方法は半田滋さんのFacebookでも紹介されていました。

[ブックレット注文方法]
1冊100円で10冊から送料無料。
申し込みは立憲フォーラムへ(担当・福田誠之郎さん)
メール:fukuda@haskap.net 
FAX:03-3303-4739

 私も50冊注文して事務所に届いています。私の事務所まで取りに来ていただける便宜のある方はご連絡ください。

(参考動画)
岡山弁護士会・シリーズ憲法講演会No.28「敵基地攻撃と日米一体化~踏み越える専守防衛~」

※2月5日(土)に岡山弁護士会で行われた半田滋さんの講演会です。半田さんの講演部分は19分~です。

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「憲法の破壊を許さないランチTIMEデモ」をめぐる「夢想」について

 202225日配信(予定)のメルマガ金原No.3509を転載します。

Facebookにも同内容で掲載しています。

「憲法の破壊を許さないランチTIMEデモ」をめぐる「夢想」について

 私も会員に名前を連ねている「子どもたちの未来と被ばくを考える会」が、今年(2022年)の1月に発行して会員に送ったニュースレターのために寄稿した小文をご紹介します。共同代表の松浦雅代さんから会員への呼びかけに応え、昨年の12月7日に書いたものです。松浦さんからのリクエストは「子ども脱被ばく裁判の(1審判決の)その後」についてというものでしたが、私の手には余るので「どうしようか」と悩んでいたところ、ちょうど雨の中参加してきたランチTIMEデモにからめたアイデアが浮かび、一気に書き上げたものです。
 内容的には、本来なら、「憲法の破壊を許さないランチTIMEデモ」の呼びかけ団体である「憲法9条を守る和歌山弁護士の会」の定例会の場で問題提起するのが適当ではないかとも思われますが、まだ私自身の中でも生煮えのアイデアなので、他の方のご意見などもお聞きできればと思い、公開してみることにしたものです。

タイトル:「憲法の破壊を許さないランチTIMEデモ」をめぐる「夢想」について
 2014年6月23日に第1回を行った「憲法の破壊を許さないランチTIMEデモ」(呼びかけ:憲法9条を守る和歌山弁護士の会)が、本稿を書いている今日(2021年12月7日)行われたデモで90回目を迎えた。今日も、降り続く雨の中、55人の市民が参加した。よく7年以上も休まずに続けてこられたものだと、主催団体の一員ながら感心する。
 7年前の政治状況を記憶している方には説明の必要もないかもしれないが、デモが「憲法の破壊を許さない」と名乗ったのは、当時、第2次安倍政権が、日本国憲法の下では集団的自衛権の行使は認められないという、歴代の自民党政権(民主党政権も)が守り続けてきた憲法解釈を、本来なら憲法改正の発議を経て国民投票にはかるべき問題であるにもかかわらず、一内閣が勝手に閣議決定で変更しようとしていることに抗議し、「憲法の破壊を許さない」市民の意思をアピールしなければという切迫感にかられてスタートしたものだった。
 このような経緯から、このデモは、呼びかけの当初の段階では、立憲主義を守るためのデモとしてスタートしたものであり、決して9条護憲派だけのデモではなく、実際、第1回の参加者160人の中には、「自分は9条は改正した方が良いと思うが、安倍政権のやり方は許せない」という人も、ごく少数ながら参加していた。
 その後、いつしかデモで使われるコールの中に「憲法9条世界の宝」とか「9条を子どもに残そう」というフレーズが登場しても誰も怪しまなくなり、「憲法の破壊を許さないランチTIMEデモ」が、あたかも「9条を守るためのデモ」であるかのような外観を呈するに到った。
 今日のような雨の日にも50人を超えるそれなりの参加者があるのは、いくつもの「9条の会」の協力があればこそであり、このような推移はある種必然であったとは思う。
 しかし、2019年から2020年にかけて、検察庁法に違反する東京高検検事長の定年延長や、日本学術会議法に違反する会員推薦候補6名の恣意的任命拒否など、従来では考えられもしなかったあからさまな法秩序を無視した横紙破りを政府が堂々とやってのけるという状況を目の当たりにして、「9条」だけが問題なのではない、ということを改めて認識することになったのも事実である。
 実は、今日の第90回デモのコーラーは主催団体共同代表の1人である豊田泰史弁護士が務めたのだが、いつものコールの中に、さりげなく「和歌山にIRカジノはいらない!」というコールを挿入しており、参加者も元気よく唱和していた。カジノ問題が憲法問題か?についてはいささか疑問もあるが、憲法が保障する人権や価値を守るために見過ごすことのできない問題が社会には多々ある訳で、そのような様々なテーマをコールの中に取り入れることはできないか、コーラーも弁護士だけではなく、その回のテーマに相応しい人にお願いしてはどうか、などということを夢想したりしている(まだ夢想の段階で、主催団体の内部で問題提起もしていないが)。
 もしもこの夢想が実現に一歩踏み出せば、放射能から逃れるための「避難の権利」を保障せよというコールが、「憲法の破壊を許さないランチTIMEデモ」の中で聞ける時が来るかもしれないというようなことを思ったりした12月7日であった。
 

(参考)
「子どもたちの未来と被ばくを考える会」公式ブログ 
同じニュースレターに松永久視子さんが書かれた文章(Facebookで公開)


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動画公開/「1.27 憲法を変えるな!~安保法制違憲訴訟の勝利を目指して」/記念講演:石川健治氏(東京大学教授)

 202225日配信(予定)のメルマガ金原No.3508を転載します。

Facebookにも同内容で掲載しています。

動画公開/「1.27 憲法を変えるな!~安保法制違憲訴訟の勝利を目指して」/記念講演:石川健治氏(東京大学教授)

 去る1月27日(木)に安保法制違憲訴訟全国原告連絡会が主催した「1.27 憲法を変えるな!~安保法制違憲訴訟の勝利を目指して」(於:日本教育会館・一ツ橋ホール)のアーカイブ動画がYouTubeで公開されました。私は500円を払ってライブ配信を視聴しましたが、アーカイブは無料公開です。
 この集会のタイトルで「変えるな」と主張している「憲法」が具体的に何を指しているのかということについて、実は議論を始めるとなかなか難しいことになりそうです。それは、2014年6月以来、「憲法9条を守る和歌山弁護士の会」が呼びかけて毎月実施している「憲法の破壊を許さないランチTIMEデモ」が、「本当に9条護憲派」だけのデモなのか?あるいは、現実にはそうであっても、それがあるべき姿なのか?という問題にも似て、常に意識の片隅で気になり続けている問題です。
 実は、そのことがあらためて気になったのは、この日の記念講演の講師が石川健治東京大学教授(憲法学)であったからです。
 この日のプログラムとYouTube視聴の目安時間を書いておきます。


●プログラム
・プレイベント(全国の原告のみなさんをZoomでつなぎます!) 冒頭~
・講演会(司会:山口あずささん)
49分~ 雅楽「笙」の演奏とお話 鈴木治夫さん(笙職人、元東京藝術大学非常勤講師)
58分~ 全国の訴訟について 福田護さん(弁護士)
1時間10分~ 講演 石川健治さん(東京大学法学部教授)
2時間19分~ 賛同署名協力のお願い 内山新吾さん(弁護士)
2時間23分~ 質疑応答
2時間40分~ 集会アピール 石垣敏夫さん(埼玉訴訟原告)
2時間46分~ 閉会挨拶 菱山南帆子さん(東京国賠訴訟原告)

 実は、石川教授による講演のライブ配信を視聴しながら、私はずっとメモをとり続けていました(A4に走り書きで5枚)。大学の講義(私はあまり出席しませんでしたが)さながらの聴講態度ですが、心地良く「うんうん」とうなずいていられるような講演でないことは間違いありません。
 私のメモを見返して、パワポ資料に表示された見出しを抜き書きしてみましょう。

講演タイトル「復初(ふくしょ)の説」(丸山真男からの引用)
0 説得定義(チャールズ・スティーブンソンから)
1 内側の問題(憲法9条違反)
 Ⅰ)平和政策としての同盟政策と第一次世界大戦
 Ⅱ)戦間期の平和主義(同盟政策から安全保障政策へ)
 Ⅲ)満州事変による国際連盟脱退と日独伊三国同盟
 Ⅳ)第二次世界大戦の惨禍と安全保障政策への復帰
 Ⅴ)国際連合体制に挿入された同盟政策
 Ⅵ)日米「安全保障」条約から日米「同盟」条約へ
 Ⅶ)名実ともに日米同盟の時代
2 外側の問題(「右」も「改憲派」も怒った)
 96条改正問題
 憲法を国民から取り上げる7.1閣議決定
 ⇒論理の限界を超える
3 なめんなよ(尊厳の問題)

 石川教授がなぜ「0(序論)」として「説得(的)定義」を前振りとされたのかは、1時間10分の講演を通して聴講すれば明らかだろうと思います。
 その上で、「9条」「96条」「安保法制」などを考えていく上で、石川教授の見解をどう咀嚼するかが問われる訳で、私がなぜ終始メモをとりながら視聴したのかが理解していただけるのではないかと思います。
 

(弁護士・金原徹雄のブログから/石川健治さん関連)
2015年6月8日 
憲法学者の矜恃~佐藤幸治氏、樋口陽一氏、石川健治氏(6/6「立憲デモクラシーの会」シンポジウムにて) 
2015年11月15日 
佐々木惣一が発見した「国民の存在権」(憲法13条)と自民党改憲案~石川健治東大教授の講義で学ぶ(11/13立憲デモクラシー講座第1回) 
2016年1月25日 
「立憲デモクラシーの会シンポジウムin岡山」(1/22)中継動画を視聴して今後の企画に期待する 
2016年2月6日 
立憲デモクラシーの会・公開シンポジウム「緊急事態条項は必要か」を視聴する 
2016年5月2日 
憲法記念日を前に~「憲法学者、石川健治・東大教授に聞く」(毎日新聞・特集ワイド)を読む 
2016年5月3日 
憲法記念日に石川健治氏(東大教授)の論考「9条立憲主義のピース」(朝日新聞)を読む 
2016年11月4日 
ダブル講演(11/3)「混迷する南スーダンの情勢と自衛隊の派兵:栗田禎子氏」と「立憲主義の破壊と『戦後』の終わり:石川健治氏」を視聴する 
2017年1月3日 
「BSフジLIVE プライムニュース」テキストアーカイブから識者の発言を読む~石川健治氏、伊勢﨑賢治氏など 
2017年5月5日 
「立憲デモクラシー講座・第Ⅱ期」第6回・石川健治東京大学教授「天皇と主権 信仰と規範のあいだ」のご紹介 
2017年6月29日 
「立憲デモクラシー講座・第Ⅱ期」第7回・島薗進上智大学特任教授&石川健治東京大学教授「教育勅語―なにが問題か:天皇・軍隊・人間」のご紹介 
2018年3月14日 
YouTube版・立憲デモクラシー講座に石川健治東京大学教授(憲法学)が登場~しかも3回分(第4回~第6回)の「大河」講義

3/17 和歌山弁護士会市民公開学習会 「重要土地等調査規制法」施行による県民生活への影響を考える(zoom配信による)

 202224日配信(予定)のメルマガ金原No.3507を転載します。

Facebookにも同内容で掲載しています。

3/17 和歌山弁護士会市民公開学習会 「重要土地等調査規制法」施行による県民生活への影響を考える(zoom配信による)

 和歌山弁護士会主催のシンポジウム「人と動物の共生する社会の実現へ向けて~動物愛護問題を考える~」(2月18日開催)を先日ご紹介したところですが、引き続き、年度内に開催される和歌山弁護士会主催の市民向け企画をご案内します。3月17日にオンライン(ZOOM)で開催される市民公開学習会「「重要土地等調査規制法」施行による県民生活への影響を考える」(講師:馬奈木厳太郎(まなぎ・いずたろう)弁護士)です。

 開催の趣旨などはチラシをご覧いただきたいのですが、講師の馬奈木弁護士が所属事務所(東京合同法律事務所)のホームページで、先輩弁護士から教えられた「弁護士は5者であれ」というモットーの説明をしている「皆さまへひとこと」を興味深く読みました(私自身はこんな「教え」は初めて読みましたが)。

 なお、動物愛護シンポを企画した公害対策・環境保全委員会にしても、重要土地等調査規制法学習会を企画した憲法委員会にしても、年度当初から企画の検討を始め、内容を固め、講師等に打診し、会内の承認を得る手続きを践んだりということをしていると、どうしても開催は年度末ぎりぎりになることが多いのです(これまでもそうでした)。ということで、参加する方も年度末は忙しい(?)。

○正式名称「(令和三年法律第八十四号)重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律」は、今年(2022年)6月1日の一部施行を経て、9月1日から全面的に施行されます。○法律の条文はこちら
○法案に反対した日弁連会長声明(2021年6月2日)もご紹介しておきます。

 以下にチラシ記載情報を転記します。是非多くの方にご参加いただきたくご案内します(先着100名様)。

(チラシから引用)
市民公開学習会
「重要土地等調査規制法」施行による県民生活への影響を考える

本年9月本格運用開始!!
「重要施設」周辺の土地・建物利用者のプライバシー、思想・良心の自由、財産権が侵される危険

2022年3月17日(木)午後6時~8時
開催方法/ZOOMによるオンライン配信(先着100名)

講師/馬奈木厳太郎(まなぎ・いずたろう)弁護士
講師プロフィール
■1975年、福岡県生まれ。■大学専任講師(憲法学)を経て現職。■福島原発事故の被害者救済訴訟に携わるほか、福島県広野町の高野病院や、演劇界・映画界のハラスメント、大槌町旧庁舎解体差止事件などを手がける。■ドキュメンタリー映画『大地を受け継ぐ』企画(井上淳一監督、2015年)、『誰がために憲法はある』制作(井上淳一監督、2019年)、『ちむぐりさ 菜の花の沖縄日記』製作協力(平良いずみ監督、2020年)、『わたしは分断を許さない』プロデューサー(堀潤監督、2020年)を務めた。

 昨年6月16日に成立した重要施設周辺における土地・建物の利用状況調査及び利用規制等を可能にする法律が、今年の9月から本格運用を始めます。米軍・自衛隊基地・海上保安庁施設及び重要な生活関連施設(港湾や発電所等)の周囲約1キロメートルを内閣総理大臣が「注視区域」に指定すると、その範囲にある土地・建物の利用者の情報を地方公共団体の長や利用者から提出させることができ、重要施設等の昨日を阻害するおそれがあると判断されると利用を制限できることになります。さらに内閣総理大臣が「特別注視区域」に指定すると、その区域内の土地の売買について国への届出が義務付けられます。
 和歌山県下にも、和歌山市、美浜町、由良町、串本町に自衛隊施設があり、その他にも「重要施設」の指定がされることも想定されます。
 そこで、この法律の内容を知り、県民の生活への影響とそれへの対応について考えます。

[参加申込方法]
下記URL又はQRコードからお申し込み下さい。
 https://mail-to.link/m8/66e3xc 
申込締切:令和4年3月10日(木)
開催日が近付きましたら、メールでご案内いたします。
なお、当日、何らかの理由で通信が遮断され、復旧が困難となった場合には、やむを得ずオンライン配信を中止することがあります。また、本イベントの内容を記録し、当会の会報等で使用させていただくことがあります。

主催/和歌山弁護士会
640-8144 和歌山市四番丁5番地  TEL:073-422-4580(代)
共催/日本弁護士連合会

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3/13「フクシマを忘れない!原発ゼロへ 和歌山アクション2022」(オンライン併用)のご案内

 202224日配信(予定)のメルマガ金原No.3506を転載します。

 ※Facebookにも同内容で掲載しています。

3/13「フクシマを忘れない!原発ゼロへ 和歌山アクション2022」(オンライン併用)のご案内

 和歌山城西の丸広場を会場として、3.11前後の日曜日に賛同団体が実行委員会を作り、反原発の集会を開くようになったのが2013年からで、2015年からは集会名称も統一され、「フクシマを忘れない!原発ゼロへ 和歌山アクション20△△」となりました。このスキームでの開催は2017年まで続いたのですが、その中でもとりわけ思い出深いのは、私自身が出演交渉した「ヒポポ・フォークゲリラ」をはじめ、「みかんこ」「なつおmetts南風」の皆さんにご出演いただいた2016年の集会です。
 2018年以降は、西の丸広場ではなく、貸ホールを借りての開催となり、さらにコロナ禍のために2020年は中止、2021年はオンライン学習会としての開催でした。
 そして今年2022年は、久しぶりに会場(プラザホープ)を確保しての開催を準備しつつ、オンラインも併用するという「両にらみ」の態勢となりました。開催日である3月13日までにオミクロン株による第6波の流行がどの程度収束に向かっているかの予想は難しいところであり、現時点では、「オンラインのみでの開催」の可能性もかなりあるのかな、という気もします(私の個人的な観測ですが)。

 以下に、チラシ記載情報から開催概要をご紹介します。

「フクシマを忘れない!原発ゼロへ 和歌山アクション2022」(参加無料・事前申込制)

日時 2022年3月13日(日)13:30~16:00
会場 和歌山県勤労福祉会館プラザホープ 4F大ホール
(オンライン併用)

内容
13:00 受付
13:30 開会:主催者挨拶
13:40 学習会
講演「原発事故から11年、復興には程遠いフクシマの現状」
講師/伊東達也氏(原発問題住民運動全国連絡センター代表委員)
※講師ご紹介 福島県立高校に教員として8年間勤務したのち、いわき市議・福島県議として30年活動し、現在は、原発問題住民運動全国連絡センター代表委員、革新懇代表世話人など。
15:20 閉会挨拶
15:30 JR和歌山駅までアピール行進(約20分)

●コロナの感染状況によっては「オンラインのみでの開催」又は「中止」になる可能性もあります。その際は事務局から参加申し込みいただいた方に連絡いたします。

主催/フクシマを忘れない!原発ゼロへ 和歌山アクション2022 実行委員会
事務局/和歌山県教職員組合書記局
和歌山市小松原通3-20(和歌山県教育会館内)
TEL073-423-2261  FAX073-436-3243

●学習会への参加方法
・コロナの感染防止のため、「会場参加」は人数得制限(90人まで)を行います。
・「会場参加」「オンライン参加」のいずれも「事前申し込み」が必要です。
・「会場参加」希望であっても状況によっては「オンライン参加」へ変更していただく場合があります。
○会場参加の申し込み方法
チラシ裏面の申込書に所定事項(氏名・所属・連絡先・オンラインへの変更の可否)を記入し、和教組へFAX(073-436-3243)で送信してください。
○オンライン参加の申し込み方法
・2月21日(月)~3月7日(金)の期間内に下記の申し込みアドレス宛にメールで申し込んでください。  
  W_genpatsuzero@wakyoso.com 
・上記申し込みメールには、①氏名、②所属団体又は住所、③連絡先の電話番号を必ず記載してください。
・後日、事務局から送信元のアドレスに、ズームミーティングへの参加に必要なIDとパスコードをお送りします。
・不明な点がありましたら、実行委員会事務局(TEL073-423-2261/和教組:武田)までお問い合わせください。

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