弁護士・金原徹雄のブログ

憲法を大事にし、音楽を愛し、原発を無くしたいと願う多くの人と繋がれるブログを目指します。

放送予告9/3『関東大震災と朝鮮人 悲劇はなぜ起きたのか』(ETV特集)~歴史修正主義に惑わされないために

 今晩(2016年8月25日)配信した「メルマガ金原No.2549」を転載します。

放送予告9/3『関東大震災と朝鮮人 悲劇はなぜ起きたのか』(ETV特集)~歴史修正主義に惑わされないために

 2011年3月28日の創刊以来続けてきた「メルマガ毎日配信」の記録は、今年6月22日公示、7月10日投開票の第24回参議院議員通常選挙期間中、野党統一候補であるゆら登信さんを応援する(つまり「選挙運動」となる)記事を書くため、途絶えることを余儀なくされました。3年前の参院選から、インターネット選挙運動は自由になったものの、電子メールによる選挙運動は一定の場合を除いて禁止されているため、選挙期間中に選挙運動にあたる記事を書く時は、メルマガはお休みし、ブログだけ更新するということにしたためです。

 そして、7月11日以降、メルマガを「毎日配信」し、直ちにそれをブログに転載して「毎日更新」する従来のペースに戻ったのですが、いささか戻りきらないことがあります。それは、端的に言って、自分の意見を前面に押し出したメルマガ(ブログ)を書こうという意欲の減退です。
 選挙が終わってからというもの、行事案内、番組放送予告、動画紹介、本の紹介などが従来にもまして目立つようになったとお感じの方もおられるでしょう。その他、追悼文も2本書きましたけど。
 選挙が終わってから既に1ヶ月半が経過しましたが、直後に書いた「投票日当日の自民党などによる新聞広告は憲法改正国民投票運動の前触れか?」(2016年7月11日)は別として、それなりに時間をかけて書いたものはあっても、自分の意見を強く打ち出した記事はほとんど書いていませんからね。
 
 もちろん、私がメルマガ(ブログ)で取り上げた報道番組、講演会、本、動画などは、「取り上げて皆さんに紹介する価値がある」という「私の意見」に基づいて選択しているのですから、間接的には意見の発表をしているようなものですけど。
 はたして、単なる「応援演説疲れ」によるペースの乱れが収まりきっていないだけか、それとも意識の変化によるものか、我ながら判断に迷うところです。
 実際、「天皇生前退位問題」など、資料集めのための記事は2本書きましたが、以前であれば絶対に書いたであろう「自分の意見」は、いまだに書けておらず、いつ書けるという見通しも立ちません。
 ・・・というような、愚痴ともボヤキともつかない述懐はこれ位にしておきます。
 
 今日も来週末に放送されるドキュメンタリー番組のご紹介です。
 
NHK Eテレ 
本放送 2016年9月3日(土)午後11時00分~午前0時00分
再放送 2016年9月10日(土)午前0時00分~1時00分(金曜深夜)
ETV特集『関東大震災と朝鮮人 悲劇はなぜ起きたのか』
(番組案内から引用開始)
1923年の関東大震災。混乱のなか流言が広がり、多くの朝鮮人が殺害された。悲劇はなぜ起きたのか。中央防災会議は2009年に国の機関として初めて事件を分析、報告書にまとめた。それによると軍や警察、新聞も一時は流言の伝達に関与していた。また裁判記録の研究が進み、自警団などが殺害に至った経緯も明らかになってきた。番組では、司法省の一次資料や民間の聞き取り調査などをもとに事件の社会的背景を探っていく。
(引用終わり)
 
 上でも引用されている中央防災会議の報告書は、インターネットでも公開されています。
 
内閣府 防災情報のページ
災害教訓の継承に関する専門調査会報告書 平成20年3月
1923 関東大震災【第2編】

(抜粋引用開始)
はじめに
 1923(大正12)年9月1日に発生した関東大震災は、首都圏に死者10万人、住居焼失者200万人を超える日本の地震災害史上最大の被害をもたらした。地震によって発生した火災が被害を拡大し、広い範囲での交通機関、上水道、電力、通信、橋梁など社会資本の機能喪失が人々の生活を脅かし、流言による殺傷事件も生じるなど、今なお関東大震災以外に参照すべき事例がない事象も多く、災害教訓として重要である。本編では、震災発生直後の人々の対応を扱う。
第1章 消防と医療
第2章 国の対応
第3章 地域の対応
第4章 混乱による被害の拡大
 関東大震災時には横浜などで略奪事件が生じたほか、朝鮮人が武装蜂起し、あるいは放火するといった流言を背景に、住民の自警団や軍隊、警察の一部による殺傷事件が生じた。流言は地震前の新聞報道をはじめとする住民の予備知識や断片的に得られる情報を背景に、流言現象に一般的に見られる「意味づけの暴走」として生じた。3日までは軍隊や警察も流言に巻き込まれ、また増幅した。
 
第1節 流言蜚語と都市
 第2節 殺傷事件の発生
 コラム6 「天災日記」に見る流言蜚語と戒厳令
 コラム7 「河井清方日記」に見る余震と流言
 コラム8 殺傷事件の検証
第5章 関東大震災の応急対応における教訓
(引用終わり)

 このような調査結果や多くの証拠に目もくれず、「朝鮮人虐殺などなかった」と主張する歴史修正主義者はいるもので、特にネットの世界では大きな顔をして跋扈していると言っても過言ではありません。
 とりあえず、そのようなトンデモ主張に対する反論を整理したサイトを1つだけご紹介しておきます。
 

 なお、上記サイトでもリンクされていますが、2003年8月、日弁連が関東大震災に関わる人権救済申立事件について、国に「勧告」を行う前提となった「関東大震災人権救済申立事件調査報告書」を読むことができます。ただし、日弁連サイトではなく、調査に関わった一弁護士のサイトに掲載されたもののようです(梓澤和幸弁護士だと思いますが)。特に、自警団による虐殺については、
 本庄事件判決(浦和地方裁判所1923年11月26日判決)
 神保原事件判決(浦和地方裁判所1923年11月26日判決)
 寄居事件判決(浦和地方裁判所1923年11月26日判決)
 熊谷事件判決(浦和地方裁判所1923年11月26日判決)
 片柳事件判決(浦和地方裁判所1923年11月26日判決)
 藤岡事件判決(前橋地方裁判所1923年11月14日判決)
などの裁判記録が資料として駆使されたようで、判決文の「罪トナルヘキ事実」の一部が報告書に引用されています。一例をあげれば、
「当時極度に昂奮せる群衆は同署(注:本庄警察署)構内に殺到し来りて約三千人に達し同夜中(注:9月4日夜)より翌五日午前中に亘り右鮮人に対して暴行を加え騒擾中
一、被告Aは同日四日同署構内に於て殺意の下に仕込杖(証拠略)を使用し他の群衆と相協力して犯意継続の上鮮人三名を殺害し
一、被告Bは同日殺意の下に同署構内にて鮮人を殺して了えと絶叫し長槍(証拠略)を使用し他の群衆と協力して犯意を継続の上鮮人四五名を殺害し
一、被告Cは同月五目同所に於て殺意の下に金熊手を使用し他の群衆と相協力して鮮人一名を殺害し
一、被告Dは同月四日同演武場に於て殺意の下に木刀を使用し他の群衆と相協力して犯意を継続の上鮮人三名を殺害し尚同署事務所に居りたる鮮人一名を引出し群衆中に放出して殺害せしめ (以下略)」(本庄事件)
などという事実が生々しく描写されています。しかも、これは証拠に基づいて裁判所が認定した事実です。

 このような歴史に背を向けた「未来志向」などあり得ないということを、多くの日本人の共通認識にしなければと切に思います。

沖縄県東村高江での機動隊による取材妨害に対する地元2紙の見解を読む

 今晩(2016年8月24日)配信した「メルマガ金原No.2548」を転載します。

沖縄県東村高江での機動隊による取材妨害に対する地元2紙の見解を読む

 去る2016年8月20日(土)、沖縄県東村高江での米軍ヘリパッド建設に抗議する市民を取材していた地元2紙(沖縄タイムス、琉球新報)の記者が、市民と共に機動隊車両の間に閉じ込められ、一定時間、現場の取材ができないという「事件」が発生しました。高江では、連日様々な事件が生じていますが、権力が、むき出しの暴力を報道機関にまで及ぼしてきたという事態は、1つの階梯を上がってしまった徴表として、記録にとどめる必要があるだろうと思い、やや遅ればせながらではありますが、沖縄地元2紙の報道・声明・社説などを引用したいと思います。
 本来、メディアのまとまった記事や社説を引用する場合、全文を転載することは遠慮すべきなのでしょうが、本件については、事案の性質上、沖縄タイムス、琉球新報の両社から、著作権に基づく削除要請がなされることはないだろうと判断し、「事件」を報じた記事と社説、並びに抗議声明の全文を紹介させていただくことにしました。
 もちろん、両社から削除要請があれば、直ちに応じるつもりです。
 まずは、「事件」を報じた両社の記事を引用します。

琉球新報 2016年8月21日 05:04
機動隊が記者排除し閉じ込め 東村高江 弁護士「報道の自由侵害」

(引用開始)
 【ヘリパッド取材班】東村と国頭村に広がる米軍北部訓練場の新たなヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設をめぐり、東村高江で抗議活動をする人たちを県道上で取材していた本紙記者が20日午前、機動隊に強制排除され、約15分間、隊員による人垣と車両の間に閉じ込められた。この間、工事車両の資材搬入などの現場に近づくことができず、取材機会が奪われた。沖縄タイムスの記者も同様に排除され、一時閉じ込められた。弁護士らは報道の自由の侵害と問題視している。
 朝から抗議行動をしていた市民ら約50人は、東村高江のN1地区ゲート前から南下し、工事車両の搬入を止めようと県道70号の高江橋の上に座り込んだ。午前10時25分、南側から約30人の機動隊員が近づき、座り込む人たちの腕や体をつかんで強制的に排除した。
 排除される際、本紙記者は機動隊員に腕章を示した上で「琉球新報だ」と訴えたが、解放されず、その後、閉じ込められた。現場にいた小口幸人弁護士は「記者排除は大問題だ。国家権力が、強制力を持って市民を排除する場から記者を排除して、報道させないのは、報道の自由の根幹部分の侵害だ。絶対に許してはいけない行為だ」とした。
 座り込みを排除した後、砂利を積んだ工事車両10台が警察車両に守られながら、ゲート内へ入っていった。
強く抗議する
 普久原均琉球新報編集局長の話 本紙記者は琉球新報の腕章を身に着け、住民の抗議行動を記録するための正当な取材をしていた。現場には県民に伝えるべきことがあった。警察の妨害によって、その手段が奪われたことは大問題だ。警察官が記者を強制的に排除し、行動を制限した行為は報道の自由を侵害するもので、強く抗議する。
(引用終わり)
 
 琉球新報は、同紙記者が強制排除される模様を撮影した動画も公開しています。

機動隊が記者排除し閉じ込め 東村高江(1分09秒)


沖縄タイムス+プラス 2016年8月21日 14:28
沖縄タイムス記者も拘束 高江で取材中、機動隊聞き入れず

(引用開始)
 20日、沖縄県東村の高江橋で機動隊が市民らを排除する様子を取材していた本紙記者ら報道関係者も拘束され、バスとバスの間に押し込められた。「記者である」ことを訴えたが最終的に聞き入れられず、取材活動を制限された。
 本紙記者は午前10時26分すぎ、排除の様子を取材していたところ、機動隊4人に囲まれた。背中を強く押されながらバスとバスの間に連れて行かれ、すでに拘束されていた市民ら15人と一緒に押し込められた。
 県警に「取材中である」ことを訴えると、一度は解放された。だが午前10時41分すぎ、別の機動隊に再び拘束され、バスとバスの間で身動きが取れず、取材活動を制限された。他社の記者も同じく拘束された。
 小口幸人弁護士は、記者の拘束について「主権者が知るべきことを報道する権利を侵害する行為で許されない」と話した。交通を妨げるなど、排除される理由がなかった中での拘束に「法律に基づいた行動だとは思えない」と述べた。
 沖縄平和運動センターの山城博治議長は「マスコミを萎縮させることにつながりかねない行為で、あり得ない」と語気を強めた。
 県警警備2課は、バスとバスの間に市民や記者を拘束したことについて「危険防止や安全確保のため。取材を規制する目的ではない」と答えた。
(引用終わり)
 
 なお、沖縄タイムスも、正式な抗議声明を発表しています。

沖縄タイムス+プラス 2016年8月23日 20:31
記者排除は「報道の自由を侵害」 沖縄タイムス社が抗議声明

(引用開始)
 
沖縄県東村高江周辺のヘリパッド建設に反対する市民らを取材中の沖縄タイムスと琉球新報の記者が20日、機動隊に強制排除されたことを受け、沖縄タイムス社は23日、石川達也編集局長名で「報道の自由を侵害するものであり、断じて許すことはできない」とする声明を発表した。声明は次の通り。
 沖縄タイムスの社員証を見せ、記者であることを訴えたにもかかわらず、2度にわたって拘束状態に置かれ、計30分程度取材活動が制限された事に強く抗議する。本紙記者は市民らの抗議活動を通常通りに取材し、県民の知る権利に応えようとしていたもので、こうした警察権力による妨害は、憲法で保障された報道の自由を侵害するものであり、断じて許すことはできない。
(引用終わり)
 
 最後に、両紙の社説をご紹介します。
 
琉球新報 2016年8月22日 06:02
<社説>高江で記者排除 報道の自由侵害を許さない

(引用開始)
 思想・信条の自由に基づいた市民の抗議行動を国家権力が容赦なく組み敷く。今、そんな現場は国内で沖縄の名護市辺野古と東村高江をおいて、ほかにない。
 この国の民主主義の成熟度が鋭く問われる現場を歴史に刻むことは報道機関の責務だが、機動隊を投入した強権的な警備は、取材中の記者の排除、拘束に行き着いた。
 民主主義の根幹を支える報道の自由を侵害する行為であり、強く抗議する。
 米軍北部訓練場の新ヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)の建設に抗議する市民を取材していた県内2紙の記者が、市民と共に機動隊車両の間に閉じ込められた。
 機動隊は20日午前、資材を搬入する工事車両を止めようと、県道70号の高江橋の上に座り込んだ市民約50人の排除を始めた。
 排除の模様を撮影していた本紙記者は機動隊員に2度も両腕をつかまれ、背中を押されて約40メートルも移動させられた。2度目は車両の間に押し込められた。約15分間の不当な拘束により、記者は市民排除の様子を取材できなかった。
 県警は「安全確保のため。記者とは明確に分からなかった」と釈明しているが、琉球新報の腕章をして記者と名乗り続け、あらがう記者が力ずくで排除された事実は動かない。明確な意図に基づく取材妨害があったことは間違いない。
 新基地建設現場の辺野古でも、市民と、機動隊や海保とのせめぎ合いが続く。大浦湾の海域で2015年1月に起きた「馬乗り」問題は、報道によって過剰な警備の真相が照らし出された例だ。
 海上保安官が船上で撮影中の女性映画監督に馬乗りになった。本紙が連続写真を掲載して検証したことで、「馬乗り」を否定していた海上保安庁は「体全体を使って(女性が)転落しないようにした」と説明を一転させた。報じられなければ、海保は「知らぬ存ぜぬ」を貫いていただろう。
 国連は4月に日本の表現の自由に関する暫定調査結果を出し、安倍政権が新基地建設に抵抗する市民に対して「過度な権力を行使している」と警鐘を鳴らした。国際基準に照らせば、過剰な警備は明らかに人権を侵害しているのである。
 行き過ぎた権力行使に歯止めをかけるには、現場に身を置いた取材が不可欠だ。記者の拘束は、民主主義と人権を危機に陥れる。二重、三重の意味で許し難い行為だ。
(引用終わり)
 
沖縄タイムス+プラス 2016年8月22日 07:00
社説[取材妨害・住民排除]工事止め協議の場作れ

(引用開始)
 
この工事は一体全体、誰のための、何を目的にした工事なのか。
 違法性の疑いのある検問が現場の県道で実施され、事前協議もなしに勝手に立木が伐採された。機動隊による力ずくの警備によって住民は強制排除され、長時間の道路封鎖によって地元住民の日常生活にも支障が生じた。
 20日には、記者も抗議行動中の市民とともに一時的に拘束状態に置かれ、取材活動を妨げられた。
 米軍北部訓練場でのヘリパッド建設工事が進む東村高江。ヘリパッド建設に反対する住民ら約30人はこの日朝、工事車両の搬入を止めようと県道70号にかかる高江橋の上に座り込んだ。
 機動隊は、座り込む市民らを抱え上げ、強制的に場所を移動させた。その上で、抗議する市民を機動隊の車両と車両の間に押し込め、隊員が人垣を作って身動きの取れない状態にした。市民らはおよそ30分にわたって道路脇に閉じ込められた。
 度を越した拘束であり、市民の権利をないがしろにする警備と言うほかない。
 沖縄タイムスの記者は、県警の腕章をつけた隊員に社員証を提示し、取材中なので出してもらいたい、と申し入れた。いったん拘束を解かれたものの、しばらくして別の機動隊員が近寄ってきて別の場所に押し込められたと言う。
 琉球新報の記者も腕章を示して取材記者だということをアピールしたが、正当な取材活動を妨害され、工事車両の資材搬入の現場に近づくことができなかった。
■    ■
 この状況は1950年代の島ぐるみ闘争を思い出させる。米軍の強制的な土地接収と、軍用地料の一括払いや新規土地接収に反対して行政・議会・地主・住民が立ち上がった、あの島ぐるみの闘いである。
 北部訓練場やキャンプ・シュワブは、本土に駐留していた海兵隊を沖縄に移駐させるため、あのとき建設されたものだ。本土の負担軽減が進んだ半面、沖縄は「基地の島」として過大な基地負担を背負わされることになった。
 日米特別行動委員会(SACO)は基地の整理・統合・縮小計画に合意した。だが、ほとんどが県内移設で、北部訓練場の過半約3987ヘクタールの返還は、SACOの返還合意面積を大きく見せるための措置だった。
 米軍は不要な部分を返還する見返りに、6カ所のヘリパッドの移設と、海への出入りを確保するための土地と水域の追加提供を勝ち取った。
■    ■
 半世紀以上も前に建設された沖縄最大の基地の不要部分を返還し、日本の予算によって新たな機能を備えた訓練基地としてリニューアルし、恒久使用する。それが米軍の狙いだ。
 一方、ヘリパッドが高江の集落を取り囲むように移設され、オスプレイの訓練に使用されることは、高江の住民にとっては生活破壊を伴う大きな負担増となる。
 政府が過半返還を強調するのは高江の暮らしや豊かな自然環境への破壊的影響を無視した一方的な主張である。
(引用終わり)

開催予告9/29憲法学習会(講師:俵義文氏)「日本会議のすべて~安倍政権を支える草の根「改憲」のうごき~」

 今晩(2016年8月23日)配信した「メルマガ金原No.2547」を転載します。

開催予告9/29憲法学習会(講師:俵義文氏)「日本会議のすべて~安倍政権を支える草の根「改憲」のうごき~」

 「和歌山憲法会議」(憲法改悪阻止和歌山県各界連絡会議)と「県民の会」(憲法九条を守るわかやま県民の会)共催の憲法学習会を主催者からお知らせいただきましたので、本メルマガ(ブログ)でもご案内することにします。
 まずは、チラシ記載情報を転記します。

(引用開始)
憲法学習会
日本会議のすべて(仮題)
~安倍政権を支える草の根「改憲」のうごき~

講師 俵 義文 氏(子どもと教科書全国ネット21 事務局長)

と き 2016年9月29日(木)18:00~19:20
ところ 和歌山勤労福祉会館プラザホープ2F多目的室

     (当初、会場を高校会館とご案内しましたが、変更致しました)
主催 
 憲法改悪阻止和歌山県各界連絡会議
  (高校会館内)073-432-6355
 憲法九条を守るわかやま県民の会
  (県地評内)073-436-3520
*当日は、19:30から憲法会議2016年度総会を同じ会場で開催いたします。
(引用終わり)

 ご存知のとおり、出版界には、ちょっとした「日本会議」関連本出版ブームが到来しており、どれを読
むべきか、正直判断に迷います。
 今年の5月から7月にかけて発売されたものをざっと挙げてみましょう(版元の内容紹介文を引用しま
した)。
 
2016年5月6日発売
『日本会議の研究』(扶桑社新書) 菅野 完 著

「安倍政権の背後にいるとされる保守系団体、「日本会議」の真実
安倍政権における閣僚のほとんどが所属している「日本会議」。「日本会議」は誰のために何をなそうと
しているのか?日本改憲勢力の真実の姿とは?」
 
2016年5月18日発売
『日本会議とは何か 「憲法改正」に突き進むカルト集団』(合同ブックレット) 上杉 聰 著

「本書は、安倍政権が頼りにする日本会議との関係を実態に即して紹介する。「憲法改正」を切り口に、
彼らがめざす社会とはいったいどんな社会なのか、その論理、手法、政権との関係はいったいどうなっているのか、彼らの計画を可視化する。」

2016年6月17日発売
『日本会議の全貌 知られざる巨大組織の実態』(花伝社) 俵 義文 著

「安倍政権を支える極右組織
彼らは何者なのか
何をやってきたのか
何を目指しているのか──
かねてより警鐘を打ち鳴らしてきた
日本会議研究の第一人者による詳細な報告
日本会議系議員名簿、
役員名簿、活動年表も掲載!」

2016年6月28日発売
『日本会議と神社本庁』(金曜日) 『週刊金曜日』成澤宗男 編著
日本会議と神社本庁
『週刊金曜日』成澤 宗男編
金曜日
2016-06-28

「ナショナリズムと宗教が結びつき「壊憲」を目指す右派組織
 1997年に設立された日本会議は、神社本庁といくつかの宗教団体が中核をなす、現在最も行動的な
右派団体だ。
 また関連組織の日本会議国会議員懇談会には、安倍首相をはじめ約280人の国会議員が加わっており
、閣僚の大半が名を連ねる。
 本書は日本会議と神社本庁の活動を歴史的に追い、徹底「解剖」を目指した。両団体の素顔を暴くことが、この国の民主主義や立憲主義を守るための喫緊の課題と考えたからである。資料として日本会議国会議員リスト(日本会議国会議員懇談会名簿)を掲載。」

2016年7月8日発売
『日本会議の正体』(平凡社新書) 青木 理 著

「安倍政権とも密接な関係をもち、憲法改正などを掲げて政治運動を展開する、日本最大の草の根右派組
織「日本会議」。虚実入り混じって伝えられる、その正体とは。関係者の証言を軸に、その成り立ちと足跡、活動の現状、今後の行方を余すことなく描く。 反骨のジャーナリストがその実像を炙り出す、決定版ルポルタージュ。」

2016年7月15日発売
『日本会議 戦前回帰への情念』(集英社新書) 山崎雅弘 著

「安倍政権と日本会議は、なぜ「日本国憲法」を憎むのか。
 欧米メディアが「日本最大の右翼組織」と報じる日本会議。安倍政権の閣僚の半数以上が日本会議と直
接的に?がる議員団体に属するなか、日本の大手新聞・テレビは両者の関連性をほぼ報じてこなかった。
 本書では日本会議の“肉体”(人脈・組織)と“精神”(戦前戦中を手本とする価値観)、教育や靖国をめぐるその“運動”を詳説し、日本会議と安倍政権が改憲へと傾倒する動機が、かつて日本を戦争に導いた国家神道を拠り所とする戦前回帰への道筋にあることを指摘。気鋭の歴史研究家が日本会議を近視眼的な“点”ではなく、史実をふまえた“線”としての文脈から読み解く、同組織の核心に触れるための必読書である。」

 著者や出版社が示し合わせた訳でもないでしょうに、結果的に同じ時期に刊行されたため、非常に目立つことになりました。
 ただ、その中でも、9月29日に和歌山で講演される俵義文氏は、版元の紹介文によれば、「かねてよ
り警鐘を打ち鳴らしてきた日本会議研究の第一人者」ということです。
 講演会のサブタイトルを「安倍政権を支える草の根「改憲」のうごき」とした主催者の問題意識に共感
される方は、是非足をお運びいただければと思います。

 なお、以下は、本講演会の開催を知ったことを契機として連想した私自身の独り言と、それに関連する私が過去に書いたブログの紹介です。

◎「日本会議」の読み方ですが、「ニホンカイギ」と「ニッポンカイギ」のどちらが正しいか知っていますか?正解は「ニッポンカイギ」です・・・だと思います。
根拠1 昨年の9月12日に和歌山県田辺市で開催された「安保法案だよ全員集合!」というイベントに、私は、前田佳世さんとともに、安保法案に反対する立場で出演したのですが、その際、賛成派として登壇されたお2人が「日本会議紀南支部」の役員(支部長と事務局次長)であり、そのお2人とも「ニッポンカイギ」と発音されていました。
 そのイベントの模様は、『祝福(いのり)の海』の東条雅之監督が撮影してYouTubeにアップしてくださ
っていますので、是非ご覧ください。
安保法案だよ全員集合 2015.9.12(2時間02分)

 また、そこで私が「話すつもりだったこと」をブログに掲載しています。
2015年9月12日
「安保法案だよ全員集合!」(9/12@田辺市)で話すつもりだったこと

※余談ながら、日本会議の方といっても、別に鬼でもなければ蛇でもなく、支部役員を務めるほどの方はちゃんと礼節を弁えておられました。その主張にはとても同意できませんでしたけどね。
根拠2 「日本会議」の公式WEBサイトのURLが「
http://www.nipponkaigi.org/ 」です。 

◎2014年9月26日、和歌山県議会は、日本会議和歌山(角荘三会長)からの請願を自民党などの賛成多数で採択の上、「国会に憲法改正の早期実現を求める意見書」を議決しました。その間の一連の動きを報じた私のブログは以下のとおりです。特に、日本会議による地方から改憲の声をあげる国民運動について触れた9月27日の記事は是非お読みいただきたいと思います。
2014年9月18日
日本会議→自民党→県議会→「国会に憲法改正の早期実現を求める意見書」議決?(和歌山県議会の動き
2014年9月24日 
法律家等4団体が和歌山県議会議長・各会派に共同申入書を送付(憲法改正促進意見書採択を阻止するために)
2014年9月25日 
日本会議&自民党による改憲促進「意見書」運動を取り上げた朝日新聞のすぐれた調査報道(8/1)に遅ればせながら注目した
2014年9月26日
馬場潔子さんのレポートで読む和歌山県議会が県政史に汚点を残した1日 
2014年9月27日
地方議会の「国会に憲法改正の早期実現を求める意見書」は憲法尊重擁護義務に違反する


◎地方での「草の根「改憲」のうごき」は、必ずしも「日本会議」を名乗ってやってくるとは限りません。近くは、今年の5月29日に和歌山市で開催された「日本の未来を語ろう!憲法講演会」など、実態は、「日本会議和歌山」でも「日本会議和歌山女性の会」でも良かったと思いますが、形式的には「憲法おしゃべりカフェ実行委員会」の主催となっていました。ただ、実行委員会の住所が「和歌山県神社庁内」となっていましたので、見る者が見れば正体は明らかですけれど。この講演会について書いた私のブログは以下のとおりですが、特に、私の知人Aさんがわざわざ聴講して書いてくださった「参加記」(後者に収
録)が貴重です。

日本弁護士連合会「原子力損害賠償制度の在り方に関する意見書」(2016年8月18日)を読む

 今晩(2016年8月22日)配信した「メルマガ金原No.2546」を転載します。

日本弁護士連合会「原子力損害賠償制度の在り方に関する意見書」(2016年8月18日)を読む

 去る2016年8月18日、日本弁護士連合会は、「原子力損害賠償制度の在り方に関する意見書」を取りまとめ、翌8月19日に内閣総理大臣、経済産業大臣、文部科学大臣、原子力委員会委員長、原子力委員会原子力損害賠償制度専門部会長に提出しました。
 PDFファイルで全7ページなので、以下にその全文を引用することとします。
 「原子力損害の賠償に関する法律」の条文については、日弁連意見書で言及されている条項のみ引用し、その他の法令については、総務省法令データベースへのリンクにとどめます。
 また、原子力損害賠償制度の見直しを議論している原子力委員会・原子力損害賠償制度専門部会の議事録及び会議資料については、同委員会ホームページの該当箇所にリンクしておきましたのでご参照ください。
 
(関連法令等)
原子力損害の賠償に関する法律(昭和三十六年六月十七日法律第百四十七号)
(目的)
第一条
 この法律は、原子炉の運転等により原子力損害が生じた場合における損害賠償に関する基本的制度を定め、もつて被害者の保護を図り、及び原子力事業の健全な発達に資することを目的とする。
(無過失責任、責任の集中等)
第三条
 原子炉の運転等の際、当該原子炉の運転等により原子力損害を与えたときは、当該原子炉の運転等に係る原子力事業者がその損害を賠償する責めに任ずる。ただし、その損害が異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によつて生じたものであるときは、この限りでない。
2 前項の場合において、その損害が原子力事業者間の核燃料物質等の運搬により生じたものであるときは、当該原子力事業者間に書面による特約がない限り、当該核燃料物質等の発送人である原子力事業者がその損害を賠償する責めに任ずる。
第四条 前条の場合においては、同条の規定により損害を賠償する責めに任ずべき原子力事業者以外の者は、その損害を賠償する責めに任じない。
2 前条第一項の場合において、第七条の二第二項に規定する損害賠償措置を講じて本邦の水域に外国原子力船を立ち入らせる原子力事業者が損害を賠償する責めに任ずべき額は、同項に規定する額までとする。
3 原子炉の運転等により生じた原子力損害については、商法(明治三十二年法律第四十八号)第七百九十八条第一項 、船舶の所有者等の責任の制限に関する法律(昭和五十年法律第九十四号)及び製造物責任法(平成六年法律第八十五号)の規定は、適用しない。
(損害賠償措置を講ずべき義務)
第六条
 原子力事業者は、原子力損害を賠償するための措置(以下「損害賠償措置」という。)を講じていなければ、原子炉の運転等をしてはならない。
(損害賠償措置の内容)
第七条
 損害賠償措置は、次条の規定の適用がある場合を除き、原子力損害賠償責任保険契約及び原子力損害賠償補償契約の締結若しくは供託であつて、その措置により、一工場若しくは一事業所当たり若しくは一原子力船当たり千二百億円(政令で定める原子炉の運転等については、千二百億円以内で政令で定める金額とする。以下「賠償措置額」という。)を原子力損害の賠償に充てることができるものとして文部科学大臣の承認を受けたもの又はこれらに相当する措置であつて文部科学大臣の承認を受けたものとする。
2 文部科学大臣は、原子力事業者が第三条の規定により原子力損害を賠償したことにより原子力損害の賠償に充てるべき金額が賠償措置額未満となつた場合において、原子力損害の賠償の履行を確保するため必要があると認めるときは、当該原子力事業者に対し、期限を指定し、これを賠償措置額にすることを命ずることができる。
3 前項に規定する場合においては、同項の規定による命令がなされるまでの間(同項の規定による命令がなされた場合においては、当該命令により指定された期限までの間)は、前条の規定は、適用しない。
(国の措置)
第十六条
 政府は、原子力損害が生じた場合において、原子力事業者(外国原子力船に係る原子力事業者を除く。)が第三条の規定により損害を賠償する責めに任ずべき額が賠償措置額をこえ、かつ、この法律の目的を達成するため必要があると認めるときは、原子力事業者に対し、原子力事業者が損害を賠償するために必要な援助を行なうものとする。
2 前項の援助は、国会の議決により政府に属させられた権限の範囲内において行なうものとする。
第十七条 政府は、第三条第一項ただし書の場合又は第七条の二第二項の原子力損害で同項に規定する額をこえると認められるものが生じた場合においては、被災者の救助及び被害の拡大の防止のため必要な措置を講ずるようにするものとする。

核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年六月十日法律第百六十六号)


(引用開始)
          原子力損害賠償制度の在り方に関する意見書

                         2016年(平成28年)8月18日
                                日本弁護士連合会

第1 意見の趣旨
1 原子力損害の賠償に関する法律の第1条(目的)から「原子力事業の健全な発達に資すること」を削除すべきである。
2 原子力事業者の無過失無限賠償責任はこれを維持し,有限責任に変更すべきではない。また,原子炉等の製造業者に対する製造物責任法の適用を除外した第4条第3項は廃止すべきである。
3 原子力事業者による損害賠償の実施に困難がある場合においては,原子力損害の賠償に関する法律第16条(国の措置)において,国は,原子力事故の収束,被害者に対する損害賠償の立替払等,緊急の対応を行うことができること,及びこれらにかかる費用を原子力事業者に求償することができることを明記すべきである。
4 原子力事故による損害賠償額が原子力事業者の支払い能力を超える場合において,原子力損害賠償・廃炉等支援機構法を活用するほか,原子力事業者の法的整理を必要とする場合に備えて,原子力事故被害者の損害の完全・優先弁済,原子力事故の収束・廃炉にかかる作業の確保等を含む新たな制度を整備すべきである。
 
第2 意見の理由
1 原子力損害賠償制度見直し議論の経緯と基本的な考え方
(1)福島第一原発事故によって広範な地域が膨大な放射性物質に汚染され,被害は現在も拡大し続け,被害額は既に13兆円を超え,健康被害の発生・拡大も懸念されている。ひとたび事故が発生した場合,その損害が莫大なものになること,被害者には予防可能性がないことが,原発事故の本質である。
 1961年に制定された原子力損害の賠償に関する法律(以下「原賠法」という。)は,原子力事業者の無過失・無限責任(第3条第1項本文),原子力事業者への責任集中原則(第4条第1項),保険契約の締結義務(第6条以下,ただし1200億円にとどまる。),政府の援助(第16条第1項)及び異常に巨大な天災による場合の原子力事業者の免責と政府の措置(第17条)の4点を特色としている。福島第一原発事故の損害賠償は,原子力損害賠償・廃炉等支援機構法(以下「支援機構法」という。)が制定され,東京電力ホールディングス株式会社(以下「東京電力」という。)が無過失・無限責任を負い,政府が東京電力に融資を行うという枠組みで実施されている。
(2)支援機構法に定められた附則第6条に基づき,原子力損害賠償制度の見直しに関して,2015年5月21日,原子力委員会に原子力損害賠償制度専門部会(以下「専門部会」という。)が設置され,これまで合計11回の会合が重ねられている。
 これまでの審議において,原子力損害賠償制度の基本的枠組について,被害者に対する適切な賠償と国民負担の最小化の観点から,原子力事業者の無過失責任が維持されるべきであること,迅速かつ適切な被害者救済をはかるために,福島第一原発事故による損害賠償の経験を踏まえて,ADR手続や仮払いなどを制度化することなどが示されている。当連合会も,「基本的人権の擁護」の観点から,こうした被害者に対する迅速かつ適切な賠償とそれを実現するための制度の拡充をはかることには賛成である。
 他方,原賠法第1条の目的規定における「原子力事業の健全な発達」の維持及び,原子力事業者の責任を一定限度に制限し,それを超える損害については国が負担すべきであるとする,いわゆる原子力事業者の有限責任論が,一部の委員から主張され,争点となっている。原子力メーカー等の製造物責任を排除する責任集中原則(第4条)の見直しを企図した議論はみられない。
 有限責任の論拠に,原子力事業の維持継続が国策であることが挙げられているが,国は原子力事業者に危険を発生することまで容認して事業の維持継続を推奨しているわけではない。また,2014年に閣議決定されたエネルギー基本計画で原子力を重要なベースロード電源と位置付けたものの,電源構成における原発依存度については,政策の方向性として「可能な限り低減させる」とされており,国民世論も多数が原子力からの脱却を求め,再稼働にも反対している。原発の利用を止めていく方向であれば,原子力損害賠償制度の在り方の議論は根本的に異なってくる。当連合会は,かねてより,できる限り速やかに,全ての原発を廃止することを求めてきたところであるが,原子力損害賠償制度の見直しの議論を通じて,あらためて原発を維持することについても見直すべきであると考える。
 その上で,これまでの専門部会での議論における主要な論点について,以下に当連合会の考え方を述べる。
 
2 原賠法の目的から「原子力事業の健全な発達」を削除し,「被害者の保護」のみとすべきである。
 原賠法には目的として,「被害者の保護」とあわせて,「原子力事業の健全な発達」が掲げられている。1961年(昭和36年)の法制定時においては,日本の原子力発電事業はまだ立ち上げの黎明期にあり,原子力発電事業を保護・育成して推進するとの当時の政策が反映されたものである。
 しかしながら,制定から半世紀余りを経て,20の原子力発電事業所に計54基の発電用原子力炉が建設され,世界に輸出が企画されている今日にあっては,原子力発電事業は成熟産業というべきである。そもそも,原賠法は原子力事故による損害の賠償に関する法律である。事業の「健全な発達」は事業活動に普遍的課題であり,損害の完全賠償がその前提である。
 しかるに,専門部会における議論の中では,原賠法の目的に,「被害者の保護」と並んで「原子力事業の健全な発達」が掲げられていることが有限責任論の論拠の一つとされている。原賠法の適用場面において「被害者の保護」に欠けることのないよう,「原子力事業者の健全な発達」を削除し,法の目的を,もっぱら「被害者の保護」とすべきである。
 
3 原子力事業者の無過失・無限責任を維持し,原子力機器の製造業者は製造物責任を負うとすべきである。
(1)原子力事故は,一旦,発生すれば,広範な地域に,極めて長期にわたって甚大な被害をもたらすものである。原子力事業者は事故による損害賠償責任を第一義的に負う者であるが,被害者救済を事業者の故意過失の存否にかからしめることは救済を困難にするものであるから,現行原賠法において原子力事業者が無過失責任を負うとされてきたものである。専門部会におけるこれまでの議論においても,原子力事業者の無過失責任を維持することには異論はない。
 他方,原子力事業者の無限賠償責任については,一部の委員から,これを有限責任に変更すべきとする意見が強く出されている。
 しかしながら,そもそも不法行為法制においては賠償責任には限定はない。また,損害賠償制度は被害回復と共に,事故の再発防止の機能をも有している。甚大な損害をもたらした福島第一原発事故を経験した我が国において,これらの観点から,原子力事業者の無限責任を改定すべき事情は全くない。
 原子力事業は事業者の自主的な判断によって行われ,利益を得ているものであり,損失も当該事業者に帰属するのは当然である。原子力事故を起こさないために,原子力事業者が安全の確保に万全を期し,事故防止のための投資を怠らないことが,原子力事業を継続するために必須の要件である。しかし,原子力事業者らが求める賠償責任の有限化とは,過酷事故を招来しても破綻を回避できるよう,賠償責任限度をあらかじめ限定しておくというものである。かかる制度は,事業者の厳格なリスク評価と必要な安全対策への投資を怠らせ,原子力事業者のモラル・ハザードを招くおそれが懸念される。
 この点で,原子力規制委員会による安全規制が行われていることを挙げて,事業者のモラル・ハザードの懸念はないとの指摘もなされているが,原子力規制委員会の現行の安全規制は不十分である上,安全規制の存否・内容が事業者の賠償責任の制限を根拠付けるものではない。一部の委員は,原子力には十分な安全規制をもってしても排除できない「残余のリスク」があるとして,賠償責任を制限すべきであるとも主張する。しかし,仮にそのようなリスクが残存するのであれば,それは賠償責任の制限の要否の問題ではなく,原子力の利用の可否の問題と言わざるを得ない。
 有限責任化を求める主張においても,原子力事業者に故意又は過失がある場合には有限責任制度は適用されないとするものであるが,被害救済を事業者の故意過失に係らしめることは,被害者救済を困難にするものであって,原賠法制定当時から,原子力事故の賠償においてとりえないとされてきたことは既に指摘したところである。
 ところで,一部の委員は,電力自由化の進展によって原子力事業も競争条件下におかれているとして,現行の支援機構法による原子力事業者の一般負担金制度は不合理であると主張する一方で,発災事業者については有限責任化が必要であると主張し,電力自由化の例外として原子力事業者の競争環境から保護を求めている。これは,原子力事業と他の産業との均衡を著しく損なうものであり,原子力事業に対する国民感情とも相いれない。
 また,一部の委員は,長期エネルギー需給見通しにおいて,電源構成における原子力比率を20~22%とするとされたとして,その達成が国際公約であるとさえ述べている。ここにいう長期エネルギー需給
見通しとは,経済産業省の2030年時点についての見通しに過ぎず,国として,原子力をこの水準で長期にわたって維持することが確定しているものでもない。当連合会がかねて指摘してきたように,かかる
原子力比率をこそ見直すべきであり,その維持のために原子力事業者の賠償責任を限定するのは,本末転倒と言わねばならない。
 さらに,専門部会では,原子力事業者の責任限度を超える損害の全てを国に賠償させるとし,いわば国に無限責任を負わせることとすることで,地域住民,国民の信頼感,安心感が増すといった意見も出されている。しかし,これは,被害者への適切な賠償を,国即ち国民の税による負担に委ね,原子力事業者は専ら,事業の維持,輸出を行えるようにするものであって,事業者の責任を国及び国民に転嫁するものに他ならない。
 原子力発電はエネルギー基本計画において重要なベースロード電源として位置付けられたとして,その運営や事業資金の担い手を確保し,原子力事業者の損害賠償額の予見可能性を高め,適正な安全対策投資やリプレース投資によって原子力発電比率を維持し,更に世界に原子力事業を拡大していくために,有限責任化が必要との主張は,まさに,原子力事業の維持継続のためにその原子力事故被害者への賠償責任を制限することが必要と主張するものに他ならない。かかる有限責任論は,原子力事業に対する国民の不信を高めるだけである。
(2)現行法は,責任集中と称して,原子力事業者のみに責任を負わせ,原子力機器の製造業者との間での契約では当該機器の欠陥による製造物責任法の適用を除外している。
 責任集中の制度は,被害者が請求の相手方を容易に知り得ることと,機器の製造業者が安定的に資材を提供できることを目的としたものとされる。しかしながら,機器の欠陥による事故に関する損害の賠償原資として,原子力事業者のみで十分ではなく,機器の欠陥による事故においてもその製造業者は経営破綻リスクを負わないとすることで,その事業者のモラル・ハザードを招く懸念がある。よって,機器の製造業者についても製造物責任法を適用すべきであり,原子力事業者への責任集中を定め,製造物責任法の適用を除外した原賠法第4条第1項及び同第3項の規定を改め,原賠法においても責任を負うとすべきである。
 
4 国の責任
(1)国家賠償法第1条による過失責任
 国は,発電用原子炉施設の設置を許可し(原子炉等規制法第43条の3の6第1項第4号),原子力規制委員会は,同委員会規則で基準を定め,原子炉施設が設置許可基準や技術所
(金原注:「技術上」の誤りか?)
の基準に適合しないと認めるときは,発電用原子炉設置者に対し,当該発電用原子炉施設の使用の停止,改造,修理又は移転,発電用原子炉の運転の方法の指定その他保安のために必要な措置を命ずることができる(同法第43条の3の23)。
 原賠法第3条第1項の責任集中は被害者保護のために認められたものであり,国がこの規制権限を適切に行使しなかったために原子力損害が発生した場合に,国の国家賠償法上の責任を排除するものではないことは言うまでもない。
 国の国家賠償法上の責任と原子力事業者の責任とは競合し,不真正連帯債務関係となる(最判平成16・10・15民集58巻7号1802頁等)。
(2)賠償措置額を超えた場合の原賠法第16条に基づく国の措置について
 原子力事業者は原子力発電事業を行う義務を有しているものではなく,2014年の電気事業法の改正によって,発電事業者も経済産業大臣への届出によって事業を廃止・解散することができることとなった(第27条の29)。かかる事業について,国に規制権限が存することが,その権限不行使による国家賠償法の責任の他に,国が事業者に代わって無過失無限の損害賠償責任を負うことにはなり得ない。
 原子力損害は甚大であり,当該発災原子力事業者の資力では被害弁償を全うできない場合に備えて,事業者に損害賠償措置を講じさせるとともに,損害が措置額を超え,原子力事業者の負担能力を超えると認められる場合には,国は,原賠法第16条において,国家賠償法上の責任が認められない場合であっても,必要な援助を行うものとすると定めている。
 無限責任を負う原子力事業者による損害賠償責任の履行に支障が生じたとき,被害者の損害賠償に欠けることがないよう,これまで少額に過ぎた賠償措置額を十分な措置額に引き上げるべきである。また,法第16条に定める援助の具体化として,国が発災原子力事業者に賠償原資を融資し,東京電力が損害賠償を行う仕組みとして制定された支援機構法の活用に加えて,緊急対応時に,国において被害者保護のために,損害の立替払いを行うことや,事故収束に直接的に関与することができ,原子力事業者にその費用を求償する仕組みを盛り込んでおく必要がある。
 
5 原子力事業者の法的整理について
 大規模な原子力事故が発生した場合,その損害賠償額は莫大になり原子力業者が損害賠償の原資を確保できなくなる事態も生じうる。福島第一原発事故においては,支援機構法によるスキームによって損害賠償が行われているが,同スキームは今後の事故についても概ね妥当する。
 しかしながら,法的整理の適用が排除されるものではなく,その場合の被害者の保護が優先され,原子力事故の収束等の作業に支障が生じないよう,原子力事故を伴う法的手続を整備検討しておく必要がある
(金原注:この一文はさらに修文の必要がある)。
その場合,被害者救済のために原子力事故による損害賠償債権を優先させることが不可欠であり,社債権者等の主要なステークホールダーの債権放棄も必要である。
 また,被害者の早期救済に欠けることがないよう,国による賠償金の仮払い等の救済と事後的な国からの求償の仕組み,事故の収束,除染等の作業を適切に遂行するために必要な対応措置等を盛り込んだ制度とすべきである。
 再建型清算手続においても,原子力事故をもたらし膨大な債務を抱えた事業者を再建するための資金提供者を得ることは困難であるため,国の関与,すなわち税金を用いた資金投入(国の援助)が必要とならざるを得ないが,従来の株主を不当に利しないようにするとともに,国から当該事業者に対する求償権を確保した制度としておくことが必要である。
(引用終わり)

 一読したところ、私としては、この意見書の大枠には賛同できると思いました。ただ、最後の「5 原子力事業者の法的整理について」は、もっと突っ込めなかったのか?という不満は正直言ってあります。
 支援機構法によるスキームが「今後の事故についても概ね妥当する」と述べる一方で、「法的整理の適用が排除されるものではなく」としており、その相互関係がはなはだ曖昧で、さらに法的整理の中身についても、ようやく「社債権者等の主要なステークホールダーの債権放棄も必要である」という表現は出てくるものの、何だか、おそるおそる(?)という印象です。
 それだけ、原子力委員会・原子力損害賠償制度専門部会での検討状況には厳しいものがあるという日弁連の情勢判断なのでしょうか。
 

(付録)
飯舘村民歌『夢大らかに』 作詞:小林金次郎 作曲:石河清 演奏:河合弘之
 
(参考)歌詞・楽譜

響け!歌声 自由のために 歌と映画と憲法と~予告8/28志田陽子教授(武蔵野美術大学・憲法学)がおくる歌と講演(平和を育てる大泉9条の会)

 今晩(2016年8月21日)配信した「メルマガ金原No.2545」を転載します。

響け!歌声 自由のために 歌と映画と憲法と~予告8/28志田陽子教授(武蔵野美術大学・憲法学)がおくる歌と講演(平和を育てる大泉9条の会)

 私のメルマガ(ブログ)では、憲法問題や原発問題を中心として、たびたび講演会などの企画をご案内しますが、多くは私の地元である和歌山県、県外でもせいぜいお隣の大阪までであることが大半です。
 従って、私自身参加もできず、また主催者から広報への協力を依頼された訳でも何でもない、というか、講師や出演者、主催者などの関係者で面識のある人は誰もいない東京でのイベントをご紹介する気になるというのは異例中の異例なのですが・・・と前置きばかり長くなりそうなので、主催者である「平和を育てる大泉9条の会」(東京都練馬区大泉地区にある地域9条の会)のFacebookイベントページフライヤーから開催概要を引用します。

(引用開始)
★平和を育てる大泉9条の会
響け!歌声 自由のために 
・・・歌と映画と憲法と・・・

2016年8月28日(日)
14:00~16:30(13:30開場)

歌とお話:志田陽子さん(武蔵野美術大学教授・憲法学)
ピアノ:沼舘千佳子さん

会場:練馬区大泉勤労福祉会館集会室
(西武池袋線大泉学園駅南口徒歩3分)
資料代:500円

 
自分の命も、人の命も大切にして、暮らしをつむいでいけることを保障するのが、世界の宝と言われる私たちの憲法です。
 その憲法のエッセンスを、「アメイジング・グレイス」や、「ダニー・ボーイ」といった歌や、映画のお話をまじえながら武蔵野美術大学教授の志田陽子さんに語っていただきます。
 歌にこめられている、「憲法」を編み出してきた人々の知恵と、あきらめずに前を向いてたたかっていく力を今こそ私たちのものにしましょう。

★1歳以上未就学児の託児あります!ご希望の方はフライヤー記載の連絡先まで。定員5名。
就学年齢のお子さんは会場後方にスペースを設けます。
 
志田陽子さん
武蔵野美術大学教授、専攻は憲法。博士(法学・早稲田大学)。安保法制違憲訴訟原告。著書に『表現者のための憲法入門』など、編著書に『映画で学ぶ憲法』。
沼舘千佳子さん
国立音楽大学卒業。声楽・器楽・合唱等の伴奏ピアニストとして活躍。クラシックのほかにジャズ・ポピュラー等でもステージに立つ。社会問題をテーマにしたイベントにも企画・運営メンバーとして参加。
 
★連絡先:町田(03-3923-0915)
(引用終わり)

 このフライヤーの記載から判断するに、主催者からの挨拶や報告はあるかもしれませんが、それ以外は、ほぼ志田陽子先生1人によるピアノ伴奏就き歌唱(7曲演奏するとご自身のFacebookに書かれていました)と映画を素材とした話題提供と憲法に関する講演が行われるらしいのです。
 「映画と憲法」については、志田先生が第一人者だろうということは、発表された論考などから想像していましたが、その上「歌う憲法学者」でもあったとは!初めて知りました。
 実は、この企画については、憲法学者の中で私の唯一のFacebook「友達」である石埼学先生(龍谷大学法科大学院教授)がタイムラインで志田先生の投稿をシェアされていたので気がついたのですが、石埼先生も「志田陽子先生の「憲法ライブ」。類似の企画っていまだかつて無いのではないでしょうか。」と書かれていましたので、やはり、憲法学者による「歌(ピアノ伴奏付)と映画と憲法のお話」が「本邦初」の試みであることは間違いないでしょう。
 ということで、志田先生とは一面識もない私ですが、私のブログのモットー(憲法を大事にし、音楽を愛し、原発を無くしたいと願う多くの人と繋がれるブログを目指します。)の趣旨にこれほどぴったりの企画を見逃す訳にはいかないということでご紹介しました。
 【公開投稿】とされた志田先生のFacebookには、「ピアノと歌唱を7曲と、憲法のエッセンス(立憲主義、自由や平等の意味)の話をします。西武池袋線沿線の方でお時間のあるかた、よろしかったら冷やかしに来てやってください。」とありましたが、「西武池袋沿線」に限らず、このブログが目に止まって「是非行きたい!」と思ってくださる方が1人でもいてくださればいいなと思います。

 もっとも、私は、たしかに志田陽子先生とは一面識もありませんが、これまで全くご縁がなかった訳でもありません。
 上記フライヤーの紹介文にも記載されていますが、志田先生は、去る4月26日に東京地裁に提訴された2件の安保法制違憲訴訟のうちの、差止請求訴訟の原告のお1人(というかほとんど原告代表のような立場でしょうか)であり、私も名前だけですが、一応弁護団の一員です。
 以下のブログで、訴状の「請求の趣旨」及び「請求の原因」の目次をご紹介するとともに、「安保法制違憲訴訟の会」ホームページに掲載された志田先生による「原告の声」の一部をご紹介しています。また、提訴に先立つ4月20日に行われた総決起集会の動画も同ブログの中でご紹介していますが、その動画の34分~で志田先生のスピーチが視聴できます。
2016年4月27日
安保法制違憲訴訟(4/26東京地裁に提訴)の訴状を読んでみませんか?

 また、今年の3月7日、「国立大学の入学式・卒業式等での国旗掲揚・国歌斉唱に関する文部科学大臣の発言の撤回を求める憲法研究者声明」と同月14日に行われた記者会見の模様もブログでご紹介していますが、志田先生は、この声明に名前を連ねるとともに、記者会見にも出席して発言されています(動画の19分~)。
2016年3月15日
「日章旗」「君が代」強制と国立大学~17年前の国会審議と馳浩文部科学大臣に対する憲法研究者の抗議声明

 今後、「歌う憲法研究者」という冠が一種のレッテルとして付いて回ってもご迷惑でしょうから、この程度にしておきますが(このブログ自体、レッテル貼りに一役買いそうで申し訳ありませんが)、志田先生の本来の憲法研究者としての業績について、インターネット環境で容易に読めるものも少なくありません。その中から、以下にいくつかご紹介しておきます。

(志田陽子教授についての参考サイト)
志田陽子(武蔵野美術大学 専任教員プロフィール集より)
(抜粋引用開始)
研究テーマ:
文化的衝突をめぐる憲法問題。言論および芸術をめぐる憲法問題。
憲法と芸術関連法にまたがる問題として、文化的衝突をめぐる憲法問題、とくに「表現の自由」と多文化社会の問題を扱っている。'00年から'06年までは、アメリカの「文化戦争」と呼ばれる現象に関連する憲法問題を取りあげて理論研究を行った。'07年以後は、「多文化主義」の課題を含めて、多文化社会や差別的文化と憲法理論との関係を研究対象としている。'12年以後は、芸術に関連する憲法問題として、冷戦期の芸術統制の問題と、著作権法と憲法の理論的関係を研究対象としている。

(引用終わり)

志田陽子(SYNODOSより)
※荻上チキ氏責任編集になる電子マガジン「シノドス」にも、何本かの論考を発表しておられます。

法学館憲法研究所サイト「今週の一言」より
憲法を知ることは、リアルと普遍の間を何度でも行き来すること――『映画で学ぶ憲法』
※同サイトの中の「シネマ・DE・憲法」コーナーでは、志田先生も何本か執筆されています。武蔵野美大専任教員プロフィールに掲載されている執筆リストを眺めていて、私も劇場で観ている映画が1本だけありました。司法修習生時代に友人の修習生に誘われて東京で観た『ミシシッピ・バーニング』です。
 とても持ち重りのする映画だったという印象が残っているのですが、私の記憶違いでなければ(28年も前のことなので相当あやしいですが)、今度の日曜日に志田先生が歌われるという『アメイジング・グレイス』が劇中で歌われるシーンがあったような・・・。

志田陽子氏(武蔵野美術大学教授) 2015/7/3 国会前(9分45秒)

※昨年の7月3日に国会前で行われた憲法研究者有志によるリレートークに登場した志田陽子先生によるスピーチと歌唱(石埼学先生のFBで教えられました)。8分50秒から『アメイジング・グレイス』をワンフレーズだけ歌っておられます。

西谷修氏講演「戦争とは何だろうか 2016年夏に考える」を視聴する(「さぁ、安倍政治を終らせよう」8.19.院内集会)

 今晩(2016年8月20日)配信した「メルマガ金原No.2544」を転載します。

西谷修氏講演「戦争とは何だろうか 2016年夏に考える」を視聴する(「さぁ、安倍政治を終らせよう」8.19.院内集会)

 昨日(8月19日)お送りした「トークイベント「いつのまにか、戦争?―話題の新書、3著者が語る」を聴いて3冊とも読みたくなる」の続編です。
 8月17日に神田神保町の東京堂ホールでトークした3人の著者の内、西谷修さん(立教大学特任教授)が、戦争をさせない1000人委員会と立憲フォーラムの招きにより、「さぁ、安倍政治を終らせよう」8.19院内集会に講師として招かれ、「戦争とは何だろうか 2016年夏に考える」と題して講演されました。
 UPLANから動画がアップされていますのでご紹介します。西谷修さんの講演は6分~1時間00分の54分間です。
 
20160819 UPLAN 西谷修「戦争とは何だろうか2016年夏に考える」(1時間07分)


 時期が時期ですから、西谷さんが先月、ちくまプリマ-新書から出された『戦争とは何だろうか』(私は未読ですが)の内容に沿ったお話であったようです。
 ということで、昨日紹介したばかりですが、この近著の内容を、あらためて出版社のホームページからご紹介しておきます。
 
『戦争とは何だろうか』(筑摩書房)
(引用開始)

この本の内容
軍事力で平和は守られるのか?敵は誰なのか?宗教戦争からテロリストとの戦争まで、戦争の歴史を辿る。日本の戦後が終わり、世界が戦争状態に入ろうとしている今、改めて戦争とは何なのかを考える。
この本の目次
第1章 戦争って何?
第2章 国家間秩序
第3章 国民と国民の戦争
第4章 世界大戦への道
第5章 世界戦争とその顛末
第6章 冷戦後の世界から9.11に至るまで
著者について
西谷 修 ニシタニ オサム
1950年愛知県生まれ。東京大学法学部、東京都立大学大学院、パリ第8大学などで学ぶ。フランス思想、とくにバタイユ、ブランショ、レヴィナス、ルジャンドルらを研究。明治学院大学教授、東京外国語大学大学院教授等を経て現在立教大学大学院特任教授。著書に『不死のワンダーランド』(増補新版、青土社)、『戦争論』(講談社学術文庫)、『世界史の臨界』(岩波書店)、『理性の探求』(同)など、訳書にブランショ『明かしえぬ共同体』(ちくま学芸文庫)、レヴィナス『実存から実存者へ』(同)、バタイユ『非‐知』(平凡社ライブラリー)などがある。
(引用終わり)

 出版社(筑摩書房)が、この本の「はじめに」の部分を「ためし読み」できるようにしています。その冒頭の部分をご紹介しましょう。

ちくまプリマー新書 ためし読み
戦争とは何だろうか? 西谷 修

(抜粋引用開始)
はじめに
戦争の輪郭
 戦争について考える、というのがここでのテーマですが、後に述べるような理由から、今では「戦争」や「平和」という言葉の輪郭がほとんど崩れてしまっています。そこで、まずは戦争というのがどういうことなのかを輪郭づけることから始めましょう。実際に「戦争」という言葉はどう使われているでしょう?あるいは、戦争という言葉でひとは何をイメージしているのでしょう。
 空襲とか、銃撃戦とか、陣取りゲームとか、召集の赤紙とか、いろいろあるでしょう。でも、それは基本的には国と国とが軍隊を動員して戦い合うということですね。要するに、私たちがふつう「戦争」という言葉で思い浮かべるのは、国家間戦争だということです。とはいっても、戦争がいつも国家間戦争だったわけではありません。むしろ、それはいわゆる近代の世界にできた武力抗争の枠組みです。それはどういうもので、いつ頃にできて、どのように展開されて、今はどうなっているかということについては、順次見てゆきましょう。
 ともかく、戦争では、国と国との間に武力衝突が起こって、そのために国民同士が敵味方に別れて戦うことになります。それが通常のかたちですが、グローバル化以降、状況が変わってきています。グローバルな大きな権力(超大国ですが)が軸になって、それがグローバル秩序を守る、あるいは、グローバルな「文明」秩序を押し付けるというかたちで、国家の軍事力が行使されるようになりました。それは国家同士の戦争ではありません。国家が犯罪者とみなした武装集団を相手に戦うもので、これが「テロとの戦争」と呼ばれ、「非対称的」だと特徴づけられています。これは、今までの国家間戦争とは全く違っていて、世界の秩序を変質させるようなものです。
 そこで戦争はどんなふうになったかというと、文字通り軍事力による人間の純然たる殺戮、殲滅行為になりました。「テロリスト」と呼ばれる敵は、敵としての資格もないし、人間として向き合う必要もない、極悪非道で抹消すべき対象でしかないとされます。何か事件が起きたとき、それを「テロ」と決めつけると、もはや問答無用で理由などは問われません。「テロ」は許しがたい、そんなことをする凶暴な輩は、人間の風上にも置けないから、どんな手段を用いてもやっつける。そのために国家が武力を行使するのは「正義の執行だ」というのです。そうして国家がいわば私人を相手に「戦争」をするようになりました。この種の戦争では、「何人殺したか」ということが「戦果」として発表されますが、その意味では戦争は剝き出しの殺戮になったのです。その雛形はすでにイスラエル国家とパレスチナ人との抗争にありました。じつは植民地独立をめぐる戦争も同じ構造をもっていましたが、詳しい説明は後でするとして、現在起こっている戦争というのは大体そういうかたちです。だから、わたしたちがこれから直面するのも、主としてそういう戦争なのです。

核兵器という限界(略)
日本の「戦後」が終わる?(略)
(引用終わり)

 どうでしょう。西谷さんの講演を聴き、「はじめに」の冒頭を読んだだけでも、是非この新刊を購入したいと思いませんか?

(付録)
『これがボクらの道なのか』『時代は変わる』『遠い世界に』『花をください』『Hard Times Come Again No More』『血まみれの鳩』(「第3回東日本大震災復興支援チャリティコンサート&物産展古都の風にのせてin Zest 御池」より)(30分)
演奏:長野たかし&森川あやこ
 
※来る2016年8月28日(日)午後3時30分~、和歌山市ぶらくり丁の「レモネード・カフェ」に長野たかしさん、森川あやこさんが登場されます(ちょうさんとベースパーティvol.4)。私も行くつもりです。是非ご来場ください。多分、ニューCD『希求』もサイン入りで購入できると思いますよ。

トークイベント「いつのまにか、戦争?―話題の新書、3著者が語る」を聴いて3冊とも読みたくなる

 今晩(2016年8月19日)配信した「メルマガ金原No.2543」を転載します。

トークイベント「いつのまにか、戦争?―話題の新書、3著者が語る」を聴いて3冊とも読みたくなる

 子どもの頃から本好きであった私は、弁護士になってからもその嗜好は変わらず持ち続けてきたものの、若い頃に比べると、読む時間が圧倒的に少なくなってしまっています。もちろん、時間というのは自分
で「作る」ものですから、努力が足りないということでしょうが。
 ところで、このメルマガ(ブログ)でも時々は本を取り上げますが、その取り上げ方は色々です。
 
【第1パターン 熟読・書評型】
 じっくりとその本を読み込んだ上で、その感想を(書評というのは大げさですが)書くというもので、最近では、以下のような記事がこれに当たります。 
【第2パターン とりあえず買ってきた型】
 面白い本、価値のある本だという当たりをつけて、とりあえず買ってきたことをご報告するという、何の役に立つのかやや不分明な記事ですが、もしかすると、これを読んで「自分も買ってみよう」という人がいるかもしれないと思って書いているのですがね。最近ではこういう記事がありました。 
【第3パターン できればこれから買おう型】
 とにかく、上記の第2パターンであれば、本を入手はしているので、読もうと思えばいつでも読める訳ですが、この第3パターンは、そもそもまだ入手してもいないのに、メルマガ(ブログ)で紹介しようというのですから、私個人の「欲しいものリスト」を世間に公開するようなもので、いささか「どうかなあ」と思わないではないのですが、言ってみれば、私がよく書くテレビのドキュメンタリー番組の「放送予告」と同じことで、読んで(見て)いないので、中身の保証は出来ないけれど、おそらく「読む(見る)価値があるのではないか」という私の直感をお伝えし、私の感性を少しでも信頼してくれる人に、有益(かもしれない)情報をお届けしようというものです。

 前置きが長くなりました。今日ご紹介するのはこの第3パターンであり、最近出版されながら、全然気
がついていなかった新書3冊の著者が、東京堂という本屋さんの神田神保町店にある東京堂ホールで開催されたトークショーに出演されたのを機に、その3冊をご紹介というか何というか、出版情報をお伝えしようというものです。
 そのトークイベントの概要を、東京堂のホームページから引用します。
 なお、著者紹介については東京堂ホームページから引用しましたが、著書の内容紹介については、各出版社のホームページから引用しました。

(引用開始)
いつのまにか、戦争?―話題の新書、3著者が語る

 あの夏から七十余年を経たこの夏、奇しくも各出版社から、戦争や武器をテーマにした書が刊行されました。現代を生きる私たちにとって、それは遠い昔、遠い国の話だと感じますが、実際はどうなのでしょうか。著者三人が一堂に会する貴重な機会。ぜひお運びください。

日時 8月17日(水)19時開始(開場18時30分)
場所 東京堂ホール 東京堂神田神保町店6階
参加費 500円(要予約)

『科学者と戦争』(岩波書店)
科学者と戦争 (岩波新書)
池内 了
岩波書店
2016-06-22

 
天文学者 池内 了(いけうち・さとる)氏
 1944年兵庫県生まれ。総合研究大学院大学名誉教授、名古屋大学名誉教授。専攻は、宇宙論・銀河物理
学、科学・技術・社会論。著書に、『疑似科学入門』岩波新書、『科学の考え方・学び方』岩波ジュニア新書、『科学のこれまで、科学のこれから』岩波ブックレット、『大学と科学の岐路──大学の変容、原発事故、軍学共同をめぐって』リーダーズノート出版、『科学・技術と現代社会』みすず書房、『物理学
者池内了×宗教学者島薗進 科学・技術の危機 再生のための対話』合同出版、などがある。
(内容紹介)
 本書は、いま日本において急進展しつつある軍(防衛省・自衛隊)と学(大学・研究機関)との間の共
同研究(=軍学共同)の実態を描き、今後予想される展開に対して警告を発するために書いたものである。軍学共同と表現すれば、あたかも軍と学が対等な関係のように見えるが、現実に進行しているのは大学等学術機関にある研究者が、軍から支給される研究費欲しさのため軍事研究に手を染めていこうとするものであり、結局のところ学が軍に従属し戦争のための研究に堕していくことは明らかである。(本書「お
わりに」より)
 
『武器輸出と日本企業』(角川書店)
武器輸出と日本企業 (角川新書)
望月 衣塑子
KADOKAWA/角川書店
2016-07-10

 
東京新聞記者 望月衣塑子(もちづき・いそこ)氏
 1975年東京都生まれ。東京新聞社会部記者。慶応義塾大学法学部卒業後、東京新聞に入社。千葉、神奈
川、埼玉の各県警、東京地検特捜部などで事件を中心に取材する。2004年、日本歯科医師連盟のヤミ献金疑惑の一連の報道をスクープし、自民党と医療業界の利権構造の闇を暴く。また09年には足利事件の再審開始決定をスクープする。東京地裁・高裁での裁判担当、経済部記者などを経て、現在は社会部遊軍記者
。防衛省の武器輸出政策、軍学共同などをメインに取材している。二児の母。趣味は子どもと遊ぶこと。
(内容紹介)
 「武器輸出三原則」が見直された。防衛省は法令を検討するなど前のめりだが、防衛企業は足踏みのと
ころも多い。技術流出のリスク、見えない敵への恐れ、ビジネスとしての旨み……知られざる現状をレポートする。
 哲学者 西谷  修(にしたに・おさむ)氏
 1950年愛知県生まれ。東京大学法学部卒業。東京都立大学フランス文学科修士課程修了。哲学者。現在
、立教大学大学院文学研究科特任教授。戦争論、世界史論、クレオール文化などを広く論じている。著書に『夜の鼓動にふれる――戦争論講義』(ちくま学芸文庫)、監修に『自発的隷従論』(ちくま学芸文庫
)ほか。
(内容紹介)
 軍事力で平和は守られるのか?敵は誰なのか?宗教戦争からテロリストとの戦争まで、戦争の歴史を辿る。日本の戦後が終わり、世界が戦争状態に入ろうとしている今、改めて戦争とは何なのかを考える。
 
司会・企画協力 香山リカ
(引用終わり)

 このトークイベントの模様はIWJにアーカイブがアップされており、5分のダイジェストがYouTubeで視聴できます。
 

 池内了さんと西谷修さんについては、以下にご紹介した私のブログで、それぞれ今回刊行された新著に関連する講演をご紹介していますので、時間があればご覧いただければと思います。
 いずれも廉価な新書なので、全部購入して読みたいという意欲にかられます。皆さんはいかがですか?

(付記)
 このトークイベントに参加した方のブログを1つご紹介しておきます。
本屋は燃えているか ブックストアの定点観測 2016-08-18

(付録)
『これがボクらの道なのか』『時代は変わる』『遠い世界に』『花をください』『Hard Times Come Again No More』『血まみれの鳩』(「第3回東日本大震災復興支援チャリティコンサート&物産展古都の風にのせてin Zest 御池」より)(30分)
演奏:長野たかし&森川あやこ
 
※来る2016年8月28日(日)午後3時30分~、和歌山市ぶらくり丁の「レモネード・カフェ」に長野たかしさん、森川あやこさんが登場されます(ちょうさんとベースパーティvol.4)。私も行くつもりです。是非ご来場ください。多分、ニューCD『希求』もサイン入りで購入できると思いますよ。

クラウドファンディング「福島の子どもたちを沖縄・久米島の保養プロジェクトに招待したい」のご紹介

 今晩(2016年8月18日)配信した「メルマガ金原No.2542」を転載します。

クラウドファンディング「福島の子どもたちを沖縄・久米島の保養プロジェクトに招待したい」のご紹

 久しぶりにマコさん、ケンさんの「おしどりポータルサイト」をのぞいてみたところ、トップに大きく掲載されていた記事は、「クラウドファンデング・プロジェクトのお知らせ「球美の里クラウドファンデ
ィング・プロジェクト」7/29開始」というものでした。
 沖縄県の久米島に、フォト・ジャーナリストの広河隆一さん(当時は月刊「DAYS JAPAN」編集長で現発行人)が中心となって設立した福島の子どもたちのための保養施設が「球美(くみ)の里」ですが、そういえばマコさんは、「DAYS JAPAN」編集委員であるばかりか、「認定NPO法人 沖縄・球美の里」の理事でも
あるのでした。

 「認定NPO法人 沖縄・球美の里」では、恒常的に「募金」をお願いしていますが、それとは別に行う「クラウドファンディング・プロジェクト」ということですね。
 目的は、第66次保養(実施時期:2016年11月16日~11月29日)に参加予定の未就学児か
ら小学2年生までの福島の子ども27名とその母親たち15名の交通費、プログラム参加費、食費などを支援することであり、第一目標金額1,000,000円は達成し、現在はネクストゴール2,000,
000円を目指して引き続き募集中です(2016年9月27日まで)。
 クラウドファンディング「福島の子どもたちを沖縄・久米島の保養プロジェクトに招待したい」から、その概要をご紹介しようと思います。1人でも多くの方が協力していただければと思います。
 
(抜粋引用開始)
原発事故で外遊びが制限されている福島の子どもたちを久米島に招待したい!
 こんにちは。福島の子どもの保養施設「沖縄・球美の里」の理事長・向井雪子です。「チェルノブイリ子
ども基金」「未来の福島こども基金」でも活動しています。
 「沖縄・球美の里」では、福島の子どもたちに沖縄県・久米島で保養してもらう活動を2012年からずっ
と毎月続けてきました。今まで60回、2052人の子どもたちが参加してくれました。一人でも多く参加してもらうため、子どもの交通費や参加費はすべて無料としています。保養運営費はすべて国内外からの善意の募金でまかなっていますが、この先も継続的に子どもたちを受け入れ続けていくことは資金的な困難が
予想されます。そこで、11月の保養運営資金を募るプロジェクトに挑戦することに決めました。
 参加予定の子どもたち27人を無料招待するには、福島から久米島の航空券やバス代だけでおよそ160万円もの費用がかかってしまいます。福島の子どもたちに久米島で思いっきり遊んでもらうため、お力添えいただけないでしょうか?ご支援よろしくお願いいたします!
 
「沖縄・球美の里」について
 2011年3月の福島第一原発事故により被曝したか、現在も汚染された地域に住む子どもたちがいます。そんな子どもたちのために、フォトジャーナリストで月刊誌「DAYS JAPAN」の編集長だった広河隆一(現DAYS JAPAN発行人、沖縄・球美の里名誉理事長)が中心となり、福島の子どもたちの健康維持のために通
年で利用できる保養施設「沖縄・球美の里」をつくりました。
 沖縄・球美の里では、2012年から現在まで毎月、50人前後を、約10日間の保養に招待しています。小中学校が休みの期間は小中学生を、学校がある期間は未就学児と付添いのお母さんを招待します。放射能汚染の心配が無い食べもの、水、空気、土。全国から集まるボランティアや久米島の皆さんの温かいサポート。そんな環境で海水浴、自然観察、海洋深層水プール、芸術鑑賞など、わくわくするようなプログラム
をたくさん用意しています。
 10日間の久米島での生活が終わったあと子どもたちは、すっかり顔色がよくなり、より活発になって福
島へ戻っていきます。このような「保養」を繰り返すことで、心身ともに健康になって病気になりにくい体をつくってもらう。それが私たちの目的です。一定期間保養することにより、まず体の中と外からの被曝による健康被害のリスクは下がり、免疫力が上がり、精神的なストレスは軽減されます。保養中は、希望者に対して甲状腺検診と医療相談会も行なっています。
 
「病気になりにくい体をつくる!」保養の効果について
 1986年に原発事故を経験したチェルノブイリでは、事故発生から5年後には子どもたちを保養させる法律が制定され、30年後の現在まで、ベラルーシでは国策で保養が継続的に行なわれています。保養を繰り返すことにより、内部被曝と外部被曝の量を減らし、健康被害のリスクを下げることは保養者の9割以上に「
明らかな効果」をもたらす、とのベラルーシ政府の科学的な調査結果もあります。
 実際に「沖縄・球美の里」の保養参加後の母親へのアンケートで、子どもの変化について、よくみられ
る回答として次のようなものがあります。
<身体的変化>
・風邪を引きにくくなった
・のどの痛みがなくなった
・鼻水が出なくなった
・よく眠れるようになった
・食欲旺盛になった
・アトピーが出にくくなった
<精神的変化>
・活発になり明るくなった
・社交性と積極性が身に付いた
・自立心が芽生え手伝いを自発的にするようになった
・たくましくなった
・落ち着きが出てきた
 子どもたちは、汚染されていない土地で、のびのびと遊ぶことでストレスから解放され、汚染されてい
ない物を食べることで、体内被曝の進行から解放され、抵抗力、免疫力をつけることが可能です。
 効果を実感してリピーターとして何度も来てくれる子どもやお母さんもいるので、今後も出来る限り長く保養活動を続けていきたいです。
 
子どもたちの未来のため、応援よろしくお願いします!
 保養者たちは、保養に参加して、久米島の美しい自然の中で思いっきり遊び、走りまわり、同じ境遇の者同士で情報交換をして交流を深め、ボランティアさんや久米島の皆さんと一緒に温かく見守られながら
過ごすことで、精神的なストレスを軽減する絶好の機会も持つことができます。
 国が行わない保養に加え、甲状腺検診と医師との医療相談会への参加機会を希望者には常に提供していること。また、検診結果はすべて受診者へ開示し、その結果によっては病院の紹介も行っていること。そ
のような医療的なサポートも私たちの大きな役割です。
 一人でも多くの子どもたちを沖縄・久米島での保養に招待するため、この先も継続して活動を続けてい
きたいです。
 どうか応援よろしくお願いいたします!
 
今回の実施内容
実施時期:2016年11月16日~11月29日
参加人数:未就学児?小学2年生までの福島の子ども27名とその母親たち15名、合わせて42名(予定)
 多種多様な保養プログラムに加え、「甲状腺検診」、検診とあわせて開催される「医師と母親の医療相
談会」を予定しています。

ネクストゴール200万円の使途内訳
・子どもたちが保養に参加するための交通費
・食費
・プログラム参加費(ハテノ浜へ行くボート代、海洋深層水プールなど)
・光熱費(保養中にかかる電気、水道、ガス、ボイラーなど)
・手数料
(引用終わり)

 資金協力は、何種類かの中から選べるようになっています。

◎¥3,000のリターン

 サンクスメール+ポストカード2枚セット
◎¥10,000のリターン
 サンクスメール+ポストカード2枚セット+Tシャツ1枚(宮崎駿さんオリジナルデザインの沖縄・球美
の里ロゴ入り)
◎¥10,000(全額活動資金に提供)
 サンクスメール
◎¥30,000のリターン
 サンクスメール+ポストカード2枚セット+Tシャツ1枚+参加した子どもからのお礼の手紙
◎¥30,000(全額活動資金に提供)
 サンクスメール
◎100,000円のリターン
 サンクスメール+ポストカード2枚セット+Tシャツ1枚+参加した子どもからのお礼の手紙+沖縄のお
菓子詰め合わせ

 なお、以上のクラウドファンディングとは別に、「認定NPO法人 沖縄・球美の里」では、常時「募金」
をお願いしています。

 「沖縄・球美の里」のホームページは非常に充実しています。
 トップページを訪れると、まず宮崎駿さんが描いた「球美の里の近未来図」が出迎えてくれます。
 各ページの一々はこれ以上引用しませんが、是非折に触れてご覧いただければと思います。

 最後に、DAYSJAPANnet(「DAYS JAPAN」のYouTubeチャンネル)から、「沖縄・球美の里」関連の動画を年代順にご紹介します。これを見ていけば、「沖縄・球美の里」の成り立ちから現在まで、あらまし理解できると思います。
 
2012年4月26日
沖縄・球美(くみ)の里 ご協力お願いいたします(5分23秒)


2013年1月17日
NPO法人沖縄・球美の里(9分22秒)


2013年8月27日
沖縄・球美の里 メッセージボード in 赤レンガ倉庫(2分20秒)


2014年12月17日
球美の里にメンソーレ(8分32秒)


(参考)
2014年12月18日
ベラルーシ子ども保養センター「ナデジダ(希望)」(11分31秒)



(付録)
『Hard Times Come Again No More』 
作詞・作曲:スティーブン・フォスター 訳詞:長野たかし 演奏:長野たかし&森川あやこ

※来る2016年8月28日(日)午後3時30分~、和歌山市ぶらくり丁の「レモネード・カフェ」に長野たかしさん、森川あやこさんご夫婦が登場されます(ちょうさんとベースパーティvol.4)。私も行くつもりです。是非ご来場ください。多分、ニューCD『希求』もサイン入りで購入できると思いますよ。

放送予告8/21『18歳・・・生徒手帳と私の一票』(NNNドキュメント)~高校生の政治活動と事前届出制

 今晩(2016年8月17日)配信した「メルマガ金原No.2541」を転載します。

放送予告8/21『18歳・・・生徒手帳と私の一票』(NNNドキュメント)~高校生の政治活動と事前届出制

 南海放送という地方局があります。四国に住んでいない人に「何県にある放送局だと思いますか?」と尋ねたら、一番多い答えは多分「高知県」ではないでしょうかね。実際、私自身がそう思っていましたから。
 私がその間違いに気付いたのは、南海放送が制作した映画『放射線を浴びたX年後』第1作、第2作と監督による講演を一気に行うという企画が和歌山市で開催されることを知り、その予告記事をメルマガ(ブログ)に書いた時でした(予告6/11映画『放射線を浴びたX年後』2部作一挙上映と伊東英朗監督講演会へのお誘い(核戦争防止和歌山県医師の会)/2016年4月26日)。
 そう、南海放送が「愛媛県」を放送エリアとする地方局であることを、この時初めて知ったのです。
 「南海」=「南の海」という連想で、瀬戸内海に面した香川県や愛媛県は頭に浮かばなかったのでしょうね。しかし、そもそも「南海放送」の「南海」は、五畿七道の1つである「南海道」から来ているのでしょうし、行政区画としての「南海道」は、
 紀伊国(現在の和歌山県、三重県南部)
 淡路国(現在の兵庫県淡路島、沼島)
 阿波国(現在の徳島県)
 讃岐国(現在の香川県)
 伊予国(現在の愛媛県)
 土佐国(現在の高知県)
という6つの「国」から成るのであり(そういえば私の住む「紀伊国」も「南海道」だった!)、当然「伊予国(愛媛県)」に「南海放送」があっても少しも不思議ではなかった訳です。やはり、基礎的教養というのは重要ですね。

 以上は全くの余談ですが、その南海放送が制作するドキュメンタリー番組は、全国放送される場合には、NNNドキュメント枠での放送となります。最近では、伊東英朗ディレクターによる『放射線を浴びたX年後』シリーズの最新作が放映されました(放送予告6/26『汚名~放射線を浴びたX年後4~(仮)』(NNNドキュメント)/2016年6月11日)。
 そして、今日ご紹介する次週放送予定のNNNドキュメントが、やはり南海放送制作によるものです。以下に番組案内をご紹介します。
 なお、NNNドキュメントは、各地の放送局から同じ時間に放送されるようで、東京圏は日本放送、関西圏は読売テレビからの放送となります。
 
2016年8月22日(月)午前1時05分~(日曜25時05分~)
NNNドキュメント『18歳・・・生徒手帳と私の一票』

(引用開始)
18歳から選挙で投票できるようになった今年、愛媛のすべての県立学校が「選挙運動」や「政治活動」の届出を校則で義務化し生徒手帳などに記された。学者らは憲法違反と猛反発し教育現場も混乱。そこには60年前から県教育委員会に「モノ言えぬ」学校現場の体質が脈々と続いていることが取材から分かってきた。そんな中、届出制という"縛り"の中で動き出した高校生たち。愛媛独自の届出制から18歳の権利について考える。
ナレーター / 向井地美音 制作 / 南海放送 放送枠 / 30分
再放送
8月28日(日)11:00~ BS日テレ
8月28日(日)5:00~/24:00~ CS「日テレNEWS24」
(引用終わり)
 
 「高校生の政治活動と事前届出制」については様々な報道がなされましたが、一例として毎日新聞の記事を引用しておきます。
 
毎日新聞 2016年5月17日 07時00分(最終更新 5月17日 07時00分)
高校生の政治活動 事前届け出、都道府県で対応分かれる

(抜粋引用開始)
 高校生の校外での政治活動について、学校への事前届け出を認めた文部科学省の対応が「思想、信条に関する個人情報」の収集を禁じた個人情報保護条例に抵触する可能性が浮上している。専門家は「集会に出る生徒の氏名を聞くだけで条例が禁じる個人情報の収集になる」と指摘している。福岡県教委は届け出が個人情報保護条例の趣旨に反するとして、届け出を不要と判断している。
 届け出制を巡っては愛媛県立高の全59校が採用。愛媛県教委は「生徒の所在確認など安全管理に必要」などと説明した。徳島県でも3月中旬の県教委の調査で県立高15校が届け出制を導入する方針を示した。
 愛媛、徳島両県の個人情報保護条例はいずれも、思想、信条に関する個人情報の収集を禁じている。愛媛県教委は「行き先まで問わなければ条例が定める個人情報には該当しない」として、学校側に政治的信条を問わないよう要請した。多くの学校が口頭での届け出で、県教委はこれまでの実績は把握していないという。徳島県教委も「政治的信条を問うのが目的ではない」と話し、条例に違反しないとの姿勢だ。
 愛媛県立松山東高校(松山市)は(1)参加日(2)満年齢(3)場所が県内か県外か??を生徒が担任に口頭で伝える。北須賀逸雄校長は「18歳未満が選挙運動に参加すると公職選挙法違反になる。違反に巻き込まれないように生徒自身に確認させ、注意喚起するのが目的」と説明。条例との関係について「専門家でないので分からないが、文科省から認められた範囲内で対応している」と話した。
 文科省児童生徒課は「教育に必要な個人情報を学校が収集することは一般論として可能。条例内容は各都道府県で違うので届け出制が条例違反かどうかは判断できない」としたうえで「愛媛県は政治的信条を問うような届け出ではなく、条例違反にならないと考える」としている。
 これに対し、新潟大の鈴木正朝教授(情報法)は「行き先を問わなくても政治活動に参加することを届け出るのだから明らかに条例が禁じる情報収集に該当する」と指摘。その上で「行き先を問わないのであれば『安全を守る』という大義名分も成り立たないのではないか」と話した。
 内閣府情報公開・個人情報保護審査会の委員を務めた森田明弁護士は「政治活動の参加自体が政治的信条の一定の傾向を示すわけだから、届け出を求めること自体が問題ではないか。少なくとも(届け出の是非を)個人情報保護審査会などの第三者機関に諮るべきだ」と指摘している。
 毎日新聞が4月下旬、47都道府県と20政令市の教委に取材したところ、15府県と8政令市の教委が届け出を不要と判断。福岡県教委は「『何かあった時のため』という理由で届け出させることは必要のない個人情報を集めることになり、県条例の趣旨に反する」としている。
(引用終わり)
 
 上記記事の冒頭にある「高校生の校外での政治活動について、学校への事前届け出を認めた文部科学省の対応」については、文科省が作成した「Q&A」を参照願います。

「高等学校等における政治的教養の教育と高等学校等の生徒による政治的活動等について(通知)」に関するQ&A(生徒指導関係)
(抜粋引用開始)
Q9.放課後、休日等に学校の構外で行われる政治的活動等について、届出制とすることはできますか。
A.
放課後、休日等に学校の構外で行われる、高等学校等の生徒による政治的活動等は、家庭の理解の下、当該生徒が判断し行うものですが、このような活動も、高等学校の教育目的の達成等の観点から必要かつ合理的な範囲内で制約を受けるものと解されます。
 したがって、高校生の政治的活動等に係る指導の在り方については、このような観点からの必要かつ合理的な範囲内の制約となるよう、各学校等において適切に判断することが必要であり、例えば、届出をした者の個人的な政治的信条の是非を問うようなものにならないようにすることなどの適切な配慮が必要になります。
(引用終わり)

 18歳以上に選挙権年齢が引き下げられた後初めての国政選挙(第24回参院選)が終わったばかりですが、これは、民主主義の「将来の担い手」が「実際の担い手」となる境目が20歳から18歳に変更されたということであり、これから長い目で見た場合、日本の将来に大きな影響を与える可能性のある改革であったはずです。
 その出鼻を挫くように、と私には受け取れた「高校生の政治活動の事前届出制」ですが、その実体がどのようなものであったのか、全国的な注目を浴びた愛媛県からの報告です。大いに関心をもって視聴したいと思います。
 

(付録)
『君こそは友』 作詞:藤村直樹 補作:長野たかし 演奏:長野たかし&森川あやこ
 

「市民のための 自由なラジオ LIGHT UP!」のご紹介~もう19回分もアーカイブがたまっていた

 今晩(2016年8月16日)配信した「メルマガ金原No.2540」を転載します。

「市民のための 自由なラジオ LIGHT UP!」のご紹介~もう19回分もアーカイブがたまっていた

 惜しまれながら今年の3月をもって終了した「ラジオフォーラム」の実質的な後継番組と言って良いのでしょうね。「自由なラジオ LIGHT UP!」が4月からスタートするということを情報としては知っていたのですが、実際にアクセスして聴く機会を持つことが出来ていませんでした。
 そもそも、どうしたら聴けるのだろうか?「ラジオフォーラム」はYouTubeでも聴けたので、「自由なラジオ LIGHT UP!」も多分ネットで聴けるのだろうと推測はしていましたが、今日初めて確認しました。
 番組の公式サイトはこちらです。

 とにかく、このサイトが頼りなので、まず「ABOUT」をのぞいてみました。

自由なラジオ LIGHT UP!公式サイト ABOUT
(引用開始)
この番組は大きなスポンサーをもちません。

 皆様からの寄付によって作られる、今どきめずらしいラジオ番組です。
 だからこそ、あなたの手となり足となり、パーソナリティ自ら取材に出かけ、
 現場を見ているゲストを招き、本当のことをお伝えできます。
 「種蒔きジャーナル」「ラジオフォーラム」から引き続き小出裕章さんにもご出演いただきます。
 ぜひあなたも、市民にいちばん近いラジオ「自由なラジオ LIGHT UP!」にご参加ください!

今、必要な情報を私たちの手に!
この番組をご支援ください!!

ゆうちょ銀行
店  名 : 四〇八(よんぜろはち)店
口座番号 : 普通 6855587
名  義 : シャ)自由なラジオ

郵便振替口座
:
00920-0-309110
 
城南信用金庫
店  番 : 大井支店 003
口座番号 : 普通 862014
名  義 : ジユウナラジオ
 
一般社団法人 自由なラジオ
〒564-0041 吹田市泉町1-22-33
MAIL :
info@jiyunaradio.jp
(引用終わり)

 次はどうやったら聴けるのか?ですが、最初、トップページのどこを見てもそれらしいコーナーが見当たらず、当惑しましたが、画面の左端にある3つのボタンの真ん中にポインターを当ててみると、「How to Listen」と表示されました。それならそうと、最初からそう書いておいて欲しかった(それも日本語付きで)。

自由なラジオ LIGHT UP!公式サイト How to Listen
(引用開始)
ARCHIVE
 
当Webサイトのアーカイブページからお聴きになれます
PODCAST
 
ポッドキャストデータをダウンロードしてお聴きになれます
AM RADIO COMMUNITY FM
 
一部AM放送局、全国各地のコミュニティFM局でお聴きになれます
SIMULRADIO
 ネットでコミュニティFMの放送を聴ける「サイマルラジオ」でお聴きになれます
(引用終わり)

 基本的には、「ラジオフォーラム」で聴けたメディアではそのまま聴けるようです(AM放送局や全国各地のコミュニティFM局の数は減ったような気がしますが)。

 さて、4月以降、既に19回分の放送がアーカイブにアップされており、PODCASTまたはYouTubeで無料聴取できます。
 これまで、どのような番組が放送されたのか、アーカイブを覗いてみましょう。

自由なラジオ LIGHT UP!公式サイト ARCHIVE
(引用開始)
001 2016.4.1
祝第1回! 小出裕章さんとともにLight Up! 3.11から6年目の日本

PERSONALITY
木内みどり
GUEST
小出裕章(元京都大学原子炉実験所)
西谷文和(ジャーナリスト)
いまにしのりゆき(ジャーナリスト)
矢野 宏(ジャーナリスト


002 2016.4.12
松尾貴史が語る、解り合えるコツ。この時代、この国に生きるために。

PERSONALITY
おしどり
GUEST
松尾貴史さん(タレント、ナレーター、DJなど)


003 2016.4.19
戦争法が施行! 日本は本当に戦争ができる国になってしまうのか?

PERSONALITY
西谷文和
GUEST
前田哲男さん(軍事評論家)


004 2016.4.26
元山口組顧問弁護士の告白 ~私がクビになった理由と山口組分裂の真相~

PERSONALITY
今西憲之
GUEST
山之内幸夫さん(元山口組顧問弁護士)


005 2016.5.10
憲法に緊急事態条項は必要か?

PERSONALITY
矢野宏(新聞うずみ火代表)
GUEST
永井幸寿さん(弁護士)


006 2016.5.10
ガルトゥング博士を日本に呼ぶ男 “関根健次”が語る「積極的平和」の本当の意味とは?

PERSONALITY
木内みどり
GUEST
関根健次さん(ユナイテッドピープル株式会社代表 一般社団法人国際平和映像祭代表理事)
大島花子さん(シンガー)


007 2016.5.17
貝原浩の生き方、そして今だから伝えたい、大切なこと

PERSONALITY
アーサー・ビナード
GUEST
世良田律子さん(画家・亡き貝原浩さんのお連れ合い)
原きよさん(朗読家)


008 2016.5.24 
本当に可能か?戦争法の廃止

PERSONALITY
西谷文和
GUEST
岡野八代さん(同志社大学大学院教授)


009 2016.5.31
小沢一郎が山本太郎を採点評価! 「一所懸命で直向な、いい若者だと思うよ」
大手メディアではありえないロングインタビュー!

PERSONALITY
いまにしのりゆき

GUEST
山本太郎(参議院議員・俳優)
小沢一郎(衆議院議員)


012 2016.6.21
なぜ繰り返される?“政治とカネ”の問題

PERSONALITY
西谷文和(ジャーナリスト)
GUEST
阪口徳雄さん(弁護士)


013 2016.6.27
決して辞めてやるものかと誓った! 研修所の個室に左遷された内部告発者の30年

PERSONALITY
いまにしのりゆき
GUEST
串岡弘昭さん


014 2016.7.5
沖縄や福島の人たちだけに背負わせて手に入れた「偽りの安全」について考える

PERSONALITY
木内みどり
GUEST
落合恵子さん


015 2016.7.12
「国策紙芝居」を知っていますか?
人気メディアを巧みに利用して幼い心を洗脳していった国家権力の恐怖

PERSONALITY
アーサー・ビナード(詩人)
GUEST
長野ヒデ子さん(絵本・紙芝居作家


016 2016.7.19
これからどうなる日本経済

PERSONALITY
西谷文和(ジャーナリスト)
GUEST
二宮厚美さん(神戸大学名誉教授)


017 2016.7.22
国益最優先の政治に憤る! 拉致と原発、届かぬ被害者の思い

PERSONALITY
いまにしのりゆき
GUEST
蓮池透さん(拉致被害者・蓮池薫さんの実兄)
大沼勇治さん(福島県双葉町住民・電話ゲスト)


018 2016.8.2
なぜ子どもの貧困は起こるのか?

PERSONALITY
矢野宏(新聞うずみ火代表)
GUEST
徳丸ゆき子さん(大阪子どもの貧困アクショングループCPAO代表)


019 2016.8.9
自然エネルギーなら戦争は起きない。原発ゼロの先を行け!
『弱い人、困っている人を助ける弁護士』が気づいたこと

PERSONALITY
木内みどり
GUEST
河合弘之さん(弁護士・映画監督)
(引用終わり)

 
 19回分のアーカイブの目次を眺めてみると、目移りがしてきて、「あれも聴きたい」「これも聴きたい」「でも時間がない」ということになるでしょうね。
 これから、週に1回、50分程度の時間をやりくりして、毎週「自由なラジオ LIGHT UP!」を聴く習慣を身につけなければ。
 

(付録)
『コップ半分の酒』 作詞:森川あやこ 作曲:長野たかし 演奏:長野たかし&森川あやこ
 

全国戦没者追悼式で今年も貫徹された“安倍3原則”(付・天皇陛下「おことば」を読む)

 今晩(2016年8月15日)配信した「メルマガ金原No.2539」を転載します。

全国戦没者追悼式で今年も貫徹された“安倍3原則”(付・天皇陛下「おことば」を読む)

 8月15日の「全国戦没者追悼式」における内閣総理大臣「式辞」と天皇陛下「おことば」をメルマガ
(ブログ)で取り上げるようになったのは2年前からでした。
 過去の記事を振り返ってみましょう。
 
2014年8月15日
“コピペ”でなければ良いというものではない~全国戦没者追悼式での安倍晋三首相の式辞を聴いて

※首相官邸ホームページに掲載されている歴代総理大臣の「式辞」(平成8年の橋本龍太郎首相以降の分が掲載されています)を全て確認した上で、平成25年(2013年)の安倍晋三首相に至り、アジア諸
国の人々に対する加害責任への言及と反省の言葉が削除されたことを跡づけました。
 従来の総理大臣「式辞」の一例として、平成21年(2009年)の麻生太郎首相「式辞」の該当部分
を引用します。
「また、我が国は、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えております。国民を代表して、深い反省とともに、犠牲となられた方々に、謹んで哀悼の意を表します。」
 
2014年8月18日
続 “コピペ”でなければ良いというものではない~“平和と繁栄”はいかにして築かれたのか
※歴代の総理大臣「式辞」において、戦後の“平和と繁栄”がいかに築かれたかに言及した部分の変遷を
検証してみました(やはり平成8年の橋本龍太郎首相以降)。
 以上2回の検証の結果を踏まえ、2度目に首相に就任した後の安倍首相「式辞」の著しい特色を、私は
以下のようにまとめています。
「以上で、昨年及び今年の全国戦没者追悼式における「式辞」において、安倍首相が、何を述べ、何を述
べなかったかが明らかになったと思います。要約すれば以下のとおりです。
① 村山富市首相から数えれば19年にも及んだ歴代首相によるアジア諸国民に対する加害についての反
省と哀悼の意の表明を削除した。
② 多くの首相が述べた「不戦の誓い」にも言及しなかった。
③ 戦没者の犠牲の上に“平和と繁栄”があると述べながら、“平和と繁栄”をもたらしたものが「国民
のたゆまぬ努力」との言及はなかった。
 以上を踏まえれば、安倍首相は、アジア諸国民に対する加害責任があるとは思っておらず、我が国の“平和と繁栄”をもたらしたのは戦没者らの「犠牲」によるものであり、今後、場合によっては日本が自ら武力行使に及ぶこともあると考えていると解するのがごく素直な解釈というものでしょう(これ以外の解釈
の余地ってあるでしょうか?)。」
 
2015年8月15日
全国戦没者追悼式総理大臣「式辞」から安倍談話を読み返す(付・同追悼式での天皇陛下「おことば」について)
※安倍首相「式辞」については、前日の14日に発表されたいわゆる「戦後70年談話」で使用されたキ
ーワード(「侵略」「植民地支配」「痛切な反省」「心からのお詫び」)のどれ1つとして(歴代首相が式辞で述べていたアジアへの加害と「深い反省」も)使われず、2013年、2014年と基本的に同じ
内容であったことを確認しました。
 これに対し、平成元年(1989年)以降の天皇陛下「おことば」を全て読み返してみた結果を次のよ
うにまとめています。
「私は、昨年、平成元年の即位以来の全国戦没者追悼式での「おことば」を全部読んでみました。
 その結果、毎年ほとんど同じ表現の「おことば」であるものの、平成7年(1995年)に初めて「戦争の惨禍が再び繰り返されないことを切に願い」という憲法前文を踏まえた表現が付け加えられ、その後
ずっと継承されているということを知りました。ちなみにこの時の総理大臣は村山富市氏でした。
 今年の「おことば」における「さきの大戦に対する深い反省と共に」という表現の付加は、平成元年(
1989年)の即位後、2度目の大きな変更(追加)です。
 さらに細かく言えば、昨年は「国民のたゆみない努力により,今日の我が国の平和と繁栄が築き上げられました」とされていた部分が、「戦争による荒廃からの復興,発展に向け払われた国民のたゆみない努力と,平和の存続を切望する国民の意識に支えられ,我が国は今日の平和と繁栄を築いてきました」と手厚い表現になっており、とりわけ「平和の存続を切望する国民の意識」が強調されていることを見落とすことはできません。」
 
 以上が、昨年までの「おさらい」です。
 ということで、今年の内閣総理大臣「式辞」と天皇陛下「おことば」を、昨年のそれと比較し、何らか
の変化があったかどうかを検証してみましょう。
 今年の式典の動画として、政府インターネットテレビ配信のものをご紹介しておきます。安倍首相の「式辞」は2分48秒から、天皇陛下「おことば」は9分23秒からです。
 
政府インターネットテレビ
全国戦没者追悼式-平成28年8月15日(53分)

 まずは、安倍晋三内閣総理大臣の「式辞」です。
 昨年の戦後70年ヴァージョンの「式辞」と比較してみると、これでもやや抑え気味と言うべきなのでしょうね。いつも気に障る「安倍方言」も、「孜々(しし)として」(「熱心に」というほどの意味)くらいですから。
 結局、言っていることは2013年以来変わっていません。
 先に述べた安倍「式辞」の3大特徴、すなわち、
① アジア諸国民に対する加害についての反省と哀悼の意は絶対に表明しない。
② 「不戦の誓い」も述べない。
③ 戦没者の犠牲の上に“平和と繁栄”があることを強調しながら、“平和と繁栄”をもたらしたものが
「国民のたゆまぬ努力」であるとは言わない。
については、完璧に昨年までの「式辞」を踏襲しています。今やこれを「安倍3原則」と名付けても良い
でしょう。
 それでは、今年と昨年の「式辞」を読み比べてください。
 
安倍晋三内閣総理大臣 全国戦没者追悼式式辞 平成28年8月15日
(引用開始)
 本日ここに、天皇皇后両陛下の御臨席を仰ぎ、全国戦没者追悼式を挙行するにあたり、政府を代表し、
慎んで式辞を申し述べます。
 あの、苛烈を極めた先の大戦において、祖国を思い、家族を案じつつ、戦場に斃れられた御霊、戦禍に遭われ、あるいは戦後、遥かな異郷に亡くなられた御霊、皆様の尊い犠牲の上に、私たちが享受する平和と繁栄があることを、片時たりとも忘れません。衷心より、哀悼の誠を捧げるとともに、改めて、敬意と
感謝の念を申し上げます。
 未だ、帰還を果たされていない多くの御遺骨のことも、脳裡から離れることはありません。おひとりで
も多くの方々が、ふるさとに戻っていただけるよう、全力を尽くします。
 我が国は、戦後一貫して、戦争を憎み、平和を重んじる国として、孜々として歩んでまいりました。世
界をよりよい場とするため、惜しみない支援、平和への取り組みを、積み重ねてまいりました。
 戦争の惨禍を決して繰り返さない。
 これからも、この決然たる誓いを貫き、歴史と謙虚に向き合い、世界の平和と繁栄に貢献し、万人が心豊かに暮らせる世の中の実現に、全力を尽くしてまいります。明日を生きる世代のために、希望に満ちた
国の未来を切り拓いてまいります。そのことが、御霊に報いる途であると信じて疑いません。
 終わりに、いま一度、戦没者の御霊に永久の安らぎと、御遺族の皆様には、御多幸を、心よりお祈りし
、式辞といたします。
(引用終わり)
 
(参考)
安倍晋三内閣総理大臣 全国戦没者追悼式式辞 平成27年8月15日
(引用開始)
 天皇皇后両陛下の御臨席を仰ぎ、戦没者の御遺族、各界代表多数の御列席を得て、全国戦没者追悼式を
、ここに挙行致します。
 遠い戦場に、斃れられた御霊、戦禍に遭われ、あるいは戦後、遥かな異郷に命を落とされた御霊の御前
に、政府を代表し、慎んで式辞を申し述べます。
 皆様の子、孫たちは、皆様の祖国を、自由で民主的な国に造り上げ、平和と繁栄を享受しています。それは、皆様の尊い犠牲の上に、その上にのみ、あり得たものだということを、わたくしたちは、片時も忘
れません。
 七十年という月日は、短いものではありませんでした。平和を重んじ、戦争を憎んで、堅く身を持して
まいりました。戦後間もない頃から、世界をより良い場に変えるため、各国・各地域の繁栄の、せめて一助たらんとして、孜々たる歩みを続けてまいりました。そのことを、皆様は見守ってきて下さったことで
しょう。
 同じ道を、歩んでまいります。歴史を直視し、常に謙抑を忘れません。わたくしたちの今日あるは、あ
またなる人々の善意のゆえであることに、感謝の念を、日々新たにいたします。
 戦後七十年にあたり、戦争の惨禍を決して繰り返さない、そして、今を生きる世代、明日を生きる世代
のために、国の未来を切り拓いていく、そのことをお誓いいたします。
 終わりにいま一度、戦没者の御霊に平安を、ご遺族の皆様には、末永いご健勝をお祈りし、式辞といた
します。
(引用終わり)
 
 ついで、天皇陛下「おことば」です。基本的には昨年の踏襲であり、あえて言えば、「戦後70年」の特別モードであった昨年の「おことば」から、それ以前の「平年」モードに戻った感があります。
 細かく見れば、以下のような変化が認められます。
 
昨年「戦争による荒廃からの復興,発展に向け払われた国民のたゆみない努力と,平和の存続を切望する国民の意識に支えられ,我が国は今日の平和と繁栄を築いてきました。」
今年「国民のたゆみない努力により,今日の我が国の平和と繁栄が築き上げられました。」
 
昨年「戦後という,この長い期間における国民の尊い歩みに思いを致すとき,感慨は誠に尽きることがありません。」
今年「苦難に満ちた往時をしのぶとき,感慨は今なお尽きることがありません。」

昨年
「ここに過去を顧み,さきの大戦に対する深い反省と共に」
今年「ここに過去を顧み,深い反省とともに」

 結論的には、先に書いたとおり、「戦後70年」モードから「平年」モードに戻ったもので、特に「後
退」というべきではないでしょう。
 昨年から使われるようになった「深い反省」は、今年も使われています。「先の大戦に対する」という反省の対象が除かれているのは、そもそも「先の大戦」が何を指すかが明確ではないと考えられた上での削除
ではないかと推測します。
 この「深い反省」が、2013年以降の全国戦没者追悼式における総理大臣「式辞」から消え失せたことは先に述べたとおりですが、総理大臣も天皇も、どちらも「反省」という言葉を使わないことは許され
ない、首相があくまで使わないのであれば自分が述べざるを得ないという天皇の考えによるものであろう
と思います。
 これを、現行憲法の天皇条項(特に4条の「国政に関する権能を有しない。」)に違反する越権行為だ
という解釈も聞こえてきそうですけどね。

 それより私が気になるのは、「平和の存続を切望する国民の意識に支えられ」という昨年新たに盛り込まれた表現が削除されたことです。一応、「平年」モードに戻しただけという解釈を示しておきましたが、先日の参院選の結果などを見るにつけ、本当に日本国民が「平和の存続を切望」しているのか?天皇陛下も確信が持てなくて削除したというようなことでなければ良いのですが。

 なお、今年の「おことば」から削除された「深い反省」の対象(先の大戦)については、昨年1月1日に発表された「天皇陛下のご感想(新年に当たり)」が参考となります。
(抜粋引用開始)
 本年は終戦から70年という節目の年に当たります。多くの人々が亡くなった戦争でした。各戦場で亡くなった人々,広島,長崎の原爆,東京を始めとする各都市の爆撃などにより亡くなった人々の数は誠に多いものでした。この機会に,満州事変に始まるこの戦争の歴史を十分に学び,今後の日本のあり方を考えていくことが,今,極めて大切なことだと思っています。(下線は金原による) 
(引用終わり)
 
全国戦没者追悼式 平成28年8月15日(月)(日本武道館)
天皇陛下「おことば」

(引用開始)
 本日,「戦没者を追悼し平和を祈念する日」に当たり,全国戦没者追悼式に臨み,さきの大戦において
,かけがえのない命を失った数多くの人々とその遺族を思い,深い悲しみを新たにいたします。
 終戦以来既に71年,国民のたゆみない努力により,今日の我が国の平和と繁栄が築き上げられましたが
,苦難に満ちた往時をしのぶとき,感慨は今なお尽きることがありません。
 ここに過去を顧み,深い反省とともに,今後,戦争の惨禍が再び繰り返されないことを切に願い,全国
民と共に,戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対し,心から追悼の意を表し,世界の平和と我が国の一層の発
展を祈ります。
(引用終わり)

(参考)
全国戦没者追悼式 平成27年8月15日(土)(日本武道館)
天皇陛下「おことば」

(引用開始)
 「戦没者を追悼し平和を祈念する日」に当たり,全国戦没者追悼式に臨み,さきの大戦において,かけ
がえのない命を失った数多くの人々とその遺族を思い,深い悲しみを新たにいたします。
 終戦以来既に70年,戦争による荒廃からの復興,発展に向け払われた国民のたゆみない努力と,平和の存続を切望する国民の意識に支えられ,我が国は今日の平和と繁栄を築いてきました。戦後という,この
長い期間における国民の尊い歩みに思いを致すとき,感慨は誠に尽きることがありません。
 ここに過去を顧み,さきの大戦に対する深い反省と共に,今後,戦争の惨禍が再び繰り返されぬことを切に願い,全国民と共に,戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対し,心からなる追悼の意を表し,世界の平和
と我が国の一層の発展を祈ります。
(引用終わり)

越野章史著『市民のための道徳教育―民主主義を支える道徳の探求―』を読む

 今晩(2016年8月14日)配信した「メルマガ金原No.2538」を転載します。

越野章史著『市民のための道徳教育―民主主義を支える道徳の探求―』を読む

 是非読みたいと思って入手しながら、なかなか読むためのまとまった時間を確保できず、それでも、いつでも読めるようにとすぐ手の届くところに置いてある、そういう本が皆さんにもありませんか?
 そういう非常に気になる本を読み上げて、一気に読後感をメルマガ(ブログ)に書いたことが過去何度かあります。最近では(でもない、1年半も前のことですが)こういう本がありました。

 私の場合、買ってきてすぐにざっと目を通す本もあるのですが(というか、大抵はそういう読み方です)、時として「じっくりと向かい合わなければ読めないな」と思われる本に出会うこともあるのです。
 今日ご紹介しようとする越野章史(こしの・しょうじ)さん(和歌山大学教育学部准教授)の著書『市民のための道徳教育―民主主義を支える道徳の探求―』も、今年の5月14日、小林節さんの講演会が開かれた和歌山市民会館大ホールのロビーで、刷り上がったばかりの同著を、越野先生自身から割引価格で(!)入手して以来、「早く読まなければ」と気になりながら、ずっと傍らに置き続ける本の仲間入りをし、入手してから3ヶ月にして、ようやく盆休みを利用して読み上げ、この文章を書き始めています。


 越野さんの研究者としての専門分野は、「教育学(教育哲学,教育思想,教育史,学校教育,教育政策),教育社会学(教育社会学,教育政策,学校組織・学校文化,教師・生徒文化,青少年問題,学力問題,ジェンダーと教育)」(和歌山大学ホームページ研究者総覧・基本情報から)ということですが、申し訳ないことながら、私自身はその分野に全くの門外漢であり、今回の著書を読むまで、越野さんの教育学研究者としての業績に触れる機会はほとんどありませんでした。

 「ほとんど」という曖昧な表現を使ったのは、以前、「楠見子連れ9条の会」が越野先生を講師に招いた学習会を行うことをメルマガ(ブログ)でご紹介した際にも触れたことですが、越野先生と私の間で以下のようなやりとりがあったからです。その記事から一部抜粋します(4/7楠見子連れ9条の会・学習会のお知らせ(in和歌山市)/2013年3月29日)。

(引用開始)
 なお、私にとって越野先生との関わりで忘れられないのは、2011年12月、越野先生からメールで以下のようなご相談を受けたことです。それは、2011年度後期の越野ゼミにおいて原発問題を学ぶことになり、放射線に詳しいお医者さん、原発反対運動に関わってこられた方、放射能から逃れて避難してこられた方などに学生たちがインタビューすることを希望しているので、適切な方を紹介していただけないかという丁重なご依頼でした。
 幸い、私からお願いした方々(いずれも「メルマガ金原」の読者/そういえば越野先生も読者だった)は皆さん快くお引き受けくださり、充実したインタビューとなったことは、ゼミの学習の成果をまとめた、実に204頁にも及ぶ立派な報告書『2011年度後期 越野ゼミ 活動報告書 原発問題を学ぶ/原発問題から学ぶ』を送っていただいてよく分かりました。
 もちろん、この報告書は非売品で、既に余部もないかもしれませんが、非常に価値の高いものだと思います。
 せめて、越野先生が書かれた「『原発問題』から学ぶことで何が見えるのか―序にかえて―」だけでも、皆さんに読んでもらえたらと思うのですが。
(引用終わり)
 
 そこでも書きましたが、越野ゼミの学生の皆さんがまとめた報告書自体素晴らしいものでしたが、「序にかえて」を一読した私は、指導教官として「学び」の全過程に関わった越野先生の見識の高さに深い感銘を受けたのでした。
 「『原発問題』から学ぶことで何が見えるのか―序にかえて―」から、『市民のための道徳教育―民主主義を支える道徳の探求―』にも一貫する教育思想研究者としての越野先生の姿勢がうかがえる冒頭部分の一部を引用します。
 
2011年度後期 越野ゼミ 活動報告書 原発問題を学ぶ/原発問題から学ぶ
「原発問題」から学ぶことで何が見えるのか―序にかえて―  越野章史
(抜粋引用開始)
 前期のゼミの打ち上げ時に学生の一人が、「後期は何を学びたい?」という私の問いに、ストレートに「原発のことが知りたいです」と言ってくれたことも、私の背中を押した。
 同時に、ただ文献から学ぶだけではだめだろうとも思っていた。それには全く異なる二つの理由がある。一つは、テーマである原子力発電所の問題が、まさに日々進行している問題だからである。(略)二つは、学生たちの潜在的な要求である。教室の中で文献を読む学びを前期に行い、後期にはもう少し「生きた」知に触れる活動がしたいと、多くの学生が望んでいるように感じたのである。学びの内容に、現実社会との関わりにおけるアクチュアリティと、学習者の生活へのレリバンス(relevance=関連性)を回復すべきだというのは、教育思想研究者としての私の日頃の主張でもある。そこから、謝辞に記したように多くの方にご協力いただき、「原発プロジェクト」が進んでいった。目を見張ったのは、このテーマで学ぶうちに学生たちが見せてくれた自発性と学習意欲である。
(引用終わり)

 さて、越野章史先生の初の本格的な著書が道徳教育を論じたものとなったのは、学習指導要領が改訂され、「道徳の時間」が「特別な教科」となり、検定教科書が作られるという動き(小学校では2018年度から、中学校では2019年度から実施)を踏まえたものであることは言うまでもないでしょう。
 
『中学校学習指導要領解説 特別の教科 道徳編』(平成27年7月)

 もちろん、越野さんは、道徳教科化には非常に批判的です。けれども、『市民のための道徳教育―民主主義を支える道徳の探求―』は、単に道徳教科化を批判することだけを目的とした著作ではありません。そのことは、この著書の標題からも明らかです。
 もっとも、「市民のための道徳教育」というタイトルを一瞥しただけでは、既に学校教育の課程を終え、市民社会の一員となった者のための「道徳教育」を論じた著作だと早合点しかねず、かくいう私も最初はそう思い込んでおり、本を入手して「はじめに」を読んで、ようやく勘違いに気がついた次第です。
 そこで、以下に「はじめに」の一部を引用しますので、著者の意とするところをご理解いただければと思います。
 
『市民のための道徳教育―民主主義を支える道徳の探求―』
はじめに
(抜粋引用開始)
 「市民のための道徳教育」が本書のタイトルである。が、これは成人教育や市民を対象とした教育のことではない。本書の主題は、学校(主に小中学校だが、幼稚園にも高校にも通じる内容は含んでいる)における道徳教育である。
 誤解を招きそうなタイトルをつけてしまい読者には申し訳ないが、タイトルが表現したかったことは、「現在の子どもを、近い将来の市民として育てるには、どのような道徳教育が望ましいのか」ということである。
 市民(citizen)とは、まず何よりも、「政治的権利をもった人」という意味である。つまり、主権者のことだ。民主主義の社会にあっては、私たち一人ひとりの人間が、政治的な問題について関心や知識をもち、選挙やそれ以外の政治的活動を通じて、政治的な決定に関与することになっているし、現に関与している(政治への無関心も投票の棄権も、結果に影響を及ぼすのだから、ある種の「関与」である)。
 もう一つ、日本語の市民という言葉には、「ふつうの人」という意味、少し言葉を換えれば、その地域に定住する「一人の生活者」といった響きもあるように思う。
 本書では、この二つの意味で市民という言葉を使う。そして、市民は言うまでもなく、社会の中で、人との関わりのなかで生きていく。そこに何らかの道徳―ルールやマナーについての認識や善悪の判断力―が必要となってくることは、概ね異論がないだろう。子どもたちが将来の主権者として、また生活者として、より豊かに、幸せに生きていくためには、どのような道徳を育む必要があるのか、ということを考えたい。
(引用終わり)

 このような意図のもと、本書は大きく2部で構成されています。
 第1部は、日本の学校における道徳教育の歴史が概観されます。
 そして、第2部では、「はじめに」で述べられた問題意識の下、あるべき「市民を育てる道徳教育」が、ルソー、モンテッソーリ、デューイらの理論や実践を参照しつつ、論じられています。
 その一々をご紹介する能力は私にはありませんので、以下に、目次を転記することをもって内容紹介に代えたいと思います。

『市民のための道徳教育―民主主義を支える道徳の探求―』
目次
はじめに
第一部 日本の学校道徳教育の歴史
 
第一章 1945年までの道徳教育
  一、学校教育制度のはじまりと道徳教育
  二、道徳教育重視のはじまり
  三、道徳教育重視への批判と、推進派の意図
  四、教育勅語における道徳教育論
  五、戦争の時代と道徳教育
  六、国家主義的な道徳教育がもたらしたもの
 
第二章 戦後教育改革と道徳教育
  一、修身の停止
  二、第一次米国教育視察団の道徳教育論
  三、コア・カリキュラムと道徳教育
  四、生活綴方と道徳教育
 
第三章 「逆コース」政策と「道徳の時間」の設置
  一、「逆コース」=戦後教育政策の大転換
  二、「修身」復活論
  三、文部省の抵抗と追従
  四、教師・教育学者の抵抗
 
第四章 モラルパニックと道徳教育
  一、はじめに
  二、モラルパニックとは何か
  三、「非行」「少年犯罪」をめぐる言説
  四、モラルパニックとしての「いじめ問題」
  五、「新しい教育問題」について 
 第五章 新自由主義・新保守主義と道徳教育                 
  一、新自由主義とは何か
  二、新自由主義が求める道徳教育
  三、新保守主義と道徳教育
第二部 市民を育てる道徳教育の探求
 第六章 中間考察―いくつかの原則―
  一、徳目主義を超える
  二、心情主義を超える
  三、道徳教育を通じてどのような力を育てたいのか
  四、道徳教育の目的は学校の秩序維持ではない
 第七章 ジャン=ジャック・ルソーの道徳教育論
  一、「自然」に従った教育―消極教育―
  二、道徳の源泉としての「ピティエpitie(あわれみ)」
  三、「共苦」の感覚を育てる
  四、ルソー道徳教育論の今日的意義
 
第八章 モンテッソーリとデューイのディシプリン(規律)論
  一、従来の学校におけるディシプリンへの批判
  二、モンテッソーリのディシプリン論
  三、デューイのディシプリン論
 
第九章 市民を育てる学校道徳教育の創造へ
  一、小学校低~中学年の道徳教育を考える
   「自己肯定感」の維持・回復
   「聴く力」を育てる
   「聴き取られる権利」を充たす
   目的を共有し、協同する経験
  二、小学校高学年~中学校の道徳教育   
   発達論的な前提
   モラルジレンマ考
   アクチュアルでレリヴァントな学びへ
   基本的人権を学ぶ
   (悪)について学ぶ
  三、学校を民主的な道徳環境に
おわりに

 私自身、小学校6年間、中学校3年間、週に1回は「道徳の時間」があったのだろうと思いますが、きれいさっぱり何の記憶もありません。
 けれども、権力者の言うことに何の疑いもいだかず、批判がましいこともせず、唯々諾々とこれに従うというような「従順な国民」にならずにすんだのですから、結果的に、私の受けた道徳教育は、少なくとも「害にはならなかった」として感謝すべきなのかもしれません。・・・これは、私が本書のとりわけ第一部「日本の学校道徳教育の歴史」を通読し、為政者やその周囲の経済界などが欲する「道徳教育」の内実への理解が深まったことにより、率直に念頭に浮かんだ感慨です。

 私は、教育学に関する著作など、ほとんど読んだことがなく(放送大学で受講した「学校と法('12)」のテキストくらいですかね)、越野先生の『市民のための道徳教育―民主主義を支える道徳の探求―』の類書と比較しての特徴などとても指摘できません。
 けれども、昨日・今日の2日間かけて一気に読んだ私の感想は、全くレベルを落とすことなく、それでいながら、教育学に何の予備知識がない者が読んでも、十分に理解できる道徳教育論になっている、というものです。
 本書は、我が国における学校道徳教育の大きな流れを説明しつつ、その中で「道徳の教科化」がどのように位置付けられるのかについての適確な見取図を提示するとともに、あるべき道徳教育を考えるための具体的提言にまで及ぶものであり、
とりわけ、「道徳の教科化」というニュースに接して危機感を抱いている多くの人に対して、必ずや有益な知見と見通しを与えてくれるものと確信します。
 
 なお、第四章「モラルパニックと道徳教育」は、冷静に統計データを読み解く意識と能力がいかに重要かに気付かせてくれる非常に重要な章だと思います。私自身、少年犯罪に対する厳罰化の主張に対し、「それは違うだろう」と反論するのが常なので、よけいに共感をいだいたということもあります。
 
CIMG4517 本書の「あとがき」でも著者自身が言及されていますが、越野先生は、昨年8月13日に結成され、翌14日(ちょうど1年前ですね)に記者会見を開いた「安全保障関連法案の廃案を求める和歌山大学有志の会」(その後「安全保障関連法の廃止を求める和歌山大学有志の会」と改称)の事務局長として、同月から9月にかけて、まさに東奔西走の日々を送り、その後も、多くの団体と共同して安保法制の廃止を求める活動に積極的に関与されています。そのような活動の中で、越野先生は、特に若者や学生の良き相談相手として非常に信頼されています。

 その越野先生が、本書「あとがき」で、昨年の市民運動の高揚を高く評価しつつ、以下のように述べられていることに注意を喚起して、本稿を終えたいと思います。
 著者と以下のような問題意識を共有される方に、是非本書を手にとってお読みいただきたいとお薦めします。

※写真は、2015年9月23日に和歌山城西の丸広場で開かれた9団体共同呼びかけによる「
安保法制(戦争法)廃止を求める9・23和歌山集会」でスピーチする越野章史さんです。
 
『市民のための道徳教育―民主主義を支える道徳の探求―』
おわりに
(抜粋引用開始)
 
そのことの意義を充分に認めながら、他方でしかし、事態の重大さに比して、発言する人、何らかの行動を起こす人の数が、あまりに少ないのではないかという思いを、私はぬぐいきれない。
(略)
 人びとが政治的な問題について意見を持つことができ、自由に討議することができ、そうした活動を通じて政治を「変えられる」という希望をもっている状態のことを、政治学者のダグラス・ラミスは「公的希望状態」と名づけているが、そうした状態こそが民主主義にとって必須なのである。
(略)
 そして今、学校道徳教育に対して、ここまで述べたような政治的な無力さを助長するかのような「改革」が押しつけられようとしている。そのような危機にあってこそ、それに対抗し得る道徳教育のあり方を探求し、議論し、実現していくことの必要性がより明確になっているのではないか。本書執筆の動機は以上のようなものである。
(引用終わり) 

“憲法9条 幣原喜重郎 発案説”を補強するマッカーサー書簡の発見~部分再録『内閣総理大臣の孤独な闘い』

 今晩(2016年8月13日)配信した「メルマガ金原No.2537」を転載します。

“憲法9条 幣原喜重郎 発案説”を補強するマッカーサー書簡の発見~部分再録『内閣総理大臣の孤独な闘い』

 日本国憲法9条は、幣原喜重郎首相がマッカーサーGHQ最高司令官に提案したものだという学説を補強する、マッカーサーの高柳賢三憲法調査会会長宛の書簡が発見されたというニュースは、昨日(8月12日)の東京新聞一面のトップ記事となって注目され、既に澤藤統一郎弁護士の「憲法日記」をはじめ、いろいろなサイトで取り上げられて話題となっていますので、今さら私が紹介するまでもないのではと思わないこともないのですが、秋の臨時国会から国会両院の憲法審査会で本格的な改憲論議が始まるとも言われている状況の下、多くの国民が知っておくべき話題だという観点から、今日のメルマガ(ブログ)でも取り上げることとしました。これは、私自身の備忘のためでもあります。
 まず、東京新聞の一面に掲載された記事をご紹介しましょう。
 
東京新聞 2016年8月12日 朝刊
「9条は幣原首相が提案」マッカーサー、書簡に明記 「押しつけ憲法」否定の新史料

(抜粋引用開始)
 
日本国憲法の成立過程で、戦争の放棄をうたった九条は、幣原喜重郎(しではらきじゅうろう)首相(当時、以下同じ)が連合国軍総司令部(GHQ)側に提案したという学説を補強する新たな史料を堀尾輝久・東大名誉教授が見つけた。史料が事実なら、一部の改憲勢力が主張する「今の憲法は戦勝国の押しつけ」との根拠は弱まる。今秋から各党による憲法論議が始まった場合、制定過程が議論される可能性がある。(安藤美由紀、北條香子)
 九条は、一九四六年一月二十四日に幣原首相とマッカーサーGHQ最高司令官が会談した結果生まれたとされるが、どちらが提案したかは両説がある。マッカーサーは米上院などで幣原首相の発案と証言しているが、「信用できない」とする識者もいる。
 堀尾氏は五七年に岸内閣の下で議論が始まった憲法調査会の高柳賢三会長が、憲法の成立過程を調査するため五八年に渡米し、マッカーサーと書簡を交わした事実に着目。高柳は「『九条は、幣原首相の先見の明と英知とステーツマンシップ(政治家の資質)を表徴する不朽の記念塔』といったマ元帥の言葉は正しい」と論文に書き残しており、幣原の発案と結論づけたとみられている。だが、書簡に具体的に何が書かれているかは知られていなかった。
 堀尾氏は国会図書館収蔵の憲法調査会関係資料を探索。今年一月に見つけた英文の書簡と調査会による和訳によると、高柳は五八年十二月十日付で、マッカーサーに宛てて「幣原首相は、新憲法起草の際に戦争と武力の保持を禁止する条文をいれるように提案しましたか。それとも貴下が憲法に入れるよう勧告されたのか」と手紙を送った。
 マッカーサーから十五日付で返信があり、「戦争を禁止する条項を憲法に入れるようにという提案は、幣原首相が行ったのです」と明記。「提案に驚きましたが、わたくしも心から賛成であると言うと、首相は、明らかに安どの表情を示され、わたくしを感動させました」と結んでいる。
 九条一項の戦争放棄は諸外国の憲法にもみられる。しかし、二項の戦力不保持と交戦権の否認は世界に類を見ない斬新な規定として評価されてきた。堀尾氏が見つけたマッカーサーから高柳に宛てた別の手紙では「本条は(中略)世界に対して精神的な指導力を与えようと意図したもの」とあり、堀尾氏は二項も含めて幣原の発案と推測する。
(略)
高柳賢三憲法調査会長に対するマッカーサー元GHQ最高司令官の返信
(憲法9条は)世界に対して精神的な指導力を与えようと意図したものであります。本条は、幣原男爵の先見の明と経国の才とえい知の記念塔として、永存することでありましょう
(1958年12月5日)
戦争を禁止する条項を憲法に入れるようにという提案は、幣原首相が行ったのです。首相は、わたくしの職業軍人としての経歴を考えると、このような条項を憲法に入れることに対してわたくしがどんな態度をとるか不安であったので、憲法に関しておそるおそるわたくしに会見の申込みをしたと言っておられました。わたくしは、首相の提案に驚きましたが、首相にわたくしも心から賛成であると言うと、首相は、明らかに安どの表情を示され、わたくしを感動させました。
(同年12月15日)
(引用終わり)

 また、東京新聞による堀尾輝久東大名誉教授に対するインタビューも引用しておきます。

東京新聞 2016年8月12日 朝刊
「9条提案は幣原首相」 史料発見の東大名誉教授・堀尾輝久さんに聞く

(抜粋引用開始)
(略)
 -なぜ、書簡を探したのか。
 
「安倍政権は、戦争放棄の条文化を発意したのはマッカーサーという見解をベースに改憲を訴えている。マッカーサー連合国軍総司令部(GHQ)最高司令官が高柳賢三・憲法調査会長の質問に文書で回答したのは知っていたが、何月何日に回答が来て、どういう文脈だったのか分かっておらず、往復書簡そのものを探し出そうと思った」
 -書簡発見の意義は。
 「マッカーサーは同じような証言を米上院や回想録でもしているが、質問に文書で明確に回答したこの書簡は、重みがある」
 -二項も、幣原の発案と考えていいのか。
 「一項だけでは(一九二八年に締結され戦争放棄を宣言した)パリ不戦条約そのもの。往復書簡の『九条は幣原首相の先見の明と英知』、幣原の帝国議会での『夢と考える人があるかもしれぬが、世界は早晩、戦争の惨禍に目を覚まし、後方から付いてくる』などの発言を考えると、二項も含めて幣原提案とみるのが正しいのではないか」
 -幣原がそうした提案をした社会的背景は。
 「日本にはもともと中江兆民、田中正造、内村鑑三らの平和思想があり、戦争中は治安維持法で押しつぶされていたが、終戦を機に表に出た。民衆も『もう戦争は嫌だ』と平和への願いを共有するようになっていた。国際的にも、パリ不戦条約に結実したように、戦争を違法なものと認識する思想運動が起きていた。そうした平和への大きなうねりが、先駆的な九条に結実したと考えていい」
(略)
 <ほりお・てるひさ> 1933年生まれ。東大名誉教授、総合人間学会長。教育学、教育思想。東大教育学部長、日本教育学会長、日本教育法学会長などを歴任した。著書に「現代教育の思想と構造」「教育を拓く」など。
(略)
憲法9条制定を巡る主な経緯
1946年1月24日 幣原喜重郎首相とマッカーサーGHQ最高司令官が会談
同年2月13日 GHQ草案を日本側に提示。現行9条の要素が盛り込まれる
同年3月6日 日本政府案を発表
同年6月20日 帝国憲法改正案を帝国議会に提出。修正が進む
同年10月7日 成立
同年11月3日 日本国憲法として公布
1947年5月3日 日本国憲法が施行
1951年5月5日 米上院でマッカーサーが、9条は幣原の発案と証言
1957年8月 内閣に設置された憲法調査会が憲法の再検討を開始
1958年12月 調査会の高柳賢三会長が訪米し、マッカーサーと書簡を交わす
1964年7月 調査会が報告書提出。改憲の是非について結論を出さず
(引用終わり)

 なお、昨日の東京新聞を読んでから気がついたのですが、堀尾輝久氏は、これらの書簡の発見を踏まえた論文「憲法9条と幣原喜重郎 憲法調査会会長 高柳賢三・マッカーサー元帥の往復書簡を中心に」を、岩波書店の月刊誌「世界」882号(2016年5月号)に発表していました。
 同論文の要約を岩波書店ホームページから引用します。
 
憲法9条と幣原喜重郎
憲法調査会会長 高柳賢三・マッカーサー元帥の往復書簡を中心に
堀尾輝久

(抜粋引用開始)
 憲法9条の発案者は誰なのか──。その成立過程をめぐっては、日本国憲法がGHQによる「押しつけ」憲法なのか否かといった問題にも触れるだけに、これまでにも活発な論争が展開されてきた。著者はこれまで、憲法9条は当時の首相・幣原喜重郎によって発案されたものであると考えてきたが、その根拠の一つが英米法学者・高柳賢三の『天皇・憲法第9条』(有紀書房、1963年) という著作である。高柳は、自由民主党政府のもとで改憲のためにつくられた憲法調査会 (1956年設置法、57年に岸信介首相のもとで始動、64年に最終報告提出) の会長を務め、憲法制定過程を検証し報告書をまとめた責任者である。同著で高柳は、憲法9条は「幣原首相の提案と見るのが正しいのではないかという結論に達し」たと述べている。高柳がそう判断するに至ったのは、高柳自身がマッカーサーとの間で交わした往復書簡が根拠となっている。著者はこのたび、国会図書館の憲政資料室でその原文 (高柳・マッカーサー往復書簡) を発見した。幣原説を補強する重要な資料であるこの往復書簡では、何が問われ、どんな内容が示されているのか。
 日本国憲法は、2016年の今年、公布から70年を迎える。いまあらためて、日本国憲法がどのようにして形成されたのかを考えたい。
(略)
(引用終わり)

 YouTubeで容易に検索できた堀尾輝久名誉教授の講演とスピーチの動画を1本ずつご紹介しておきます。
 
秋の大学習会 基調報告1 堀尾輝久氏(つくる会会長、DCI日本副代表)
「子どもの視点から憲法を子どもの権利条約に重ねて読み直す」(45分)

※2013年秋に行われた講演のようです。この講演の11分~で、憲法9条幣原発案説について言及されています。

T-ns SOWL 国会前 6.10 東大名誉教授 堀尾輝久さん スピーチ(14分)

※2016年6月10日、T-ns SOWL 国会前抗議行動でのスピーチです。

(付記1 平野文書について)
 憲法9条幣原発案説を裏付ける資料としては、マッカーサーや幣原自身の発言、文書の他、傍証としての聞き書きもあります。その中でも最も有名なものは、幣原の秘書官も務めた側近・平野三郎氏(元衆議院議員)が、高柳賢三憲法調査会会長の求めにより取りまとめた「幣原先生から聴取した戦争放棄条項等の生まれた事情について」(いわゆる「平野文書」)でしょう。その文書の冒頭で平野氏は「私が幣原先生から憲法についてのお話を伺ったのは、昭和二十六年二月下旬である。同年三月十日、先生が急逝される旬日ほど前のことであった。場所は世田谷区岡本町の幣原邸であり、時間は二時間ぐらいであった。」と言うのですが、同氏が高柳会長の要請に応じてこの文書を憲法調査会に提出し、印刷に付されたのは昭和39年2月のことで、その間に13年が経過しています。従って、その細部にわたる再現の正確性については何とも言い難いところがあるのですが、大筋では信用して良いのではないかと私は考えています。
 様々なサイトで読めますが、以下のサイトのものが最も信頼できるのではないかと思います。

(付記2 弁護士・金原徹雄のブログから)
 憲法9条幣原発案説については、私もかねて気にかかり、過去4回にわたってメルマガ(ブログ)で取り上げています。私は、9条幣原発案説は正しい、と思っています。理由は、幣原発案説には、その裏付となる資料の積み重ねがあり、相当に説得力があること。憲法制定過程の流れをそれなりに合理的に説明できること。幣原発案説以外の説で、より説得力を持つ説が見出し難いことなどからです。
 以下に、直接、間接に憲法9条幣原喜重郎発案説を取り上げた私のメルマガ(ブログ)をご紹介しておきます。
 
内閣総理大臣の孤独な闘い~天皇制と日本の若者を救った幣原喜重郎(この仮説は知っておく価値がある)

 特に、いわゆる安保法案が衆議院に提出されたという事態を受けて書き上げた「内閣総理大臣の孤独な闘い~天皇制と日本の若者を救った幣原喜重郎(この仮説は知っておく価値がある)」は、是非お読みいただきたいと思いますので、その主要部分を以下に再録しておきます。

(抜粋引用開始)
 1945年10月9日から1946年5月24日まで内閣総理大臣の地位にあった幣原喜重郎(しではら・きじゅうろう)は、日本国憲法制定史を考える上での最重要人物の1人です。とりわけ、注目されるのが、以下の約3週間の動きです。
 
1946年1月24日
 幣原喜重郎が肺炎治療のためにGHQがペニシリンを融通してくれたことへのお礼を述べるためにダグラス・マッカーサー連合軍最高司令官を訪ね、通訳を交えず約3時間会談する。
同年2月1日
 毎日新聞が、内閣に設けられた憲法問題調査委員会(松本委員会)の改憲試案の1つをスクープ掲載した。
同年2月3日
 マッカーサーは、ホイットニーGHQ民政局長に憲法改正の必須要件(マッカーサー三原則)を示した。
同年2月4日
 民政局内に作業班が設置され、GHQ草案(マッカーサー草案)の起草作業が開始された。
同年2月13日 
 外務大臣官邸において、ホイットニーから松本国務大臣、吉田茂外務大臣らに対し、さきに提出された日本政府の憲法改正要綱を拒否することが伝えられるとともに、GHQ草案が手交された。

 幣原喜重郎は、内閣総理大臣として、他の閣僚とともに、GHQ草案の提示に衝撃を受けたことになっていますが、実は、1月24日の会談において、その後「マッカーサー三原則」と呼ばれるようになる新憲法の基本原則について協議していたのではないのか、というのが、憲法9条・幣原発案説、もしくは憲法9条・幣原・マッカーサー合作説というものです。
 なお、「マッカーサー三原則」というのは、現行憲法の第1章(象徴天皇制)、第2章(戦争の放棄、戦力の不保持)、第3章(国民の権利及び義務/マッカーサーノートでは封建制の廃止がうたわれている)に結実していますので、「9条」だけということではありません。
 それで、この説の根拠は何か?ということなのですが、1月24日の会談に陪席者がいなかった以上、当事者であるマッカーサーと幣原の証言をまずは聴くべきところ、マッカーサーの回顧録にはかなり明瞭に幣原からの提案であったと書かれており、幣原の著書、談話においても、1月24日に提案したとまでは言っていないものの、結論としては自ら発想したものとしており、さらに以下にご紹介するような、平野三郎衆議院議員(晩年衆議院議長を務めていた幣原の秘書官だった)による聞き書き(平野ノート「幣原先生から聴取した戦争放棄条項等の生まれた事情について」)などもあります。
 もっとも、平野ノートについては、聴き取りをしてすぐにまとめたというものではなく、幣原の死後10年以上経ってから、内閣に設置された憲法調査会会長の求めに応じて提出されたという経緯から、平野氏による推測や創作が紛れ込んではいないか?という吟味が必要でしょう(私にそういう能力はありませんが)。
 ただし、1946年1月当時、敗戦国日本の総理大臣であった幣原にとって、天皇制及び昭和天皇個人をいかにすれば守れるか、ということが最大の政策課題であったことは疑いを容れないでしょう。そして、老練な元外交官であった幣原にとって、内閣の憲法問題調査委員会(松本委員会)で取りまとめられようとしている改憲案では、到底連合国の了解は得られそうもなく、最悪の場合、昭和天皇が戦争犯罪人として訴追される事態もないとは言い切れないということが見通せたのだろうと思います。ここから幣原の、閣僚にも一切秘密を漏らせない「内閣総理大臣の孤独な闘い」が始まったと、憲法9条(正確に言えば象徴天皇制と戦争・軍備放棄をセットにした案)幣原発案説を支持する者は考えるのです。
 事実上、天皇から大権を剥奪し、軍備も撤廃するという、ある意味驚天動地の案を幣原が閣内で提起しても、到底実現するとは思えず、閣論不一致で内閣が瓦解に至るに違いないと考えた幣原は、日本の為政者がいざという時には常に発想する「外圧利用策」に打って出ることとし、マッカーサーのもとを訪ねたのです・・・という風に推論が続いていきます。
 これ以上、推論を書き連ねる必要もないでしょうから、以下には、平野ノートの一部を引用するにとどめます。
 実は、現在、国会で審議されている戦争法案を考える上で、幣原喜重郎による「内閣総理大臣の孤独な闘い」を想起すべきだと考えたのには理由があります。
 基本的に幣原発案説の立場に立つとすれば、幣原首相は、軍備を放棄することによって(憲法に「9条」を書き込むことによって)、天皇制を守ることができただけではなく、日本の若者が「アメリカの尖兵」としてあたら命を落とすことも防いだのであり、このことに多くの国民の注意を喚起したいと思ったからです。
 以下に、平野ノートから、幣原首相が、「9条」のような条項が無ければ、早晩、日本の若者が「アメリカの尖兵」とならざるを得ないという将来を見通していたことを裏付ける部分を引用します。

(今回の注:平野ノートからの引用部分は原典にあたっていただきたいと思います。とりわけ、『内閣総理大臣の孤独な闘い』との関連では、「日米親善は必ずしも軍事一体化ではない。日本がアメリカの尖兵となることが果たしてアメリカのためであろうか。」で始まるパラグラフに注目してください)

 「内閣総理大臣の孤独な闘い」自体は1つの仮説です。しかし、日本国憲法9条が法規範として「守るべきもの」であった時代に、その9条が日本の若者(とは限らないかもしれませんが)の命を救ってきたことは厳然たる歴史的事実です。
 それが気に入らない、もっと日本人は血を流すべきであったと考える人たちもいるでしょうが(今の政権にもたくさんいるかもしれません)、少なくとも、多くの良識ある日本人はそのような考えに与しないでしょう。
 今まさに、憲法を無視して、日本の若者を「アメリカの尖兵」として差し出そうとする法案が審議されています。
 そして、幣原喜重郎がマッカーサーを1人で訪ねた時から69年余りにして、初めて米国連邦議会上下両院合同会議で演説する機会を与えらた総理大臣は、国民にその内容を説明しておらず、国会に提出もしていない法案について、米国の国会議員に対して、以下のように約束しました。

「日本はいま、安保法制の充実に取り組んでいます。実現のあかつき、日本は、危機の程度に応じ、切れ目のない対応が、はるかによくできるようになります。この法整備によって、自衛隊と米軍の協力関係は強化され、日米同盟は、より一層堅固になります。それは地域の平和のため、確かな抑止力をもたらすでしょう。戦後、初めての大改革です。この夏までに、成就させます。」

 別に、マッカーサーと通訳なしで重要な会談が出来た幣原喜重郎と語学力を比較して現首相を嘲笑しようというのではありません。
 何を自らに課された最も重要な使命と自覚するか(これが間違っていたらそもそも話にならないけれど)、それを実現するための「孤独な闘い」を厭わぬ覚悟と能力を備えた者だけが、一国のリーダー(内閣総理大臣)にふさわしいということを考える上で、この2人の内閣総理大臣は比べ甲斐があるということです。
(引用終わり)

会見詳録で読む平井久志氏「金正恩体制をどうみるか―労働党大会を前に」(4/26日本記者クラブ)

 今晩(2016年8月12日)配信した「メルマガ金原No.2536」を転載します。

会見詳録で読む平井久志氏「金正恩体制をどうみるか―労働党大会を前に」(4/26日本記者クラブ)

 日本記者クラブで行われた会見の中には、その録音を文字化(会見詳録)して公開されるものがあり、私は時々、個人的に関心の高い分野についての会見詳録が新たに公開されていないかと調べるのが習慣になっています。
 同クラブでの会見の動画は、おおむねその日のうちにYouTubeで公開されますが、平均1時間半前後の会見動画をじっくりと視聴する時間を確保することはなかなか難しいものですから、自分のペースで熟読も速読もできる会見詳録があるととても便利です。
 それに、スピーカーのお話の構成を大づかみに理解することが、文字化されることによって、非常に容易になることも見逃せません。

 今日ご紹介しようとするのは、去る4月26日に行われた平井久志立命館大学客員教授(元共同通信)による「金正恩体制をどうみるか-労働党大会を前に」の会見詳録です。
 この会見は、今年の5月6日から9日まで、実に36年ぶりに開催された朝鮮労働党第7回大会の直前に行われたもので、朝鮮ウォッチャーの第一人者である平井氏による「党大会予想」を期待して招かれた企画でしょう。
 会見詳録を公開するに当たり、平井氏自身が以下のように述べておられます。
 
「私が4 月26 日に日本記者クラブで話した「金正恩体制をどうみるか-労働党大会を前に」をアジア時報6月号に掲載していただくことになりました。5月6日から9日まで行われた朝鮮労働党第7回党大会の〝見通し〟を語った内容でしたが、実際に党大会が終わってみると、私が語ったことは、合っている部分もあれば、間違った部分もありました。しかし、一度語った事実は覆りません。本稿では4月26日の講演内容はそのままにし、註や補足を付けて補完させて頂くことにしました。私としては一部、恥をさらすことになりますが、逆に、私の〝見通し〟と〝結果〟の違いを読者に示すことが、北朝鮮の現状を理解して頂く上で参考になるのではと思った次第です。(平井久志)」
 
 私自身、北朝鮮について何ほどの知識の持ち合わせもありませんので、非常に勉強になる講演録でした。動画と合わせてご紹介します。

日本記者クラブ 2016年4月26日
金正恩体制をどうみるか―労働党大会を前に
平井久志 立命館大学客員教授

動画YouTube(1時間27分)



記者による会見リポート

(引用開始)
北朝鮮、党大会も成果は望めず
研究テーマ:金正恩体制をどうみるか-労働党大会を前に
 北朝鮮は核実験をしミサイルの発射を続けるが、国威発揚の総仕上げになるのが5月6日開幕の労働党大
会だ。36年ぶりの党大会で、何が討議され、決定されるのか。
 党大会は軍、地域、職域の代表が参加する、最も権威がある会議であり、ここで「金正恩時代」が公式にスタートする。父の金正日総書記は「先軍政治」を掲げたが、正恩氏は党に権力を一元化させ、軍を指導する体制をめざしている。実際に政策を立案、遂行する党の部長や副部長たちは40~50代が中心となり
、世代交代がかなり進むとみられる。
 核開発を続けながら経済発展もめざすという並進路線を、いっそう強く打ち出す。北朝鮮は現実には南北共存の道を進んでいるのだが、党大会では新たな南北統一の構想が発表されよう。平穏な時なら、韓国側も統一構想をテーマにした対話に前向きになるが、軍事的脅威が高まっている現状では、朴槿恵政権は
南北和解の動きには応じないだろう。
 1990年代半ばの飢餓の時代に小規模な市場(いちば)が各地にできた。今や全国に拡大し、国家の経済はかなりの部分を市場の活動に頼っている。個人の所有権はともかく、用益権を認めるような新しい経済
政策が提示されるのではないか。
 全体的に見て、準備不足を押して開催する党大会は成果に乏しいものになるだろう。年初からの核、ミサイル実験の成果を強調して、「対米勝利」の宣言ばかりが目立ち、中国など友好国の代表団が来ず、国
際的な孤立の中で内向きの大会になる可能性が高い。
 以上が共同通信のコリアウオッチャーとして活躍した平井さんの、労働党大会についての見立てである。北朝鮮の公式報道は特有のレトリックで書かれるので、予備知識がないと何が大事なのかわからない。平井さんの発言と的確にポイントをまとめたレジュメは、党大会のニュースを理解するのに必ず役立つは
ずだ。
 企画委員 東京新聞論説委員 山本 勇二  
(引用終わり)
 
 それぞれの関心に従って平井久志氏の講演は詳録でお読みいただければと思いますが、以下には、詳録の中でも私がとりわけ興味深く読み、「そうだよなあ」と肯いた部分を引用したいと思います。質疑応答に入った後、動画では1時間19分~の個人会員からの質問に答えた部分です。

(引用開始)
――金王朝の料理人をやっていた人が帰ってきました。あの人行ったら殺されるからもう行かないだろう
という話を聞いたことがあるのですが、無事帰ってきて、言っていることを見たら「僕に日本政府との橋渡しを期待しているように思った」、とか言っています。この点についてはいかがでしょうか。
平井 私は全部の報道を見ていません。私が読んだ範囲では毎日が一番詳しかった感じがするのですが、日本はどう思っているのだ、最悪だと藤本さんが言ったということは載っておりましたけれど。私は金正恩の不幸は、自分に会った海外の要人が中国を除いて西側の人間ではバスケットのロッドマンさんと藤本さんしかいないということだと思います。社会主義の閉鎖国家の中では、例えば『世界を揺るがした十日間』がロシア革命を紹介するとか、エドガー・スノーが中国革命を紹介するとか、西側社会の中で社会主義の閉鎖社会に理解を示すインテリがいたわけです。金日成だって宇都宮徳馬さんのような人や岩波の社長さんらを通じて彼らが何を考えているかを外部社会に伝えた。金正日にしたってドイツの女性の作家の方がいらっしゃいましたし、アメリカにいたジャーナリストの文明子(ムン・ミョンジャ)さんが会って何を考えているのかを外部に伝えるメッセンジャー役となるなど、ある程度の知識階級にいる人たちがいた。私は藤本さんを悪く言うわけではないのですけれど、西側の人たちで本当に本人に会ってちゃんとした話をしたのがバスケットの選手と藤本さんだけだというのは彼の不幸だと思います。そういう意味で私は、国際社会がこの人の相手をしてやることは非常に大事だと思うのです。彼をある種認めてあげて、彼は何を考えているのかを聞いてやる人が必要だと思うのです。
 そういう意味で前回の第1次核危機を救ったのは、金正日さんの核政策がある程度行き詰ったのに、ほぼそういうことに口出しをしなかった金日成という
人が出てきた。外部社会ではカーターさんが乗り込んで、クリントンさんがピンポイント攻撃するのを中止させて戦争を防いだということがあるのですが、今、非常に怖いのは、北朝鮮内部で金日成の役割を果たせる人がいない、国際社会でカーターさんの役割を果たせる人がいない。そのことが大変不幸です。そういう意味で、私は積極的にカーターさんの役割を果たせるような、別に外交交渉でなくていいから彼に会って彼の言い分を聞いてやり、何を考えていて本当の意味で北が何を望んでいるのかを聞いてやることは意味があるのではないのかという気がしています。
 藤本さんという人は幼少のころから彼の食事を作ったりして、おそらく金正恩はノスタルジアがあるのだと思いますが、今度は「いくらなんでもあまりしゃべるなよ」とは言われていると思うのですけれど。前回みたいにあまり言うと波紋があるからもう少し自重しろ、くらいのことは言われているのではないかなと思うのですが。彼もあまりしゃべらないほうがいいと思います。おそらく警察とか情報機関は彼から事情聴取するでしょうから、そういうことは協力されたらいいと思うけれど、あまりメディアに出てあれこれ言うのは藤本さんのためにもならないのではないかなと、逆に心配しています。
 外部社会で金正恩第1書記の言うことを聞いてあげる。金正日の場合は結構、情報があったのです。だいたいこういう考え方をする人だという情報が、書いたものとか会った人が結構いたものですから。ところが今度の人は何を考えているのか、確実性というかどういう手を打っているのか、思考方式が分からないということが余計、危機的状況を生み出しているのです。別に交渉する必要はなくても彼が何を考えているのか、ビジョンは何か、どこまでやろうとしているのか、今度、戦争などする気はないよということを言ったことは、それはそれで非常に意味のあることで、日本の世論を気にしているということも意味のあることだと思いますけれど、それをもう少しちゃんとした回路、ちゃんとしたルートで彼にしゃべらせるという必要があるのではないかという気がします。
(引用終わり)
 
(参考サイト/朝鮮中央通信・日本語版)
 平井さんが講演の中で言及された北朝鮮文書の日本語訳を探そうと思ったら、まずは、北朝鮮の国営通信社・朝鮮中央通信のWEBサイト(の日本語版)の中から探すことでしょうね。
 私も努力して「金正恩元帥が朝鮮労働党第7回大会で行った中央委員会の活動報告(全文)」にたどり着いたのですが(6月20日アップ)、とても全文引用する訳にもいきませんので、その冒頭と終わりだけ見本に引用してみます。
 この「活動報告」にたどり着いた方法は、「政治」カテゴリーを選択した上で、検索ボックスに「第7回」と入力して検索したところ、候補の中に上記文書を発見したというものです。皆さんも、一度試しにやってみます?
 いずれにしても、「北朝鮮の公式報道は特有のレトリックで書かれるので、予備知識がないと何が大事なのかわからない。」(記者による会見リポート)ということは、公式報道だけのことではなく、公式政治文書でも同じことであり、その意味からも、「平井さんの発言」は、これらの文書を「理解するのに必ず役立つはず」です。
 
(抜粋引用開始)
金正恩
朝鮮労働党第七回大会で行った中央委員会の活動報告
チュチェ105年5月6、7日
 同志のみなさん!
 朝鮮労働党第六回大会が開かれた時から今日に至る期間は、わが党の長い歴史においてこの上なく厳し
い闘争の時期であり、偉大な転換がもたらされた栄えある勝利の年代でした。
 総括期間、朝鮮労働党は比類なく厳しい環境の中で革命発展の各段階に主体的な路線と政策を打ち出し、偉大なわが人民に依拠して革命と建設を力強く前進させることによって、社会主義偉業の遂行において
輝かしい勝利を収め、祖国繁栄の新時代を開きました。
 歴史上、どの党と人民も歩んだことのない困難にして険しい革命の道を踏み分ける過程で、わが党は自己の思想と偉業の正当性と不敗性について深く確信するようになり、党に従って永遠にチュチェの道へ進
もうとするわが人民の覚悟と意志は一層強まりました。
 今日、すべての党員と人民は、不屈の精神力と英雄的な闘争によって誇るべき偉勲を立ててきた忘れが
たい追憶と、胸にあふれる勝利者の自負心を抱いて第七回党大会を意義深く迎えています。
 朝鮮労働党第七回大会は、全社会の金日成・金正日主義化の旗印を高く掲げて、わが党をさらに強化し
、社会主義強国の建設とチュチェ革命の最後の勝利を早める上で歴史の分水嶺となるでしょう。
(略)
 われわれは朝鮮労働党を金日成、金正日同志の党として絶えず強化発展させ、党の指導的役割を全面的に強めて、全社会を金日成・金正日主義化するための歴史的闘争に新たな転換をもたらさなければなりま
せん。
 同志のみなさん!
 白頭で切り開かれた朝鮮革命は前人未踏の雪道を踏み分けて大きく前進し、チュチェの革命偉業遂行の飛躍期に入っています。厳しくかつ壮大な闘争の過程でこの地にもたらされた世紀の変革と偉大な勝利は、なんぴとも金日成・金正日主義の旗印を高く掲げて進むわが党と人民の前途を阻むことはできず、朝鮮
革命の最後の勝利は確定的であることを如実に示しました。
 今日、われわれの勝利の前進を阻もうとする帝国主義者とその追随勢力の策動は悪辣さを増していますが、それは滅亡へと突っ走る者の最後のあがきにすぎません。時間と正義はわれわれの側にあり、われわ
れの自強力は厳しい試練の中で百倍、千倍に強まっています。
 われわれは第七回党大会が示した綱領的課題を貫徹することによって、社会主義強国建設を強力に推進
し、チュチェの革命偉業の最後の勝利を早めなければなりません。
 自主性を目指す人民大衆の聖なる偉業、金日成・金正日主義党の偉業は必勝不敗です。
 ともに、金日成・金正日主義の革命的旗印を高く掲げて党中央委員会の周りに団結し、団結し、また団結して、党の強化発展と社会主義偉業の完成のために、祖国の自主的統一と世界の自主化偉業の実現のた
めに力強く前進しましょう。―――
(引用終わり)

「憲法おしゃべりカフェ」にご注意!~太田啓子弁護士からの警報を拡散します

 今晩(2016年8月11日)配信した「メルマガ金原No.2535」を転載します。

「憲法おしゃべりカフェ」にご注意!~太田啓子弁護士からの警報を拡散します

 沖縄県東村高江で奮闘する小口幸人(おぐち・ゆきひと)弁護士(沖縄弁護士会)のFacebook経由で、太田啓子弁護士(神奈川県弁護士会)からの「再度の拡散希望」に気がつきました。私自身、太田さんのFacebook友達のはずですが、昨日(8月10日)18時に発信されたシェア要請には気がついていませんでした。
 ということで、最初はFacebookの「シェア」ボタンを押すことだけ考えていたのですが、太田さんが注意を喚起されている改憲派による「憲法おしゃべりカフェ」については、末尾の私のブログ一覧を一読されればお分かりのように、私自身、関心を持ち続けてきたテーマでもありまので、ブログへの「転載」とさせていただくことにしました。多分、太田さんの【拡散して下さい】には、Facebookでの「シェア」だけではなく、少なくとも、太田さんが書かれた文章の趣旨に「賛同する」立場からのブログへの「転載」も含むと解釈できるという
判断に基づくものです。

 なお、いわゆる「憲法おしゃべりカフェ」を推進している組織が、「日本会議」かどうかということについて、私自身は確証を持っていませんので、単に「改憲派」と言うことにしています。
 もちろん、太田さんが2月5日の記事で紹介されているとおり、「日本会議の女性組織として活動を推
進している」「日本女性の会 公式ブログ」に、「憲法おしゃべりカフェ」というカテゴリーが設けられ、以下のような記事が掲載されていますので、日本会議、あるいはその女性組織である「日本女性の会」または、それらの地方組織が、「憲法おしゃべりカフェ」を推進している中心的な存在なのだろうというところまでは推測できますが。
 ちなみに、「日本女性の会 公式ブログ」でも紹介されている「アニメ 女子のあつまる憲法おしゃべり
カフェ」は、「美しい日本の憲法をつくる国民の会」のYouTubeチャンネルから公開されています。


2015年12月2日
横浜で憲法おしゃべりカフェ 開催!
(11月15日横浜市で開催・約30名参加)
2015年12月17日
12月13日 神奈川大和たちばなの集い 開催
(11月13日神奈川県大和市で開催・約35名参加)
2016年1月26日
千葉 女子の集まる憲法おしゃべりカフェ
(1月22日千葉県佐倉市で開催・31名参加)
2016年2月3日
1月30日 奈良 憲法おしゃべりカフェ
(1月30日奈良県で開催・約50名参加)
2016年2月3日
1月31日 横浜旭区おしゃべりカフェ
(1月31日横浜市旭区で開催・50名以上参加)

 「日本女性の会 公式ブログ」は、たまにしか更新されていませんが、更新のない間でも、全国各地で「憲法おしゃべりカフェ」あるいはそれに類した行事が行われているはずです。 
 この点については、私のブログ「“改憲”啓発講演会のご紹介~和歌山市での一事例(2016/5/29)」(2016年5月30日)でご紹介した、今年の5月29日に和歌山市で開催された「日本の未来を語ろう!憲法講演会」に参加された私の知人・Aさんの「参加記」が貴重な記録ですから、是非ご一読ください。
 私は、Aさんが書かれた「参加記」を読み、かつ当日の配布資料をAさんから見せていただいて、以下
のようなことに気がつきました。
 
〇改憲派が推進するこの種の集会は、必ずしも「憲法おしゃべりカフェ」と名乗る訳ではないようです。推測に過ぎませんが、もっぱら女性を対象とする場合には「憲法おしゃべりカフェ」を使い、男女を問わない場合には別の名前にする(例えば「日本の未来を語ろう!憲法講演会」)のかもしれません。
〇「カフェ」と名乗るか否かにかかわらず、語られている内容にそれほど違いはないのだろうと思います。実際、「日本女性の会 公式ブログ」には、参加者50名というような「憲法おしゃべりカフェ」が報告されていますが、これだけの人数となれば、実質的には「講演会」だったのではないかと思われます。5月29日の和歌山市での「講演会」の参加者もその程度の人数でした。
※主催者側のブログに当日の写真が掲載されています。
〇5月29日に和歌山市で講師を務めた高原朗子(たかはら・あきこ)熊本大学教育学部教授は、「「憲法カフェ」が2年前から始まって、今回で147回目。」と語ったそうです(Aさんの「参加記」による)。ここから読み取れることは、改憲派が非常に熱心に「憲法おしゃべりカフェ」(や改憲啓発講演会)を推進していることです(高原教授が1人で147回講師を務めたということではないでしょうが)。
〇参加者に配されたA3版カラー表裏印刷の豪華チラシ「地震大国ニッポン!どう守る?国民の命と暮らし」に代表されるように、大規模災害に備えた緊急事態条項が憲法に必要というデマゴーグに力が入れられていることに間違いありません。

 それでは、以下に、太田啓子弁護士のFacebookへの2度にわたる投稿を「転載」します。ただし、リン
ク切れが確認できた場合には、私の責任で削除しました。また、改行した場合には1字オトスなど、若干文章の体裁を整えた部分があります。
 

(太田啓子さんの2016年8月10日18時00分の投稿を全文転載)
※シェアの際は、以下のコメントをコピペしてコメントごとシェア頂けるとありがたいです。

 今年の2月の私の投稿ですが、また日本会議の「憲法おしゃべりカフェ」が開催されるみたいなので改
めて投稿しておきます。 
 別に法律家でなければ憲法勉強会の講師をやってはいけないとはいいませんが、憲法の基本をちゃんと勉強してない方が、そもそも憲法とは何かということをわかっていないような話をされるというのでは、憲法勉強会とはいえません。デマを流す場でしかありません。
 なお、今年の2月以降、日本会議「憲法おしゃべりカフェ」のデマを検証する等の大事な記事がアップ
されていますのであわせてご紹介します。
 いずれも、ミスター緊急事態・小口幸人弁護士の記事(マガジン9掲載)です★
 二つ目の記事がとりあげている「国会議員の任期延長」は、今後まずくるであろう、憲法改正国民投票の最もありうるテーマです。しかしニッチすぎ、マニアックすぎて、法律家でも知っている人はほとんどいないと思います。。
 日本で1番目か2番目くらいに「国会議員の任期延長」問題をしっかり考えている小口さんの記事、是非読んで勉強してください。
 勉強して知識をもたないと危ない方向にだまされちゃいます。
●「憲法おしゃべりカフェ」で流布されている~「緊急事態条項」をめぐる「四つのデマ」を検証
小口幸人(弁護士)
 
http://www.magazine9.jp/article/other/28374/
●お試し改憲」ではすまされない!?危険で不必要な「国会議員の任期延長」
小口幸人(弁護士)
 
http://www.magazine9.jp/article/other/29431/


(太田啓子さんの2016年2月5日の投稿を全文転載)
【拡散して下さい。要注意!日本会議の女性組織主催「憲法おしゃべりカフェ」で話されていることに強い強い疑問を抱きます】

 拡散して下さい。
 「憲法カフェ」というのは、カフェなどで行っている出張憲法勉強会です。私が2013年初頭に始め、明日の自由を守る若手弁護士の会(あすわか)はじめ全国の弁護士仲間が各地で展開しています。朝日新聞、毎日新聞などの大手全国紙、神奈川新聞、北海道新聞ほか各地の地方紙、NHKやTBSニュースバードでの放送、雑誌ではVERY,LEE、女性自身、週刊女性、AERAなど、たくさんのメディアにもとりあげられてきました。
 あすわかのブログには、全国で行われている憲法カフェのカレンダーがあります。
   
 http://www.asuno-jiyuu.com/
 
 
こつこつ地道に、法律家としての知見に基づいて、そもそも憲法とはどういう意味か、今なされようとしている「憲法改正」とはどういうものか、各地でお話してきました。
 これがある程度は草の根に浸透し始めてきたという自負があります。メディアに多く取り上げられてきたのもそういう成果があるからです。
 
 私たち法律家がやってきたこのような展開に乗じて、全く異なる意図を実現しようという動きが最近露骨になっています。
 強く警戒して下さい。このことをまだ知らないお知り合いに伝えて下さい。「憲法おしゃべりカフェ」は明日の自由を守る若手弁護士の会の「憲法カフェ」とは全くの別物です。というか、反対です。
 「憲法カフェ」と紛らわしい名称で、日本会議系の方々が、同じく女性層を主な対象に、「憲法おしゃ
べりカフェ」という名称で憲法勉強会を展開し始めています。
 私たちがやっている憲法カフェでお話している内容とは全く異なる方向性です。 
 それなのになぜ似たような名称であえてやるのでしょうか。
 私たちの展開してきたことに、このような悪質なやり方で乗じようとすること自体本当に許せないという気持ちです。 
 日本会議系女性団体「日本女性の会」というのの公式ブログが昨年12月に立ち上がっています。
 ここで、奈良市、千葉県成田市、神奈川県大和市、横浜市栄区、横浜市旭区などで、女性を対象にした「憲法おしゃべりカフェ」というのが開催されたということが報告されています。
 記事によれば、30人、50人という人数が参加されたということです。
 本当に憲法についての正しい法的知識に基づいた解説がなされているのか、弁護士としてはなはだ疑問に感じます。
 講師は一体どういう方でしょうか?
 憲法についてのきちんとした勉強をなさった方なのでしょうか?
 たとえば1月31日に行われたという横浜市旭区での「憲法おしゃべりカフェ」についての2月3日記事にはこのような記載があります。これ、非常に問題です。
 
http://ameblo.jp/nihonjyoseinokai/entry-12124509956.html
「特に、被災地にお知り合いがいる、ある女性は緊急事態条項が憲法に規定されていないために「震災関連死」が1600人以上生まれてしまった事実を知って、とても驚いておられました。
 ぜひ、被災地の人にも知らせたいと本を買って送ってあげるといわれていました。
 憲法は本来、国民のためにあるのに、なぜ憲法が邪魔になって犠牲が出ているのか、本末転倒なこの状況に憂いをもたれる方が多かったようです。」
 
緊急事態条項が憲法に規定されていないために「震災関連死」が多く生まれたなどというのは、全く事実に反します。
 憲法が邪魔になって犠牲が出た???そんなことじゃありません。
 こんなことを「憲法の勉強会」という体裁で広めるなんて、怒りを覚えます。
 「災害対策」をダシに「憲法改正」を進めようなんてそんな邪道で間違った知識を広めるなんて許せま
せん。
 おかしな憲法勉強会かどうか見分けるコツは簡単で、
 ・「災害対策」のために「憲法改正」が必要だと言っている
 ・「国民の義務」を強調する
 ・「立憲主義」という言葉が出てこないか、あるいは出てきても軽視している
 ・「中国の脅威」など外国の脅威を理由に集団的自衛権行使は必要だと話している
 このようなことを言っている勉強会だったら、おかしい、と考えて下さい。
★★★本当に「緊急事態条項」のことを知りたかったら、たとえばこういう記事を読んで下さい。
(マガジン9)災害の現場で必要なのは「国家緊急権」ではない
小口幸人さんに聞いた(その1)
 
http://www.magazine9.jp/article/konohito/23087/
(マガジン9)緊急事態条項の導入は「災害」を名目にした「戦争への準備」
小口幸人さんに聞いた(その2)
 
http://www.magazine9.jp/article/konohito/23097/
★★★2016年1月21日Yokohamaデモクラシー道場での小口幸人弁護士と私の解説動画です。緊急事態条項をテーマにしています。これを見たら、どれだけ「憲法おしゃべりカフェ」での情報がおかしなものかわかります。
 配信動画ツイキャス→
http://twitcasting.tv/c:teamlinks/movie/234878929
※金原注:IWJによる中継も行われ、お2人の解説の要旨/テキストが掲載されています。
★★★毎日新聞記事(2016年2月2日 東京夕刊)
特集ワイド 本当に必要?「緊急事態条項」
 
http://mainichi.jp/articles/20160202/dde/012/010/006000c


(弁護士・金原徹雄のブログから)
2014年5月5日
憲法をめぐって「集う人々」を取り上げた神奈川新聞の特集

2014年8月18日
「憲法カフェ」で広がるネットワーク(マガジン9が紹介した太田啓子さん)
2015年9月2日
倉持麟太郎弁護士の「安保法案の欠陥を衝く」(日刊ゲンダイ連載)活用の勧め

2016年1月26日
水島朝穂教授による自民党改憲案「緊急事態条項」批判論文(2013年)がネットで公開されました

2016年2月3日
自民党改憲案・緊急事態条項はナチス授権法の再来か?~海渡雄一弁護士の論考を読む
2016年2月6日
立憲デモクラシーの会・公開シンポジウム「緊急事態条項は必要か」を視聴する

2016年4月11日
立憲デモクラシー講座第8回(4/8)「大震災と憲法―議員任期延長は必要か?(高見勝利氏)」のご紹介(付・『新憲法の解説』と緊急事態条項)
2016年4月23日
『憲法カフェへようこそ 意外と楽しく学べるイマドキの改憲』(あすわか編著)を推奨します
2016年5月1日
日弁連シンポ「大規模災害と法制度~災害関連法規の課題、憲法の緊急事態条項~」(4/30)を視聴して菅官房長官(4/15)と櫻井よし子氏(4/26)の発言を思い出す
2016年5月13日
改憲派の「憲法おしゃべりカフェ」はあなどれない
2016年5月28日
警戒!私の地元和歌山でも「憲法おしゃべりカフェ」が開かれる(講師:髙原朗子熊本大学教育学部教授)
2016年5月30日
“改憲”啓発講演会のご紹介~和歌山市での一事例(2016/5/29)
2016年7月22日
災害支援でも高江でも~小口幸人弁護士の活躍

放送予告(8/13)「加藤周一 その青春と戦争」(ETV特集)

 今晩(2016年8月10日)配信した「メルマガ金原No.2534」を転載します。

放送予告(8/13)「加藤周一 その青春と戦争」(ETV特集)

 今年の1月3日、私は、このメルマガ(ブログ)において、2008年12月5日に89歳で亡くなられた九条の会の呼びかけ人の1人・加藤周一さんの、晩年のインタビューと講演をご紹介しました。

 そして、今週末、NHK(Eテレ)のETV特集で放送される「加藤周一 その青春と戦争」は、その加藤周一氏の「青春ノート」であるとともに「戦争ノート」でもあり、若き加藤氏の思想形成の過程の一端に触れることができるのではないかと期待されます。
 このETV特集を視たら、私のブログでご紹介した晩年の講演も合わせてご覧いただければと思います。おそらく、そこに一貫した生き方(つまりそれが「思想」ということですが)を読みとることができるのではないかと思います。
 
NHK(Eテレ)
本放送 2016年8月13日(土)午後11時00分~午前0時00分
再放送 2016年8月20日(土)午前0時00分~1時00分(金曜深夜)
ETV特集「加藤周一 その青春と戦争」
(番組案内引用開始)
戦後日本を代表する評論家・加藤周一の「青春ノート」が公開された。詩や評論、翻訳など新発見のノートは8冊。日中戦争から太平洋戦争の時代、若き加藤は社会の中で孤独を感じ、戦争協力に雪崩をうつ知識人に批判のまなざしを向けていた。立命館大学の学生たちがノートを読み解き、今の時代を考える。さらに作家の大江健三郎、池澤夏樹、詩人の山崎剛太郎、憲法学者の樋口陽一ら加藤ゆかりの人々の証言で、その思想の原点を考える。
(引用終わり)

(付記・アンコール放送)
 以前、メルマガ(ブログ)でご紹介したETV特集の番組(放送予告(3/19)ETV特集「名前を失くした父~人間爆弾“桜花”発案者の素顔~」/2016年3月17日)が、来週、アンコール放送されます。
本放送 2016年8月20日(土)午後11時00分~午前0時00分
再放送 2016年8月27日(土)午前0時00分~1時00分(金曜深夜)
ETV特集アンコール「名前を失くした父~人間爆弾“桜花”発案者の素顔~」
(番組案内引用開始)
戦争中、海軍が開発を進めた特攻兵器“桜花”。人間が操縦しロケットを噴射、敵艦に体当たりする「人間爆弾」だ。これを発案した大田正一は、終戦直後零戦で海に飛び込み自殺したと思われていた。しかし大田は名前を変えて生き延び、新しい家庭を築いていた。息子の大屋隆司さん(63)は中学生の時、父の本名が大田正一だと明かされた。しかしそれ以上何も聞けず時が過ぎた。父の過去と向き合うことで浮かびあがる戦争の傷跡。
(引用終わり)

続・「天皇退位」問題を考えるためのいくつかの参考資料(メモとして)

 今晩(2016年8月9日)配信した「メルマガ金原No.2533」を転載します。

続・「天皇退位」問題を考えるためのいくつかの参考資料(メモとして)

 今日は、個人的な備忘のためのメモを兼ねて、「天皇退位」問題についての資料を集めておきます。去る7月17日に書いた「「天皇退位」問題を考えるためのいくつかの参考資料(メモとして)」の続編です。

宮内庁ホームページ
象徴としてのお務めについての天皇陛下のおことば(ビデオ)(平成28年8月8日)

(引用開始)
 
戦後70年という大きな節目を過ぎ,2年後には,平成30年を迎えます。
 私も80を越え,体力の面などから様々な制約を覚えることもあり,ここ数年,天皇としての自らの歩みを振り返るとともに,この先の自分の在り方や務めにつき,思いを致すようになりました。
 本日は,社会の高齢化が進む中,天皇もまた高齢となった場合,どのような在り方が望ましいか,天皇という立場上,現行の皇室制度に具体的に触れることは控えながら,私が個人として,これまでに考えて来たことを話したいと思います。
 即位以来,私は国事行為を行うと共に,日本国憲法下で象徴と位置づけられた天皇の望ましい在り方を,日々模索しつつ過ごして来ました。伝統の継承者として,これを守り続ける責任に深く思いを致し,更に日々新たになる日本と世界の中にあって,日本の皇室が,いかに伝統を現代に生かし,いきいきとして社会に内在し,人々の期待に応えていくかを考えつつ,今日に至っています。
 そのような中,何年か前のことになりますが,2度の外科手術を受け,加えて高齢による体力の低下を覚えるようになった頃から,これから先,従来のように重い務めを果たすことが困難になった場合,どのように身を処していくことが,国にとり,国民にとり,また,私のあとを歩む皇族にとり良いことであるかにつき,考えるようになりました。既に80を越え,幸いに健康であるとは申せ,次第に進む身体の衰えを考慮する時,これまでのように,全身全霊をもって象徴の務めを果たしていくことが,難しくなるのではないかと案じています。
 私が天皇の位についてから,ほぼ28年,この間(かん)私は,我が国における多くの喜びの時,また悲しみの時を,人々と共に過ごして来ました。私はこれまで天皇の務めとして,何よりもまず国民の安寧と幸せを祈ることを大切に考えて来ましたが,同時に事にあたっては,時として人々の傍らに立ち,その声に耳を傾け,思いに寄り添うことも大切なことと考えて来ました。天皇が象徴であると共に,国民統合の象徴としての役割を果たすためには,天皇が国民に,天皇という象徴の立場への理解を求めると共に,天皇もまた,自らのありように深く心し,国民に対する理解を深め,常に国民と共にある自覚を自らの内に育てる必要を感じて来ました。こうした意味において,日本の各地,とりわけ遠隔の地や島々への旅も,私は天皇の象徴的行為として,大切なものと感じて来ました。皇太子の時代も含め,これまで私が皇后と共に行おこなって来たほぼ全国に及ぶ旅は,国内のどこにおいても,その地域を愛し,その共同体を地道に支える市井(しせい)の人々のあることを私に認識させ,私がこの認識をもって,天皇として大切な,国民を思い,国民のために祈るという務めを,人々への深い信頼と敬愛をもってなし得たことは,幸せなことでした。
 天皇の高齢化に伴う対処の仕方が,国事行為や,その象徴としての行為を限りなく縮小していくことには,無理があろうと思われます。また,天皇が未成年であったり,重病などによりその機能を果たし得なくなった場合には,天皇の行為を代行する摂政を置くことも考えられます。しかし,この場合も,天皇が十分にその立場に求められる務めを果たせぬまま,生涯の終わりに至るまで天皇であり続けることに変わりはありません。
 天皇が健康を損ない,深刻な状態に立ち至った場合,これまでにも見られたように,社会が停滞し,国民の暮らしにも様々な影響が及ぶことが懸念されます。更にこれまでの皇室のしきたりとして,天皇の終焉に当たっては,重い殯もがりの行事が連日ほぼ2ヶ月にわたって続き,その後喪儀そうぎに関連する行事が,1年間続きます。その様々な行事と,新時代に関わる諸行事が同時に進行することから,行事に関わる人々,とりわけ残される家族は,非常に厳しい状況下に置かれざるを得ません。こうした事態を避けることは出来ないものだろうかとの思いが,胸に去来することもあります。
 始めにも述べましたように,憲法の下もと,天皇は国政に関する権能を有しません。そうした中で,このたび我が国の長い天皇の歴史を改めて振り返りつつ,これからも皇室がどのような時にも国民と共にあり,相たずさえてこの国の未来を築いていけるよう,そして象徴天皇の務めが常に途切れることなく,安定的に続いていくことをひとえに念じ,ここに私の気持ちをお話しいたしました。
 国民の理解を得られることを,切に願っています。
※ビデオメッセージはWindows Media Playerで視聴できます。
(引用終わり)
動画(ANNnewsCH)


首相官邸 Facebook 2016年8月8日 15時19分
(引用開始)
安倍晋三内閣総理大臣コメント
本日、天皇陛下より御言葉がありました。
私としては、天皇陛下が国民に向けて御発言されたということを、重く受け止めております。
天皇陛下の御公務のあり方などについては、天皇陛下の御年齢や御公務の負担の現状にかんがみるとき、天皇陛下の御心労に思いを致し、どのようなことができるのか、しっかりと考えていかなければいけないと思っています。
(引用終わり)
※動画(ANNnewsCH)


日テレNEWS24 2016年8月8日 17:42
陛下「お気持ち」 首相“重く受け止める”

(引用開始)
 天皇陛下は8日午後3時、「生前退位」をめぐり「お気持ち」を表明された。お気持ち表明を受け、安倍首相は記者団に対して「重く受け止める」とのコメントを発表した。
 安倍首相は「どのようなことができるのか、しっかりと考えていかなければいけない」と述べたが、具体的にどう対応するのかについては踏み込まなかった。
 
安倍首相「私としては、天皇陛下が国民に向けてご発言されたということを重く受け止めております。天皇陛下のご公務のあり方などについては天皇陛下のご年齢やご公務の負担の現状に鑑みる時、天皇陛下のご心労に思いを致し、どのようなことができるのかしっかりと考えていかなければいけないと思っています」
 
今回、安倍首相が具体的な対応に踏み込まなかったのは、今回のお言葉が憲法で禁じられている天皇の政治的な発言にならないよう配慮したため。政府は当面は、すでに内閣官房に設置されている皇室典範改正準備室で検討を進める考え。しかし、生前退位を可能にするために皇室典範を改正するのか、今の天皇陛下のみに適用される特例法を制定するのか、などの方針については定まっていない。
 そうした中、政府高官は結論を出す時期について、「そんなに急ぐものではないが、かといって何年もかけるものではない」としている。世論の動向も見極めながら慎重に対応することとなりそうだ。

(引用終わり)

 「象徴としてのお務めについての天皇陛下のおことば」については、早速、改憲派(天皇元首制論者、天皇制廃止論者の双方を含む)からの批判的見解が出始めていますし、象徴天皇制支持者であっても、受け取り方次第では、批判しようと思えばいくらでもその余地がある「おことば」でしょう。
 ただし、私としては、「天皇退位」問題についての自らの基本的見解をまとめられるようになるまでは、一々のことに感想を述べるつもりにはなれません。

 とはいえ、例えば上記「日テレNEWS24」などで、「生前退位を可能にするために皇室典範を改正するのか、今の天皇陛下のみに適用される特例法を制定するのか、などの方針については定まっていない。」などと報じられているのを読むと、この記事を書いた者は憲法を読んでいないのか?と言いたくもなりますよね。
 
日本国憲法
第二条 皇位は、世襲のものであつて、国会の議決した皇室典範 の定めるところにより、これを継承する。

 この規定のどこをどう読めば、皇室典範ではない「今の天皇陛下のみに適用される特例法」で、生前退位(つまり「皇位の継承」です)を可能と出来るのか、訳が分かりません。あるいは、憲法9条の下でも集団的自衛権の行使を可能としてくれた今の内閣法制局なら、特例法による生前退位を認めることなど何でもないのかもしれませんけどね。
 これだけでも驚いたのに、以下のFNNニュースには仰天しました。既に昨日からネットで大きな話題になっていますので、今さらのような気はしますが、これは記録にとどめておく価値はあるでしょう。
 
FNNニュース 08/08 19:29
「生前退位」可能となるよう改憲「よいと思う」8割超 FNN世論調査

(引用開始)
「生前退位」が可能となるよう、憲法改正をしてもよいと「思う」人が、8割を超えた。
FNNが7日までの2日間実施した電話による世論調査で、天皇が、生前に天皇の位を皇太子に譲る「生前退位」に関し、政府のとるべき対応について尋ねたところ、「『生前退位』が可能となるように制度改正を急ぐべきだ」と答えた人は、7割(70.7%)だった。
「慎重に対応するべきだ」と答えた人は、2割台後半(27.0%)だった。
今後、「生前退位」が可能となるように、憲法を改正してもよいと思うかどうかを聞いたところ、8割を超える人(84.7%)が改正してもよいと「思う」と答え、「思わない」は1割(11.0%)だった。
(引用終わり)
 
「政治に関するFNN世論調査」(2016年8月6日(土)~8月7日(日))
全国から無作為抽出された満18歳以上の1,000人を対象に、電話による対話形式で行った。

(抜粋引用開始)
Q13. 現在の皇室制度では、天皇が生前に退位し、天皇の位を皇太子に譲る「生前退位」の規定がありません。生前退位について、あなたは、政府がどのように対応すべきだと思いますか。次の中から、あなたのお考えに近いものを1つ選び、お知らせください。
「生前退位」が可能になるように制度改正を急ぐべきだ 70.7%
慎重に対応すべきだ 27.0%
わからない・言えない 2.3%
Q14. 今後、天皇の「生前退位」が可能となるように、憲法を改正してもよいと思いますか、思いませんか。
思う 84.7%
思わない 11.0%
わからない・どちらともいえない 4.3%
(引用終わり)
 
 寡聞にして、私は天皇の「生前退位」を認めるために改憲が必要という学説は聞いたことがないのですが、もしかすると百地章日大教授あたりならそういう主張をしていますかね?(知りませんけど)。
 しかし、この世論調査の設問を作った者が、憲法の条文も学界の定説も、百も承知の上でミスリードするために意図的にこういう設問にしたのか、それとも「生前退位」を認めるためには本当に改憲が必要だと思い込んでいたのか、にわかに判断をつけかねますが、それをまた麗々しく「「生前退位」可能となるよう改憲「よいと思う」8割超 FNN世論調査」という見出しで大きく報道しますかね。
 ちなみに、産経ニュースでもこの世論調査結果なるものは大きく報じられていますが、FNNにしても産経にしても、別にデスクの責任問題になったりはせず、「改憲の気運の盛り上げに貢献した」ということで、社内的なポイントアップになるのでしょうか?
 本来、同業他社から批判が出て当然だと思うのですが、日本のマスメディアはやりそうもないなあ。

追悼・梅原貞晴先生~再配信・レジュメ「どうなる?日本!!安保法制(戦争法)の問題点」(九条の会・きし)

 今晩(2016年8月8日)配信した「メルマガ金原No.2532」を転載します。

追悼・梅原貞晴先生~再配信・レジュメ「どうなる?日本!!安保法制(戦争法)の問題点」(九条の会・きし)

 今日(8月8日)の昼休み、2年前の6月以来、毎月実施している「憲法の破壊を許さないランチTIMEデモ」(呼びかけ:憲法9条を守る和歌山弁護士の会)の第26回目に参加し(ここまで私は皆勤を続けています)、ゴール地点の京橋プロムナードで流れ解散となった後、私も役員を務めている地元の「九条の会・きし」事務局長の牧野ひとみさんから、同会の結成時に呼びかけ人を務めてくださり、何年か前の総会で私ほか1名とともに共同代表(代表世話人)に就任されていた梅原貞晴(うめはら・さだはる)先生が亡くなられ、今晩お通夜があると教えられて驚きました。

 私が梅原さんと最後にお目にかかったのは、昨年(2015年)11月14日に「九条の会・きし」役員会で私が講師を務めた学習会に顔を出してくださった時ですから、既に9ヶ月近く前のことですが、いたってお元気そうでしたし、私の話の後の意見交換でも、私が新安保法制と中国抑止論について言及したからか、蘇州大学客員教授としての経験を踏まえた中国の学生や同僚の考え方を語っていただいたと記憶しています(9.19以降の「安保法制」学習会用レジュメ(論点絞り込み90分ヴァージョン/2015年11月14日)。

 今晩のお通夜で顔を合わせた知人から聞いたところでは、梅原さんが会長を務めておられた貴志地区連合自治会の会議の席で倒れられたらしく、まことに急なご逝去であったそうで、ご遺族が被られた衝撃と悲しみの大きさは、今夜の参列者に配られたご遺族の「通夜御礼」を一読しても明らかです。
 梅原先生の人となりを知っていただくため「通夜御礼」を勝手にご紹介しても、お許しいただけるのではないかと思い、その主要部分を引用します。

(抜粋引用開始)
通夜御礼  梅原家

「まっすぐに歩み続けた人生でした」

高等学校で教鞭を執る傍ら
週末は自宅で書道教室を開いていた父
定年後は 大学教授を務めながら
地域のボランティア活動にも
熱心に取り組んでおりました

いくつになっても研究熱心で 特に中国が好きな父は
蘇州大学で客員教授も務めていたほど
瞼をとじると浮かぶ面影に 目頭が熱くなります

厳父であり慈父であった
あまりに大きな存在を失い 悲しみは募りますが
私たちは父の輝かせた生涯を胸に
家族で支え合い 一日一日を大切に生きていきます

父 梅原 貞晴は 平成二十八年八月七日
満七十八歳の生涯をとじました

良きご縁を結び 共に歩んでくださった皆様に
深く感謝いたします
(引用終わり)

 梅原先生のご逝去がいかに急なことであったかは、ラジオの和歌山放送から平日の朝に放送されている和歌山市の広報番組「ゲンキ和歌山市」の今年6月16日放送分で、地元の和歌山市立貴志南小学校の33回目の開校記念日の2日後の6月10日、梅原さんが貴志地区連合自治会会長として同校に招かれて挨拶されたことが紹介されていたことでも分かります。
 
6/16放送 小学校訪問⑧ 33回目の「開校記念日」~貴志南小☆
(抜粋引用開始)
この日は、
貴志地区連合自治会長の梅原貞晴(うめはらさだはる)さんが
招かれ、校長先生とともに、33年前の当時の学校や
貴志地区の様子についてお話をしました。
梅原さんによると、当時の貴志地区は、周りが田んぼばかり。
クマや猿を見かけることもあったそうです。
現在、色々な行事等で学校を訪れることが多い梅原さん。
いつも貴志南小の児童からは、元気よく挨拶してもらって
パワーをいただいているとして
改めて児童たちに「ありがとう」
とお礼のことばを述べておられました。
(略)
なかよし集会のあと、
校長の犬塚博志(いぬづかひろし)先生にお話を伺いました。
貴志南小学校を始め、貴志地区は
地元の皆さんや育友会の皆さんのバックアップが大きく、
連合自治会長の梅原さんをリーダーとして、中学校区全体で
「貴志の教育を高める会」を作っているそうです。
「こういった方々のおかげで、学校にとって、とてもプラスになっています。」
と喜んでいらっしゃいます。
(引用終わり)

 梅原さんについてのインターネット検索結果の中から、上記の貴志南小学校訪問の他に、あと2つご紹介しておきます。

 1つは、蘇州大学客員教授としての見聞を地元紙に連載した文章をまとめられた著書『蘇州慕情』(2003年9月刊)です。
蘇州慕情
梅原 貞晴
新風舎
2003-09

 内容説明を引用します。
「水の都、蘇州。そこはまほろば、よき思い出の詰まった土地。異国への旅立ち、水と柳の古都、専家楼の食堂は蘇大のサロンなど、憧れの土地に客員として招かれた大学教授の蘇州滞在記。『和歌山新報』の連載を書籍化。」
 絶版ではあるようですが、中古品の入手は容易なようです。

 もう1つは、「九条の会・きし」結成に先立つ2005年3月5日(土)、地元の河西コミュニティセンターで「守ろう9条河西のつどい」が開かれたことを伝える「憲法九条を守るわかやま県民の会」ニュース第15号に、梅原先生の発言が紹介されていました。

(引用開始)
「守ろう九条」河西のつどい
3月5日(土)午後7時から「守ろう9条河西のつどい」が和歌山市河西オミュニテイーセンターで開かれました。多目的ホールいっぱいの75人の参加で熱気あふれました。「憲法をめぐる情勢と改悪阻止の展望」という演題で坂本文博氏(憲法九条を守るわかやま県民の会事務局長)が講演されました。坂本氏は講演の中で「改憲策動はものすごい勢いで加速している。9条守る運動を急速に広げないといけない」と強調されました。この会の賛同者のひとり梅原貞晴さん(蘇州大学客員教授)が「人間として、日本人として、守らなければあかんなということが(お話をお聞きして自分の中に)入りました」と、毎日新聞の高校生が書いた投稿を紹介しながら話されました。主催者側から「つどい」賛同者の方々が紹介されました。また今後の取り組みとして(1)3月20日の「憲法フェスタ」の成功(2)会員を広げる(3)校区ごとなど地域の会結成をめざしていく、の三点が提案されました。なお、この集いに向け、賛同する12人の方々の名前を載せたチラシを配って宣伝しました。
(引用終わり)

 記事にある「校区ごとなど地域の会結成をめざしていく」の結実が「九条の会・きし」の結成でした。

 私は、高校教員時代の梅原先生は全く存じ上げず、貴志地区連合自治会(私の地元でもありますが)会長としての目覚ましい業績も、私自身が自治会活動に縁遠い生活を送っているため、伝え聞くにとどまりました。
 私にとっての梅原先生は、中国を愛し、国民レベルからの日中友好を心から念願しておられた素晴らしい教養人であるとともに、そのためにも、日本国憲法第9条を是非とも守り抜かねばならないと決意した信念の人でした。
 ここに心から哀悼の意を表します。

 終わりに、私が最後に梅原貞晴先生とお会いし、お話が出来た昨年11月14日の学習会のために書いたレジュメを、梅原先生追悼のために再配信します。
 

 以下は、2015年11月14日に配信した「メルマガ金原No.2274」(及びこれを転載した「弁護士・金原徹雄のブログ」「wakaben6888のブログ」)から、学習会用レジュメの部分を抜き出して再配信するものです。

2015年11月14日(土) 中団地自治会館
「九条の会・きし」学習会

        
どうなる?日本!!安保法制(戦争法)の問題点

                                  弁護士 金 原 徹 雄

第1 「安保法制」(戦争法)って何?
1 成立した法律は2つだけ
 新法「国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律」(国際平和支援法)
 一括改正法「我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律」
※細かな改正を含めれば全部で20(主要なものだけで10)の法律を「改正」。
 自衛隊法
 国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律(PKO協力法)
 周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律
 周辺事態に際して実施する船舶検査活動に関する法律
 武力攻撃事態等における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律などが最も主要なもの。
2 大ざっぱに言って何が変わったのか?
(1)従来の(9.19前の)安保法制
〇武力攻撃事態(武力攻撃が発生した事態又は武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していると認められるに至った事態)→防衛出動
※日本が攻撃を受けた場合に反撃する個別的自衛権の行使
〇周辺事態(そのまま放置すれば我が国に対する直接の武力攻撃に至るおそれのある事態等我が国周辺の地域における我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態)→後方地域支援(周辺事態に際して日米安保条約の目的の達成に寄与する活動を行っているアメリカ合衆国の軍隊に対する物品及び役務の提供、便宜の供与その他の支援措置であって、後方地域において我が国が実施するものをいう/後方地域とは、「我が国領域並びに現に戦闘行為が行われておらず、かつ、そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる我が国周辺の公海及びその上空の範囲をいう。」)
※主として朝鮮有事を想定。
〇テロ特措法(2001年)、イラク特措法(2003年)
 非戦闘地域における協力支援活動、捜索救助活動、被災民救援活動等
〇PKO協力法(1992年)
 国際平和協力業務等
(2)新「安保法制」で何が出来ることになったのか?
〇武力攻撃事態だけではなく存立危機事態でも防衛出動が可能になった。
 存立危機事態:我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態
※要するに集団的自衛権に基づく武力行使を認めた。
※5党合意(9月16日)「存立危機事態の認定は、武力攻撃を受けた国の要請又は同意があることを前提とすること」に注意!
〇周辺事態法が重要影響事態法に「改正」されて後方支援を行う
 支援対象国が米国以外にも広げられた。
 周辺地域という限定が無くなった(世界中どこでも)。
 非戦闘地域という制限がなくなり、「現に戦闘行為が行われている現場では実施しない」とするだけ。
 具体的な後方支援としての「物品及び役務の提供」につき、従来は禁止されていた以下のような活動が出来ることになった。
  弾薬の提供
  戦闘作戦行動のために発進準備中の航空機に対する給油及び整備
※後方支援は、実態としては「logistic(兵站)」そのもの。現に今年の4月27日に締結された新日米ガイドラインでは「logistic support=後方支援活動」という用語が使われている。
〇国際平和共同対処事態→協力支援活動
 テロ特措法、イラク特措法などに代わる恒久法。
 協力支援の対象は多国籍軍。
 非戦闘地域という制限が無くなったのは、重要影響事態(米軍等への支援)と同じ。
 実際に行う協力支援活動の内容は、ほぼ重要影響事態法に基づく後方支援活動と同じ。
〇国連平和維持活動(PKO)において、新たに「住民保護・治安維持活動」、「駆け付け警護」などが追加され、それらの業務に従事する自衛官は、「やむを得ない必要があると認める相当の理由がある場合には、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で」「武器を使用することができる。」とされた。
 また、新たに認められた国際連携平和安全活動は、アフガニスタンにおいて活動したNATO軍を主体としたISAF(国際治安支援部隊)などが想定されていると言われている。
〇自衛隊法の中に、「在外邦人の保護措置」や「合衆国軍隊等の部隊の防護のための武器の使用」などの規定が設けられたが、運用次第では非常に危険な事態を招来しかねない。
3 新「安保法制」はいつから施行されるのか?
 一括法の附則により、公布の日から6か月以内の政令で定める日から施行されることになっている。9月30日に公布されたので、遅くとも来年3月31日までには施行される。

第2 「安保法制」(戦争法)のどこが憲法に違反するの?
1 集団的自衛権の行使は憲法9条(とりわけ2項)に違反する 
 憲法13条が保障する「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利」が「国政の上で、最大の尊重を必要とする」とされていることから考えれば、我が国が他国から武力攻撃を受けた場合にその急迫不正の侵害を排除し、国民の権利を守ることは、国の責務として憲法もこれを容認している。従って、上記の目的を達成するための必要最小限の実力は、憲法9条2項が保持を禁じた「陸海空軍その他の戦力」にはあたらない。自衛隊は、そのような必要最小限の実力にとどまっているので合憲である。
 以上が、自衛隊発足以来、2014年7月1日午後の閣議決定に至るまで、日本国政府が維持し続けてきた自衛隊を合憲とする論理である。
 いわゆる1972年(昭和47年)政府見解というのは、上記の論理を前提として、「そうだとすれば、わが憲法の下で武力行使を行うことが許されるのは、わが国に対する急迫、不正の侵害に対処する場合に限られるのであって、したがって、他国に加えられた武力攻撃を阻止することをその内容とするいわゆる集団的自衛権の行使は、憲法上許されないといわざるを得ない。」と明確に断じたものである。
 大半の憲法学者が、昨年7月1日の閣議決定と今次の安保法制(戦争法)が、従来の合憲性判断の枠組では説明できず、それを超えてしまったもので違憲であるとしているのは以上のような理由による。
 これを別の面から評すれば、集団的自衛権の行使ができるとする解釈は、自衛隊の存在を正当化する憲法上の根拠を喪失させ、単なる私兵におとしめるものだと言わなければならない。
※6月4日の衆議院憲法審査会に出席して安保関連法案を違憲と断じた3人の参考人(長谷部恭男早大教授、小林節慶大名誉教授、笹田栄司早大教授)は、いずれも自衛隊合憲論者である。合憲論者「であっても」違憲としたという理解は正確ではない。合憲論者「だからこそ」違憲と判断するしかなかったということである。
2 後方支援、協力支援は武力の行使を禁じた憲法9条(特に1項)に違反する
 米軍等への後方支援(重要影響事態法)、協力支援(国際平和協力法)は、「我が国周辺の地域」(周辺事態法)という地域的制限を廃し(世界中どこへでも)、非戦闘地域でなければ実施しないという制限も撤廃し(現に戦闘行為が行われていなければ良い)、従来から認められていた武器の輸送の他、弾薬の提供、戦闘作戦行動のために発進準備中の航空機に対する給油及び整備を解禁するなど、兵站(ロジスティック)そのものであり、米軍等による武力行使と一体となる可能性が非常に高い、あるいは一体化そのものであって、武力の行使を禁じた憲法9条1項に違反する。
 なお、憲法9条1項は、「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」と定め、不戦条約(1928年)以来の伝統的慣用から、一般に侵略戦争の放棄を定めた規定と解されているが、9条2項が「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」として、戦争(含武力行使)を行うための物的手段と法的権限を否認していることから、侵略目的でないとしても、「武力の行使」一般が禁じられていると解するのが通説である。
 この点に関する判例としては、2008年4月17日、イラク特措法に基づいて米兵等の空輸を行っていた航空自衛隊の活動を憲法9条1項に違反すると判断した名古屋高裁判決がある。
3 憲法73条(内閣の権限)に違反する
 日本国憲法は、近代立憲主義に基づく権力分立制をとっており、各国家機関にいかなる権限を付与するかの基本は憲法自身によって定められている。そして、行政権を担う内閣に与えられた権限を明記しているのが憲法73条であるが、この規定をどのように読んでも、日本が武力攻撃を受けた訳でもないのに海外で戦争する(武力を行使する)権限を内閣に与えたと読める規定は存在しない。
 戦前(大日本帝国憲法体制下)天皇大権とされていたもののうち、行政権は内閣に、立法権は国会に、司法権は裁判所にそれぞれ帰属することになったが、どこにも継承されなかった天皇大権があった。それは、以下の各条項である。
  第11条 天皇ハ陸海軍ヲ統帥ス
  第12条 天皇ハ陸海軍ノ編制及常備兵額ヲ定ム
  第13条 天皇ハ戦ヲ宣シ和ヲ講シ及諸般ノ条約ヲ締結ス(条約締結権は内閣に)
  第14条 天皇ハ戒厳ヲ宣告ス
   2 戒厳ノ要件及効力ハ法律ヲ以テ之ヲ定ム
 すなわち、この1946年に行われた憲法改正の経緯から考えても、内閣に海外で戦争する権限などないことは明らかである。

第3 中国・北朝鮮脅威論と「安保法制」(戦争法)
1 前提として(法制の合理性を判定するために)
 ①立法事実は存在するか?
 ②立法目的は正当か?
 ③法制の内容は立法目的達成の手段として合理的か?
2 中国・北朝鮮脅威論に立法事実はあるか?
 脅威のレベルをどこに想定するかが問題の本質であり、両国による直接軍事侵攻を本気で心配しなければならないのか否かを議論すべきだろう。
3 「安保法制」(戦争法)は中国・北朝鮮に対する抑止力を高めるか?
(1)9.19前の我が国の有事法制の中核は、武力攻撃事態法と周辺事態法であった。
 武力攻撃事態とは、要するに日本が侵略された場合に、個別的自衛権を行使してこれを排除するための法制である。ちなみに、その場合、日本が米国に救援を求めるとすれば、その根拠は日米安保条約5条であって、この場合、米国は「自国の憲法上の規定及び手続に従つて共通の危険に対処するように行動」することを日本に対して約束している。
 従って、日本が中国や北朝鮮から武力攻撃を受けたのであれば、武力攻撃事態法と日米安保条約で対処することになるのであって、「存立危機事態」など不要である。
 次に、周辺事態法は、主には朝鮮有事を想定して合意した1997年版日米ガイドラインを踏まえて制定された法律であり、米軍に対する自衛隊の「後方地域支援」を行うことを主目的としていた。要するに、米軍が(韓国軍とともに)北朝鮮軍と交戦状態に入った場合に、日本が米軍にどのような支援をするのかということであって、北朝鮮が日本にミサイルを発射した場合の話ではない。そういう場合は、武力攻撃事態となる。
(2)それでは、新安保法制でやろうとしている「これまで出来なかったこと」とは何か?それは本当に中国や北朝鮮に対する抑止力向上に役立つのか?
 先に第1、2で述べたとおり、その中核は、「存立危機事態」なる曖昧な要件で、日本が武力攻撃を受けてもいないのに、自衛隊に「防衛出動」を命じることができるようにするということと、「周辺事態」や「非戦闘地域」という制限を取り払い、世界中どこへでも自衛隊を派遣して、米軍等の兵站(後方支援または協力支援)に従事させることができるようにするということである。
 これのどこが中国や北朝鮮に対する抑止力を向上させることになるというのか?海外派遣のオペレーションに対応するためには、そのような任務に即応できる部隊編成が必要となるのが当然で、その分、日本防衛が手薄になるのは見やすい道理である。
(3)察するに、同盟国である米国のコミットメントをより確保するために(つまり、日本有事の際に米軍に確実に参戦してもらうために)、対価としての日本からのサービスを奮発し、「見捨てられ」恐怖を払拭したいということなのだろうが、そもそも抑止力が効果を発揮するかどうかは、相手国(中国や北朝鮮)が「抑止されている」と考えるかどうかにかかっているのであって、自衛隊が世界中で米軍の2軍となって活動することによって、中国や北朝鮮が「より抑止された」と感じるとは到底思えない。
(4)この他にも、本気で中国や北朝鮮による侵攻を心配するのなら、まず真っ先にやらなければならないのは原発全基廃炉であるにもかかわらず、中国に最も近い鹿児島県・川内原発を再稼働し、さらに敦賀湾に面した高浜原発を再稼働しようとしているということ自体、安倍政権が本気でそんな心配などしていない証拠である、ということも付け加えておこう(これは「立法事実」の問題だが)。 

第4 これからを見すえた運動を
1 様々な「共同」をさらに発展させよう。
2 間断なく声を上げ続けよう。「声明」、「スタンディングアピール」、「デモ」、「集会」、「学習会」、「2000万人統一署名」。
3 今まで声をかけていなかった人にも訴えよう。
4 来年7月の参議院議員通常選挙の勝利のため、野党協力の機運を盛り上げよう。
5 1人1人があきらめず、出来ることをやり抜こう。

(余論/時間があれば)
〇安保法制違憲訴訟について
〇日本国憲法制定史と幣原喜重郎について

1ヶ月前の神保哲生さんによる伊勢﨑賢治さんインタビューを視聴する

 今晩(2016年8月7日)配信した「メルマガ金原No.2531」を転載します。

1ヶ月前の神保哲生さんによる伊勢﨑賢治さんインタビューを視聴する

 今日は、終日所用があったため、新たなメルマガ(ブログ)の素材を探して書いている時間がありませ
んので、しばらく前に視聴して、折りがあったらご紹介しようかと思っていた動画をご紹介します。
 ビデオニュース・ドットコムの神保哲生さんが、参院選投票日の前に、様々な分野の識者にインタビュ
ーを行い、その分野における現政権に対する評価を尋ねるという番組がいくつかアップされていました。私は、そのうちの伊勢﨑賢治さん(東京外国語大学教授)の回を視聴していました。
 既にその動画がアップされてから1ヶ月が過ぎていますが、別に選挙が終わったから視る価値が無くなるものでもありません。

 ところで、伊勢﨑さんと言えば「新九条論」ですが、その主張を詳しく理解した上で、いずれ取り上げられればとは思っていますが、そのような準備の整っていない現状では、「とりあえず横に置いておいて」と言わざるを得ません。
 過去、和歌山で伊勢﨑さんの講演会を2回にわたって主催した団体にいささか関与している身としては、別に最近の伊勢﨑さんが「変節」したとは思っておらず、「前から同じことを言われていたよね」という認識なのですが、ただ、私などから見れば、いわゆるリベラル派に対して、不必要に戦闘的な言辞を使うことが多くなっているのではないかという印象を受けます。それは、ある程度意図的なのだろうとは思いますが、十把一絡げに「リベラル」とか「護憲派」という言葉でひとくくりにして、これに否定的評価を結びつけ
る言い方は、結局、生産的な結果を生まないだろうなあと思いますけどね。まあ、我々も、「右翼」とか「改憲派」とか、十把一絡げにして何らかの集団を指したつもりになって否定的に評価しているのですから、まさに「他人(ひと)のことは言えない」訳ですが。

 今日ご紹介する1ヶ月前の神保哲生さんによる伊勢﨑賢治さんインタビューは、インタビュアーに人を
得たことが大きいと思いますが、その辺のところはあまり気にならず、素直に視聴できました(ただし、以下に引用した番組紹介は、やや「意訳」ではないかという部分もありますが)。
 ただ、ご本人も自覚しておられるでしょうが、伊勢﨑さんの発音は正直聴き取りにくいので、それなり
に想像力を発揮して文脈を理解する必要がありますが、それだけの努力をはらうだけの価値のあるインタビューだと思いますので、視聴をお勧めします。
 

(番組案内引用開始)
 安倍政権では集団的自衛権の行使を可能にする安保法制を制定したり、首相自らがイスラム国(IS)と
戦う意思を明示するなど、外交、安全保障面でも大きな政策転換があった。
 安倍政権の首相の外交・安全保障分野をどう評価すべきかについて、東京外語大学総合国際学研究院の
伊勢崎賢治教授にジャーナリストの神保哲生が聞いた。
 伊勢崎氏は安倍政権は敵を多く作ったという意味で、外交、防衛面ではマイナスな点が多かったと指摘
する。これは歴代内閣の中でも突出していると伊勢崎氏は言う。
 特に安倍首相が昨年1月の中東訪問中に、イスラム国と戦う国への支援と称して2億ドルの援助を発表し
たことについて、伊勢崎氏は不用意だったと指摘する。
 「これまでも日本は難民支援は行ってきた。実際はそれを継続しているだけで何も新しいことではないのに、安倍首相はわざわざ不用意にも「ISと戦う国のために」の枕詞をつけてしまった。」伊勢崎氏はこ
う語り、アメリカに対するリップサービスはいいが、それで要らぬ敵を作る必要はなかったと指摘する。
 一方で、そうまでしてアメリカにリップサービスをした結果得るものは、何もないとも伊勢崎氏は言う。安保法制を含め、日本が今まで以上にアメリカにすり寄る背景には、日本と中国との関係が緊張し、万
が一の際にアメリカが日本に肩入れしてくれるという期待がある。しかし、米中関係は独自のルートで二国間関係を深めており、日本がISと戦うポーズを見せたところで、対中戦略でアメリカのスタンスが変わるというものではない。
 「日本は無用の敵を作っている」と伊勢崎氏は言う。
 その上で伊勢崎氏は、安倍政権が強引に成立させた安保法制の影響を懸念する。まだ安保法制が実際には発動されていないが、これに基づいて自衛隊が海外で軍事行動を行うことになった場合、それがPKOであれ、アメリカ軍の兵站であれ、犠牲者が出る可能性がある。また、自衛隊が相手国の国民を殺傷してしまう可能性もある。現在の日本国憲法の下では自衛隊は軍隊ではないので、海外で武力を行使して人を殺せ
ば、殺人罪で起訴される恐れがあるというのだ。
 自衛隊の身分を現在のような不安定なままで海外に出すことにもリスクは大きいが、安保法制によって
戦闘行為に巻き込まれる可能性も飛躍的に拡大している。この選挙はこのリスクの是非も問われるべきだろう。
(聞き手 神保哲生(ビデオニュース・ドットコム))
プロフィール
伊勢崎賢治いせざき けんじ
東京外国語大学大学院教授
11957年東京都生まれ。80年早稲田大学理工学部卒業。84年インド国立ボンベイ大学大学院社会科学研究科
博士前期課程修了(後期中退)。86年早稲田大学大学院理工学研究科都市計画専攻修了。東チモール暫定統治機構県知事、国連シエラレオネ派遣団武装解除統括部長などを経て、日本政府特別顧問としてアフガニスタンの武装解除を指揮。立教大学教授などを経て2009年より現職。著書に『本当の戦争の話をしよう
世界の「対立」を仕切る』、『武装解除 紛争屋が見た世界』など。
(引用終わり)

高橋和夫教授の「パレスチナ問題('16)」(放送大学)受講のすすめ

 今晩(2016年8月6日)配信した「メルマガ金原No.2530」を転載します。

高橋和夫教授の「パレスチナ問題('16)」(放送大学)受講のすすめ

 巻末のリストをご覧いただければ分かるとおり、過去何本も、放送大学や同大学専任教員である高橋和夫教授についての記事をメルマガ(ブログ)で書いてきました。
 私は、2008年4月、1年限定の選科履修生として放送学の学生となり、翌2009年4月から、正式に全科履修生となりました。いったん、全科履修生となれば、最長10年間は在籍可能なので(私の場合、2018年度まで)、あと2年半の間に卒業すればよいのですが、今学期履修中の科目を全て単位取得したと仮定すると、卒業までに必要な総単位数(124単位)まで残り13単位(語学を1単位含むことが必要)ということになります。最近は、各学期ごとに放送授業2科目(計4単位)、面接授業1科目(1単位)のペースで履修しているため、このままでは10年ではなく9年で卒業してしまうため、さらにペースを落とすか、必修の語学1単位を2018年度回しにして調整するか、などと考えています。

 この間、私がメルマガ(ブログ)で取り上げた放送大学関係の記事の中では、昨年10月に書いた「日本美術史('14)」事件をめぐる2本が異彩を放って(?)いますが、本来であれば、こんな記事は書きたくなかったのであって、多くの人に「あなたも放送大学の優れた科目を受講しませんか」とお勧めしたいのです。
 これまで書いてきたものでいうと、「社会福祉と権利擁護('12)」(大曽根寛教授)、「現代の国際政治('13)」(高橋和夫教授)、「日本美術史('14)」(佐藤康宏東大教授)~結局受講できませんでしたけど~、「貧困と社会('15)」((西澤晃彦客員教授)などということになります。

 今日は、日本を代表する中東ウォッチャーである高橋和夫教授が2016年度に新規開講した「パレスチナ問題('16)」のシラバスをご紹介し、是非、受講(が無理でも番組を視聴)されるようにお勧めしたいと思っています。
 私は、放送大学(BSのテレビ及びラジオで放送)の番組をケーブルテレビで視聴しているのですが、いずれ受講するかもしれないと関心を持った新規開設科目は極力、録画(または録音)することにしており、「パレスチナ問題('16)」についても、45分×15回の全回を録画して、少しずつ視聴し、今日(8月6日)、最終第15回の講義を聴き終わったところなのです。
 そして、全講義をひとわたり視聴した結果、10月から始まる第2学期で正式に科目登録することを決意するとともに、メルマガ(ブログ)でもご紹介したいと考えた次第です。

 講義の具体的中身は、以下に引用するシラバスをご参照いただければと思いますが、私が、是非この科目を皆さんに紹介したいと考えるに至った理由が2つあります。
 1つは、2015年1月20日、ISILにより、後藤健二さんと湯川遥菜さんを殺害するとの予告動画が公開された直後、中東歴訪中であった安倍晋三首相が、エルサレムのウォルドルフ・アストリア・ホテルで行った記者会見の場に、日の丸と並んでイスラエル国旗が掲出されているのを映像で見た瞬間の衝撃がいまだに尾を引いており、その衝撃の正体は何だったのか、中東におけるイスラエルという国家の誕生から現在まで(それはパレスチナ問題と表裏の関係にあるのですが)について知りたい、そして多くの日本人にも知ってもらいたいと考えたことです(※首相官邸ホームページより)。
 もう1つは、最終回の講義の終わりにあたり、高橋教授から受講生・視聴者に送られた以下のメッセージ(録画から文字起こししました)に感銘を受けたことにあります。
 そこで、シラバスに先立ち、まず、最終講義における高橋教授からのメッセージをご紹介しようと思います。
 
「最後に、皆さんに一言だけお願いしたいことがあって、このお願いは、是非この風景の中でしたいと思って、この映像を撮ってまいりました。
~スタジオからエルサレムに転換~
 このシリーズの冒頭でエルサレムをご覧いただきました。その時はひどいサンドストームに覆われたエルサレムでした。
 今日このシリーズを締めくくるにあたって、再び同じエルサレムをご覧いただきたいと思います。しかし、今日のエルサレムは、朝日を浴びたエルサレムです。鮮明に見えていると思います。エルサレムが鮮明に見えるように、皆さまの中東理解も、より鮮明になったものと期待いたしております。
 このシリーズを終わるにあたり、私は、1つだけ皆さまにお願いしたいと思います。
 シリーズは終わるんですけど、これをもって皆さまのパレスチナ問題との関わりを終わりにしていただきたくないのです。これをきっかけに、パレスチナ問題を考え続けていただきたいと思います。関心を持ち続けていただきたいと思います。
 そして、この問題の解決のために、国際政治は何を出来るのか、そして、日本が何を出来るのか、そして、1人1人が何をできるのかを考えていただきたいと思います。
 さらに、この問題を見つめるにあたっては、国際政治という大きな枠組から見ていただきたいんですけれど、同時に、国際政治の動きが、現地の難民キャンプのパレスチナ人、占領地のパレスチナ人、あるいは、1人のイスラエルの母親に、父親にどういうインパクトを与えるのかという、下からの視点を大切にしていただきたいと思います。
 私も皆さまとともに、この問題を見つめる新しい旅に今出発したいと思います。」

 以下に、「パレスチナ問題('16)」のシラバスをご紹介します。なお、本科目は、主任講師の高橋和夫教授が全講義を担当しています。

(引用開始)
主任講師 高橋 和夫(放送大学教授)
放送メディア テレビ
放送時間
平成28年度第2学期:(月曜)8時15分~9時00分(2016年10月~)
講義概要
パレスチナ問題の起源から説き起こし現状を解説し、この問題の展開を跡付ける。そして、その将来を展望する。パレスチナ地域の情勢の記述を縦糸に、周辺諸国や地域外の大国の動きを横糸にして、陰影の深いパレスチナ問題のタペストリーを編み上げる。
「現代の国際政治('13)」や「国際理解のために('13)」などの関連科目にも目配りしつつ勉強していただきたい。

シラバス
第1回 パレスチナ問題以前のパレスチナ
パレスチナ問題はイスラムとユダヤの二千年の対立として語られる例が多いが、それは事実に反している。なぜならばイスラムには1400年ほどの歴史しかないからだ。そのイスラムが二千年も争っているはずがない。またパレスチナ人にはキリスト教徒も多い。こうした基礎的な事実を踏まえながら、パレスチナ問題が起こる以前のパレスチナの歴史を概観する。
【キーワード】バビロン捕囚、十字軍、オスマン帝国、キリスト教、イスラム教、アラブ人、パレスチナ人

第2回 ポグロムとシオニズム
ヨーロッパにおける民族主義の高揚がポグロムの背景にあった。そして、それがシオニズムを生みだすことになった。シオニズムの背景にあった帝国主義的な発想や社会主義の思潮にも言及しつつ、パレスチナをめぐる国際情勢を紹介する。
【キーワード】民族主義、ポグロム、ヘルツル、ユダヤ人国家、シオニズム、フセイン・マクマホン書簡、バルフォア宣言、委任統治

第3回 夢と悪夢
イスラエルの成立時に発生したパレスチナ難民の問題をめぐる議論を振り返る。また大国の関与について語る。
【キーワード】イスラエルの成立、ナクバ、豊穣なる記憶、元兵士たちの証言、11分後の承認、トルーマン大統領

第4回 スエズのかなたへ
スエズ運河をめぐる国際政治を振り返る。1956年戦争とアラブ民族主義の高まり、そして1967年戦争のアラブ統一運動の挫折が、そのテーマとなる。
【キーワード】スエズ運河、ムスリム同胞団、スエズ動乱、ハンガリー動乱、アイゼンハワーの決断、6日戦争

第5回 アラブ世界の反撃
1967年の戦争での敗北が、パレスチナ解放闘争の指導者アラファトの台頭を準備した。そしてエジプトとシリアは1973年10月イスラエルを奇襲して、中東情勢に新しい局面を開いた。
【キーワード】カラメの戦い、ファタハ、サダト、ミサイルの森、石油危機、キャンプ・デービッド合意

第6回 変わるイスラエル
イスラエルは、中東系の人々の流入により、ヨーロッパ的な国家から中東的な雰囲気の国家へと変貌しつつある。また経済的に豊かになったイスラエルは、世界各地からの「ユダヤ教徒」の流入に直面している。変化するイスラエルの姿を描く。
【キーワード】アシュケナジム、セファルディム、イスラエル市民権を持つアラブ人、三階建ての家、ユダヤ人の定義問題

第7回 レバノン戦争
平和条約によってエジプトからの圧力から解放されたイスラエルは、その軍事力をレバノンに拠点を置いていたPLOへの攻撃に向けた。イスラエル史上初の「選択による戦争」であった。
【キーワード】生きた宗教の博物館、レバノン内戦、選択による戦争、チュニスへ、サブラとシャティーラ

第8回 ペレストロイカと冷戦の終結
1985年3月にゴルバチョフがソ連の最高権力者になると冷戦が終わり始めた。それは国際政治における地殻変動を意味していた。対米関係の改善を目指したゴルバチョフはユダヤ人のソ連からの出国を認めた。洪水のように移民がソ連からイスラエルに押し寄せ中東情勢に大きな影響を与えた。
【キーワード】ゴルバチョフ、ペレストロイカ、新思考、ユダヤ人出国問題

第9回 インティファーダ
1987年パレスチナのヨルダン川西岸とガザ地区で民衆のインティファーダ(一斉蜂起)が開始された。武器を使わずに石を投げたりタイヤを燃やしたりの抗議行動がイスラエルの占領政策を揺さぶった。
【キーワード】石の戦い、「腕を折れ」、折れないパレスチナ人、ハマスの登場

第10回 オスロ合意
冷戦の終結と湾岸戦争でのイラクの敗北が、PLOを決定的に不利な状況に追い込んだ。その状況下でノルウェーがイスラエルとPLOの間のオスロ合意で大きな役割を果たしたのは、中立的であったからではない。それは親イスラエル的であったからだ。30年以上の時の流れの後に、この合意の意味を考える。
【キーワード】湾岸危機、湾岸戦争、アラファト金脈の構図、ノルウェーという国、ガザ・エリコ先行自治、アラファトの足元と手の内、ノルウェーの森

第11回 ラビン/その栄光と暗殺
オスロ合意以降の情勢を動かした中心人物はラビンであった。その栄光に満ちた経歴を振り返る。また、その暗殺が中東和平プロセスに与えた意味を考える。
【キーワード】ネクタイを締められなかった男、1967年戦争の勝利、イスラエルの「ドゴール」、中東和平プロセス、暗殺

第12回 ネタニヤフとバラク
ラビンの死亡以降の情勢をネタニヤフとバラクというイスラエルの二人のライバル政治家に焦点をあてながら跡付ける。そして2期8年を務めたアメリカのビル・クリントン大統領の中東和平を仲介への努力を歴史的な文脈に位置付ける。
【キーワード】エンテベの軌跡、恐怖と希望、「ピアノを弾くゴルゴ13」、クリントンの中東和平

第13回 揺らぐシリアのアサド体制
イスラエルと一貫して対立してきたシリアでは、1970年代より二代にわたるアサド家の支配が続いている。両国間の懸案はイスラエル占領下にあるシリア領土のゴラン高原である。しかし、アサド体制が揺らいでいる現在、交渉は期待できない。アサド家の支配を揺るがしているのは、シリア内戦である。内戦の混乱はイラク情勢と連動して「イスラム国」という異物を生み出した。混迷するシリア情勢の地域政治への意味を考える。
【キーワード】ダマスカスのスフィンクス、眼科医、ゴラン高原、アラブの春とシリア内戦、アラウィー派、「イスラム国」、シリアという地名

第14回 アメリカの中東政策

アメリカの中東政策を特徴づけているのは、イスラエルへの強い支持である。なぜアメリカはイスラエルを支持するのだろうか。その背景を考えたい。
【キーワード】AIPAC、キリスト教原理主義、Jストリート、変わるアメリカのユダヤ社会

第15回 残された課題
クリントンの和平努力の挫折後の情勢を概観する。その特徴はアラファトの逝去とハマースの台頭である。そして最後に和平実現のために越えなければならない残された課題を語る。
【キーワード】キャンプ・デービッド、ハマース、国境、入植地、エルサレム、帰還権 
(引用終わり)

(番組視聴の方法)
 BS231チャンネル(無料)で視聴できます。多くのケーブルテレビでも無料で再配信を受信できます。
 「パレスチナ問題('16)」の平成28年度第2学期の放送は、毎週月曜日の午前8時15分~9時00分です。10月3日(月)からスタートします。
 なお、BSやケーブルテレビは、放送大学の学生にならなくても、誰でも視聴できます。
 放送大学の学生(1学期だけの科目履修生、1年間の選科履修生、それから卒業を目指す全科履修生)になると、インターネット(学生専用ページ)でほぼ全講義、いつでも視聴できます(科目登録していない科目でも自由に視聴できます)。

(入学の方法)
 番組を視聴するだけでなく、正式に学生として受講したいという方は、インターネット出願が便利です。平成28年度第2学期からの入学受付は、8月31日までです。
 なお、入学を検討する場合に気になる学費については、こちらのページをご覧ください。

(印刷教材(テキスト)は市販もされています)
 入学して科目登録すれば(放送授業は1科目11,000円)、その授業料の中には当然放送教材(テキスト)代も含まれていますが、このテキストは市販もされています。
『パレスチナ問題 (放送大学教材)』高橋和夫(著)
パレスチナ問題 (放送大学教材)
高橋 和夫
放送大学教育振興会
2016-03


(高橋和夫教授の近著)
『中東から世界が崩れる―イランの復活、サウジアラビアの変貌(NHK出版新書)』(2016年6月刊)


(弁護士・金原徹雄のブログから)
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