弁護士・金原徹雄のブログ

憲法を大事にし、音楽を愛し、原発を無くしたいと願う多くの人と繋がれるブログを目指します。

動画・学習会「安倍首相の改憲発言をめぐって」(九条の会事務局)~浦田一郎さん、渡辺治さんのダブル講演で学ぶ

 今晩(2017年6月27日)配信した「メルマガ金原No.2856」を転載します。

動画・学習会「安倍首相の改憲発言をめぐって」(九条の会事務局)~浦田一郎さん、渡辺治さんのダブル講演で学ぶ

 今日は、昨日(6月26日)、「立憲デモクラシーの会」が「安倍政権による強権的な国会運営と説明責任の放棄に対する声明」を発表する記者会見を開いた(出席者:山口二郎法政大学教授、石川健治東京大学教授、西谷修立教大学特任教授)というニュースを読み、IWJによる中継動画も確認しましたので、これを取り上げようと思ったのですが、肝腎の「声明」自体が見当たらない!「立憲デモクラシーの会」ホームページを閲覧しても、「記者会見のお知らせ」はあるものの、「声明」がどこを探してもないの
です。困りましたね。

 ということで、「安倍政権による強権的な国会運営と説明責任の放棄に対する声明」のご紹介は明日以降、インターネットで「声明」が読めるようになり次第ということにして、今日は、上記「立憲デモクラシーの会」
の「声明」とも、おそらく問題意識は通底しているのかなと思われる学習会の動画をご紹介します。
 それは、九条の会事務局が主催する「安倍首相の改憲発言をめぐって」という、ちょうど1週間前(6
月20日)に開催された学習会です。
 同会公式サイトからダウンロードできる開催案内を引用します。

(抜粋引用開始)
九条の会事務局主催 学習会のご案内
安倍首相の改憲発言をめぐって
 みなさん、周知のように5月3日に安倍首相は、「9条3項・加憲」、「教育無償化のための改憲」などを含めた明文改憲を唱えるビデオ・メッセージを改憲団体に寄せました。
 これをいかに批判し、はねのけていくのか。そのためのしっかりとした情勢把握と憲法についての理解
が、今こそ求められています。
 九条の会事務局では、下記のような学習会を準備し、じっくりと学習する場として企画しました。
 よろしくふるってご参加ください。
【日時】:2017年6月20日(火)18時30分~21時
【場所】:韓国YMCA地階スペースY
【講演】:
 ①「安倍首相の改憲発言-その憲法論的検討」
   浦田一郎さん(一橋大学名誉教授・憲法学)
 ②「安倍首相の改憲発言-そのねらいと危険性」
   渡辺 治さん(一橋大学名誉教授・政治学・九条の会事務局員)
 講演の後、質疑時間を若干とります
(引用終わり)
 
 上記学習会については、自由メディア(FmATVch)が収録して、画質・音質とも非常に良好な動画を
YouTubeにアップしてくれています。
 
6・20安倍首相の改憲発言をめぐって(2時間13分)

冒頭~ 司会 小澤隆一東京慈恵医科大学教授(九条の会事務局員)
0分~ 挨拶 小森陽一東京大学教授(九条の会事務局長)
4分~ 講演①「安倍首相の改憲発言-その憲法論的検討」
      浦田一郎一橋大学名誉教授(憲法学)
54分~ 講演②「安倍首相の改憲発言-そのねらいと危険性」
       渡辺治一橋大学名誉教授(政治学・九条の会事務局員)
1時間54分~ 質問用紙に対する講師からの回答

 5月3日の「安倍首相の改憲発言」というとき、正確には、次の2つのものを同時に指していると考え
る必要があります。

○第19回公開憲法フォーラム(主催:民間憲法臨調、美しい日本の憲法をつくる国民の会)に寄せたビ
デオメッセージ
○5月3日付読売新聞朝刊に掲載された安倍首相インタビュー

 後者(読売インタビュー)の紙面はたまたま私も所持していますが、ネットでは有料会員しか閲覧でき
ないようなので、前者のビデオメッセージのみ、あらためてリンク先をご紹介しておきます。

 ここで注意しておくべきは、9条加憲論について、少なくともビデオメッセージでは、「そこで、「9条1項、2項を残しつつ、自衛隊を明文で書き込む」という考え方、これは、国民的な議論に値するのだ
ろう、と思います。」と言っているだけであり、「自衛隊の存在を憲法上にしっかりと位置づけ」るのが、「9条3項」か、それとも「9条の2」かは明言していないということです。

 上記ダブル講演は、憲法論(浦田一郎さん)及び情勢論(渡辺治さん)の両面から、相当に突っ込んだ解説がなされており、ここ10年以上、いわゆる「9条の会」の運動に関わってきた私のような者にとっては当然のことですが、「9条の会」と直接の関わりを持っていない人にとっても、我が国の本当に重大な岐路が今目の前にあるという意識をもってこの動画を視聴し、学習していただきたいと思います。

 最後に、渡辺治さんの講演冒頭の一部を文字起こししておきます。 

「一言で言うと、この5月3日の安倍の改憲提言を読売新聞で見てですね、私は、安倍が改憲問題について、いきなり切り札を出してきたという風に感じました。おそらく、この9条加憲という形での改憲が、日本の進路をめぐる非常に重大な転換点といいますか、岐路を示した、そういう風に思います。掛け値なく、九条の会が、これまで2004年から頑張ってきた、この九条の会の存立意義が問われる、鼎の軽重が問われるということになった。そういう意味で言えば、あんまりこういう言葉は、私は講演の中で使いたくないし、狼が来た、狼が来た、いつ来るんだ?という話になるんですけども、今回は決戦場だと、これが私たちの、9条を本当に守って、日本の戦後70年、いろんな形で不十分な点はある
けれども、守ってきた日本の進路を一層前進させるのか、それを大きく根本的に転換させるのかという大きな分岐点が、ここ1~2年の間にやって来たという風にとらえるべきだと私は思っています。」

7/6市民集会「あらためて、いわゆる共謀罪(テロ等準備罪)法がもたらす社会を考える(講師:髙山佳奈子京大教授)」(和歌山弁護士会)のご案内

 今晩(2017年6月26日)配信した「メルマガ金原No.2855」を転載します。

7/6市民集会「あらためて、いわゆる共謀罪(テロ等準備罪)法がもたらす社会を考える(講師:髙山佳奈子京大教授)」(和歌山弁護士会)のご案内

 共謀罪シリーズの第35回は、和歌山弁護士会が主催する市民集会「あらためて、いわゆる共謀罪(テ
ロ等準備罪)法がもたらす社会を考える」(講師:髙山佳奈子京都大学大学院教授)のご紹介です。
 和歌山弁護士会が(に限りませんが)この種の一般市民向けの集会を開催する場合、まず所管委員会が企画を立て、執行部に企画書を添えて「開催したい」と上申し、執行部が常議員会(総会に次ぐ意思決定
機関)に承認を求めるという手順となります。
 今回の企画を立てたのは、和歌山弁護士会共謀罪法案対策プロジェクトチームであり、この市民集会開催の可否が常議員会で審議されたのが6月13日(火)、その日、何番目かの審議事項として上程され、上記PT副座長の私が説明員として出席したのが当日の午後5時過ぎでした。議案自体は短時間で承認されたのですが、その日時にご注目ください。それからわずか39時間弱が経過した6月15日(木)午前7時46分、前夜来の徹夜の審議(!?)の末、法務委員会採決を省略し、参議院本会議で共謀罪新設規定
を含む組織的犯罪処罰法改正案が可決されて成立しました。
 以上の経過からお分かりのように、当初PTが作成した企画書では、集会のタイトルは「あらためて、
いわゆる共謀罪(テロ等準備罪)法案がもたらす社会を考える」というものでした。ただ、企画の段階から、「法案が成立してしまったとしても開催する意義はある」ということを前提にしており(常議員会でもそのように説明しました)、「案」を外しただけで開催することになったという訳です。

 講師の髙山佳奈子先生については、私のメルマガ(ブログ)の読者には今さらご紹介するまでもないでしょう。これまでの共謀罪シリーズに度々登場していただいており、とりわけ、4月25日に衆議院法務委員会で行われた参考人質疑における基調発言は、共謀罪法案の重要な問題点を分かりやすく説得力豊かに説明されたものとして、メルマガ(ブログ)でもその書き起こし(速記録未定稿がベースだろうと思いますが)をご紹介しています(
高山佳奈子京都大学大学院教授による共謀罪法案についての参考人意見陳述(2017年4月25日・衆議院法務委員会)を読む/2017年4月27日)。
 なお、質疑応答部分を含む全発言については、衆議院の会議録をご参照願います。
 

 今回の市民集会においても、和歌山弁護士会が会長声明(5月29日付)で表明した懸念(「第1に、処罰対象はテロ集団や暴力団関係者だけではなく、国民一般に適用されるおそれがあり、「計画」「準備行為」の定義、内容が不明確であるため、何が処罰されるのかあいまいであること、第2に、277といわれる対象犯罪の中には組織犯罪やテロ犯罪とは無関係の犯罪が含まれていること、第3に、捜査のため日常的に市民の監視が行われ、国民のプライバシーが日常的に侵害される社会となるおそれがある、ということ」)に沿って、この問題を追及してきた刑事法研究者の立場から、共謀罪法がどのような社会をもたらすこと
になるのかについて、分かりやすいお話がうかがえるものと期待しています。

 共謀罪関連の企画はどこも(「緊急開催」が多いので)そうかもしれませんが、今回の市民集会も、実はチラシもまだ刷り上がっていません(デザインは確定しています)。けれども、チラシの納品を待って
いては広報が間に合いませんので、やむなく、ネットでの個人的なお知らせをスタートさせており、Facebookでの告知については、「“いいね”より“シェア”を!」という呼びかけに応え、多くの方がシェアしてくださっています(ご協力、ありがとうございます)。
 メルマガについては、転送・転載大歓迎ですし、ブログについても、様々なSNSでのご紹介(シェア)を是非よろしくお願いしたいと思います。

 それでは、以下にチラシの文字情報を転記します。是非お誘い合わせの上ご参加くださいますよう、よ
ろしくお願い致します。

チラシから引用開始) 
市民集会
あらためて、いわゆる
共謀罪(テロ等準備罪)法が
もたらす社会を考える

    京都大学大学院法学研究科 教授
講師 
髙山 佳奈子 先生
プロフィール
東京大学大学院法学政治学研究科卒。東京大学助手、成城大学法学部助教授、京都大学大学院法学研究科
助教授を経て、現職。
刑法総論の基礎理論、経済刑法、国際刑法を主な研究対象としている。
主な著作に、「故意と違法性の意識(1991)」、「共謀罪の何が問題か(2017)」などがある。

日時 2017年(平成29年)7月6日(木)
    開場:午後6時
    開演:午後6時30分
場所 和歌山ビッグ愛 1F 大ホール

      和歌山市手平2丁目1-2
●入場無料●予約不要

主催 和歌山弁護士会
共催 日本弁護士連合会、近畿弁護士会連合会
お問い合わせ(和歌山弁護士会)
〒640-8144 和歌山市四番丁5番地 TEL.073-422-4580 FAX.073-436-5322
(引用終わり)

(弁護士・金原徹雄のブログから/共謀罪シリーズ)
2017年2月6日
レファレンス掲載論文「共謀罪をめぐる議論」(2016年9月号)を読む
2017年2月7日
日弁連パンフレット「合意したら犯罪?合意だけで処罰?―日弁連は共謀罪に反対します!!―」(五訂版2015年9月)を読む
2017年2月8日
「共謀罪法案の提出に反対する刑事法研究者の声明」(2017年2月1日)を読む
2017年2月10日
海渡雄一弁護士with福島みずほ議員による新春(1/8)共謀罪レクチャーを視聴する
2017年2月21日
共謀罪をめぐる最新ニュース、動画、声明のご紹介
2017年2月23日
日本弁護士連合会「いわゆる共謀罪を創設する法案を国会に上程することに反対する意見書」(2017年2月17日)を読む
2017年2月24日
「安倍政権の横暴を許すな!」連続企画@和歌山市のご案内~3/3共謀罪学習会&3/25映画『高江―森が泣いている 2』上映と講演
2017年2月28日
共謀罪をめぐる最新ニュース、動画、声明のご紹介vol.3
2017年3月1日
ついに姿をあらわした共謀罪法案(組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案)
2017年3月3日
「共謀罪」阻止の闘いは“総がかり”の枠組みで~全国でも和歌山でも
2017年3月4日
共謀罪をめぐる最新ニュース、動画、声明のご紹介vol.4

2017年3月6日
共謀罪に反対するのも“弁護士”、賛成するのも“弁護士”
2017年3月8日
共謀罪をめぐる最新ニュース、動画、声明のご紹介vol.5~「テロリズム集団その他」のまやかし

2017年3月9日
3月9日、和歌山で共謀罪に反対する街頭宣伝スタート~総がかり行動実行委員会の呼びかけで
2017年3月17日
共謀罪をめぐる最新ニュース、動画、声明のご紹介vol.6~立憲デモクラシーの会が声明を出しました
2017年3月21日
閣議決定された「共謀罪」法案~闘うための基礎資料を集めました
2017年3月31日
2017年4月7日
2017年4月14日
共謀罪をめぐる最新ニュース、動画、声明のご紹介vol.9~民科法律部会の声明を読む
2017年4月18日
声明「許せない「共謀罪」」~「「大逆事件」の犠牲者を顕彰する会」が引き継ぐ「志」
2017年4月26日
緊急開催!和歌山弁護士会「共謀罪法案(テロ等準備罪)を考える県民集会」(5/10@プラザホープ)
2017年4月27日
高山佳奈子京都大学大学院教授による共謀罪法案についての参考人意見陳述(2017年4月25日・衆議院法務委員会)を読む

2017年5月9日
「共謀罪」阻止のために~5/9WAASA学習会で話したこと、6/11くまの平和ネットワーク講演会で話すべきこと

2017年5月17日
「共謀罪」をめぐる5月16日の動きを動画で振り返る~衆議院法務委員会参考人質疑、日比谷野音大集会、立憲デモクラシーの会シンポ

2017年5月20日
闘いはこれからだ~5/19「安倍政治を終わらせよう5.19院内集会」&5/20「安倍政権に反対する和歌山デモ」
2017年5月22日
「共謀罪」法案の衆議院における修正案(可決)を読む
2017年6月6日
予告・「共謀罪」って何?こんなにある問題点!(講師:金原徹雄弁護士)@新宮市(6/11)と真宗大谷派による共謀罪法案反対声明(5/18)
2017年6月7日
国際ペン会長声明「共謀罪は日本の表現の自由とプライバシーの権利を侵害する」&加藤健次弁護士による現状分析
2017年6月10日
2017年6月11日 
2017年6月15日
「共謀罪」法案の参議院採決は違法だ(付・日弁連、市民連合、日本ペンクラブなどによる抗議声明)

2017年6月19日
「学者の会」呼びかけ人一同が発表した「共謀罪法案の強行採決に対する抗議声明」(6/18)を読む

高山佳奈子チラシ 

司法に安保法制の違憲を訴える意義(16)~東京・国家賠償請求訴訟(第4回口頭弁論)における原告による意見陳述(野木裕子さん他)

 今晩(2017年6月25日)配信した「メルマガ金原No.2854」を転載します。

司法に安保法制の違憲を訴える意義(16)~東京・国家賠償請求訴訟(第4回口頭弁論)における原告による意見陳述(野木裕子さん他)

 一昨日に引き続き、6月2日に東京地方裁判所で開かれた安保法制違憲・国家賠償請求訴訟の第4回口頭弁論で陳述された意見をご紹介します。
 一昨日は、3人の訴訟代理人弁護士による法的観点からの陳述でしたが、今日ご紹介するのは、3人の原告の皆さんの意見陳述です。
 小海基(こかい・もとい)さんは、キリスト教の牧師としての立場から、渡辺一枝(わたなべ・いちえ)さんは、お父さんを戦争で喪った満州からの引揚者の立場から、それぞれ何故安保法制に反対するのか、非常に説得力豊かに語っておられます。
 そして、野木裕子(のぎ・ゆうこ)さんによる「長年「言葉」を仕事の道具にしてきた人間の感覚で言いますと、十年ほど前から徐々に、そしてここ数年は加速度的に、言葉が「粗雑」で「野卑」になってきているように思えてなりません。」という発言には、「そのとおりだ」と思わず膝を打ってしまいました。
 是非、3人の皆さんの意見陳述を熟読玩味していただきたいと思います。

 なお、6月2日の裁判当日の午後、参議院議員会館講堂で行われた報告集会の動画もご紹介しておきます。

2017年6月2日 安保法制違憲訴訟国倍第4回期日 報告集会(1時間36分)

冒頭~ 司会 杉浦ひとみ弁護士
1分~ 挨拶 寺井一弘 弁護士(全国における訴訟の状況について)
(陳述した原告から)
16分~ 原告 野木裕子(のぎゆうこ)さん
25分~ 原告 渡辺一枝(わたなべいちえ)さん
(代理人から)
32分~ 伊藤 真 弁護士
52分~ 角田由紀子 弁護士(人格権について) 
1時間12分~ 古川(こがわ)健三 弁護士(若手弁護士の活動について)
1時間18分~ 内田雅敏 弁護士
1時間24分~ 福田 護 弁護士
 

原告意見陳述 小海 基(こかい もとい)

 私は日本基督教団荻窪教会の牧師です。この教会は1933年創立ですが、会員には旧満州からの引き揚げ者の方も多く、いざ戦争となったら「在外邦人救出」どころか、軍隊が真っ先に逃亡し、放置された民間人の筆舌に尽くしがたい苦難の経験を高齢の方たちから何度もうかがってきました。
 戦争中の教育が、日本の軍国主義を支えたことも、経験からの話として聞いてきました。第1 次安倍内閣で「教育基本法」が改悪され、内心の自由に関わる「日の丸・君が代強制」問題が起きた頃、私は子どもの親として、国が教育に不当に介入する恐れに心を痛め、折あるごとに杉並区教育委員会に申し入れを行ってきました。「つくる会歴史教科書」採用、杉並区独自の教員採用と教員養成機関である「師範館」設立、「教育特区」の名を借りて無理やり採用された「全国初の民間人中学校校長」や「夜スペ」という私塾など、子どもたちが吸収する教育に大きな危惧を持ち、区内の教員、保護者たちと「教育懇談会」を立ち上げ、公教育を見守り、現場情報を発信する団体としての活動を、現在も行っています。
 また、1990 年頃には、私は教会からアメリカミズーリ州のセントルイスのキリスト教の神学校へ留学させてもらいました。当時は丁度「湾岸戦争」が始まった時で、私が通っていた黒人教会では、軍の奨学金で大学に学んだ青年たちが次々と戦地へ送られ、「自爆テロで友人が目の前で亡くなった」、「反射的に人を殺す道具になり果ててしまった自分に嫌気がさす」など戦場からの生々しい手紙が礼拝の中で読み上げられるのを耳にしました。
 戦争は露骨に容赦なく貧しい黒人青年たちを戦場へ送り込み、現地で「侵略者」の片棒を担がされ、死と隣り合わせの日々を強いられ、挙句の果てに帰還しても「後遺症」のトラウマに悩まされ麻薬に溺れていくのです。家族に残されるのは祈ることしかないという理不尽さにやりきれない思いを感じていました。
 今回の「安保諸法」は、私がこれまで牧師として,あるいはひとりの人間として、戦争体験者の苦悩を受け止めようと務めてきた私自身が奈落に突き落とされるような衝撃をうけました。
 私は、長年賛美歌研究を続け、牧師を育成する神学校の教育現場にも立ってきましたが、賛美歌は単に言葉を美しいメロディーで歌うというだけでなく、歌詞の中に思想や思いを浸透させ、注入するような機能も持っているのです。
 子どもたちの教育は賛美歌と同じです。殺し殺される国の教育は子どもたちに害悪を浸透させます。
 また,セントルイスの黒人教会で見たように社会的貧困層の青年たちから戦争への犠牲が強いられ、苦しみを負わされるような社会の仕組みが、必ず、私たちの国でも展開されていきます。
 加えて牧師である私は、第二次世界大戦時のキリスト教会の反省を片時も忘れることはありません。教会やキリスト教信者たちが戦時体制下、単に時の政府の抑圧に抗しきれなかったというだけに留まらず、煮え湯を飲まされるような思いで、礼拝堂に日の丸を飾り、皇居に向かって遥拝し、教団幹部が伊勢神宮に先勝祈願の参拝をし、戦闘機奉納に募金を集め、アジアの特に朝鮮半島や中国大陸、台湾のキリスト者たちに神道は宗教ではなく「風俗儀礼」に過ぎないのだといって「強制参拝を強いる」…といった、あってはならない行動の数々をもって、積極的に戦争のお先棒担ぎさえもしていったのです。
 こうした先人の懺悔・反省を戦後に生きる私たちは自分のこととして十字架として負ってきました。しかし再びそのような世界に引きずり込まれ、同じ轍は踏むまいと誓って歩んでいる私たち戦後のキリスト者にとっては、これら「安保諸法」のすぐ先にある壮絶な未来を思うときに総毛立つような恐怖を感じています。
 

原告意見陳述 野木 裕子(のぎ ゆうこ)

 私は 1949 年生まれです。周囲には生々しい戦争の記憶を持つ人達が大勢おり、その体験談を聞く機会が結構ありました。小説を含めて戦争に関わる本なども読み、「戦争は人間を不幸にするだけだ」という、ごく当たり前の考えを自然に身に着けて育ったと思います。体験談と言えば亡くなった母の友人に、高等女子師範学校在学中、学徒勤労動員によって軍需工場で働いていた人がいました。彼女は戦後になって自分達がいわゆる「人間魚雷」の部品を造っていたと知り、知らぬうちに戦争に深く加担させられていたことに後ろめたく、かつ恨めしい思いを抱き続けたそうです。戦争は人の命を奪うだけでなく、生き残った人の心にも深い傷を残すのだと戦慄を覚える話でした。
 また、私はいわゆる「戦後民主主義教育」を受けた世代にあたり、上の世代からしばしば「本当にいい時代に育って」という言葉を聞かされました。すべての国民は「基本的人権を持ち」「個人として尊重され」「法の下に平等である」と定めた憲法に守られているのだと。……とりわけ女性に男性と同様の権利が認められたことについて、何人もの大人の女性達から羨ましがられたものです。とは言え、その「男女平等」がある意味で建前に過ぎないことも、子ども心に何となく感じていました。学校から一歩出れば「女の子のくせに」といった類いの言葉があふれていましたから。そして就職する頃から、ますますそれを痛感するようになりました。当時は四大卒の女性の求人はきわめて少なく、限られた求人の中にも「片親の子は不可」など、驚くべき差別がまかり通っていたのです。何とか就職できても「ウチの女のコ」と言われ、賃金差別や結婚退職制が存在する企業も少なくありませんでした。
 それでも、年月と共に「建前」が少しずつ「建前でなくなってきた」のも事実です。他の様々な差別についても、同じことが言えます。女性であり、さらに「母子家庭」ということで身近に差別を感じていたせいか、私は子ども時代から様々な「差別」に敏感だったのですが、それらを「恥」と見なす意識が徐々に浸透してくるのを感じてきました。男女同権を含めた基本的人権は「与えられたもの」であったかもしれませんが、その「内実」は私達が一つ一つ、勝ち取ってきたのです。私はそれを国民として本当に嬉しく、誇りに思います。
 ところが近年、その誇りをぐらつかせるような空気が漂い始めたような気がします。長年「言葉」を仕事の道具にしてきた人間の感覚で言いますと、十年ほど前から徐々に、そしてここ数年は加速度的に、言葉が「粗雑」で「野卑」になってきているように思えてなりません。「女の子に三角関数を教えて何になる」とか、沖縄における「土人」発言等々……。少し前でしたら、いわゆる差別的な発言は、たとえ酒の席のようなところであっても「下品だ」という共通認識があったように思います。それが平然と「常識あるはずの大人」の口から出る。
 言葉が粗雑で野卑になってきたのは、もしかするとマッチョイズムが──私達が懸命に否定し、封じ込めようとしてきたマッチョイズムが首をもたげてきたからではないかと私は思っています。丁寧に言葉を紡ぎ、互いの思いや感覚を(完全には理解できないにせよ)少なくとも理解しようと努力すること。それを「えーい、面倒だ」と放り出し、「力がすべてだ!」と肩を怒らせて威嚇し合うのが、マッチョイズムの本質だと私は思います。だから、言葉に対する感覚も鈍くなる。感情を剥き出しにし、それを「本音の発言」などと言って恬として恥じない。言葉の力を大切に思う者にとって、言葉が破壊されるさまを見るほど辛いことはありません。
 マッチョイズムと言えば、「平和を守るために軍事力が必要」という考え方はその最たるものです。存立危機事態等々の言い回しですぐに拳を振り上げる安易な道を選び、集団的自衛権の名のもとにそれこそ世界の裏側まで自衛隊を派遣する。これは「戦争は NO、差別も NO」と念じ続けてきた私に対する、国家の重大な裏切りというほかありません。力で物事を解決しようとする社会においては、当然、弱い人間は排除されます。弱い立場であると自覚し、微力ではあっても同じ立場の人々に寄り添いたいと願い続けた私の人権を侵害する安保法制を、私は何としても認めるわけにはいかないのです。
 

原告意見陳述 渡辺 一枝(わたなべ いちえ)

 1945年1月9日旧満州国ハルピン生まれです。父は7月20日招集され出征する日、父は「この戦争は、じきに日本が負けて終わる。必ず帰るからイチエを頼む」と母に言って出たそうです。一枝と書いてイチエと読ませる名は、父が私に残してくれたただ一つの形見です。
 翌年9月に私たち母娘は引き揚げ、母の実家に身をよせました。ある日叔母の連れ合いが復員する知らせが入り、1歳下の従弟と私は「お父ちゃんが帰る」と喜び跳ね回りました。叔父が戻り私たちが駆け寄ろうとすると、祖母は泣きながら私を抱きとめて「あんたのお父ちゃんじゃないんだよ」と言いました。父なし子を自覚した3歳の私です。
 中学生の時に、父と同じ部隊にいた人からの伝聞を母が訪問客に話すのを一緒に聞きました。部隊は8月18日に武装解除となり部隊長が「捕虜としてソ連に送られるだろうから、家が近いものは家族に会いに行ってこい」と言い、父たち3人は部隊を離れました。線路伝いに歩きましたが線路を見失い、地元の人に教えられた道を迷って湿地帯に入ってしまいました。父は足を痛めた仲間を背負っていたそうですが、その人が振り返った時には二人の姿はなかったそうです。「そいつを置いてこい」と言うと「家族が待っているだろう。連れて行く」と答えたのが、その人が聞いた父の最期の言葉です。
 その話を聞いて私は、父の墓石の下には紙切れしか入っていないことを知ったのです。
小さかった時の私はハルピンの街を憧れをもって想像していました。東洋のパリと言われ、街並みの美しいところだったと聞いていました。同時に、満州は日本が中国を侵略して作った国だとも教えられ、侵略をするような日本に疑問を感じてもいました。
 小学校に入ると学校でも戦争のことを学ぶようになりハルピンを懐かしく語る母親たち大人を、次第におぞましく思うようになりました。
 父の最期を知るまでの私は、働きながら私を育ててくれる母を誇らしく思い、尊敬していました。祖母に「あんたのお父ちゃんじゃないんだよ」と抱きとめられた時からずっと、父を恋しく思っていました。
 父の最期を知った日から、私は母に心を閉ざしました。父を恋しく思いながらも父を恨めしく思うようになりました。帝国主義に反対だった父、軍国主義に反対だった母は、なぜ自ら侵略地に行ったのか?なぜ私はハルピンで生まれたのか?生後6ヶ月の赤ん坊を残して、父はなぜ召集に応じたのか?「戦争はもうじき終わる」と言いながら出征した父を、母はなぜ止めなかったのか?止めれば良かったのにと、詮無いことと思いながらも、私は心の中で母を責めました。
 母が死んだ翌年、私はハルピンを訪ねました。父から聞けなかった言葉や母が語らなかった思いを、そこに立てば感じられるだろうかと思ったのです。初めてのハルピン行で出会ったおばあさんに、「私たちの国は中国の人たちに本当に済まないことをしました。お詫びします」と言うと、おばあさんは「それはあなたたちのせいではないですよ。日本の軍部がやったことです。あなたたちも犠牲者です。ここに住んでいたなら、懐かしくなったら何度でも訪ねていらっしゃい」と言ってくれたのです。
 その後も旧満州の各地を訪ね、残留邦人に会い、残留孤児を育てた養父母に会い、多くの人たちから話を聞いてきました。ある時は朝鮮人のおばあさんに「私2回の戦争あった。1つは日本、日本負けたね。それからアメリカと朝鮮ね。戦争2回ね」と言われ、朝鮮戦争では日本は米軍の前哨基地の役割を果たしていたことを思い、身がすくみました。「申しわけない思いでいっぱいです」と言うと、「終わったら、もういい。私かわいそうな人です。あんた、解ったらいい。私、あんたのこと解ります。あんた、私の娘よ」と、言葉をかけられました。
 異国で暮らす残留邦人や被害国中国の人たちが戦中・戦後どのように暮らし、何を望んできたかも知りました。
 人は自分の生を生きるだけではなく、自分が生きた時代をも生きるのではないでしょうか。それはまた、自分の生に責任を持つだけではなく、自分の生きた時代にも責任を持つことだと思います。
 私が出会ったどのお一人も、戦争に蹂躙されて人権を踏みにじられ、人生を弄ばれ傷つきながらも、立ち上がって生きてきた人たちでした。戦争のない平和な世界を願うのは、国家を超えて人としての願いなのだとはっきりと言えます。ですから私は、戦争への道を開く安保法制に反対します。
 

(弁護士・金原徹雄のブログから/安保法制違憲訴訟関連)
2016年9月3日
東京・安保法制違憲訴訟(国賠請求)が始まりました(2016年9月2日)
※過去の安保法制違憲訴訟関連のブログ記事にリンクしています。
2016年9月6日
司法に安保法制の違憲を訴える意義(1)~東京・国家賠償請求訴訟(第1回口頭弁論)における原告訴訟代理人による意見陳述
2016年9月10日
司法に安保法制の違憲を訴える意義(2)~東京・国家賠償請求訴訟(第1回口頭弁論)における原告による意見陳述
2016年10月4日
司法に安保法制の違憲を訴える意義(3)~東京・差止請求訴訟(第1回口頭弁論)における原告訴訟代理人による意見陳述
2016年10月5日
司法に安保法制の違憲を訴える意義(4)~東京・差止請求訴訟(第1回口頭弁論)における原告による意見陳述
2016年12月9日
司法に安保法制の違憲を訴える意義(5)~東京・国家賠償請求訴訟(第2回口頭弁論)における原告代理人による意見陳述

2016年12月10日
司法に安保法制の違憲を訴える意義(6)~東京・国家賠償請求訴訟(第2回口頭弁論)における原告による意見陳述
2017年1月5日
司法に安保法制の違憲を訴える意義(7)~寺井一弘弁護士(長崎国賠訴訟)と吉岡康祐弁護士(岡山国賠訴訟)の第1回口頭弁論における意見陳述
2017年1月7日
司法に安保法制の違憲を訴える意義(8)~東京・差止請求訴訟(第2回口頭弁論)における原告訴訟代理人による陳述
2017年1月8日
司法に安保法制の違憲を訴える意義(9)~東京・差止請求訴訟(第2回口頭弁論)における原告(田中煕巳さんと小倉志郎さん)による意見陳述

2017年2月14日
司法に安保法制の違憲を訴える意義(10)~東京「女の会」訴訟(第1回口頭弁論)における原告・原告代理人による意見陳述

2017年3月15日
司法に安保法制の違憲を訴える意義(11)~東京・国家賠償請求訴訟(第3回口頭弁論)における原告代理人による陳述 
2017年3月16日
司法に安保法制の違憲を訴える意義(12)~東京・国家賠償請求訴訟(第3回口頭弁論)における原告(田島諦氏ほか)による意見陳述
2017年4月21日
司法に安保法制の違憲を訴える意義(13)~東京・差止請求訴訟(第3回口頭弁論)における原告代理人による陳述

2017年4月22日
司法に安保法制の違憲を訴える意義(14)~東京・差止請求訴訟(第3回口頭弁論)における原告による意見陳述(様々な立場から)

2017年6月23日
司法に安保法制の違憲を訴える意義(15)~東京・国家賠償請求訴訟(第4回口頭弁論)における原告訴訟代理人による陳述

翁長雄志沖縄県知事「平和宣言」を読む~2017年・沖縄全戦没者追悼式(6/23)

 今晩(2017年6月24日)配信した「メルマガ金原No.2853」を転載します。

翁長雄志沖縄県知事「平和宣言」を読む~2017年・沖縄全戦没者追悼式(6/23)

 「慰霊の日」の昨日(6月23日)、沖縄県糸満市摩文仁の平和祈念公園で、「沖縄全戦没者追悼式」(主催・沖縄県、沖縄県議会)が開かれました。
 私の事務所で購読している朝日新聞(大阪本社13版)の今日の朝刊(4面)にも、「翁長知事の平和宣言(要旨)」と「安倍首相のあいさつ(要旨)」が掲載されており、いずれも「要旨」とは言いながら、ほぼ全文に近いものですが、あらためて、動画とともに翁長知事の「平和宣言(全文)」を読んでおこうと思います(読売オンラインに全文が掲載されていました)。
 なお、安倍首相挨拶については、首相官邸ホームページにリンクだけはっておきます。読みたい人はそちらでどうぞ。
 
琉球新報YouTubeチャンネル
沖縄全戦没者追悼式 Published on Jun 23, 2017(1時間05分)

冒頭~ 開式の辞 沖縄県副知事 浦崎唯昭氏
2分~ 式辞 沖縄県議会議長 新里米吉氏
10分~ 黙とう
11分~ 追悼のことば 沖縄県遺族連合会会長 宮城篤正氏
18分~ 献花(対馬丸児童合唱団、那覇少年少女合唱団による演奏)
35分~ 平和宣言 沖縄県知事 翁長雄志氏
(引用開始)
 72年前、ここ沖縄では、住民を巻き込んだ激しい地上戦が繰り広げられました。昼夜を問わない凄(すさ)まじい空襲や艦砲射撃により、自然豊かな島の風景、貴重な文化遺産、そして何より尊い20数万人余りの命が失われました。
 戦争の不条理と残酷さを体験した沖縄県民は、何をおいても命こそが大切であるという「命(ぬち)どぅ宝」の思いを胸に、戦争のない、平和な世の中を希求する「沖縄のこころ」を強く持ち続けています。
 戦後、沖縄は27年に及ぶ米軍統治を経て、念願の本土復帰を果たしました。沖縄県民、そして多くの関係者の尽力により、現在、沖縄は国内外からの多くの観光客でにぎわうなど、大きな発展を遂げつつあります。
 その一方で、戦後72年を経た今日においても、この沖縄には依然として広大な米軍基地が存在し、国土面積の約0・6%にすぎない島に、米軍専用施設面積の約70・4%が集中しています。
 復帰すれば基地負担も本土並みになるという45年前の期待とは裏腹に、いまだに私たちは、米軍基地から派生する事件・事故、騒音・環境問題などに苦しみ、悩まされ続けています。
 沖縄県は、日米安全保障体制の必要性、重要性については理解をする立場であります。その上で、「日本の安全保障の問題は日本国民全体で負担をしてもらいたい」と訴え、日米地位協定の抜本的な見直しや米軍基地の整理縮小などによる、沖縄の過重な基地負担の軽減を強く求め続けています。
 しかし、昨年起こった痛ましい事件の発生、オスプレイの墜落をはじめとする航空機関連事故の度重なる発生、嘉手納飛行場における米軍のパラシュート降下訓練や相次ぐ外来機の飛来、移転合意されたはずの旧海軍駐機場の継続使用の問題などを目の当たりにすると、基地負担の軽減とは逆行していると言わざるをえません。
 特に、普天間飛行場の辺野古移設について、沖縄の民意を顧みず工事を強行している現状は容認できるものではありません。
 私は辺野古に新たな基地を造らせないため、今後も県民と一体となって不退転の決意で取り組むとともに、引き続き、海兵隊の削減を含む米軍基地の整理縮小など、沖縄の過重な基地負担の軽減を求めてまいります。
 国民の皆様には、沖縄の基地の現状、そして日米安全保障体制の在り方について一人一人が自ら当事者であるとの認識を深め、議論し、真摯(しんし)に考えて頂きたいと切に願っています。
 一方、世界では、依然として地域紛争や、人権侵害、難民、飢餓、貧困、テロなどが人々の生活を脅かしており、また、国際情勢はめまぐるしく変化し、予断を許さない状況にあります。
 今こそ世界中の人々が民族や宗教の違いを乗り越え、協力して取り組んでいくことが求められています。
 今年は、日本国憲法が施行されて70周年、沖縄県に憲法が適用されて45周年になりますが、この節目に、憲法の平和主義の理念を再確認し、私たち一人一人が世界の恒久平和を強く願い求め、その実現に向け努力を続けなければなりません。
 先日お亡くなりになった大田昌秀元沖縄県知事は、沖縄が平和の創造と共生の「いしずえ」となり、再び戦争の惨禍を繰り返さないことの誓いとして、敵味方の区別なく沖縄戦で命を落とされたすべての方々を追悼する「平和の礎(いしじ)」を建立されました。
 私たちは、沖縄に暮らす者として、この「平和の礎」に込められた平和の尊さを大切にする想(おも)いを次世代へ継承するとともに、未来を担う子や孫のため、安全・安心に暮らせるやさしい社会、いつまでも子ども達(たち)の笑顔が絶えない豊かな沖縄の実現に向けて、絶え間ない努力を続けてまいります。
 慰霊の日に当たり、戦争の犠牲になった多くの御霊(みたま)に心から哀悼の誠を捧(ささ)げるとともに、平和を希求する沖縄のこころを世界へ発信し、恒久平和の実現に向け取り組んでいくことをここに宣言します。
 平成29年6月23日 沖縄県知事 翁長雄志
(引用終わり)
42分~ 「平和の詩」朗読
「誓い~私達のおばぁに寄せて~」 宮古高校3年 上原愛音さん
※第27回「児童・生徒の平和メッセージ」入賞作品。沖縄タイムス・プラスに全文掲載されています(「平和の詩」に上原愛音さん(宮古高校3年)全戦没者追悼式で朗読【詩の全文掲載】)。
49分~ 来賓あいさつ1 内閣総理大臣 安倍晋三氏
※首相官邸ホームページ「平成29年沖縄全戦没者追悼式における内閣総理大臣挨拶」
55分~ 来賓あいさつ2 衆議院議長 大島理森氏
1時間00分~ 来賓あいさつ3 参議院議長 伊達忠一氏
1時間03分~ 閉式の辞 沖縄県副知事 富川盛武氏

 今年の翁長知事による「平和宣言」の中から、最も心に残ったフレーズを一文だけ抜き出すとすれば、皆さんはどの部分を選ばれるでしょうか?
 ちなみに、私は「これ」です。
 
「国民の皆様には、沖縄の基地の現状、そして日米安全保障体制の在り方について一人一人が自ら当事者であるとの認識を深め、議論し、真摯(しんし)に考えて頂きたいと切に願っています。」

司法に安保法制の違憲を訴える意義(15)~東京・国家賠償請求訴訟(第4回口頭弁論)における原告訴訟代理人による陳述

 今晩(2017年6月23日)配信した「メルマガ金原No.2852」を転載します。

司法に安保法制の違憲を訴える意義(15)~東京・国家賠償請求訴訟(第4回口頭弁論)における原告訴訟代理人による陳述

 昨年(2016年)4月26日に東京地方裁判所に提訴され、同年9月2日に第1回口頭弁論が開かれた安保法制違憲・国家賠償請求訴訟も、期日を重ね、今年の6月2日に第4回口頭弁論が行われました。
 「安保法制違憲訴訟の会」では、裁判終了後の報告集会で配布するための報告会資料に、当日の裁判で行われた原告訴訟代理人(弁護士)や原告本人による陳述の原稿を掲載し、これを同会ホームページの中の「裁判資料」コーナーに掲載する例となっており、そこに掲載された代理人や原告本人の「陳述」については、同会のご了解を得て、私のメルマガ(ブログ)に、「司法に安保法制の違憲を訴える意義」と題して転載させていただいています。
 このうち、原告訴訟代理人による陳述は、おおむね、原告側の主張を詳細に展開した「準備書面」の内容のエッセンスを述べたものであり、その時点における弁護団の法的主張を凝縮したものとして、参考になります。
 法的な概念をめぐって、学説や判例に言及した主張を繰り広げる「陳述」を読んでも、「難しい」と感じる方が多いとは思いますが、ここをクリアしなければ勝利にたどりつくことができないのですから、是非頑張って読んでいただければと思います。
 今回の弁論では、角田由紀子弁護士による「人格権」についての判例の整理は勉強になりましたし、福田護弁護士の陳述を読んで、「PKOにおける駆け付け警護の新任務の付与」と「自衛隊の護衛艦による米軍艦船の武器等防護」を、「本件(国賠請求)における損害発生の請求原因として、これらの規定を追加して主張する」ことになったことを知りました。提訴時は、存立危機事態における防衛出動(集団的自衛権の行使)、後方支援、協力支援の3点を違憲の根拠としていたのを拡大したということになります。

 なお、6月2日の裁判当日の午後、参議院議員会館講堂で行われた報告集会の動画をご紹介しておきます。

2017年6月2日 安保法制違憲訴訟国倍第4回期日 報告集会(1時間36分)

冒頭~ 司会 杉浦ひとみ弁護士
1分~ 挨拶 寺井一弘 弁護士(全国における訴訟の状況について)
(陳述した原告から)
16分~ 原告 野木裕子(のぎゆうこ)さん
25分~ 原告 渡辺一枝(わたなべいちえ)さん
(代理人から)
32分~ 伊藤 真 弁護士
52分~ 角田由紀子 弁護士(人格権について) 
1時間12分~ 古川(こがわ)健三 弁護士(若手弁護士の活動について)
1時間18分~ 内田雅敏 弁護士
1時間24分~ 福田 護 弁護士

 ところで、寺井一弘弁護士からの挨拶の冒頭でも熱く語られていたとおり、沖縄における安保法制違憲訴訟が、慰霊の日の今日(6月23日)、那覇地方裁判所に提訴されました。

沖縄タイムス プラス 2017年6月23日 12:38
「安保関連法は違憲 何としても止めたい」 沖縄戦体験者ら67人、那覇地裁に提訴

(引用開始)
 沖縄戦の体験者や宮古島の自衛隊配備に反対する県民ら67人が23日午前、集団的自衛権の行使を認めた安全保障関連法は憲法違反で、平和的生存権を侵害しているなどとして、国に1人当たり1万円の損害賠償を求める訴訟を那覇地裁に起こした。全国の弁護士や元裁判官らでつくる「安保法制違憲訴訟の会」が呼び掛けている訴訟で、沖縄の提訴は24番目。
 原告側は訴状で「集団的自衛権の行使は憲法9条に違反し、実際に行使された場合は相手国から敵対国とみなされ、日本が攻撃される」と指摘。「原告はこれから起こりうる事態を危惧し、言葉に表せないほどの精神的苦痛を受けている」と訴えている。
 サイパンで戦争に巻き込まれた原告の横田チヨ子さん(88)=宜野湾市=は「政府が今やっていることは戦前と同じ。何としても止めないといけない」と訴えた。
(引用終わり)

琉球朝日放送 報道制作部 2017年6月23日 18時25分
安保法制の違憲訴訟を提訴(動画あり)

(引用開始)
 2015年成立した集団的自衛権行使の容認などを柱とした安保法制は憲法違反だとして、戦争体験者たちが那覇地方裁判所に提訴しました。
 6月23日、裁判を起こしたのは沖縄戦や南洋群島での戦争を体験した人たちなどで、67人が原告となっています。
 原告らは、安保法制は戦争放棄などを定めた憲法9条に違反していると訴えました。同様の裁判は東京や福岡など全国20ヵ所でも起こされています。
(引用終わり)

 今日の沖縄での提訴により、「安保法制違憲訴訟の会」の呼びかけに応えて全国の裁判所に提起された安保法制違憲訴訟は、20地裁、全24件となりました。

 それでは、以下、東京・国家賠償請求訴訟(第4回口頭弁論)における原告訴訟代理人3名による陳述の内容をご紹介します。


原告ら訴訟代理人 弁護士  伊  藤   真 
準備書面(7)について(被告準備書面(1)への反論)

第1 国賠法上の違法性の判断基準について

 被告は、「職務行為基準説」を採用することにより、いわゆる「相関関係論」すなわち、侵害行為の態様・程度と被侵害利益の種類・内容との相関関係において違法性が判断されるとする立場は取り得なくなるかの主張をしているので、この点について反論する。
 まず、国賠法上の違法性は、厳密な行政法規違反に限定されるものではないことは、田中二郎博士など行政法の研究者や、平成25年3月26日最高裁第三小法廷判決に付された寺田逸郎裁判官及び大橋正春裁判官の補足意見などでも言及されているところである。
 被告主張のように、侵害行為の態様や被侵害利益の内容を考慮すべきでないと言えるのは、刑事手続上の検察官や裁判官の職務行為の違法性が問題となった事案における「職務行為基準説」(「公権力発動要件欠如説」とも称されるもの)についてであり、これと、一般の行政処分についての「職務行為基準説」を混同してはならない。
 行政処分に関するいくつかの裁判例においても、国賠法上の違法性を、侵害行為の態様・程度と被侵害利益の種類・内容との相関関係において判断している。
 よって、一般に「職務行為基準説」を採用することが、「相関関係論」を否定する理由にはならない。
 では、立法不法行為の場合はどうであろうか。立法不法行為の場合には、職務行為基準説を採用しつつも、より一層、侵害行為の態様と被侵害利益の種類・性質との相関関係を考慮するべきと考える。国会議員の職務義務違反という行為態様の違法性の質と量は、侵害行為の態様と被侵害利益の種類・性質等を考慮しなければ、判断できないものといえるからである。特に、憲法の基本原理に牴触したり、国民各人の権利や法的利益を侵害したりする可能性のある法律を制定する場合には、相当慎重に立法内容を検討する注意義務があるといえ、さらに、有識者から違憲と指摘されるような法律を制定する際には、当該立法が憲法違反とはならないことを国民に説得的に説明する法的義務が生じているといえる。このように、国会議員の職務義務の内容・レベルは、侵害行為の態様、当該立法行為によって生じる被侵害利益の種類・性質などを考慮しなければ判断できない。検察官の公訴提起・追行などの公権力発動要件のように明確な要件が予め法定されている訳ではないからである。

第2 「『平和的生存権』は、国賠法上保護される具体的権利ないし法的利益とはいえない」という被告の主張は正当でないこと
 被告の立場は「平和的生存権は抽象的かつ不明確」であり、裁判上の救済の対象となる「具体的権利ないし法的利益と認められない」という論旨で一貫している。被告のこうした主張は、戦争や武力行使の現実を直視しないことから生じるものである。「平和的生存権」の権利性を正確に認識するためには、まずは具体的事実例に真摯に向き合うことが必要となる。
 原告らが、陳述書で述べ、法廷で主張している声は、あくまでも、原告らの現実である。こうした現実に目を向けず、「抽象的かつ不明確」という主張を繰り返す被告の対応は、多くの国民・市民の苦しみに目を閉ざすものと言わざるを得ない。
 平和的生存権については、歴代政府が自衛隊の海外派兵を加速させることに対応して、憲法学会では、その内容も精緻化されてきたし、裁判所でも「平和的生存権」の具体的権利性を認める判決が生まれている。このように「平和的生存権」の内実も確実に進化しているのである。
 こうした時代の変化や学説・判例の進歩を考慮せず、従来どおりの旧態依然の主張を繰り返すことは許されない。被告は、自ら「我が国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増している」と認めている。そのような今日においても、平和的生存権という人権の進化を認める必要など全くないというのであろうか。権利ないし法的保護利益は、侵害の具体的な危険性が増加すれば、それに伴って要保護性も増していくものである。
 プライバシー権などの人格権がその最たるものであろう。個人情報が本人の意に反して拡散してしまう危険性が増している現代だからこそ、これを法的に保護する必要性が増しているのである。平和的生存権も同様である。
 付言するが、2016年12月19日、「平和的生存権」と同じような内容を有する「平和への権利宣言」が国連総会で採択された。「平和概念が曖昧」であるとか「司法上の権利となり得ない」という主張をする国も存在したが、そうした見解は国連総会で支持されなかった。平和を権利として認識することは、もはや国際標準なのである。
 なお、違憲訴訟のあり方に関する被告の主張に対しては、さらに別途準備書面にて反論する。

第3 「人格権は国賠法上保護される権利ないし法的利益とは言えない」という被告の主張は、「人格権」に関する不当な理解に基づくこと
 原告らの主張する人格権について、被告は、「漠然とした不安感を抱いたという域を出るものではなく、かかる内容をもって具体的権利性が認められると解する余地はない」(被告準備書面(1)38頁)などと繰り返し述べている。これが誤りであることは、準備書面(8)において詳細に主張する。
 新安保法制法の成立により、基地周辺や大都市、原発周辺の住民、自衛官、海外にいる日本人、NGO関係者などの生命や安全が危険にさらされる。こうした状況はまさに「人格権」の侵害と言わざるを得ない。

第4 憲法改正 ・ 決定権は「『国家の主権者としての国民』という抽象的な位置づけ」にとどまるものではなく、具体的な権利であること
 被告は、国政選挙における選挙権に関して「国家賠償法上保護された権利」と認めている。そうあれば、憲法改正・決定権が問題となる投票の場合には、国政選挙以上に「国家賠償法上保護された権利が存在」すると考えざるを得ない。
 憲法学説でも、憲法改正・決定権こそが主権者の意見表明であると考えているし、選挙という主権者の間接的な意見表明よりも、国民投票という直接的な意見表明の方が、より強固で明確な意思表示といえるからである。
 また、被告は、「そもそも、平和安全法制関連2法は、憲法の条文自体を改正するもの」ではないことを根拠に、「憲法改正・決定権」が侵害されたわけではない旨を主張する(被告準備書面(1)40頁)。
 しかし、この主張は、ヒトラー・ナチスによる「授権法」成立(1933年3月23日)により、ワイマール憲法が実質的に廃止されたように、法律の制定によっても憲法の意義が空洞化される事例が存在する歴史を忘れた危険な主張であり、「法の支配」や「立憲主義」の理念を体現する、日本国憲法の基本理念の空洞化を正当化するものであり決して許されるものではない。
 

原告ら訴訟代理人 弁護士 角田由紀子
~人格権の被侵害利益性と具体的被害について~

1 被告国は原告らの人格権に関する主張を、答弁書において真っ向から否定し、原告らのいう「人格権」侵害なるものは、結局のところ、「漠然とした不安感を抱いたという域を超えるものではないのであって、かかる程度の内容を持って具体的権利性が認められると解する余地などない。」とまで述べております。原告らは、先に提出した準備書面(8)において、原告らの主張する人格権が国賠法の保護を受ける権利ないしは法的利益であることを詳しく論じ、国の主張が間違っていることを論証しております。

2 今日においては、「人格権」と呼ばれる権利が存在し、これが何らかの意味で法的に保護されることは、わが国の判例・学説で疑問の余地なく認められております。
(1) 学説について
 人格権が、権利として認められるには、戦前からの議論に始まり、今日まで多くの議論が積み重ねられてきており、今日では見るべき段階に達しております。
 ある学者は、近年は、環境に関する権利・利益や情報・プライバシーに関する権利・利益などに関連して人格権に含まれる権利が新たに提唱されるなど、権利内容が多様化しており、その現代社会における重要性はさらに高まりつつあるとも述べております。また別の学者は、人類は、これからも、人格的価値を侵す思わぬ事態に遭遇することであろう。そして、その過程で人格価値の新しい側面も見出されてくることになろうと述べております。
 多くの権利がそうであるように、人格権も未だ完成されたものではなく、社会の進展・変化に対応して新しい認識を重ねてその権利に含まれるものを広げていくものです。新安保法制法のもとでの新しい人権侵害状況は、今までの学説及び判例によって築きあげられてきた人格権の蓄積の上に立って、考えられるべきものです。
(2) 判例について
 判例も、非常に重要な権利として人格権を認めております。以下にその一部を紹介しますように、人格権の権利性を認めた最高裁判例が複数ありますが、そのいくつかを紹介します。
①最高裁大法廷判決 昭和 61(1986)年6月11日付判決(北方ジャーナル事件)は、最高裁判決が初めて、名誉権を人格権として認めたものであります。この事件で最高裁は、人格権を極めて重大な保護法益であって、排他性を有するとして、絶対権としての人格権を明確に位置付けました。
②最高裁大法廷判決 昭和63(1988)年6月1日付判決(自衛官合祀手続き事件)は、結論としては、キリスト教徒である原告の夫を神社に合祀しないでほしいという訴えを認めなかったものですが、プライバシー法の専門家であった伊藤正己裁判官の反対意見があります。伊藤裁判官は、「現代社会において、他者から自己の欲しない刺激によって心を乱されない利益、いわば心の静謐の利益もまた、不法行為法上、被侵害利益となりうるものと認めてよい。」と述べております。伊藤裁判官は、原告の受けた侵害は、「単に不快であること」を超えるものと論じております。この見解は、被告の反論を検討するにあたり、重要な手がかりを与えてくれます。
③最高裁第二小法廷平成元(1989)年12月21日判決は、ビラ配布行為に起因する人格的利益の侵害について不法行為責任を認め、原判決を変更して慰謝料の支払いを命じたものです。この判決は「私生活の平穏などの人格的利益」が侵害されたことを明確に認めたのです。
④最高裁第二小法廷平成3(1991)年12月21日判決(水俣病認定業務に関する熊本県知事の不作為違法に対する損害賠償請求事件上告審判決)は、県知事による水俣病認定が遅れており、認定を待つ患者の不安や焦りの気持ちは、「いわば内心の静謐な感情を害するものであって、その程度は決して小さいわけではない」としてその気持ちは、不法行為上の損害賠償の対象となることを認めたのです。この判決は、自衛官合祀手続き事件では否定された「内心の静謐」の利益の侵害が不法行為になりうるとしたもので、最高裁としては、内心の静謐の利益を不法行為法上の保護法益として明確に認めた最初の判決です。本件原告らの主張の理解に大いに参考になるものです。
 下級審でも重大な判決がいくつも出されております。
①大阪高裁 昭和50(1975)年11月27日判決は、大阪国際空港の夜間飛行禁止等請求事件のものです。「個人の生命、身体、精神及び生活に関する利益は、各人の人格に本質的なものであって、その総体を人格権ということができる。」「人格権の内容をなす利益は人間として生存する以上当然に認められるべき本質的なものであって、これを権利として構成するのに何らの妨げはなく、実定法の規定をまたなくとも当然に承認されるべき基本的権利である」。この事件では、被告国は、学説による体系化、類型化をまたなくては人格権として裁判上採用できないと主張したのですが、大阪高裁は、その主張をはっきりと否定しました。
②福井地裁平成26(2014)年5月21日判決は、大飯原発3,4号機の運転差止を認めたものです。この判決は、人格権は憲法上(13 条、25 条)の権利であり、人の生命を基礎とするものなので、わが国の法制下では、これを超える価値を見出すことができないとして、その重要性が強調されています。これは、本件で原告たちが訴えている、戦争による生命侵害への不安、恐れの重要性に通じるものとして示唆的です。
③最近のものとして記憶に新しいのは、2017 年3月17日、前橋地裁の判決です。福島・原発被害避難者による損害賠償請求事件です。判決は、平穏生活権が自己決定権を中核とした人格権であって、放射線被ばくへの恐怖不安にさらされない利益や内心の静謐な感情を害されない利益を包摂する権利など、多くの権利を包摂するものであると述べています。
 これらの指摘は、本件原告らの多くが、憲法のもとで築いてきた今までの人生を否定されたと感じ、戦争になるのではないかとの恐怖不安にさらされるなどしていることが、人格権の深刻な侵害であると訴えていることが、人格権侵害であるとする論拠となるものです。

3 原告らの主張する人格権の内容被告は「曖昧な不安にすぎない」主張していますが、以上のように今日までの学説・判例によれば、少なくとも人間の尊厳に伴う基本的な法益をその内容とするものであれば、人格権・人格的利益として法的保護の対象になることが
明らかにされています。
 原告らは、内閣及び国会の行為によって、その生命・身体及び精神に関する侵害の危険にさらされ、また、平和に生活してきた平穏を壊されたことにより、さらに、憲法改正について主権者としての意思決定をする場を奪われたことにより、著しい精神的苦痛を受けているのです。
 原告らが、侵害された人格権は、具体的には、①生命権・身体権及び精神に関する利益としての人格権、②平穏生活権、③主権者として蔑ろにされない権利です。
 原告らを類型化すれば、次のようにいうことができます。①戦争体験者②基地周辺住民③公共機関の労働者④学者・教育者、宗教家、ジャーナリスト、子を持つ親や孫を持つ祖父母、障がい者、若者、原発関係者、平和を望む国民・市民などのその他の特徴的な被害者です。これらの原告たちは、それぞれが生きてきた歴史を背景として今日まで憲法の下で懸命に生きてきたのですが、被告により様々に人格権を侵害されて、現実に苦しんでいます。

4 終わりに
 今、原告たちに残された救済の手段は司法しかありません。多くの人々の期待が今ほど司法に寄せられたことはなかったのではないでしょうか。ぜひ、憲法が司法に託した責務を果たして下さるよう、改めて裁判所にお願いをする次第です。
 

原告ら訴訟代理人 弁護士 福 田   護
~駆け付け警護及び武器等防護について~

1 新安保法制法の適用と原告らの権利侵害
 新安保法制法が施行されて1年余が経過し、この間、私たちはその適用された2つのケースを目の当たりにしました。一つは南スーダンPKOにおける駆け付け警護の新任務の付与であり、もう一つは自衛隊の護衛艦による米軍艦船の武器等防護です。どちらも、案に違わず、憲法9条に違反して自衛隊が武力の行使に至る危険を実感させるものであり、原告らの平和的生存権、人格権、そして憲法改正決定権を深く侵害するものでした。
 これらは、新安保法制法の立案・制定過程において夙にその違憲性が指摘されていたものであり、今回の適用はその具体化、現実化にほかなりません。そこで原告らは、本件における損害発生の請求原因として、これらの規定を追加して主張することとします。

2 駆け付け警護の違憲性とその危険の現実化
 被告国は、昨年11月15日、改正PKO協力法で新たに規定されたいわゆる「駆け付け警護」の任務を、自衛隊の派遣部隊に付与することを閣議決定しました。駆け付け警護は、PKO活動関係者に不測の危難等が生じた場合に、自衛隊の部隊が現場に駆け付けてその生命・身体の保護を行うというもので、活動関係者を襲った武装勢力から救出等するために、その妨害を排除するのに必要な強力な武器の使用までも認められたものです。これは、容易に武装勢力との間の戦闘行為、すなわち武力の行使に発展しかねず、また、自衛隊員が相手を殺傷し、又は殺傷されることになりかねない、極めて危険な任務です。
 しかも、南スーダンにおいては、すでに停戦合意は崩壊し、大統領派と反大統領派との間の激しい戦闘が繰り返される内戦状態にあり、PKO参加5原則の前提が失われた状況にあることは、国連その他の関係機関の度重なる報告等で明らかなことでした。しかも、昨年7月8日から始まった首都ジュバにおける激しい戦闘の状況は、現地の自衛隊の「日々報告」等の文書にも、明瞭に記載されていたのです。
 そんな戦地に、政府は、駆け付け警護という危険な任務を与えて、自衛隊の部隊を送り込んだのです。自衛隊の宿舎のすぐそばでも、激しい銃撃戦がありました。国連PKO司令部近くのテラインホテルでは、援助関係者に対して政府軍兵士たちによる殺人、レイプなどの暴虐行為が繰り広げられているのに、その救助要請に国連の他国部隊は動きませんでした。それほど危険な状態なのです。
 その上、政府ないし自衛隊は、あろうことか、激しい戦闘の実情を報告したこれらの自衛隊の文書を国民・市民に開示せず、秘匿しようとしていた事実が明らかにされつつあります。戦争ないし武力紛争に関する情報が、正確に国民・市民に伝えられず、情報操作がなされるほど危険なことはありません。

3 武器等防護の違憲性と日本の軍事的対立の当事者化
 被告国は、昨年12月22日、自衛隊法95条の2に新設された他国軍隊の武器等防護の規定の運用指針を策定し、本年5月1日から3日間、自衛隊の最大級護衛艦「いずも」等に対し、米軍の補給艦の武器等を防護するための警護を命じました。これによって日本は、ミサイル発射等を繰り返す北朝鮮に対し、力による外交を推進するトランプ政権のアメリカが日本海にカールビンソン空母打撃群を展開するという、緊迫した軍事的対立の下で、明確に、米軍と一体化して軍事的対立当事者となることを示したのです。
 この米軍等の武器等防護の規定は、武力攻撃に至らないいわゆるグレーゾーンの状況下で、米軍等の艦船や航空機まで含めて、その「武器等」を自衛隊が防護するというもので、たとえば、公海上で米艦と自衛艦が警戒監視活動を行っている場合に、米艦に向かっているミサイルを自衛隊のイージス艦が迎撃することまで想定されているものです。この迎撃のために、現場の自衛官の判断で、自衛隊の武器を使用することができるというのです。
これが、自己保存のための武器使用をはるかに超え、戦争の口火を切り、実質的な集団的自衛権の行使になりかねない、極めて危険な規定であることは明らかです。この場合日本は、閣議決定も総理大臣の防衛出動命令もなく、ましてや国会の承認などもないまま、ある日突然、アメリカのための戦争に突入してしまうという危険を否定できないのです。
 しかも、その運用指針によれば、政府は、この米艦の警護等の実施中に特異な事象が発生した場合にのみ公表義務があるだけで、その他の情報の開示は政府の裁量に委ねられています。
 ここでも、情報操作の危険性を指摘しなければなりません。

4 危険にさらされる原告らの権利

 いま私たちは、新安保法制法の実施により、この国が実際に武力の行使に踏み込みかねない、現実の危険に直面しています。南スーダンPKOの施設部隊はともかくも撤収しましたが、自衛隊の部隊が戦闘に巻き込まれなかったのは偶然にすぎません。その危険な戦場に危険な任務を背負って臨場したという事実は厳然と存在し、今後も繰り返されることが危惧されます。米軍等の武器等防護も、いつ暴発するかわかりません。
 戦争とその被害、加害への恐怖は、いま現実のものとなりつつあるのです。
 

(弁護士・金原徹雄のブログから/安保法制違憲訴訟関連)
2016年9月3日
東京・安保法制違憲訴訟(国賠請求)が始まりました(2016年9月2日)
※過去の安保法制違憲訴訟関連のブログ記事にリンクしています。
2016年9月6日
司法に安保法制の違憲を訴える意義(1)~東京・国家賠償請求訴訟(第1回口頭弁論)における原告訴訟代理人による意見陳述
2016年9月10日
司法に安保法制の違憲を訴える意義(2)~東京・国家賠償請求訴訟(第1回口頭弁論)における原告による意見陳述
2016年10月4日
司法に安保法制の違憲を訴える意義(3)~東京・差止請求訴訟(第1回口頭弁論)における原告訴訟代理人による意見陳述
2016年10月5日
司法に安保法制の違憲を訴える意義(4)~東京・差止請求訴訟(第1回口頭弁論)における原告による意見陳述
2016年12月9日
司法に安保法制の違憲を訴える意義(5)~東京・国家賠償請求訴訟(第2回口頭弁論)における原告代理人による意見陳述

2016年12月10日
司法に安保法制の違憲を訴える意義(6)~東京・国家賠償請求訴訟(第2回口頭弁論)における原告による意見陳述
2017年1月5日
司法に安保法制の違憲を訴える意義(7)~寺井一弘弁護士(長崎国賠訴訟)と吉岡康祐弁護士(岡山国賠訴訟)の第1回口頭弁論における意見陳述
2017年1月7日
司法に安保法制の違憲を訴える意義(8)~東京・差止請求訴訟(第2回口頭弁論)における原告訴訟代理人による陳述
2017年1月8日
司法に安保法制の違憲を訴える意義(9)~東京・差止請求訴訟(第2回口頭弁論)における原告(田中煕巳さんと小倉志郎さん)による意見陳述

2017年2月14日
司法に安保法制の違憲を訴える意義(10)~東京「女の会」訴訟(第1回口頭弁論)における原告・原告代理人による意見陳述

2017年3月15日
司法に安保法制の違憲を訴える意義(11)~東京・国家賠償請求訴訟(第3回口頭弁論)における原告代理人による陳述 
2017年3月16日
司法に安保法制の違憲を訴える意義(12)~東京・国家賠償請求訴訟(第3回口頭弁論)における原告(田島諦氏ほか)による意見陳述
2017年4月21日
司法に安保法制の違憲を訴える意義(13)~東京・差止請求訴訟(第3回口頭弁論)における原告代理人による陳述

2017年4月22日
司法に安保法制の違憲を訴える意義(14)~東京・差止請求訴訟(第3回口頭弁論)における原告による意見陳述(様々な立場から)

羽柴修弁護士講演会「憲法をめぐる情勢と国民投票を意識した取り組み」から学ぶ

 今晩(2017年6月22日)配信した「メルマガ金原No.2851」を転載します。

羽柴修弁護士講演会「憲法をめぐる情勢と国民投票を意識した取り組み」から学ぶ

 今日は、事務所での執務を終えた後、和歌山市外の警察署に弁護している被疑者との接見に赴く必要があり、帰宅してからあれこれメルマガ(ブログ)の素材を探している時間がありません(よくあることですけど)。
 ということで、昨日から目を付けていた(?)IWJの動画をご紹介したいと思います。厳密に言うと、IWJ兵庫が、この前の日曜日(6月18日)に神戸市中央区の神戸芸術センターで開催された集会(主催:壊すな憲法!いのちとくらし!市民デモHYOGO)を収録した約2時間の動画です。

これからの憲法運動交流会 ~羽柴修さん講演会「憲法をめぐる情勢と国民投票を意識した取り組み」ほか 2017.6.18
1分~ 主催者挨拶
12分~ 羽柴修弁護士 講演「憲法をめぐる情勢と国民投票を意識した取り組み」
1時間15分~ 各団体からの取組報告

 IWJ兵庫のアーカイブは、基本的には全編無償公開されているようで、上記動画も、どなたでも全編視聴できます(とはいえ、やはりIWJ会員登録をお勧めしたいですけど)。
 
 ところで、私がIWJ兵庫の上記動画に「目を付けた」のは、これからの私たちにとって緊急の課題になるはずのテーマが取り上げられていたから(憲法をめぐる情勢と国民投票を意識した取り組み)であると同時に、講師が弁護士の羽柴修先生だったからです。
 私が最後に羽柴先生にお目にかかったのは、多分、2013年11月3日、私も運営委員に名前を連ねる「守ろう9条 紀の川 市民の会」主催の「第10回 憲法フェスタ」で、「安倍政権は憲法をどう変えようとしているのか」と題した講演をしていただいた時だったはずです。
 その約半年前、やはり今回と同じIWJ兵庫によるユーストリーム中継をご紹介した私のメルマガ&ブログ(羽柴修弁護士講演「自民党改憲草案と秘密保全法」(憲法が危ない!3連続学習講座その2)/2013年5月12日)から一部抜粋して再掲します。

(抜粋引用開始)
 私が羽柴修先生に初めてお目にかかったのは、2005年5月13日、和歌山弁護士会館で憲法9条を守る和歌山弁護士の会が設立総会を開いた際、兵庫県弁護士9条の会・事務局長として羽柴先生が出席して来賓祝辞を述べられた時が最初で、その1年後、和歌山の2代目事務局長となった私が、「憲法9条を守る和歌山弁護士の会創立1周年記念誌『平和のうちに生きるために』」へのお祝いのメッセージの執筆を羽柴先生にお願いして以来、9条を守る運動の大先輩として、色々お世話になってきました。
 私自身は、既に憲法9条を守る和歌山弁護士の会の事務局長職を後進に譲りましたが、羽柴先生は、今も兵庫県弁護士9条の会と9条の心ネットワークの双方を切り盛りしておられるようです。
(引用終わり)

 それから4年、羽柴先生が今でも兵庫県弁護士9条の会と9条の心ネットワークの切り盛りをしておられるのか、それとも優秀な後進にバトンタッチを果たされたのかは未確認ですが、少なくとも、ご自身がなお第一線で活動されていることは確認できました。
 5月3日の安倍首相による「改憲メッセージ」以降、にわかに風雲急を告げてきた改憲問題。全国津々浦々で、早急に「臨戦態勢」を整える必要がある訳ですが、そのための参考となる点も多いと思い、ご紹介することにしました。
 

(付録)
『この島~憲法9条のうた~』 演奏:Crowfield
 

和歌山でのカジノ誘致に反対する動き~和歌山弁護士会「会長声明」(6/16)とカジノ問題を考える和歌山ネットワーク準備会「市民集会」(7/19)

 今晩(2017年6月21日)配信した「メルマガ金原No.2850」を転載します。

和歌山でのカジノ誘致に反対する動き~和歌山弁護士会「会長声明」(6/16)とカジノ問題を考える和歌山ネットワーク準備会「市民集会」(7/19)

2017年2月15日 
和歌山市 尾花正啓市長 臨時記者会見
(引用開始)
 皆さんこんにちは。明日定例会見の予定だったのですが、今日急きょ会見させていただきます。和歌山市では統合型リゾートについてこれまで検討してきました。いろんな観点から検討を進めてきましたが、カジノについては外国人専用とするハイクラスな和歌山型のIRというのをこれから誘致を目指して取り組んでいきたいというふうに思っています。資料にも書かせていただいていますが、和歌山市は非常にきれいな海岸線、また国立公園等もあります。そうした海岸線だとかマリンスポーツ、海洋レジャー、海洋型のリゾート地でもありますし、また和歌山城を始めとする歴史・文化にもあふれています。そうした和歌山ならではの個性を活かしたようなIR、和歌山型IRの誘致を進めていきたいと思っています。
 次のページ見ていただいたらと思います。和歌山市は、もちろんですけども関西国際空港に非常に近接しています。この関空に近接するという利点を活かして、紀伊半島にはいろんな観光資源があります。そこにも書いていますけど、パンダまた高野山、那智の滝また奈良。非常に紀伊半島には観光資源が豊かですので、そうした紀伊半島の観光資源を活かした国際競争力の高い拠点となるような和歌山型のIRを進めていきたいと思っています。
 それでそこに3点目ということで書いていますが、もちろんホテル、国際会議場、コンベンション、レジャー施設など、さまざまな施設を誘致していきたいと思っています。子どもから大人まで楽しめるような楽しいIR、統合型リゾートというのを進めます。ただし、カジノ施設については日本人の入場を制限して外国人専用とするような形で誘致を進めていきたいと思っています。今後については和歌山型のIRの実現を目指して、県とも連携協力してIRを活用したような全体の観光振興ビジョンというのを検討していって、誘致に向けた取り組みというのを進めていきたいというふうに考えています。発表は以上でございます。よろしくお願いします。
(引用終わり)
 
2017年5月9日
和歌山県 仁坂吉伸知事 定例記者会見

(抜粋引用開始)
 今日は発表項目が三つございます。一つ目は、明日から始まるのですが、(前回、2014年に開催された)「ジャパン・ゲーミング・コングレス」が今年もございまして、明日と明後日の2日間、東京であります。博報堂とクラリオンイベンツという英国企業が主催をするのですが、こういうゲーミングあるいはカジノということに実績や興味のある企業がたくさん出てきて、ゲーミング、カジノに関していろんな議論をするということであります。
 我々も、何かちょっとPRさせてあげると言われたので、「喜んで行きます」ということで、和歌山市長と一緒にPRをしていきたいと思いますし、そこへ行くといろんな企業がいっぱい来ているものですから、その企業の人たちと改めてまた話をしたいと思っています。
 それから、和歌山県についてですけれども、我々は和歌山県でIRの候補地を「ここだったらいいんじゃないですか。どうですか」と言ってPRをしていたところが3か所あるんですね。ずっと3か所をPRしてきたんですけど、最近いろんな企業の方に打診をしたところ、ほぼ100%マリーナシティに関心あるということなので、我々のPRもこの際、分散しているとややこしいのでマリーナシティに限ろうと思います。明後日プレゼンテーションをしますけれども、その時は「マリーナシティが我々としてお勧めですよ」という話をしていきたいと思っています。
(引用終わり)

 巻末のリンク集をご覧いただければ分かるとおり、昨年12月から今年の4月にかけて、カジノ関連の記事を5本書いてきましたが、2月の尾花正啓(おばな・まさひろ)和歌山市長、5月の仁坂吉伸和歌山県知事の記者会見での発言から明らかなとおり、県市がタッグを組んで、和歌山市の人口島(埋立地)である和歌山マリーナシティへの外国人専用カジノ誘致に邁進しています。
 そもそも、外国人専用ならなぜ良いのか?外国人専用でスタートしても、経済的に引き合わず、すぐに日本人利用可になるに決まっているではないかとか、誰もが気のつく疑問点だらけの方針が、「勝手に」決められて行政が暴走しているというのが和歌山の現状です。

 ところで、私は今年の早春、和歌山マリーナシティを訪れ、ポルトヨーロッパの中に入ってみました。今、ポルトヨーロッパ自体への入園は無料になっていたのですね(知らなかった)。もちろん、個々のアトラクションなどは有料ですけど。
 私が行った日は、子どもさん連れの家族がたくさん来場しており、駐車場に駐められた車のナンバーから、県外からの観光客の割合が多いことが見てとれました。
 ここに「カジノ」ですか。そんなに広大な土地が余っているようにも見えませんが、ポルトヨーロッパを取り壊して「カジノ」を作るのでしょうか?あるいは、ポルトヨーロッパの横に「カジノ」を作るのでしょうか?
 いずれにしても、「カジノ」が出来たら、私が和歌山マリーナシティに行く理由は全くなくなるでしょうけどね。

 さて、この行政主導の「カジノ誘致」にNO!を突き付ける和歌山の動きを2つご紹介します。
 1つは、和歌山弁護士会による「和歌山県及び和歌山市へのカジノの誘致に反対する会長声明」です。まだ、和歌山弁護士会のホームページには掲載されていませんが、既にマスコミ発表も行われていますので、このメルマガ(ブログ)でご紹介することにしました。和歌山弁護士会としては、2014年10月10日2017年2月27日に続く3回目のカジノ反対声明です。

(引用開始)
        和歌山県及び和歌山市へのカジノの誘致に反対する会長声明

 平成28年12月15日、一定の条件のもとでカジノを含む統合型リゾート(IR)を合法化する「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律」(いわゆる「カジノ解禁推進法」)が成立した。これを受け和歌山市長は、平成29年2月15日の会見で「IR施設誘致の実現に向けた取り組みを進める」と述べ、市内への誘致に乗り出しており、和歌山県知事も、同年5月9日の会見で、誘致の候補地を和歌山市南部の人工島「和歌山マリーナシティ」に一本化すると表明した。
 しかし、平成29年2月27日付「カジノ解禁推進法に反対する会長声明」でも指摘した通り、カジノ解禁推進法には、①ギャンブル依存症患者・多重債務者のさらなる拡大、②青少年への悪影響、③暴力団の関与及びマネー・ロンダリングの問題等、複数の問題点がある。和歌山市民に対し同市が平成29年1月に実施したアンケート調査でも、和歌山市へのIRの誘致について、反対意見が賛成意見を上回っている。
 和歌山県及び和歌山市が、「カジノ解禁推進法」における問題点・懸念を解消することなく、特に、ギャンブル依存症に対する具体的な対策を講じることのないままカジノ施設を誘致しようとする姿勢は、到底容認することができない。
 ここで、和歌山県知事及び和歌山市長は、ギャンブル依存症対策として、カジノ施設は外国人専用とし、日本国民のカジノ施設への立ち入りを制限すべきと発言している。しかし、この考えには、以下のとおり問題がある。
 平成26年10月7日、国際観光産業振興議員連盟(IR議連)においてカジノ解禁推進法の法案内容が議論された際、日本国民のギャンブル依存症対策として、カジノ施設の利用は外国人に限定するとの修文案が加えられた。ところが、同年10月10日、IR議連は、カジノ施設の利用客を外国人に限定すればカジノ施設の運営が成り立たないとの批判を受けて修文案を撤回し、日本人のカジノ施設利用について、入場制限や入場料徴収などの条件付きで認める方針とした。即ち、カジノ施設を外国人専用とすることは法案審議の段階において否定されているのであり、日本国民のカジノ施設への立ち入りを制限するという考えは、極めて非現実的なのである。
 また、仮にカジノ施設を外国人専用としても、先述①~③の問題点が払拭されるわけではない。ギャンブル依存症患者の拡大などカジノ施設のもたらす弊害は、利用者が外国人であっても同様である。そもそも、日本人の利用を制限すればよいという見解は、カジノが害悪であることを自認するものにほかならないといえよう。
 以上の次第であり、当会は、和歌山県及び和歌山市へのカジノの誘致に対して反対する。
    2017年(平成29年)6月16日
                        和歌山弁護士会         
                        会長 畑  純 一
(引用終わり)
 
 もう1つの動きは、「カジノ問題を考える和歌山ネットワーク準備会」が主催する「カジノ問題を考える市民集会」(7月19日・プラザホープ2F多目的室)です。
 県知事や和歌山市長が先頭に立って誘致に邁進している「カジノ」を拒否しようというのですから、良識のある幅広い市民が結集して反対の声を大きく上げ続けるしかありません。
 いずれ、西の丸広場を埋め尽くすほどの反対集会を実現したいものですが、とりあえずは、最大キャパ100人のプラザホープ2階多目的室をいっぱいにしましょう。
 もっとも、私自身、同時間帯に3時間はかかるだろう会議の先約が入っていて参加できないのはまことに残念ですが、「カジノ問題」に少しでも関心があり、ご都合のつく方には、是非ご参加をお願いしたいと思います。
 以下、チラシの文字情報を転記します。
 
チラシから引用開始)
カジノで街はどうなるんよ?
カジノ問題を考える市民集会

2017年7月19日(水)午後6時開場 6時30分開会
和歌山県勤労福祉会館プラザホープ 2F多目的室

  和歌山市北出島1丁目5−47

【講演】
「カジノ解禁推進法の問題点」
講師/吉田哲也弁護士

■全国カジノ賭博場設置反対連絡協議会事務局長
■日弁連カジノギャンブル問題検討ワーキンググループ委員
■依存症問題対策全国会議事務局長

 「和歌山にカジノを誘致する」。この話を聞いて真っ先に立ちあがったのが「あざみの会」でした。サラ金被害とギャンブル依存症は密接な関係にあるからです。
 カジノ問題はそれだけではありません。海南市では先般、藤白地区に計画されたポートピア建設計画を断念させました。「熊野古道ゆかりの地域にギャンブル施設はいらない」というのが主な反対理由でした。
 カジノ問題は、街の歴史や文化にも大きく関わる問題です。教育への影響も見過ごすことはできません。
 広範な方にお集まりいただき、この問題を深め、知識を共有し合えればと願っています。ぜひお運びください。
※集会では、講演のほか、参加者の意見交流も行います。

主催/カジノ問題を考える和歌山ネットワーク準備会
 事務局/和歌山市杉の馬場1丁目11 あざみの会 TEL:073-424-6300

[呼びかけ人]
■新 吉広(あざみの会事務局長)■岡 正人(和歌山クレサラ対策協議会代表幹事)■木下和久(元小学校校長)■琴浦龍彦(県地評議長)■西郷 章(憲法を生かす会 和歌山代表)■佐藤洋一(生協こども診療所所長)■高木歓恒(元県小中学校PTA連合会会長)■戸井洋木(司法書士)■中谷弘子(新日本婦人の会県本部)■花田惠子(NPOわかやま環境ネットワーク理事)
(引用終わり)

(弁護士・金原徹雄のブログから/カジノ関連)
2016年12月8日
カジノ推進法案をめぐる和歌山の現状と読売新聞による徹底批判
2017年2月27日
和歌山弁護士会「いわゆる「カジノ解禁推進法」の成立に抗議し、同法の廃止を求める会長声明」(2017年2月27日)と和歌山でのカジノ誘致の動き
2017年3月10日
「カジノで観光・まちづくり!?ちょっと、おかしいんとちゃうか!緊急トーク集会」3/13@プラザホープのご案内と4月・5月の「予告編」
2017年3月26日
「カジノあかん3・25大阪集会」動画のご紹介と12/12参議院内閣委員会での新里宏二弁護士と鳥畑与一静岡大教授の反カジノ意見陳述
2017年4月5日
「カジノ実施法案」作成作業が始まりました~クリーンなカジノの実現を目指して(!?)

カジノ反対市民集会7月19日チラシ 

「自由なラジオ LIGHT UP!」最新アーカイブを聴く(062~064)~浅井隆さん、藤田早苗さん、西谷文和さん

 今晩(2017年6月20日)配信した「メルマガ金原No.2849」を転載します。

「自由なラジオ LIGHT UP!」最新アーカイブを聴く(062~064)~浅井隆さん、藤田早苗さん、西谷文和さん

 「ラジオフォーラム」の事実上の後継番組として、昨年の4月にスタートした「自由なラジオ LIGHT UP!」。ここ最近は3週間毎にお送りしている番組アーカイブの「まとめ」紹介、今日は、以下の3番組(062~064)をご紹介します。
 渋谷アップリンク代表の浅井隆さん、英国エセックス大学人権センターフェローの藤田早苗さんのお話もとても興味深いのですが、最新アーカイブ(064)では、普段はこの番組のパーソナリティを務める西谷文和さんが、今回は「ゲスト」として出演し、南スーダン取材報告をされています。南スーダンの現状と併せ、自衛隊がどのような状況の中でどのような活動を行っていたのかについてのお話を聴くことができます。是非多くの方が聴取されますように。
 なお、過去のアーカイブは以下のYouTubeチャンネルから聴取できます。

自由なラジオ Light Up! (001~039までのアーカイブが聴けます)
jiyunaradio funclub (039以降のアーカイブが聴けます)

第62回の自由なラジオは、映画通をうならせる上質な映画を上映するマイクロミニシアター「渋谷アップリンク」をお訪ねして、代表の浅井隆さんにお話しを伺いました。
渋谷アップリンクは、日本屈指の繁華街を抜けた先、独特の文化を持つ奥渋谷に位置し、そこに集うのは、単なる映画ファンにとどまらず、自分のライフスタイルを気ままにデザインしたい芸術家肌、あるいは知的な刺激を求める個性豊かな人々であったりもします。そんな人々が行き交う街にあるアップリンクの中には、3つのマイクロミニシアターがあります。座席数は、それぞれ58席、44席、40席と本当に小ぶりですが、居心地のよいアメニティの中で、スクリーンにじっくり没入できる自分だけの映画館といった作り。その他この建物の中には、こだわりのカフェやギャラリー、マーケット、そして映画にまつわる様々なイベントも多数とにぎやか。さて、そのオーナー浅井隆さんとはいったいどんな人物なのでしょうか?アップリンクにかけた映画の未来、そしてこれまで歩んでこられた人生を、木内みどりがじっくりていねいに伺いました。
渋谷アップリンク 
お話しの中にも出てきました、今なお色褪せないこの映画も注目。
「100,000年後の安全」 
またアップリンクでも上映中の映画「知事抹殺の真実」を撮った監督、安孫子亘さんに電話をつなぎ、佐藤栄佐久元福島県知事が謂われなき罪状で逮捕されたあの事件を扱ったドキュメンタリー映画がどうして生まれたのか、この映画に込めた思いについて語っていただきました。
佐藤栄佐久さんが知事だったら、福島原発事故は防げていたはず・・・
映画「知事抹殺の真実」 
代わって、今日の音楽コーナーは、先日ゲストに来ていただいて生演奏をお届けしたキルギス共和国の民族楽器奏者のウメトバエワ・カリマンさんの演奏を、もう一曲、録音でお届けいたします。今回は珍しいキルギスの民族楽器「テミルコムズ」の演奏とご本人の歌声もお楽しみください。
東京音楽大学付属民族音楽研究所のカリマンさん紹介ページ

063 2017.6.13
日本の人権の危機を国連に通報した!
デビッド・ケイ氏が日本に来るきかっけを作った藤田早苗さんを迎えて
PERSONALITY おしどり
GUEST 藤田早苗さん(英国エセックス大学人権センターフェロー)
今回のおしどりのラジオアクティブのお客様は、英国エセックス大学人権センターフェローの藤田早苗さんです。藤田さんは、特定秘密保護法を、その成立前に英訳して国連に通報し、その危険性を国際社会に知らしめるという、大きな仕事をされた方で、国連の特別報告者のデビッド・ケイ氏が日本に調査に訪れるきかっけを作った方です。
藤田さんはどのような思いで、日本の現状を「危機的」と判断し、そして国連に通報したのか、また、あまたある通報の中で、藤田さんの指摘を見逃さなかった国連に対して、どのような協力を日々続けておられるのか?じっくりとお話しを伺いました。
番組後半では、藤田さんが、5月3日ジャカルタで開催された「国連世界報道自由デー」に参加したときのお話しを伺いました。日本ではよく知られていないこの大切な日、毎回日本人はほとんど参加しない中、世界の気高いジャーナリストたちの勇気ある活動を通して国際社会の報道の自由と知る権利という人権に対する意識の高さを感じるイベントだそうです。
今は戦火がない意味で平和?な日本において、少しずつずれていっている人権感覚が、気が付けば取返しのつかないことになっている、そんなことになってはいないか?国際社会を鏡にしっかり目を見開く必要がありそうです。リスナーの皆様にとって、今回の番組がそのきっかけとなればと願っています。

■Light Up!ジャーナル「脱原発先進国と日本は何が違うのか?」
電話インタビュー:小出裕章さん(元京都大学原子炉実験所助教)

脱原発に舵を切ったドイツ、台湾と取材をしてきたおしどりと小出裕章さんの聞き逃せない対談です!世界中が原発から離れていく中で、なぜ日本だけが再稼働を続けるのか?根本的な疑問に迫ります。
 

■メインテーマ:「南スーダン最新報告~自衛隊は現地で何をしていたのか?」
今年3月13日、安倍首相の「一定の区切りがついた」発言とともに、南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣されていた陸上自衛隊が5年余りの活動を終えて5月27日までに完全撤収しました。しかし、南スーダンの情勢は「一定の区切り」とは程遠く、内戦状態は決して終わったわけではありません。
そこで今回、この番組のパーソナリティでもあるジャーナリストの西谷文和が、南スーダンの潜入に成功。日本政府の発表はそのまま受け入れていいのか?現地の内戦事情だけでなく、自衛隊が現地で何をしていたのかまでを取材してきました。克明なレポートを矢野宏がインタビューします。
■よりそいコラム:「大阪発!メディアの現場から」
矢野宏が気になった話題を気ままに解説する「よりそいコラム」。今回は西谷さんがゲストということで、二人のジャーナリストが日頃見ている(もしくは出演している)大阪のテレビ局を中心としたメディア事情を語ります。
特に、視聴率に左右されているという現場の様子とその理由には、ジャーナリズムの役割自体が危ぶまれ兼ねません。その実感をリアルに語ります。
■LightUpジャーナル:「福島の山林火災と放射性物質の飛散」について
電話インタビュー:今中哲二さん(京都大学原子炉実験所研究員)
4月29日夕方、福島県浪江、双葉両町にまたがる十万山(じゅうまんやま)の国有林で出火。いったんは鎮火状態となっても、再び燃え始めることを繰り返し、発生から12日後にようやく鎮火しました。現場が東京電力福島第一原発事故の帰還困難区域だったこともあり、インターネット上では「放射性物質が飛散する」などの情報が飛び交いました。今回は、「福島の山林火災と放射性物質の飛散」について、今中さんにお話を伺います。

「学者の会」呼びかけ人一同が発表した「共謀罪法案の強行採決に対する抗議声明」(6/18)を読む

 今晩(2017年6月19日)配信した「メルマガ金原No.2848」を転載します。

「学者の会」呼びかけ人一同が発表した「共謀罪法案の強行採決に対する抗議声明」(6/18)を読む

 共謀罪シリーズの第34回は、昨日(6月18日)、「安全保障関連法に反対する学者の会・呼びかけ
人一同」名義で発表された「共謀罪法案の強行採決に対する抗議声明」をご紹介します。
 参議院採決がなされた6月15日にお送りした共謀罪シリーズ第33回
「「共謀罪」法案の参議院採決は違法だ(付・日弁連、市民連合、日本ペンクラブなどによる抗議声明)」では、
  日本弁護士連合会
  安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合
  日本ペンクラブ
  日本新聞労働組合連合(新聞労連)
  日本労働組合総連合会(連合)
という5団体の声明や談話をご紹介しましたが、他にも続々と抗議声明が出されています。
 その内、本日ご紹介する声明は、いわゆる「学者の会」(安全保障関連法に反対する学者の会)の「呼びかけ人一同」によるものです。「学者の会」そのものによる「声明」ではなく、「呼びかけ人(という個人)一同」としたのは、もともと「学者の会」が、「安全保障関連法に反対する」(当初は「・・・法案に反対する」だった)という単一目的を掲げて結集した団体であることに配慮してということでしょう。
 
 とはいえ、多くの呼びかけ人の「共謀罪」に関する思いは様々でしょうから、これを最大公約数的に声明文にまとめるこ
と自体、容易な作業ではなかったのではないかと推測します。
 呼びかけ人の内の7人の方々が出席して、昨日、東京都千代田区の学士会館において、この声明を発表するための記者会見が開かれました。その模様については、とりあえずIWJによる中継動画がアップされていましたのでご紹介します。ただし、会員登録していない場合には、約6分のハイライト動画しか視聴できませんので、これを機会に是非会員登録をご検討ください(※IWJ会員登録)。
 
安保関連法に反対する学者の会が共謀罪強行採決へ抗議 内田樹名誉教授「この法律は明らかに社会秩序をもたらしたり社会に平安をもたらすのではなく、国民に分断をもたらすために意図的につくられた法律」 2017.6.18
※会見に出席された方々の基調発言
冒頭~ 佐藤学氏(学習院大学教授、東京大学名誉教授)
6分~ 高山佳奈子氏(京都大学教授)
9分~ 内田樹氏(神戸女学院大学名誉教授)
12分~ 池内了氏(名古屋大学名誉教授)
16分~ 横湯園子氏(元中央大学教授、元北海道大学教授、臨床心理学)
22分~ 千葉眞氏(国際基督教大学特任教授)
31分~ 広渡清吾氏(東京大学名誉教授、元日本学術会議会長)
38分~ 佐藤学氏(学習院大学教授、東京大学名誉教授)
41分~ 質疑応答
ハイライト動画(6分20秒)


 それでは、以下に、「安全保障関連法に反対する学者の会・呼びかけ人一同」による
「共謀罪法案の強行採決に対する抗議声明」全文を引用します。

(引用開始)
            共謀罪法案の強行採決に対する抗議声明

 2017年6月15日に、自民党・公明党・日本維新の会は、参議院において、組織的犯罪処罰法改正法
案につき、法務委員会での採決を経ることなく本会議での採決を強行した。内容的にも、手続的にも、民主主義を破壊する暴挙である。
 閣僚・与党および法務省は本法案を「テロ等準備罪」を創設するものと称したが、当初明らかになった案には「テロ」の語が存在しなかった。その後も「テロリズム集団その他」の語が挿入されただけで、テロ対策を内容とする条文は全く含まれない。しかも、日本はテロ対策主要国際条約をすべて批准し、国内法化を終えていることから、組織的なテロの準備行為はすでに網羅的に処罰対象である。本立法にテロ対策の意義はない。内閣が法案提出にあたって理由とした国連国際組織犯罪防止条約も、その公式「立法ガイド」の執筆者が明言するとおり、テロ対策を内容とするものではない。
 本改正法の処罰対象は、犯罪の計画の合意と「実行準備行為」から成る、国際的に共謀罪(conspiracy)と理解されるものにほかならない。主体の要件とされる「組織的犯罪集団」には、一般の団体の一部をなす集団の性質が犯罪的なものに変化すれば該当することとなり、人権団体や環境保護団体として組織されたものも対象たりうることを政府答弁は認めている。「実行準備行為」は実質的な危険を含まない単なる「行為」で足り、無限定である。約300に及ぶ対象犯罪は、テロにもマフィアにも関係のない多数の類型を含む一方で、警察の職権濫用・暴行陵虐罪や公職選挙法違反など公権力を私物化する罪や、民間の商業賄賂罪など組織的経済犯罪を意図的に除外
しており、国連条約の趣旨に明らかに反している。
 こうした点について国会で実質的な議論を拒み、虚偽の呼称により国民をだまし討ちにしようとする政府の姿勢は、議会制民主主義への攻撃である。さらに参議院での採決は、委員会採決を経ない手続を「特に緊急を要する」場合にしか認めない国会法に違反している。
 これらの内容・手続の問題点を問いただす公式の書簡がプライバシー権に関する国連特別報告者から首相宛てに出されたにもかかわらず、政府は質問に回答するどころかこれに抗議した。国連人権委員会においては、表現の自由に関する特別報告者によって、日本の政治家の圧力によるメディアの情報操作も公式に報告されている。国連との関係の悪化は、北朝鮮問題の解決や国連国際組織犯罪防止条約への参加を要する日本の国益を侵害している。
 ここに、本強行採決に強く抗議し、今後、市民の自由を侵害する怖れのある法が悪用されないよう厳しく監視することと、立憲主義と民主主義を回復する勢力によって、この法を廃止することを広く社会に対して呼びかける。
 
2017年6月18日
安全保障関連法に反対する学者の会・呼びかけ人一同

安全保障関連法に反対する学者の会・呼びかけ人

青井 未帆 (学習院大学教授 法学)
浅倉 むつ子 (早稲田大学教授 法学)
淡路 剛久 (立教大学名誉教授・弁護士 民法・環境法)
池内 了 (名古屋大学名誉教授 宇宙物理学)
石田 英敬 (東京大学教授 記号学・メディア論)
市野川容孝 (東京大学教授 社会学)
伊藤 誠 (東京大学名誉教授 経済学)
上田 誠也 (東京大学名誉教授 地球物理学/日本学士院会員)
上野 健爾 (京都大学名誉教授 数学)
上野 千鶴子 (東京大学名誉教授 社会学)
鵜飼 哲 (一橋大学教授 フランス文学・フランス思想)
内田 樹 (神戸女学院大学名誉教授 哲学)
内海 愛子 (恵泉女学園大学名誉教授 日本-アジア関係論)
宇野 重規 (東京大学教授 政治思想史)
大澤 眞理 (東京大学教授 社会政策)
岡野 八代 (同志社大学教授 西洋政治思想史・フェミニズム理論)
小熊 英二 (慶應義塾大学教授 歴史社会学)
戒能 通厚 (早稲田大学名誉教授 法学)
海部 宣男 (国立天文台名誉教授 天文学)
加藤 節 (成蹊大学名誉教授 政治哲学)
金子 勝 (慶応義塾大学教授 財政学)
川本 隆史 (国際基督教大学特任教授 社会倫理学)
君島 東彦 (立命館大学教授 憲法学・平和学)
久保 亨 (信州大学教授 歴史学)
栗原 彬 (立教大学名誉教授 政治社会学)
小林 節 (慶應義塾大学名誉教授 憲法学)
小森 陽一 (東京大学教授 日本近代文学)
齊藤 純一 (早稲田大学教授 政治学)
酒井 啓子 (千葉大学教授 イラク政治研究)
佐藤 学 (学習院大学教授 教育学)
島薗 進 (上智大学教授 宗教学)
杉田 敦 (法政大学教授 政治学)
高橋 哲哉 (東京大学教授 哲学)
高山 佳奈子 (京都大学教授 法学)
千葉 眞 (国際基督教大学特任教授 政治思想)
中塚 明 (奈良女子大学名誉教授 日本近代史)
永田 和宏 (京都大学名誉教授・京都産業大学教授 細胞生物学)
中野 晃一 (上智大学教授 政治学)
西川 潤 (早稲田大学名誉教授 国際経済学・開発経済学)
西崎 文子 (東京大学教授 歴史学)
西谷 修 (立教大学特任教授 哲学・思想史)
野田 正彰 (精神病理学者 精神病理学)
浜 矩子 (同志社大学教授 国際経済)
樋口 陽一 (憲法学者 法学/日本学士院会員)
広田 照幸 (日本大学教授 教育学)
廣渡 清吾 (東京大学名誉教授 法学/日本学術会議前会長)
堀尾 輝久 (東京大学名誉教授 教育学)
益川 敏英 (京都大学名誉教授 物理学/ノーベル賞受賞者)
間宮 陽介 (青山学院大学特任教授 経済学)
三島 憲一 (大阪大学名誉教授 哲学・思想史)
水島 朝穂 (早稲田大学教授 憲法学)
水野 和夫 (法政大学教授 経済学)
宮本 憲一 (大阪市立大学名誉教授 経済学)
宮本 久雄 (東京大学名誉教授・東京純心大学教授 哲学)
山口 二郎 (法政大学教授 政治学)
山室 信一 (京都大学教授 政治学)
横湯 園子 (中央大学元教授・北海道大学元教授 臨床心理学)
吉岡 斉 (九州大学教授 科学史)
吉田 裕 (一橋大学教授 日本史)
鷲谷 いづみ (中央大学教授 保全生態学)
渡辺 治 (一橋大学名誉教授 政治学・憲法学)
和田 春樹 (東京大学名誉教授 歴史学)
(引用終わり)
 
(付記・和歌山弁護士会企画のお知らせ)
 和歌山弁護士会では、上記記者会見にも出席されていた京都大学の高山佳奈子教授をお招きした市民集
会を下記日程で開催します。多くの方のご参加をお待ちしています。
市民集会「あらためて、いわゆる共謀罪(テロ等準備罪)がもたらす社会を考える(仮称)」
講師 高山佳奈子氏(京都大学教授・刑事法学)
日時 2017年7月6日(木)午後6時30分~
会場 和歌山ビッグ愛 1階大ホール
入場無料・予約不要
主催 和歌山弁護士会
共催 日本弁護士連合会・近畿弁護士会連合会(予定)
 
(弁護士・金原徹雄のブログから/共謀罪シリーズ)
2017年2月6日
レファレンス掲載論文「共謀罪をめぐる議論」(2016年9月号)を読む
2017年2月7日
日弁連パンフレット「合意したら犯罪?合意だけで処罰?―日弁連は共謀罪に反対します!!―」(五訂版2015年9月)を読む
2017年2月8日
「共謀罪法案の提出に反対する刑事法研究者の声明」(2017年2月1日)を読む
2017年2月10日
海渡雄一弁護士with福島みずほ議員による新春(1/8)共謀罪レクチャーを視聴する
2017年2月21日
共謀罪をめぐる最新ニュース、動画、声明のご紹介
2017年2月23日
日本弁護士連合会「いわゆる共謀罪を創設する法案を国会に上程することに反対する意見書」(2017年2月17日)を読む
2017年2月24日
「安倍政権の横暴を許すな!」連続企画@和歌山市のご案内~3/3共謀罪学習会&3/25映画『高江―森が泣いている 2』上映と講演
2017年2月28日
共謀罪をめぐる最新ニュース、動画、声明のご紹介vol.3
2017年3月1日
ついに姿をあらわした共謀罪法案(組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案)
2017年3月3日
「共謀罪」阻止の闘いは“総がかり”の枠組みで~全国でも和歌山でも
2017年3月4日
共謀罪をめぐる最新ニュース、動画、声明のご紹介vol.4

2017年3月6日
共謀罪に反対するのも“弁護士”、賛成するのも“弁護士”
2017年3月8日
共謀罪をめぐる最新ニュース、動画、声明のご紹介vol.5~「テロリズム集団その他」のまやかし

2017年3月9日
3月9日、和歌山で共謀罪に反対する街頭宣伝スタート~総がかり行動実行委員会の呼びかけで
2017年3月17日
共謀罪をめぐる最新ニュース、動画、声明のご紹介vol.6~立憲デモクラシーの会が声明を出しました
2017年3月21日
閣議決定された「共謀罪」法案~闘うための基礎資料を集めました
2017年3月31日
2017年4月7日
2017年4月14日
共謀罪をめぐる最新ニュース、動画、声明のご紹介vol.9~民科法律部会の声明を読む
2017年4月18日
声明「許せない「共謀罪」」~「「大逆事件」の犠牲者を顕彰する会」が引き継ぐ「志」
2017年4月26日
緊急開催!和歌山弁護士会「共謀罪法案(テロ等準備罪)を考える県民集会」(5/10@プラザホープ)
2017年4月27日
高山佳奈子京都大学大学院教授による共謀罪法案についての参考人意見陳述(2017年4月25日・衆議院法務委員会)を読む

2017年5月9日
「共謀罪」阻止のために~5/9WAASA学習会で話したこと、6/11くまの平和ネットワーク講演会で話すべきこと

2017年5月17日
「共謀罪」をめぐる5月16日の動きを動画で振り返る~衆議院法務委員会参考人質疑、日比谷野音大集会、立憲デモクラシーの会シンポ

2017年5月20日
闘いはこれからだ~5/19「安倍政治を終わらせよう5.19院内集会」&5/20「安倍政権に反対する和歌山デモ」
2017年5月22日
「共謀罪」法案の衆議院における修正案(可決)を読む
2017年6月6日
予告・「共謀罪」って何?こんなにある問題点!(講師:金原徹雄弁護士)@新宮市(6/11)と真宗大谷派による共謀罪法案反対声明(5/18)
2017年6月7日
国際ペン会長声明「共謀罪は日本の表現の自由とプライバシーの権利を侵害する」&加藤健次弁護士による現状分析
2017年6月10日
2017年6月11日 
2017年6月15日
「共謀罪」法案の参議院採決は違法だ(付・日弁連、市民連合、日本ペンクラブなどによる抗議声明)

東京新聞記者・望月衣塑子氏インタビューを視聴するために~IWJ会員登録の勧め

 今晩(2017年6月18日)配信した「メルマガ金原No.2847」を転載します。

東京新聞記者・望月衣塑子氏インタビューを視聴するために~IWJ会員登録の勧め

 IWJでは、主宰者の岩上安身さん自身が、今話題の方を招いた長時間インタビューを次々と行って公開しており、実に魅力的なラインナップなのですが、会員でない方が視聴できるのは、10分~15分程度のイントロ動画(もしくはダイジェスト動画)だけであり、全編視聴するためには、サポート会員(月額3,000円以上/年一括払3万円以上)もしくは一般会員(月額1,000円/年一括払1万円/インタビュー動画は公開から1か月間視聴できます)になる必要があります(※IWJ会員登録)。
 慢性的な経営危機が続くIWJを支援するため、是非多くの方に会員になっていただきたいと思います。

 ということで、私は一般会員なのですが、岩上さんの長時間インタビューは、なかなか全編視聴する時間がとれず、つい、つまみぐい的な視聴になってしまいがちなのですが、今日は珍しく2時間一気に見通し、メルマガ(ブログ)でご紹介しようと思い立ちました。
 インタビューの対象は、東京新聞社会部(遊軍)記者の望月衣塑子(もちづき・いそこ)さんです。望月さんは、『武器輸出と日本企業』(角川新書)という著書もあるほどで、武器輸出に関しての取材実績はよく知られていましたが、今回はその問題ではなく、6月8日(午前)の管官房長官記者会見において、加計学園問題にからんで文科省の内部文書の再調査を求めて執拗に食い下がった(記者会見全体の半分の時間は望月さんの質問とそれに対する官房長官の回答によって占められたとか)ことが大きな話題を呼び、文科省の再調査に結びついたからであることは言うまでもありません。
武器輸出と日本企業 (角川新書)
望月 衣塑子
KADOKAWA
2016-07-10

 「望月衣塑子/記者会見」などというキーワードでネット検索すると、ネトウヨによる読むのも汚らわしい中傷記事のオンパレードですが、まずは、虚心に当日の記者会見に耳を傾けるべきでしょうね。この日の東京新聞(望月記者)やジャパンタイムス記者の質問を「しつこくて、非礼で、すべきでない質問だ」と思う人がどれだけいるのでしょう。私は全然思いませんけどね。それよりも、この2社以外の記者が何も発言しないことこそ異常だと思います。

 IWJ会員でない方は、イントロ動画しか視聴できませんが、これを機会に、是非会員登録をご検討いただければと思います。
 以下の記事の場合、「今回は、本日(6/15現在)、新たに出てきたメール文書を含む、文科省の追加調査についての配布資料を会員限定で公開」されており、会員になると、貴重な原資料を読むことができます。
 一般会員でも(私もそうですが)、IWJ独自コンテンツ(岩上安身さんによるロングインタビューなど)こそ1か月限定ですが、それ以外の記者会見、シンポ、講演会などの公共コンテンツは見放題ですから、非常にお得です。あらためてご入会をお勧めします。
 
「前川氏や詩織さんの思いを直接ぶつけたかった」 菅官房長官を厳しく追及し内部文書の「再調査」を実現! 岩上安身による東京新聞記者・望月衣塑子氏インタビュー 2017.6.16
記事公開日:2017.6.16 取材地:東京都 動画 独自

「「総理のご意向」などと書かれた文書を「怪文書」とまで呼び、「出所不明」として追加調査を拒んできた政府は一転、再調査に踏み切ったのは6月9日。その背景には、菅義偉官房長官に調査のやり直しを迫った東京新聞の社会部記者・望月衣塑子氏の存在がある。2017年6月16日、岩上安身がIWJ事務所にて、望月氏の単独インタビューを行った。
 本来、官房長官会見に出席するのは政治部所属の記者だが、東京新聞は社会部記者の望月氏を会見に送り込んだ。その理由は官房長官に直接伝えたいことがあると、望月氏が強く要望したからだという。伝えたかったこととは何か――。
 望月氏は、顔や身分を明かし、「総理のご意向」文書を本物だと認める記者会見を開いた前川喜平前文科事務次官と、元TBS記者で『総理』を著書に持つ山口敬之氏にレイプされたと実名で告発した詩織さんに、それぞれにインタビューしている。望月氏は2人への取材が自身を官房長官会見へ駆り立てたと話した。」
イントロ動画(15分)

映画『いきたひ~家族で看取る~』上映と長谷川ひろ子監督講演(和歌山県保険医協会)@7/6メディアアートホールへのお誘い

 今晩(2017年6月17日)配信した「メルマガ金原No.2846」を転載します。

映画『いきたひ~家族で看取る~』上映と長谷川ひろ子監督講演(和歌山県保険医協会)@7/6メディアアートホールへのお誘い

 しばらく前に和歌山県保険医協会からお知らせいただいた映画『いきたひ~家族で看取る~』上映と長谷川ひろ子監督講演会については、すぐにFacebookにチラシの画像をアップしてお知らせしたのですが、メルマガ(ブログ)でもご紹介することとします。
 まず、チラシから、開催概要を転記します。

チラシ文字情報から引用開始)
『いきたひ~家族で看取る~』
映画上映・長谷川ひろ子監督講演

映画「いきたひ」は、長谷川監督がお子さんと共にご主人をご自宅で看取った体験をベースに、看取り士をはじめ家族を抱いて看取った方々のインタビュー、活動をまとめたドキュメンタリーです。

長谷川ひろ子

フリーアナウンサー、シンガーソングライター
秋田県出身・埼玉県在住、4児の母。
健康体操教室“スタジオMother!s”主宰
元日高市教育委員
著書「自分磨きは姿勢から」
夫の最期を4人の子ども達と自宅で看取る。その後、死生観について考えていく中で、看取り士・柴田久美子さんと出会う。人を看取ること生きることの意味を問うドキュメンタリー映画を自身で制作。映画の上映&講演活動を全国で展開中。

2017年7月6日(木)15:00~17:00
【会場】メディアアートホール

         和歌山市西高松1-7-38(和歌山県立図書館2F)

開 場 14:30~ 受付開始
第1部 15:00~ 映画『いきたひ~家族で看取る~』上映
第2部 16:00~ 長谷川ひろ子監督講演

[前売り]18歳以上 1,500円  18歳未満 1,000円
[当日券]18歳以上 2,000円  18歳未満 1,500円

※定員200名
誠に申し訳ございませんが、会場の駐車場は駐車できる台数が少ないので、公共交通機関をご利用いただきますようお願いいたします。

要事前申込
チラシ下段に所定事項を記入してFAX(073-436-4827)で申し込んでください。
FAX以外でのお申込みは、電話:073-436-3766まで。
主催・和歌山県保険医協会
(引用終わり)

 チラシに同封されていた和歌山県保険医協会(龍神弘幸理事長)からの「お誘い」の文書から、今回の企画の開催趣旨が述べられた部分を引用します。

(抜粋引用開始)
 さて、今回ご案内いたしますのはドキュメンタリー映画「いきたひ」とその監督の長谷川裕子氏の講演
会です。
 厚生労働省は、「自宅で療養して、必要になれば医療機関等を利用したいと回答した者の割合を合わせると、60%」「要介護状態になっても、自宅や子供・親族の家での介護を希望する人が4割を超えた」
などとPRして、病院のベッド減らしを正当化しようとしています。
 病院ではなく、住み慣れた自宅で療養を望む声は、以前から多いのですが、「個人の尊厳」を守り、家族も納得できる療養をすることはまだまだ難しく、単身高齢者が増加している今は、誰にも看取られない
ということにもなりかねません。
 来年の診療報酬改定の大きな議題の一つとなっており、様々な視点から考える必要があります。
 映画「いきたひ」は、長谷川監督がお子さんと共にご主人をご自宅で看取った体験をベースに、『看取
り士』や家族を抱いて看取った方々の胃あんたビュー、活動をまとめたドキュメンタリー映画です。
 看取りを考える一助となればと考えて企画しました。
(引用終わり)

 和歌山県保険医協会は、今年の4月27日(木)にガーデンパーク和歌山内のジストシネマにおいて、
映画『いしゃ先生』を上映したばかりですが、今年は何だか映画づいていますね。
 以下に、映画『いきたひ~家族で看取る~』関連サイトをいくつかご紹介しておきます。
 平日午後の企画なので、都合のつく方は限られているかもしれませんが(開業医の方は木曜午後休診のと
ころが多いのかな)、関心のある方に是非お奨めしたいと思います。

 ちなみに、この7月6日(木)午後6時半から、和歌山ビッグ愛1階大ホールにおいて、和歌山弁護士会が、京都大学の高山佳奈子教授(刑事法)をお招きし、「あらためて、いわゆる共謀罪(テロ等準備罪)がもたらす社会を考える(仮称)」という市民集会を開催します。参議院「中間報告」採決の約39時間前に開催決
定した企画であり、企画書にあった「法案」という表現は当然削除されることになります。
 時間的にいって、映画『いきたひ~家族で看取る~』上映と監督講演に参加した後、和歌山ビッグ愛にかけつけることは十分可能です。和歌山県保険医協会の皆さんも、是非よろしくお願いします。

(映画『いきたひ~家族で看取る~』関連サイト)
映画『いきたひ~家族で看取る~』公式サイト
長谷川裕子監督 ドキュメンタリームービー「いきたひ」~家族で看取る~ 予告編

長谷川裕子監督 ドキュメンタリームービー「いきたひ」~家族で看取る~ プロローグ 

「いきたひ」長谷川ひろ子監督 インタビュー

書き起こしで読む立憲デモクラシーの会「安倍晋三首相による改憲メッセージに対する見解」発表記者会見(5/22)

 今晩(2017年6月16日)配信した「メルマガ金原No.2845」を転載します。

書き起こしで読む立憲デモクラシーの会「安倍晋三首相による改憲メッセージに対する見解」発表記者会見(5/22)

 今年の憲法記念日(5月3日)、「第19回 公開憲法フォーラム」(主催:民間憲法臨調、美しい日本の憲法をつくる国民の会)に安倍晋三氏(内閣総理大臣、自由民主党総裁)が寄せたビデオメッセージについて、「立憲デモクラシーの会」が5月22日に「見解」を公表したことは、私のメルマガ(ブログ)でご紹介済みです(
立憲デモクラシーの会「安倍晋三首相による改憲メッセージに対する見解」を読む/2017年5月24日)。

 ただ、その「見解」を発表した記者会見の動画が見つからず、会見に出席した5人の方々、なかんずく、3人の憲法研究者(長谷部恭男早稲田大学教授、石川健治東京大学教授、青井未帆学習院大学教授)の皆さんの見解を知りたいものだが、と思っていたところ、「立憲デモクラシーの会」ホームページに、「見解」発表記者会見での発言・質疑応答の書き起こしが掲載されていることに、まことに遅ればせながら
気がつきました。
 私もまだざっと目を通したに過ぎませんが、非常に勉強になりました。精読すれば、もっと得るものが
多いはずです。
 ということで、是非、皆さまにもお読みいただきたく、ご紹介することとしました。

 まず、以前のメルマガ(ブログ)でご紹介済みであはりますが、安倍改憲メッセージと、それに対する
「立憲デモクラシーの会」の「見解」を再掲した上で、それに続いて、記者会見の書き起こしの内、3人の憲法研究者の方々の基調発言部分をご紹介します。
 西谷修氏(立教大学特任教授・哲学)と山口二郎氏(法政大学教授・政治学、立憲デモクラシーの会共同代表)の基調発言及び質疑応答は、是非リンク先でお読みください。

朝日新聞デジタル 2017年5月3日15時09分
憲法改正「2020年に施行したい」 首相がメッセージ

(メッセージ全文から抜粋引用開始)
 ご来場の皆様、こんにちは。「自由民主党」総裁の安倍晋三です。
 憲法施行70年の節目の年に、「第19回公開憲法フォーラム」が盛大に開催されましたことに、まず
もって、お慶(よろこ)びを申し上げます。憲法改正の早期実現に向けて、それぞれのお立場で、精力的
に活動されている皆様に、心から敬意を表します。
(略)
 憲法は、国の未来、理想の姿を語るものです。私たち国会議員は、この国の未来像について、憲法改正の発議案を国民に提示するための、「具体的な議論」を始めなければならない、その時期に来ていると思
います。
(略)
 例えば、憲法9条です。今日、災害救助を含め、命懸けで、24時間、365日、領土、領海、領空、日本人の命を守り抜く、その任務を果たしている自衛隊の姿に対して、国民の信頼は9割を超えています。しかし、多くの憲法学者や政党の中には、自衛隊を違憲とする議論が、今なお存在しています。「自衛隊は、違憲かもしれないけれども、何かあれば、命を張って守ってくれ」というのは、あまりにも無責任
です。
 私は、少なくとも、私たちの世代の内に、自衛隊の存在を憲法上にしっかりと位置づけ、「自衛隊が違
憲かもしれない」などの議論が生まれる余地をなくすべきである、と考えます。
 もちろん、9条の平和主義の理念については、未来に向けて、しっかりと、堅持していかなければなり
ません。そこで、「9条1項、2項を残しつつ、自衛隊を明文で書き込む」という考え方、これは、国民的な議論に値するのだろう、と思います。
 教育の問題。子どもたちこそ、我が国の未来であり、憲法において、国の未来の姿を議論する際、教育は極めて重要なテーマだと思います。誰もが生きがいを持って、その能力を存分に発揮できる「一億総活
躍社会」を実現する上で、教育が果たすべき役割は極めて大きい。
 世代を超えた貧困の連鎖を断ち切り、経済状況にかかわらず、子どもたちが、それぞれの夢に向かって
頑張ることができる、そうした日本でありたいと思っています。
 70年前、現行憲法の下で制度化された、小中学校9年間の義務教育制度、普通教育の無償化は、まさ
に、戦後の発展の大きな原動力となりました。
 70年の時を経て、社会も経済も大きく変化した現在、子どもたちがそれぞれの夢を追いかけるためには、高等教育についても、全ての国民に真に開かれたものとしなければならないと思います。これは、個人の問題にとどまりません。人材を育てることは、社会、経済の発展に、確実につながっていくものであ
ります。
 これらの議論の他にも、この国の未来を見据えて議論していくべき課題は多々あるでしょう。
 私は、かねがね、半世紀ぶりに、夏季のオリンピック、パラリンピックが開催される2020年を、未来を見据えながら日本が新しく生まれ変わる大きなきっかけにすべきだと申し上げてきました。かつて、1964年の東京五輪を目指して、日本は、大きく生まれ変わりました。その際に得た自信が、その後、
先進国へと急成長を遂げる原動力となりました。
 2020年もまた、日本人共通の大きな目標となっています。新しく生まれ変わった日本が、しっかり
と動き出す年、2020年を、新しい憲法が施行される年にしたい、と強く願っています。私は、こうした形で国の未来を切り拓(ひら)いていきたいと考えています。
(略)
 憲法改正に向けて、ともに頑張りましょう。
(引用終わり)

立憲デモクラシーの会
安倍晋三首相による改憲メッセージに対する見解

(引用開始)
 5月3日、安倍首相は憲法改正の具体的提案を行った。9条の1項2項を残したまま、自衛隊の存在を
新たに憲法に明記し、さらに高等教育を無償化する提案で、2020年の施行を目指すとのことである。
 自衛隊はすでに国民に広く受け入れられた存在で、それを憲法に明記すること自体に意味はない。不必要な改正である。自衛隊が違憲だと主張する憲法学者を黙らせることが目的だとすると、自分の腹の虫を
おさめるための改憲であって、憲法の私物化に他ならない。
 他方、現状を追認するだけだから問題はないとも言えない。長年、歴代の政府が違憲だと言い続けてきた集団的自衛権の行使に、9条の条文を変えないまま解釈変更によって踏み込んだ安倍首相である。自衛
隊の存在を憲法に明記すれば、今度は何が可能だと言い始めるか、予測は困難である。
 安倍首相は北朝鮮情勢の「緊迫」を奇貨として9条の「改正」を提案したのであろうが、たとえ日本が9条を廃止して平和主義をかなぐり捨てようとも、体制の維持そのものを目的とする北朝鮮が核兵器やミサイルの開発を放棄することは期待できない。憲法による拘束を緩めれば、軍拡競争を推し進め、情勢をさらに悪化させるおそれさえある。国民の6割が手をつけることに反対している9条を変更する案として
は、理由も必要性も不透明なお粗末な提案と言わざるを得ない。
 高等教育の無償化の提案も必要性が不明である。憲法の条文に高等教育は無償だと書いただけでは、無償化は実現しない。そのための財政措置が必要である。他方、財政措置が整いさえすれば、憲法を改正す
る必要はない。
 高等教育を受ける権利を実質的に均等化するために必要なことは、憲法改正を経た無償化ではなく、給
付型奨学金の充実などの具体的な政策であることは、明らかである。
 何より問題なのは、理由も必要性も不透明な生焼けの改憲を提案し、批判を受けると「代案を示せ」と言い募る安倍首相の憲法に対する不真面目さである。改憲自体が目的であれば代案を出せということにもなろうが、改憲が自己目的であるはずがない。不要不急の改憲をしなければよいだけのことである。憲法の役割は、党派を超え世代を超えて守るべき政治の基本的な枠組みを示すことにある。簡単に変えられなくなっているのは、浅はかな考えで政治や社会の基本原則に手を付けるべきではないからであり、山積する喫緊の日常的政治課題に力を注ぐよう促すためである。日本政治の現状を見れば、最高権力者は、国家を「私物化」し、説明責任を放棄し、法の支配を蔑ろにしていると言わなければならない。そもそも憲法は権力者による恣意的な権力の行使を防ぐためにあるという立憲主義の原理をここで再確認する必要がある。このような状況で改憲自体が目的であるかのように、憲法を軽んじる言辞を繰り返すことは、責任あ
る政治家のとるべき態度ではない。

2017年5月22日
立憲デモクラシーの会
(引用終わり)
 
(抜粋引用開始)
青井未帆(学習院大学・憲法学)
 学習院大学の青井と申します。憲法学を専攻しております。少しお時間をいただいて、私のほうからは9
条を中心に意見を申し上げたいと思います。一言で今日申し上げたいことを表すならば、それは軍、軍事力といったものを扱う態度として危険極まりないということでございます。二点に絞ります。一つ目としましては「9条1項、2項を残した状態で自衛隊を書き加えるだけ」という説明がされておりますけれども、もたらされるであろう効果、結果というのは一見するよりも大きい。この点について、まず述べたいと思います。それから二つ目につきましては、軍、軍事力というものをどう制御するかということは、我が国が明治の開国以来ずっと課題としてきたであろうこと。これに鑑みるならば、今の憲法をめぐる態度とい
うのはあまりにも恥ずかしい内容ではないか。こういう内容を二点目として申し上げます。
 まず一点目でございますけれども、「すでに存在する自衛隊を書き込むだけであるといったような言説」が報道等でもされている。一部の報道等では、これを積極的に評価する論者も紹介しておりますけれども、しかしながら、2014年、2015年に9条、集団的自衛権を認めないというような解釈を変更したことで、わたくしは箍(たが)がはずれたと思っておりますけれども、箍(たが)がはずされたとはいえ、現在においてもなお条文としてそこに存在しているからこそこれはじゃまになっているわけで。別の言い方をすると、9条1項、2項というのは、まだ法としてみなされている。この法であったものが、法であるにふさわしいような規範としての力を持たなくなる。論理破綻をするというのが、自衛隊を書き込むことの意味です。なぜかというと、これまでの2014年の政府解釈の変更を含めてもなお、今なおある9条の解釈というのは、武力行使は原則できないということです。政府解釈は二つのラインからなっています。一つは、例外的にできる武力行使があるということと、もう一つは、武力行使に当たらないからできるという、これら二つの理屈で政府解釈というのは作られております。自衛隊がその例外的な「武力行使できる」組織としてあり、武力行使でないからできるという理屈で、例えば海外での活動など枠づけられてきました。こういう面倒な説明が必要になる根本的な理由をなくすのが、憲法に「自衛隊」を書き込むことの意味です。「例外的にできる」ということを消去して、自衛の活動ができるということが原則になるに他ならないわけですので、結局これまでの二本柱、「大原則ができないけれども、武力行使ができる場合がある。それとは
別に武力行使に当たらないからできる活動がある」等々の説明が破たんするということになります。
 このことは実は、米艦防護などにおいて非常にクリティカルな問題を提起しておりまして、安保法制懇の報告書では、「あれは集団的自衛権になる」との批判があったわけですけれども、結局、「武力行使に当たらないからできる。警察権の行使だ」と説明されているわけです。このようにぐちゃぐちゃっとなったところで、さらに自衛隊について書き込むとなると、武力行使の違法化、限界がもともとなくなったも
のとして、戦力不保持について定める2項も無効化すると言わざるを得ないと考えます。
 そしてまた二つ目ですけれども、改めてここで私たちが考えなくてはならないのは、近代国家成立以来、軍、軍事力の統制というのが、私たちにとって大変大きな課題であったはずである点です。薩長の兵権を統制するということから始まりまして、統帥権の独立、軍人勅諭による動員を経て、最終的には軍の統制に失敗してしまった。その失敗したことが日本国憲法の出発点である。この点に鑑みたときに、今の扱い、9条1項2項に加えて3項を加えるというのは、あまりにも軽い扱いなのではないか。基本的に軍の論理というのは、市民社会に最終的にはぶつかりあう部分があります。だからこそ、細心の注意を持って制度設計しなければならないはずである。私はこの9条というのは、そういう意味で非常に斬新な方法であり、今なお邪魔になっているということからも、この規定を設けることによる軍事力の統制というのはなかなか評価に値する試みであると思っておりますが、仮にこれを変えるべきであるとしても、たくさんの命が失われたという過去を背負いながら、これを真面目に議論するべきであって、書き込むならば、9条1項、2項に3項を加えるだけではなく、統治機構全般にわたる一つのパッケージとして議論を真面目にするべきであると、このように考えております。先ほども申し上げましたけれども、一言で申し上げるならば、もっと真面目に、この軍について取り扱わなくてはいけないところ、「軽すぎる」という点を、大変危機感を持って申し上げたいと思います。
 
石川健治(東京大学・憲法学)
 東京大学の石川です。今回の件については、いろんなかたちで、あるいはいろんな角度から検討することができると思います。特にこの立憲デモクラシーの会について申しますと、いわゆる護憲派だけではなくて改憲派もともに同一の戦列に並んでいる、という形で問題状況の深刻さを示すところに、発足の折の志がありました。それを考えますと、護憲派にとっても改憲派にとっても今回の事態は危険である、とい
う観点を持つことが、ここでは大事なのではないかと考えます。
 まず、おそらく多くの人が前提として共有できるだろうと思われるのは、「現在はうまくいっている」という事実ですね。今、青井さんがおっしゃいましたけれども、これまでの軍事力の統制がまずまず成功であったのは間違いがない、ということです。その前提から、今回何が加えられ、何が引き算されるのかというふうに考えてみるというのが、護憲派にとっても改憲派にとっても、大事なプラットフォームにな
るのではないかと思うわけです。
 そう考えますと、現状において軍事力のコントロールをなりたたせている機構というのは、青井さんもおっしゃっていましたが、重層的に出来ている、ということを考えていただきたいと思うんですね。眼の前にある9条の字面がどうしたという表層的なことだけではなくて、軍事という、この典型的な統治作用について、コントロールを成り立たせている重層的な構造が、どのように今回変わろうとしているのか。そういう観点から考えるならば、仮に9条をいずれ変えたいという人にとっても、このまま、あるいはこのかたちで、現状を変えてしまうことは危険であるということは、おわかりいただけるのではないかと思いま
す。
 ごく手短に、9条が国会に禁じているはずの軍事組織の設立がすでになされてしまっている、というふうに現状を理解するといたします。ここは、9条2項をどう解釈するかによって、実はいろいろな理解の仕方
があり得ますけれども、立ち入りません。しかし、それでも9条2項は、まだ役に立っているのです。
 おおざっぱに申しましても、まずは、常に「われわれはこのようなかたちで軍隊を持っていいのだろうか」という問いかけをする根拠が、そこにあるということです。つねに組織としての存立が問われ続ける
ことで、自衛隊の権限の行使がコントロールされてきた面があるはずです。
 そしてより大きいのは、軍事組織を持つことの正統性が常に問われ続けるということとの関係で、大幅な軍拡予算を組むことが難しくなっている、という側面です。予算編成を通じて、国の財政権の行使に実際上とりわけ大きな役割を果たしてきたのは、大蔵省、財務省だと思いますけれども、なぜそういう財務官庁が軍拡予算についてブレーキになることができたのかというと、彼らによる財政権の統制に憲法上の根拠があるからであるわけで、それが9条とりわけその2項ということになるはずなんですね。これは非常
に大きい側面だったろうと思います。
 ですから、少なくとも今述べた二つの層において、9条はまだ生きているということになるわけなのです
が、これらの、現在、現実に機能している統治権のコントロールが、今回の改憲提案のような形で自衛隊を憲法上正統化してしまうと、一挙に消えてしまうということになるはずです。この「一挙に消えてしまう」という点において、これは最も危険な提案になっている、ということを申し上げておきたいと思います。この点を指摘した上で、その先の議論をどうするかというのは、またいろいろな立場があり得るでしょう。けれども、立憲デモクラシーの会の最初の志に立ち返って、今このかたちで、こういう改憲提案を出されて、何の問題意識もなしに通してしまうというのは、いかなる立場にたつにせよ、きわめて危険であるということに、まずは警鐘を鳴らしておきたいと思います。以上です。
 
長谷部恭男(早稲田大学・憲法学)
 この声明文、それからいまお二人、青井さんと石川さんのコメントでは、この度の9条に関する改憲提案は、現状を変えるわけではないという主張は、「額面通りに受け止めるわけにはいかないんだ。ただの現状追認ではないんだ」というリスクを強調されていたわけなんですが。ただ、ひるがえって考えてみますと、現状を追認するだけだということを、額面通りに受け取ったといたしましても、かなり大きな問題がそこにあると思います。なんのために、現状を追認するためだけに9条を変えるかと言いますと、「国のために命をささげる自衛官が違憲の存在だと言われないようにするため」「自衛官が、誇りと自信を持って活動できるようにするため」であるという理由が示されているわけですが、これは純粋な情緒論です。現状を追認するだけでしたら、この提案が実現したからといって日本の安全保障がより堅固になる、日本がより安全になるということはないはずです。つまり、純粋にひとの情緒に訴えかけているだけの提案です。国の防衛とか安全保障に関する議論というのは、ただでさえ情緒的なものになりがちです。大抵のひとが理性的かつ合理的に、何をどうすれば国はより安全になるのか。より効果的に危険を排除することができるのか。これを冷静に計算できるのだということであれば、ことは大変簡単です。ただ、実際には情報は錯綜する。議論は情緒化する。理性的な計算は見失われがちになるからこそ憲法によって武力の行使、あるいはそれにあたる装備の規模や範囲、これを限定しておく必要が生まれるわけです。今回の9条を変えるという提案は、合理的な安全保障論抜きで専ら情緒論に訴えかけて、憲法を変えようとするもので、防
衛問題に関する憲法論としてまったくあべこべであると言わざるを得ません。
 今回の安倍提案が問題を情緒化しているだけで理性的な思考には支えられていないことは、仮に今回の提案が否決されたら一体どうなるのかということを考えてみればよくわかります。「現状を追認し、それを憲法に書き込むだけのことだ」ということですので、反転させてみますと、この提案が否決されてしまうと、「現状を主権者たる国民が否定をした」ということになります。従って、もはや、現状に戻ることはもうできません。どこに立ち戻ることになるのか。人によっては、それは集団的自衛権の行使が否定されたところに戻るのだということになるのかもしれませんし、PKO活動ももうできなくなるのだと。あるいはさらに言えば、自衛隊の存在そのものが否定されてしまったのだというふうに主張する人もいるだろうと思います。可決されることばかりを念頭において、否決された場合にどうなるのか。これをおそらく考えていないのではないでしょうか。現状では約6割の有権者は「9条に手を触れるべきではない」と言っているわけですが、否決される蓋然性は決して否定できないと思います。そうなりますと、収集(金原注:「収拾」の誤変換と思われる)不能の大混乱がもたらされることになるのではないでしょうか。「情緒論に訴えかけて、何が何でも憲法を変えよう」という自身の願望を通そうとするあまり、国の安全保障を大きく損なう。そういう事態を招こうとして
いるのではないか。
 同じ日本国民である以上は、自衛隊員の尊厳は守られる必要があります。しかし、安倍首相の改憲提案というのは、是が非でも9条を変えたい。憲法を変えたいという自身の願望を遂げるための単なる手段として、この自衛官の尊厳、自衛官の誇りと自信というものを扱っているのではないでしょうか。「人を道具としてのみ、手段としてのみ扱うな」というカントの道徳原則に真っ向から反していると思います。人を単なる道具として扱う極みでありまして、「自衛官を道具扱いするのにも程があるのではないか」という
ふうに私は考えています。以上です。
(引用終わり)
 

(付録)
『一台のリヤカーが立ち向かう』 作詞・作曲・演奏:中川五郎

私のブログでこの曲を紹介しています。
※2017年7月30日(日)に中川五郎さんが和歌山県新宮市で歌います(くまの平和の風コンサート2017)。

「共謀罪」法案の参議院採決は違法だ(付・日弁連、市民連合、日本ペンクラブなどによる抗議声明)

 今晩(2017年6月15日)配信した「メルマガ金原No.2844」を転載します。

「共謀罪」法案の参議院採決は違法だ(付・日弁連、市民連合、日本ペンクラブなどによる抗議声明)

(共謀罪シリーズ第33回~しつこく続けます)

 2017年6月15日(木)午前7時46分、共謀罪法案(組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案)が参議院本会議で可決され、成立しました。
 もっとも、委員会採決を省略する「中間報告」の動議を採決した上での本会議での採決自体が「違法」ではないのか、という意見が有力に主張されているようです。
 今回の委員会採決省略の根拠は、国会法の以下の規定です。

国会法(昭和二十二年四月三十日法律第七十九号)
第五十六条の三 各議院は、委員会の審査中の案件について特に必要があるときは、中間報告を求めることができる。
2 前項の中間報告があつた案件について、議院が特に緊急を要すると認めたときは、委員会の審査に期限を附け又は議院の会議において審議することができる。
3 委員会の審査に期限を附けた場合、その期間内に審査を終らなかつたときは、議院の会議においてこれを審議するものとする。但し、議院は、委員会の要求により、審査期間を延長することができる。

 1項により、中間報告を求めることができるのは、「特に必要があるとき」でなければならないとされている上に、2項により、「議院の会議において審議する」(本会議で採決する)ためには、「議院が特に緊急を要すると認め」る必要があります。
 その必要性や緊急性はどのように説明されたのでしょうか?
 そもそも、過去、この中間報告というのは、どのような場合に利用されてきたかについてのマスコミの報道を読んでおきましょう。

毎日新聞 2017年6月15日 07時50分(最終更新 6月15日 09時18分)
共謀罪 賛成多数で成立 午前7時46分決着

(抜粋引用開始)
 中間報告は2009年の改正臓器移植法以来。与野党対決法案では、第1次安倍政権下の07年に改正国家公務員法で行われて以来10年ぶり。野党議員の委員長が採決に応じない場合に行うのが通例で、与党議員(公明)が委員長を務める現在の法務委での中間報告は極めて異例だ。23日告示の東京都議選を重視する公明党は委員会採決時の混乱を懸念しており、採決を省略する中間報告を容認した。
(引用終わり)

時事ドットコム

(引用開始)
 中間報告 委員会での採決を省略して、本会議で採決を行う場合に用いられる手法。国会法56条の3は「各議院は、委員会の審査中の案件について特に必要があるときは、中間報告を求めることができる」と定めている。
 通常、野党側が委員長ポストを占め、採決したい与党側の要求に応じない場合に用いられることが多く、与党(公明党)が委員長を務める今回のようなケースは異例。過去に衆院では4例、参院では18例ある。最近では、2009年の臓器移植法改正案に対して実施された。(2017/06/14-17:03)
(引用終わり)

 直近に「中間報告」で委員会採決が省略された臓器移植法改正案については、ほとんどの政党が党議拘束を外していましたから、委員会採決をする意味がないということで一致を見たという特殊な案件ですが、それ以外は、野党が委員長を占める委員会での審議を与党が促進したい場合に、必要性・緊急性があるとして利用されてきた制度です。そのような立法趣旨は、国会法第56条の3の規定をじっくり読み込めば、自ずから理解できるでしょう。
 そして、よくよくこの条文を読んだ上で、昨晩から今朝にかけての騒動を振り返った時、どこに必要性や緊急性があると思えます?
 まだ会期末(18日)まで何日か残していましたし、与党が衆参両院で多数を占めているのですから、会期延長を行うことも容易でした。14日の段階で、委員会採決を省略して本会議で採決しなければならないような「特に緊急を要する」事情とは何でしょうか?安倍政権が加計学園問題での追及を免れたかったとか、公明党が委員長を務める委員会で強行採決をして、都議選に悪影響を与えたくないというような思惑が取り沙汰されていますが、当然そんなことは、国会法上の「緊急を要する」事情と認められるはずがありません。
 Facebookへの「友達限定」投稿なので、実名引用は控えますが、R大学のI先生は、「必要性や緊急性は、客観的に評価すべきであって、議会内多数派が何の基準もなく認めていいはずがない。」とコメントされており、全く同感です。 

 もしも、政権交代を実現して「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律」の「再改正」が実現する前に、不幸にして、共謀罪で検挙された被疑者・被告人を弁護する立場になった弁護士は、今回の「改正」が無効である論拠として、国会法第56条の3の要件欠缺(けんけつ)を主張するのを忘れないようにしましょう。もっとも、日本の裁判所にこの主張を受け入れさせるのは至難の業という気はしますが。

 最後に、目に付いた抗議声明をいくつか引用しておきます。

【日本弁護士連合会】
いわゆる共謀罪の創設を含む改正組織的犯罪処罰法の成立に関する会長声明
(引用開始)
 本日、いわゆる共謀罪の創設を含む組織的犯罪処罰法改正案(以下「本法案」という。)について、参議院本会議において、参議院法務委員会の中間報告がなされた上で、同委員会の採決が省略されるという異例な手続により、本会議の採決が行われ、成立した。
 当連合会は、本法案が、市民の人権や自由を広く侵害するおそれが強いものとして、これまで本法案の制定には一貫して反対してきた。また、本法案に対しては、国連人権理事会特別報告者であるジョセフ・カナタチ氏が懸念を表明する書簡を発出するという経緯も存した。
 本国会における政府の説明にもかかわらず、例えば、①一般市民が捜査の対象になり得るのではないか、②「組織的犯罪集団」に「一変」したといえる基準が不明確ではないか、③計画段階の犯罪の成否を見極めるために、メールやLINE等を対象とする捜査が必要になり、通信傍受の拡大など監視社会を招来しかねないのではないか、などの様々な懸念は払拭されていないと言わざるを得ない。また、277にも上る対象犯罪の妥当性や更なる見直しの要否についても、十分な審議が行われたとは言い難い。
 本法案は、我が国の刑事法の体系や基本原則を根本的に変更するという重大な内容であり、また、報道機関の世論調査において、政府の説明が不十分であり、今国会での成立に反対であるとの意見が多数存していた。にもかかわらず、衆議院法務委員会において採決が強行され、また、参議院においては上記のとおり異例な手続を経て、成立に至ったことは極めて遺憾である。
 当連合会は、本法律が恣意的に運用されることがないように注視し、全国の弁護士会及び弁護士会連合会とともに、今後、成立した法律の廃止に向けた取組を行う所存である。
              2017年(平成29年)6月15日
                           日本弁護士連合会      
                           会長 中本 和洋
(引用終わり)

【市民連合】
安倍晋三政権による議会制民主主義の破壊に対する抗議声明
(引用開始)
 2017年6月15日、安倍晋三政権及び自民、公明、維新の会の3党は、共謀罪法案を参議院において委員会採決を省略する中間報告によって、強行可決、成立させました。これは、議会制民主主義と法の支配を破壊する暴挙であり、市民連合は強く抗議します。
 2017年の通常国会が始まって以来、安倍政権による国家の私物化と、法の支配から前近代的な人の支配への逆行が明らかとなっています。政治・行政における公私の区別が消滅し、国有地が森友学園にただ同然で譲渡されたり、獣医学部開設において加計学園に特別な便宜が図られたりしたことは、国家の私物化の現れというほかありません。また、政策決定にかかわる幹部公務員が、法に従うのではなく、権力者の意向を慮って行動し、公文書を廃棄して政府の腐敗を隠蔽するに至りました。政府内部における規律は失われ、安倍首相は専制君主のごとく、ほしいままに権力を行使しているのです。
 国家の私物化は、市民社会に対しても牙をむいています。共謀罪は、何が犯罪になるかを明確に規定しておらず、近代刑法の基本原理である罪刑法定主義を破壊するものです。この法律は、行政に大きな裁量を与え、政府に反対する市民をほしいままに抑圧することを可能にしてしまいかねません。
 さらに、安倍政権による国家の私物化は、議会制民主主義の軽侮という形でも表れています。共謀罪の問題点や森友学園、加計学園の疑惑に関して立憲4党の議員が真摯な追及を行ったにもかかわらず、政府は一貫して誠実な答弁を拒否してきました。安倍首相の立憲4党に対する不遜極まりない態度は、日本の議会政治に汚点を残すものです。安倍政権は、国会という公的空間における討議を徹底的に馬鹿にし、民主主義を冷笑するかのようにふるまっています。
 共謀罪の参議院の採決の際に用いられた中間報告という手続きは、例外規定です。会期を延長すれば委員会審議を続けることが可能であったにもかかわらず、委員会採決を省略したことは、国会審議の意義を否定する行為です。例外規定を濫用し、緊急事態を日常化させることは、全体主義の常套手段であり、安倍政治はその入り口に立っているといわざるをえません。
 権力分立も議会制民主主義も踏みにじる安倍政治を止めるのは、国民自身の意思表示だけであり、とりわけ次の国政選挙における民意の表出が重要です。我々市民連合は、立憲4党及び危機感を同じくする全国の市民とともに、安倍政権の退陣に向けてさらに戦い抜くことを宣言します。
2017年6月15日
安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合
(引用終わり)

【日本ペンクラブ】
声明「共謀罪強行採決に抗議する」
(引用開始)
 国内外の専門家、表現者、市民から、多くの意見が表明されるなか、国会において十分な審議が尽くされないばかりか、多くの疑問をのこしたまま、思想・表現の自由に重大な悪影響を及ぼすいわゆる「共謀罪」が強行的に採決されたことを深く憂えるとともに、強い怒りを禁じえない。
 今回の衆参両院における法案審議と採決にいたる過程は、民主主義のルールを無視し国民を愚弄したものであり、将来に大きな禍根をのこす暴挙である。
 われわれは法案審議のやり直しを強く求める。
                   2017年6月15日
                   日本ペンクラブ会長 浅田次郎
(引用終わり)

【日本新聞労働組合連合(新聞労連)】
共謀罪と同質のテロ等準備罪成立に抗議し、廃止を求める声明
(引用開始)
2017年6月15日
日本新聞労働組合連合
中央執行委員長 小林基秀
 政府が今国会に提出した「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案が成立した。新聞労連はこれまで、過去3度にわたり廃案となった「共謀罪」と骨格が同じである点を問題視し、捜査機関によって人々の生活が広範囲に監視され、表現や思想の自由を侵害される恐れや、それに伴って、もの言えぬ社会が到来する危険性を指摘してきた。こうした懸念に対して政府与党は誠実に向き合わず、しかも参院法務委員会での審議を打ち切って本会議で直接採決する「中間報告」を強行した。議会制民主主義を自己否定するような乱暴なやり方であり、政府与党に強く抗議する。
 国会審議で浮き彫りとなったのは、捜査機関の判断次第で対象がいくらでも広がる法律の問題点だ。テロ等準備罪の適用対象となる「組織的犯罪集団」かどうかを判断するのは警察や検察であり、その判断の適切性がどう担保されるのかは依然不明確だ。構成要件とされる「準備行為」についても、何を根拠とするのか曖昧で、当局の解釈にゆだねられている。計画を合意したとみなす材料をどのようにして入手するのかも明らかになっていない。問題点が多く残る中、政府の「一般市民は対象にならない」という説明は破綻している。私たち市民の電話の盗聴や電子メールの収集などが広範囲に行われる恐れは拭いきれない。
 国連人権理事会でプライバシーの権利を担当する特別報告者ジョセフ・ケナタッチ氏が5月、安倍晋三首相に送った書簡で、この法案は「プライバシーや表現の自由を過度に制約する恐れ」「テロや組織犯罪と関係ない犯罪にも適用される恐れ」を指摘したのに、政府は真正面から受け止めることなくケナタッチ氏への非難に終始した対応も問題が大きい。
 テロ等準備罪法が成立した今、私たちは捜査機関が同法をどう運用していくのか、裁判所はチェック機能を果たしているのかを丹念に調べ、追及し、市民の知る権利に応えていく。また、同法が抱える問題点を引き続き伝え、廃止を粘り強く訴えていく。萎縮せず、自由で開かれた社会の実現に向けて市民や読者とともに歩んでいく。
                                     以上
(引用終わり)
(引用開始)
2017年06月15日
日本労働組合総連合会
事務局長 逢見 直人
 本日、参議院本会議においていわゆる「共謀罪」を盛り込んだ「改正組織犯罪処罰法」が賛成165票(自民、公明、維新など)、反対70票(民進、自由、共産など)の賛成多数で可決・成立した。参議院において与党は、多くの国民の反対や不安の声を黙殺し、法務委員会での審議を衆議院の3分の2にも満たない17時間あまりで打ち切ったばかりか、委員会採決を経ることなく、本会議において「中間報告」を求めた上で強行採決を行った。国民生活への影響が極めて大きい法改正にもかかわらず、「良識の府」たる参議院において、こうした国会運営が行われたことは、与党による国会法の濫用に他ならず、国会審議を蔑ろにする暴挙として、強く抗議する。
 本法の成立により、現実に着手する手前で処罰することができる、いわゆる「共謀罪」が277もの広範な犯罪に適用され、捜査機関の権限が大幅に拡大することになる。一般の国民や労働組合を含む正当な活動を行っている団体が、不当な監視や捜査の対象とされるのかについては、衆参両院の国会審議における政府答弁は一貫性を欠いており、極めて不透明である。また、本法に盛り込まれた自首減免規定によって、えん罪などの人権侵害が起こりうる懸念も残っている。
 連合は、これまで、テロ対策強化や、国際組織犯罪防止条約(TOC条約)の締結の必要性とともに「共謀罪」の問題点を指摘し、今国会に上程された、欠陥を抱えたままの法案を取り下げるよう求めてきた。また、構成組織や地方連合会と連携する中、院内集会を開催するとともに、全国各地の街頭において「共謀罪」が持つ本質的な問題について訴え、世論喚起に向けた運動を展開してきた。
 連合は、今後、捜査機関等による恣意的な運用により、一般の国民や組織・団体が不当に監視や捜査の対象となることがないよう、厳格な歯止めを求めていく。加えて、健全な議会制民主主義を取り戻すべく、二大政党的体制の実現を求める中で、一方の受け皿の核となるべき民進党に対しては、連合・構成組織・地方連合会が一致団結し、全力で支援していく。
                                   以 上
(引用終わり)


(弁護士・金原徹雄のブログから/共謀罪シリーズ)
2017年2月6日
レファレンス掲載論文「共謀罪をめぐる議論」(2016年9月号)を読む
2017年2月7日
日弁連パンフレット「合意したら犯罪?合意だけで処罰?―日弁連は共謀罪に反対します!!―」(五訂版2015年9月)を読む
2017年2月8日
「共謀罪法案の提出に反対する刑事法研究者の声明」(2017年2月1日)を読む
2017年2月10日
海渡雄一弁護士with福島みずほ議員による新春(1/8)共謀罪レクチャーを視聴する
2017年2月21日
共謀罪をめぐる最新ニュース、動画、声明のご紹介
2017年2月23日
日本弁護士連合会「いわゆる共謀罪を創設する法案を国会に上程することに反対する意見書」(2017年2月17日)を読む
2017年2月24日
「安倍政権の横暴を許すな!」連続企画@和歌山市のご案内~3/3共謀罪学習会&3/25映画『高江―森が泣いている 2』上映と講演
2017年2月28日
共謀罪をめぐる最新ニュース、動画、声明のご紹介vol.3
2017年3月1日
ついに姿をあらわした共謀罪法案(組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案)
2017年3月3日
「共謀罪」阻止の闘いは“総がかり”の枠組みで~全国でも和歌山でも
2017年3月4日
共謀罪をめぐる最新ニュース、動画、声明のご紹介vol.4

2017年3月6日
共謀罪に反対するのも“弁護士”、賛成するのも“弁護士”
2017年3月8日
共謀罪をめぐる最新ニュース、動画、声明のご紹介vol.5~「テロリズム集団その他」のまやかし

2017年3月9日
3月9日、和歌山で共謀罪に反対する街頭宣伝スタート~総がかり行動実行委員会の呼びかけで
2017年3月17日
共謀罪をめぐる最新ニュース、動画、声明のご紹介vol.6~立憲デモクラシーの会が声明を出しました
2017年3月21日
閣議決定された「共謀罪」法案~闘うための基礎資料を集めました
2017年3月31日
2017年4月7日
2017年4月14日
共謀罪をめぐる最新ニュース、動画、声明のご紹介vol.9~民科法律部会の声明を読む
2017年4月18日
声明「許せない「共謀罪」」~「「大逆事件」の犠牲者を顕彰する会」が引き継ぐ「志」
2017年4月26日
緊急開催!和歌山弁護士会「共謀罪法案(テロ等準備罪)を考える県民集会」(5/10@プラザホープ)
2017年4月27日
高山佳奈子京都大学大学院教授による共謀罪法案についての参考人意見陳述(2017年4月25日・衆議院法務委員会)を読む

2017年5月9日
「共謀罪」阻止のために~5/9WAASA学習会で話したこと、6/11くまの平和ネットワーク講演会で話すべきこと

2017年5月17日
「共謀罪」をめぐる5月16日の動きを動画で振り返る~衆議院法務委員会参考人質疑、日比谷野音大集会、立憲デモクラシーの会シンポ

2017年5月20日
闘いはこれからだ~5/19「安倍政治を終わらせよう5.19院内集会」&5/20「安倍政権に反対する和歌山デモ」
2017年5月22日
「共謀罪」法案の衆議院における修正案(可決)を読む
2017年6月6日
予告・「共謀罪」って何?こんなにある問題点!(講師:金原徹雄弁護士)@新宮市(6/11)と真宗大谷派による共謀罪法案反対声明(5/18)
2017年6月7日
国際ペン会長声明「共謀罪は日本の表現の自由とプライバシーの権利を侵害する」&加藤健次弁護士による現状分析
2017年6月10日
2017年6月11日 

(付録)
『五月のゼッケン』 作詞:松原洋一 作曲:井上高志 演奏:松原洋一&井上高志

井上高志さんのブログ(2015年5月12日)から
「今回の歌は、5月15日が近いので、わがらーずの松原洋一さん作詞の「5月のゼッケン」という歌です。1972年5月15日は、沖縄が日本に返還された日です。その日、若き松原青年は、「沖縄の心が泣いている」というゼッケンをつけて、アメリカ軍基地が残されたままの返還反対という意思を表明しながら、一人、大阪で、通勤電車に揺れておられました。あれから43年たったけれど、アメリカ軍の基地は未だ沖縄に集中し、沖縄の人々の民意は無視され、民主主義の崩壊という事態が進行しています。あの日の松原青年のようにわたしたちひとりひとりに何ができるのか、今、問われています。この歌は、松原さんの書いた詩に、私が曲をつけさせてもらいました。上の映像は2014年、11月1日・大阪天六「音太小屋・井上高志ライブ」より、ゲストに出てくださった松原さんと私の競演の模様です。」

大田昌秀元沖縄県知事追悼放送~ETV特集『本土に問う~普天間移設問題の根底~』(初回放送2010年4月25日)

 今晩(2017年6月14日)配信した「メルマガ金原No.2843」を転載します。

大田昌秀元沖縄県知事追悼放送~ETV特集『本土に問う~普天間移設問題の根底~』(初回放送2010年4月25日)

 法務委員会での採決を省略し、「中間報告」だけで共謀罪法案(組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案)の参議院本会議での強行採決を図るという与党及びそれに同調する政党の方針に対し、立憲野党が最後の抵抗を試みる状況を参議院インターネット審議中継で見ています。
 別の抵抗の方法もあったのではないかと思わないではありませんが、とりあえず反対のために頑張る真の野党にエールを送りましょう。

 参議院インターネット審議中継を最後まで見ていては、おそらく今晩中にメルマガ(ブログ)を配信で
きないと思いますので、今晩は可能な限り手短に書ける素材で、しかも重要なお知らせをしたいと思います。
 それは、6月12日に亡くなられた大田昌秀元沖縄県知事を追悼して、ETV特集が以下の番組を再放送するというニュースです。
 
NHK・Eテレ
2017年6月17日(土)午前1時50分~3時20分(金曜深夜)
ETV特集『本土に問う~普天間移設問題の根底~』

「6月12日に亡くなった元沖縄県知事・大田昌秀さんをしのんで、過去に放送したETV特集を放送します。
沖縄・普天間基地の移設先問題。この問題は、これまでどのような変遷をたどってきたのか?当事者たちは基地問題にどのように向き合ってきたのか?元沖縄県知事として基地返還問題と向き合ってきた大田昌秀氏と元沖縄担当首相補佐官・岡本行夫氏、元沖縄県知事・稲嶺恵一氏との対話などを通じて、沖縄の基地問題を考えていく。」

 調べてみると、この番組は、2010年4月25日に放送されていました。
 この放送日のわずか9日後の5月4日、普天間基地の「最低でも県外移設」を主張していたはずの鳩山由紀夫首相(民主党)が、「学べば学ぶにつけて、海兵隊の役割を考えた時にそれがすべて連携していると、そのなかで抑止力が維持できる」として、県外移設を断念することとなったのでした(※参考動画)。
 それから7年余り、普天間や辺野古をめぐる状況は、私たちの目からは「悪化の一途」をたどっているとしか見えませんが、ここで7年前の大田昌秀元知事の発言を振り返ることには、大きな意義があるのではと思います。視聴をお薦めします。
 

(付録)
『名護んちゅ肝心(チムグクル)』 作詞・作曲・演奏:松原洋一

1.ジュゴンの泳ぐこの海に
  命どぅ宝の在り処見る
  金と脅しに屈しない
  名護んちゅ清しゃ 肝心(チムグクル)

2.デイゴの花咲くこの丘で
  平安願う祈り聴く
  新たな基地は作らせぬ
  名護んちゅ清しゃ 肝心(チムグクル)

3.オジイオバアのテント小屋
  未来を手渡すカギがある
  朝まで踊ろうカチャーシー
  名護んちゅ清しゃ 肝心(チムグクル)

4.嫌なものみんな押し付けて
  米軍は必要とすまし顔
  さてさて本土(ヤマト)はどないする?
  名護んちゅ清しゃ 肝心(チムグクル)
  名護んちゅ清しゃ 肝心(チムグクル)

小沢一郎自由党代表による講演動画(6/10和歌山市)を視聴する

 今晩(2017年6月13日)配信した「メルマガ金原No.2842」を転載します。

小沢一郎自由党代表による講演動画(6/10和歌山市)を視聴する

 和歌山弁護士会では、去る5月10日(水)、「共謀罪法案(テロ等準備罪)を考える県民集会」を緊急開催しました。私自身は、企画には関わったものの、当日は弁護士会の別会議をどうしても外せず、集会自体に参加することができませんでした。
 上記集会第2部のパネルディスカッションには、共同通信社和歌山支局長にもご登壇いただきましたが、それ以外は(基調報告をお願いした山下幸夫日弁連共謀罪法案対策本部事務局長を含め)全員弁護士であり、参加された方は、弁護士の中にも様々な意見があるものだと思われたことでしょう。

 そして、今日(6月13日)の午前中に参議院法務委員会で参考人質疑が行われたのに引き続き、午後にも強行採決か?という観測が流れる中(参議院インターネット審議中継で確認したところ、「参議院法務委員会は、休憩のまま散会になりました」とありました)、和歌山弁護士会では常議員会が開かれ、京都大学の高山佳奈子教授(正しくは「髙山」らしいですね)を招いた市民集会「あらためて、いわゆる共謀罪(テロ等準備罪)法案がもたらす社会を考える(仮称)」を開催するという執行部提案が審議され、無事(?)承認されました。説明員として出席していた私もやれやれですが、国会における審議状況をにらみながら、これから短期間でチラシの作成や広報に努めなければなりません。しかも審議状況とチラシの校了のタイミングの兼ね合いがとても難しいことはご想像いただけると思います。内容が確定次第、詳報をお伝えします。

 さて、今日は、去る6月10日(土)に和歌山市(ルミエール華月殿6階)で開催された小沢一郎自由党代表による講演というか演説というか、その動画をご紹介します(※予告記事/小沢一郎自由党代表講演会@6/10和歌山市(ルミエール華月殿)のご案内/2017年5月11日)。
 この講演は、自由党和歌山県総支部連合会の結成大会の開催に合わせて実現したものであり、講演に先立ち、民進党、日本共産党、社民党、市民連合わかやま、自由党大阪府連からの挨拶が行われています。
 それから、冒頭に三木久美夫さんによる素晴らしい津軽三味線の演奏が聴けますので、お聴き逃しのありませんように。
 なお、小沢代表の講演の中では、新自由主義批判や北朝鮮・中国情勢についての分析も興味深いものの、53分以降の部分に是非注目してください。老練な政治家ならではの卓見が聴けますよ。今こそ4野党が力を合わせて小沢さんの気概を共有して欲しいものです。

自由党和歌山県連合発足と小沢一郎代表を招いて20170610(1時間21分)

冒頭~ 司会 花田惠子氏
2分~ 津軽三味線演奏 三木久美夫氏
5分~ 内海洋一氏(自由党和歌山県総支部連合会代表)
11分~ 岸本周平氏(民進党和歌山県総支部連合会代表、衆議院議員)
13分~ 下門力氏(日本共産党和歌山県委員会委員長)
16分~ 服部良一氏(社会民主党近畿ブロック大阪府連代表、元衆議院議員)
20分~ 豊田泰史氏(市民連合わかやま共同代表、弁護士)
23分~ 渡辺喜彦氏(自由党大阪府総支部連合会代表、元衆議院議員)
26分~ 司会 メッセージ紹介(山本太郎氏、森ゆうこ氏) ※朗読は山本氏のみ
28分~ 記念撮影(岸本周平氏は退席済み)
29分~1時間20分 講演 小沢一郎氏(自由党代表)
[一部文字起こし]
(53分~)
(加計学園問題での権力の私物化を批判した後)「公私混同、権力の濫用をはるかに超えている。とんでもない権力の私物化であります。普通ならば、もはや内閣総辞職です。とうに総辞職になっていてもおかしくないんですけれども、そこがですね、今日の日本の政治の不甲斐ないところでありまして、私も非常に大きな責任を感じておりますけども。安保の時もそうでありました。また、今度の共謀罪でも、もはや参議院では、事実上審議日程が決まっていると、なんで決まってるんだ、おかしいじゃないかと誰もが思うんですけども、そこがおかしなことに、もう何日に採決だとかいうことが公然とささやかれているというのが今日の政治状態なんですね。私ども自由党は、野党の共闘の中でも、こんなばかなことを許していいのか、断固反対し、国会の中で多少跳ね上がった行為であったとしても、国民のために、国のために良くないというものであるならば、断固として反対すべきだ、必ず国民は分かってくれる。私どもは、そう主張を致しているんですけども、なかなか4野党の合意が得られませんで、ずるずるずるずると国会は
何もなかったかのように進んでいるというのが現状であります。」(以下略)
(1時間19分~)
「そのためには、次の総選挙、さっきから言われておりますが、何が何でも勝利しなくちゃなりません。野党が本当に手を握って協力すれば、必ず選挙勝てるんですよ。だけど、今のような程度の協力では勝てません。参議院選挙、先ほどお話もありました、32のうち、11か、勝ちました、1人区ね。だけども、敵に3分の2の議席取られてるんですよ。そうでしょう。私が民主党の代表の時は、1人区もっと多かったんですけども、自民党に渡したのは、この和歌山もうそうでしたけど、3つですよ。たった3つ、自民党に渡したのは。だから、本当に力を合わせて協力すればね、日本全国で、都市でも農村でも、必ずね、今の政権に対する不満と不安はね、渦巻いてますから。何としてもね、私はこの国民の気持ちをね、一つにして、そして皆さんのために政権交代を次の総選挙で実現する、そういう思いでおりますので、皆さんの力を今後ともよろしくお願いを申し上げまして、私のご挨拶と致します。ありがとうございました。(拍手)」

 なお、上記動画を提供されたIWJでも無償で全編が配信されています。

 上記2本は小谷英治さん撮影による動画ですが、「Alternative Webcast Kansai」による別動画も
YouTubeにアップされています。

自由党小沢一郎共同代表講演会(1時間21分)
 

4年目に入った「憲法の破壊を許さないランチTIMEデモ」&予告「第4回 くまの平和の風コンサート(中川五郎ライブ!)」(7/30)

 今晩(2017年6月12日)配信した「メルマガ金原No.2841」を転載します。

4年目に入った「憲法の破壊を許さないランチTIMEデモ」&予告「第4回 くまの平和の風コンサート(中川五郎ライブ!)」(7/30)

 本日(6月12日)、月に1回必ず実施している「憲法の破壊を許さないランチTIMEデモ」(呼びかけ:憲法9条を守る和歌山弁護士の会)の第36回目を行いました。
CIMG7162 3年前(2014年)の6月23日、「集団的自衛権の行使は憲法違反、絶対に認められない」という声を上げようと、それまでデモなど企画したこともなかった「憲法9条を守る和歌山弁護士の会」が主催団体となり、条例に基づく許可申請など初めての作業を何とかこなしながら(今や同会の森崎事務局長はデモ申請の大ベテランになりました)、様々な団体・個人の協力を得ながら、今日の3周年を迎えました。
 正直、第1回のデモに参加してくれた160人のうち、今でも参加し続けてくれている人は100人いるかどうかというところで、メンバーの固定化は否めません。それはそうなのですが、毎回都合がつく限り参加してくれる常連の皆さんがいればこそ、アピールを続けてくることができたということは特筆大書すべきだと思います。
CIMG7158 この3年の間に、いわゆる安保法制が制定・施行され、今また共謀罪法案の強行採決が間近か?と言われる一方で、森友学園、加計学園問題に象徴される政治の私物化が行くところまで行き着き、この国は一体どうなってしまったのかと思うほど、情勢は悪化の一途をたどっています。けれども、そのような状況であればこそ、私たちは立ち止まったり諦めたりする訳にはいきません。今後とも、市民の声を可視化するアピール行動を続けていきますので、ご参加よろしくお願いします。
 なお、本日の参加者は80人でした。「目標100人超!」には届きませんでしたが、梅雨の晴れ間の炎天下、多くの皆さまにご参加いただきました。昨日の「共謀罪」に反対するアピールパレード(スタート&ゴール:京橋プロムナード)に引き続き連日のデモという方もかなりおられたようです。ありがとうございました。
 次回(第37回)は、7月10日(月)、和歌山大空襲の翌日です。いつものように正午に和歌山市役所前に集合、12時20分にスタートして京橋プロムナードまで約15分の行程です。お誘い合わせの上、是非ご参加ください。

 以上が、和歌山市での「継続は力なり」の一例ですが、「憲法の破壊を許さないランチTIMEデモ」の第1回が実施された2014年6月23日から1か月も経っていない同年7月13日(日)、くまの・新宮地方の平和を願うアマチュアグループが中心となり、第1回「「戦争」まいしょ~れ!くまの平和の風コンサート」が、新宮市福祉センター(昨日私が講演させていただいた会場)で開催されました。
 こちらも、「継続は力なり」で、毎年7月に開催し続け、これまでのアマチュアだけのコンサートであったものが、今年の第4回に至り、ついにプロのミュージシャンをゲストに招くことになりました。そのゲストというのが、私も大ファンであるベテラン・フォークシンガーの中川五郎さんです。ボブ・ディランのノーベル文学賞受賞により、ディランの楽曲の日本語訳を手掛けていた中川さんの仕事も、見直されるきっかけとなったらいいなと思いましたが、『ボブ・ディラン全詩集』(ソフトバンククリエイティブ)は一向に再刊されそうな気配がないですね。

 ということで、今年の「くまの平和の風コンサート」は、第1部が「地元ミュージシャンによる歌と寸劇」、第2部が「中川五郎ライブ!」ということで、実に楽しみですね。
DSCN1636 昨日、くまの平和ネットワーク主催の講演会が始まる前、コンサートの企画に関わっておられる4人の皆さんが、ボブ・ディラン作、中川五郎訳詞による『風に吹かれ続けている(風に吹かれて)』を歌われたということは、昨日のメルマガ(ブログ)でご紹介したとおりです。
 また、講演終了後、くまの平和ネットワークの事務局の皆さんと懇談した終わり際、松原洋一さん(紀宝9条の会、アマチュア・フォークグループ「わがらーず」)から、「くまの平和の風コンサート」第1部「寸劇 共謀罪はNG すき間から覗くのだあ~れだ?」の(第何稿かの)台本をいただき、「気がついた点があれば指摘してください」というご依頼でした。帰りの電車の中で読ませていただき、なかなかよく考えられていると感心しましたが、帰宅してパソコンを立ち上げてみると、松原さんからメールが届いており、その後、スタッフが集まって台本の修正を行ったということでした。
 実際、7月30日の本番まで、事態がどう進展するかによって、台本も次々と書き直していかざるを得ないでしょう。本番をお楽しみに、ということですね。

 松原洋一さんからは、「是非聴きに来てください」とお誘いいただいており、新宮に駆け付けたいのはやまやまながら、その日、和歌山市では第1回の「こどもピースフェスタ」が開かれるし(和歌山ビッグ愛)、噂によると、その隣のプラザホープでは、「平和のための戦争展わかやま2017」が開かれるとか。実に困った状況です。
 私が行けるかどうかはともかくとして、くまの・新宮地方の皆様、これは参加して絶対に損はありません。協力券1,500円というのはバーゲンプライスですよ。是非とも参加されますように。
 以下に、チラシ記載情報を転記します。

チラシから引用開始)
第4回 くまの平和の風コンサート2017
自由がええわだ。戦争まいしょーれ。

★「憲法違反」の戦争法(安保法制)に反対のメッセージを、と始まったこのコンサートも早くも4年目。今回は初めてプロのフォークシンガーをお招きし、さまざまな平和の集いで演奏活動を繰り広げている中川五郎さんのライブを企画しました。
★そして昨年好評(?)だったミニ寸劇を交えた地元アマチュア・ミュージシャンの歌と演奏もあります。今年のテーマは「共謀罪」(テロ等準備罪)。市民運動や表現の自由、人権が違法に監視され、萎縮につながる風通しの悪い社会にならないか、大変心配です。戦争の暗い時代につながるものは、まいしょーれ。暑さ真っ盛りですが、平和への思いを込め、ともに楽しみましょう!
 
第1部 地元ミュージシャンによる歌と寸劇
共謀罪はNG「すき間から覗くのだあ~れだ?」
出演の皆さん
 熊野四人衆
 わがらーず
 まぜっこスピリット
 やたがのシスターズ
 
第2部 反戦と人権、熱い心で―
ボブ・ディラン『風に吹かれて』などを訳し、フォークソング、歌い続けて50年!
中川五郎ライブ!
1949年大阪生まれ。翻訳家、音楽評論家としても著名。60年代後半、関西フォークキャンプなどで頭角を現し、高石友也の大ヒット『受験生ブルース』の作詞で有名。六文銭とのカップリングLPでデビュー。最新作は2枚組ライブ作『どうぞ裸になって下さい』。

2017年7月30日(日)開場13:30 開演:14:00
新宮市福祉センター
  和歌山県新宮市野田1番1号
協力券1,500円
運営費ねん出のためご協力をお願いします。
♡当日券は2,000円になります。
♡高校生以下は無料です。
*別途有志のカンパも大歓迎です。

主催/平和の風コーサーとの会
連絡先/井上080-5638-2363 阪口0735-30-4560 松原0735-21-6719 川端0735-55-0915 濵090-4080-6177
(引用終わり) 

(弁護士・金原徹雄のブログから/「ランチTIMEデモ」関連)
2014年6月2日
6/23「憲法の破壊を許さないランチTIMEデモ」(@和歌山市)をやります!
2014年7月9日
とにかく出来ることをやる 和歌山からの報告
2016年10月16日
まだまだやります!「憲法の破壊を許さないランチTIMEデモ」

(弁護士・金原徹雄のブログから/「くまの平和の風コンサート」関連)
2014年7月2日
7/13くまの平和の風コンサート(新宮市)&松元ヒロ・ソロライブ(和歌山市)
2014年7月19日
“くまの”からの便り~7/13くまの平和の風コンサート~(新宮市)
2015年6月28日
7/12「くまの平和の風コンサート2015」(新宮市)開催~南も北も目的は一つ
2015年7月19日
「戦争法案まいしょーれ~くまの平和の風コンサート2015」報告~松原洋一さんからの便り
2016年6月10日
今年も届いた“くまのからの便り”~くまの平和ネットワーク講演会(6/26)&くまの平和の風コンサート2016(7/3)

(弁護士・金原徹雄のブログから/中川五郎さん関連)
2012年8月22日(2013年2月11日に再配信)
中川五郎さんの新しい“We Sall Oercome”=『大きな壁が崩れる』
2012年9月25日(2013年2月3日に再配信)
『一台のリヤカーが立ち向かう』~彼は3.11前から3.11後を歌っていた~
2015年1月2日
中川五郎さんは問いかける~“ああ どうすれば男の耳を傾けさせられるのか”
2016年4月28日
岡山弁護士会にエール!~小林節さん、中川五郎さん、制服向上委員会、安保法廃止パレードを全部一緒にやるそうです(5/7)
2016年5月8日
中川五郎さんの新曲“Sports for tomorrow”をじっくりと聴く


(付録)
『僕らは熊野(ここ)で歌ってゆく 笠木透さんに捧ぐ』 作詞・作曲・演奏:松原洋一
 
水平線に朝日が昇り 山の緑が動き出す
伝え切れない想いを胸に 今この時と弾けるように
 心豊かに 自由を語れ
 僕らは現在(いま)を 歌いたい
 あなたの歌を こころに留めて
 僕らは熊野(ここ)で 歌っていく

青い空に雲が往き 海と山とを繋いでいる
語り切れない言葉に替えて もう大丈夫と囁くように
 心静かに 平和を祈れ
 僕らは現在を 歌いたい
 あなたの歌を 胸に抱いて
 僕らは熊野で 歌っていく

山の連なり夕日に染まり 風が止んだ不思議な空間
納め切れない今日一日の 喜び哀しみ癒すように
 心解いて 自然と遊べ
 僕らは現在を 歌いたい
 あなたの歌を 思い出かさね
 僕らは熊野で 歌っていく

夜の静寂(しじま)に星が流れる 赤く輝く銀河の果てに
押さえ切れない見果てぬ夢を いつかこの手で届けよう
 心許して 友と歌え
 僕らは現在を 歌いたい
 あなたの歌を 希望に染めて
 僕らは熊野で 歌っていく

 心広げて未来はどっちだ 私は現在を歌いたい
 あなたの歌に 出会えて良かった
 私は熊野で 歌っていく
 あなたの歌に 出会えて良かった
 私は熊野で歌っていく

※非売品CD『僕らは熊野(ここ)で歌っていく 「帰ってきた新曲たち」LIVE from FOLKS』(松原洋一/2016年1月20日)ライナーノートより
「14年12月22日に亡くなった笠木さん。あなたのような曲を作りたいと思ってきましたが、まだまだです。天頂の星の上からどうぞ見守っていてくださいね。」
 
くまの平和の風コンサート2017 

講演会・「共謀罪」って何?こんなにある問題点!(6/11くまの平和ネットワーク)レジュメ紹介

 今晩(2017年6月11日)配信した「メルマガ金原No.2840」を転載します。

講演会・「共謀罪」って何?こんなにある問題点!(6/11くまの平和ネットワーク)レジュメ紹介

 本日(6月11日)午後1時半から、くまの平和ネットワークのお招きにより、新宮市福祉センターにおいて、「「共謀罪」って何?こんなにある問題点!」という演題でお話させていただきました。
 くまの平和ネットワーク主催の講演会にお招きいただくのはちょうど4年ぶりで、前回は2013年6月23日、所も同じ新宮市福祉センターで、「今なぜ、憲法を変えようとしているのか?~危ない!平和と私たちのくらし~」と題し、主に自民党日本国憲法改正草案(2012年)の危険性についてお話したのでした。

 本日のテーマは共謀罪、18日の会期末をにらみながら、来週中の採決を目指す自公両党及び日本維新の会と野党との攻防も最終盤を迎えており、私たちにも、成立阻止に向けた最後の頑張りが求められています。

 ところで、4年前の講演会の際には、和歌山市から車を運転して新宮入りしましたが、今回は特急「くろしお」で往復しました。寄る年波とは言いたくありませんが、どう考えても電車の方が楽ですからね。
DSCN1624 そして、1時半からの講演会に先立ち、念願の「佐藤春夫記念館」を見学できたのも嬉しいことでした。館長の辻本雄一先生直々にご案内いただくことができ、まことに有意義な時を過ごせました。辻本先生ありがとうございました。
 私に先立ち、私の中学時代の同級生である林浩平さん(恵泉女学園大学特任教授・詩人)が、昨年の夏に放送大学・特別講義「文人精神の系譜―与謝蕪村から吉増剛造まで―」取材のために「佐藤春夫記念館」を訪れ、辻本館長に大変お世話になったと聞いており、また、今年の5月1日に放送されたその特別講義を視聴したところ、与謝蕪村と吉増剛造をつなぐ近代の文人代表として佐藤春夫が大きく取り上げられていましたので、いよいよ今日の訪問を楽しみにしていたのです。
DSCN1627 なお、上記特別講義の内容については、ブログ「林浩平の《饒舌三昧》」に掲載された「5月1日(月)19時からの「放送大学」に出演します(吉増さんのコメント追加です)」という記事に詳しく書かれています。
 また、この特別講義「文人精神の系譜―与謝蕪村から吉増剛造まで―」は、今学期(平成29年度第1学期)中、あと2回、放送大学(BS231チャンネル)から放送されます(実は今日の20時からも放送されていたのですけどね)。 
  2017年7月22日(土)22:15~23:00
  2017年9月30日(土)13:45~14:30
 「佐藤春夫記念館」の詳細については、同館ホームページをご覧ください。新宮を訪れる機会があれば、是非立ち寄られることをお勧めします。
  
 会場となった新宮市福祉センターでは、講演会「「共謀罪」って何?こんなにある問題点!」開始に先立ち、来る7月30日(日)に同じ会場で開催される「第4回 くまの平和の風コンサート」の宣伝を兼ねて、有志による演奏が行われました。歌われたのは、ボブ・ディラン作、中川五郎訳詞による『風に吹かれ続けている(風に吹かれて)』でした。というのも、今年の「くまの平和の風コンサート」では、中川五郎ライブ!が行われるのです。うーん、聴きたい。しかし、和歌山市で「こどもピースフェスタ」があるし・・・困った。
 いずれにしても、近く、今年の「くまの平和の風コンサート」をメルマガ(ブログ)でご紹介します。

DSCN1638 さて、主催のくまの平和ネットワークと後援の「大逆事件」の犠牲者を顕彰する会の代表を兼ねる二河通夫先生による身の引き締まる開会のご挨拶に続き、質疑応答30分を含め、約2時間のお話をさせていただきました。講演の内容については、
以下にレジュメを転載することでご紹介に代えたいと思います。

 講演会終了後、開催のためにご尽力いただいた、くまの平和ネットワーク事務局(でしょうか?)の皆さんと、かなりの時間、近くのコーヒーハウスで懇談できたことも有意義でした。今回は、車ではなく電車で行ったたため、帰りの特急の発車まで2時間以上余裕があったから(それだけ本数が少ない)ということもあるのですが。

 今年の2月6日からこのメルマガ(ブログ)で始めた共謀罪シリーズの、これが第32
回となりますが、情勢がどう動こうとも、これが最終回とはならないことだけは間違いないでしょう。

2017年6月11日(日) 於:新宮市福祉センター
主催:くまの平和ネットワーク
後援:「大逆事件」の犠牲者を顕彰する会
 
      「共謀罪」って何?こんなにある問題点!

                                弁護士 金 原 徹 雄
  

1 現在(6月11日)国会(参議院)で審議されている法案について

(1)共謀罪前史
 2000年11月:国連組織犯罪防止条約(TOC条約) 採択
 2003年 3月:第1回 国会上程
 2004年 2月:第2回 国会上程
 2005年10月:第3回 国会上程
 2006年4月~6月:与野党修正案提出
 2006年 9月:第一次安倍晋三内閣成立
 2009年 7月:第3回法案が衆議院解散にともない廃案に
 2012年12月:第二次安倍晋三内閣成立

TOC条約関連条文
第2条(用語)
 この条約の適用上,
 (b) 「重大な犯罪」とは,長期4年以上の自由を剥奪する刑又はこれより重い刑を科することができる犯罪を構成する行為をいう。
第5条(組織的な犯罪集団への参加の犯罪化)
1 締約国は,故意に行われた次の行為を犯罪とするため,必要な立法その他の措置をとる。
(a) 次の一方又は双方の行為(犯罪行為の未遂又は既遂に係る犯罪とは別個の犯罪とする。)
(i) 金銭的利益その他の物質的利益を得ることに直接又は間接に関連する目的のため重大な犯罪を行うことを一又は二以上の者と合意することであって,国内法上求められるときは,その合意の参加者の一人による当該合意の内容を推進するための行為を伴い又は組織的な犯罪集団が関与するもの
(ii) 組織的な犯罪集団の目的及び一般的な犯罪活動又は特定の犯罪を行う意図を認識しながら,次の活動に積極的に参加する個人の行為
a 組織的な犯罪集団の犯罪活動
b組織的な犯罪集団のその他の活動(当該個人が,自己の参加が当該犯罪集団の目的の達成に寄与することを知っているときに限る。)
 
(2)今回の「共謀罪」法案(組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案)について
DSCN1648① 2017年2月28日、政府は、自民・公明両党に法案の内容を示した。この段階では、法案のどこにも「テロリズム」や「テロ」という用語は使用されていなかった。
② 「テロ」という用語が使われていないのはおかしいとの与党の指摘を受け、急遽、「組織的犯罪集団」の前に「テロリズム集団その他の」という例示を付加するという修正を行い、3月21日に閣議決定して衆議院に提出した。
③ 衆議院において、日本維新の会の賛成をとりつけるための修正合意に基づく修正を行った上で、5月19日に衆議院法務委員会で、同月23日に衆議院本会議で採決され、参議院に送られた。この修正は、日本維新の会の要請を与党が受け入れる形で、取り調べの可視化(録音・録画)やGPS(全地球測位システム)捜査の制度化の検討を附則に追加した他、共謀罪の構成要件を定める第6条の2(法案提出時には2項までしかなかった)に、3項と4項が追加されている。
 以下に、衆議院での修正後の(現在、参議院で審議されている)第6条の2を引用するが、当初与党に示した際にはなく、法案提出に際して追加された部分は赤色で表示し、衆議院の通過に際して修正(追加)された部分は青色で表示する。
 なお、構成要件をより良く理解するため、現行法の内、今回の改正の対象となっていない第1条及び第2条及び、改正法の別表の一部も併せて引用する。

組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(平成十一年八月十八日法律第百三十六号) ※第6条の2及び別表は審議中の「改正案」
(目的)
第一条 この法律は、組織的な犯罪が平穏かつ健全な社会生活を著しく害し、及び犯罪による収益がこの種の犯罪を助長するとともに、これを用いた事業活動への干渉が健全な経済活動に重大な悪影響を与えることにかんがみ、組織的に行われた殺人等の行為に対する処罰を強化し、犯罪による収益の隠匿及び収受並びにこれを用いた法人等の事業経営の支配を目的とする行為を処罰するとともに、犯罪による収益に係る没収及び追徴の特例等について定めることを目的とする。

(定義)
第二条 この法律において「団体」とは、共同の目的を有する多数人の継続的結合体であって、その目的又は意思を実現する行為の全部又は一部が組織(指揮命令に基づき、あらかじめ定められた任務の分担に従って構成員が一体として行動する人の結合体をいう。以下同じ。)により反復して行われるものをいう。
2~7 省略

テロリズム集団その他の組織的犯罪集団による実行準備行為を伴う重大犯罪遂行の計画)
第六条の二 次の各号に掲げる罪に当たる行為で、テロリズム集団その他の組織的犯罪集団(団体のうち、その結合関係の基礎としての共同の目的が別表第三に掲げる罪を実行することにあるものをいう。次項において同じ。)の団体の活動として、当該行為を実行するための組織により行われるものの遂行を二人以上で計画した者は、その計画をした者のいずれかによりその計画に基づき資金又は物品の手配、関係場所の下見その他の計画をした犯罪を実行するための準備行為が行われたときは、当該各号に定める刑に処する。ただし、実行に着手する前に自首した者は、その刑を減軽し、又は免除する。
一 別表第四に掲げる罪のうち、死刑又は無期若しくは長期十年を超える懲役若しくは禁錮の刑が定められているもの 五年以下の懲役又は禁錮
二 別表第四に掲げる罪のうち、長期四年以上十年以下の懲役又は禁錮の刑が定められているもの 二年以下の懲役又は禁錮
2 前項各号に掲げる罪に当たる行為で、テロリズム集団その他の組織的犯罪集団に不正権益を得させ、又はテロリズム集団その他の組織的犯罪集団の不正権益を維持し、若しくは拡大する目的で行われるものの遂行を二人以上で計画した者も、その計画をした者のいずれかによりその計画に基づき資金又は物品の手配、関係場所の下見その他の計画をした犯罪を実行するための準備行為が行われたときは、同項と同様とする。
3 別表第四に掲げる罪のうち告訴がなければ公訴を提起することができないものに係る前二項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
4 第一項及び第二項の罪に係る事件についての刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第百九十八条第一項の規定による取調べその他の捜査を行うに当たっては、その適正の確保に十分に配慮しなければならない。

別表第三(第六条の二関係) 略
別表第四(第六条の二関係)
一 別表第三に掲げる罪(次に掲げる罪を除く。) 略
二~六 略
 
(3)2回の「修正」で分かったこと
① 法案提出時にとってつけたように付加された「テロリズム集団その他の」という修飾句は、第6条の2の1箇条だけで4回も繰り返されている。立法技術的には「あり得ない!」。この条項を読むだけでも、今回の共謀罪が、テロ対策とは何の関係もないことは一目瞭然であるが、政権は、終始「嘘でもデマでも押し通す」作戦で来ており、我々としても、空しい消耗戦を強いられている。
② 衆議院で修正された項目の内、第6条の2に付加された3項と4項は見過ごされがちであるが、是非注目されたい。その内3項は、別表に掲載された277の犯罪の中には、親告罪(告訴がなければ公訴を提起することができないもの)も含まれているが、当初の法案では、既遂でさえ告訴がなければ起訴できない犯罪についても、それが共謀(計画)段階で摘発されれば、告訴がなくても起訴できることになっていたということに気付いた法務省が、「どう考えてもまずい」として潜り込ませた修正(追加)条項であろう。私自身、修正案を読んで初めてこの欠陥に気がついたので、あまり偉そうなことは言えないが、やはり一端白紙にして出直すしかない法案である。
③ もう1つ、第6条の2に追加された4項で引用されている「刑事訴訟法第百九十八条第一項の規定」というのは、「検察官、検察事務官又は司法警察職員は、犯罪の捜査をするについて必要があるときは、被疑者の出頭を求め、これを取り調べることができる。但し、被疑者は、逮捕又は勾留されている場合を除いては、出頭を拒み、又は出頭後、何時でも退去することができる。」というもので、要するに、捜査機関による取調べ権限の根拠規定であるが、そもそも、警察職員や検察官が犯罪捜査を行うにあたって、「適正の確保に十分に配慮しなければならない。」というのは、何も共謀罪に限ったことではなく、全ての犯罪捜査がそうでなければならないものである。にもかかわらず、ことさらこのような規定を追加したということは、立法者自身が、共謀罪については、「捜査が不適正に行われる恐れがある」ことを自認した規定としか解釈できず、衆議院における「修正」によって、いよいよとんでもない法案であることが明らかになったと言える。

2 共謀罪が出来たなら~最も重大な3つの問題点
(1)日本の刑事法体系が破壊される

①陰謀(共謀)→予備→未遂→既遂
 陰謀(共謀)罪は例外中の例外
 刑法77条「内乱の予備又は陰謀をした者は、一年以上十年以下の禁錮に処する。」
 他に、外患陰謀罪、私戦陰謀罪、爆発物取締罰則等 
 ところが、広汎な犯罪について共謀(計画)を罰することになると、未遂は処罰されないのにその前々段階の共謀(計画)は処罰されるというような犯罪が続出するという不合理な事態が現出する。
※例:横領罪(刑法252条/5年以下の懲役) 未遂処罰規定なし
DSCN1644②未遂罪との均衡がくずれる
 刑法43条「犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者は、その刑を減軽することができる。ただし、自己の意思により犯罪を中止したときは、その刑を減軽し、又は免除する。」
 実行に着手までしながら、自らの意思で中止した場合(中止未遂)には、必要的にその刑が減軽または免除されるのに、その前々段階の共謀(計画)を行ったものの、自らの意思で計画から離脱したとしても、抜け駆けで実行の着手前に自首しない限り、減軽・免除の利益を受けられない(共謀罪法案第6条の2第1項ただし書)という不均衡が生じる。  
③日本の刑事法体系の思想
 罰すべきは「意思」ではなく「行為」である。
 具体的な「法益侵害」またはその「具体的危険」が発生したことが刑罰権発動の根拠であるとする考え方が根本的に変容する。

(2)「捜査」のあり方が一変する
・共謀(計画)罪は、2人以上の者の意思の合致によって成立する。
・どうやって捜査するのか?盗聴(通信傍受)、おとり捜査が常態化する恐れがある。
・既に昨年、通信傍受法・刑事訴訟法が「改正」され、通信傍受できる対象犯罪が拡大されており(同年12月施行)、また、従来のように通信事業者の施設内でその立会いの下でやらねばならないという制約も撤廃されている(こちらはまだ施行されていないが)。共謀罪が成立すれば、これも盗聴(通信傍受)の対象とされる(その旨の通信傍受法の「改正」が行われる)可能性が極めて高い。

(3)人権が蔑ろにされる息苦しい社会となる
・犯罪構成要件が曖昧過ぎる。
・刑罰法令の人権保障機能が失われる。
・思想・良心の自由、表現の自由などの人権体系の根幹をなす優越的権利が危機に瀕する。
・現在よりも、一層の「監視社会化」が進んだ息苦しい社会が到来することは疑いない。法案(第6条の2第1項ただし書)による密告奨励の自首規定はそれを助長する。
 ⇒昨年の参院選、大分県警(別府署)が野党統一候補陣営を隠しカメラで盗撮していたことを想起せよ。

3 国連組織犯罪防止条約の批准に共謀罪は不要
・そもそも条約はマフィアなどの国際的組織犯罪集団の効果的な取り締まりのために締結された条約であってテロ対策は無関係。
・日本は全てのテロ対策条約(全部で13)を批准済み。
・国連組織犯罪防止条約を批准済みの187カ国のうち、批准のために新たに共謀罪を作ったのはノルウェーとブルガリアの2カ国のみと政府も答弁している。
・現行法のままで条約批准は可能。必要であれば留保宣言付きで批准すればよい。 
 海渡弁護士レジュメから引用
「越境組織犯罪条約については、日本政府は異常なほど律儀に条約の文言を墨守して、国内法化をしようとした。むしろ、一部の法務警察官僚は、批准を機に過去になかったような処罰範囲の拡大の好機ととらえた節がある。もしかすると、アメリカ政府との間で、アメリカ並みの共謀罪を作るという合意があったのかもしれない」

4 高山佳奈子京都大学大学院教授(刑事法)の衆議院での参考人質疑(4/25)から
(1)「五輪開催のためのテロ対策」などではない
・「単独犯のテロの計画」、「単発的な集団のテロ」が射程外。
・東京五輪開催決定(2013年秋)後に出された政府の犯罪対策計画でも、犯罪の準備段階で処罰する立法とテロ対策とはまったく別々の章に規定され、リンクして論じられたことはない。
・2014年改正「テロ資金提供処罰法」により、テロ目的による資金、土地、建物、物品、役務その他の利益の提供が包括的に処罰の対象となり、ほとんどのテロ目的の行為をカバーし、五輪のためのテロ対策は完了している。
・最近の最高裁判所の裁判例は、詐欺罪や建造物侵入罪の適用を非常に幅広く解釈している。例えば、通帳を他人に譲渡する目的で自分の名義の銀行口座を開設する行為が通帳を騙し取ったということで詐欺罪、また、飛行機に他人を搭乗させる目的で自分の買った搭乗券を受け取っても詐欺罪が成立するとされている。また、暴力団関係者が、暴力団ではないと偽って自分の預金口座を開設しても通帳を騙し取ったということで、通帳に対する詐欺罪が成立している。さらに、他人の暗証番号を盗撮する目的で、誰でも入れるATMコーナーに立ち入った行為、これが建造物侵入罪の既遂として処罰されている。というように、違法な目的をもって何かを入手したり、ある場所に入る行為が、かなり広い範囲で処罰の対象になっており、テロ対策としても日本は諸外国と比べても広い処罰範囲をすでに有している。

(2)国連組織犯罪防止条約(TOC条約)批准のために共謀罪は必要ない

・条約の全体を見れば、各国は組織犯罪対策として、国内法の基本原則に適合するように対処することを求めているのであり、憲法の範囲で対処すればよい。
・日本には明治以来の組織犯罪対策の伝統である「共謀共同正犯」という確立された判例があるが、実行準備行為のところがより限定的で、実質的な危険のある行為でなければならないとされているので、アメリカが(一部の州に共謀罪規定がないことを理由に)留保できるのであれば、日本も留保した上で批准できるはずである。
・日本は、海賊行為の普遍的な処罰を求めている「国連海洋法条約」を1996年に批准したが、国内の対応法である「海賊行為対処法」を制定したのは10年以上後の2009年だった。
・第一次安倍政権下の2007年に「国際刑事裁判所規程」に日本が参加したときにも、国際刑事裁判所規程の中には犯罪の定義が非常に細かく広範囲にわたって規定されていたが、これに対応する国内法の処罰範囲の拡張という改正は一切行っていない。
・国際協力の範囲を他国に合わせるために今般の法案の可決が必要と言われることもあるが、日本の現行法の処罰はすでに他国よりも広範なケースが多い。例えば共謀罪のある国でも、抽象的危険犯や予備罪などの処罰が日本のように広く行われていない国もある。また、結集罪参加型の立法を行っている国で、そもそも団体の結成の当初からの目的が犯罪でなければならないと限定している国、あるいは予備罪処罰がそもそもないといった国では、処罰の対象は大幅に限定されている。
・国連が2004年に公表した「各国のための参考資料としての立法ガイド」の監修に当たったアメリカ・ノースイースタン大学のニコス・パスタス教授から聞いたところでも、「条約への参加の仕方はいろいろあるので、まずその条約を締結して、その後で国内法についてより改善していくというやり方も十分認められる」という意見であった。

(3)処罰が限定的であるという主張には同意できない
・オウム真理教のように、当初は宗教団体として結成されたけれども、一部の構成員が犯罪を始めたというケースに適用をしないのであれば、当初の全体の集団の結成目的が犯罪でなければならないという要件を課すことができるだろうが、適用するのであれば、団体の一部が性格を犯罪的なものに一変させた場合も対象に含めざるを得ず、一般人の通常の団体として結成された場合を適用外とすることはできないことになる。
・共謀罪の構成要件たる「計画」の成立自体、「黙示の合意」、「順次的な合意」、「未必的な故意」による合意をすべて含むことが従来の判例から推測される上、「計画」の事実認定としても、従来型の犯罪でも、何月何日何時何分に何が起こったというところまでの厳密な認定が要求されているわけでもない。
・実行準備行為については、構成要件要素ではなく、客観的処罰要件であって、特段の危険性が要求されておらず、外形的な行為であれば、特に限定なく、「その他」の中に含まれる。

(4)対象犯罪の選別が恣意的である
・公権力を私物化するような犯罪である公職選挙法、政治資金規正法、政党助成法違反は除外されている。公用文書電磁的記録毀棄罪のような重大犯罪も除かれており、また、警察官などによる特別公務員職権濫用罪・暴行陵虐罪も除外されている。
・組織的な経済犯罪が除かれている。一般に「商業賄賂罪」と呼ばれ、諸外国で規制が強化されてきているような、会社法、金融商品取引法、商品先物取引法、投資信託投資法人法、医薬品医療機器法、労働安全衛生法、貸金業法、資産流動化法、仲裁法、一般社団財団法人法などの収賄罪が対象犯罪から除外されている。
・主に組織による遂行が想定される酒税法違反や石油税法違反なども除外されており、相続税法違反が除外されているものの、所得税法違反は含まれている。なぜ、このようになっているのか。対象犯罪の選別が著しく恣意的で不合理なものになっている。

(5)その他
 近年の犯罪情勢は非常に好転しており、一番犯罪の多かった2002年と最新統計の2015年とを比較すると、犯罪の認知件数は年間あたり200万件以上減少し、40数%にまで落ち込んでいる。これに対し、警察職員の数は、同じ期間に2万人増員されている。本来であれば、増えた警察の人員は適切なマンパワーとして、適材適所で活用されなければならないが、これが乱用されるということになると、仮に司法手続で回復されたとしても、相当な年数がかかってしまう。

5 戦争する国づくりの集大成としての共謀罪
2013年 特定秘密保護法
2015年 安保法制(戦争法)
2016年 盗聴法(通信傍受法)拡大
2017年 共謀罪?
 国が常時市民を監視し、萎縮させ、戦争に協力させるための体制作りの集大成としての共謀罪。 

6 共同の取組で共謀罪阻止を
DSCN1645(1)「共謀罪NO!実行委員会」結成(2017年3月~)
 呼びかけ団体
 ●「秘密保護法廃止」へ!実行委員会(新聞労連、平和フォーラム等)
 ●解釈で憲法9条を壊すな!実行委員会(憲法会議、許すな!憲法改悪・市民連絡会等)
 ●日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)
 ●共謀罪法案に反対する法律家団体連絡会
 ●盗聴法廃止ネットワーク(日本国民救援会等)

(2)和歌山でも
・和歌山県平和フォーラムと和歌山県地方労働組合評議会が「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」の枠組により、共謀罪に反対する共通チラシを作成・配布している。
・3月9日(木)18時~19時、JR和歌山駅前で行われた上記両団体などが参加する緊急行動を皮切りとして、県下各地で街頭でのアピール行動等が取り組まれている。
・県下各団体からも共謀罪に反対する声明が発出されている。
 (例)
  和歌山弁護士会(1月19日、5月29日)
  「大逆事件」の犠牲者を顕彰する会(4月10日)

(3)最後まであきらめない


【付記・事前に寄せられた質問について】
 事務局からお知らせいただいた事前質問として、「三権分立について教えて下さい。」というものがあった(付随して様々な質問が書かれていた)。近時の「準強姦」事件もみ消し疑惑などに危機感を覚えてのことのようであり、非常に重要な論点であるとは思うものの、実はこの問題だけで一度の講演会のテーマ足り得るもので、とても時間が足りないので、一言私が普段考えていることを述べておくに留めざるを得ない。
 私は、この問題は、「非立憲」が「立憲」を圧倒したことによる病理現象が、社会の様々なところで噴出しているものと捉えている。
 私の理解するところでは、「非立憲」とは、明確に法令(憲法を含む)に違反しなければ何をしても良いという立場である。現政権の行った、
〇内閣法制局長官は内部昇格者を任命するという不文律を破り、集団的自衛権容認論者 の外交官を長官に任命した。
〇NHKの経営委員任命を非常に恣意的に行うことによって会長人事をゆがめた。
ことなどは、典型的な「非立憲」現象であった。
 実は、日本国憲法の統治機構についての定めを子細に読めば、米国のようなすっきりした三権分立制はとられていない。裁判所の独立(司法権の「独占」)は76条で保障されているが、裁判官の任命権は内閣にある(79条、80条)。
 最高裁裁判官人事における慣例(出身別割り振りなど)や内閣法制局長官の任命についての不文律などは、明文規定はないものの、日本の「国のかたち」を構成する事実上の「憲法」の一部であった。つまり、既に「事実上の改憲」は行われてしまっていると言うべきである。
 過去、これほど「非立憲」に偏った政権は(少なくとも日本国憲法施行後は)なかった。これを是正するには、その権力の源泉である国会における議席を過半数割れに追い込み、よりましな(「立憲」に近い)政権を誕生させるしか方法はない。
 その上で、国民の意思を正しく反映する選挙制度改革や内閣に過度の権限を与える要因となっている「内閣人事局」の廃止など、必要な法律改正を目指すということになるだろう。
 

(弁護士・金原徹雄のブログから/共謀罪シリーズ)
2017年2月6日
レファレンス掲載論文「共謀罪をめぐる議論」(2016年9月号)を読む
2017年2月7日
日弁連パンフレット「合意したら犯罪?合意だけで処罰?―日弁連は共謀罪に反対します!!―」(五訂版2015年9月)を読む
2017年2月8日
「共謀罪法案の提出に反対する刑事法研究者の声明」(2017年2月1日)を読む
2017年2月10日
海渡雄一弁護士with福島みずほ議員による新春(1/8)共謀罪レクチャーを視聴する
2017年2月21日
共謀罪をめぐる最新ニュース、動画、声明のご紹介
2017年2月23日
日本弁護士連合会「いわゆる共謀罪を創設する法案を国会に上程することに反対する意見書」(2017年2月17日)を読む
2017年2月24日
「安倍政権の横暴を許すな!」連続企画@和歌山市のご案内~3/3共謀罪学習会&3/25映画『高江―森が泣いている 2』上映と講演
2017年2月28日
共謀罪をめぐる最新ニュース、動画、声明のご紹介vol.3
2017年3月1日
ついに姿をあらわした共謀罪法案(組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案)
2017年3月3日
「共謀罪」阻止の闘いは“総がかり”の枠組みで~全国でも和歌山でも
2017年3月4日
共謀罪をめぐる最新ニュース、動画、声明のご紹介vol.4

2017年3月6日
共謀罪に反対するのも“弁護士”、賛成するのも“弁護士”
2017年3月8日
共謀罪をめぐる最新ニュース、動画、声明のご紹介vol.5~「テロリズム集団その他」のまやかし

2017年3月9日
3月9日、和歌山で共謀罪に反対する街頭宣伝スタート~総がかり行動実行委員会の呼びかけで
2017年3月17日
共謀罪をめぐる最新ニュース、動画、声明のご紹介vol.6~立憲デモクラシーの会が声明を出しました
2017年3月21日
閣議決定された「共謀罪」法案~闘うための基礎資料を集めました
2017年3月31日
2017年4月7日
2017年4月14日
共謀罪をめぐる最新ニュース、動画、声明のご紹介vol.9~民科法律部会の声明を読む
2017年4月18日
声明「許せない「共謀罪」」~「「大逆事件」の犠牲者を顕彰する会」が引き継ぐ「志」
2017年4月26日
緊急開催!和歌山弁護士会「共謀罪法案(テロ等準備罪)を考える県民集会」(5/10@プラザホープ)
2017年4月27日
高山佳奈子京都大学大学院教授による共謀罪法案についての参考人意見陳述(2017年4月25日・衆議院法務委員会)を読む

2017年5月9日
「共謀罪」阻止のために~5/9WAASA学習会で話したこと、6/11くまの平和ネットワーク講演会で話すべきこと

2017年5月17日
「共謀罪」をめぐる5月16日の動きを動画で振り返る~衆議院法務委員会参考人質疑、日比谷野音大集会、立憲デモクラシーの会シンポ

2017年5月20日
闘いはこれからだ~5/19「安倍政治を終わらせよう5.19院内集会」&5/20「安倍政権に反対する和歌山デモ」
2017年5月22日
「共謀罪」法案の衆議院における修正案(可決)を読む
2017年6月6日
予告・「共謀罪」って何?こんなにある問題点!(講師:金原徹雄弁護士)@新宮市(6/11)と真宗大谷派による共謀罪法案反対声明(5/18)
2017年6月7日
国際ペン会長声明「共謀罪は日本の表現の自由とプライバシーの権利を侵害する」&加藤健次弁護士による現状分析
2017年6月10日

(付録)
She said No!』 作詞・作曲・演奏:よしだよしこ
 

くまの平和ネットワーク「共謀罪」チラシ

「弁護士と経済学者有志による緊急声明(6/9)」を読む(共謀罪シリーズ第31回)

 今晩(2017年6月10日)配信した「メルマガ金原No.2839」を転載します。

「弁護士と経済学者有志による緊急声明(6/9)」を読む(共謀罪シリーズ第31回)

 今日は、当初の予定を変更し、共謀罪シリーズの第31回として、昨日発表された「弁護士と経済学者有志による緊急声明」をご紹介します。この声明を知ったのは、Facebook友達となっている小口幸人さん(沖縄弁護士会所属)のタイムラインに、「SNSでの拡散等ご協力お願いします。」とあったことによりま
す。
 早速、私のFacebookで拡散に協力したのですが、メルマガやブログでも読んでいただくことにしました。
 小口弁護士が運営する南山法律事務所ホームページに掲載された声明を、小口弁護士自身による前説とともに全文引用します。
 
南山法律事務所ホームページ 2017.06.09 お知らせ
「弁護士と経済学者有志の声明」発表のご報告

(引用開始)
森友学園問題や加計学園問題に顕著に現れている、
安倍政権による国家の私物化を受けて、経済学者と弁護士の有志が、本日付で緊急声明を発表しました。
右や左ではなく、公平公正な行政、法の支配に基づく権力の執行という原則的な理念が、さらに事実を事
実として受け止め謙虚に向き合うという根本的な姿勢そのものが歪められています。

今回の声明の呼びかけ人として名を連ねている弁護士は、日本を代表する、ビジネス畑の第一線で活躍する弁護士です。また、以前は企業等に勤めビジネスの一翼を担っていた弁護士たちです。今の政権がしていることは、コンプライアンスを遵守しようする企業等に身を置いてきた(「者に」?)は、到底経験か
ら考えられない行為であるという憤りから、名前を連ねています。
末席に、弁護士小口幸人も混ぜていただきました。

多くの方にご一読いただきたいと考えておりますので、SNS等で広めていただければ幸いです。

【声明】弁護士と経済学者有志による緊急声明※PDF版)

 今国会で何度となく取り上げられた森友学園問題や加計学園問題などから明らかな通り、今や日本では
首相官邸そのものによって、行政や司法の公平性が著しく歪められてしまい、その結果、法の支配が脅かされ、「人による支配」というべき状況が生じている。政権と近い者、政権と縁故を持つ者に対し恣意的に利益が誘導されるという状況は、客観的な予測可能性が乏しくリスク管理が機能しなくなるため、ビジ
ネスにとっても重大な悪影響を及ぼす。
 そもそも資本主義社会において何より重要なのは、公平、公正、平等な競争が確保されていることにある。これが確保されず、縁故による優遇が入り込めば、新規参入は行いづらく、海外企業の参入も阻まれ、ビジネスの健全な発展が阻害されることは明らかである。安倍政権がここまでコンプライアンス遵守の精神が乏しいというのは、極めて由々しき事態である。また、ビジネスにおいては、計画したプロジェクトの実行についてその結果及びリスクの予測可能性が不可欠であるが、金融商品取引法や税法違反の罪についてまで要件のあいまいな共謀罪が創設されると、ビジネス計画の立案の過程における議論に重大な悪
影響を与え、ビジネス活動に対する萎縮効果が大きい。
 これほど政治家の質が下がり、政治が乱暴に、政府が横暴になったことはいまだかつて例がない。わが国の民主政治の危機はまさに頂点に達しており、三権分立の原則、立憲主義(法の支配)は政府と国会多数派の数の横暴で蹂躙されていると言わねばならない。この政権が今、市民の自由を脅かし監視社会をもたらす組織犯罪処罰法改正案(「共謀罪」法案)を成立させようとしていることは、戦慄すべき事態である

 振り返ってみれば、1990年代以降、「政治主導」によって官僚支配や政官業の癒着を打破することを標榜し、政治改革や行政改革が勧められ、小選挙区制の導入や中央省庁再編などを通じて、首相権限(官邸機能)の強化が進められてきたが、現在の安倍政権で現実のものとなってしまったのは、政治主導でも政官業の癒着打破でもなく、首相個人そして首相夫人による、公権力と公有財産の私物化ではないのか

 法の支配や行政の公平性など、近代国家の土台そのものが、首相官邸によって蝕まれているのではないかという疑惑が国民の間に広がる根強いなかで、強引に国会を閉じて事態の幕引きを測ることは許されない。まずは、共謀罪審議を停止し、森友学園・加計学園問題に関する公権力と公有財産私物化の疑惑を、
国会で徹底的に究明することを求める。
                  2017年6月9日

[呼びかけ人]
久保利英明(弁護士 日比谷パーク法律事務所)
木村庸五(弁護士 日比谷南法律事務所)
濱田邦夫(弁護士 日比谷パーク法律事務所 元最高裁判所判事)
伊藤真(弁護士 法学館法律事務所)
小口幸人(弁護士 元株式会社キーエンス勤務)
武井由起子(弁護士 元伊藤忠商事株式会社勤務)
内山宙(弁護士 元最高裁判所勤務)
上田裕(弁護士 元あさひ銀行勤務)
北神英典(弁護士 元一般社団法人共同通信社勤務)
田中篤子(弁護士 元裁判官)
笹泰子(弁護士 元株式会社国際協力銀行勤務)
岡田知弘(京都大学教授 地域経済学)
平野健(中央大学教授 アメリカ経済論)
永島昴(立命館大学准教授 産業技術論)
水野和夫(法政大学教授 マクロ経済学)
森原康仁(三重大学准教授 国際経営論)
新井大輔(名城大学准教授、金融論)
関耕平(島根大学准教授、地方財政論)
田中幹大(立命館大学教授、中小企業論)
恒木健太郎(専修大学准教授、経済思想史)
永田瞬(高崎経済大学准教授、経営学)
中村真悟(立命館大学准教授、産業技術論)
中本悟(立命館大学教授、経済学)
戸室健作(山形大学准教授、社会政策論)
小堀聡(名古屋大学准教授、経済史)
河音琢郎(立命館大学教授、財政学)

(引用終わり)

 上記「声明」の論旨に全く異論はありません。終わり近くの「首相官邸によって蝕まれているのではな
いかという疑惑が国民の間に広がる根強いなかで」は、「・・・根強い疑惑が国民の間に広がるなかで」と修文したくなりますが、「時間が足りなかったのだろうなあ」ということで仕方がありません。

 ところで、呼びかけ人の中に懐かしいお名前を発見しました。河音琢郎(かわね・たくろう)立命館大
学教授です。河音先生の前任校は和歌山大学経済学部だったのですが、その当時、和歌山大学唯一の教員ロックバンド「先コウ花火」の不動のボーカリストだった河音先生が、立命館大学に転出した後、非常勤で河音先生に京都から来援してもらったり、和歌山大学の学生に助っ人を頼んだり、どうにかこうにか「先コウ花火」は解散せずに活動を継続中です。

 なお、上記の「声明」で思い出したのですが、「共謀罪法案に反対するビジネスロイヤーの会」の7人
の弁護士が「声明」を発表しています(5月19日に記者会見を行いました)。
 ネット検索で見つけた本文は、以下のものだけで、全幅の信頼をおけるテキストかどうか自信がないの
で引用はしませんが、参照していただければと思います。
 
 ビジネスロイヤーなどとは縁遠いただの「町弁」生活28年余りの私ですが、いずれの「声明」にも腑
に落ちる点が多々あります。
 ビジネスの世界に身を置く方々にも共感していただけるのではないかと思い、ご紹介しました。

(付記・小沢一郎自由党代表の今日の和歌山での発言)
小沢一郎講演会(記念撮影) 本日(6月10日)、自由党和歌山県総支部連合会の結成大会が開かれるのに合わせ、小沢一郎自由党党首が和歌山市を訪れ、記念講演をされましたので、私も参加してきました。複数の動画撮影が行われていましたので、いずれインターネットで講演の模様が視聴できるようになると思います。
 それまでは、簡単なレポートを私のFacebookタイムラインにアップしましたので、ご参照いただければと思います。
 ここでは、小沢さんの発言のポイントと私が考えた部分を整理したところだけ引用します。特に、最後に述べられた、最終盤の国会における野党のあるべき姿勢についての発言には大いに共感しました。
(引用開始)
小沢氏が述べたポイントば以下のようなことだったでしょうか。
〇小泉、安倍両政権が信奉する「新自由主義」は、我々自由党が大事だと考える「自由主義」とは真逆のもの。
政治は「国民の生活を守る」ための手段であるということを理解していないというのが、現政権の最大の問題点である。
〇北朝鮮がロケット(ミサイル)を使って日本や米国を攻撃するようなことは絶対にないが、暴発して第二次朝鮮動乱となるリスクはある。それを押さえるためにも、また、拉致問題の解決のためにも、日中関係こそ重要であるのに、現政権はそれが全く分かっておらず、いたずらに北朝鮮危機を政権の支持率維持のために利用するだけである。
〇国民に分かりやすく我々の主張を伝えるためには、たんたんと国会審議に応じているようなことではだめだ。審議を尽くすことは大事ではあるが、強硬に自らの主張を貫けば、国民は必ず理解してくれる。
(引用終わり)

※小谷英治さん撮影による映像がYouTubeにアップされましたのでご紹介します。
自由党和歌山県連合発足と小沢一郎代表を招いて20170610
 

(弁護士・金原徹雄のブログから/共謀罪シリーズ)
2017年2月6日
レファレンス掲載論文「共謀罪をめぐる議論」(2016年9月号)を読む
2017年2月7日
日弁連パンフレット「合意したら犯罪?合意だけで処罰?―日弁連は共謀罪に反対します!!―」(五訂版2015年9月)を読む
2017年2月8日
「共謀罪法案の提出に反対する刑事法研究者の声明」(2017年2月1日)を読む
2017年2月10日
海渡雄一弁護士with福島みずほ議員による新春(1/8)共謀罪レクチャーを視聴する
2017年2月21日
共謀罪をめぐる最新ニュース、動画、声明のご紹介
2017年2月23日
日本弁護士連合会「いわゆる共謀罪を創設する法案を国会に上程することに反対する意見書」(2017年2月17日)を読む
2017年2月24日
「安倍政権の横暴を許すな!」連続企画@和歌山市のご案内~3/3共謀罪学習会&3/25映画『高江―森が泣いている 2』上映と講演
2017年2月28日
共謀罪をめぐる最新ニュース、動画、声明のご紹介vol.3
2017年3月1日
ついに姿をあらわした共謀罪法案(組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案)
2017年3月3日
「共謀罪」阻止の闘いは“総がかり”の枠組みで~全国でも和歌山でも
2017年3月4日
共謀罪をめぐる最新ニュース、動画、声明のご紹介vol.4

2017年3月6日
共謀罪に反対するのも“弁護士”、賛成するのも“弁護士”
2017年3月8日
共謀罪をめぐる最新ニュース、動画、声明のご紹介vol.5~「テロリズム集団その他」のまやかし

2017年3月9日
3月9日、和歌山で共謀罪に反対する街頭宣伝スタート~総がかり行動実行委員会の呼びかけで
2017年3月17日
共謀罪をめぐる最新ニュース、動画、声明のご紹介vol.6~立憲デモクラシーの会が声明を出しました
2017年3月21日
閣議決定された「共謀罪」法案~闘うための基礎資料を集めました
2017年3月31日
2017年4月7日
2017年4月14日
共謀罪をめぐる最新ニュース、動画、声明のご紹介vol.9~民科法律部会の声明を読む
2017年4月18日
声明「許せない「共謀罪」」~「「大逆事件」の犠牲者を顕彰する会」が引き継ぐ「志」
2017年4月26日
緊急開催!和歌山弁護士会「共謀罪法案(テロ等準備罪)を考える県民集会」(5/10@プラザホープ)
2017年4月27日
高山佳奈子京都大学大学院教授による共謀罪法案についての参考人意見陳述(2017年4月25日・衆議院法務委員会)を読む

2017年5月9日
「共謀罪」阻止のために~5/9WAASA学習会で話したこと、6/11くまの平和ネットワーク講演会で話すべきこと

2017年5月17日
「共謀罪」をめぐる5月16日の動きを動画で振り返る~衆議院法務委員会参考人質疑、日比谷野音大集会、立憲デモクラシーの会シンポ

2017年5月20日
闘いはこれからだ~5/19「安倍政治を終わらせよう5.19院内集会」&5/20「安倍政権に反対する和歌山デモ」
2017年5月22日
「共謀罪」法案の衆議院における修正案(可決)を読む
2017年6月6日
予告・「共謀罪」って何?こんなにある問題点!(講師:金原徹雄弁護士)@新宮市(6/11)と真宗大谷派による共謀罪法案反対声明(5/18)
2017年6月7日
国際ペン会長声明「共謀罪は日本の表現の自由とプライバシーの権利を侵害する」&加藤健次弁護士による現状分析

「九条の会・小平12周年の集い」(星美智子さんの歌と志田陽子さんの講演)を視聴する

 今晩(2017年6月9日)配信した「メルマガ金原No.2838」を転載します。

「九条の会・小平12周年の集い」(星美智子さんの歌と志田陽子さんの講演)を視聴する

 武蔵野美術大学教授で憲法学専攻の志田陽子先生については、AV業界改革推進有識者委員会(第三者委員会)の代表委員を引き受けられ、にわかに注目を集めることになりましたが、私のメルマガ(ブログ)では、以前から、「国立大学の入学式・卒業式等での国旗掲揚・国歌斉唱に関する文部科学大臣の発言の撤回を求める憲法研究者声明」に賛同した研究者有志としての、また、東京安保法制違憲訴訟(差止訴訟)の原告としてのご発言を取り上げるとともに、「歌う憲法研究者」(!)としてのご活躍についても
紹介してきました(巻末のリンク先をご参照ください)。
 そして、昨年(2016年)のクリスマスイブに書いた記事の中で、昨年6月4日に開催された「九条
の会・小平 11周年 歌と講演の集い「止めよう!憲法崩壊」」の動画をご紹介したことをご記憶の方もおられるかもしれません。もっとも、この集会で歌を担当されたのは「自由と平和のための東京芸術大学有志の会」呼びかけ人であるソプラノ歌手の星美智子さんであり、志田先生はもっぱら講演の方を担当されたのでしたが。
 
6・4九条の会・小平 11周年 歌と講演の集い(2時間05分)


 それから1年が経ち、6月4日(今年は日曜日)、九条の会・小平が「12周年の集い 日本国憲法 聞いて 楽しく しっかり 学ぼう!」を小平福祉会館5F市民ホールで開催し、自由メディアFmATVchが
動画をYouTubeにアップしてくれています。
 今年も昨年と同様、音楽は、星美智子さん(ソプラノ独唱)と沼館千佳子さん(ピアノ)が担当し、志
田先生は「共謀罪:危険な本質と副作用」という演題で講演されました。
 今年はさらに「憲法くん」でお馴染みのスタンダップコメディアン、松元ヒロさんまで登場されるという豪華ラインナップです。やはり、東京に立地する9条の会ならではということでしょうか。「うらやましい」けれど、私が運営委員を務める「守ろう9条 紀の川 市民の会」の今年の憲法フェスタ(11月3日/和歌山市河北コミセン)も、頑張って内容を固めつつあるところです(近日中に発表できればと思い
ます)。

 それでは、「九条の会・小平 12周年の集い」を視聴したいと思いますが、それにしても、「安倍政
権は倒さなければならない」と来賓挨拶する市長を選出し続けている小平市民は素晴らしい!(今年4月に4回目の当選)

九条の会・小平12周年の集い(1時間22分)

1分~ 開会挨拶 内田雅敏氏(弁護士、九条の会・小平呼びかけ人)
6分~ 来賓挨拶 小林正則氏(小平市長)
12分~ 歌:星美智子氏(ソプラノ独唱)、沼館千佳子氏(ピアノ)
 「命をあげよう」(ミュージカル「ミス・サイゴン」より)
 「イムジン河(リムジンガン)」(原曲版)
 「南天の花」
 「死んだ男の残したものは」
38分~ 志田陽子氏(武蔵野美術大学教授・憲法学)
 講演「共謀罪:危険な本質と副作用」 
1時間15分~ 松元ヒロ氏(残念ながらこの部分はカットされています)
1時間17分~ 行動提起 木村重成氏(九条の会・小平事務局長)
 

4野党党首会談開催(6/8)~当面の課題と次期総選挙の連携を確認

 今晩(2017年6月8日)配信した「メルマガ金原No.2837」を転載します。

4野党党首会談開催(6/8)~当面の課題と次期総選挙の連携を確認

 ようやく、3日後の日曜日(6月11日)に新宮市で行う共謀罪講演会用のレジュメを主催者にメールで送信し(締切ぎりぎりでした)、ほっと一安心して帰宅しましが、メルマガ(ブログ)の素材は何も用意できていません。
 「たしか今日(8日)の午前中に4野党の党首会談が行われたはず」と思い、パソコンを立ち上げたところ、「憲法会議 メール速報 6月第14号 本日午前野党党首会談開催」を転載してくださった方がおり、あらましの様子は分かりました。ただ、これをそのまま勝手に転載することははばかられるので、民進党や日本共産党中央委員会のホームページやYouTubeチャンネルには、会談内容を伝えるニュースや記者会見の動画が当然アップされているものと期待して閲覧したのですが、少なくとも午後8時半の段階では、何も見つけられませんでした。公式FacebookやTwitterでは、それなりの情報発信がなされているのかもしれませんが、未確認です。未確認といえば、自由党や社民党の公式サイトも未確認ですが。

 ということで、政党の公式サイトはあきらめかけたのですが、ふとBLOGOSを覗いてみたところ、民進党広報局による「4野党の党首らが会談、当面の課題と、次期総選挙の連携を確認」という記事が掲載されていました。それなら、政党ホームページでもたやすく検索できるようにしておけば良いものを、と思いましたけどね。
 とにかく、民進党が公表した合意事項なので、皆さんと是非情報を共有しておきたいと思います。国会も最終盤を迎え、立憲野党各党には全力を出し切って国民の期待に応えていただきたいと思います。

BLOGOS 民進党 2017年06月08日 13:28
4野党の党首らが会談、当面の課題と、次期総選挙の連携を確認

(引用開始)
 民進、共産、自由、社民の野党4党の党首らが8日午前、国会内で会談した。
 会談後、記者団の取材に応じた蓮舫代表は、(1)当面の課題(2)次期総選挙における野党4党の協力――について提案し確認を求めたと述べた。

当面の課題について
 1.この間の党首会談の合意を尊重し、実行するために引き続き努力をする
 2.安倍政権のもとでの憲法9条の改悪に反対をする
 3.謀罪廃案を目指し院の内外で共同して闘う
 4.加計学園・森友学園疑惑の徹底究明のため全力を尽くす
 以上の点について、「4野党党首共に異論はなく、賛成をいただき確認をした」と述べた。

次期総選挙における野党4党の協力について
 ・次期総選挙は新しい区割りの元で行われることになる
 ・安倍政権の打倒を目指して全力を挙げること
 ・民進党、日本共産党、自由党、社民党の野党4党は次期総選挙で出来る限りの協力を行うとの去年9月の合意に基づき、協議を加速させ、4野党が協力して候補者調整を行い、一致したところを順次発表する
 以上の点について、「他の3党の党首からも力強い賛同をいただいた」と述べた。

 また、「あと1週間あまりで会期末ということなので、内閣不信任決議案の提出も視野に、適時適切に国対委員長会談、幹事長書記局長会談、また4野党の党首会談も丁寧に行っていくことを確認した」と述べた。
 
民進党広報局
(引用終わり)

 また、THE PAGEというサイトに掲載された、本日の民進党蓮舫代表による定例会見の模様の書き起こし及び動画をご紹介しておきます。


 あと、メディアによる報道の一例として毎日新聞の記事を引用します。

毎日新聞 2017年6月8日 18時29分(最終更新 6月8日 18時59分)
4野党党首会談 次期衆院選で野党共闘協議を加速確認

(引用開始)
 民進、共産、自由、社民の野党4党は8日の党首会談で、次期衆院選での野党共闘に向けて、協議を加速させる方針を確認した。ただ民進党内には、共産党との選挙協力に慎重な意見も根強い。
 党首会談の開催は、民進党の蓮舫代表が就任した直後の昨年9月以来、9カ月ぶり。選挙協力を巡っては、昨年9月の会談では「できる限りの協力を行う」との表現にとどめていたが、安倍晋三首相の憲法改正を巡る発言などを踏まえ、踏み込んだ。共産党の志位和夫委員長は記者団に「準備の加速を確認できたのは良かった」と述べた。
 会談ではこのほか、終盤国会に向けて、「共謀罪」の成立要件を改めて「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案の廃案を目指すことや、学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)の問題などを徹底追及し、内閣不信任決議案の提出も視野に協力していくことを確認した。【真野敏幸】

(引用終わり)
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ギャラリー
  • 動画・学習会「安倍首相の改憲発言をめぐって」(九条の会事務局)~浦田一郎さん、渡辺治さんのダブル講演で学ぶ
  • 7/6市民集会「あらためて、いわゆる共謀罪(テロ等準備罪)法がもたらす社会を考える(講師:髙山佳奈子京大教授)」(和歌山弁護士会)のご案内
  • 司法に安保法制の違憲を訴える意義(16)~東京・国家賠償請求訴訟(第4回口頭弁論)における原告による意見陳述(野木裕子さん他)
  • 翁長雄志沖縄県知事「平和宣言」を読む~2017年・沖縄全戦没者追悼式(6/23)
  • 司法に安保法制の違憲を訴える意義(15)~東京・国家賠償請求訴訟(第4回口頭弁論)における原告訴訟代理人による陳述
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  • 「自由なラジオ LIGHT UP!」最新アーカイブを聴く(062~064)~浅井隆さん、藤田早苗さん、西谷文和さん
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