今晩(2015年8月26日)配信した「メルマガ金原No.2194」を転載します。

普通の女性週刊誌にこういう記事が~「週刊女性(9月8日号)」を読む

 知っている人にとっては今さらですが、特にSNSなどには縁のない男性の中には知らない人もいるかもしれないので簡単にご紹介しておきます。
 それは、最近の女性週刊誌の頑張りについてです。
 何に頑張っているのかといえば、もちろん、いわゆる安保関連法案に明確に反対する編集方針をとっているということです。
 安保法案に対する批判は5月15日の国会上程以降のことですが、それ以前から、(私は知りませんでしたが)3大女性週刊誌は、現政権の安保政策に批判的な記事を掲載していたようなのです。
 そのような動きを紹介した記事をいくつかご紹介します。
 
直言(水島朝穂) 2015年5月25日
子どもを米国の戦争で死なせない――女性週刊誌と安保法制

(抜粋引用開始)
 ネットで情報を得て、『女性自身』という週刊誌を買いにコンビニまで行こうと思った。でも、小学校6年生の時に本屋に『平凡パンチ』を買いに行ったときよりも戸惑った。結局、帰宅した妻に買ってきてもらい、早速目を通した。まさに女性週刊誌である。「カンタン朝食31日分」、「八ヶ岳は“美智子さま愛の原点”」、「浅田真央 葛藤秘話」…。ページをめくり、裏表紙に近い本文の最終頁(172頁)の直前3頁にその記事はあった。表紙に出ているタイトルは「戦争法案 安倍さん 子供たちの“未来の幸せ”描けてますか?」。本文の主タイトルはもっとはっきりしている。「あなたの子供が”アメリカの戦争”に命を
捨てる!戦争法案がついに国会審議を経て、7月にも成立へ」である。「存立危機事態」や「重要影響事態」などをわかりやすく図表化。ここには、レシピもゴシップも佳子さまもヨン様もなく、まったくの別世界がある。
 この週刊誌は41万部。主に主婦層が読んでいる。政治や憲法の問題に女性は決して無関心ではないが、その関心をよぶような素材と切り口をどうするかである。安保法制問題で安倍政権の面々はあまりに傲慢で、女性を怒らせ、不安にさせるようなことばかり口走る。そんなこともあってか、『女性自身』が骨太の記事を載せた。
(略)
 『女性自身』の特集の最後には、「母が声を上げれば日本を救える!」という見出しがおどる。切り口
はわかりやすい。ここではジャーナリストの江川紹子さんが登場し、自衛隊が戦地に派遣されるようになれば、隊員数が減るのではないかと指摘する。「除隊を含め、これだけ少子化の時代に一人息子を自衛隊に入れたくないという親も増えるかもしれない。これから自衛隊の質と量が維持できるか。そういう問題が新たに出てくる可能性もありますね」と。徴兵制の可能性も示唆しつつ、「今の時代の女性たちは、社会的な発言をなす術を持っています。母親たちが「自分の子供を戦場には送らない」と声高に訴え、反戦の意思表示をすれば日本は救われる。」と。今回初めてこの週刊誌を購入したが、他にもいろいろ有益な指摘があり、女性ならずともこの特集は読んで損はない。今後、どういう特集や記事でこの時代と向き合っていくか注目したいし、私もできることは協力したい。(略)
(引用終わり)
 
本と雑誌のニュースサイト/リテラ 2015年6月3日
「あなたの子供が戦争で死ぬ」ついに女性週刊誌までが安倍政権と安保法を批判し始めた!

(抜粋引用開始)
 実際、こうした安倍政権批判をしている女性週刊誌は今回の「女性自身」だけではない。
 「戦争を知らない安倍首相へ――」(「週刊女性」主婦と生活社/2014年9月2日号)、「安倍政権V2で主
婦のタダ働きの4年が始まる!」(「週刊女性」2014年12月9日号)、「イスラム国 安倍首相とネット愚民『2つの大罪』」(「女性セブン」小学館/2015年2月12日号)、「海外から見た『安倍政権の暴走』安
倍さんは世界で“女性蔑視”だと思われている」(「女性自身」2015年4月21日号)……。
 しかも、各誌とも、こうした記事が読者アンケートで上位を占めるようになっているという。
 「戦争に加担する」ことが「現実的な大人の選択だ」と信じるバカな連中がどんどん幅を利かせるようになったこの国で、もしかしたら、女性たちだけは少しずつその生活者の目線で何が「現実的」なのかを
見極め始めているのではないか。
 安倍政権がいくら「日本国民の生命を守るため」「自衛隊のリスクは高まらない」といっても母親は騙
せない。女性を、そして女性週刊誌を侮ってはいけない。(伊勢崎馨)
(引用終わり)
 
本と雑誌のニュースサイト/リテラ 2015年7月9日
「女性自身」に続き「週刊女性」が10ページの安保法制批判特集! 徴兵制への警告も

(抜粋引用開始)
 1ヶ月ほど前、「女性自身」(光文社)が「あなたの子供が“アメリカの戦争”に命を捨てる!」というタイトルの記事を掲載したことをお伝えしたが、今度はライバル誌「週刊女性」(主婦と生活社)が同様
の安保法制批判を展開した。
 7月14日号で「「戦争法案」とニッポンの行方――あなたの子どもがアメリカのために殺し、殺される国
になる!」という10ページもの大特集を組んだのだ。
 しかも、記事は何人もの専門家、紛争地で活動するNPO関係者や政治家から取材、インタビューした、かなり踏み込んだ内容だった。
(略)
 さらに注目なのが、“安保法制の先”にある徴兵制について、かなり具体的な論拠をあげ、警告を発していたことだ。なかでも、憲法問題に詳しい伊藤真弁護士は、自民党が発表した憲法改正案は「国民主権でない」「国民に国防義務を課す、軍隊を創立する」ものとした上で、徴兵制のために政府がやるであろ
う姑息な方法まで予測していた。
 「リーダーシップを育むトレーニングとか、訓練ができるサマーキャンプとか、そんなネーミングで人
を集める実質的徴兵制のような形をとるでしょうね」
 自分の子どもたちが自然に触れ合い、友達との絆を深め成長できると思い喜んで参加させたサマーキャンプが、実は軍人養成と訓練の場だった――。まさに恐怖のシナリオだが、これはけっして絵空事ではない。実際、自民党議員のなかには、大学生や中高生の「ボランティアの義務化」「自衛隊研修」などを口
にする者も少なくないのだ。
(略)
 それにしても「女性自身」といい、今回の「週刊女性」といい、これまでこういった政治報道とはほと
んど縁がなかった女性週刊誌が、安保法案に果敢に反対する姿勢を撮り始めたのは非常に頼もしい。
 逆に言うと、女性の間で、恋人や子ども、孫を戦地に送り出したくない、という危機感がかなり高まっ
ているということだろう。(略)(伊勢崎馨)
(引用終わり)
 
朝日新聞デジタル 2015年8月10日12時02分
安保法制、女性週刊誌も特集 「韓流スター以上の反応」(守真弓、竹内誠人)

(抜粋引用開始)
 女性週刊誌のテーマといえば、芸能ニュースと、健康や家計のやりくりといった生活関連型の話題が中心だろう。ところが、この夏、安保法制の特集記事が立て続けに掲載されている。読者の強い関心に後押
しされた結果だという。
(略)
 早くから安保法制について特集してきたのは「女性自身」(光文社)だ。主な読者は40~50代の女
性。健康や美容、税金の話など生活に直結するテーマに軸足を置いてきたが、福島の原発事故以降、「子供を守りたい」という読者から、社会問題を考える記事を求める声が増え始めた。
 昨年3月、作家の瀬戸内寂聴さんと俳優の吉永小百合さんが誌上で対談し、戦争や安倍政権への危惧を語って大きな反響を呼んだ。「あの対談に背中を押された」と同誌の田辺浩司編集長。「女性読者は頭でっかちなものを嫌うので、普段から着地点を決めて取材しないよう気をつけている。安保を特集しようと最初から思っていたわけではなく、取材する中で自然と企画が生まれていった」
 瀬戸内さんの安保法制への抗議行動を特集した「寂聴さん『このままでは戦争に…』」(今年7月7・
14日合併号)は、読者アンケートの人気ランキング1位に。「徴兵制がいつか導入されるのでは」と懸念する声の多さが特に目立つという。普段とは違う読者層からもSNSなどを通じて「応援する」という声が届く。
 「週刊女性」(主婦と生活社)が安保特集を始めたのも、読者の要望が強かったからだ。寺田文一編集長は「私たちはもともとは政権に批判的な立場ではなかった。法案が『理解できない』という読者の声があって始めた」と話す。
 7月14日号では「『戦争法案』とニッポンの行方」と題し、10ページにわたって法案の中身を特集。法案への反対を公言する自民党の村上誠一郎衆院議員や、共産党の志位和夫委員長のインタビューも掲載した。この号は実売率が平均より3~4ポイント上がり、追加注文もあった。寺田文一編集長は「特集を支持する声が多くて驚いた。韓流スターや芸能人のニュース以上に反応が来た」と話す。手紙や電話で「普段は美容院で斜め読みするが、今回は帰りに買った」「参加したいから、各地のデモの日程を知りた
い」といった声も多数寄せられたという。(略)
(引用終わり)
 
 以上のような記事を読み、大いに頼もしく思っていたものの、私自身が女性週刊誌を手に取るという機会はありませんでした。1つには、私はコンビニに行くという習慣の持ち合わせがなく、書店に立ち寄る機会もめっきり少なくなったということにも原因があります。
 それが、今日(8月26日)、もしかしたら生まれて初めてかもしれないのですが、女性週刊誌を購入したのです。
 「週刊女性(2015年9月8日号)」(主婦と生活社)です。
 私がこの号を買うことになったのは、たまたま半田滋さん(東京新聞)のFacebookタイムラインに、半
田さんが監修した自衛隊についての特集が「週刊女性」に掲載されたという投稿がなされたことに気がつき、読んでみたいと思ったのがきっかけです。
 その特集のタイトルは、「今だからこそ知っておきたい 自衛隊ってどんなところ? 素朴な疑問30」というもので、5ページにわたり、
 組織の仕組みとデータ
 仕事の内容
 プライベート
 これはビックリ!
という4つカテゴリーに全部で30問のQ&Aが掲載されています。
 1つ見本に引用してみましょう。

(引用開始)
6 自衛官の給料は高い?
 いちばん給料が安い任期制隊員を陸自の例でみると、給与・賞与などのほか、退職手当が支給され、任
期2年間で合計580万円もらえる。2任期(4年間)なら退職手当がぐっとアップして1336万円。これを4年間で割ると年間約334万円の収入となり、働く人の4人に1人といわれる年収200万円以
下のワーキングプアと比べてはるかに高い。
 しかも自衛隊員の場合、衣食住は国が提供してくれるので、給料、ボーナスは自由に使えることになる。安全保障関連法案が国会で審議される中、徴兵制も話題になっているが、無理やり集めなくても格差社
会になればなるほど自衛官は恵まれた職業に映る仕組み。
(引用終わり)

 私も明確には知らなかったこういう知識が得られたりもします。

(引用開始)
5 自衛官と自衛隊員はどこが違うの?
 防衛省・自衛隊の組織にいる人は全員、自衛隊員。その中でも制服を着て、階級を持つ人が自衛官。自
衛官でない自衛隊員は、事務官、技官などで、戦闘に参加することはない。
 自衛官の階級は上から順に将官、佐官、尉官、曹、士。軍隊ではないので階級の呼び方は他国軍が大佐
の場合、自衛隊は一佐、中佐は二佐、少佐は三佐と番号で階級を表し、軍隊色を薄めている。
(引用終わり)

 もちろん、半田滋さんが監修していますから、自衛隊リクルート協賛企画でないことは言うまでもありませんが、また、反自衛隊企画でないことも当然でしょう。
 その辺の企画意図については、半田滋さんによる監修者の言葉をお読みください。

(引用開始)
 安倍晋三首相自ら「国民の理解は深まっていない」と認める安全保障関連法案。実際、野党の質問に対しての回答にも、不明瞭な点が多く、例えば、なぜ外国で起きた戦争が日本の危機となり、自衛隊が海外
で戦争をすることになるのか、まともな答えは示されていません。
 実は国民は、首相が答えないのではなく、答えられないことを見抜いている。法案が通れば、日本が「
戦争をしない国」から一転して「戦争をする国」になるとはいえないから、ごまかしているだけでしょ、というわけ。安倍サンの立場は理解できても、納得できない、そんな国民の思いが内閣支持率の急落につながっていると思います。
 幸か不幸か、安倍首相のおかげで憲法そのものへの関心が高まりました。今後は、自衛隊へも関心が高まっていくでしょう。戦争を放棄した第9条のもとでなぜ、政府は自衛隊を合憲というのか。23万人もいる自衛官はふだん何をしているのか。女性自衛官は?
 そんな時流に先駆けて、自衛隊の基礎の基礎、えっと驚く「自衛隊の実態」をご紹介したいと思います

(引用終わり)

 ところで、この「週刊女性(9月8日号)」には、この自衛隊特集の他に、連載企画の第4弾として以
下のような記事も掲載されていました(4ページ)。
 
私たちは安保法案強行採決を許さない!第4弾
戦後70年、戦争体験者が忘れられないことは・・・
「あの夏のことを話しましょう」
  島袋淑子さん 87歳 沖縄・那覇市 元ひめゆり学徒隊
  猪熊得郎さん 86歳 神奈川・横須賀市 元少年兵
  酒井文英さん 92歳 千葉・流山市 学徒出陣した元海軍パイロット
  吉嶺全一さん 82歳 沖縄・那覇市 沖縄地上戦の経験者

 おそらく、この「週刊女性(9月8日号)」は、私はたまたま購入しましたが、特に大きな話題を集めるということもない、ごく普通の号でしょう。ちなみに、表紙で一番大きな見出しは「熱愛スクープ 生田真斗 
まるでペアルック“ウロボロス愛”撮った!」でした。
 このような「普通の」号にも、さりげなく今日ご紹介したような記事が掲載されているという事実こそ、今後に向けた希望だと思いました。
 ちなみに、この「週刊女性」は、私の事務所の事務員(女性)に買ってきてもらいました(税込410円でした)。