今晩(2016年1月24日)配信した「メルマガ金原No.2345」を転載します。
障がい児教育を学ぶ学生の立場から~「SEALDs KANSAI
安保関連法の廃止を求める京都デモ」(2015年12月20日)でのスピーチのご紹介
去る2015年12月20日、SEALDs KANSAI の呼びかけによる「安保関連法の廃止を求める京都デモ」が行われました。
SEALDs KANSAI の公式サイトは、このデモについて、以下のように語っています。
去る2015年12月20日、SEALDs KANSAI の呼びかけによる「安保関連法の廃止を求める京都デモ」が行われました。
SEALDs KANSAI の公式サイトは、このデモについて、以下のように語っています。
(引用開始)
12月20日、京都で『安保関連法の廃止を求める京都デモ』として安保法成立後初めてのデモを行い、のべ1800人が参加しました。
安保法「成立」から3ヶ月が経ち、安倍政権は自衛隊の海外展開のための準備を着々と進めています。米軍との連携を深めるため、辺野古の新基地建設はこれまで以上に強権的なやり方で進められ、来年度の防衛予算は大きく増加しました。
一方で、紆余曲折を経ながらも、安保法の廃止をめざす野党共闘の枠組みができつつあり、来年夏の参院選に向けて、熊本選挙区ではすでに野党統一候補擁立の方針が報道されました。その他の参院選1人区でも、野党統一候補の擁立を求める声があがり始めています。
安保法が「成立」した今、何かが終わったわけではありません。社会は動き続けます。そんな中で、来年の参院選を見据え、私たちが主権者として安保法廃止を求める「声」を残すことのできたデモになりました。
SEALDs KANSAIはこれからも自由と民主主義、立憲主義に基づいた政治を関西から求め続けます。
(引用終わり)
12月20日、京都で『安保関連法の廃止を求める京都デモ』として安保法成立後初めてのデモを行い、のべ1800人が参加しました。
安保法「成立」から3ヶ月が経ち、安倍政権は自衛隊の海外展開のための準備を着々と進めています。米軍との連携を深めるため、辺野古の新基地建設はこれまで以上に強権的なやり方で進められ、来年度の防衛予算は大きく増加しました。
一方で、紆余曲折を経ながらも、安保法の廃止をめざす野党共闘の枠組みができつつあり、来年夏の参院選に向けて、熊本選挙区ではすでに野党統一候補擁立の方針が報道されました。その他の参院選1人区でも、野党統一候補の擁立を求める声があがり始めています。
安保法が「成立」した今、何かが終わったわけではありません。社会は動き続けます。そんな中で、来年の参院選を見据え、私たちが主権者として安保法廃止を求める「声」を残すことのできたデモになりました。
SEALDs KANSAIはこれからも自由と民主主義、立憲主義に基づいた政治を関西から求め続けます。
(引用終わり)
デモの様子を撮影したダイジェスト動画はいくつもアップされていますが、一番、イメージがつかみやすいのはこれですかね。
SEALDs KANSAI
《安保関連法の廃止を求める京都デモ》2015/12/20(6分24秒)
このアップテンポのコールについていける人がどれ位いるかな?と、和歌山でいつも一緒にデモをしている皆さんの顔ぶれを思わず思い出してしまいました。
この映像を見てしまうと、デモスタート前の集会(と言うんだろうか?)での国会議員のスピーチは、どうにもかったるいと思えてしまうのは仕方がないですよね。
まあ、参院選での野党共闘を訴えるためには必要なセクションということかもしれません。
シールズ関西の安保法制廃止を求める京都デモ(15年12月20日)(13分12秒)
3分35秒~ 倉林明子氏(日本共産党参議院議員)
5分30秒~ 福山哲朗氏(民主党参議院議員)
3分35秒~ 倉林明子氏(日本共産党参議院議員)
5分30秒~ 福山哲朗氏(民主党参議院議員)
ところで、上記動画の10分ころ、デモの先導車の前方で車やデモ隊の動きを見守っている男性は、同期の青木佳史弁護士(大阪弁護士会)のように見えます。ボランティアで警備担当弁護士を買って出ていたのかもしれない。偉いなあ。
さて、SEALDs KANSAI のデモでは、学生によるスピーチは、PAシステムを搭載した先頭車両の荷台から、デモ隊の方に向かって行われるようです。そのスピーチをまとめた動画もありました。
安保関連法の廃止を求める京都デモ/SEALDs KANSAI -
2015.12.20 京都市(31分38秒)
皆さん、スピーチ用の原稿をスマホに収めてディスプレイに表示させ、それを見ながらスピーチしているようですね。ガラケー派の私にはよく分かりませんが。
ということで、みんなのスピーチ用原稿をデータで集めることは難しくないということで、実際、12月20日にスピーチした7人のスピーチ原稿全文がネット上にアップされています。
○みほ http://twishort.com/O7Cjc
○博子 http://twishort.com/M7Cjc
○服部 http://twishort.com/C7Cjc
○よーしー http://twishort.com/G7Cjc
○わこと http://twishort.com/cECjc
○真平 http://twishort.com/J7Cjc
○ともか http://twishort.com/F7Cjc
○博子 http://twishort.com/M7Cjc
○服部 http://twishort.com/C7Cjc
○よーしー http://twishort.com/G7Cjc
○わこと http://twishort.com/cECjc
○真平 http://twishort.com/J7Cjc
○ともか http://twishort.com/F7Cjc
その中から、和歌山大学学生の服部涼平さんによるスピーチ全文を、ご本人の了解を得て以下に転載します。
ちなみに、上記動画の11分19秒~15分49秒が服部さんのスピーチです。残念ながら、途中一部カットされていますが、これは純粋に時間の都合によるものでしょう。
(引用開始)
こんにちは、和歌山大学の服部といいます。SEALDsKANSAIとしては、はじめてのスピーチなので聞き苦しい箇所もあるかと思いますがよろしくお願いします。
僕は大学では特別支援教育、いわゆる障がい児教育を専攻しています。専攻生の取り組みのひとつとして、地域の障がいのある人達50人ほどを大学に招いて、僕たち学生が運動会やクリスマス会などの行事を企画し、その時間を一緒に過ごすといったものがあります。これは学生にとっては障がいのある人と実際に触れ合う学習の場となる一方、障がいのある人から見れば余暇の過ごし方のひとつとなっています。
実際に障がいのある人は休みの日などには出かける場所がなかったり、遠くへ移動する手段がなかったりと余暇の過ごし方に困難を抱えている人もいます。なので、こういった場所は障がいのある人の生活の質を高めることにつながる大切な場所なのです。しかし実際大学生は微力で、できることは限られています。だからこそ、こういった場所はもっと増えていくことが求められています。
しかしその反対にこういった場所が保障されないということは、彼らの生活を息苦しいものへと追い詰めていきます。
戦争は障がいのある人にとって、そうった息苦しさを助長する最たるものです。
なぜなら今言ったような場所が保障されなくなるばかりか、差別の矛先が真っ先に彼らに向けられるからです。
第2次世界大戦中、ドイツが行ったホロコーストは皆さんもご存知かと思います。ガス室を使って組織的にユダヤ人を大量虐殺したものです。しかし、ガス室を使った大量殺人の最初の対象はユダヤ人ではなく、知的障がい、精神障がいのある人たちなどでした。これらの障がいが遺伝すると信じられた当時、それらの障がいを予防するといった考えのもとで障がいのある人を殺したり、子孫を残せないようにと断種手術をするという政策だったのです。これらはなにもナチスドイツのみの話ではありません。ここ日本でも「断種法」は整備され合法的に断種手術は行われています。
さらに日本では国家総動員法をきっかけに障がいのある人にも戦争を強いていきます。視覚障がいのある人は「目が不自由な分、耳を使え」という形で聴力のトレーニングを重ね、夜間、敵の飛行機を見張ることになります。軽度の知的障がいのある人は兵士として駆り出され、その場に慣れることができずに脱走兵となったり、上官からの暴行を受けることなどで精神障がいを発症することもありました。
障がいのあるような人たちが、社会の中で平等な権利を持ち、生活の質を高めていくためには、「平和であること」と「保障が整っていること」が絶対の条件です。それがなければ彼らはたちまち社会的に弱い層へと追いやられてしまいます。しかし今の政府はそれらを保障しようと勤めているでしょうか。僕にはそうは思えません。必要な人に生活保護受給が浸透していない、子育て支援にろくに財源もまわさず、教育の無料化が完全に達成されていない。など様々な課題を置き去りにしたまま安保法を通してアメリカに軍事援助というかたちでみつぐ予算をつくりました。この法は自衛隊員を世界中の戦地に赴かせて人を殺させる法律であるばかりか、まだ社会のいたるところに存在する差別や格差を一層広げるものとなります。こんな法制を整える政府がそういった保障をしよう、と真剣に取り組んでいるとは残念ながら思えません。
一方で、僕と一緒に障がいのある人と接する活動をしている人達の中にはこの法制がこのような影響を持つことに意識が向かず、反対を堂々と言える一歩を踏み出せない人がたくさんいます。この法制に反対する窓口は社会的に弱い立場の人を助けたいと願う立場のどんな学問からも結びついていて、反対の立場をとる十分の理由があります。だからこそ、僕は隣の人に語りかけていくことを続けようと思います。日頃からその話をおそれずにすることをやめないでおこうと思います。そうやって一人でも巻き込んで変わっていかないと、世界はよくならない。
社会的弱者がさらに社会的弱者へとおいやられる連鎖は止まらない。
こんな場所に立って「社会的弱者」なんて言葉を使わざるを得ない世の中はやっぱりおかしいんです。そんな言葉、概念ごとなくなる世の中にならないといけない。そんな願いを持っています。そんな願いを実現したい思うとき、今の安倍政権の独裁は真逆の方へと歩んでいます。それを絶対に許してはいけません。
こんなときこそ僕たち主権者が小さな変化を起こし続けないといけないと感じています。実際僕は非力でまだ自分の周りを巻き込めてません。でも絶対にあきらめない。「デモあるぞ。来てみなよ!」なんておどけて声をかけてみてます。できるだけしつこく。それをできる範囲でやっていく。そんな小さな行動しかできませんが、それでその人の心に何か小さな変化が起こることを期待しています。そんな変化が積み重なればいつか世界は大きく変わると信じているから。
(引用終わり)
多くのスピーチの中から服部さんのスピーチをご紹介したのは、服部さんが私の地元の和歌山大学の学生で、私も一面識程度はあるからには違いありませんが、そのような身びいき抜きでも、非常に感銘深い内容だと思います。
自分が学ぶ障がい児教育の視点から、現政権に反対する理由を確認した服部さんは、それに続けて次のように言います。
「この法制に反対する窓口は社会的に弱い立場の人を助けたいと願う立場のどんな学問からも結びついていて、反対の立場をとる十分の理由があります。」
そうなのです。私の周りにも「弁護士は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする。/2 弁護士は、前項の使命に基き、誠実にその職務を行い、社会秩序の維持及び法律制度の改善に努力しなければならない。」(弁護士法第1条)にもかかわらず、「反対を堂々と言える一歩を踏み出せない人がたくさんいます」からねえ。
しかし、そうであればこそ、「小さな変化が起こることを期待して」あきらめずに「小さな行動」を続けたいという服部さんのスピーチが胸に迫るのだと思います。
(弁護士・金原徹雄のブログから)
2015年2月6日
退任前にもう一度読み返す山本健慈和歌山大学学長の「平成25年度卒業式式辞」(付・予告3/3退任記念シンポジウム)
2015年3月25日
山本健慈和歌山大学学長 最後の卒業式式辞(付・予告4/29山本健慈氏講演会「学び続ける自由と民主主義~不安の時代に抗して」)
2015年8月14日
「安全保障関連法案の廃案を求める和歌山大学有志の会の声明」が発表されました
2015年8月29日
「和大(和歌山大学)で考える安保法案」シンポジウム(8/29)で話したこと
2015年11月10日
9年前に9条「改憲」「護憲」を真剣に論じた和歌山大学学生がいた
(付録)
『Don't mind (どんまい)』 作詞・作曲:ヒポポ大王 演奏:ヒポポフォークゲリラ
『Don't mind (どんまい)』 作詞・作曲:ヒポポ大王 演奏:ヒポポフォークゲリラ
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