今晩(2016年8月2日)配信した「メルマガ金原No.2526」を転載します。

中野晃一上智大学教授(市民連合)による「参議院選の結果と今後」に耳を傾ける(7/29自治体議員立憲ネットワーク)

 第24回参議院議員通常選挙が終わってはや3週間、そろそろ様々な団体で本格的な総括が行われ、今後を見据えた方針が話し合われているのではないかと思います。
 とりわけ、今回の選挙において、野党共闘を働きかける市民運動の渦中にあったところでは、「参院選の結果を踏まえて、これからどうするんだ?」ということについて、そろそろ方向性を出す必要があるだろうと思います(もちろん、「市民連合わかやま」もそうです)。
 各地、様々に事情は異なるでしょうが、そのような検討をするための非常に有益な参考となる意見を聴くことのできる動画を見つけました。
 
 去る7月28日(木)、29日(金)の両日、自治体議員立憲ネットワークが東京で開催した集会の2日目の動画です。特に「参議院選の結果と今後」について、上智大学の中野晃一教授(市民連合)が語られた分析は、大いに参考になります。また、最後に挨拶された千葉県選挙区で当選したばかりの大西洋之参議院議員(民進党)の短いスピーチも、その分析と提案に肯かざるを得ないところが「恐い」と思う人も多いのではないでしょうかね。
 
20160729 UPLAN 伊藤真・伊波洋一・中野晃一 自治体議員立憲ネットワーク第3回定期総会&講演会(1時間50分)


冒頭~ 伊藤真弁護士「違憲訴訟の現状と今後の展望」
※参院選で改憲勢力が2/3を超える議席を確保したことについては、選挙直後に伊藤さんがマガジン9に寄稿した以下の論考をお読みいただければと思います。
 

 また、各地で提訴が続く安保法制違憲訴訟についての報告の中で、特に東京地裁で2つの訴訟を提起した「安保法制違憲訴訟の会」の課題として伊藤さんが指摘したのが、①若手の実働弁護士が少ない(若手弁護士の置かれた経済的苦境が大きな要因)、②原告から費用は一切徴収せずカンパで賄う方針だったが、思いの他金が集まらず財政的な立て直しが急務という、なかなか切実な問題(何しろ「人」と「金」が足りないというのですから)であったのには、妙に感心してしまいました。
 
23分~ 伊波洋一参議院議員
※オール沖縄で当選したばかりの伊波洋一(いは・よういち)さんの短いスピーチですが、前日(7月28日)にもっと長い講演をされていますので(憲法・沖縄問題からみる参院選後の政治)、そちらの方の動画を視聴することをお勧めします。伊波さんの講演は動画の5分~39分、また、その後1時間27分まで仲村未央沖縄県議会議員のお話があります。質疑応答は1時間33分~です。
 
20160728 UPLAN 憲法・沖縄問題からみる参院選後の政治(2時間30分)

 
32分~ 中野晃一上智大学教授(政治学)「参議院選の結果と今後」
1時間15分~ 質疑応答

※立憲デモクラシーの会呼びかけ人でもある中野さんですが、この日は市民連合の中心メンバーの1人としてのお話でした。冒頭、動画の33分~を少し文字起こししてみます。
 
「私もいろんなところで、みんなイライラしているな、気持ちがささくれ立っているなという風に正直感じております。それはやっぱり、すっきりして、「ああ、やったやった」というような結果がですね、参議院選挙で収めることが出来れば良かったんですけれども、そういうことにはならなかったということで、どうしてもやっぱり今は、しばらくのところは、何て言うんですか、やや内ゲバモードになりがちなところもあるので、そういうのは避けてですね。私は、根本的には喧嘩っ早い人間なんですけれども、やっぱり、1つポイントかなと思って自分に言い聞かせてるのは、黙ってた方がいいことは黙ってる、っていうことですね。やっぱり、一言余計なことを言いたくなるっていう時はあって、一言余計っていうのはやっぱり「余計」なんで。(笑)余計だけど一言言わせてくださいというのは、余計だから言わない方がいいって、やっぱり多いんですね。それは、ちょっと我慢すれば、そのあとどうでもよくなることが多々ありますけど、言っちゃうと、それ自体がその次にさらに反応を惹起するっていうことがありますんで、非常に当たり前の話なんですけども、辛抱するところは辛抱するっていうことがやっぱり大事かなという風に思っております。」

 中野さんの上記発言自体は、普遍的な人間心理を踏まえたものでしょうが、私がわざわざこの部分を文字起こししたのは、もちろん和歌山の特殊事情を踏まえた上での特定の「意図」があってのことです。詳しくは、1週間前の私のメルマガ(ブログ)をご参照いただければと思います(「今後の市民連合の活動方針について」(2016年7月26日)を読む/2016年7月26日)。

 中野晃一さんによる分析は、非常に首肯できる部分が多いもので、一々をご紹介できませんが、是非皆さん、約1時間を何とか確保して、質疑応答も含めて全部視聴して欲しいと思います。
 
1時間37分~ 小西洋之参議院議員
※昨年9月17日の参議院特別委員会での奮闘で有名になり、今度の参院選千葉県選挙区を勝ち抜いた小西洋之議員(民進党)によるスピーチですが、感銘を受けた撮影者の三輪祐児さんは、小西議員のスピーチだけスピンオフさせてアップしています。
 
20160729 UPLAN【抜粋】小西洋之参議院議員・改憲阻止と安倍政権打倒にむけて(10分)

※三輪祐児さんのFacebookから
「参議院議員選挙で再選を果たした民進党の小西ひろゆき議員が、7月29日に開催された自治体議員立憲ネットワークの定期総会であいさつに立ち、そして改憲阻止、安倍打倒に向けた具体的行動提起をおこなった。
 国民投票になったら場合は好色占拠法の枠組みが適用されないから、自公マス政権は思い通り、カネをふんだんに使いまくってテレビ、新聞広告、ポスター、ティッシュ・うちわ配りなどで思う存分改憲投票の宣伝をしまくれる。その前にどう阻止するか。根幹にある解釈改憲のインチキを衝くこと、憲法擁護義務をもつ地方議員や、地方紙に質問状などを送る、そして憲法審査会で「総合的調査と審査」に追い込む。この小西戦法への援護射撃をお願いしたいと思う。」

 とにかく、現在の政治情勢下で「改憲」のステージに上がってしまえば、国民投票運動は金にあかせてやりたい放題で、とんでもないことになりそうだということは、少しは知られつつありますが、まだまだ広く国民の共通認識になっているとは言えません(投票日当日の自民党などによる新聞広告は憲法改正国民投票運動の前触れか?/2016年7月11日)。この10分の小西議員の訴えは、是非多くの人に聴いてもらいたいですね。

 こういう情勢の下、無邪気に「立憲的改憲論」(新九条論を含む)など主張している場合ではないだろう、というのが中野晃一さんの主張であり、私も賛意を表さずにはおられません。けれど、これも一種の「内ゲバ」なんでしょうかね?