今晩(2017年2月17日)配信した「メルマガ金原No.2726」を転載します。

森友学園への不明朗な国有地払下げを追及した宮本岳志衆議院議員(日本共産党)の質疑(テキスト)を読む(付・自由法曹団記者会見)

 財務省近畿財務局が、大阪府豊中市内の国有地を学校法人森友学園に異常な廉価で売却したのではないか?という第一報を朝日新聞が報じたのは2月9日のことでした。
 

 この第一報では、「財務局が森友学園に売った土地の東側にも、国有地(9492平方メートル)があった。財務局が10年に公共随契で豊中市に売ったが、価格は約14億2300万円。森友学園への売却額の約10倍とみられる。ここは公園として整備された。」という部分が最も注目されたと思われます。
 この時点では、近畿財務局は売却金額を公表しておらず、隣地との売却価格の著しい落差に目が行ったのも無理はありません。

 しかし、近畿財務局が価格の公表に転じたものの、疑惑は深まるばかりという状況であり、朝日新聞以外の大手メディアによる報道も見られるようになりました。まだ一切報じていない大手新聞やTVもあるようですが、共産党や民進党が国会で重点的に追及することになれば、いつまでも頬被りという訳にはいかなくなるでしょう。実際、NHKも今日になってようやくニュースで取り上げたようです。
 
東京新聞-共同通信 2017年2月15日 20時44分
小学校建設の国有地問題、解明へ 売却の真相、弁護士団体が表明

(引用開始)
 大阪府豊中市で私立小学校建設を計画する学校法人「森友学園」(大阪市淀川区)に、評価額の14%で払い下げた国有地の売却額を国が非開示にした問題で、弁護士団体「自由法曹団」が15日、大阪市内で記者会見し、「売却経緯の真相を解明したい」と表明した。
 会見で村山晃弁護士は、「売り払う過程に不自然な点が多い」と強調。国が地下のごみ撤去に8億円余りかかると見積もり、評価額9億5600万円から差し引いたことについて「費用の算定根拠が示されていない」などと疑問を示した。
 小学校は4月開校予定で、名誉校長は安倍晋三首相の夫人昭恵さん。

(引用終わり)
毎日新聞 2017年02月16日 22時08分
国有地:格安の謎…査定9億円、学校法人へ1億円で売却

(抜粋引用開始)
 国が売却した土地(約8770平方メートル)は豊中市野田町にある。取得したのは、大阪市淀川区で幼稚園を運営する学校法人「森友学園」で、今春、小学校が開校する。名誉校長には安倍晋三首相の妻昭恵さんが就くといい、注目度は更に高まった。
 元々、この地区は近くにある伊丹空港の騒音対策区域だったため、国土交通省大阪航空局が土地を買い進めてきた。航空機の性能が上がり、1989年に区域解除されたことに伴って区画整理が始まり、一つに集約された広い土地が生まれた。
 国はこの土地が不要になり、大阪航空局の依頼を受けた近畿財務局が2013年に売却先を公募。森友学園が手を挙げた。
 森友学園は15年5月、土地を借り受ける契約を結び、校舎建設に着手。ただ、地中からガラス片や木くずなどのごみが見つかった。学園側は「国に撤去を任せると時間がかかる」との理由で土地の購入を希望し、近畿財務局は昨年6月に随意契約で売却した。
 ここで問題になったのが、近畿財務局がとった売却額の非開示の措置。国の通達により公表が原則だが、学園側が地下ごみの風評被害を懸念し、開示に同意しなかった。これを問題視した豊中市議が、開示を求めて大阪地裁に提訴した。
 提訴から2日後、学園側が開示に同意し、売却額は1億3400万円と判明した。学園は「公表しないことで、不当に安く取得したと誤解を受ける恐れがある」と考えたという。
 ただ、開示だけで事態は収束しなかった。近畿財務局から依頼を受けた不動産鑑定士は、土地を9億5600万円と評価したことが明らかになり、売却額との開きに注目が集まった。財務省によると、大阪航空局は地下に埋まったごみの撤去・処分費を約8億円とはじき出しており、これが差額の根拠となったという。
(引用終わり)
 
NHK NEWS WEB 2月17日 18時38分
鑑定価格より低く売却の国有地 財務省は適正価格と説明

(抜粋引用開始)
 大阪・豊中市にあった国有地が、学校法人に鑑定価格より低く売却されたことをめぐり、財務省は衆議院予算委員会で、土地で発見された大量のゴミの撤去費用として8億円余りを差し引いたもので、適正な価格だったと説明しました。
 この問題は、大阪・豊中市にあったおよそ8800平方メートルの国有地を、国が去年、大阪・淀川区の学校法人「森友学園」に、鑑定価格よりも低く売却したものです。
 これについて、17日の衆議院予算委員会で財務省の佐川宣寿理財局長は、学園側に貸し付けていた国有地に小学校を建設中、地中から大量のゴミが発見され、学園側が1年後のことし4月に開校が迫る中、ゴミを撤去する意向を示したと説明しました。そして佐川理財局長は、鑑定価格の9億5600万円から8億円余りをゴミの撤去費用などとして差し引き、1億3400万円で売却したとしたうえで、「適正な価格で売り渡した」と述べました。
 一方、民進党側は「不動産鑑定の評価額より値下げされたのはなぜなのか。学校設置の認可とも関連したのではないか」と指摘しました。
 これに対し、安倍総理大臣は「妻の昭恵が小学校の名誉校長になっていることは承知している。私や妻が、この認可あるいは国有地払い下げに、事務所も含めて、一切関わっていないということは明確にさせていただきたい」と述べました。そのうえで、安倍総理大臣は「私や妻が関係しているということなれば、間違いなく総理大臣も国会議員も辞めるということは、はっきり申し上げておきたい。全く関係ない」と述べました。
(引用終わり)
 
 今日は、IWJの記事を2本、テキストと動画をご紹介したいと思います。
 1つは、一昨日(2月15日)の衆議院財務委員会における宮本岳志議員(日本共産党)による質疑のテキストです。
 いずれ、正式な会議録が衆議院のホームページにアップされると思いますが、これはおそらく会議録確定前の速記録(未定稿)でしょう。
 ざっと通読しましたが、日本共産党の調査能力の高さに感心しましたね。この質疑の模様は衆議院インターネット審議中継で見られますし、そこから切り取ったYouTube動画もありますが(1つ紹介します)、これまで朝日新聞の第一報を読んだだけで憤慨していた人に、是非このテキストを熟読して欲しいですね。動画も併せて視聴されると良いとは思いますが、私としてはテキストをまずお読みになることをお勧めします。非常によく出来たミステリーを読む醍醐味に近い、と言っては不謹慎でしょうが、どこに問題の所在があったのかという目の付け所が非常に的確であると思いますし、私としても非常に参考になりました。
 今日(2月17日)の衆議院予算委員会でもこの問題が取り上げられたようであり、さらに新しい疑惑が出てきているかもしれませんが、15日の宮本岳志議員(と日本共産党タクスフォース)によって明らかにされた点を出発点とし、これを多くの国民の共通認識にする努力をしなければならないと思います(ということで、私もメルマガ&ブログで取り上げたのですが)。
 
IWJ 【国会ハイライト】国有地が9割引の1億3000万円で払い下げ!次々と明らかになる「森友学園」をめぐる国ぐるみの疑惑!共産党・宮本岳志議員の追及を全文掲載!「極右学校法人の闇」第2弾! 2017.2.17

「森友学園」国有地払い下げ問題 国会で追及へ! 宮本岳志(共産)2/15 衆院・財務金融委員会(32分40秒)


 なお、上記の宮本議員による質疑をより良く理解するために、以下の文書は目を通しておかれた方が良いと思います。

大阪府私立学校審議会 平成27年1月30日答申
大私審第15号 小学校の設置について(答申)

(抜粋引用開始)
 平成26年12月9日け私第2826号で諮問のあった事項については、平成27年1月27日開催の大阪府私立学校審議会臨時会において、下記のとおり結論を得たので答申します。
                    記
第4号議案  瑞穂の國記念小學院の設置の件
 慎重審議の結果、上記の件について以下の条件を附して認可適当と認める。
 小学校建設に係る工事請負契約の締結状況、寄附金の受入れ状況、詳細なカリキュラム及び入学志願者の出願状況等、開校に向けた進捗状況を、次回以降の当審議会定例会において報告すること。
(引用終わり)
 
国有財産近畿地方審議会 第123回(平成27年2月10日) 議事録
(抜粋引用開始)
【藪野委員(弁護士(藪野・藤田法律事務所))】 売買予約契約を予め結んでおかれるということだったのですが、価格ですね。通常は、価格をフィックスして、予約完結権を行使したときに、それで売買が成立するということになるかと思うのですが、今回違いますね。
 先ほどその年度ごとに相続税路線価格を示して協議するというお話もありましたけれども、価格の設定はどのようにされているんですか。
【立川管財部次長】 これは一般的に不動産鑑定士に評価をお願いしてそれを使うと。それを買い受けが可能となった時期にタイムリーに鑑定評価に出しまして、その有効期限内に買っていただくという形でやらせていただこうと思っています。
 ですから、売買予約契約書には時価で買いましょうと、借地権も見ませんというふうなことを特約で盛り込んでいるところでございます。
(略)
【平井委員(㈱読売新聞大阪本社編集局 管理部長)】 今回の件は、当審議会よりもむしろ私学審で議論があり、たぶんその議論の決着が着いたから今回の審議会に持ち込まれたのだと思います。その上でまず、この少子化の中で、「私立の小学校を作るのでその運営主体に土地を売却する」ということですが、私学の小学校経営というのは本当に大丈夫なのでしょうか。それから、10年間まず借地として貸して、その後に時価で売るとのことですが、今後10年間の地価の推移がどうなるか、また、今後10年で私立の小学校の経営環境というのはそれほど改善しないと思われますが、いざ、売却する段になって、地価が上がっていて、買い手が「その価格では買えません」と言い出すリスクはないのでしょうか。
【立川管財部次長】 リスクはあるといいますか、一般的に同様の事案全てに当てはまることだと思うのですけれども、リスクは一定程度あるのだというふうに思っています。
(略)
【角野委員(関西学院大学総合政策学部教授)】 今の件の確認ですけども、だいたい学校法人の背景というのは普通の企業会計とは全然違っていまして、かなりリスクヘッジがかかっているということは理解しているのです。それでも、今のお話で10年の期限で、10年経ったときに売買契約が結べない、恐らく在学生の利益のためには引き続き、その定借期間を延長せざるを得ないということが見えていると思うのですけどね。その上で、なおかつさらに経営が行き詰まったときには、想定されるのはまず募集停止にして、その上で現在そのときに在学中の児童が卒業するまでは面倒見ますと。そのお金はちゃんと内部留保させられているはずなのですよね。
 ということで、そこまでの安全はきっと私学審議会でチェックされているとは思いますが、その上で10年経って定借延長します。しかし、さらに経営が改善される見込みがなくて募集停止になりましたというような最悪の際には、こういう土地は定借の期間をあるところで打ち切って国に戻すというような流れになるのでしょうか。
【立川管財部次長】 そうですね。事業用定期借地契約の中に、我々、先ほども説明しましたが、用途指定制度を特約として盛り込んでおりまして、まず入り口ではきちんと期日までに小学校が実際にできるかどうかというところでまず、もしできなければ事業予定者とはいえ、その時点でできないのであればもう打ち切りますよと。土地を更地にして返してくださいよということを義務付けています。
(略)
【今井委員(奈良女子大学 名誉教授)】 先ほどから出ているご意見のとおり、そういうふうに考えますけれども、私学審でどのくらい短期間の間に認可されるのかというのが、まずかなり条件が付いているのは少し気になるところではあります。
【立川管財部次長】 私学審の附帯条件、あくまでといいますか、答申は認可適当ということで、いずれ要件が整えば認可をするというふうなことで答申がなされておりまして、それをより現実的なものにするために、森友学園に対して一定のことをしなさいと、それを私学審のほうでグリップするので定例的に報告をしなさいと、進行管理をするというふうなことで、認可に向けての条件でございますので、この条件を淡々と履行していけば学校もできますし寄附も来るでしょうしと。工事契約なども今、収支計算に盛り込んでいる請負代金の金額でやっていくんだということを、一つ一つつぶしていくということの趣旨を踏まえて、こういった附帯条件ということとされておりますので、我々もそういった条件が履行された上で認可を得られることを前提として処理を今、進めていこうというふうに考えておりまして、こういった形で諮問させていただいているところなのでございますけれども、今の段階でそういったことが確定的にできないというふうなことでもあれば、そもそもこうやって諮問すらしませんし、こういった申請自体もあり得ないと思うのですけれども、一応こういったことをきちんと履行することということで先方から申請を受けて、進めるということでやってきておりますので、ここはスタートするべきなのだろうというふうに考えているところでございます。
(略)
【中野会長(京阪神ビルディング㈱代表取締役社長(元三井住友銀行副会長))】 いろんなご意見が出る中で、基本的にやっぱり安定的なところにお貸しをして、かつ購入してもらうということが国有財産は前提ですよね。学校法人ですから悪いわけではありませんが。したがって、附帯条件が付いて認可適当というのは条件が満たされて認可適当になりますので、それが満たされるという前提の中でこの審議会としては了というような形でまとめていったらどうかと思うのですが、そういう形でよろしゅうございますか。私学審議会において、附帯条件が極めて明確に付いていますので、こういう前提の中で進めさせていただくということでよろしゅうございますか。(「はい」の声あり
それでは、そういうことでご了承いただいということで。
(引用終わり)
 
 もう1つのIWJの記事は、宮本議員が国会で国を追及していた同じ2月15日、自由法曹団大阪支部と京都支部の弁護士が、豊中市の現地調査を行った後、大阪地裁本館1階記者室で行った記者会見の動画です。全編(40分14秒)視聴しましたが、少なくとも私には非常に有益でした。
 私は、この自由法曹団の記者会見動画を視聴してから宮本岳志議員の質疑のテキストを読みましたので、それでよりよく理解できたのかもしれません。
 もちろん、「売買予約」とか「予約完結権の行使」とかの法律用語が出てきますので、民法の基礎知識の有無で理解度に差が出るのはある程度致し方ないとは思いますが、それでも、記者会見の動画を視聴し、それから宮本議員の質疑をテキストで読むというのが、一番のお勧めの方法です。