今晩(2017年3月19日)配信した「メルマガ金原No.2756」を転載します。

放送予告4/30『憲法70年 平和国家の誕生(仮)』(NHKスペシャル)

 今年は、日本国憲法施行70周年。普通なら、政府主催の盛大な祝賀大会があっても不思議はない(?)と思いますが、まあ、ないでしょうね。
 私の地元・和歌山では、2014年以来、憲法記念日に和歌山城西の丸広場を会場として開催してきたイベントを、“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama 2017”として今年も開催します。
 そろそろ、その案内も書かなければとは思っているのですが、中身がまだ固まりきっておらず、もう少ししてからにしようかと思います。とりあえず、ほぼ例年通りのチラシが出来上がってきていますので、それだけご紹介しておきます。

 ところで、いずれ憲法施行70年をテーマとしてTVのドキュメンタリー番組もいくつか放送されるだろうと思うのですが、今のところ、地上波で目に付いた番組は、以下のNHKスペシャルだけです。
 
「日本国憲法の施行から70年を迎える。今、新たな資料の公開で憲法誕生の知られざる舞台裏が明らかになりつつある。
 たとえば「昭和天皇実録」などの公開で浮かび上がった新事実。それは昭和天皇が敗戦直後の昭和20
年9月4日、勅語で「平和国家の確立」を明らかにし、憲法改正の調査を命じていたことである。
 さらに幣原喜重郎首相が戦争放棄をマッカーサーに提唱。GHQは戦力不保持の草案を作成する。しか
し、GHQ草案の条文に「平和」の文字はなかった。では、どこから来たのかー。
番組では、近年、発掘された新たな資料をもとに、日本国憲法が誕生していく1年8か月を描く。」
 
 以上の番組案内にある「昭和20年9月4日」の「勅語」というのは、「第八十八臨時議会開院式ノ勅語」というものでしょう。全文引用してみます。

第八十八臨時議会開院式ノ勅語(昭和20年9月4日)
(引用開始)
朕茲ニ帝国議会開院ノ式ヲ行ヒ貴族院及衆議院ノ各員ニ告ク
朕已ニ戦争終結ノ詔命ヲ下シ更ニ使臣ヲ派シテ関係文書ニ調印セシメタリ
朕ハ終戦ニ伴フ幾多ノ艱苦ヲ克服シ国体ノ精華ヲ発揮シテ信義ヲ世界ニ布キ平和国家ヲ確立シテ人類ノ文
化ニ寄与セムコトヲ冀ヒ日夜軫念措カス此ノ大業ヲ成就セムト欲セハ冷静沈著隠忍自重外ハ盟約ヲ守リ和親ヲ敦クシ内ハ力ヲ各般ノ建設ニ傾ケ挙国一心自彊息マス以テ国本ヲ培養セサルヘカラス軍人遺族ノ扶助
傷病者ノ保護及新ニ軍籍ヲ離レタル者ノ厚生戦災ヲ蒙レル者ノ救済ニ至リテハ固ヨリ万全ヲ期スヘシ
朕ハ国務大臣ニ命シテ国家内外ノ情勢ト非常措置ノ径路トヲ説明セシム卿等克ク朕カ意ヲ体シ道義立国ノ皇謨ニ則リ政府ト協力シテ朕カ事ヲ奨順シ億兆一致愈々奉公ノ誠ヲ竭サムコトヲ期セヨ
(引用終わり)

 今年1月4日、朝日新聞がこの勅語の起草過程を、国立公文書館のデジタルアーカイブから跡づけて記事にしています。
 

 なるほど、国立公文書館のデジタルアーカイブで、「第八十八回帝国議会開院式勅語案」というキーワードで検索すると、全部で15枚の画像が出てきます。
 この勅語の修正過程を検証して記事にしたということですね。
 
 けれども、番組案内に「憲法改正の調査を命じていた」とある部分は、昭和天皇実録を読んでいないのでよく分かりません。
 また、「GHQ草案の条文に「平和」の文字はなかった。」ですが、たしかに条文(第8条)には、日本国憲法第9条1項の「国際平和を誠実に希求し」に相当するような表現はありませんでしたが、前文には、既に“all peoples have the right to live in peace”(平和ノ裏ニ生存スル権利ヲ有スル)というような表現が盛り込まれていました。

 録画して、しっかりと視聴したいと思います。

happybirthday憲法inwakayama2017チラシ