2017年9月3日配信(予定)のメルマガ金原.No.2924を転載します。
 
「第24回全国市民オンブズマン和歌山大会」に参加して
 
 昨日(9月2日)・今日(3日)の2日間、和歌山県民文化会館を会場として開催された、「第24回全国市民オンブズマン和歌山大会」に参加してきました。今年のテーマは、「「忖度」の闇に光を!!権力のえこひいきをただす」という、まことに時宜に適ったものでした(写真は、開会挨拶を行う現地実行委員会委員長の阪本康文弁護士です)。
DSCN1855 私は、時間の都合で、昨日の1日目は前半のみの参加で、各地からの報告を聞けなかったのは残念でしたが、「政務活動費情報公開度ランキング」の発表はぎりぎり聞くことができました。なお、大会前日の9月1日(金)午後2時から、全国市民オンブズマン連絡会議が県民文化会館で記者会見を開き、「2017年度 政務活動費 情報公開度ランキング アンケート調査結果について」発表を行ったようで、大会の取材記事は見当たらないものの、和歌山県、和歌山市が著しく低位にあるこのランキングだけを報じたメディアもありました。
 以下に、大会を取材して記事を掲載してくれた和歌山放送ニュースを引用し、ランキングの内容を報じた新聞記事2つにリンクしておきます。
 
和歌山放送ニュース 2017年09月02日 18時34分
第24回市民オンブズマン全国大会、和歌山で初開催
(抜粋引用開始)
 政務活動費の使い道の透明化を求めて活動している市民オンブズマンの全国大会が、きょう(2日)和歌山市で開かれました。
 きょう午後1時から、和歌山市の県民文化会館で開かれた全国大会には、全国の市民オンブズマンのメンバーらおよそ200人が参加し、はじめに、実行委員会の阪本康文(さかもと・やすふみ)実行委員長が「私たちは、情報公開の前提となる公文書の保存や管理について厳しく追及していかなければならない。ことし話題の『忖度』をテーマに、2日間、実りある議論をしましょう」と挨拶しました。
 大会では、全国各地の市民オンブズマンの担当者がそれぞれの活動や情報公開の調査結果を報告したほか、森友学園や加計学園の問題を表した寸劇が行われました。また、新海聡(しんかい・さとし)事務局長は和歌山県の「口利き記録制度」の有無を紹介し、「和歌山県は制度を持っているが、不当なもののみ記録するのでゼロ件となっている。すぐに要件を外さないと忖度がまかり通ってしまう」と指摘しました。この大会は、あす(3日)も開かれます。
 ところで、全国市民オンブズマン連絡協議会は全国の主な議会を対象に、領収書や活動報告書をインターネットで公開しているかや、支出の基準を示したマニュアルを作成しているかなどの基準で、政務活動費の情報がどれだけ公開されているかを調査し、きのう(1日)結果を公開しました。
 それによりますと、和歌山県議会は会計帳簿の提出や活動報告書の作成を義務付けていないことや、インターネットでの情報公開が進んでいないことなどから47都道府県中42位にとどまりました。また、和歌山市議会は、人口20万人以上の48の中核市のなかで、下から2番目の47位でした。
(引用終わり)
 
朝日新聞(和歌山) 2017年9月2日03時00分
政活費公開度 県42位 和歌山市47位(土井恵里奈、杢田光)
 
紀伊民報(2017年9月2日更新)
情報公開度全国42位 和歌山県議会の政活費
 
 なお、9月1日の記者会見を予告した全国市民オンブズマン連絡協議会のホームページから、 
を読むことができます。
 その中から、都道府県・政令市・中核市ごとの上位・下位の自治体を抽出した部分を引用します。
 
(抜粋引用開始)
3 調査結果
(1)最下位の自治体とトップの自治体
(ア)都道府県
  最下位 埼玉県 11点
  43位 群馬県、山口県、佐賀県、宮崎県 12点
  42位 和歌山県 15点
  1位 兵庫県 97点
  2位 富山県、大阪府 92点
  4位 青森県、高知県 74点
(イ)政令市
  最下位 名古屋市 12点
  19位 横浜市 14点
  18位 岡山市 15点
  1位 堺市 94点
  2位 静岡市 66点
  3位 京都市 64点
(ウ)中核市
  最下位 越谷市 7点
  47位 和歌山市 9点
  45位 船橋市、福山市 15点
  1位 函館市 100点
  2位 郡山市 95点
  3位 高崎市 80点
 政務活動費(調査費)の公開は、ほとんどの自治体において、主として領収証や会計帳簿の公開の有無を課題として、議会内で議論されてきた。しかし、政務活動費の公開度の進展は、私たちがかつて行った、情報公開度ランキング(1997年〜2008年)調査での、首長部局の改善の速度と比較して、はるかに遅い。その理由は、議会内での政務活動費の開示に向けた議論が、市民目線に立っていないことに尽きる。こうしたことは、それまでも、一応の制度の改善に取り組んできた富山市において、昨年、組織的とも言える政務活動費の不正支出が明らかになったことが象徴している。つまり、政務活動情報の開示に向けた議会内での議論は、常に、「どこまで情報を公開してなくても良いのか」という後ろ向きの視点をもとにされてきた。だからこそ、「公開しなくても良い部分」あるいは「制度の裏」での不正が繰り返される、という悪循環を産むのだ。こうした悪循環は、都道府県で最下位となった埼玉県議会で、政務活動費の不正が現在取りざたされていることからも裏付けられよう。
 トップと最下位との素点の差は、今となってはかなり大きくなっている。だからといって、トップがすぐれている、ということにはならない。私たちの今回の調査は、政務活動費が有効に使われているかを私たちが判断するためのカナメというべき「政務活動費を支出してどのような調査研究活動をし、成果を挙げたかが公開されているか」に関する情報としては、活動報告書と視察報告書だけを採りあげたに過ぎず、しかも、その内容を一切評価していないからである。従って、視察報告書や調査報告書がA4一枚であろうとも、さらに、昨年、幾つかの自治体で指摘されたように、数人の視察報告書や調査報告書がほとんど丸写しのものであったとしても、それらをネットで公開していれば、10点の素点を配点する結果となっている。今回は政務活動費の支出の説明のための器の調査に過ぎないのである。
 立派な器に何を盛るかは議員にかかっている。現在のところ、上位の自治体であっても、そこに盛られる料理は、政務活動費という料理の代金にとても見合うものではない、というのが実情ではないだろうか。
(2)83議会(72%)が 50点以下
 かなりゆるい今回の調査項目と素点ですら、50点も採れない自治体が83も存在する。50点は、領収証を原本で提出し、閲覧ができ、会計帳簿を提出、活動報告書、視察報告書の作成、公表、マニュアルをネット公開していれば、ネット公開を全くしない場合でも獲得できる点数だ。50点も取れない、ということは、基本的な情報の作成すら義務付けていない、ということを意味する。
 政務活動費の不正がこれだけ多くの自治体で問題となり、市民の関心が高いにもかかわらず、私たちの調査に対して50点もとれない自治体は、落第というほかない。制度の改善にこれほど不熱心であるということは、所属議員がよほど世論に鈍感か、あるいは政務活動費が公費であることが理解できないか、または政務活動費の透明性を訴える市民を「こんな人たち」などと敵視しているかのいずれかでなければ、これほどの怠慢を説明することはできないだろう。
(引用終わり)
 
 上記説明にあるとおり、「今回は政務活動費の支出の説明のための器の調査に過ぎない」とはいうものの、「50点も取れない」どころか、15点(和歌山県)と9点(和歌山市)ですからね。
 
 そして、2日目の今日の午前中に開かれた4つの分科会の内、私は「カジノ・ギャンブル分科会」に出席しました。
 9時30分から休憩もとらずに2時間びっしりと、基調報告と会場発言が続き、大いに勉強になりました。
 以下には、基調報告をされた5人の方のお名前と報告のテーマをご紹介します。
 
1 吉田哲也氏(弁護士)「カジノ解禁の問題点」
2 宅田潤司氏「和歌山でのカジノ誘致をさせない運動ととりくみについて」
3 竹崎博一氏「りんくうタウン駅ビルと場外馬券場売場」
4 大川隆司氏(弁護士)「横浜市カジノ差止監査請求と反対運動」
5 井上善雄氏(弁護士)「「大阪カジノ万博」恥ずかしくなる貧相さ」
 
 カジノ実施法(次の臨時国会に上程されると言われている)が成立してしまえば、次は自治体(都道府県)からの申請、国による審査と認可という手順で、当面、全国で2~3箇所のカジノが誕生するのではという見通しのようです。
 私たちは、地元へのカジノ誘致に反対するとともに、全国どこにもカジノを作らせなない運動を展開する必要がある訳です。現実問題として、大阪の「夢洲(ゆめしま)」と和歌山の「マリーナシティ」の両方が認可される可能性はほぼゼロでしょうけど、和歌山の住民にとっても、「夢洲ならまあいいか」ということでは全然ないですからね。
 
 横浜では、近々、カジノ反対の住民監査請求が行なわれるようですし(山下ふ頭の約70%は横浜市の所有地なので)、大阪でも、具体的な動きはまだないにせよ、いずれは法廷闘争も視野に入れた展望がなされているようです。
 本来なら、首長選挙や議会選挙において、カジノ反対派が勝利を収めることが第一のはずですが、先の横浜市長選挙を見ても、これがなかなか容易なことではない。大阪にしてもそうでしょうし、和歌山などなおさらです。
 多くの自治体で、住民が自ら立ちあがらなければどうにもならないという状況が厳然として存在しているのですよね。
 私のブログの「カジノ」シリーズも、どうやらどんどん回を重ねていきそうです。
 
(弁護士・金原徹雄のブログから/カジノ関連)
2016年12月8日
カジノ推進法案をめぐる和歌山の現状と読売新聞による徹底批判
2017年2月27日
和歌山弁護士会「いわゆる「カジノ解禁推進法」の成立に抗議し、同法の廃止を求める会長声明」(2017年2月27日)と和歌山でのカジノ誘致の動き
2017年3月10日
「カジノで観光・まちづくり!?ちょっと、おかしいんとちゃうか!緊急トーク集会」3/13@プラザホープのご案内と4月・5月の「予告編」
2017年3月26日
「カジノあかん3・25大阪集会」動画のご紹介と12/12参議院内閣委員会での新里宏二弁護士と鳥畑与一静岡大教授の反カジノ意見陳述
2017年4月5日
「カジノ実施法案」作成作業が始まりました~クリーンなカジノの実現を目指して(!?)
2017年6月21日
和歌山でのカジノ誘致に反対する動き~和歌山弁護士会「会長声明」(6/16)とカジノ問題を考える和歌山ネットワーク準備会「市民集会」(7/19)
2017年7月5日
2017年8月18日
2017年8月19日
2017年8月30日
2017年9月1日