弁護士・金原徹雄のブログ

憲法を大事にし、音楽を愛し、原発を無くしたいと願う多くの人と繋がれるブログを目指します。

社会

「愛国」二題~山口二郎氏「愛国の作法」と鈴木邦男氏「愛国心スピーチ」

 今晩(2017年3月20日)配信した「メルマガ金原No.2757」を転載します。

「愛国」二題~山口二郎氏「愛国の作法」と鈴木邦男氏「愛国心スピーチ」

 2月9日の朝日新聞による第一報からまだ一月半も経っていないとは信じられないくらい、めまぐるしい展開を見せる「森友学園」問題については、比較的早い段階の2月17日に私もメルマガ(ブログ)で取り上げたものの、その後、2月26日に続報を1本書いただけで、ほぼお手上げ状態となり、ただ注意深く推移を見守っているだけという、かなり受け身のスタンスになってしまっており、「これでいいんだろうか?」という疑問が頭をもたげたりもします。

 問題の本質(の一つ)は、政治や行政という公的な領域で貫徹されるべき「正義」があまりにも蔑ろにされているという(極めて強い疑い)だろうと思います。従って、学校法人森友学園が運営する塚本幼稚園において、園児に教育勅語を暗唱させるというような「愛国教育」が行われていたことや、森友学園の周辺にいわゆる「愛国者」の群れがぞろぞろ出没していること自体は、もしかすると「本筋」ではないのかもしれません。
 さはさりながら、この機会に、括弧付きの「愛国」のうさんくささを、広く国民が共有することに何程か効果があるのなら、それもまた有意義ではないかと思い、今日は、「愛国」二題をお届けすることにしました。

 まずはじめは、昨日(3月19日)の東京新聞「本音のコラム」に掲載された山口二郎法政大学教授(政治学、立憲デモクラシーの会共同代表)による「愛国の作法」です。
 この記事自体は、東京新聞のWEB版では公開されていませんが、もともと山口二郎さんが、ご自身のtwitterで連載(連投というのでしょうか?)したものをまとめたもの、というか、始めからコラムに掲載することを前提にtwitterに連投したのでしょう。

愛国の作法1(2017年3月4日)

「文科省は学校の道徳で愛国心の教育をするそう。我が国の最高指導者の行状から愛国の作法を導き出せば、こんなことになろうか。
愛国の作法1 自分は愛国者であることを目いっぱい大声で叫びましょう。愛国心の証(し)は日の丸を振りかざし、君が代を歌えばよろしい。教育勅語の暗唱はさらに効果的です。」
→最後の一文は、コラム掲載時に「教育勅語を暗唱できれば愛国心は優等です。」と修正されました。もちろん、「道徳」の教科化を踏まえた変更であることは言うまでもありません。

愛国の作法2(2017年3月4日)
「愛国の作法2 自分が純粋で過激な愛国者であることを示せば、周りの人間はみな愛国心に感動し、あなたの望む無理難題を聞いてくれるかもしれません。お父さん、お母さんに小遣いを上げてほしいという時も、自分は愛国者だと大声で言えば効果覿面。何しろ国有地をただ同然でもらった愛国者もいるくらい。」

愛国の作法3(2017年3月4日)
「愛国の作法3 愛国者は機を見るに敏でなければなりません。同じ愛国仲間でも、やばそうな奴が愛国をネタに変なことをしていると気づいたら、さっさと裏切り、知らん顔をしましょう。愛国者に節操は不要です。あいつは真の愛国心がわかっていないとうそぶくのも、保身には効果的です。」

愛国の作法4(2017年3月4日)
「愛国の作法4 愛国者はなにより自分を愛する人です。愛国教育に熱心な文科省の高級官僚も、法を無視して、退職後の天下りを確保するために組織的に動いていたくらいですから。自分の私利私欲を追求するときにも、愛国だと言えばだれも邪魔しません。(愛国心とはなんと効果的な魔除けでしょう。)」
→括弧した部分はコラム掲載時に削除されました。
「愛国の作法5 愛国者は強い者の心中を忖度(そんたく)し、気に入られるよう行動します。政治家の無理難題を実現した財務省の官僚こそ、愛国者の鑑(かがみ)です。」

 「愛国の作法」といえば、姜尚中さんが2006年に朝日新書から刊行した著書のタイトルを思い出しますので、それと区別するために、山口二郎さんが書かれたコラムのタイトルは、「愛国の作法2017」とすべきかもしれません(と、私が勝手に変更する訳にもいきませんが)。

 そして、「愛国」二題のもう1つは、やはり昨日(3月19日)行われた「『森友10万人デモ』安倍退陣に追い込もう! 緊急集会クライマックス」(国会正門前)での、鈴木邦男さん(一水会最高顧問)によるスピーチです。
 動画はいくつかありますが、比較的音声が聴き取りやすいものを2種類ご紹介します。
 
2017年3月19日【森友10万人デモ】(森薫)(1時間57分)

※鈴木邦男さんのスピーチは36分~48分、制服向上委員会の歌は49分~1時間02分です。

 最初は、鈴木さんのスピーチ全文文字起こしに挑戦しようかと思ったのですが、時間の都合と、とても完全に聴き取れる自信がなく断念しました。
 そこで、IWJのダイジェスト動画に収録された鈴木さんのスピーチの一部のみ、以下のとおり文字起こししてみました。これだけでも、なかなか感銘深く読んでいただけるのではないかと思います。

「愛国心というのはね、全部『自己申告』なんですよ。僕も今まで、『俺は愛国者だ』というのは、1万人以上の人に会ってますよ。でも、ほとんどが全部インチキですね。だって、自分で(愛国心があると)言うんですからね。それと、愛国心を言う人には『愛』はありません。本当に愛国心がある、日本が好きだというならば、この時代が好きだ、この人たちが好きだ、自分はそれに影響されて頑張っていこうというのなら、心の中で思ってればいいわけでしょう?それをわざわざ、『俺は愛国者だ』、『俺は愛国者だ』と言ったら、大体、『でも、あいつは違うんだ』と、誰かを批判するために言いますよね。でまた、他国を攻撃するために使いますよね。だから、NOや反対のために言うならば、それはもう愛国心じゃないだろう。」
「三島由紀夫は1970年に自決しましたけれど、その2年前に、実は朝日新聞に、愛国心について文章を書いている。それを僕も読みました。『愛国心という言葉は嫌いだ』と書いてあるんですよ。『これ(愛国心という言葉)は官製のにおいがする。国家が押しつけてる。自分だけが日本からぽっと抜け出して、なんか犬か陶器を愛するように愛してる。そういう思い上がりの心がある。さらに、愛というのは普遍的なもののはずなのに、国境で区切られている愛なんてあるのか』とあって、すごいなと。」
「でも三島由紀夫はね、多分、1968年の人に対して言ったんじゃないんですよ。今の我々に対して言ったんですよ。」

 鈴木さんのマガジン9での連載のタイトルは「鈴木邦男の愛国問答」であり、岩波ブックレットから『〈愛国心〉に気をつけろ!』(2016年6月刊)という著作も出されていますので、さらに詳しく鈴木さんの意見を知りたい方は、それらをご参照ください。

※参考サイト
マガジン9「鈴木邦男の愛国問答」バックナンバー
岩波ブックレット『〈愛国心〉に気をつけろ!』


 「愛国」二題、いかがだったでしょうか?
 2015年3月に改訂された「小学校学習指導要領 第3章 道徳」では、その教科の内容を以下のように定めています。

(抜粋引用開始)
〔第3学年及び第4学年〕
主として自分自身に関すること。
(1) 自分でできることは自分でやり,よく考えて行動し,節度のある生活をする。
(2) 自分でやろうと決めたことは,粘り強くやり遂げる。
(3) 正しいと判断したことは,勇気をもって行う。
(4) 過ちは素直に改め,正直に明るい心で元気よく生活する。
(5) 自分の特徴に気付き,よい所を伸ばす。
主として他の人とのかかわりに関すること。
(1) 礼儀の大切さを知り,だれに対しても真心をもって接する。
(2) 相手のことを思いやり,進んで親切にする。
(3) 友達と互いに理解し,信頼し,助け合う。
(4) 生活を支えている人々や高齢者に,尊敬と感謝の気持ちをもって接する。
主として自然や崇高なものとのかかわりに関すること。
(1) 生命の尊さを感じ取り,生命あるものを大切にする。
(2) 自然のすばらしさや不思議さに感動し,自然や動植物を大切にする。
(3) 美しいものや気高いものに感動する心をもつ。
主として集団や社会とのかかわりに関すること。
(1) 約束や社会のきまりを守り,公徳心をもつ。
(2) 働くことの大切さを知り,進んでみんなのために働く。
(3) 父母,祖父母を敬愛し,家族みんなで協力し合って楽しい家庭をつくる。
(4) 先生や学校の人々を敬愛し,みんなで協力し合って楽しい学級をつくる。
(5) 郷土の伝統と文化を大切にし,郷土を愛する心をもつ。
(6) 我が国の伝統と文化に親しみ,国を愛する心をもつ
とともに,外国の人々や文化に関心をもつ。
(引用終わり)

 来年から、この学習指導要領に基づいて教科化された「道徳」が生徒に教えられるのですが、その中には、しっかりと「国を愛する心をもつ」ことも含まれています。
 瑞穂の國記念小學院の開校はとりあえず頓挫しましたが、全国全ての小学校の生徒たちにこの学習指導要領が適用されるということで、私たちも、「愛国心」に無関心でいるわけにはいきません。

「カジノで観光・まちづくり!?ちょっと、おかしいんとちゃうか!緊急トーク集会」3/13@プラザホープのご案内と4月・5月の「予告編」

 今晩(2017年3月10日)配信した「メルマガ金原No.2747」を転載します。

「カジノで観光・まちづくり!?ちょっと、おかしいんとちゃうか!緊急トーク集会」3/13@プラザホープのご案内と4月・5月の「予告編」

 私のメルマガ(ブログ)では、主に和歌山県内で行われる様々な企画をご紹介することも多く、県外にお住まいの読者には少々申し訳ないところですが、私が書いた記事を読んで参加した、という人がいれば
いいなあという思いで積極的に取り上げています。
 今後、書かねばと思っている企画も色々あって、以下に「予告編」的に日程などをご紹介しておきます(いずれメルマガ&ブログでご紹介します)。

2017年4月1日(土)14時00分~
和歌山市河北コミュニティセンター2階多目的ホール
守ろう9条 紀の川 市民の会 第13回 総会
記念講演「安倍首相はなぜ憲法を変えたいのか~私たちの生活はどうなるのか~」
講師 植松健一 氏(立命館大学法学部教授/憲法学)
入場 無料
チラシ

2017年4月28日(金)18時00分~
和歌山県民文化会館小ホール
青法協憲法記念行事 憲法を考える夕べ
講演「市民の力で立憲民主主義を創る~他者性を踏まえた連帯の可能性~」
講師 中野晃一 氏(上智大学国際教養学部長・教授/政治学)
主催 青年法律家協会和歌山支部
入場 無料
※現在チラシ作成中。講演テーマはこれで確定です。メインタイトルは、1年前に出た中野先生の共著書のタイトルを主催者から提案したもの。サブタイトルは中野先生ご自身に提案していただいたものです。

2017年5月3日(水・祝)10時00分~
和歌山城西の丸広場
HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama 2017
主催 同実行委員会
※チラシ完成。明後日(3月12日)、和歌山城西の丸広場で開催される「フクシマを忘れない!原発ゼロへ 和歌山アクション2017」の会場で配布される見込み(多分)。

2017年5月28日(日)13時00分~
ライブハウス OLDTIME(〒640-8002 和歌山市北新5丁目70)
第一回ラブ&ピースライブ和歌山~平和を祈るコンサート~
入場料 2000円(ワンドリンク付)
出演 紀州五十五万石、Kinya、Crowfield、素和歌、なつおmeets南風、ツナ・ヒッキーズ、ハラケイジ、福山ひでみ、祈りの歌の会 みかんこ、三木久美夫

チラシ

 以上は「予告編」であり、今日ご紹介するメイン企画は別にあります。しかも、開催日が3日後の3月
13日(月)というメチャメチャ直前です。
 なぜこんなに間際のご紹介になったかといえば、主催者は実行委員会ですが、どうやらその構成団体の1つであるらしい和歌山県地方労働組合評議会議長の琴浦龍彦さんから、「いつもお世話になっています。13日に添付の緊急集会を開きます。メルマガで拡散いただければありがたいです。また、本日の共謀罪の宣伝行動へのご参加、ありがとうございます。」という、実に簡にして要を得た(これ以上短くしようがない)メールが届いたのが昨日の午後のことで、間際であっても、これは取り上げざるを得ないなと
思った次第です。
 というのも、その緊急集会が、「カジノで観光・まちづくり!?ちょっと、おかしいんとちゃうか!緊
急トーク集会」で、私も是非参加して言いたいことがある、というものでしたから。
 ただし、上記「予告編」の最初にある4月1日の「守ろう9条 紀の川 市民の会」第13回総会準備のための運営委員会と日程がバッティングしており、カジノ緊急トーク集会の方を欠席せざるを得ないのは
まことに残念です。
 和歌山にも大阪にも日本にもカジノはいらない!と考えている皆さま、ご都合がつくようでしたら、是
非参加されますようお勧めします。
 なお、カジノ問題については、過去3回、私のメルマガ(ブログ)で取り上げていますので、そちらも是非お読みください。

チラシから引用開始)
カジノで観光・まちづくり!?
ちょっと、おかしいんとちゃうか!

緊急トーク集会

 和歌山市の尾花市長は、カジノを含む統合型リーゾート(IR)の誘致に乗り出すことを表明しました。
 カジノで観光振興や街づくりができるのでしょうか。
 ギャンブル依存症の増加や歴史と豊かな自然を大事にして地道に築いてきた和歌山の観光イメージが損
なわれてしまわないでしょうか。
 緊急トーク集会にぜひご参加ください。

とき:2017年3月13日(月)18:00~
ばしょ:和歌山県勤労福祉会館プラザホープ 2F多目的室
      和歌山市北出島1丁目5?47

プログラム
■開会挨拶
■ミニ講演 由良たかのぶ氏(弁護士、和歌山クレサラ・生活再建対策協議会幹事)
■トーク
■まとめ・閉会挨拶

カジノで観光・まちづくり!?ちょっとおかしいんとちゃうか!緊急トーク集会・実行委員会
【連絡先】集会事務局 073-441-5090 (和歌山民医連内)宅田
(引用終わり)

『ほんものとにせもの』 原曲:ピート・シーガー 日本語詞・演奏:中川五郎
 

 カジノ緊急トーク集会(チラシ)

『3.11避難者の声~当事者自身がアーカイブ~』(東日本大震災避難者の会Thanks&Dream(サンドリ))を是非お読みください

 今晩(2017年3月5日)配信した「メルマガ金原No.2742」を転載します。

『3.11避難者の声~当事者自身がアーカイブ~』(東日本大震災避難者の会Thanks&Dream(サンドリ))を是非お読みください

 昨日(3月4日)午後、和歌山市のフォルテワジマ6階ボランティアサロンにおいて、「原発がこわい女たちの会」が主催した、和歌山県岩出市の内科医・山崎知行(やまざき・ともゆき)先生のお話をうかがう会に出席しました。
CIMG6930 山崎先生は、鳥取大学医学部のご出身(専攻科が違うとはいえ、おしどりマコさんの大先輩ということですね)。チェルノブイリ原発事故の後、日本キリスト教協議会(NCC)が企画したチェルノブイリ・スタディツアーに度々参加されるなど、放射能による健康障害について関心を持ち、情報収集を続けておられたところに福島第一原発事故が発生。和歌山県に母子避難された多くのお母さんたちの良き相談相手となったのはもちろんですが、日本キリスト教団大阪教区から派遣され、会津若松市の教会に置かれた会津放射能情報センターを拠点として、毎月、福島県下で健康相談を続けてこられました(今は、隔月の奇数月に行かれているとのことでした)。
 会津放射能情報センター
公式サイトの中の「心と身体の健康相談」のページに、<個人相談者Oさんのご感想> が掲載されていましたので、一部引用させていただきます。
「事故当初は4才の子を育てていました。私も当時高い線量のなか水と食料、ガソリンを求めて長時間外出していましたので親子ともに放射能の影響がとても心配でした。山崎先生は私たち親子の心配にとても優しく、丁寧に話を聴いて下さいました。そして、放射能やそれにまつわる健康被害についても詳しく教えて下さいます。それによって継続しての健康相談と経過観察の大切さを実感しています。放射能による健康被害の相談はもちろんのこと、他にも予防接種やアレルギーのこと、子育てに関すること、大人の体調不調のことなど、幅広く相談させて頂いています。」

 ところで、昨日の山崎先生のお話の演題は、「福島の人たちの苦しみ~健康相談から見える事~」でした。今日は、山崎先生のお話の内容をご紹介するのが目的ではありませんので控えますが、日本国政府が実行しつつあり、本年4月以降本格実施される帰還政策に、チェルノブイリの教訓を省みないものとして、先生が非常に批判的であることは言うまでもありません。けれども、山崎先生が相談を聞かれている人たちは、福島にとどまった方々であり、仮に「心ならずも」であったとしても、その決定は尊重しなければならず、言うに言えないこともあるのではないかと想像されました。
 昨日は、山崎先生の講演とDVD上映の後、「私たちは何をしなければならないのか」をテーマに話し合いが行われました。結論など出るはずのない難しいテーマで、私を含め、みんな頭を抱えたというのが正直なところでしょうが、私は、最後にこういう発言をさせていただきました。
 
「今日の山崎先生のお話やDVDに登場した人たちは、主に福島県にとどまった方々、あるいは、県内避難中で、4月以降、避難指示が解除された故郷に帰還するかどうかで悩んでいる人々でした。
 一方で、福島県、あるいは周辺の東北、関東からこの関西に避難しておられる人たちが大勢います。しかも、原発事故から何年も経ってから、ようやく決断して避難して来た人たちも少なくありません。そのような避難者の一部の方々が原告となり、東京電力と国を相手取った損害賠償請求訴訟を、関西だけでも3箇所の裁判所(京都、神戸、大阪各地裁)に提起しています。一昨日(3月2日)、大阪地裁で原発賠償関西訴訟の第13回口頭弁論が開かれ、私も弁護団の一員として参加しました。そして、裁判終了後の報告集会の会場で、東日本大震災避難者の会Thanks&Dream(サンドリ)が編集・発行したばかりの避難者自身による手記集『3.11避難者の声~当事者自身がアーカイブ~』を入手してきました。
 ここには、多くの避難者の声が集められていますが、原発賠償関西訴訟原告団代表で、サンドリ代表でもある森松明希子さんのように、実名で機会をとらえては積極的に発信を続けている人から、匿名で自らの思いを綴っておられる方々まで様々です。そして、この冊子を手にとって読んでいただければ、匿名で文章を発表した人々のさらに背後に、匿名でも書けない、さらにずっと多くの方々がいることに気付かれることでしょう。
 私たちに何が出来るのか、何をしなければならないのか、を考える前提として、原発事故被災者自身の声に耳を傾け、そして、その背後にあるずっと多くの声にならない声を想像するために、この『3.11避難者の声~当事者自身がアーカイブ~』を是非読んでいただきたいと思います。1冊500円のカンパで頒布を開始しています。メールでの注文方法などは、近々私のメルマガ(ブログ)でご紹介しますので、是非よろしくお願いします」
 
 ということで、今日は、東日本大震災避難者の会Thanks&Dream(サンドリ)発行の『3.11避難者の声~当事者自身がアーカイブ~』をご紹介します。
 私の文章は「前置きが長過ぎる」とよく言われるのですが、今日もその例に漏れなかったようです。
 けれども、東京電力福島第一原発事故による被害が、補償も終わり、原発に近いごく一部の地域を除いて除染も終わって帰還できることになったと国民に信じ込ませようとするかのような国の施策に対峙するのは、原発事故被災者自身でしかあり得ません。
 避難した人、とどまった人、それぞれの事情はあっても、その違いは相対的なものであり、常に交換可能です。そして、3月末で避難指示が解除される区域からの避難者が「帰還しない」という選択をすれば、強制避難から自主避難への転換です。
 関西の人間が、普段接することができるのは避難者の方々であり、とどまった方々との接点は、限られた人しか持ち得ていないことは事実でしょう。けれども、避難した1人1人の皆さんの紡ぎ出した言葉に真剣に耳を傾ければ、その紙背の向こうから、避難はしたが発信は出来ないという人たちだけではなく、避難しなかった、あるいは出来なかった人々の声なき声も聞こえてくるのではないか、というのが、私の昨日の発言の真意でした。 

 なお、『3.11避難者の声~当事者自身がアーカイブ~』に収録された多くの手記の一々について、その感想を述べている余裕はありません。是非、皆さんご自身が本書を手に取り、白紙の状態で向かい合っていただければと思います。
 そのために、サンドリ代表の森松さんに特にお願いして「もくじ」と「あとがき」のデータを送っていただき、以下に転載することにしました。私があれこれ書くまでもなく、「もくじ」と「あとがき」をお読みいただければ、この冊子が何を訴えようとしているのかをご理解いただけるものと信じます。
 ただ、私からのお願いを1つだけ付け加えさせてください。それは、「あとがき」だけではなく、「もくじ」も流し読みではなく、じっくりと一語一語を噛みしめながら読んでいただきたいということです。例えば、こういう風に。

もくじ
はじめに
ひなんしゃの こえを とどけませんか
さんてんいちいち ひなんしゃのこえ こうべるみなりえてんじ 2014ねん12がつ
4か から 8か
いち とうきょうとから きょうとふへ ぼしひなん えむさん
に かながわけんよこはましから ならけんならしへ ぼしひなん すどうあいこさん 
さん ふくしまけんこおりやまし から おおさかふやおしへ ぼしひなん から かぞくひなんへ  R.Hさん
よん とうきょうとから ならけんへ ぼしひなんから かぞくいじゅうへ あるひとりのいじゅうままさん
ご ふくしまけんそうましから おおさかふもりぐちしへ ぼしひなん O.Nさん

(以下略) 

 それでは、以下に、『3.11避難者の声~当事者自身がアーカイブ~』(編集・発行 東日本大震災避難者の会Thanks&Dream(サンドリ))の「もくじ」と「あとがき」を転載し、併せて、同書の取り寄せ方法が説明されたサンドリ公式ブログを引用します。
 10冊以上で送料無料となりますので、是非、周囲の友人・知人などにお声をかけていただき、まとめて注文していただけるとサンドリの皆さんも喜ばれるのではないかと思いますので、よろしくお願いします。

(付記)
 「もくじ」を読んだだけではよく分からないかもしれない点を、いくつか補足しておきます。
意見陳述書:東京電力と国を被告として訴えている損害賠償請求訴訟の口頭弁論期日において、原告として意見陳述を行った方の陳述書です。兵庫訴訟(神戸地裁)がお2人、関西訴訟(大阪地裁)がお1人、掲載されています。
ラジオ放送:MBS(毎日放送)「ネットワーク1.17」で富岡町、郡山市、須賀川市、千葉県松戸市からの避難者の声が放送された(2016年3月21日)のを文字起こししたものです。
研究論文:神戸大学大学院国際協力研究科院生(当時)の出口裕加里さんが、2016年2月1日に提出した修士論文「原発事故四年目の避難生活-聞き取り調査から見えてくるもの-」を抜粋したものです(それでも45頁あります/冊子全体は128頁です)。

(引用開始)
                  も く じ
はじめに
避難者の「声」を届けませんか
 ■3.11避難者の声@神戸ルミナリエ展示(2014年12月4日~8日)
  ①東京都→京都府(母子避難) M
  ②神奈川県横浜市→奈良県奈良市(母子避難) すどうあいこ
  ③福島県郡山市→大阪府八尾市(母子避難→家族避難) R.H
  ④東京都→奈良県(母子避難→家族移住) あるひとりの移住ママ
  ⑤福島県相馬市→大阪府守口市(母子避難) O.N
  ⑥茨城県→京都府(母子避難) A.K
  ⑦福島県郡山市→大阪府高槻市(家族避難) S
  ⑧福島県→大阪府(母子避難) ひがしだあさみ
  ⑨東京都葛飾区→大阪府茨木市(家族避難) T.M
  ⑩福島県須賀川市→大阪府(母子避難) 匿名
  ⑪福島県南相馬市→京都府 福島敦子
  ⑫茨城県ひたちなか市→大阪府大阪市(単身) 羽石敦
  ⑬千葉県鎌ケ谷市→滋賀県東近江市 Y.K
  ⑭福島県→京都府(単身) バーミー
  ⑮埼玉県→大阪府(家族移住)C
  ⑯福島県郡山市→大阪府大阪市(母子避難) 森松明希子
  ⑰神奈川県川崎市→奈良県(母子避難) 匿名
 ■東日本大震災4周年企画@梅田(2015年3月4日~11日)
  ①関東→奈良県奈良市(家族移住) M.T
  ②東京都→奈良県(母子避難→家族移住) あるひとりの移住ママ
  ③東京都→大阪府(母子避難→家族移住) SK
  ④福島県→兵庫県(家族避難) 匿名
  ⑤東京都→大阪府(母子避難→家族移住) 8歳男児
  ⑥東京都→大阪府(母子避難→家族移住) 11歳男児
 ■東日本大震災5周年企画@梅田(2016年3月1日~11日)
  ①福島県いわき市→埼玉県入間郡毛呂山町(母子避難) 河井かおり
  ②神奈川県横浜市→奈良県奈良市(母子避難) すどうあいこ
  ③福島県郡山市→大阪府八尾市(母子避難→家族避難) R.H
  ④茨城県→京都府(母子避難) A.K
  ⑤福島県いわき市→埼玉県(母子避難) 小学校2年生女児
  ⑥福島県→大阪府(母子避難) A.H
  ⑦福島県福島市→長崎県長崎市(家族避難) ココナッツ
  ⑧福島県郡山市→大阪府大阪市(母子避難) 森松明希子
  ⑨福島県田村市→京都府京都市(夫婦家族避難) 鈴木絹江
避難者おすすめ映画の感想
 【A2-B-C】
  ①福島県相馬市→大阪府守口市(母子避難) O.N
 【小さき声のカノン】
  ①東京都→京都府 竹井恭子(原発と映画プロジェクト)
  ②福島県→大阪府(母子避難) A.H
  ③東京都→奈良県(母子避難→家族移住) あるひとりの移住ママ
  ④関東→奈良県奈良市(家族移住) M.T
 【日本と原発】
  ①福島県→大阪府(母子避難) A.H
  ②東京都→大阪府(母子避難→家族移住) SK
  ③関東→奈良県奈良市(家族移住) M.T
  ④福島県郡山市→大阪府大阪市(母子避難) 森松明希子
意見陳述書
  ①福島県南相馬市→兵庫県三木市(家族避難) 木幡智恵子
  ②福島県いわき市→兵庫県姫路市(子どものみ→母子避難) 齋藤英子
  ③福島県郡山市→大阪府大阪市(母子避難) 森松明希子
特別寄稿
 手記
  ①東京都国分寺市→兵庫県神戸市西区(家族での避難移住) 下澤陽子
  ②東京→関西 K
 手紙
  ①内閣総理大臣および福島県知事に宛てた手紙
 避難住宅問題
  ①茨城県ひたちなか市→大阪府大阪市(単身) 羽石敦
  ②茨城県北茨城市→大阪府大阪市(家族避難) 手塚美代子
  ③茨城県→鹿児島県→大阪府 太田歩美
 避難者いじめ問題
  ①福島県避難区域外→東京都(母子避難) いじめ被害生徒の母
  ②「逃げる勇気」と「助けてと言える力」
  ③原発被害者の子どもに対するいじめについての声明
 レポート・報告
  ①関西圏への区域外避難者の5年後の状況と報告
ラジオ放送
研究論文
 原発事故四年目の避難生活
編集後記
あとがき
(引用終わり)
 
(引用開始)
 あとがき
 本書をお手に取って最後までお読みくださいましてありがとうございました。
 本書のサブタイトルを、東日本大震災避難者の会Thanks&Dream(サンドリ)の合言葉でもある~当事者自身がアーカイブ~といたしました。その真意をお伝えすることができましたでしょうか?また、お読みいただいたお一人お一人の皆さまに、他人事としてではなく、身近なご自分事として、「もしもご自身やご家族に同じ災難が降りかかったなら……」と具体的に災害(地震・津波・原子力災害)が起きたことを想定し、想像力を持って、「明日は我が身ではないだろうか?」というように、ほんの少しでもご自身の日常に引き寄せてお考えいただけるきっかけとなりましたでしょうか。
 本書に登場する避難当事者は、3.11直前までは皆さまと同様に、この国でふつうにあたり前の日常を送っていた、市井の人々です。ただ一つだけ違いがあるとするならば、3.11およびその直後に発生した東京電力福島第一原発事故の影響で、実際に「避難」を決断し、それを敢行した、ただそれだけなのです。日常の暮らしを営んでいた皆さんと変わらぬこの国で暮らしていた人たちの現実の声なのです。
 震災直後から、3.11震災関連のアーカイブが残されていきましたし、これからも数多く残されていくでしょう。しかし避難当事者の声にまさるアーカイブはないとの自負と確信が私にはあります。事実に基づいて実際に避難という決断・経験をする、その実際に経験した事実に裏打ちされた言葉に勝る真実がほかにあるのでしょうか。避難者一人一人の意思決定の過程、困難な情況の中での避難に至るまでの経緯、また避難してからの経験そのものが、大切で貴重な後世に残すべき社会的事実であり、歴史的証言であり、史実として蓄積され、今後の教訓として活かされるべき事象であると思うのです。
 どうか、実際に避難を決断し、避難生活を敢行した人々の声に耳を傾けてください。目を凝らして、真実は何かをご一緒に見出してください。現実から目をそらさず、これからの教訓として活かしてください。3.11に東日本大地震という大きな地 震が発生し、直後には東日本の太平洋側沿岸部には津波が押し寄せました。さらに、福島県にある東京電力福島第一原発事故が爆発したのです。3.11を語るとき、地震・ 津波・原子力災害のこの三つが複合的に起きた惨禍であるということは誰の目にも明らかです。この切っても切り離せない三つの惨禍から、命を守り抜くため、失われなかった命を未来につなぎ、未来を切り開くために行動した人々の貴重な証言ひとつひとつに後世の人が教訓となしえる事実を見い出していただきたいのです。
 ご自身で言葉を紡ぎ、沈黙することなく、後世につづく人たちへの教訓ともなりうる事実を伝え、アーカイブ機能をいかんなく発揮してくださった方々に心から感謝申し上げます。今という時を当事者発信の言葉として残してくださったお一人お一人の被災者・避難当事者の皆さま方の勇気を誇りに思います。
 災害は、いつ何度でも起こります。誰の身にも等しくその時々にその人が置かれている状況など考慮されずに、ある日突然やってきます。その時に備えるための一助となれば、幸いです。
 本書に掲載されました「声」は、ともすれば「声なき声」としてこうして皆さまの元に届けることができなかったかもしれません。でも、現実にはこうして、声なき声 は伝え、残していくことが叶いました。それはひとえに、その声こそが、3.11の前まで皆さんと同じにふつうに暮らしていた人々の真実の声であると確信してくださり、本書の発行までにご尽力くださいましたすべての皆さま方のおかげです。3.11に思いを寄せ、被災者の声に耳を傾け、お心をお寄せくださいました皆さま方に心から感謝申し上げます。
 3.11を経験したすべての人々が、本当の「声」を出すこと、思いを伝えること、真実を残すこと、アーカイブ機能を果たしていくことができますように、私たち東日本大震災避難者の会Thanks&Dream(サンドリ)のメンバー一同は心から願っています。関わってくださったすべての方々の勇気に励まされ、本書の完成にいたるまで希望を持ってご一緒に取り組んでくださいましたすべての方々に、心より感謝を込めて厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。そしてこれからも、事実を伝えること、真実に向き合いつづけることをどうぞすべての皆さまとご一緒に歩んで参りたいと思います。
                   2017年3月11日
                   東日本大震災避難者の会Thanks&Dream
                   代表 森松明希子
(引用終わり)
 
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(引用開始)
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(引用終わり)

森友学園スキャンダルへの向き合い方~自分自身で納得できる「時系列表」を作るのが理想

 今晩(2017年2月26日)配信した「メルマガ金原No.2735」を転載します。

森友学園スキャンダルへの向き合い方~自分自身で納得できる「時系列表」を作るのが理想

 学校法人森友学園への不明朗な国有地売却問題については、地元・豊中市議会の木村真議員による情報公開請求訴訟の提起をきっかけとしてまず朝日新聞が報じたのが2月9日。それからまだ2週間余りしか経っていないのに、いろいろな情報が出てきました。
 ただ、何日か情報収集を怠っていると、すぐに付いていけなくなってしまいそうな位に進展が早いですね。
 私が、メルマガ(ブログ)で初めてこの問題を取り上げたのは、2月15日の2つの出来事、衆議院財務金融委員会における宮本岳志議員(日本共産党)による追及と、自由法曹団京都支部、大阪支部による現地調査後の記者会見を報じたIWJの記事を紹介したものでした(森友学園への不明朗な国有地払下げを追及した宮本岳志衆議院議員(日本共産党)の質疑(テキスト)を読む(付・自由法曹団記者会見)/2017年2月17日)。
 この時点では、上記2つの記事がIWJによる「極右学校法人の闇」の第1弾・第2弾だったのですが、それから11日経過した本日(2月26日)現在、IWJの「極右学校法人の闇」シリーズは、何と第20弾に達しています。
 特集記事は以下のページから全記事にアクセスできます。
 

 参照の便宜のため、個別の記事にもリンクをはっておきます。
 

ヒ素や鉛の検出された国有地「9割引」払い下げ、軍国教育、ヘイト文書、そして安倍総理夫妻との蜜月・・・「森友学園問題」とは何なのか~「極右学校法人の闇」第6弾 2017.2.20

【国会ハイライト】「犬臭い」と園児のリュックを捨てた!? 森友学園が運営する塚本幼稚園での「児童虐待」の実態を民進・玉木雄一郎議員が追及!~「極右学校法人の闇」第13弾!

 この内、【国会ハイライト】と付いているのは、国会における野党議員の追及をテキスト(速記録)で紹介したもので、これがとてもお薦めです。
 2月15日の衆議院財務委員会での宮本岳志議員による質疑をテキストで読んだ私は、思わず「非常によく出来たミステリーを読む醍醐味に近い」と書いてしまいました。
 他の(速記録)も、日によって程度に差はあるものの、いずれもスリリングであり、まずこの【国会ハイライト】を時系列順に読まれることをお勧めしたいと思います。


2月17日・衆議院予算委員会・福島伸享議員(民進党)


2月21日・衆議院財務金融委員会・宮本岳志議員(日本共産党)


2月22日・衆議院予算委員会・玉木雄一郎議員(民進党)


 さて、ここまで色々な情報が出てくると、個々の情報の信頼度について評価しながら、それを時系列の中のしかるべき箇所に組み込み、前後の事実とのつながりを推測し、という作業を行うのがオーソドックスな手順というものです。とはいえ、それを自分自身でやるだけの時間はとてもないし、「誰か、可能な限り資料の裏付けをとりながら、信頼できる時系列表を作っている人はいないだろうか?」というまことに他力本願な希望に添うサイトを探したところ、ありました!
 と言っても、別に探すのに苦労した訳でも何でもなく、「森友学園」「時系列表」という2つのキーワードでGoogle検索したところ、トップに表示されたのがこのサイトでした。

【2/26更新】森友学園(大阪市淀川区)と大阪・豊中の国有地 情報集約

 サイト名「よどきかく」、トップには「大阪市内を中心とした、保育所・幼稚園・子育て・生活情報等を発信しています。」とあるとおり、最新の他の記事のタイトルを抜き出してみると、
 「(仮称)中心部児童急増対策プロジェクトチーム」を設置へ
 【H29新設保育所紹介】(9)ぴっころきっず谷町園(中央区)
 【ニュース・追記あり】みるく保育園の元園長・元副園長を詐欺容疑で逮捕
 【大阪市政】平成29年度から4歳児も教育費無償化へ
 【重要】大阪市保育所等1次調整の申込数・内定数・未内定数が公表されました

など、なるほど多彩です。
 
 なお、同サイトの「時系列表」ですが、これもまるまる信用するのではなく、勘違いはないか?新しい情報に基づいて訂正すべき箇所はないか?という視点から、確認していくという姿勢で読んでいく必要があります。そして、この「時系列表」の非常に優れている点として、記載した事項の裏付けとなる資料を明示しており、ネットで閲覧可能なものはリンクがはられていますので、そのような検証をしながら活用するための「時系列表」としてうってつけです。
 この時系列表を大きめのサイズの紙に印刷し、裏付資料(国会質疑などは本来二次資料ですが、国と森友学園との契約書や不動産鑑定士による鑑定書などの一次資料を簡単には読めない現状では、一次資料に準じる資料として重要です)と照らし合わせて得心すれば青ペンでチェックし、補充や訂正をすべきと判断したら赤ペンで書き込みをするということが出来たらいいなあ・・・と思いますが、なかなか現実には時間がない。

 いずれにしても、1人1人が他人の言説を鵜呑みにするのではなく、基礎資料に直接あたってみた上で、自分自身の「時系列表」を作り上げるのが理想です。
 そして、この方法論は、何も森友学園スキャンダルに限ったことではなく、あらゆる社会事象に向き合う際の基本的姿勢であるべきだということに気がつきます。
 そう何もかも理想通りにいくはずはなく、どこかで現実と折り合いをつけることになるのですが、それでも最低限、自分の立ち位置と「理想」との距離を正確に測れるように心掛けたいものです。

森友学園への不明朗な国有地払下げを追及した宮本岳志衆議院議員(日本共産党)の質疑(テキスト)を読む(付・自由法曹団記者会見)

 今晩(2017年2月17日)配信した「メルマガ金原No.2726」を転載します。

森友学園への不明朗な国有地払下げを追及した宮本岳志衆議院議員(日本共産党)の質疑(テキスト)を読む(付・自由法曹団記者会見)

 財務省近畿財務局が、大阪府豊中市内の国有地を学校法人森友学園に異常な廉価で売却したのではないか?という第一報を朝日新聞が報じたのは2月9日のことでした。
 

 この第一報では、「財務局が森友学園に売った土地の東側にも、国有地(9492平方メートル)があった。財務局が10年に公共随契で豊中市に売ったが、価格は約14億2300万円。森友学園への売却額の約10倍とみられる。ここは公園として整備された。」という部分が最も注目されたと思われます。
 この時点では、近畿財務局は売却金額を公表しておらず、隣地との売却価格の著しい落差に目が行ったのも無理はありません。

 しかし、近畿財務局が価格の公表に転じたものの、疑惑は深まるばかりという状況であり、朝日新聞以外の大手メディアによる報道も見られるようになりました。まだ一切報じていない大手新聞やTVもあるようですが、共産党や民進党が国会で重点的に追及することになれば、いつまでも頬被りという訳にはいかなくなるでしょう。実際、NHKも今日になってようやくニュースで取り上げたようです。
 
東京新聞-共同通信 2017年2月15日 20時44分
小学校建設の国有地問題、解明へ 売却の真相、弁護士団体が表明

(引用開始)
 大阪府豊中市で私立小学校建設を計画する学校法人「森友学園」(大阪市淀川区)に、評価額の14%で払い下げた国有地の売却額を国が非開示にした問題で、弁護士団体「自由法曹団」が15日、大阪市内で記者会見し、「売却経緯の真相を解明したい」と表明した。
 会見で村山晃弁護士は、「売り払う過程に不自然な点が多い」と強調。国が地下のごみ撤去に8億円余りかかると見積もり、評価額9億5600万円から差し引いたことについて「費用の算定根拠が示されていない」などと疑問を示した。
 小学校は4月開校予定で、名誉校長は安倍晋三首相の夫人昭恵さん。

(引用終わり)
毎日新聞 2017年02月16日 22時08分
国有地:格安の謎…査定9億円、学校法人へ1億円で売却

(抜粋引用開始)
 国が売却した土地(約8770平方メートル)は豊中市野田町にある。取得したのは、大阪市淀川区で幼稚園を運営する学校法人「森友学園」で、今春、小学校が開校する。名誉校長には安倍晋三首相の妻昭恵さんが就くといい、注目度は更に高まった。
 元々、この地区は近くにある伊丹空港の騒音対策区域だったため、国土交通省大阪航空局が土地を買い進めてきた。航空機の性能が上がり、1989年に区域解除されたことに伴って区画整理が始まり、一つに集約された広い土地が生まれた。
 国はこの土地が不要になり、大阪航空局の依頼を受けた近畿財務局が2013年に売却先を公募。森友学園が手を挙げた。
 森友学園は15年5月、土地を借り受ける契約を結び、校舎建設に着手。ただ、地中からガラス片や木くずなどのごみが見つかった。学園側は「国に撤去を任せると時間がかかる」との理由で土地の購入を希望し、近畿財務局は昨年6月に随意契約で売却した。
 ここで問題になったのが、近畿財務局がとった売却額の非開示の措置。国の通達により公表が原則だが、学園側が地下ごみの風評被害を懸念し、開示に同意しなかった。これを問題視した豊中市議が、開示を求めて大阪地裁に提訴した。
 提訴から2日後、学園側が開示に同意し、売却額は1億3400万円と判明した。学園は「公表しないことで、不当に安く取得したと誤解を受ける恐れがある」と考えたという。
 ただ、開示だけで事態は収束しなかった。近畿財務局から依頼を受けた不動産鑑定士は、土地を9億5600万円と評価したことが明らかになり、売却額との開きに注目が集まった。財務省によると、大阪航空局は地下に埋まったごみの撤去・処分費を約8億円とはじき出しており、これが差額の根拠となったという。
(引用終わり)
 
NHK NEWS WEB 2月17日 18時38分
鑑定価格より低く売却の国有地 財務省は適正価格と説明

(抜粋引用開始)
 大阪・豊中市にあった国有地が、学校法人に鑑定価格より低く売却されたことをめぐり、財務省は衆議院予算委員会で、土地で発見された大量のゴミの撤去費用として8億円余りを差し引いたもので、適正な価格だったと説明しました。
 この問題は、大阪・豊中市にあったおよそ8800平方メートルの国有地を、国が去年、大阪・淀川区の学校法人「森友学園」に、鑑定価格よりも低く売却したものです。
 これについて、17日の衆議院予算委員会で財務省の佐川宣寿理財局長は、学園側に貸し付けていた国有地に小学校を建設中、地中から大量のゴミが発見され、学園側が1年後のことし4月に開校が迫る中、ゴミを撤去する意向を示したと説明しました。そして佐川理財局長は、鑑定価格の9億5600万円から8億円余りをゴミの撤去費用などとして差し引き、1億3400万円で売却したとしたうえで、「適正な価格で売り渡した」と述べました。
 一方、民進党側は「不動産鑑定の評価額より値下げされたのはなぜなのか。学校設置の認可とも関連したのではないか」と指摘しました。
 これに対し、安倍総理大臣は「妻の昭恵が小学校の名誉校長になっていることは承知している。私や妻が、この認可あるいは国有地払い下げに、事務所も含めて、一切関わっていないということは明確にさせていただきたい」と述べました。そのうえで、安倍総理大臣は「私や妻が関係しているということなれば、間違いなく総理大臣も国会議員も辞めるということは、はっきり申し上げておきたい。全く関係ない」と述べました。
(引用終わり)
 
 今日は、IWJの記事を2本、テキストと動画をご紹介したいと思います。
 1つは、一昨日(2月15日)の衆議院財務委員会における宮本岳志議員(日本共産党)による質疑のテキストです。
 いずれ、正式な会議録が衆議院のホームページにアップされると思いますが、これはおそらく会議録確定前の速記録(未定稿)でしょう。
 ざっと通読しましたが、日本共産党の調査能力の高さに感心しましたね。この質疑の模様は衆議院インターネット審議中継で見られますし、そこから切り取ったYouTube動画もありますが(1つ紹介します)、これまで朝日新聞の第一報を読んだだけで憤慨していた人に、是非このテキストを熟読して欲しいですね。動画も併せて視聴されると良いとは思いますが、私としてはテキストをまずお読みになることをお勧めします。非常によく出来たミステリーを読む醍醐味に近い、と言っては不謹慎でしょうが、どこに問題の所在があったのかという目の付け所が非常に的確であると思いますし、私としても非常に参考になりました。
 今日(2月17日)の衆議院予算委員会でもこの問題が取り上げられたようであり、さらに新しい疑惑が出てきているかもしれませんが、15日の宮本岳志議員(と日本共産党タクスフォース)によって明らかにされた点を出発点とし、これを多くの国民の共通認識にする努力をしなければならないと思います(ということで、私もメルマガ&ブログで取り上げたのですが)。
 
IWJ 【国会ハイライト】国有地が9割引の1億3000万円で払い下げ!次々と明らかになる「森友学園」をめぐる国ぐるみの疑惑!共産党・宮本岳志議員の追及を全文掲載!「極右学校法人の闇」第2弾! 2017.2.17

「森友学園」国有地払い下げ問題 国会で追及へ! 宮本岳志(共産)2/15 衆院・財務金融委員会(32分40秒)


 なお、上記の宮本議員による質疑をより良く理解するために、以下の文書は目を通しておかれた方が良いと思います。

大阪府私立学校審議会 平成27年1月30日答申
大私審第15号 小学校の設置について(答申)

(抜粋引用開始)
 平成26年12月9日け私第2826号で諮問のあった事項については、平成27年1月27日開催の大阪府私立学校審議会臨時会において、下記のとおり結論を得たので答申します。
                    記
第4号議案  瑞穂の國記念小學院の設置の件
 慎重審議の結果、上記の件について以下の条件を附して認可適当と認める。
 小学校建設に係る工事請負契約の締結状況、寄附金の受入れ状況、詳細なカリキュラム及び入学志願者の出願状況等、開校に向けた進捗状況を、次回以降の当審議会定例会において報告すること。
(引用終わり)
 
国有財産近畿地方審議会 第123回(平成27年2月10日) 議事録
(抜粋引用開始)
【藪野委員(弁護士(藪野・藤田法律事務所))】 売買予約契約を予め結んでおかれるということだったのですが、価格ですね。通常は、価格をフィックスして、予約完結権を行使したときに、それで売買が成立するということになるかと思うのですが、今回違いますね。
 先ほどその年度ごとに相続税路線価格を示して協議するというお話もありましたけれども、価格の設定はどのようにされているんですか。
【立川管財部次長】 これは一般的に不動産鑑定士に評価をお願いしてそれを使うと。それを買い受けが可能となった時期にタイムリーに鑑定評価に出しまして、その有効期限内に買っていただくという形でやらせていただこうと思っています。
 ですから、売買予約契約書には時価で買いましょうと、借地権も見ませんというふうなことを特約で盛り込んでいるところでございます。
(略)
【平井委員(㈱読売新聞大阪本社編集局 管理部長)】 今回の件は、当審議会よりもむしろ私学審で議論があり、たぶんその議論の決着が着いたから今回の審議会に持ち込まれたのだと思います。その上でまず、この少子化の中で、「私立の小学校を作るのでその運営主体に土地を売却する」ということですが、私学の小学校経営というのは本当に大丈夫なのでしょうか。それから、10年間まず借地として貸して、その後に時価で売るとのことですが、今後10年間の地価の推移がどうなるか、また、今後10年で私立の小学校の経営環境というのはそれほど改善しないと思われますが、いざ、売却する段になって、地価が上がっていて、買い手が「その価格では買えません」と言い出すリスクはないのでしょうか。
【立川管財部次長】 リスクはあるといいますか、一般的に同様の事案全てに当てはまることだと思うのですけれども、リスクは一定程度あるのだというふうに思っています。
(略)
【角野委員(関西学院大学総合政策学部教授)】 今の件の確認ですけども、だいたい学校法人の背景というのは普通の企業会計とは全然違っていまして、かなりリスクヘッジがかかっているということは理解しているのです。それでも、今のお話で10年の期限で、10年経ったときに売買契約が結べない、恐らく在学生の利益のためには引き続き、その定借期間を延長せざるを得ないということが見えていると思うのですけどね。その上で、なおかつさらに経営が行き詰まったときには、想定されるのはまず募集停止にして、その上で現在そのときに在学中の児童が卒業するまでは面倒見ますと。そのお金はちゃんと内部留保させられているはずなのですよね。
 ということで、そこまでの安全はきっと私学審議会でチェックされているとは思いますが、その上で10年経って定借延長します。しかし、さらに経営が改善される見込みがなくて募集停止になりましたというような最悪の際には、こういう土地は定借の期間をあるところで打ち切って国に戻すというような流れになるのでしょうか。
【立川管財部次長】 そうですね。事業用定期借地契約の中に、我々、先ほども説明しましたが、用途指定制度を特約として盛り込んでおりまして、まず入り口ではきちんと期日までに小学校が実際にできるかどうかというところでまず、もしできなければ事業予定者とはいえ、その時点でできないのであればもう打ち切りますよと。土地を更地にして返してくださいよということを義務付けています。
(略)
【今井委員(奈良女子大学 名誉教授)】 先ほどから出ているご意見のとおり、そういうふうに考えますけれども、私学審でどのくらい短期間の間に認可されるのかというのが、まずかなり条件が付いているのは少し気になるところではあります。
【立川管財部次長】 私学審の附帯条件、あくまでといいますか、答申は認可適当ということで、いずれ要件が整えば認可をするというふうなことで答申がなされておりまして、それをより現実的なものにするために、森友学園に対して一定のことをしなさいと、それを私学審のほうでグリップするので定例的に報告をしなさいと、進行管理をするというふうなことで、認可に向けての条件でございますので、この条件を淡々と履行していけば学校もできますし寄附も来るでしょうしと。工事契約なども今、収支計算に盛り込んでいる請負代金の金額でやっていくんだということを、一つ一つつぶしていくということの趣旨を踏まえて、こういった附帯条件ということとされておりますので、我々もそういった条件が履行された上で認可を得られることを前提として処理を今、進めていこうというふうに考えておりまして、こういった形で諮問させていただいているところなのでございますけれども、今の段階でそういったことが確定的にできないというふうなことでもあれば、そもそもこうやって諮問すらしませんし、こういった申請自体もあり得ないと思うのですけれども、一応こういったことをきちんと履行することということで先方から申請を受けて、進めるということでやってきておりますので、ここはスタートするべきなのだろうというふうに考えているところでございます。
(略)
【中野会長(京阪神ビルディング㈱代表取締役社長(元三井住友銀行副会長))】 いろんなご意見が出る中で、基本的にやっぱり安定的なところにお貸しをして、かつ購入してもらうということが国有財産は前提ですよね。学校法人ですから悪いわけではありませんが。したがって、附帯条件が付いて認可適当というのは条件が満たされて認可適当になりますので、それが満たされるという前提の中でこの審議会としては了というような形でまとめていったらどうかと思うのですが、そういう形でよろしゅうございますか。私学審議会において、附帯条件が極めて明確に付いていますので、こういう前提の中で進めさせていただくということでよろしゅうございますか。(「はい」の声あり
それでは、そういうことでご了承いただいということで。
(引用終わり)
 
 もう1つのIWJの記事は、宮本議員が国会で国を追及していた同じ2月15日、自由法曹団大阪支部と京都支部の弁護士が、豊中市の現地調査を行った後、大阪地裁本館1階記者室で行った記者会見の動画です。全編(40分14秒)視聴しましたが、少なくとも私には非常に有益でした。
 私は、この自由法曹団の記者会見動画を視聴してから宮本岳志議員の質疑のテキストを読みましたので、それでよりよく理解できたのかもしれません。
 もちろん、「売買予約」とか「予約完結権の行使」とかの法律用語が出てきますので、民法の基礎知識の有無で理解度に差が出るのはある程度致し方ないとは思いますが、それでも、記者会見の動画を視聴し、それから宮本議員の質疑をテキストで読むというのが、一番のお勧めの方法です。

「自由なラジオ LIGHT UP!」最新アーカイブを聴く(042~045)~YouTubeトラブルは解決していないけれど

 今晩(2017年2月9日)配信した「メルマガ金原No.2718」を転載します。

「自由なラジオ LIGHT UP!」最新アーカイブを聴く(042~045)~YouTubeトラブルは解決していないけれど

 「ラジオフォーラム」の事実上の後継番組として、昨年の4月からスタートした「自由なラジオ LIGHT 
UP!」のアーカイブがYouTubeとポッドキャスト(PODCAST)の両方で聴取することができるということで、これまでアーカイが3~4回分たまったところでご紹介してきました。
 ところが、今年に入って、「YouTubeでアーカイブが開けない!」というトラブル発生。やがて、「jiyunaradio funclu」という新アカウントで順次古い番組も再アップされましたので、私も、過去のメルマガ(ブログ)で配信した紹介記事を、YouTubeへのリンクをやり直した上
で、順次再配信し始めたのです。
 しかし、何ということか、またしても、この再アップされたアーカイブを聴くためにYouTubeを開けようとしても、真っ黒な画面に「この動画は再生できません。申し訳ありません。」という無情な文字が出て
くるだけになってしまいました。
 そのうち、また復旧するかと思ってチェックしているのですが、「第39回 選挙戦から撤退した前新潟県知事の英断 原子力ムラの圧力と地元新聞社の『総合的判断』とは?」以降のアーカイブだけは何とかYouTubeで聴けますが、第1回~第38回のアーカイブを視聴しようとすれば、ポッドキャスト(PODCAST)で聴くしかないようです。iTunesをダウンロードした上で「関連付け」などの作業を行えば、無料でアーカイブを聴くことができますが、若い人には何でもなくても、そういう作業は苦手という人もいるだろ
うなあ。
 ということで、YouTubeで全てのアーカイブを再び聴けるようになることを願いつつ、とりあえず今日は、未紹介の第42回~第45回の4本をご紹介します。

「ヒップホップグループのMCという異色の経歴をもつ松戸市議会議員のDELIさんに、3.11以降、政
治そして音楽にかけた思いをたっぷりと伺いました。
 メジャーレーベルからCDデビューもしているDELIさんですが、東日本大震災で福島第一原発が爆
発してから、意識がどんどんと変わっていったといいます。きっかけとなったのは、地元千葉県松戸市に、南相馬の人たちが避難してきたこと。その中にDJ仲間の親御さんもいて、その仲間の誘いで原発5キロ圏内近くまで、ガイガーカウンターをもって放射線量を測りに行ったことがありました。その結果、場所によっては、南相馬より地元松戸の方が線量が高い場所もあることを知ったといいます。他人事ではない、自分たちの問題なんだと気づかされたのだといいます。
 まずは、被ばく被害を真っ先に受ける子どもたちを守らなければならないと、SNSなどを駆使して仲
間を募り、札幌など安全な場所に子どもたちを逃がす運動「オペレーション・コドモタチ」を立ち上げます。
 これが原点となって、ひとりのミュージシャンが世の中を変えようと動きはじめます。松戸市議会議員へも「脱被ばく、脱カスタマー」だけをスローガンに出馬し、見事当選。脱カスタマーとは、他人事でいるな、ヒーローは待っていても来ない、ひとりひとりが主人公にならなければならないというお考えだそうです。「ミュージシャンだからとか、わかってないとか馬鹿にするならすればいいけど、俺の考えに投票して当選させた人たちがいる。それを馬鹿にするな!」という主張は、民主主義の的を射ているといえ
ますね。拍手です。
 そして、今、松戸市議会議員として精力的に活動しながら、「プラネット・ロック」という政治団体を立ち上げて、さらに人々の「無関心」と闘っておられます。「俺みたいなのが立ち上がらなければならない世の中なんだなと思って、気が付いてくれればいい」と自虐的に表現されていましたが、強面のヒップ
ホッパーの心は、熱く、限りなく愛に満ちていました。どうぞお聞き逃しなく!!
DELIさん公式ホームページ
 
http://www.planetrock.jp/
■LIGHT?UPジャーナル:廃炉が決まった「もんじゅ」と高速炉の行方
「今回は大阪のスタジオから、新聞うずみ火の矢野宏が、京都大学原子炉実験所研究員の今中哲二さんに、廃炉が決まった「もんじゅ」と、さらに研究が進むという高速炉の行方について伺いました。こちらもたいへんわかりやすい解説です。どうぞお楽しみに!」

「2015年9月19日の安保法制強行採決から早1年4ヶ月。当時、抗議行動の波は全国各地に広がり、学生団体
SEALDs(シールズ)などが一躍注目を集めました。そんな反対行動の中心になった団体のひとつに、子どもを持つお母さんたちの会がいたことをご存知でしょうか?安保関連法に反対するママの会(通称ママの会)。今回は、この会の発起人である西郷南海子さんをゲストに迎え、ママたちが安保法反対に立ち上がった理由、経緯から、今後、市民が政治を変えるためにはどのような方法が適切だと考えるかなどについ
て、ジャーナリストの西谷文和がインタビューします。
※お知らせ:西郷南海子さんと絵本作家浜田桂子さんの共著「だれのこどももころさせない」が3月に刊行
されます。是非、チェックしてみて下さい。」
LIGHT?UPジャーナル:小出裕章さん電話インタビューat LOFT9 Shibuya
「昨年末12月29日に東京渋谷の「LOFT9 Shibuya」で、当番組のイベントが開催されました(市民のための自由なラジオ“Light Up!”大忘年会)。今回の「Light-Upジャーナル」は、会場から小出裕章さん(元京都大学原子炉実験所)に電話インタビューを行った模様をお届けします。舞台上の進行は、今西憲之。出演はパーソナリティの木内みどり、おしどりマコ・ケン、ゲストは、山本太郎参議院議員、映画監督で弁護士の河合弘之さん、元東京電力社員の蓮池透さんでした。」
ニュースの歩き方:西谷文和・12月のイラク取材報告
「昨年12月、入国拒否によりイラク取材を断念した西谷文和が改めて入国に成功。IS掃討作戦が展開され
たモスルの街を取材しました。現地は名目上ISからの奪還はすでに成功し解放されていますが、街はゴーストタウンのまま。未だに住民の帰還は叶っていません。なぜ帰れないのか。モスルの現状について解説
します。」
※金原注 「イラクの子どもを救う会」ブログに掲載された昨年12月25日付の西谷文和さんのレポー
「前線へ」を是非お読みください。

「1995年7月22日、大阪市東住吉区の住宅の建物に組み込まれたシャッター付き駐車場で火災が発生。住人
である内縁の夫、母親、長男は脱出して助かるも、駐車場に隣接する浴室で入浴中だった長女が焼死しま
した。
 母親と内縁の夫が死亡した長女に1500万円の生命保険をかけていたことなどから、警察はこれを保険金詐取目的の殺人との疑いを持ち逮捕。取り調べの末に自供を得たとして起訴。最高裁まで争うも、内縁の夫と母親には無期懲役という判決が下りました。しかしこれは、取調べの際に拷問による自白の強要があったとして、二人は無罪を主張。多くの支援者にも支えられて、昨年再審が認められ仮釈放。そして昨年8
月10日に無罪を勝ち取りました。
 今回は、この「東住吉放火冤罪事件」の被害者のひとりである青木惠子さんをゲストに迎え、なぜこの事件が起こったのか?再審無罪までの道のりはどのようなものだったのか? 問題の警察取調べとは実際
にどのようなものだったのか?などについて今西憲之が聞きます。」
■Light-Upジャーナル:「柏崎刈羽原発 新潟知事、東電に表明」について
「昨年12月には、泉田裕彦前新潟県知事をゲストにお招きしたばかりですが、今回も引き続き、東京電力柏崎刈羽原発に関連した話題をお届けします。1月5日、新潟県の米山隆一知事は、県庁で東京電力のトップと面会し、福島第一原発事故の原因究明など県独自の検証を最優先する考えを伝えました。今回はこの「柏崎刈羽原発再稼働より3つの検証」を巡って、小出裕章さんが解説します。」

「今回のお客様は、インドネシア・パプア州で株式会社オルター・トレード・ジャパンの現地駐在員とし
てお仕事をされている津留歴子さんです。世界で2番目に大きな島、赤道直下にあるニューギニア島。その西半分が、インドネシア領パプアです。日本とほぼ同じ面積ですが、人口約400万人といますから人口密度はとても低い、自然豊かなところです。
 1885年にニューギニア島は、オランダ、ドイツ、イギリス領に分割され、西側がオランダ領となったのですが、戦時中は日本が占領していた歴史もあるところ。その後1969年にインドネシアに併合されました。
そこに住む先住民の血を引くパプアの人たちは、まつ毛が長く褐色の肌、ちりぢりの髪と、とても特徴的です。「パプア」はマレー語で「縮れ毛」を意味する「プア・プア」から来ているといいます。そんなパプアに昨年、パーソナリティ・木内みどりが訪れたときに出会ったのが津留歴子さんです。自然への畏敬の念を忘れず、現地に生きる人々の日々の営みを大切にしながら、カカオ農園などでの生産活動を後押しする活動をされています。
 手つかずの自然も多く残るこの島は、農作物の宝庫。放っておいてもどんどん育つという環境の中で、人々は欲にまみれることもなく、素朴で穏やかな心をつないで暮らしています。都留さんは、現地の人々との交流の中で、良質なチョコレートの原料となるパプアのカカオを、日本をはじめとする世界に紹介しています。アメリカのボストンで暮らし、グリーンカードまでもっていた津留さんが、なぜ保証された将
来を捨てて現地NGOに加わったのか?
 そこまで津留さんを魅きつけたものとは?高度に成長したとされる先進国の文明の中に生きる私たちが、もはや望んでも手に入らない本当の「豊かさ」がそこにはあるといいます。番組で紹介したチョコレー
ト「パラダイス・パプア」を口にすれば、その素朴な味が、あなたに何かを伝えてくれることでしょう。
 http://altertrade.jp/cacao
LIGHT-UPジャーナル:私たちはどんな心構えで「情報」と向き合うべきか
「落合恵子さんにお電話をおつなぎします。今回のテーマは、落合さんはどうやって情報をとっているのか?です。ご自宅では新聞2紙をとり、外出先ではその他の新聞もチェックするという落合さん。情報があふれる今、私たちはどんな心構えで情報と向き合うべきなのでしょう?資本と報道が深いつながりがある日本のメディアだからこそ、流されてはいけない。騙されてはいけない。自分自身でしっかりと社会を見つめなければ。そんなことを改めて考えさせられるインタビューとなりました。」
 

(付録)
『スナメリ泳ぐ海』 作詞・作曲:笠松美奈 
演奏:なつおmeets南風

※2015年9月23日ライブ@ララ・ロカレ
※参考ブログ「『スナメリ泳ぐ海』から世界を見たら」(弁護士・金原徹雄のブログ)

予告2/4地球塾vol.4/使ううエネルギーから つくるエネルギーへ:中島敦司和歌山大学システム工学部教授@almoギャラリー(和歌山市ぶらくり丁)

 今晩(2017年月15日)配信した「メルマガ金原No.2692」を転載します。

予告2/4地球塾vol.4/使ううエネルギーから つくるエネルギーへ:中島敦司和歌山大学システム工学部教授@almoギャラリー(和歌山市ぶらくり丁)

 2016年4月、和歌山市の「ぶらくり丁商店街」にオープンした「almoギャラリー」(1階は野菜スイーツのお店「almo」)で、昨年8月から始まった地球塾。来る2月4日(土)に開催される第4回では、和歌山大学システム工学部教授で、NPO法人わかやま環境ネットワーク理事長でもある中島敦司先生に、エネルギーについて語っていただくことになったとのお知らせが道本みどりさんからありました。
 これまでの3回のうち、私が参加できたのは第1回の映画『祝福(いのり)の海』上映と東条雅之監督とのシェアリングだけなのですが、毎回とも環境や健康にまつわる興味深いテーマが設定されており、都合がつけば是非参加したい企画ばかりです。
講演「わかやまの妖怪」 次回のゲストである中島敦司先生は、上にご紹介した2つの公的肩書きの他に、「紀州の妖怪」博士、及び3人編成のユニット「五十五万石」のギタリストという顔もお持ちです。
 2月4日のお話のテーマは「エネルギー問題」ということで、「妖怪」との関連性が出てくるかどうかは不明ながら、きっと有意義なお話が伺えるものと思います。
 私としても、参加したいのはやまやまながら、この日の午後は、弁護士会の研修を欠席してでも参加しなければと考えている企画がアバローム紀の国であり(これも近々ご紹介します)、地球塾との掛け持ちができるかどうかやや心許ないところです。
 定員25名で、予約者優先ということなので、興味を持たれた方は是非お早めに予約ください。
 なお、掲載した写真は、NPO法人わかやま環境ネットワークの2015年総会で「わかやまの妖怪」という演題で記念講演をされた中島先生です。

(チラシから引用開始)
ロハスな暮らしを楽しむ 地球塾 vol.4

使うエネルギーから つくるエネルギーへ

環境や健康についてみんなで考え、ロハスな暮らしを体験する場を作りたい、と始まった地球塾。
第1回は、“自給的な暮らし方”をテーマに、草木染め体験と映画『祝福(いのり)の海』の上映、第2回は“私たちの食”をテーマに、映画『遺伝子組み換えルーレット』の上映と農家 小林元さんのお話を聞きながらのお食事会、第3回は、“災害と防災”について、4人の話し手たちによるトークセッションを行いました。
第4回目となる、今回の地球塾は、“エネルギー”をテーマに和歌山大学システム工学部教授の中島敦司先生にお話いただき、参加者の皆さんともこれからのエネルギーについて語り合う場としたいと思います。
 
話し手 中島 敦司 和歌山大学システム工学部教授

5年後の私の暮らしを考えてみる機会です。
もしかすると、今よりもっと人もお金もどんどん地域の外へ・・・
互いに寄り添っていくことがさらに必要になってくるかもしれません。
今回は、手作りエネルギーをきっかけに地球が動き出しているトピックについてお話しし、
さらに来場者同士が話し合う機会にしたいと思います。

《日 時》2017年2月4日(土)
            16:00-18:00(開場15:30)
《場 所》almoギャラリー(和歌山市匠町32/ぶらくり丁商店街内)
《料 金》1,000円(焼き菓子と1ドリンク付)
《定 員》25名
《ご予約・お問合せ》almoギャラリー
 twl:073-425-8583(紀州まちづくり舎内)
 mail:
kishu.machi@gmail.com
 ご予約優先とさせていただきます。

主催:almoギャラリー
共催:NPO法人わかやま環境ネットワーク
後援:NPO法人市民の力わかやま
協力:NPO法人にこにこのうえん、にんにこ被災者支援ネットワーク和歌山、NPO法人和歌山有機認証協会、紀州農レンジャー、ポポロハスマーケット

(引用終わり)

(参考書籍)


熊野の廃校
中島 敦司
南方新社
2015-04-27


アンコール放送1/21『原発に一番近い病院 ある老医師の2000日』(ETV特集)~高野英男院長の死と高野病院の現在

 今晩(2016年1月6日)配信した「メルマガ金原No.2683」を転載します。

アンコール放送1/21『原発に一番近い病院 ある老医師の2000日』(ETV特集)~高野英男院長の死と高野病院の現在

 2016年の大晦日、インターネット上に流れた火事のニュースに目が吸い寄せられました。福島県双葉郡で唯一入院受け入れを続けている民間病院として、10月にETV特集で取り上げられたばかりだった広野町(ひろのまち)にある高野(たかの)病院敷地内の院長宅で火事があり、男性が遺体で見つかったが、高野英男院長(81歳)と連絡がとれないというものでした。
 私自身は、ETV特集で知った以上の知識がある訳ではありませんでしたが、どれだけ地域の方々が大きな衝撃を受けられただろうかと心が痛みました。
 このような事態になることなど想定せず、もともと1月21日(土)午後11時から、ETV特集「原発に一番近い病院 ある老医師の2000日」がアンコール放送されると予告されていましたので、今日、あらためてその番組案内をご紹介するとともに、高野病院をめぐる現在までの情報をいくつか引用しました。
 最新の情報については、「高野病院を支援する会Facebook」に随時掲載されますので、注目してください。
 最後まで地域医療につくされた高野英男院長と同病院スタッフに心から敬意を表したいと思います。
 
NHK Eテレ 
2017年1月21日(土)午後11時00分~午前0時00分
ETV特集 アンコール「原発に一番近い病院 ある老医師の2000日」

(番組案内から引用開始)
 原発に最も近い高野病院。復興作業に携わる“新たな住民”や居場所を失ったお年寄りの最後のとりでです。奮闘する院長の高野英男さん(81)の2000日を見つめます。
 福島第一原発から22キロ離れた双葉郡広野町の高野病院。院長の高野英男さん(81)は現役の医師として診療を続けている。5年前の原発事故で、病院を取り巻く環境は大きく変化した。原発周辺の病院が休止しているため、救急車が殺到。地域医療が崩壊する中、除染など復興作業に携わる“新たな住民”や、原発事故によって居場所を失ったお年寄りたちの最後のとりでとなっている。孤軍奮闘する老医師、その2000日を見つめる。
(引用終わり)
 
朝日新聞デジタル 2016年12月31日 15時32分
原発事故後もとどまった院長死亡か 福島県広野町の火災

(抜粋引用開始)
 福島県広野町下北迫の高野病院の関係者から30日午後10時半ごろ、病院敷地内にある院長宅で「煙が充満している」と119番通報があった。県警双葉署によると、高野英男院長(81)が1人で暮らす木造平屋建て住宅の一部が焼け、中から男性の遺体が見つかった。火災後、高野さんと連絡がとれていないという。
 高野病院は東京電力福島第一原発から約20キロの場所にある民間病院。原発事故後も避難せず、双葉郡で唯一、入院医療を続けている。
 原発事故当時、約100人の患者がいたが、避難に耐えられないとみられる重症患者もいたため、町にとどまった。2人いた常勤医は事故後、高野さんだけになっていた。
(引用終わり)
 
医療法人社団養高会 高野病院 ホームページ 2017/01/03
高野病院病院長死去につきまして

(引用開始)
みなさまへ
先日テレビ、新聞等で報じられましたように、
平成28年12月30日夜間の火災により
高野病院病院長 高野英男が死去いたしました。
ここに生前のご厚誼を感謝いたしますとともに、謹んでお知らせ申しあげます。
院長高野英男は、昭和55年に高野病院を開設以来、
地域医療にその身をささげてきましたが、
平成23年3月11日の福島第一原子力発電所事故以降は
双葉郡にたった一つ残った医療機関として、まさに身を削るように
地域医療の火を消してはいけないと、日々奮闘してまいりました。
院長 高野英男が私たちに遺した、「どんな時でも、自分の出来ることを粛々と行う」
この言葉を忘れずに、院長の意志を受け継ぎ、職員一丸となり、
これからも地域の医療を守っていく所存です。
今後も高野病院への温かいご支援、そして時には厳しいご指導を
よろしくお願い申し上げます。
なお、葬儀等は、生前の本人の強い希望によりとり行いません。
また、誠に勝手ながらご弔電、ご供花、ご香典等の儀は固くご辞退申し上げます。
平成28年1月3日
医療法人社団養高会
理事長 高野 己保
(引用終わり)
 
NHKニュースWEB 2017年1月3日 19時14分
院長が火事で死亡の高野病院 広野町が存続支援へ

(抜粋引用開始)
 
東京電力福島第一原子力発電所の事故の影響で一時、ほとんどの住民が避難した福島県広野町で、町内にとどまって診療を続けてきた病院の院長が火事で死亡し、広野町は地域に欠かせない医療機関を存続させるため、常勤医師の確保など支援に乗り出すことを明らかにしました。
 東京電力福島第一原発の半径20キロから30キロの範囲にある広野町では、原発事故のあと、町役場やほぼすべての住民が一時避難しましたが、町にある民間の高野病院は診療を続けました。
 この病院の院長、高野英男さん(81)の自宅で先月30日に火事があり、見つかった男性の遺体が3日、高野院長と確認されました。高野院長は高野病院唯一の常勤医師でしたが、亡くなったことで、病院の設置に法律上必要となる常勤の医師がいなくなりました。
 広野町の遠藤智町長は3日役場で会見を開き、地域に欠かせない医療機関を存続させるため、支援に乗り出すことを明らかにしました。
 具体的には高野病院の常勤医師確保のため、福島県への協力要請や全国への呼びかけを行うとともに、診療の一部を担うボランティアの医師を募る窓口を町役場に設けるということです。また、非常勤などの医師が町を訪れる際の交通費や宿泊費の補助も行うということです。
(引用終わり)
 
高野病院を支援する会 ホームページ
「団体について」より引用開始)
 
高野病院を支援する会会長の広野町長遠藤智と申します。
 メディアで報道が行われている通り、2016年12月30日の深夜に高野病院院長でおられる高野英男氏がご自宅での火事にて逝去されました。高野病院は広野町唯一の入院施設であり、高野院長が唯一の常勤医として、震災後も1日も休まず地域医療の砦となってきました。今回高野医師が亡くなられたことで、現在の高野病院は院長・常勤医がいない状態であり、広野町周辺の医療は危機的な状況に陥っています。
 12月31日より浜通り地方の自治体、また医療機関に支援要請を行なってきました。 これまでに、大町病院、公立相馬総合病院、常磐病院、相馬中央病院、ひらた中央病院、南相馬市立総合病院(五十音順)が支援に手を挙げてくださっています。また全国の医師においてボランティアによる支援の輪も広がっております。結果として、高野病院における1月の診療体制は徐々に整いつつあります。会としては引き続き精神科診療体制の構築に全力を尽くしております。
 この会の最も大きな目的は双葉地方の地域医療を守ることです。短期的にはボランティア医師の支援を受けて高野病院の診療を維持しつつ、中長期的な医療体制の展望を県や国に特段の支援を求めて参ります。
団体概要
名称  高野病院を支援する会
連絡先
 
takanohospital.volunteer.dr@gmail.com
会長  遠藤智(広野町町長)
メンバー 尾崎章彦 事務局長
坪倉正治、嶋田裕記、山本佳奈
(引用終わり)
「高野病院を支援する会Facebook」

JB PRESS 2017.1.6(金)
地域医療より箱物行政の福島県、高野病院を見殺し
あきれた行政の対応に立ち上がったボランティア医師グループ

(抜粋引用開始)
 
しかし、震災後の高野病院の歩みは困難の連続だった。最大の理由は人口減少である。
 震災後、広野町の人口は、震災前の5400人から約3000人まで減少した。2015年9月に警戒区域が解除された隣の楢葉町においても約8000人の人口のうち楢葉町に戻ったのは約400人にとどまっている。富岡町は現時点で帰還が始まっていない。
 人口減少が著しい「限界集落」において医療を民間病院だけで維持するのは大変困難である。実際、震災後の高野病院においても、従来の雇用を維持しながら診療を継続することが非常に難しい状況となっていた。
 しかし、高野院長の次女である高野事務長が福島県に、「地域医療を安定的に提供するために力を貸してほしい」と支援を依頼しても、民間病院であることを理由に「高野病院を利するための支援は不公平である」と告げられ、全く取り合ってもらえなかったと言う。
 その一方で、広野町を含む双葉郡の救急医療を充実させる目的で「ふたば医療センター(仮)」30床の建設準備が24億円という予算を使い双葉郡富岡町で進んでいる。初期投資は一床あたり8000万円という多額の税金を投入する。
 それ以上に衝撃的なのが、現在避難区域で休止している県立病院を再開した際には、この医療機関を潰すことが最初から決まっていることだ。現在の見通しでは5年以内に避難指示が解除される予定である。
 これは果たして多くの国民が納得できる税金の使い方なのだろうか。少なくとも私には、主要な病院機能が存在している高野病院を拡充して2次救急の体制を整えた方がよほど効率的な投資に映る。重症患者に関しても、南相馬市やいわき市に搬送することで対応可能である。
(略)
 私は福島県南相馬市にある南相馬市立総合病院の一勤務医である。福島第一原子力発電所から10~30キロに位置する南相馬市において、この2年あまり被災地の医療に携わってきた。
 あいにく高野院長には直接お目にかかったことはなかったが、高野院長の超人的な活躍、そして高野病院の震災後の窮状は耳に入っていた。悔やまれるのは、「何か自分にできることはないだろうか」と悠長に考えている間に今回の惨事が起きてしまったことだ。
 12月30日火事が発生した直後にその知らせを聞いたが、高野病院の再三のSOSにもかかわらず危機感なく過ごしていた自分を本当に情けなく思った。
 火事翌日の12月31日、縁あって高野医師の最期に立ち会うこととなった。その体験は、「高野病院の窮状をなんとかしたい」と私に思わせるには十分だった。
 幸いだったのは、同日広野町町長遠藤智氏がいち早く浜通り地区の自治体と医療機関に医療支援の要請を行ってくれたことだ。
 これまでに、大町病院、常磐病院、相馬中央病院、南相馬市立総合病院が病院として支持を表明している。全国の医師に支援の輪が広がっている。
 その中で、私と浜通りの有志の医師は「高野病院を支援する会」を立ち上げることになった。現在も、会のフェイスブック(
https://www.facebook.com/savepatientakano/)、会のホームページ(http://savepatientakano.sakura.ne.jp/)を介して情報発信に努めている。
 この会の最も大きな目的は短期的に高野病院の診療を継続させることである。2016年12月31日現在102人の患者が高野病院には入院している。また、病院を受診する外来患者や緊急搬送される患者も少なくない。
 ある程度の見通しがつくまでの間、浜通り地区の有志医師、また、全国からのボランティア医師を高野病院につなぎ、その医療をサポートしたいと考えている。
 また少しずつだが全国の医師や仲間にも支援の輪が広がっている。私自身の力は微々たるものだが、皆の力を借りることでなんとかこの窮状をしのぐ手助けをできればと考えている。
 1月3日には広野町遠藤智町長が記者会見を開き、町として全面的な支援を表明した。また、同時に町長が高野病院を支援する会の会長を引き継いでくださることとなった。今後は町長や広野町のスタッフをサポートしながら県や国に支援をお願いしていくこととなる

 
私たちは、今一度高野病院の窮状を顧みて一刻も早い支援をお願いしたいと考えている。広野町、また、双葉郡にとって、震災後も被災地の地域医療を守り続けてきた高野病院は地域の財産なのだ。
(引用終わり)

1/21「シンポジウム 実りある面会交流~子どもの健やかな成長のために~」(和歌山弁護士会)のご案内

 今晩(2016年12月26日)配信した「メルマガ金原No.2672」を転載します。

1/21「シンポジウム 実りある面会交流~子どもの健やかな成長のために~」(和歌山弁護士会)のご案内

 弁護士会の活動は、執行部主導によるものもあるとはいえ、多くは委員会が中心となって企画・立案・実行されます。
 シンポジウムの開催などはその典型で、ほぼ例外なく、所管委員会が準備を重ねて開催されます。
 そして、各委員会に配属される委員の任期は1年とされることが多いため、年度当初から準備を始めても、実際に開催するのは年明けの1月から3月にかけての年度末となることも少なくありません(和歌山弁護士会の場合は特にそうです)。
 どうやら、2017年1月~3月も、例年通り、立て続けにシンポが計画されているようです。

 今日ご紹介する子どもの権利シンポジウムもその1つです。所管する和歌山弁護士会子どもの権利委員会は、私も20年ほど前に何年か委員長を務めたことのある委員会で、委員長を退いた後も長らく委員として留まっています。
 ただ気がつけば、委員のうち、私よりも期が上の人は2人しかおらず、圧倒的に若手主体の委員会になっています。私自身、シンポの準備検討に直接関わっていませんので、広報に協力する位がせいぜいです。

 ところで、今回のテーマは「面会交流」であり、離婚事件を手がけることの多い弁護士にとって、常に直面する実務上の重要な問題です。私としては、委員会に設置されたPTの若手メンバーが中心になって準備したシンポジウムが、どのような切り口で「面会交流」を取り上げるのか、実は興味津々なのです。

 以下に、パネルディスカッションでコーディネーターを務める子どもの権利委員会委員長の沖本易子(おきもと・やすこ)弁護士が執筆した開催趣旨とチラシの文字情報を転記します。
 この問題に関心を有する多くの方のご参加をお願いします。

[開催の趣旨]
 近年、面会交流に関する調停、審判事件は年々増加しており、面会交流についての社会的な関心も高まっています。親同士の紛争が激しいケースでは、互いに反発し合う感情が強く、面会交流の条件等について調整が難しいことも多く、また、子どもが親同士の紛争に巻き込まれて心情が不安定になっている場合も多く存在します。
 本来、面会交流は子どものための制度である以上、子どもの福祉に沿う形で、子どもの意向や心情を反映させた解決を図ることが望まれます。そこで、本シンポジウムでは、子ども中心の面会交流を実現するために大切なことは何か、子どもの意向をどのように汲み取り、反映させるべきか、面会交流の円滑な実現のためにどのような支援が考えられるか等、実りある面会交流について考えたいと思います。
 
チラシから引用開始)
子どもの権利シンポジウム
実りある面会交流
~子どもの健やかな成長のために~
 
●日時 平成29年1月21日(土)
      午後1時30分開場
      午後2時開会~午後4時30分閉会予定
●開催場所 和歌山県民文化会館 3階特設会議室
         
(和歌山市小松原通1丁目1番地)

●プログラム
第1部 基調講演「面会交流は子どもの権利」
     講師 莚井 順子(むしろい・じゅんこ)弁護士(大阪弁護士会所属)
第2部 パネルディスカッション
 パネリスト 
  大阪弁護士会        
    莚井 順子 弁護士
  公益社団法人家庭問題情報センター 大阪ファミリー相談室
  元家庭裁判所調査官     
    武政 司郎 氏
  和歌山県子ども・女性・障害者相談センター
  子ども診療室 児童精神科医 
    松岡   円 医師
 コーディネーター
  和歌山弁護士会 子どもの権利委員会委員長
    沖本 易子
 

入場無料・予約不要
一時保育あります(無料、事前申込要。※平成29年1月10日まで。定員になり次第、締切となります。)

●主催 和歌山弁護士会
●後援 和歌山県、和歌山市、和歌山県教育委員会、和歌山市教育委員会、和歌山県社会福祉協議会、和歌山市社会福祉協議会
●お問い合わせ・託児申込み先
 〒640-8144 和歌山市四番丁5番地(和歌山弁護士会)
 TEL:073-422-4580 FAX:073-436-5322
(引用終わり)

面会交流シンポ・チラシ 

期待して放送を待つ12/24「こんにちは!動物の赤ちゃん2016」(NHK総合)~白浜の良浜(ラウヒン)・結浜(ユイヒン)親娘も登場

 今晩(2016年12月21日)配信した「メルマガ金原No.2667」を転載します。

期待して放送を待つ12/24「こんにちは!動物の赤ちゃん2016」(NHK総合)~白浜の良浜(ラウヒン)・結浜(ユイヒン)親娘も登場

 この前TV番組の放送予定をご案内したのはちょうど2週間前でした(予告12/12~15『ドラマ 東京裁判』(NHKスペシャル)のご紹介/2016年12月7日)。

 気がつけば今年もあと10日。年末のTVでは、今年(2016年)1年を振り返る様々な番組が放送されることでしょう。
 その種の番組を見るという習慣を持たない私ですが、偶然気がついたこの番組だけは「見ようかな」と思っています。
 
NHK総合TV
2016年12月24日(土)午後7時30分~8時43分
こんにちは!動物の赤ちゃん2016

「全国の動物園で誕生した貴重な動物の赤ちゃん。飼育員さんだからこそ撮影することができた貴重な映像で、そのかわいい姿をたっぷりと紹介!命の誕生と成長をめぐる心温まる感動のドラマをお伝えします。」

 私は、定期購読している
フォトジャーナリズム月刊誌「DAYS JAPAN」の中でも、「動物」をテーマにしたページ(丸井春編集長が力を入れている)には特に注目して毎号必ず目を通しますし、私の事務所の待合コーナーには、DAYS JAPANが発行した『世界のびっくりどうぶつ』『世界のびっくりどうぶつ2』の2冊が置いてあるというくらいですから、動物ドキュメンタリーにも興味はあるものの(もっと時間に余裕があった頃にはアニマルプラネットを視聴することも結構ありました)、この「こんにちは!動物の赤ちゃん2016」を視聴する気になったのは、白浜アドベンチャーワールドの2代目ビッグ・マザー「良浜(ラウヒン)」と今年9月18日に生まれたばかりの女の子「結浜(ユイヒン)」が見られるという、かなりミーハーかつ地元贔屓な動機によります。

 
 それでは、番組紹介ページから、取り上げられる動物の赤ちゃんたちの紹介文を引用してみましょう。
 たまにはこういう番組を見るのも悪くはないかな、と期待しています。

(引用開始)
2年ぶりに誕生したジャイアントパンダの赤ちゃん
 母親は今回で5回目の出産、8頭の赤ちゃんを育ててきたベテランママである。2008年、最初の出産時には赤ちゃんを抱くのもおぼつかなかったが、今では赤ちゃんに母乳を与える姿にも貫禄が出てきた。“母”となっていくパンダの姿を8年にわたって見つめた物語。
取材先:アドベンチャーワールド(和歌山県)

“日本最北の動物園”で立て続けに誕生した、世界的にも貴重なアムールトラとユキヒョウの赤ちゃん。

 岩穴を模した産室を用意することなどで繁殖に成功した。愛くるしい“もふもふ”赤ちゃんがたくましく成長する感動の記録。
取材先:旭川市旭山動物園(北海道)

母親がお乳を与えることができなかったレッサーパンダの赤ちゃん

 飼育員さんが試行錯誤で、なんとかミルクを飲ませて哺育するが、次の難関が“魔の離乳期”。飼育員さんとレッサーパンダの赤ちゃん、二人三脚の奮闘記。
取材先:秋吉台サファリランド(山口県)

心肺停止の状態で生まれ、手や足にまひが残ったチンパンジーの赤ちゃん

 飼育員さんや作業療法士さんなど専門家がチームを組んで地道なリハビリを続けた結果、3歳になった今年、ついに右手でものをつかめるまでに。笑顔を見せ、表情も豊かになった、心温まる3年間の成長記録。
取材先:高知県立のいち動物公園(高知県)
(引用終わり)
 

(付録)
『ラブソング・フォー・ユー(LOVESONG FOR YOU)』
作詞・作曲:ヒポポ大王 演奏:ヒポポフォークゲリラ
 

12/18「ふぉーらむ 食・遊・学びの子ども居場所づくりで 地域で子そだち・子そだて支援」(放送大学和歌山学習センター)のご案内

 今晩(2016年12月2日)配信した「メルマガ金原No.2648」を転載します。

12/18「ふぉーらむ 食・遊・学びの子ども居場所づくりで 地域で子そだち・子そだて支援」(放送大学和歌山学習センター)のご案内

 知っている人は前から注目していたものの、このメッセージで初めて「子ども食堂」って何?と思った
方もおられるかもしれませんね。
 

あなたは決してひとりではありません。
こども食堂でともにテーブルを囲んでくれる
おじさん、おばさん。
学校で分からなかった勉強を助けてくれるお兄さん、お姉さん。
あなたが助けを求めて一歩ふみだせば、
そばで支え、その手を導いてくれる人が
必ずいます。
あなたの未来を決めるのはあなた自身です。
あなたが興味をもったこと、好きなことに
思い切りチャレンジしてください。
あなたが夢をかなえ、活躍することを、
応援しています。

平成28年11月8日

内閣総理大臣
安倍晋三
(引用終わり)

 SNSの世界では、「子ども食堂」がなぜ必要となったのかを考えれば、「総理大臣としてよくこんな
ことが言えるな」、「呆れ果てた」という反応が多かったと思いますが、ネトウヨ界ではこれでも「賞賛の嵐」だったのかもしれません。
 もともと、「子供の未来応援国民運動」自体、「何だかなあ」といういかがわしさはぬぐえず、その官
製・国民運動の「一周年の集い」で発表されたメッセージですから、まことに運動の実体に則した内容のメッセージだという評価(?)が可能かもしれません。
 悪くとれば、この官製・国民運動に「子ども食堂」が絡め取られて変質する恐れも絶無ではないかもしれませんが、それはさておき。
 
 いずれにせよ、「子ども食堂」の知名度アップになにがしかの貢献はあったということで、この機を逃さず、その実態を広く国民に知ってもらう必要がありますが、その一助となる企画の案内が届きましたので、ご紹介することとしました。
 それは、放送大学和歌山学習センター地域貢献プロジェクト2016「食・遊・学びの子ども居場所づ
くりで 地域で子そだち・子そだて支援」の一環としてのフォーラムを開催するという案内です。
 以下に、チラシ掲載の情報を転記してご紹介します。

チラシから引用開始)
放送大学和歌山学習センター地域貢献2016 公開講演Ⅱ

ふぉーらむ
食・遊・学びの子ども居場所づくりで 
地域で子そだち・子そだて支援

日時 2016年
12月18日(日)
    13時30分~16時15分(13時 受付開始)
場所 和歌山大学地域連携・生涯学習センター2階ホール(和歌山県立図書館の東隣り)
     和歌山市西高松1丁目7-20

第1部 基調講演 13時30分~15時00分 
①子どもはジグザグの道を歩む-生きづらさと向き合う子どもを支える-
  講師:谷尻 治 氏(和歌山大学教育学部 教職大学院 教授)
②子ども食堂でみんなの居場所づくり-私たちにできること-
  講師:新家 貢 氏(中之島子ども食堂 代表)

第2部 パネル討論 15時15分~16時15分
問題提起
地域で子そだち・子そだて支援-みんなの居場所、逃げ場所、心の修復場所づくり-
コーディネーター 
 森下順子氏(放送大学客員准教授/和歌山信愛女子短期大学准教授) 
パネリスト
 谷尻 治 氏 
 新家 貢 氏
 古賀敬教 氏(NPOフードバンク和歌山 会長)
 阪田由美子 氏(和歌山大学地域連携・生涯学習センター子そだて支援員研修担当/放送大学学生)

お申し込み・お問い合わせ
放送大学 和歌山学習センター

〒641-0051 和歌山市西高松1-7-20
TEL 073-431-0360
Email
wakayama-sc@ouj.ac.jp
(引用終わり)

 私自身、放送大学和歌山学習センターに所属する現役の学生(あと2年は在籍できます~うっかり卒業に必要な単位を取ってしまわない限り)であり、時々このような案内が学習センターから届きます。参加
したいと思う企画も少なくないのですが、なかなか日程が合わず、めったに参加できないのが残念です。
 実際、今日ご紹介した12月18日(日)の企画にしても、案内が届いた時には既に別件の予定が入っ
てしまっており、私自身は参加することができません。
 けれども、これは放送大学とは関係のない市民の方にも、きっと関心をもってご参加いただける企画だ
と思いましたので、メルマガ(ブログ)でご案内することとしました。
 なお、参加される場合には、駐車場に限りがありますので(はっきり言って少ないです)、極力公共交通機関を利用されるようにお勧めします。

11/26自由党大阪府総支部連合会(大阪府連)総会開催~小沢一郎氏語る

 今晩(2016年11月27日)配信した「メルマガ金原No.2643」を転載します。

11/26自由党大阪府総支部連合会(大阪府連)総会開催~小沢一郎氏語る

 昨日(11月26日)、先月、党名を「生活の党と山本太郎となかまたち」から「自由党」に変更した
同党の大阪府総支部連合会(大阪府連)総会が、共同代表の小沢一郎氏も出席して開催されました(於:大阪市立社会福祉センター)。
 その模様が、IWJ大阪によって中継され、アーカイブが視聴できますのでご紹介します。
 
新生「自由党」大阪府総支部連合会大会 2016.11.26(1時間19分)
2分~ 開会
来賓挨拶
4分~ 平野博文氏(民進党、衆議院議員)
11分~ 辰巳孝太郎氏(日本共産党、参議院議員)
16分~ 服部良一氏(社会民主党、元衆議院議員)
総支部長挨拶
24分~ 村上史好氏(大阪府第6区総支部長、大阪府連代表、前衆議院議員)
28分~ 渡辺義彦氏(大阪府第7区総支部長、元衆議院議員)
32分~ 真白リョウ氏(大阪府第12区総支部長、音楽家・作家)
議案提案・採択
40分~ 役員人事について
42分~ 活動方針について
党代表挨拶
44分~ 小沢一郎氏(自由党共同代表、衆議院議員)
1時間14分~ 頑張ろう三唱
1時間16分~ 小沢一郎氏ぶらさがり会見

 ところで、自由党ホームページを閲覧すると、今月下旬から、各地で「総支部連合会総会」が開催され
ていることが分かります。

11月20日(日) 千葉県総支部連合会(千葉県連)総会
11月25日(土) 東京都総支部連合会(東京都連)総会
11月26日(日) 大阪府総支部連合会(大阪府連)総会
11月27日(日) 岩手県総支部連合会(岩手県連)総会
11月28日(月) 神奈川県総支部連合会(神奈川県連)総会
11月29日(火) 岡山県総支部連合会(岡山県連)総会
12月 2日(金) 沖縄県総支部連合会(沖縄県連)総会

 以上の都府県連総会には全て小沢一郎代表が出席(予定)して、以下のような挨拶をされているようで
す。

「小沢代表はあいさつの中で新綱領について述べ、党名の『自由』は今横行している競争原理に優先順位をおき、自由勝手にやらせる、一般国民にはそのうちおこぼれがくるという新自由主義とは異なり、社会保障を取り入れた民主主義、公平公正な開かれた考え方と説明。安倍政権とは根本的に考え方が違うと述べた。また、「政権をとってこれを実現するためにも選挙が重要」「野党協力で必ず勝てる。そのために最後まで尽力する」と早期解散を想定した次期総選挙に向け強い意欲を示した。」(千葉県総支部連合会総会にて

 以上の小沢代表の挨拶にあるとおり、全国各地で総支部連合会総会の開催を急ぐのも、衆議院の早期解
散を想定してのことであるのは言うまでもありません。
 もちろん、民進党や日本共産党も着々と準備は進めているでしょうが、社民党を含めた4野党間の共闘(と言いたくない人もいるようですから、「選挙協力」でも良いのですが)はどの程度進んでいるのでし
ょうか。東京では幹事長・書記長会談があったようですが、現場(各都道府県レベル)での調整がつくかどうかが問題です。
 昨日の自由党大阪府連の総会には、野党3党からの来賓挨拶がありましたが、大阪での4野党間の選挙協力(端的に言えば小選挙区の割り振り)の行方はとても気になります。何しろ、大阪では、自民、公明だけではなく、維新とも闘わねばならず、先般の参院選では立憲野党は1議席も取れなかったのですからね。

 ところで、今夏の参院選において、特に1人区における野党共闘を推進するために大きな力を発揮した
市民連合と4野党の協議が、来るべき衆院選を見据えて、11月17日に再び開催されました。
しんぶん赤旗 2016年11月18日(金)
市民と4野党 意見交換/共通政策 力合わせ豊かに/総選挙に向け定期開催確認


 さらに、昨日(11月26日)、市民連合と総がかり行動実行委員会の呼びかけにより、東京都内で第
3回全国市民意見交換会が開催され、市民連合わかやまも参加しました。
しんぶん赤旗 2016年11月27日(日)
衆院選 市民・野党の共闘大きく/市民連合総がかり実行委全国意見交換会

動画(2時間35分)


 以上のような動きと連動してと言って良いかどうかはさておき、昨日の自由党大阪府連総会には、市民連合わかやまから何人かのメンバーが参加しました(私は行っていません)。自由党近畿ブロックのホームページによると、「党員・サポータの方はもちろん、生の小沢一郎の話を聞いてみたいという方にもオブザーバー席をご用意しております。」とありましたので、その「オブザーバー席」で小沢代表の演説に耳を傾けていたのでしょ
う。
 以下の私のブログでもご紹介しているとおり、今夏の参院選和歌山県選挙区において、ゆら登信候補を推薦してくださった「生活の党と山本太郎となかまたち」の小沢一郎代表からは、節目節目に丁寧なメッセージをいただいていましたので、そのお礼を述べるという趣旨もあったのかもしれません。
 自由党が衆議院和歌山1区~3区に独自候補を立てる可能性はないでしょうが、衆院早期解散を前提として、市民連合わかやまとしても、先日の「第3回 賛同団体・賛同者の集い」で承認された当面の活動方針「来るべき衆院選において、立憲野党に共闘を呼びかけ、その実現を目指す活動を行う。」を早急に具体化しなければならないということを、自由党大阪府連総会を視聴して再確認しました。

「市民連合わかやま」が再スタートを切りました~11/23「賛同団体・賛同者の集い」開催

 今晩(2016年11月23日)配信した「メルマガ金原No.2639」を転載します。

「市民連合わかやま」が再スタートを切りました~11/23「賛同団体・賛同者の集い」開催

 週の真ん中の祝日(勤労感謝の日)となった11月23日、色々な行事が目白押しであり、私個人としても、カトリック屋形町教会で開かれた松浦悟郎司教(カトリック名古屋教区)講演会「平和の道しるべ・憲法9条―日本の危機的状況の中で―」(主催:ピース9和歌山3グループ、共催:キリスト者9条ネット和歌山)は是非行きたかったのですが、今日ご紹介する「市民連合わかやま」の集いを優先せざるを得ず、泣く泣く断念したのでした。

 さて、その「市民連合わかやま」です。もともと、2016年7月の参院選和歌山県選挙区に野党統一候補の擁立を各野党に要請しようと、昨年末に有志が集まって活動を始めた「安保法制の廃止を求める和歌山の会」が、最終的に、ゆら登信(たかのぶ)弁護士を統一候補として擁立し、野党各党に推薦を要請することが決議された今年4月16日の第2回「賛同団体・賛同者の集い」を機に、「市民連合わかやま」と名称を変更し、そのまま参院選になだれ込んでいったという次第です。

 奮闘むなしく、参院選において現職の鶴保庸介氏(自民党)の再選を許した結果、和歌山県民全体が恥ずかしい思いを強いられている中、「市民連合わかやま」が、通算3回目の「賛同団体・賛同者の集い」を開催することになりました。
 その開催趣旨については、報道機関各社に送ったプレスリリースをお読みいただければと思います。

プレスリリースの本文から引用開始)
 私たち「市民連合わかやま」(安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合わかやま)は、安保関連法の廃止と集団的自衛権行使を容認した閣議決定の撤回を求め、日本の政治に立憲主義と民主主義を取り戻すことを目指し、去る7月10日施行の参議院選挙和歌山選挙区に、野党統一候補としてゆら登信(たかのぶ)氏を推薦し、その後ご推薦いただいた社会民主党、日本共産党、生活の党と山本太郎となかまたち(当時)とともに、多くの市民が一丸となって選挙運動を闘い抜きました。
 結果は、残念ながら当選には至りませんでしたが、市民が主体となって野党に共闘を呼びかけ、事実上の統一候補を擁立して選挙に参加した意義は非常に大きく、この成果をさらに発展させたいと考えています。
 そこで、県下各地で「市民連合わかやま」の趣旨に賛同し、ともに活動してくださった賛同団体・賛同者の皆さまにお集まりいただき、これまでの活動を振り返るとともに、「市民連合わかやま」の理念・目的を再確認し、今後の進むべき方向について話し合うための集いを開催することと致しました。
 本「集い」は、基本的に「市民連合わかやま」の賛同団体・賛同者に限定したクローズの集会ですが、その目的の公益性に鑑み、報道機関の皆さまには是非取材をお願いしたくご案内することと致しました。何卒よろしくお願い申し上げます。
                       記
日 時 2016年11月23日(水・祝日)午後2時00分~(終了4時予定)
場 所 和歌山県勤労福祉会館プラザホープ 2階 多目的室
      (和歌山市北出島1丁目5-47)
集会名 「市民連合わかやま 賛同団体・賛同者の集い」
主  催 市民連合わかやま
連絡先 あすか綜合法律事務所
        和歌山市六番丁24番地 ニッセイ和歌山ビル11階
        TEL:073-433-3980 FAX:073-433-3981
(引用終わり)

 ということで、十分な準備期間もありませんでしたが、本日(11月23日)午後2時からの「集い」に、県下各地から数十名の方にご参加いただくことができました。
 もっとも、急なことでもあり、基本的には、過去に賛同団体・賛同者になるという連絡をFAXでいただいたことのある団体・個人のリストを基に、事務局から郵便で開催案内をお送りするという方式での告知であったため、とりわけ、団体としてではなく、個人として「市民連合わかやま」と繋がり、参院選でもいろいろと協力してくださった方への個別の案内ができておらず、私が今日の「集い」をFacebookで速報したところ、「知らなかった」というコメントを書き込まれた方もおり、今後に向けた反省点が浮かび上がってきました。
 
CIMG6798 式次第自体、開会直前に主だった何人かが相談してあらましを決め、誰が司会を担当するかに至っては、開会5分前に「私」に決まったという泥縄状態であり、いくら規約も何もない緩い組織とはいえ、今後はもう少し事前の段取りをちゃんとした方が良いのではないか、というのがもう一つの反省点です。
 掲載した写真には共同代表に選出された5人の内の3人の方が写っています。左から由良登信(ゆら・たかのぶ)さん(弁護士)、豊田泰史(とよだ・やすふみ)さん(弁護士)、そして閉会のまとめの挨拶をされる堀内秀雄さん(和歌山大学名誉教授)です。そして、後ろのホワイトボードに書かれているのが今日の式次第です。
 
1 挨拶・経過報告
2 リレートーク・意見交換
3 提案(申合事項、方針、役員)
4 閉会挨拶

 開会挨拶(とこれまでの経過報告)は、設立当初から代表を務めてきた豊田泰史弁護士。
 その後、あらかじめ発言をお願いしていた方からのリレートーク、そして参加者に自由に意見を述べていただく(一部「押しつけた」人もいましたが)ことに多くの時間(約80分)を費やしました。
 一々の発言者のお名前や発言内容のご紹介は省略しますが(司会者として次の段取りを考えていたのでメモできていないということもあり)、橋本・伊都や田辺・西牟婁などの県内各地からおいでいただいた方を含め、全部で13名の方から発言していただくことができました。

 これらの意見を踏まえ、由良さんと豊田さんから「提案」が行われました。
 まず、「市民連合わかやま」の目的を再確認するための「申合事項」が由良登信さんから提案され、全会一致で承認されました。

(引用開始)
安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合わかやま 申合事項
1 「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合わかやま」(略称 市民連合わかやま)は、2015年9月19日に成立した安全保障関連法を廃止し、2014年7月1日の集団的自衛権の行使を容認した閣議決定を撤回し、日本の政治に立憲主義と民主主義を取り戻すための活動及び個人の尊厳を擁護する政治を実現するための活動をすることを目的とする。
2 市民連合わかやまは、前項の目的を達するために必要な諸活動を行う。
3 市民連合わかやまは、本会の目的に賛同する団体・個人によって運営する。
4 市民連合わかやまの活動経費は、寄付金その他の収入をもって賄う。
以上
(引用終わり)

 続いて、豊田泰史さんから新たな役員案が提案され、いずれも異議なく承認されました。なお、今後の日常的な活動は、共同代表、事務局も加わった常任幹事会が中心になって運営していくことになりますが、さらに県下各地域での運動を実際に担ってくださる方々の中から、幹事を選出していく方針も併せて承認されました。
 
共同代表(5名)
 豊田泰史さん、堀内秀雄さん、松浦攸吉さん、由良登信さん、外1名(女性、本日欠席で就任承諾未確認)
事務局(3名)
 里﨑正さん、重藤雅之さん、芝野友樹さん
会計(1名)
 金原徹雄
常任幹事数名(メモしきれなかった)

 そして、当面の「市民連合わかやま」としての活動方針が豊田共同代表から提案されました。そして、司会者として、承認を求める提案内容を「どう要約したものか?」と悩んだ末、とりあえず以下の2点に集約しました。
 
1 来るべき衆院選において、立憲野党に共闘を呼びかけ、その実現を目指す活動を行う。
2 実際の年齢にかかわらず、青春まっただ中という気持ちをもって、楽しく賑わい豊かに活動する。

 本当にこの「要約」で良かったのかどうか、いまだに自信はありませんが、豊田さんからも、他の出席者からも特段の異論は出ず、全員が拍手で賛成して承認されましたので、これが「市民連合わかやま」の当面の活動目標となりました。皆さん、この線で頑張りましょう。

 そして、リレートークの最初のスピーカーをお願いした堀内秀雄先生に、閉会に際してのまとめの挨拶もお願いし、終始一貫した「集い」となったと思います。
 発言の順序は、何も決まっていなかったので、司会者の一存で決めていきましたが、皆さんのご協力を得て、なかなか良かったのではないかと(自画自賛で恐縮ですが)思います。
 
 衆議院の1月解散は遠のいたという観測もありますが、まだまだ早期解散の目は消えていないと考えなければならないでしょう。
 「市民連合わかやま」に結集した私たちも、次の目標に向けて再スタートを切らねばならないということで、本日の「集い」を開催したのですが、もちろん、この動きは全国的なものです。
 今週末の土曜日(11月26日)には、「市民連合」が呼びかけて、「第3回全国市民意見交換会」が東京で開催されることになっており、「市民連合わかやま」にも参加要請がありましたので、1名派遣することになりました(※全国の市民団体に送られた「市民連合」からの参加要請書)。
 次の目標は、最低でも衆議院における「与党+日本維新の会」の議席を2/3未満に押さえ込むことですが(それだけ「関西」の責任は大きい)、もはや、スタートは遅過ぎるくらいです。さあ、頑張ろう。

12/3シンポジウム「シングルマザーの権利擁護―養育費算定表の問題点と履行確保の方策について―」(和歌山弁護士会)のご案内

 今晩(2016年10月19日)配信した「メルマガ金原No.2604」を転載します。

12/3シンポジウム「シングルマザーの権利擁護―養育費算定表の問題点と履行確保の方策について―」(和歌山弁護士会)のご案内

 今日は、私が所属する和歌山弁護士会のシンポジウム「シングルマザーの権利擁護」をご案内します。

 所管の「両性の平等に関する委員会」は、和歌山弁護士会の数ある委員会の中で、災害対策委員会とともに、ごく最近設置された委員会です。
 ということで、私自身、この委員会に所属したことはなく、これまでの活動実績についても、恥ずかしながら、和歌山弁護士会ホームページの中の「委員会活動報告」を読んで初めて知ったものもあるというありさまです。
 引用してみます。

(引用開始)
両性の平等に関する委員会 2016年(平成28年)度
委員長 松原 敏美
副委員長 足立 聖子、岡  正人

1 委員会の設置目的

 両性の平等を実現するために活動を行うことを目的とし、社会における両性の平等の実現状況、現行法制に関する調査及び研究をする他、国、地方公共団体、その他の関係団体と両性の平等実現のための連絡協議活動を行う委員会です。

2 活動実績
両性の平等実現状況の把握

 平成27年5月19日「和歌山県における男女共同参画の現状と課題」
  講師 和歌山県青少年共同参画課 課長 谷口恵美氏
  同 和歌山県男女共同センターりぃぶる 所長 山中浩子氏
 平成27年9月9日「和歌山県における女性労働の現状と課題」
  講師 和歌山労働局雇用均等室長 小田江里子氏

現行法制に関する意見の発表

 夫婦同姓強制及び再婚禁止期間に関する事例の最高裁大法廷回付を受けて平成27年7月10日付会長声明、及び平成27年12月16日に出された2つの最高裁大法廷判決を受けて平成28年3月16日付会長声明を各起案し、民法(家族法)の差別的規定の早期改正を求めました。

※金原注
「民法(家族法)の差別的規定の早期改正を求める会長声明」 
「民法(家族法)の差別的規定の早期改正を求める会長声明-2015年12月16日に出された2つの最高裁大法廷判決を受けて-」

男女共同参画週間に寄せて
 日弁連が全国の弁護士会に呼びかけて一斉に行う「女性の権利110番」を実施し、当会所属の女性弁護士が中心となって対応しました。

意思決定の場への男女共同参画実現に向けて

 参画率アップのために、当会所属女性弁護士にアンケートを実施し、その結果を当会から委員等を推薦する場合の参考資料としてまとめました。

委員会内研修

 「子どもの養育費の算定基準と養育保障は現状のままでよいのか」、あるいは「公平な離婚給付」の考え方、さらには「LGBTの正しい理解とあるべき法制」等々、委員会内の研修を行いました。

3 今後の活動予定

 「男性は仕事、女性は家庭」という伝統的な性別による役割分担を前提とした社会のしくみの中で、実際上性別による差別の影響を一番受けているシングルマザーについて、その現状を分析すると共に、その権利擁護のため法制度あるいは司法制度上、改善に役立つ方策を探るシンポジウムを、今年度中に開催する予定にしています。
 
(引用終わり)

 上記「今後の活動予定」で予告されていたシンポジウムが、いよいよ開催される運びになったということです。
 以下に、チラシ記載情報を転記します。

チラシから引用開始)
シンポジウム
シングルマザーの権利擁護
―養育費算定表の問題点と履行確保の方策について―

開催日時 
 2016年(平成28年)12月3日(土)
 開場:13時 開演:13時30分
開催場所
 和歌山弁護士会館 4階 講堂
  〒640-8144 和歌山市四番丁5番地


プログラム
第1部
 基調報告「和歌山のシングルマザーの現状について」
 和歌山県子ども未来課 家庭福祉班長 木村高秀(きむら・たかひで)氏
第2部
 基調講演「現行の養育費算定表の問題点と改善案」
 講師 日弁連両性の平等に関する委員会副委員長
     竹下博將(たけした・ひろゆき)弁護士(第二東京弁護士会所属)
第3部
 トーク&トーク「貧困から母子を守る養育費って?」
 出演 和歌山弁護士会 両性の平等に関する委員会委員 戸村祥子(とむら・しょうこ)
     和歌山弁護士会 両性の平等に関する委員会委員 岩橋幸誠(いわはし・こうせい)
 アドバイザー 竹下博將弁護士

入場無料★予約不要


主催 和歌山弁護士会(両性の平等に関する委員会)
お問い合わせ
 〒640-8144 和歌山市四番丁5番地(和歌山弁護士会)
 TEL:073-422-4580 FAX:073-436-5322
(引用終わり)   

 実にシンプルなチラシで、内容説明が全くない!
 まあ、弁護士や、離婚調停の当事者になった経験のある人なら、シンポのタイトルやプログラムの内容に目を通すだけで、主催者の問題意識はすぐに了解できると思いますが。

 そこで、僭越ながら、若干の補足説明を加えることにします。
 まず、第2部の講演のテーマとなっている「養育費算定表」とは何か?ですが、実際、離婚調停などの当事者になった人、特に未成年の子どもがいる場合、非常に切実な関心対象とならざるを得ないのがこの「養育費算定表」です。
 これは、インターネットでも容易に見ることができます。例えば、東京家庭裁判所のホームページには、「家庭裁判所において,養育費又は婚姻費用の算定をする際に参考として活用している資料です。」という説明付きで、「養育費・婚姻費用算定表」が掲載されており、その冒頭に、
○この算定表は,東京・大阪の裁判官の共同研究の結果,作成されたものです。
○現在,東京・大阪家庭裁判所では,この算定表が,参考資料として,広く活用されています。

と書かれているとおり、あくまでも建前上は「参考資料」なのですが、実際の調停実務では、事実上の規範性をともなって運用されているという実感を多くの弁護士は共有しているのではないかと思います。
 なお、2012年3月15日に日本弁護士連合会が「養育費・婚姻費用の簡易算定方式・簡易算定表」に対する意見書を公表しています。
 
 それから、第3部の「トーク&トーク」、「“養育費”の何が語られるのか?」チラシを見ただけではさっぱり分からないと思いますが、それを推測させるヒントを1つご紹介します。
 和歌山弁護士会館の中の事務室には、私たち会員1人1人のレターケースが設置されており、会から会員へのお知らせの文書などが入っているのですが、最近、両性の平等に関する委員会のシンポジウム実行PT座長(シンポにも登場する戸村祥子さんです)名による、会員宛の「アンケートのお願い」が入っていました。そこには、「養育費を任意に支払わない相手方に対して、「こういう手段を取ったら奏功した」という成功例や「こういう手段を取ったが、この点で限界があって取り立てできなかった」等の失敗例をご紹介いただきたいと考えています。」とあり、裏面には様々な質問項目が書かれていました。そういえば、明後日(10月21日)が締切だけど、まだ書いていなかった。
 何となくイメージがわきましたか?つまり、シンポ・サブタイトルの後半「(養育費の)履行確保の方策について」、実践例を踏まえながら語り合うということのようなのです。
 これって、とても重要な問題で、立法的手当の必要性も議論されているテーマですよね。

 以上のような様々な視点から取り組むシンポジウム「シングルマザーの権利擁護」。是非関心を持たれる多くの方にご参加いただきたく、ご案内します。

弁護士会シングルマザー・シンポ

「報告・高レベル放射性廃棄物の処分をテーマとしたWeb 上の討論型世論調査」(日本学術会議・社会学委員会討論型世論調査分科会)のご紹介

 今晩(2016年10月11日)配信した「メルマガ金原No.2596」を転載します。

「報告・高レベル放射性廃棄物の処分をテーマとしたWeb 上の討論型世論調査」(日本学術会議・社会学委員会討論型世論調査分科会)のご紹介

 巻末に一覧を掲げておきましたが、3.11以降、高レベル放射性廃棄物の処分に関する日本学術会議の動向は、ある程度継続的にフォローしてきました。
 この間の経緯については、昨年(2015年)4月24日、日本学術会議・高レベル放射性廃棄物の処分に関するフォローアップ検討委員会が公表した「高レベル放射性廃棄物の処分に関する政策提言-国民的合意形成に向けた暫定保管」の「要旨 1 作成の背景」に簡潔に説明されています。
 
(引用開始)
 日本学術会議は、2010年9月7日、原子力委員会委員長から「高レベル放射性廃棄物の処分の取組における国民に対する説明や情報提供のあり方についての提言のとりまとめ」という審議依頼を受け、課題別委員会「高レベル放射性廃棄物の処分に関する検討委員会」を設置した。委員会では、原点に立ち返った審議を行い、2012年9月 11日に原子力委員会委員長に回答を行った。
 回答で提示した提言を政府等が政策等に反映しやすくするために、より一層の具体化を図ることが重要であるとの認識から、2013年5月に「高レベル放射性廃棄物の処分に関するフォローアップ検討委員会」を設置し、回答のより具体的な方策について技術と社会という総合的視点から検討を重ねた結果、以下の12の提言を取りまとめた。
(引用終わり)
 
 上に述べられた、原子力委員会からの審議依頼(これは3.11の半年前)に対し、「原点に立ち帰った審議」(つまり依頼の趣旨を超える、ということ)をとりまとめた「回答」は以下のようなものでした。
 

 2012年「回答」後、上記のとおり、「高レベル放射性廃棄物の処分に関する検討委員会」における2年間の検討を経て、2015年4月に「政策提言」がなされたのですが、12点に要約された「提言」をもう一度振り返っておきましょう。
 
(引用開始)
(1) 暫定保管の方法と期間
提言1
 暫定保管の方法については、ガラス固化体の場合も使用済燃料の場合も、安全性・経済性の両面から考えて、乾式(空冷)で、密封・遮蔽機能を持つキャスク(容器)あるいはボールト(ピット)貯蔵技術による地上保管が望ましい。
提言2 暫定保管の期間は原則50年とし、最初の30年までを目途に最終処分のための合
意形成と適地選定、さらに立地候補地選定を行い、その後20年以内を目途に処分場の建設を行う。なお、天変地異など不測の事態が生じた場合は延長もあり得る。
(2) 事業者の発生責任と地域間負担の公平性
提言3 高レベル放射性廃棄物の保管と処分については、発電に伴いそれを発生させた事業者の発生責任が問われるべきである。また、国民は、本意か不本意かにかかわらず原子力発電の受益者となっていたことを自覚し、暫定保管施設や最終処分場の選定と建設に関する公論形成への積極的な参加が求められる。
提言4 暫定保管施設は原子力発電所を保有する電力会社の配電圏域内の少なくとも1か所に、電力会社の自己責任において立地選定及び建設を行うことが望ましい。また、負担の公平性の観点から、この施設は原子力発電所立地点以外での建設が望ましい。
提言5 暫定保管や最終処分の立地候補地の選定及び施設の建設と管理に当たっては、立地候補地域及びそれが含まれる圏域(集落、市区町村や都道府県など多様な近隣自治体)の意向を十分に反映すべきである。
(3) 将来世代への責任ある行動
提言6
 原子力発電による高レベル放射性廃棄物の産出という不可逆的な行為を選択した現世代の将来世代に対する世代責任を真摯に反省し、暫定保管についての安全性の確保は言うまでもなく、その期間について不必要に引き延ばすことは避けるべきである。
提言7 原子力発電所の再稼働問題に対する判断は、安全性の確保と地元の了解だけでなく、新たに発生する高レベル放射性廃棄物の保管容量の確保及び暫定保管に関する計画の作成を条件とすべきである。暫定保管に関する計画をあいまいにしたままの再稼働は、将来世代に対する無責任を意味する。
(4) 最終処分へ向けた立地候補地とリスク評価
提言8
 最終処分のための適地について、現状の地質学的知見を詳細に吟味して全国くまなくリスト化すべきである。その上で、立地候補地を選定するには、国からの申し入れを前提とした方法だけではなく、該当する地域が位置している自治体の自発的な受入れを尊重すべきである。この適地のリスト化は、「科学技術的問題検討専門調査委員会(仮称)」が担う。
提言9 暫定保管期間中になすべき重要課題は、地層処分のリスク評価とリスク低減策を検討することである。地層処分の安全性に関して、原子力発電に対して異なる見解を持つ多様な専門家によって、十分な議論がなされることが必要である。これらの課題の取りまとめも「科学技術的問題検討専門調査委員会」が担う。
(5) 合意形成に向けた組織体制
提言10 
高レベル放射性廃棄物問題を社会的合意の下に解決するために、国民の意見を反映した政策形成を担う「高レベル放射性廃棄物問題総合政策委員会(仮称)」を設置すべきである。この委員会は、「核のごみ問題国民会議(仮称)」及び「科学技術的問題検討専門調査委員会」を統括する。本委員会は様々な立場の利害関係者に開かれた形で委員を選出する必要があるが、その中核メンバーは原子力事業の推進に利害関係を持たない者とする。
提言11 福島第一原子力発電所の激甚な事故とその後の処理過程において、国民は科学者集団、電力会社及び政府に対する不信感を募らせ、原子力発電関係者に対する国民の信頼は大きく損なわれた。高レベル放射性廃棄物処分問題ではこの信頼の回復が特に重要である。損なわれた信頼関係を回復するために、市民参加に重きを置いた「核のごみ問題国民会議」を設置すべきである。
提言12 暫定保管及び地層処分の施設と管理の安全性に関する科学技術的問題の調査研究を徹底して行う諮問機関として「科学技術的問題検討専門調査委員会」を設置すべきである。この委員会の設置に当たっては、自律性・第三者性・公正中立性を確保し社会的信頼を得られるよう、専門家の利害関係状況の確認、公募推薦制、公的支援の原則を採用する。
(引用終わり)
 
 さて、今日ご紹介しようとするのは、今年の8月24日、日本学術会議内に設置された「社会学委員会討論型世論調査分科会」が公表した報告「高レベル放射性廃棄物の処分をテーマとしたWeb上の討論型世論調査」です。
 その経緯や調査結果については、報告の冒頭に掲げられた「要約」を引用したいと思います。
(引用開始)
                 要             旨
1 作成の背景
 日本学術会議は、2012年9月に『高レベル放射性廃棄物の処分について』と題する回答を原子力委員会に提出したが、より一層の具体化を図るために、2013年5月にフォローアップ検討委員会を設置し、2015年4月に『高レベル放射性廃棄物の処分に関する政策提言-国民的合意形成に向けた暫定保管』と題する提言をまとめた。また、このフォローアップ委員会と並行して、2013年5月、日本学術会議社会学委員会の下に、討議デモクラシーの一つである討論型世論調査分科会を設置して、高レベル放射性廃棄物の処分問題をテーマとしたオンライン上の討論型世論調査(Deliberative Polling®; 以下 DP と略す)の実施と審議を進めることにした。
①討議テーマである高レベル放射性廃棄物の処分方法については、日本学術会議が先の回答で新たに提言した暫定保管、総量管理を中心に扱った。日本学術会議の提言は必ずしも地層処分を否定するのではなく、それに至る前に総合的なエネルギー政策の提示と高レベル放射性廃棄物の処分に関する国民的合意形成の必要性を強調する点に特徴がある。そこで政府の既定方針となっている地層処分と日本学術会議の提案のどちらが望ましいかをめぐり参加者による討議を実施し、討議前後の態度変容を計測した。
②討議参加者の募集はインターネット調査会社に依頼。同社登録のモニターからWeb討議参加者125人を募集した。層化抽出条件として、男女比、年齢分布、居住地域を用いたほか、Web 会議システム利用可能という条件を加えて参加者を募った。最終的には、101 人の有効参加者を得た。
③2015 年1月から討議参加者の応募を開始し同年3月1日に討議実験を実施した。
④その間、協力者には、応募時、討議直前、討議直後の計3回にわたり同一のアンケート調査を実施。比較のために、層化抽出された討議参加者以外のモニター1000名に対し同一の質問紙調査を実施した。
⑤討議実験は、1グループ6から8名で構成される14のグループに分け、グループごとの自由討議を75分間行い、討議の最後に専門家に対する質問をグループごとに作成し、続く全体会で立場の異なる専門家集団と2つのサブテーマについて質疑を各70分間行った。サブテーマとして、「地層処分 vs. 暫定保管・総量管理」、「処分地立地の方針と負担・便益の分担」の2つが設定されている。なお、討議参加者には、A4 版41頁の討議用資料を第一回アンケート調査後に配布した。

2 討議参加者の代表性、参加者による Web DP に対する評価
①討議参加者の学歴が非参加者に比べて高い傾向があること、及び 70 歳以上の参加者を得ることができなかったものの、性別、年齢、居住地、職業については有意差のないサンプルを得ることができた。
②討議参加者のWeb討議会に対する評価として、グループ討議、専門家との質疑応答セッションともに、およそ80%から90%が役に立ったと回答している。自由記入欄でのコメントを読むと、国民の理解と合意を要する政策について市民同士が市民目線で話し合う場をもっと作って欲しいという意見もあり、潜在的ニーズは高いと考えられる。
③北海道から沖縄まで日本全国からほぼ無作為に参加募集をした人が、14 グループにわかれ政策について議論し合う討議空間が作れたことの意義は大きい。

3 Web 討議参加による態度変容
 今回の実験では、Web会議システムを通じたグループ討議と質疑応答セッションであっても実空間上のDPと同様の態度変容が起きることが確認できた。主な結果は以下のとおり。
①「地層処分に対する賛成者」の割合は、討議前 32.7%から討議後 48.5%へと有意に増加した。また、処分の立地を受け入れるという者の割合も、討議前 11.9%から討議後 23.8%に増加した。このことは、討議を行うことによって、漠然とした不安がより客観的なリスクとして捉えられるようになったためと推察される。また、迷惑施設に対する責任を回避しないという倫理的選択を促す手掛かりになる可能性も示唆している。
②地層処分に対する支持が増加するのと同時に、「地層処分に性急に着手するのではなく、今しばらく時間をかけて、広く国民的議論を行うべきである」とする暫定保管の意見に対する支持も強まった。当初、地層処分と暫定保管が対立するものとして報道される傾向があり被験者もそのように考えることが想定されたが、討議参加者はそのように捉えていない。現状では、地層処分の必要性や安全性についての理解が深まったが、その危険性に対する危惧は高い水準にとどまっている。また、安全性を確保することは可能であるという認識も高まったものの、その技術が実現するまでには長期間を要すると認識することにより、暫定保管の支持率が高まったと考えられる。さらに、高レベル放射性廃棄物の総量に対する社会的合意がない状態で、その処分方法について議論することに対する異議も、暫定保管を支持する理由になっていると考えられる。
③暫定保管の期間については、討議前は10 年未満が最も多かった。これが、討議後には最頻値が10年~30年にシフトする。ただ、30年以上とする者は、討議後でも14.8%にしかならない。討議の結果、問題の性格から考えて短期に解決できない問題であるとの認識が高まったこと、しかしそれにもかかわらず、一世代程度30年の間に決着すべきという考えを反映した判断とみなせる。つまり、自分たちが作り出した問題を将来世代に押し付けるのではなく自己責任において解決すべきと考えていることである。
 通常の世論調査は、十分な情報や人の意見を聞く機会がないままの意見しか捉えることができず、熟慮した場合に人々がどのような意見を持つようになるのかを知ることはできない。今回の結果は、Web 会議システムを用いたDPが通常の世論調査の問題点を克服し、無作為抽出された市民からなる公共空間としてのミニ・パブリックスによる討議と民意の形成に、有力な手法となることを示している。高レベル放射性廃棄物の処分についての国民的合意形成にも有効な方法であることが示されたといえる。
 なお本報告は、文部科学省科学研究費補助金・基盤研究(C)「Web会議システムを用
いたオンラインDP(討議型世論調査)の社会実験」(2013~2015年度、研究代表者・坂野
達郎)の助成を受けて、社会学委員会討論型世論調査分科会の監修の下に実施した調査の審議結果を取りまとめて公表するものである。
(引用終わり)

 上の「要約」では、「暫定保管の期間については、(略)一世代程度30年の間に決着すべきという考えを反映した判断とみなせる。つまり、自分たちが作り出した問題を将来世代に押し付けるのではなく自己責任において解決すべきと考えていることである。」というのは納得できるとしても、「「地層処分に対する賛成者」の割合は、討議前 32.7%から討議後 48.5%へと有意に増加した。また、処分の立地を受け入れるという者の割合も、討議前 11.9%から討議後 23.8%に増加した。このことは、討議を行うことによって、漠然とした不安がより客観的なリスクとして捉えられるようになったためと推察される。」というのは、「どうして?」と思いますよね。「全体会で立場の異なる専門家集団と2つのサブテーマについて質疑を各70分間行った。」とありますので、その「専門家集団」って具体的に誰?ということが気になり、調べてみました(「報告」の26頁に記載がありました)。

テーマⅠ:最終処分のリスクと責任(午前)
司会
 寿楽浩太(東京電気大学未来科学部人間科学系列助教)
専門家
梅木博之(原子力発電環境整備機構理事)
鈴木達治郎(長崎大学核兵器廃絶研究センター長・教授)
藤村陽(神奈川工科大学基礎・教養教育センター教授)
柴田徳思(東京大学名誉教授、高エネルギー加速器研究機構名誉教授)
千木良雅弘(京都大学防災研究所教授)
長谷川公一(東北大学大学院文学研究科教授)

テーマⅡ:処分地を受け入れますか?(午後)
司会
 寿楽浩太(東京電気大学未来科学部人間科学系列助教)
専門家
武田精悦(原子力発電環境整備機構技術顧問)
鈴木達治郎(長崎大学核兵器廃絶研究センター長・教授)
山口幸夫(NPO法人原子力資料情報室共同代表)
新野良子(柏崎市男女共同参画審議会副会長)
千木良雅弘(京都大学防災研究所教授)
長谷川公一(東北大学大学院文学研究科教授))

 「司会」を担当された東京電気大学助教の寿楽浩太(じゅらく・こうた)さんは、例えば以下のような論考を書いておられる方です。

 「専門家」の中には、私でも名前を聞いたことがある人もおられます。例えば、梅木博之さんは、3.11の4ヶ月ほど前、資源エネルギー庁が主催する「双方向シンポジウム どうする高レベル放射性廃棄物」(於:岡山市)で小出裕章さんと対論した人で、当時の肩書きは「(独)日本原子力研究開発機構 地層処分研究開発部門 研究主席」という、「地層処分」推進研究者の代表のような人でしたね。
 それから、鈴木達治郎さんは、現職の前は、「原子力委員会・委員長代理」だった方です。
 また、長谷川公一東北大学大学院教授は、2015年「提言」公表後、原子力資料情報室の公開研究会の講師を務めておられました(原子力資料情報室の理事でもあったと思います)。
 テーマⅠについてのそれ以外の「専門家」の方の経歴などは全然存じ上げませんが、「専門家の人選は、DPの運営委員会が行う。人選にあたっては、討議テーマに対する立場の違いを反映するように選ぶこととなっている。今回は、前述の日本学術会議社会学委員会討論型世論調査分科会の監修のもとにこの人選を行った。」ということです。

 この「報告」を子細に読み込めば、多くの示唆が得られるかもしれませんが、今はそれだけの時間的余裕がありませんので、とりあえず、高レベル放射性廃棄物をテーマとした世論調査、それも「Web 上の討論型世論調査」という手法を用いた調査が行われ、その報告書が公表されているということをご紹介するにとどめます。
 
(弁護士・金原徹雄のブログから)
2012年10月1日(2014年1月18日にブログに再アップ)
2012/9/11 日本学術会議による高レベル放射性廃棄物の処分に関する「提言」

2012年12月31日(2013年2月13日にブログに再アップ)
12/2日本学術会議 学術フォーラム「高レベル放射性廃棄物の処分を巡って」
2014年10月3日
日本学術会議・分科会が公表した高レベル放射性廃棄物問題についての2つの「報告」
2015年2月19日
「核のごみ」をめぐる注目すべき動き~国の「基本方針」改訂と日本学術会議の「提言」
2015年5月7日
日本学術会議「高レベル放射性廃棄物の処分に関する政策提言―国民的合意形成に向けた暫定保管」をこれから読む
2015年11月17日
長谷川公一氏「日本学術会議 暫定保管提言を考える」講演と意見交換(11/16原子力資料情報室 第88回公開研究会)

谷口真由美さん(大阪国際大学准教授)講演10/13「がんばる女性へのメッセージ」@和歌山市あいあいセンターのご案内

 今晩(2016年9月15日)配信した「メルマガ金原No.2570」を転載します。

谷口真由美さん(大阪国際大学准教授)講演10/13「がんばる女性へのメッセージ」@和歌山市あいあいセンターのご案内

 昨日に引き続き、和歌山での行事のご案内です。昨日は、橋本市に和歌山地家裁の支部設置を求める「日弁連地域司法キャラバン in 伊都橋本」(9/24橋本市産業文化会館「アザレア」大ホール)への参加を呼びかけましたが、今日は、和歌山市の男女共生推進課が企画した「男女共生特別講座」(10/13和歌山市男女共生推進センター6階ホール)をご案内するものです。
 講師は谷口真由美さん。大阪国際大学准教授で、国際人権法や日本国憲法、ジェンダー法などを専攻する研究者であると紹介すれば、非常勤講師として出講している大阪大学で受け持つ日本国憲法の講義において、「DJマユミの恋愛相談」が学生に大人気というニュースを思い出す人がいるかもしれませんね。
 最近の記事を1つご紹介しておきます。
 

 さらに、「全日本おばちゃん党」代表代行と紹介すれば、ヒョウ柄の(?)衣服を身にまとい、歯に衣着せぬ本音トークで正論を主張する精力的・魅力的な女性を思い出してもらえるかもしれません。
 同党が大きな話題を集めたのは、3年前の参院選のさらに前年、2012年の秋以降だったでしょうか、2013年には私もメルマガ(ブログ)で取り上げていました。

 そのようなことから、私が関与している団体、たとえば青年法律家協会和歌山支部が憲法記念日の前に開催している講演会の講師候補者として折衝したこともあったやに聞いているのですが、日程が合わなかったとか。他にも、一度谷口さんのお話を聴いてみたいという人(特に女性)が私の周囲にたくさんいたりします。
 10月13日に男女共生特別講座「がんばる女性へのメッセージ」の講師として谷口真由美さんが来和されるということは、知り合いの女性のFacebookページでつい先日(9月10日)知ったばかりであり、今日の昼間、私自身がFacebookに
簡単な紹介の投稿をしたところ、即座に3人の女性から熱烈歓迎のコメントが寄せられるなど、(一部の人かもしれませんが)相当な人気です。
 会場のキャパの関係から、事前申込みが150名に達し次第受付終了となりますので、「聴いてみたい」という方は、すぐに申し込みされることをお勧めします(9月13日から受付が始まっています)。
 和歌山市男女共生推進課のページに告知がアップされていますが、それよりも、チラシが詳細情報満載で、「これだけで充分!」という充実ぶりです。そこで、以下にチラシの文字情報を転載します。

チラシから引用開始)
男女共生特別講座
がんばる女性へのメッセージ

「おはよう朝日です」や「サンデーモーニング」のコメンテーターでもお馴染みの谷口真由美さん。「おばちゃん」目線で今の政治や社会にツッコミをいれ、年齢や性別に関わらず、全ての人が生きやすい社会づくりを訴える谷口さんのお話を聞いてみませんか。

講師
谷口 真由美 さん
(大阪国際大学准教授・全日本おばちゃん党代表代行) 
テレビでも活躍中!

 
大学教員のかたわら、“庶民目線の政治”を訴えるために、おばちゃんたちの底上げと、オッサン社会に愛とシャレでツッコミをいれることを目的に、「全日本おばちゃん党」をFacebook 上で立ち上げる。おばちゃん目線でオッサン政治をチェックしながら、問題提起を続けて、世界のメディアからも注目を集めている。
1975 年 大阪市生まれ。
1997 年 大阪国際大学政経学部卒業(国際人権法)
1999 年 和歌山大学大学院経済学研究科修了修士(経済学)
2004 年 大阪大学大学院国際公共政策研究科修了博士(国際公共政策)
2013 年 法政大学現代社会法研究所客員研究員
専門:国際人権法、ジェンダー法、日本国憲法
<主なメディア出演>
朝日放送「おはよう朝日です」木曜日コメンテーター
TBS「サンデーモーニング」コメンテーター
テレビ大阪「ニュースリアル」コメンテーター

日時
平成28年10月13日(木)19:00~20:30
場 所 和歌山市男女共生推進センター 6階 ホール   
     (和歌山市小人町29番地 あいあいセンター内)
対 象 和歌山市在住または通勤、通学の方(性別問いません♪)
定 員 150名(定員になり次第締め切り)
参加費 無料
申込方法 電話・メール、または直接男女共生推進課へ
※メールには、「講座名」「住所」「氏名」「電話番号」「一時保育の有無(お子さんの名前と年齢)」を記入
9月13日(火)より受付開始

一時保育あり
講座中、お子さんをお預かりします。1歳~就学前のお子さんが対象です。お申込は開催日の1週間前までです。(定員あり)

申込み・問い合わせ
和歌山市小人町29 あいあいセンター5階
和歌山市男女共生推進課
電話 073-432-4704(8 時30 分~17 時15 分)
メール
danjokyousei@city.wakayama.lg.jp
休館日 月曜日(月曜日が祝日の場合、その次の平日)
※あいあいセンター地下駐車場の駐車台数には限りありますので、出来るだけ公共交通機関をご利用ください。
(引用終わり)

 私はこのチラシを読んで、谷口さんが和歌山大学大学院修士課程(経済学研究科)に2年間在籍していたことを初めて知りました。同大学教育学部附属中学校出身の私とも、まんざら無縁というわけではない(?)。

 ところで、チラシにもあるとおり、「全日本おばちゃん党」は、Facebook上のヴァーチャル政党(?)であり、私も同Facebookページに「いいね」しているのですが、あまり頻繁な記事の更新は行われておらず、最近は、大きな節目の際に、大阪弁の(私は大阪人ではないので多分そうだろうとしか言えませんが)声明がアップされる程度のようです。
 試みに、昨年9月19日の「声明」をご紹介しておきましょう。
 
【安全保障関連法成立に抗うおばちゃん党の声明】
(引用開始)
飴ちゃん舐めても おばちゃん舐めたらアカンで。
シルバーウィークが過ぎようが来年になろうが、与党とそのツレが無茶苦茶なことをしたこと、おばちゃんらは忘れへんで。言うとくけど、おばちゃんらはしつこいで。昔のことでも、嫌なことはよう覚えてるから、これも覚えとくで。賛成した人ら、自分らがした恐ろしい行為、あとからジワジワしっぺ返し来るで。
何べんでも言うとくわ。
#うちの子もよその子も戦争には出さん
(引用終わり) 

 なお、全日本おばちゃん党のFacebookの他に、谷口真由美さん個人のFacebookページもあることに気がつきました。
 ただし、自己紹介には「Facebookは基本的にプライベートなことが多く、プライベートでお付き合いしている方以外は「お友達」になりません。例外はありますが、原則私とリアル社会でお付き合いの無い方はお友達申請ご遠慮ください。」とあり、それもそうだろうなあ、と思いました。
 けれども、それにしては結構読める記事が多いなと思い、基本的なプライバシー設定を確認してみると、「谷口真由美さんの友達の友達」まで閲覧可という設定になっていました。谷口さんと私には共通の「友達」が10人いますので、いろいろと皆さんにご紹介したい投稿も読めることは読めますが、公開設定ではないので、引用は遠慮しておきます。特に7月6日に書かれた「知憲」の重要性を強調した文章は是非読んで欲しいなあ。谷口さんと共通のFB友達が1人でもいれば読めると思うので、FBをやっておられる方は一度是非アクセスしてみてください。

 上記JCASTニュースでも紹介されていましたが、今年の6月に、谷口真由美さんの最新刊『憲法って、どこにあるの?』が集英社から刊行されました。版元のホームページにこの新刊の特集が組まれており、著者インタビューもあって読み応えがあります。

 さらに、谷口さん個人のFacebookページの昨晩の投稿で気がついたのですが、この本のプロモーション動画(憲法ミニ講座)が公開されていることが紹介されていました。
 谷口さん自身、Facebookで「でもたぶん、恥ずかしいからもう見ません。もしよろしければ、私の代わりに見てください(笑)」(この程度の引用はいいでしょう)と仰っていますので、4本に分割された動画をご紹介して本稿を終えることにします。
 ただし、10月13日の講演は、男女共生講座「がんばる女性へのメッセージ」ですから、その中に「憲法講座」の要素が含まれるのかどうか、行ってみた上でのお楽しみというところでしょうか(私は、憲法に全然触れないはずはないと思いますけどね)。
 
『憲法って、どこにあるの?』谷口まゆみの憲法ミニ講座 1(2分28秒)

『憲法って、どこにあるの?』谷口まゆみの憲法ミニ講座 2(2分16秒)

『憲法って、どこにあるの?』谷口まゆみの憲法ミニ講座 3(2分41秒)

『憲法って、どこにあるの?』谷口まゆみの憲法ミニ講座 4(3分04秒)



(付録)
『大阪のおばちゃん』 作詞・作曲:ヒポポ大王 演奏:ヒポポフォークゲリラ婦人部
 

谷口真由美チラシ 

日弁連「地域司法キャラバン in 伊都橋本~地家裁支部の設置を目指して~」(9/24)開催のお知らせ

 今晩(2016年9月14日)配信した「メルマガ金原No.2569」を転載します。

日弁連「地域司法キャラバン in 伊都橋本~地家裁支部の設置を目指して~」(9/24)開催のお知らせ

 日本弁護士連合会が全国各地で開催する「地域司法キャラバン」。来る9月24日(土)に、和歌山県橋本市で開催されます。テーマは「地家裁支部の設置を目指して」というものです(※チラシ)。
 まずは、開催概要をご紹介します。
 
地域司法キャラバン in 伊都橋本
~地家裁支部の設置を目指して~
 
日時 2016年9月24日(土)13:30~16:30(開場13:00)
会場 橋本市産業文化会館「アザレア」大ホール
    (和歌山県橋本市高野口町向島135番地)
参加費無料・事前申込不要
内容
1.開会挨拶
2.地域司法の充実の必要性と当該地域の現状の報告
3.基調報告『最高裁協議の経過と得られた成果について(仮)』
4.報告『徳島県内の家庭裁判所(出張所)の運用について(仮)』
 (和歌山家庭裁判所妙寺出張所の活性化に向けて)
5.パネルディスカッション『地元密着の家庭裁判所を求めて(仮)』
6.質疑応答(他の地域からの会場発言)
7.パネリストからのコメント、まとめの発言
8.閉会挨拶
主催 日本弁護士連合会
共催 和歌山県、橋本市、かつらぎ町、九度山町、高野町、裁判所橋本支部設置推進協議会、近畿弁護士会連合会、和歌山弁護士会
お問い合わせ 
日本弁護士連合会法制部法制第一課
 TEL:03-3580-9893  FAX:03-3580-9899
和歌山弁護士会 〒640-8144 和歌山市四番丁5番地
 TEL:073-422-4580  FAX:073-436-5322

 開催趣旨については、主催者である日本弁護士連合会と、開催地弁護士会である和歌山弁護士会のホームページにそれぞれ掲載されたものをご紹介しましょう。
 
日本弁護士連合会
(引用開始)
 日本弁護士連合会では、この度、和歌山県伊都橋本地域における司法基盤に関する意見交換会「地域司法キャラバンin伊都橋本~地家裁支部の設置を目指して~」を開催いたします。
 開催地である和歌山県伊都橋本地域は、1990年の裁判所支部統廃合により、和歌山地家裁妙寺支部が廃止され、本庁管轄となったため、現在、同地域には家庭裁判所妙寺出張所及び簡易裁判所が置かれているのみとなりました。このため、市民の司法アクセスの利便性が相当程度低下しており、地域において司法が果たすべき役割との観点からも重要な課題となっています。
 そこで、地元においていかなる活動をすべきか等について意見交換を行いますので、ぜひお集まりください。
 なお、日弁連では、本年11月5日に第27回司法シンポジウムを開催予定であり、本意見交換会は、そのプレシンポジウムとの位置付けで開催します。同シンポジウムは、「いま、司法が果たすべき役割とは―法の支配の確立をめざして―」をテーマに据え、権利の実現に果たす司法の役割や地域におけるネットワークづくりへの司法の関与の可能性等について取り上げる予定ですので、こちらにつきましても、ぜひご参加ください。
(引用終わり)
 
和歌山弁護士会
(引用開始)
 伊都橋本地域は1990年(平成2年)の裁判所支部統廃合により和歌山地家裁妙寺支部が廃止されました。このため、現在は家庭裁判所妙寺出張所と簡易裁判所が置かれているのみとなっており、同地域の住民の司法アクセスは大きく阻害されている状況にあります。
 和歌山弁護士会は、これまでも伊都橋本地域の司法アクセス改善に重点的に取り組んできました。今般、日弁連、近弁連、そして地元自治体である和歌山県、伊都橋本地域の1市3町(橋本市・かつらぎ町・九度山町・高野町)及び裁判所橋本支部設置推進協議会と共催のうえ、「地域司法キャラバンin伊都橋本~地家裁支部の設置を目指して~」を橋本市産業文化会館「アザレア」で開催することになりました。
 今回のキャラバンでは、伊都橋本地域の司法の現状を把握し、日本各地の取り組みを紹介するなどして、家裁妙寺出張所の活性化、さらには同地域への将来的な地家裁支部の設置に向けた検討を行います。
 伊都橋本地域の住民の皆様はじめ、たくさんの方々のご来場をお待ちしております。
(引用終わり)

 開催趣旨にも書かれているとおり、かつて和歌山県の紀の川上流域には、伊都郡かつらぎ町妙寺に和歌山地家裁妙寺支部が設置されていましたが、1990年の裁判所支部統廃合のうねりの中、支部が廃止され、家裁出張所と簡裁だけが残されることになりました。 このため、橋本市及び伊都郡内の各町の住民が、地裁管轄の事件を提起しようとすれば、車を走らせても1時間~2時間(橋本市の中心部からなら約1時間半)はかかる和歌山市の本庁まで出向かねばならず、非常な不便を強いられることになりました。
 また、家裁出張所があるとはいえ、調停期日が開かれる日程が非常に限られているなど、利用者の司法アクセスに対する障害となってきました。
 和歌山弁護士会では、2度にわたってとりまとめた地域司法計画の中で、伊都橋本地域に新たな支部を設置すべきことを強く主張してきました。
 以下に、「第2次和歌山地域司法計画」の該当箇所(14~16頁)を、少し長くなりますがご紹介したいと思います。
 これをお読みいただければ、9月24日に開催される日弁連の地域司法キャラバンの目指すところが、端的にご理解いただけるものと思います。
 会場の「アザレア」大ホールはキャパ680人の広い会場です。是非、伊都橋本地域の多くの方に来場いただき、支部設置要求の気運を一層盛り上げていただければと思います。
 なお、引用箇所に記載されているデータ(法律事務所の数など)は、同地域司法計画公表(2012年10月)後の変動を反映していないことをお断りしておきます。
 
第2次和歌山地域司法計画  2012(平成24)年10月  
和歌山弁護士会
(引用開始)
第3 和歌山の司法の現状と課題
2 裁判所
(4)現状の分析と今後の課題
(イ)裁判所の適正配置
a はじめに
 和歌山県内の弁護士数はここ10年間で著しく増加しました。県内でのいわゆるゼロワン地域も解消し、地家裁支部のない橋本市にも弁護士法人非常駐支店を含めると3事務所が開かれ、県民の弁護士へのアクセスはかなりの程度改善されたといえます。
 しかし、市民間の法的紛争は、地域に弁護士がいればそれで適切に解決されるというわけではなく、最終的な公権的紛争解決機関としての裁判所が地域に存在することが不可欠です。
 憲法32条は、国民に裁判所において裁判を受ける権利を保障しています。しかし、国民の居住する身近な地域や生活圏内に裁判所が存在してはじめて、裁判を受ける権利が実効的に保障されるのであり、裁判や調停のために何時間もかけて裁判所に行かなければならないような状況では、もはや「裁判を受ける権利」は絵に描いた餅と同じです。
 見方を変えれば、裁判所を含めた司法機関は、道路や上下水道と同じように国民生活を送る上で不可欠なインフラというべきであり、地域の実情にあわせた適正な配置が必要です。
 その視点で、和歌山県内を見渡しますと、1990(平成2)年まで和歌山地家裁妙寺支部が設置されていた伊都橋本地域に支部を新設(復活)することの必要性を指摘しなければなりません。また、串本簡裁地域の管轄を田辺支部から新宮支部に変更することの要否についても検討する必要があります。
b 和歌山地家裁橋本支部(仮称)新設の必要性及び家裁妙寺出張所の活性化
 1990(平成2)年まで設置されていた伊都郡かつらぎ町妙寺の和歌山地家裁妙寺支部が、地家裁支部統廃合により廃止されて和歌山地裁本庁管内となり、現在は妙寺簡裁と家裁出張所が置かれているのみという状況です。
 家裁出張所は、当初は月2回、和歌山家裁の審判官や書記官が出張して調停などが開かれていましたが、現在は月1回のみとなっているため、利便性が相当程度低下しています。特に、弁護士が代理人につく事件においては、期日がほとんど入らず現実的に利用されていないと言っても過言ではありません。
 伊都郡及び橋本市地域は、和歌山県の東北部に位置し、北は大阪府、東は奈良県と接しており、紀ノ川に沿って国道24号線とJR和歌山線が東西に走っており、また、大阪難波から高野山まで南海高野線が走っています。 
 橋本駅からは、南海高野線で、難波まで特急で45分程度なのに対し、和歌山地家裁本庁のある和歌山市までは、JR和歌山線を利用しても1時間5分程度かかります(しかもほぼ1時間に1本しかありません。)。橋本市北部の林間田園都市から公共交通機関を利用したとすると、乗換えがスムーズにできたとしても橋本駅で乗り換えて1時間20分程度かかり、高野山からでは2時間もかかり、隣の奈良地家裁五條支部のある五條市や大阪地家裁堺支部のある堺市に行くよりも遙かに時間がかかるという状況です。自家用車を利用したとしても、高野山からでは約2時間、橋本市中心部からでも1時間30分はかかります。
 伊都橋本地域の大部分は、通勤や日常生活においても大阪エリアであり、日常生活において和歌山市に出ることはあまりないのが現状です。
 このような状況において、伊都橋本地域の住民が紛争解決のために裁判所を利用することのハードルは非常に高い状況になっています。特に、本人の出席が必要な離婚などの家事調停においては、その不便さは顕著です。
 今、橋本市など地元自治体、地元経済団体も、地元のバランスのとれた発展、地域作りのためには地域に地家裁支部が必要であることから、橋本市や橋本商工会議所などを中心に「裁判所橋本支部設置推進協議会」の設立準備が進められており、地家裁支部の新設運動が起こりつつあります。国の財政状況などを考えれば、多くの困難も予想され一朝一夕に実現できるものではないかもしれませんが、県民に対する司法サービスの充実に責任を負わなければならない和歌山弁護士会としては、地域住民とともに、和歌山地家裁橋本支部(仮称)の新設実現のための運動を、粘り強く展開しなければならない決意で取り組んでいきたいと考えております。
 また、地家裁橋本支部が新設されるまでの措置として、和歌山家裁妙寺出張所の期日を増やし住民が利用しやすい裁判所にすべきです。前述のように、この地域に現在ある和歌山家裁妙寺出張所は現在毎月1回、本庁から裁判官と書記官が文字通り出張してくるのみで、普段は単に受付業務しかなされていません。これでは、調停期日も十分に確保できず、現状では地域住民は現実的に非常に利用しにくい状況にあります。少なくとも週に1回は調停が行えるようにし、妙寺出張所を活性化すべきです。
(引用終わり)

地域司法キャラバンin伊都橋本 

放送予告9/3『関東大震災と朝鮮人 悲劇はなぜ起きたのか』(ETV特集)~歴史修正主義に惑わされないために

 今晩(2016年8月25日)配信した「メルマガ金原No.2549」を転載します。

放送予告9/3『関東大震災と朝鮮人 悲劇はなぜ起きたのか』(ETV特集)~歴史修正主義に惑わされないために

 2011年3月28日の創刊以来続けてきた「メルマガ毎日配信」の記録は、今年6月22日公示、7月10日投開票の第24回参議院議員通常選挙期間中、野党統一候補であるゆら登信さんを応援する(つまり「選挙運動」となる)記事を書くため、途絶えることを余儀なくされました。3年前の参院選から、インターネット選挙運動は自由になったものの、電子メールによる選挙運動は一定の場合を除いて禁止されているため、選挙期間中に選挙運動にあたる記事を書く時は、メルマガはお休みし、ブログだけ更新するということにしたためです。

 そして、7月11日以降、メルマガを「毎日配信」し、直ちにそれをブログに転載して「毎日更新」する従来のペースに戻ったのですが、いささか戻りきらないことがあります。それは、端的に言って、自分の意見を前面に押し出したメルマガ(ブログ)を書こうという意欲の減退です。
 選挙が終わってからというもの、行事案内、番組放送予告、動画紹介、本の紹介などが従来にもまして目立つようになったとお感じの方もおられるでしょう。その他、追悼文も2本書きましたけど。
 選挙が終わってから既に1ヶ月半が経過しましたが、直後に書いた「投票日当日の自民党などによる新聞広告は憲法改正国民投票運動の前触れか?」(2016年7月11日)は別として、それなりに時間をかけて書いたものはあっても、自分の意見を強く打ち出した記事はほとんど書いていませんからね。
 
 もちろん、私がメルマガ(ブログ)で取り上げた報道番組、講演会、本、動画などは、「取り上げて皆さんに紹介する価値がある」という「私の意見」に基づいて選択しているのですから、間接的には意見の発表をしているようなものですけど。
 はたして、単なる「応援演説疲れ」によるペースの乱れが収まりきっていないだけか、それとも意識の変化によるものか、我ながら判断に迷うところです。
 実際、「天皇生前退位問題」など、資料集めのための記事は2本書きましたが、以前であれば絶対に書いたであろう「自分の意見」は、いまだに書けておらず、いつ書けるという見通しも立ちません。
 ・・・というような、愚痴ともボヤキともつかない述懐はこれ位にしておきます。
 
 今日も来週末に放送されるドキュメンタリー番組のご紹介です。
 
NHK Eテレ 
本放送 2016年9月3日(土)午後11時00分~午前0時00分
再放送 2016年9月10日(土)午前0時00分~1時00分(金曜深夜)
ETV特集『関東大震災と朝鮮人 悲劇はなぜ起きたのか』
(番組案内から引用開始)
1923年の関東大震災。混乱のなか流言が広がり、多くの朝鮮人が殺害された。悲劇はなぜ起きたのか。中央防災会議は2009年に国の機関として初めて事件を分析、報告書にまとめた。それによると軍や警察、新聞も一時は流言の伝達に関与していた。また裁判記録の研究が進み、自警団などが殺害に至った経緯も明らかになってきた。番組では、司法省の一次資料や民間の聞き取り調査などをもとに事件の社会的背景を探っていく。
(引用終わり)
 
 上でも引用されている中央防災会議の報告書は、インターネットでも公開されています。
 
内閣府 防災情報のページ
災害教訓の継承に関する専門調査会報告書 平成20年3月
1923 関東大震災【第2編】

(抜粋引用開始)
はじめに
 1923(大正12)年9月1日に発生した関東大震災は、首都圏に死者10万人、住居焼失者200万人を超える日本の地震災害史上最大の被害をもたらした。地震によって発生した火災が被害を拡大し、広い範囲での交通機関、上水道、電力、通信、橋梁など社会資本の機能喪失が人々の生活を脅かし、流言による殺傷事件も生じるなど、今なお関東大震災以外に参照すべき事例がない事象も多く、災害教訓として重要である。本編では、震災発生直後の人々の対応を扱う。
第1章 消防と医療
第2章 国の対応
第3章 地域の対応
第4章 混乱による被害の拡大
 関東大震災時には横浜などで略奪事件が生じたほか、朝鮮人が武装蜂起し、あるいは放火するといった流言を背景に、住民の自警団や軍隊、警察の一部による殺傷事件が生じた。流言は地震前の新聞報道をはじめとする住民の予備知識や断片的に得られる情報を背景に、流言現象に一般的に見られる「意味づけの暴走」として生じた。3日までは軍隊や警察も流言に巻き込まれ、また増幅した。
 
第1節 流言蜚語と都市
 第2節 殺傷事件の発生
 コラム6 「天災日記」に見る流言蜚語と戒厳令
 コラム7 「河井清方日記」に見る余震と流言
 コラム8 殺傷事件の検証
第5章 関東大震災の応急対応における教訓
(引用終わり)

 このような調査結果や多くの証拠に目もくれず、「朝鮮人虐殺などなかった」と主張する歴史修正主義者はいるもので、特にネットの世界では大きな顔をして跋扈していると言っても過言ではありません。
 とりあえず、そのようなトンデモ主張に対する反論を整理したサイトを1つだけご紹介しておきます。
 

 なお、上記サイトでもリンクされていますが、2003年8月、日弁連が関東大震災に関わる人権救済申立事件について、国に「勧告」を行う前提となった「関東大震災人権救済申立事件調査報告書」を読むことができます。ただし、日弁連サイトではなく、調査に関わった一弁護士のサイトに掲載されたもののようです(梓澤和幸弁護士だと思いますが)。特に、自警団による虐殺については、
 本庄事件判決(浦和地方裁判所1923年11月26日判決)
 神保原事件判決(浦和地方裁判所1923年11月26日判決)
 寄居事件判決(浦和地方裁判所1923年11月26日判決)
 熊谷事件判決(浦和地方裁判所1923年11月26日判決)
 片柳事件判決(浦和地方裁判所1923年11月26日判決)
 藤岡事件判決(前橋地方裁判所1923年11月14日判決)
などの裁判記録が資料として駆使されたようで、判決文の「罪トナルヘキ事実」の一部が報告書に引用されています。一例をあげれば、
「当時極度に昂奮せる群衆は同署(注:本庄警察署)構内に殺到し来りて約三千人に達し同夜中(注:9月4日夜)より翌五日午前中に亘り右鮮人に対して暴行を加え騒擾中
一、被告Aは同日四日同署構内に於て殺意の下に仕込杖(証拠略)を使用し他の群衆と相協力して犯意継続の上鮮人三名を殺害し
一、被告Bは同日殺意の下に同署構内にて鮮人を殺して了えと絶叫し長槍(証拠略)を使用し他の群衆と協力して犯意を継続の上鮮人四五名を殺害し
一、被告Cは同月五目同所に於て殺意の下に金熊手を使用し他の群衆と相協力して鮮人一名を殺害し
一、被告Dは同月四日同演武場に於て殺意の下に木刀を使用し他の群衆と相協力して犯意を継続の上鮮人三名を殺害し尚同署事務所に居りたる鮮人一名を引出し群衆中に放出して殺害せしめ (以下略)」(本庄事件)
などという事実が生々しく描写されています。しかも、これは証拠に基づいて裁判所が認定した事実です。

 このような歴史に背を向けた「未来志向」などあり得ないということを、多くの日本人の共通認識にしなければと切に思います。

追悼・寺井拓也さん~小さな蟻でも巨大な象を倒すことができる

 今晩(2016年7月10日)配信した「メルマガ金原No.2503」を転載します。

追悼・寺井拓也さん~小さな蟻でも巨大な象を倒すことができる

(はじめに)
 日本の運命が決定的に暗転した日として振り返られることになるかもしれない7月10日(日)、和歌山県選挙区の事実上の野党統一候補・ゆら登信(たかのぶ)さんの選挙事務所から帰宅したところです。まだ、今度の選挙についての私としての総括を書くような余裕も準備もありませんし、それはいずれ機会を見て、ということにしたいと思います。
 今日は、ここ1ヶ月ほどの間、少しずつまとめてきた寺井拓也さん追悼特集がようやく完成しましたのでお届けすることにします。4月に逝去された田辺の寺井さんは、お元気であれば、今度の選挙でも必ずや大きな力になってくれた方であったと残念に思う一方、寺井さんが残された言葉の数々には、これからの私たち市民の運動が目指すべき針路を指し示してくれる多くの輝きがあることに気付かされます。その意味では、7月10日に「追悼・寺井拓也さん~小さな蟻でも巨大な象を倒すことができる」を読んでいただくのは、これ以上ない良いタイミングなのかもしれません。
 是非、多くの方に「拡散」してください。よろしくお願いします。
 

第1章 2011年9月19日 東京都 明治公園
【「異変」は東京駅1番線から】
 その日、朝一番のJR特急で紀伊田辺駅から新大阪駅へ、さらに新幹線で東京駅へ向かいました。東京駅で中央線快速電車に乗り換えるのですが、実はここから「異変」が起きていました。普段だったらがらがらのはずのこの電車。これがいやに混んでいるのです。祝日の正午すぎです。東京駅1番線からは4~5分間隔で電車は出て行きます。にもかかわらず「この混みようは何だ」。次に四谷駅で乗り換えた各停電車も同様の混みようです。そのほとんどの乗客がどっと降りたのは千駄ヶ谷駅でした。ここで気がつきました。みな、明治公園を目指していたのです。
【千駄ヶ谷駅はパニック寸前】
 千駄ヶ谷駅のホームに降り立つと、人の山です。階段の降り口が、まず詰まっています。この時間帯は、上下それぞれ5分間隔で電車が止まります。平均2分30秒ごとに吐き出されてくる人々を階段が吸収しきれないのです。階段を下りるとさらに大変。改札までのコンコースは、おそらく千人を超えるであろう人の波です。「押すな!押すな!」。パニック寸前の駅の改札を抜け出ると、待ち受けていたのはいくつもの団体のノボリ旗でした。
 ここで私も準備です。駅前で、ノボリ旗を組み立てます。「脱原発わかやま」と書かれた60×180㎝の旗がなびきます。旗でPRしながら、人の洪水に流されて明治公園へ。途中「和歌山から来られたんですか」。見知らぬ人から声がかかります。「そうなんですよ」。和歌山県ではかつて4箇所もの原発計画があったことや、激しい攻防の末、今は1基も原発がないことなどを話します。すると「ホーッ。そうですか。」東京の人がまるで知らないのは当然かもしれません。
【入りきれない会場】
 明治公園に到着したのは13時すぎ。開会は13時半です。「間に合った!」。しかし、会場は、すでに人で埋め尽くされていました。約束の場所へ行くのも一苦労。日本青年館側の高台に向います。携帯で打ち合わせようやく、ノボリをみつけて寄ってきて下さったのは、和歌山市から夜行バスでかけつけたKさんら3人の女性でした。まもなく、同じくノボリを目印にやってきた和歌山市のMさんとも会うことができました。これで和歌山組は5人です。しかし、田辺市から来るはずのH夫妻の姿を、とうとう最後まで見つけることができませんでした。あとで事情を伺うと、超満員のため会場へ入ることすら出来なかったそうです。20日付東京新聞(1面)に掲載された空撮写真を見ると、膨れ上がった参加者が会場の出入り口からはみ出し、周辺道路へ、さらに隣接地へも拡がっている状況を知ることができます。
 かつて東京在住の時、幾度となく駆けつけたこの明治公園なのですが、ベトナム反戦運動の高揚期でさえもこれほど膨れ上がった集会を、私は見たことがありませんでした。主催者発表で6万人という数字は実態に近いのでしょう。
(以下略)
 
※2011年9月19日に東京の明治公園で開かれた「さようなら原発5万人(6万人)集会」に参加された寺井拓也さんと松浦雅代さんの参加記を並べて「メルマガ金原No.569」に掲載させていただいたのは、2011年9月23日のことでした。後に、私の第2ブログ「あしたの朝 目がさめたら(弁護士・金原徹雄のブログ 2)」)に転載したヴァージョンから、その前半部分を引用しました。
 寺井さんは、2010年から汐見文隆氏に代わって「脱原発わかやま」の代表に就任されていましたが、その翌年に東京電力福島第一原発事故が発生し、責任感の強い寺井さんとしては、その職責をしっかりと果たさなければという思いが強かったのではないかと推測します。

 
第2章 2012年3月11日 和歌山県田辺市 
 和歌山における20年の闘いが問いかけるものは何か。闘いで一貫して掲げられた言葉は「いのちの大切さ」であった。いのちを守ろう。いのちの源である海、山、川を守ろう。それを子や孫に残そう。振り返ってみれば、和歌山の原発反対運動はそのことを訴え続けていた。
 たとえば「和歌山県原発反対住民連絡協議会」は結成総会を前に「空青し、山青し、海青し紀州を子々孫々に引き継ぐために」(1981年6月)と呼びかけた。「日置川町原発反対連絡協議会」は結成時の大会宣言で「子供や孫たちが安心して生活できるよう」と訴えた(昭和61年12月)。日高浦漁協は原発を「世界最大の危険物」であり「人類の抹殺、かつ沿岸漁民を餓死に導く」ものとして県知事らに抗議した(昭和43年3月)。
 反原発の闘いは生と死の闘いだった。これはフクシマ以前も以後も変わらない。原発を再稼働させてはならない。原発を輸出してはならない。放射能と人間は共存し得ない。だからこれからは脱原発社会しかない。福島での事故はそのことをあらためて示しているのではないか。
(略)
 今回の我々の試みは、和歌山県の原発の歴史のごく一部に過ぎない。このほかに知られざる幾多の闘いがあり、多くの人々の活動があったであろう。はなはだ不十分な記録であることは否めないが、明日の「脱原発社会」のために役立つことを願って世に出すことにしたものである。
 最後に、本書の執筆・編集に際してご協力をいただいた和歌山県をはじめとする全国各地に散らばる仲間と関係者の皆様に謝意を表する次第である。
     2012年3月11日   寺井拓也   
 
 
※2012年5月11日に刊行された『原発を拒み続けた和歌山の記録』(汐見文隆監修、「脱原発わかやま」編集委員会編、寿郎社刊)の編集者を代表して寺井拓也さんが執筆した「あとがき」の一部を引用しました。

 

第3章 2012年10月7日 和歌山県和歌山市
 
本日(10月7日)午後4時から、和歌山城西の丸広場をスタート・ゴール地点として、「Twit No Nukes 和歌山」(代表:奥野亮平さん)主催による「原発さよなら行進@和歌山市2」が行われました。
 7月22日の第1回に続く2回目の今回、心配された前夜来の雨もすっかり上がり、気持ちの良い秋空の下、約150人の参加者を得て成功裡に実施されました。
 人数だけでいえば、前回(約200人)より少なくなっているとはいえ、3連休の中日という日程、様々な行事が重なる秋の休日、学校の運動会シーズンとバッティングしたことなども考え合わせれば、よく集まったと言えると思います。
 なお、参加者の内の子どもさんの数は、実は前回(20人)よりも多い24人であったことを付け加えておきます。
 以下、今回のエピソードを箇条書き風に・・・。
(略)
和歌山城を行く○田辺市の寺井拓也さんをはじめ、本メルマガ読者の方が何人も参加してくださいました。ありがとうございました(寺井さんは、今度の金曜日、国会・官邸前行動に参加するため東京に行かれるそうです。頑張ってきてください)。
(略)
○今回のデモの主催者として、段取り一切を取り仕切っていただいた奥野亮平さんと奥様の麻美さんですが、Facebookのプロフィールによると、亮平さんの誕生日が「10月8日」、まみさんの誕生日が「9月27日」ということです。おめでとうございます。
 これからもよろしくお願いします。

※2012年10月7日(日)、奥野亮平さんが個人で企画して呼びかける手作りデモ「原発さよなら行進@和歌山市2」(和歌山城西の丸広場を出発して関西電力和歌山支店前を通過し西の丸広場に戻る約1時間の行程)が開かれ、その模様をその日のうちに「メルマガ金原No.1130」として配信し、後にブログ「あしたの朝 目がさめたら(弁護士・金原徹雄のブログ 2)」に転載したものから一部引用しました。
出発前(田辺からも参加) この日の和歌山市でのデモに参加すべく、寺井拓也さんも田辺市から駆け付けてくださっていましたが、寺井さんは、黄色い幟を持参されており、デモの間中、その目立つ幟を翻しながら行進されていました。当時、私は「脱原発わかやま」が作った幟かな?程度の認識で、寺井さんに詳しく幟制作の経緯や意図などをお尋ねすることもしなかったのですが、今回の追悼特集のために当時の写真を確認したところ、黄色地に黒く大きな文字で「子どものいのちを守れ」と染め抜かれ、下の方には横書きで何と書いてあるのでしょう?「・和歌山」は分かるのですが、その前の文字が確信を持てません。「市民」と書いてあるようにも読めるのですが、そうすると「市民・和歌山」ということになります。寺井さんは、翌週には、首相官邸前の金曜抗議行動や「10・13さよなら原発集会in日比谷」への参加を予定されていましたから、「和歌山からやってきた一市民」という心意気で作られたのでしょうか?もっと詳しくお聞きしておけば良かった。
 しかし、『原発を拒み続けた和歌山の記録』の「あとがき」を読み返してみて、「子どもたちのいのちを守れ」という、ごく当たり前の言葉に込められた深い祈りに全然気がついていなかったのかもしれない、という思いや切なるものがあります。
 なお、当日、出発前に私が撮影した写真も1枚ご紹介しておきます。向かって右から寺井拓也さん、松浦攸吉さん、花田惠子さんで、思わず「大物そろい踏み」と紹介してFacebookに投稿したことを思い出します。


第4章 2012年10月12日 東京都 経産省前、首相官邸前
 寺井拓也さんは、和歌山市での「原発さよなら行進@和歌山市2」に参加した5日後の10月12日(金)、新幹線で東京に向かいました。目的の一つ目は「経済産業省前のテントひろば訪問」、二つ目は「首相官邸前の金曜抗議行動への参加」、三つ目は「翌日の「10・13さよなら原発集会in日比谷」への参加」でした。
 几帳面な寺井さんですから、当初から、ご自分が所属する「つゆくさと大地の会」や「脱原発わかやま」の仲間に文章で報告することを考えておられたと思うのですが、私の「メルマガ金原」への掲載も快くご了解いただきました。
 『経産省前テントひろば訪問と首相官邸前デモ報告記』と題された寺井拓也さんの手記は、2012年10月22日「メルマガ金原No.1145」として配信し、同日、「wakaben6888のブログ」に転載しましたが、以下には、後に「あしたの朝 目がさめたら(弁護士・金原徹雄のブログ 2)」に掲載したヴァージョンで「寺井拓也氏の『10/12経産省前テントひろば訪問と首相官邸前デモ報告記』」をご紹介します。


第5章 2013年9月20日~24日 青森県大間町、福島県
あさこはうす 2013年9月20日の夜に和歌山を車で出発した5人のグループが、青森県大間町の「あさこはうす」に小笠原厚子さんを訪ね、その後、福島県に立ち寄り、浪江町の「希望の牧場」や福島市の「ふくしま共同診療所」を見学し、佐藤幸子さんらと交流して帰途についたツアーについては、参加した寺井拓也さん自身、「こんな強行ツアーは自分の人生において、前にもあとにもないだろう。」と述懐されたとおりのスケジュールだったようです。
 寺井さんが「つゆくさと大地の会」の会報「つゆくさ便り」に掲載するために執筆された『青森~福島「反原発」ツアー』を、私の「メルマガ金原No.1521」(2013年10月23日配信)とブログに転載することを寺井さんからご快諾いただき、ご紹介しました。
 なお、写真は、このツアーの際に「あさこはうす」で撮影されたもので、向かって左から、寺井拓也さん、小笠原厚子さん、西郷章さんです。


第6章 2013年10月27日 鳥取県米子市
 2013年10月27日、鳥取県米子市において、「ブックインとっとり実行委員会」が主催する「第26回 地方出版文化功労賞」の表彰式が行われ、奨励賞を受賞した「脱原発わかやま」編集委員会編・汐見文隆監修『原発を拒み続けた和歌山の記録』(寿郎社)の編集者を代表して寺井拓也さんが受賞記念スピーチをされました。
 時間の都合で、草稿の一部はカットしてスピーチされたとのことでしたが、今読み返してみても、寺井さんが、脱原発にかけた自らの人生を振り返り、一種の「総括」を試みたのではないかという気がします。
 2013年11月15日に「メルマガ金原No.1544」として配信し、その当日に「弁護士・金原徹雄のブログ」に転載しましたが、寺井さんの訃報に接した今年の4月16日、追悼のためにこの受賞記念スピーチ草稿を再配信しました。
 この草稿は、後にご紹介する2016年5月28日に田辺市の「ララロカレ」で開催された「寺井拓也さんを偲ぶ会」でも、プログラムの一部として式次第などとともに印刷され、参加者に配布されたそうです。
 是非、何度でも繰り返してお読みいただければと思います。
2013年11月15日
寺井拓也氏『原発を拒み続けた和歌山の記録』第26回 地方出版文化功労賞 奨励賞 受賞記念スピーチ(草稿)
2016年4月16日
追悼・寺井拓也さん(再配信・『原発を拒み続けた和歌山の記録』地方出版文化功労賞 奨励賞 受賞記念スピーチ(草稿))


第7章 2014年3月11日 福島県郡山市
 日本の原発の歴史を振り返りますと、敗北の連続でした。しかし、原発立地計画を止めたところがないわけではありません。福島県の浪江・小高をはじめ、全国でその数は30を超えます。和歌山県もその中に入ります。
 和歌山県では、1967年から20年を超える激しい攻防の末、5箇所の立地計画全てを拒むことができました。(拍手)
寺井拓也さん(3.11反原発福島行動2014) 中でも最も激しく闘われたのは、日高原発でありました。1988年3月のことです。漁協は、満を持して臨時の総会を招集致しました。3月30日午後1時、総会が始まります。質疑が始まるやいなや、総会は混乱を始めます。途中で議長は、質疑打ち切りを宣言します。すると会場内は、椅子を振り上げる者、あるいは議長席に詰め寄る者、大混乱に陥ります。ついに、待機していた県警機動隊約30名が会場に入ります。そして、いったんは静まった会議は、またまた紛糾をいたします。このさなか、1人の反対派理事が、壇上に駆け上がるや、その議長である組合長の顔をめがけて拳を思い切りぶつけた訳であります。(拍手)その一発のパンチが引き金となって、組合長は廃案を宣言し、役員総辞職になった訳であります。(拍手)結局、これをもって、日高原発は、事実上白紙撤回となりました。(拍手)
 ところで、漁協内の反対派理事は、長い間少数で闘ってまいりました。理事の構成は、推進派10名に対し、反対派は2名から3名、10対3という圧倒的少数でもって長い間闘い抜き、大多数の漁協の幹部たちに対して闘った訳であります。(拍手)
 このことは、少数でも多数に勝利することができる。(拍手)小さな蟻でも巨大な象を倒すことができる。そのことを、こらからの私たちの運動に教えるものではないでしょうか。(拍手とかけ声)
 日本政府は現在、200万福島県民を放射能に晒し、福島を切り捨てるという、いわば人道に対する罪を犯しています。その上、反省も謝罪も全て放り去り、モラルというモラルをかなぐり捨てて、今開き直って再び私たちに「再稼働」を突き付けています。悪辣な政府を打ち倒すのは容易ではありません。
 しかし、少数であっても多数に勝利することができる。小さな蟻でも巨大な象を倒すことができる。この希望をもって前進しようではありませんか。(拍手)
 そして、古くは大逆事件、あるいは足尾鉱毒事件、あるいは水俣病事件など、かつて国家犯罪に立ち向かった我々の先人たちに学び、人類の歴史、その勝利を確信して、孤立を恐れず、共に歩もうではありませんか。(拍手)

※2014年3月11日に郡山市の郡山総合体育館で開かれた「3.11反原発福島行動’14」での寺井拓也さんのスピーチを、金原において文字起こししました。なお、掲載した写真は、実行委員会ホームページに掲載されていた写真を、同委員会のご了解を得て転載させていただいたものです。
 文字起こしのベースは、寺井さんと同行して大会に参加した西郷章さんが撮影し、Facebookに投稿された動画(の録音)を使用しました。寺井さんのスピーチを撮影した動画は他にも複数ありますが、西郷さんが撮影されたものが一番クリアに聴き取れます(画像は遠景ですけど)。


第8章 2016年4月14日 和歌山県田辺市 ご逝去
 
新緑がまぶしい季節を迎えました。お元気でお過ごしでしょうか。
 お便りをさし上げますのは、夫 寺井拓也のことで、悲しいご報告をしなければならないからです。夫は、4月14日午前2時31分、他界致しました。
 昨年7月、精密検査で大腸がんのステージⅣであることがわかり、8月手術、退院後はゲルソン療法を基調とした食事療法をしながら、自宅療養をしておりました。今年2月頃まではずっと小康状態で、今までにない(病に倒れる直前まで市民活動に奔走していましたので)家族との穏やかな日々を過ごしておりましたが、転移性肝臓がんが進行していることがわかり、1月末よりカテーテルによる肝臓への抗がん剤治療を始めました。しかし、その効果はなく、ついに肝不全となって息を引き取った次第です。
 肝臓がんの進行が週単位でなく日単位で早いだろう、と医師から告げられた3月23日の夜、夫がどんなにショックを受けているだろうと胸を痛めている私に向かって、夫はニコニコとさわやかな笑顔で申しました。「生まれてきたのも自分の意志ではない。全ては何か大きなものの意志が働いているのだと思う。こうして痛みがなく過ごせたこと、そして、今までの人生、自分はとても幸せだった。」、という意味のことを。また、腹水がたまって4月に入って入院し、そのまま自宅に帰らぬまま旅立ったのですが、病院のベッドの傍に置いているメモ帳に記していたのは「人生は感謝なり 喜びなり 祈りなり」という短い言葉でした。若き頃に内村鑑三の著書に感銘を受けた、無教会派の敬虔なクリスチャンであった夫の心の在り様が伝わってきて、哀しみの中にも安堵を与えられた私でした。
 寂しさと無念さは拭えませんが、自宅療養の7ヶ月は、不安を抱えながらも夫を中心に家族として濃密な幸せな時間を過ごすことができたことが、今は遺された私と娘たちの慰めとなっています。
 最後に、故人生前にいただきましたご厚情に心よりお礼申し上げます。
     2016年4月23日
                   寺 井 秋 代  
  

※奥様(寺井秋代様)が知友に送った死亡通知をご了解を得て転載しました。


第9章 2016年5月28日 和歌山県田辺市 寺井拓也さんを偲ぶ会
ご挨拶

 去る4月14日、私たちが敬愛してやまない寺井拓也さんがご逝去されました。謹んでご冥福をお祈りいたします。
 寺井さんは、長年、平和や人権、環境といった課題に関わってこられ、当地方での草の根の市民たちによる運動の中心的な役割を担ってきてくださいました。またルポライター“長岡拓也”としても数冊の著書を出されています。
 私たちが運動を進める上で、理論的、精神的支柱として頼りにしていた寺井さんは、同時に事務仕事やこまごまとした雑用を引き受けられることも多く、縁の下から地道に運動を支えてくださる方でもありました。また、社会の中で疑問を感じ、行動を起こそうとする人たちからの相談をいつも真摯に受け止め、的確な助言をしてくださったり、必要だと思われるものは惜しみなく提供してくださったりしました。特に若い方々のチャレンジに対して、温かい支援と励ましを送られ、活動の中心は紀南であっても、その視線の先は、未来へ、世界へとつながっていました。寺井さんの日々行動される姿から、社会構造の中で権力によって痛めつけられ、声を上げられずに苦しんでいる人の怒りや思いへの共感、そんな社会を作ってきてしまった大人の一人としての責任感、より良い社会を次の世代に渡さなければという強い思いを、その誠実さと共に受け取ってこられた人は多いと思います。
 平和な世界をつくるために全力で人生を駆け抜けられた寺井さんを偲び、これまでに関わりがあったさまざまな方々と思い出を語り合う機会を持たせていただくことを計画致しました。
 短い時間ですが、寺井さんが私たちに残してくださったものをご一緒に分かち合うひとときにできればと願っております。
呼びかけ人一同
  つゆくさと大地の会  奥野佳世
  脱原発わかやま    冷水喜久夫
  田辺・9条の会    田所顕平
世話人 浅里耕一郎(脱原発わかやま)、笠松美奈(フェアトレード&エコロジーのお店ぴーす/9条ママnetキュッと/なつおmeets南風)/木川田道子(つゆくさと大地の会/田辺・9条の会/紀南9条交流ネット/紀南ピースフェスタ実行委員会)/西郷章(9条ネットわかやま)、中西仁士(脱原発わかやま)
協力 RaRa Locale
 
※ご逝去から1ヶ月半が経った5月28日(土)午後2時から、田辺市の RaRa Locale(ララロカレ)2階において、「寺井拓也さんを偲ぶ会」が開かれました。『原発を拒み続けた和歌山の記録』を出版した寿郎社代表の土肥寿郎さんご夫妻が北海道から駆け付けてくださった他、寺井さんゆかりの約70人の方々が集まり、故人の思い出を語り合う素晴らしい会になったようです。
寺井拓也さんを偲ぶ会 私も、何とかして参加したかったのですが、どうしても日程の調整がつかずに断念しました。その代わり、司会の木川田道子さんが、椎名千恵子さん(福島共同診療所世話人)と私からのメッセージを読み上げてくださったというご報告をいただきました。木川田さん、ありがとうございました。
 なお、掲載した当日の写真は、「原発がこわい女たちの会」公式ブログに掲載されたものを、ご了解を得て使用させていただきました。
(付記)「偲ぶ会」にも参加してスピーチをされた「原発がこわい女たちの会」代表の松浦雅代さんによる追悼文『寺井拓也さんを偲ぶ』が同会ブログに掲載されていますので、是非お読みください。

 
第10章 2016年5月31日 西郷章さんによる追悼文
『寺井拓也さんとともに歩いて』
(書き下ろし)
 寺井拓也さんとは、11年前の「9条ネットわかやま」の準備会が発足したころに、同じ呼びかけ人でしたから何度か会っているはずなのに思い出せず、はっきりと記憶しているのは奥さん(寺井秋代さん)との出会いからでした。
 今から9年前に、私は、天木直人さんの選挙を手伝う機会があり、その時に、天木さんのファンということで奥さんと田辺で会ったのが最初だったと思います。奥さんの第一印象は、ハキハキと物を言う理知的な人というものでした。
 奥さんとバトンタッチをするように、拓也さんとは、その後すぐに親しく交際するようになりました。その当時、私は現役の労働者でしたから、和歌山から田辺まで行って直接会うことはめったにありませんでしたが、「憲法を生かす会・和歌山」としての市民運動を少し手掛けていましたから、その関係の資料等が定期的に手に入るため、それを郵送しますと、どんなつまらない資料でも、かならず返礼の手紙が送られてくる大変礼儀正しい人でした。
 ところで、2010年は大逆事件100周年記念の年でした。私は偶然にもそれより2~3年くらい前に、紀南に初期社会主義の動きがあったとの噂を聞いて、非常に関心を持ち、レポートを書きたいと思っていましたので、拓也さんに「紀南での社会主義者の動きのことを知らないですか?」と尋ねますと、元田辺図書館長・杉中浩一郎先生の『紀南雑考』があることを教えてくれました。そこで早速『紀南雑考』に目を通すと、全体としては大逆事件での紀南の犠牲者のことが書かれているものの、「平民社」にかかわった荒畑寒村や菅野スガなどの人物が登場しており、知りたかったことの手掛かりになると思い、私が書くレポートのベースとなる参考文献として使わせていただくことを、拓也さんを通じてお願いしました。すると、杉中先生は快く許可してくださいました。
 私の拙いハンドブックが完成した後、拓也さんの自宅のお近くにある杉中先生宅にお礼に伺いますと、体調が思わしくないと伺っていたにもかかわらず、大変喜んでくださり、こちらが長居を気にするほどの長時間、和歌山の大逆事件とそこに登場する本宮町の成石平四郎のことなどを話して下さり、すっかりお邪魔してしまいました。
 また、その後、拓也さんに大正ロマンを彷彿とさせるレストランに案内してもらい、おいしい食事をごちそうになりました。このレストランは残念ながら、今はもう閉店してしまっています。
 その後、特に印象深いのは、やはり2011年の3.11以降の脱原発のための意欲的な活動の多くを共にできたことでした。
 私は、「原発事故は戦争より始末が悪い」と思い、一念発起して自分にもできる「さよなら原発1千万署名活動」に打ち込みました。2011年の8月頃から署名集めを始め、2012年の花見シーズンも過ぎた5月中旬ころまでに2500筆以上を集めることができました。
 その過程で(700~800筆ほど集まったころに)、たくさん集めていることを拓也さんに報告しますと、拓也さんから「その活動のありさまをレポートに書いて仲間の皆さんに知らせてあげれば、いい刺激になりますよ」というアドバイスを受けましたので、おりおりに署名活動のレポートを書きました。当時、私はまだFacebookを始めていませんでしたので、知り合いの金原弁護士にお願いして、「メルマガ金原」に掲載していただきました。
 すると、私の署名集めに触発されてかどうか分かりませんが、寺井さんの奥さん(秋代さん)が頑張って、短期間に800筆~900筆近くも集められたと聞き、これにはさすがの私も驚きました。
 そして同じころ、拓也さんは拓也さんで、3.11に遭遇したことによって、まとめ上げることを決意した「脱原発わかやま」の仲間との共書である『原発を拒み続けた和歌山の記録』の仕上げのために、2012年の正月を返上して、徹夜で作業することもあったと聞きました。拓也さんたちが頑張ったおかげで、歴史的な著作が私たちに残されました。
14573f18-s 私たちの交友がさらに濃密なものとなっていったのは、何といっても、2013年9月に総勢5名で訪れた大間・福島交流ツアー以降でした。本州最南端の串本から最北端の大間までの往復3千キロ近くを4泊5日の間に2か所で交流をしながらに車で駆け抜ける強行スケジュールで、ただ車に乗っているだけの私でも一生に一度きりにしたい非常に疲れる旅でした。
 けれども、その交流ツアーを機に、小笠原厚子さんや椎名千恵子さんにも和歌山に来ていただいて現地の苦労話なども報告していただくことになりましたし、それとは前後しますが、2013年以来、「3.11反原発福島行動」に参加するようになっていた拓也さんとともに、私も2014年から参加させてもらうことになり、拓也さんの病気が発見されて療養生活に入る前の「3.11反原発福島行動’15」まで、大集会後のデモには必ず2人で加わりました。
 そのような折りに、拓也さんはこんなことを何回か私に言いました。「人生60年だ。あとの人生は儲けものの人生だ。」と。その時は、その意味が漠然としか分かりませんでした。拓也さんは70歳で亡くなり、それまでの儲けた人生を人々の幸せのために余すことなく燃焼させた生きざまから、彼は人々に尽くすために生まれてきたことに喜びを感じていたのだと思い、儲けた人生を何に使わなければいけないかを教えられた思いでした。
 その拓也さんに、私は時として背中を押してもらったおかげで、人間的に一回り大きく成長したと思っています。そして、私にとっては人生二度と出会うことのない、掛けがえのない親友となりました。
 いよいよ体調が思わしくなく入院をするときに、拓也さんから一枚の「戦争法阻止」と黄色の生地に黒字で書かれた旗が手渡されました。この旗は、今となっては、拓也さんが今日まで歩んできた道の誇らしさが刻まれた旗であり、果たせなかった夢を託す希望の旗であり、私は特別なこの旗を高く掲げて歩む決心をしました。
 拓也さんが亡くなってしばらくして、奥さんから一通の挨拶状が送られてきました。そこには、生前の拓也さんが奥さんを気遣う様子などが書かれており、お医者さんの宣告に拓也さんが「どれほどシヨックを受けているのだろうか」と奥さんが心配したのに対し、拓也さんが死の寸前まで、にこにことさわやかな笑顔で奥さんに向かい、「生まれてきたのも自分の意志ではない、すべては何か大きなものの意志が働いているのだと思う。こうして痛みがなく過ごせたこと、そして、今までの人生、自分はとても幸せだった」とご家族と仲間の皆さんへの感謝の気持ちを語ったのだそうです。最後となった病院のベットの横に置いたメモ帳には「人生は感謝なり、喜びなり、いのりなり」と崇高な人生観を書き残した拓也さんは、内村鑑三氏を敬愛し、自らも無教会派の敬虔なるクリスチャンでした。
 内村鑑三。私はその人を調べて驚きました。明治の日露戦争開戦前に勤務していた新聞社『万朝報』(よろずちょうほう)が非戦論から開戦論へと転換したため、内村鑑三は、同じ非戦論を唱える堺利彦や幸徳秋水らとともに同社を退社しました。その後、内村は、『東京独立雑誌』『聖書之研究』『無教会』などを発刊して非戦論を貫きます。一方の堺や幸徳は「平民社」を立ち上げて、非戦論を展開しました。そして、拓也さんは内村鑑三を師と仰いでその人に学び、私は社会主義者の堺利彦を尊敬してきました。この二人の非戦論を学んだ者同士がここで出会ったのは不思議な縁というよりも、偶然にして必然的な出会いであった、と大きく感動しました。
 拓也さんは、今も私たちの心の中に生きており、これからも人々の幸せを願って私たちとともに歩き続けます。
 私も、拓也さん同様に儲けた人生を余すことなく燃焼したいと思います。
 拓也さん、これまで長年、本当にお世話になりました。安らかにお眠りください。
              2016年5月31日 記  西郷 章

※早い段階で西郷さんからこの追悼文をお送り戴いていながら、ここまで掲載が遅くなってしまったことを深くお詫びします。主たる要因は、西郷さんの追悼文だけではなく、私の手元にある寺井さんに関わる素材をコラージュし、とりわけ3.11以降の寺井さんの脱原発に捧げた活動の全体像の一端なりともご紹介したいという希望が頭をもたげ、その構想をまとめるのに時間がかかったこと、そうこうするうちに参院選にゆら登信(たかのぶ)弁護士が立候補することになり、いよいよ寺井さん追悼特集をまとめ上げる時間がなくなってしまったことによります。
 しかし、次の「終章 寺井さんに導かれて」に書いたとおりの事情から、何とか7月中には間に合わせようと、毎日のメルマガやブログの発信のかたわら、少しずつまとめてきたものです。
 なお、掲載した写真は、2013年9月の大間・福島交流ツアーの途次、「希望の牧場」を訪問した際のもので、向かって右から寺井拓也さん、「希望の牧場」代表の吉沢正巳さん、西郷章さんです。 


終章 2016年6月15日 和歌山県田辺市 寺井さんに導かれて 
 2016年6月15日(水)、私(金原)は、夜の7時から田辺市朝日ヶ丘の西牟婁教育会館で行われる「憲法をまもりくらしに活かす田辺・西牟婁会議」総会後の憲法学習会の講師を依頼され、自民党改憲案についての話をすることになっていました(その講演用のレジュメは、メルマガ(ブログ)で配信しました)。
 ところでその日、私は午後から御坊市で仕事があり、そこからいったん和歌山市にとって返して午後4時からの会議に出席し、5時には再び車を運転して田辺市を目指すという、なかなかタイトなスケジュールを組んでいました。
 ところが、午後最初の御坊市での仕事(地域包括支援センターで講師を務めていました)が予定よりも長引き、とても4時までに和歌山市に戻るのは無理となりましたので、4時からの会議はキャンセルし、御坊から直接田辺に向かうことにしました。
 ところが、いくらゆっくり地道を走っても、御坊から田辺は1時間弱、5時前には目的地に着いてしまいました。
 講演開始まで2時間以上もあるのでどうしようか?と困惑し、結局、どこかで時間をつぶすしかないと思ったのですが、選択肢はいくらもありました。例えば、
① 車で田辺市内の適当な複合施設にでも行き(オークワのパビリオンシティとか)時間をつぶす。
② 田辺市内に住んでいる知り合いに電話して、都合が良ければ訪問する。
③ 田辺市内に住んでいる親戚に電話して、都合が良ければ訪問する。
④ 教育会館の付近を散策し、商業施設でもあれば時間をつぶし、簡単な夕食でも済ませる。
という風に。
 結局、夕食時ということもありましたので、適当な思いつきで④を選び、教育会館が高台にあったため、歩いてぶらぶらと道を下りて行きました。そして、カーナビ便りで車で通ってきた道の方に曲がるかどうか考えたのですが(元来た道を下れば、坂を下りきった付近に商業施設もレストランもあることが分かっていました)、自分でもなぜそうしたのか不明ながら、元来た道の方には曲がらず、まっすぐ坂を下りて行ったのです。下りきったところがどこかも全然分かっていませんでしたが、時間もたっぷりあるので、しばらく田辺の市街を散策するのも悪くはないと思ったのでしょう。
 そして、ようやく広い道に出たところ、向かいに「オークワ オーシティ田辺店」を発見し、とりあえずそこに行くつもりで交差点を渡ったのです。
 すると、原付にまたがった女性から「金原先生!」と声をかけられて驚きました。振り返ってみると、何と見覚えのある寺井秋代さんだったのです。寺井拓也さんの奥さん・秋代さんは、ご主人と一緒に私の講演会に来てくださったこともあり、多分、2~3回はお会いしています。
 最初は交差点の付近で立ち話をしていたのですが、私が7時からの講演会までの時間つぶしに坂を下りてきたことを知ると、「自宅は、今先生が下りてきた坂の途中を右に入ってすぐのところなので、是非寄ってください」とお誘いいただきましたので、お言葉に甘えることにしました。
 かくして、私の初めての寺井さん宅訪問がこのような偶然の結果実現したのです。
 ご自宅には、18歳の猫ちゃんが出迎えてくれただけですが、お嬢さんがよく様子を見に来てくれるとか。
 寺井拓也さんの遺影に、無教会派キリスト教の作法など全く分かりませんので、ただ頭を下げただけでしたが、久しぶりにお会いできたという懐かしさでいっぱいになりました。
 また、奥様は、5月28日の「偲ぶ会」にはとても慰められたと喜んでおられました。
 寺井さんの思い出の他、ご自宅に飾っておられる絵画の話から、美術の教師をされていた奥様のお父様(田上實様)の死後、その画集を自費出版されたことなど、6時半ころまでゆっくりと奥様とお話することができました。
 寺井さんが亡くなられた後、何をする気力もなくしていた奥様でしたが、「偲ぶ会」もきっかけとなり、徐々に日常の生活を取り戻しつつあるそうで、その日も、奥様が参加しておられるアマチュアオーケストラ(第二ヴァイオリンとか)の友人が、寺井さん方に来て一緒にパート練習をしていたとかで、居間に譜面台などが置かれていました。
 私からは、「偲ぶ会」のプログラムに掲載された鳥取でのスピーチ原稿が素晴らしい文章で、多くの人(これから和歌山の脱原発運動に加わる人を含め)に感銘を与え続けるだろうということ、また、2014年3月11日に郡山の集会で行った寺井さんのスピーチを、西郷章さんが録音・録画してFacebookにアップしており、寺井さんの肉声で素晴らしいスピーチを聞くことが出来る貴重な記録が残されていることなどをお話しました。
 それにしても、私が6月15日の夕方5時15分ころ(だったと思います)に、田辺の「オーシティ」前に立っていたというのは、偶然も偶然、私自身がその直前まで全く想像すらしていないことでした。
 そもそも、御坊の仕事が長引かなければ、私はいったん和歌山にとって返して4時からの会議に出席し、その後、5時から再び車で田辺を目指すつもりだったのです。
 また、5時前に田辺に着いてしまい、どうやって時間をつぶそうかと考えた際にも、いくつかの選択肢の中から、「教育会館の付近を散策する」ことにしたのも偶然なら、会場からまっすぐ坂を下るというルートを進んだのも、初めて通る道で、どこに通じているのかも全然分からぬながら、「つい何となく」選んだ結果です。
 私も奥様も、「お導き」というのはあるのだ、と思わないわけにはいきませんでした。
 寺井さん、本当にお世話になりました。
 寺井さんの「3.11反原発福島行動’14」でのスピーチの末尾「かつて国家犯罪に立ち向かった我々の先人たちに学び、人類の歴史、その勝利を確信して、孤立を恐れず、共に歩もうではありませんか。」という呼びかけが、まさに切実に身にしむ現在の日本の状況ですが、その呼びかけに呼応して、なし得る限りの努力をすることを誓い、この追悼特集を終えることとします。
 

(付録)
『ラブソング・フォー・ユー(LOVESONG FOR YOU)』 
作詞・作曲:ヒポポ大王 演奏:ヒポポフォークゲリラ

ゆら登信(たかのぶ)候補(和歌山県選挙区・無所属)からの最後の訴え~最終日(7/9)和歌山市・パームシティ前にて

ゆら登信(たかのぶ)候補(和歌山県選挙区・無所属)からの最後の訴え~最終日(7/9)和歌山市・パームシティ前にて
(配信日:2016年7月9日)

 第24回参議院議員通常選挙の投票日を明日に控えた7月9日(土)、朝方から強い雨に見舞われた和歌山市では、各陣営・各候補の最後の訴えが行われています。
 ここでは、午前11時30分ころから、スーパーセンターオークワ パームシティ和歌山店向かい、和歌山市民体育館前で行われた野党統一候補・ゆら登信(たかのぶ)さんによる街頭演説の内容を文字起こししてご紹介します。
 ゆらさんは、最終日のこの場所では、平和と憲法に力点を置いて訴えました。

 なお、文字起こしは、「九条の会・きし」の貴志公一さんが撮影してFacebookにアップしてくださった動画を視聴しながら行いましたが、冒頭の収録されていない部分は、私の記憶に基づく再現であり、また、途中何カ所かどうしても聴き取れない部分がありましたが、そこを飛ばしても文意が通じると判断しましたので、一々(聴取不能)の箇所は明示していません。

ゆら登信(たかのぶ)候補(和歌山県選挙区・無所属)からの最後の訴え
2016年7月9日(土)午前11時30分~
スーパーセンターオークワ パームシティ和歌山店向かい、和歌山市民体育館前にて
(文字起こし開始)
 みなさん、こんにちは。私は、参議院選挙和歌山選挙区の候補者、ゆら登信(たかのぶ)です。明日の投票日を控えて、その最後のお願い、訴えにあがりました。しばらくの間お時間いただきまして、ご協力のほどよろしくお願い致します。
 私は、市民連合わかやまが擁立し、そして野党に支えられて選挙戦を闘ってまいりました。民進党にも協力いただいて、私を候補者とすることに協力くださいました。また、日本共産党、社民党、生活の党、緑の党も、私を推薦して頑張っております。

 私は、市民連合わかやまの熱い気持ちを引き取って、候補者となりました。市民連合わかやまは、今の安倍政治は危ない、その暴走を何としても止めなければならない、この熱い思いで立ち上がりました。
 去年9月に強行した安保関連法という名前の戦争する国づくりの法律、これは、これまで70年間、自衛隊が海外で人を殺すこともなく、また、殺されることもなかった、それがこれからはがらっと変わります。日本を守るための法制度ではないんです。それは、日本が攻められてもいないにもかかわらず、アメリカと一緒になって、海外に自衛隊を出していく、そして、武器の使用も含めた武力行使をする。戦闘行為の間近で支援活動をする、そのための法制度を整えたものなんです。
 「だれのこどもも殺させない」ママの会が各地で今声を上げています。
 この憲法9条に違反して強行した法律、これを直ちに止めさせなければなりません。日本もやっぱりアメリカと同じように侵略行為をしてくる国なんだ、そして、テロの対象国と、そういうふうに見られてしまう。そういうことになってきます。テロ行為を心配しなければいけない日本にさせていいのか?若い自衛隊員にも、日本を守りたい、災害救助のために志願して入ってきた若い自衛隊員も、命令で海外に送り込んで、そこで戦闘行為を命じて、命を落とさせていいのか?そこが問われています。
 明日の参議院選挙で、この憲法違反の戦争法に賛成して、成立に手を貸した自民党の候補に、鶴保候補に投票しないでください。戦争への道を認める、そういう投票になります。
 私、ゆら登信(たかのぶ)は、市民連合(わかやま)から、安倍政治による戦争への道をストップしたいという思いで擁立されました。私は、この熱い思いで、戦争法を廃止する、戦争への道をストップするため、全力を尽くします。どうか、ゆら登信(たかのぶ)に投票してください。そして、国会に押し上げてください。よろしくお願い致します。

 そして今、安倍さんは、今度の参議院選挙で2/3以上改憲勢力が議席を占めて、憲法を改正する、こう言い出しました。公言してます。公約の中に憲法改正は入れてますが、安倍さんはずるいです。どこを、どう変えたいんだ。だからこの選挙の時に、皆さんに議論していただいて、選挙で審判をあおぎたい、これが本来の政治のありかたですよ。政治の根本である憲法を変えようという訳ですから、そういうふうにきちっと、選挙で信を問うべきなんです。
 しかし、皆さん、安倍さんは逃げてます。答弁じゃ「ない」なんて言ってます。「選挙終わってから考える」なんて言ってます。しかし、これは嘘です。自民党は既に、自民党大会で憲法改正草案を決定してるんです。自民党党首である安倍さんは、党大会決定を実行するに決まってるじゃないですか。
 皆さん、この自民党の憲法改正草案の内容はひどい内容です。非常に恐ろしいものです。目を疑うようなものです。まず、天皇は「元首」であると憲法に書き込むんです。その上、憲法9条2項、陸海空軍、その他一切の戦力を持たない、交戦権は認めない、この規定をばっさり削る。そういう案です。このように、外国に出て行く制約をなくしておいて、国防軍という正式の軍隊を憲法上設けることにしています。これによって、何の制約もなく軍隊を外国に送り出していく、そんな国家が、国家の制度が憲法上完成してしまいます。軍事国家の完成です。
CIMG6303 また、皆さんの人権についても、この12条、13条の中に、国家社会の公の利益に反する、そういう自由や人権は制約できるんだという規定を置こうとしています。これ、総則規定と言いまして、全ての、自由を保障するというような人権保障規定の前に置いて、全部にかぶさります。だから、もしこんな自民党の改憲案が通ってしまったら、大変なことになります。時の政府が、権力が、この新聞、テレビ、ラジオの報道が公の利益に反してる。秩序を乱している。そう思ったら、いつでも制約できる。こんな憲法上の根拠を書き込んでしまおうとしてるんです。
 思想、信条、表現の自由、また、学問の追究の自由、こういうもの全部に規制がかかってくる国家。非常に恐ろしいです。息苦しいです。
 皆さん、これは戦前の日本と同じじゃないですか。人権や自由が制約され、軍隊を持ち、外国に出て行く。そういう国家を、安倍さんは「美しい国」として描いているんです。
 安倍さんのポスターには、「この道を。力強く、前へ。」(進める)と書いてますが、こんな国家を作るのを進められたら困ります。今度の参議院選挙で、自民党公認候補に投票することは、鶴保さんに投票することは、この自民党改憲草案、憲法改悪を許すことにつながります。市民連合わかやまが、「戦争する国はアカン。ストップしよう」として擁立した、選んだこの私、ゆら登信(たかのぶ)にご投票ください。そして、皆さん、一緒にこの平和の憲法、世界の宝の憲法9条を子どもや孫たちに引き継いでいきましょう。どうか明日の選挙、ゆら登信(たかのぶ)へ投票、お願い致します。国会へ送ってください。勝たしてください。お願い致します。

 また、明日の選挙で、皆さん、アベノミクスで本当に恩恵があったのか、したたり落ちてきたのか、生活は苦しくないのか、この実感を、怒りを明日の選挙にぶつけてください。大企業が儲かれば、国民にも恩恵がそのうちしたたり落ちてくるだろう、だから待っておれ、というのがアベノミクスです。しかし、皆さん、したたり落ちてなんかきやしないじゃないですか。逆に、実質賃金は5年連続下がっています。年金引き下げをされました。これからもされます。消費税は5%から8%に上げられました。物価は上がりました。これは円安誘導のせいです。
 そして、大学の授業料は高く、奨学金に現在苦しんでいる学生、たくさんいます。皆さん、今こそ市民が、国民が豊かになる政治へ、転換する時です。アベノミクスを、アクセルを踏んで強く推し進められては困ります。これをもう止めよう。そして、直接国民が幸せになるような政策をとらせましょうよ。実質賃金の引き下げではなく、最低賃金を引き上げていく。国で基準を設けて、時給1,000円、1,500円にしていく。非正規雇用が4割になりました。正規職員、36万人減りました。しかし、正規雇用が原則でしょう。非正規の拡大ではなく、非正規は規制していきましょう。臨時的、どうしようもない場合だけにする。そんな法制度にしましょう。そして、年金の引き下げを止める。これを上げていく。中小企業への振興予算が少ない。1,800億円台から1兆円台に大幅に上げて、中小企業を豊かにする、活発化する。そこで働く労働者も、働く人たちも安心できる。そういう政策への転換を、皆さん、この参議院選挙の投票でなし遂げましょう。ゆら登信(たかのぶ)へ投票してください。 そして、私を国会にお送りください。そういう仕事をさせてください。どうかよろしくお願い致します。

 明日が投票日です。この明日の選挙結果で、和歌山が変わります。そして、日本が変わります。どうか皆さん、ゆら登信(たかのぶ)にご投票ください。お願い致します。この場をお借りしましての、ゆら登信(たかのぶ)の最後の訴えを終わらせていただきます。あと一歩に迫っております。どうかよろしくお願い致します。
 雨の中、応援された皆さん、ご苦労様でした。ありがとうございました。遠くでご静聴いただきました皆さん、ありがとうございました。
(文字起こし終わり)

 ちなみに、動画の中で、街宣車の右の方で、青い傘をさしながら(終わりの方ではたたんでしまいましたが)
、道行く車に向かって手を振っているのが私です。
 やっぱり、ただボードを持って立っているだけよりも、手を振った方が、見ている方もやっている方も気持ちがいいですよね。最初は何だか気恥ずかしかったのですが、慣れてくるとこれが当然という気分になってきました。
 まだ一度も選挙運動に参加したこいとがないという人にも(次の機会には)是非お勧めしたいですね。

ゆら登信(たかのぶ)さんへの支援を訴える最後の1日~7月9日のスケジュール

ゆら登信(たかのぶ)さんへの支援を訴える最後の1日~7月9日のスケジュール
(配信日:2016年7月8日)

 いよいよ選挙運動が出来るのも明日(7月9日)だけとなりました。
 第24回参議院議員通常選挙の和歌山県選挙区、野党統一候補・ゆら登信(たかのぶ)さんへの投票を訴えるブログの更新も、今日、明日の2日間で最後となります。
 まずは、明日のゆら登信候補のスケジュールをご紹介しますから、どこか1箇所で良いので、お近くに候補者が来た時には、ご近所連れ立って聴きに行ってくださいませんか?よろしくお願いします。
 
街かど演説会のご案内です。
7月9日(土)(いずれも和歌山市内)
11時05分 西ノ庄・デイリーヤマザキ前
11時25分 パームシティ前
14時10分 大浦街道「加納町」交差点
14時40分 「県庁前」交差点・吉宗像前
15時40分 大浦街道「和工前」交差点
16時10分 南海和歌山市駅前
16時30分 JR和歌山駅前
《ゆら候補 最後の訴え》
19時45分 南海和歌山市駅前
《最後の最後のスタンディング》
20時30分 田中町5丁目交差点付近

ゆら・若者街宣 さらに、明日の最終日には各所で最後の「ひまわり大作戦」が行われ、「選挙に行こうよ」「ゆらさんよろしく」とアピールする予定です。
 私は、11時から、自宅に一番近い「オーストリート和歌山北バイパス店」前でスタートするアピール行動に参加しようかと思っています(ゆらさんが来るというパームシティ前も魅力的ですが)。ご近所の皆さん、ご一緒しませんか?出来れば黄色いものを身につけて。
 ただし、天気予報がかんばしくないのが難点ですけど。オーストリートの百均で雨合羽を買ってスタンディングするとしようか。
 
 あと、日本の公選法は、戸別訪問は禁止、電子メールも原則禁止なのに、電話はかけ放題という不思議な規制の仕方をしています。
 そこで、泥憲和さんのFacebookから、(泥さん自身も他の方の智恵を借用したそうですが)電話掛けの極意を借用します。

(引用開始)
【さあ終盤の電話かけ】
 電話かけ。
 どこもそろそろターボかかってると思う。
 私がベテラン電話師(?)に習って使ってるのは、名簿見ながら
「○○が大変苦戦しております。ここは××町の△△様のお力をお借りしなくては、と失礼ながらお電話差し上げました」というヤツ。
 特に年配の人は「そこまで言うなら、私の秘めた力を見せてやろうかね」でノッてくれる人が少なくない。
 ついでに。 
 必ず、どこで私の番号を?と言う人が出るけど、
「まとまった名簿をいただいてますが、おそらく町内会のほうじゃないでしょうか」で良いです。
 いわゆるテレデータのソースには町内会名簿(マンション自治会)も含まれています。
 @I_hate_camp さんのお知恵でした。

(引用終わり)

 最後の1日、頑張りましょう。

 比例についても一言。
 私のお勧めは、もちろん、「日本共産党」(公式の略称「共産党」)、「民進党」(民進)、「社会民主党」(社民党)、「生活の党と山本太郎となかまたち」(生活の党と山本太郎)です。お奨めする順番もこの順番です。
 和歌山県連に言いたいことは山ほどありますが、民進党自体には頑張ってもらわなければならないと思っています。
 本来なら、共産党と民進党は同列のつもりでしたが、共産党和歌山県委員会には和歌山県選挙区で大変お世話になっていますので、「日本共産党」が一番のお勧めに浮上しました(当然ですよね)。
 
 私のブログをわざわざ閲覧してくださる方の中に、自民党、公明党、おおさか維新の会、日本のこころを大切にする党に投票しようという人などいるのか?と思いますが、全国的にはそういう人が多いとメディアは伝えていますし、実際そうなのでしょう。
 18歳、19歳という新たに有権者となった若者に特にそういう人が多いと伝える報道の根拠は何?と思いますが、たしかに、60年安保や70年安保を経験したり、そこまでの年齢に達していなくても、同じ空気を中学生や高校生として吸っていた世代(つまり私たちの世代)とは違うのだろうなあと思いますよね。
 その世代に対する働きかけをどうするか、今後の課題ですが、今日、明日の2日間について言えば、「自民党に入れて後悔するのは君たちだよ」ということに尽きます。

 最後に和歌山県選挙区の皆さんへ。
 選挙公報、読みました?実は私も読んでいなかった!和歌山県選挙管理委員会事務局のホームページから、選挙区と比例の選挙公報がPDFで読めます。投票日前に、一度は目を通してみませんか?

 
和歌山県選挙区
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ゆら登信(たかのぶ)さんへの応援演説その5~どれだけ短く訴えるか(架空実況中継)

ゆら登信(たかのぶ)さんへの応援演説その5~どれだけ短く訴えるか(架空実況中継)
(配信日:2016年7月7日)

 いよいよ第24回参議院議員通常選挙の運動期間もあと2日、3日後の7月10日には投開票を迎えます。
 ここまで来れば、長い言葉を費やす余裕はなく、短い言葉でいかにアピールするかにかかってきます。
 和歌山県選挙区の野党統一候補・ゆら登信(たかのぶ)さんを応援する架空実況中継を想定し、いかに短いフレーズでゆらさんへんの投票をアピールするか、これまでの演説で訴えてきたことのうち、私が特に強調したいと考えている3点のショートヴァージョンを考えてみました。あと2日、これをどれだけの人に伝えられるでしょうか。
 
1 憲法を守る人、それがゆら登信さん
 昨年の安保法制(戦争法)の強行成立にあれだけ多くの国民が反対したのは、権力者が憲法を踏みにじったからです。自民党の候補に投票するということは、彼らの憲法無視の姿勢を認めたことになります。そうでしょう?ありえないことです。
ゆら・必勝パン ゆらさんは、現在、和歌山弁護士会憲法委員会の委員長、ということはさておくとしても、和歌山の弁護士の中で、ゆらさんほど憲法学習会の講師を数多く務めてきた弁護士は他にいません。ゆらさんは、講師を頼まれれば、日程が合う限り絶対に断らず、県下どこへでも駆け付けて、憲法の価値を説いてきた人です。
 そのゆらさんだからこそ、憲法無視の暴政から、憲法を取り戻すことができます。憲法を大事だと思う人は迷わずにゆら登信さんに投票してください。
 改憲4党(自民党、公明党、おおさか維新の会、日本のこころを大切にする党)に参議院で2/3の議席を確保させては絶対になりません。そのためには和歌山県選挙区ではゆら登信さん、比例では、上記4党以外で当選者を出す可能性のある(極力死票を作らない)政党(またはその比例候補者)に投票しましょう。
 それから、和歌山の有権者が、いくらネットで感心したからといって、東京都選挙区に立候補している三宅洋平さんの名前を比例の投票用紙に書いたりしないでくださいね。貴重な1票が無駄になってしまいますから。
 
2 平和な日本であり続けたい、それならゆら登信さん
 安保法制(戦争法)が国民を守るなどというのが大嘘であることは、バングラディシュ(ダッカ)でのテロ事件を見ても明らかです。安倍政権のおかげで、どれだけ日本人が安全になったというのでしょうか。全く逆です。
ゆら・トウモロコシ 自民党候補に投票するということは、安保法制のおかげで日本人の安全がより良く守られるようになったという嘘八百に加担することに他なりません。ありえないでしょう。
 ゆら登信さんは、憲法違反の安保法制の廃止を目指します。
 さらに、広島、長崎の犠牲をも顧みず、日本の核武装を本気で主張する候補者がいることに注意してください。いるどころではありません。和歌山県選挙区の3人の候補者のうち、日本の核武装についての意見を問われ、「将来にわたって検討すべきでない」と答えたのはゆら登信さん1人だけでした。
 自民党の現職は「国際情勢によっては検討すべきだ」、幸福実現党新人は「核兵器を保有すべきだ」と主張しています(毎日新聞候補者アンケート)。
 あなたが、ゆら候補に投票しない場合、核武装を検討すべきだ、あるいは核武装すべきだという候補を支持することになるのですよ。そのことをよくよく理解してください。
 
3 若者が希望を持てる日本であって欲しい、それならゆら登信さん
ゆら・素麺 ゆら登信さんは、高等教育の授業料も無償化の方向を目指すべきであり、給付制の奨学金制度を拡充し、若者が家庭環境のいかんにかかわらず、その意欲と能力に応じた教育を等しく受けられるようにすべきだと強く主張しています。
 これに対し、自民党現職は、公開討論会において、奨学金を返さなくても良いという制度が「世の中のあるべき姿なんだという風に、そう若者が思ってらっしゃるとしたら、私は悲しい思いをするんですね」と堂々と主張して聴衆を唖然とさせました。
 さらに、驚くことには、この討論会の2日前、地元紙からのアンケートに答えた際には、この自民党現職はゆら登信さんと同じような回答をしていたのですよ。おそらく、その回答は議員が書いたのではなく、地元のスタッフが代作したのでしょうが、それにしても、メディアからのアンケートに対する回答が、そんないい加減な態度でなされていたこと自体、候補者の資質を疑わせる事実だと思います。
 日本の将来を担う若者に対する重点的な予算配分を主張するゆら登信さんを支持しますか、それとも、時代遅れの自己責任論を振り回し、しかもアンケートに真摯に答えない、そういう候補を支持しますか。答えは明らかですね。
 
4 ゆら登信さんの政策
 これ以外にも、ゆらさんの重点政策を知り合いに訴えるため、自分ならこのテーマをこういう言葉でアピールするというヴァージョンを考え、あと2日間、頑張りましょう。
 その参考とするため、ゆら登信さんの公式サイトに掲載されている「政策」を引用しておきます。

アベ政治を本気で止める!!ゆら登信の政策
(引用開始)
憲法違反の安保関連法を廃止し、集団的自衛権行使容認の閣議決定を撤回し、日本の政治に立憲主義と民主主義を取り戻す。
安倍政権による憲法改悪を許さない。
ゆら・スイカアベノミクスによる国民生活の破壊を許さず、拡大した格差の是正と貧困の根絶をめざす。
消費税増税を見直し、不公平税制の抜本的是正を進める。
人間らしく働ける雇用のルールを確立し、最低賃金の底上げと均等待遇を進める。若者の正規雇用を促進する。
子どもの貧困をなくし、子供を安心して育てられる保育の仕組みをつくり、国の責任で子どもの医療費の無料化を進める。
就学前から大学までの教育を無償化すると共に、給付型奨学金を創設する。
社会保障を拡充し、高齢の方、障がいのある方が地域で安心して暮らせる仕組みをつくる。
中小企業への支援を強化し、農林水産業を振興し、地方で住み続けられる社会をつくる。
国会決議と政府与党の公約に違反するTPPの批准に反対する。
再生可能エネルギーを促進し、原発に依存しない社会を実現する。
南海トラフ・中央構造線地震に備え、ハード面の防災対策と非難体制などソフト面の対策を一体で進める。
産業廃棄物最終処分場の許可要件を、安全性を確保できるものに改正する。
一人ひとりが人として尊重され、安心して暮らせる社会をめざして!!
(引用終わり)

 
(付記)
 使用した写真は、いずれも「ゆら登信公式Facebook」から借用しました。「必勝パン」、「トウモロコシ」、「そうめん」、「スイカ」と食べ物との取り合わせばかりになったことに特別な意図はありません。適当なアップの写真を探したら、なぜか食事中の写真ばかりだったからに過ぎません。

ゆら登信(たかのぶ)さんへの応援演説その4~7/3JR和歌山駅前にて

ゆら登信(たかのぶ)さんへの応援演説その4~7/3JR和歌山駅前にて
(配信日:2016年7月3日)

 今日(7月3日)は、参院選運動期間中の最後の日曜日ということで、和歌山県選挙区の野党統一候補・ゆら登信(たかのぶ)さんを支持する市民たちは、午前10時から和歌山市内各所に繰り出し(出来るだけ黄色い服を身につけて)、「選挙に行こう」「ゆらさんをよろしく」と、拡声器が使えないのでメガホンを使い、道行く人や車に訴えました。
 この「ひまわり大作戦」には、弁護士有志にも参加が呼びかけられ、それに応えた弁護士は、各自の事務所との近さを基準に、(和歌山城)公園前交差点と西汀丁交差点に分かれて参加しました(もちろん、弁護士以外の市民も参加されていました)。
ゆら街宣・公園前記念写真 私は、公園前交差点グループに加わり、幟を持ってアピールする役だったのですが、道行く車や交差点で停止中の車からよく見えるように角度を調整したり、風が強い時にはまくれ上がって、染め抜いた字が読めなくなることのないよう、布の端をしっかりと保持するなど、これで結構難しいものですね。ただぼうっと立っていれば良いというものではない。ただ、にこやかに手を振る役割の人もいればさらに良かったかなというところでしょうか。
 ちなみに、私が持っていた幟に書かれていたのは「戦争には行かせない」(もう少し長かったかも)という言葉でした。
 なお、約1時間のアピールの終盤、ゆら登信さんご本人が選挙カーとともに登場され、候補者本人が選挙カーの上から、短時間ですが演説をされました。写真は、演説終了後のゆらさんを囲んだ記念写真で、豊田泰史弁護士のタブレットで撮影され、Facebookにアップされていましたので借用しました。

 その後、午後からは、JR和歌山駅前での「女性街宣」、ぶらくり丁ドンキホーテ前での「ママ街宣」、ぶらくり丁商店街での候補者らによる練り歩きなどがあったようですが、私は所用により欠席し、午後5時からJR和歌山駅前で行われる、ゆら登信さんと、ゆらさんを推薦する日本共産党の合同街頭演説会に参加するため、5時少し前に和歌山駅前に着きました。
 もちろん、私としては単なる一聴衆として参加するつもりであったことは言うまでもありません。それが、合同演説会の先頭を切り、堂に入ったというか、気迫満点というか、島さん自身が候補者だと言われても、知らない人は信じてしまうに違いない島久美子さんによる応援演説の最中、その演説が行われている日本共産党の街宣車(「大宮」ナンバーだったような)のすぐ下の路上で、ゆら選対の人から、「予定していた市民連合わかやまの弁護士さんと連絡がつかないので、ピンチヒッターで5分間話してくれませんか?順番は島さんの次です」と頼まれてしまい、考える間もあらばこそ、街宣車の屋根の上に上がることになったのですが、借り物のゆら選挙カーとは違い、さすがは政党の街宣車は作りが違う!と感心している場合ではなく、すぐに順番が回ってきてしまいました。
 6月23日に有田教育会館で応援演説をした時も原稿は作っていませんでしたが、何日か前から予定していたもので、何を話すかの心づもりは一応ありましたからね。
 とにかく私が、何を話すという心づもりなど何もなかったけれども、それでもマイクを握ったのは、共産党との合同演説会ということで、共産党からは副委員長の山下芳生参議院議員が弁士として登壇することになっており、街宣車自体、共産党の車であるというシチュエーションの中、市民連合わかやまを代表して訴える役割の者が絶対に必要だという直感が働いたからなのですよね。
 それにしても、こう土壇場になってからの代役というのは心臓に良くないし、聴衆にも迷惑だったでしょうね。
 以下に掲載するのは、今日の応援演説の再現という部分もありますが、主には「こういう風に話せば良かった」という遅ればせながらの「演説原稿」というしかないものです。
 今日、JR和歌山駅前で私の話を聴いてくださった方もそうでない方も、この「演説原稿」を読んだ上で、架空の「応援演説」を想像していただければまことに幸いです。

(追加動画 7月3日分)
 7月3日(日)の動画が小谷英治さんによって順次アップされていますのでご紹介します。
ゆら登信 女性街宣 JR和歌山駅前 20160703(30分)
 
ゆら登信 ママの会街宣 ぶらくり丁ドンキー前 20160703(30分)
 
ゆら登信 和歌山市山口小学校 個人演説会20160703(44分)
 
 

2016年7月3日(日)午後5時00分~ JR和歌山駅前での日本共産党との合同街頭演説会における応援演説
 
 皆さん、こんにちは。ただいまご紹介いただきました、弁護士で市民連合わかやまの金原(きんばら)と申します。
 私からは、ゆらさんが、なぜ今度の選挙に立つことになったのかということをお話したいと思います。
 ゆらさんが、市民連合わかやまの中心メンバーとして、野党統一候補の擁立に向けて先頭に立って努力していたこと、それが急転直下、ゆらさん自身が立候補の決意を固めた事情については、ゆらさんの個人演説会での応援演説では、かなり詳しくお話してきましたが、今日はそのお話をしている時間的余裕がありません。
 そこで、ここでは、弁護士としてのゆらさんに立候補を決意させた根本にあるもの、それは私を含め、市民連合わかやまに関わっている多くの弁護士や市民に共通するものだと思いますが、その根本だと私が理解することをお話します。
ゆら応援演説JR和歌山駅前 ちょうど2年が経ちました。2014年の7月1日、それまで歴代内閣が憲法9条に違反するとして認めてこなかった集団的自衛権行使を、一片の閣議決定で認めてしまったあの日以来、日本は明らかにそれまでとは異なる国になりました。
 大多数の弁護士を始め、元最高裁長官や歴代内閣法制局長官に至るまで、法律の専門家が一致して違憲と断じているにもかかわらず、それを平然と無視する権力者から、憲法を、立憲主義を取り戻さなければならない。ゆらさんの立候補の決意を根底で支えているのはその法律家としての義務感だろうと思います。私がゆらさんからそう聞いたという訳ではありませんが、和歌山で2番目にたくさん憲法学習会の講師を務めてきた私から見て、和歌山で一番たくさん憲法学習会の講師を務め、県下一円を駆け回ってきたゆらさんが、そのように考えない訳はないと信じています。
 私たち市民連合わかやまは、安保法制を廃止して違憲の閣議決定を撤回し、立憲主義と民主主義を回復するするための最適任の候補としてゆらさんを推薦し、各野党にも推薦をお願いしました。
 幸い、日本共産党、社会民主党、生活の党と山本太郎となかまたちの3党からご推薦をいただき、大変大きな力となっています。そして、推薦こそいただけませんでしたが、民進党も独自候補をおろして、ゆらさんを野党統一候補とすることに協力してくださいましたし、また、島さんをはじめ、個人としてゆらさんを熱心に応援してくださっている方が何人もおられます。
 選挙戦を闘う上で、これら政党からの推薦・協力が非常に有効な力となることは疑いありません。
 けれども、皆さんに思い出していただきたいことがあります。それは、ゆらさんは、私たち市民の願いや思いを受け止め、その実現のために立ち上がってくれた、私たち市民が生み出した候補だということです。
 今の日本の危機的状況を打開するには、私たち市民1人1人が立ち上がり、同じ志を持つ仲間を1人ずつでも増やしていく努力を積み重ねるしかありません。
 まずは、この参議院選挙です。何としても、私たちの力で、私たちの候補、ゆら登信さんを国会に押し上げていただきたいと思います。
 よろしくお願いします。
 
※街宣車上の写真は高木俊行さん撮影のものを借用しました。

ゆら登信(たかのぶ)さんへの応援演説その3~6/26河西コミセン(和歌山市)にて

ゆら登信(たかのぶ)さんへの応援演説その3~6/26河西コミセン(和歌山市)にて
(配信日:2016年6月26日)
 
 選挙戦に突入してからというもの、「メルマガ金原」を休載し、もっぱらブログだけ更新しているのは、公職選挙法がインターネット選挙運動を解禁しながら、電子メールを利用しての文書図画の頒布は原則禁止とするという中途半端な方針をとっているからで、迷惑なことですがやむを得ません。
 私も、7月10日までの間、選挙関連以外の記事も書きたくなることがあるとは思いますが、まずは選挙最優先で行かざるを得ない時でしょう。
 
CIMG6243 ということで、今日も、参議院選挙和歌山県選挙区の野党統一候補・ゆら登信(たかのぶ)さん(共産、社民、生活推薦)の応援演説に行ってきました。
 今日(6月26日)は、選挙戦最初の日曜日ということで、ゆらさんは、終日、県内最大人口を抱える県庁所在地・和歌山市での活動となりました。
 個人演説会は、
  16時00分 楠見東小学校
  16時30分 砂山小学校
  18時30分 河西コミュニティセンター
の3箇所で行われ、各会場の応援弁士の内、1人は弁護士とすることになり、河西(かせい)コミセンには地元の私が行くことになりました。
 今回は、6月23日の有田教育会館(有田郡湯浅町)よりも持ち時間が短かったため、前回お話したことをベースとしつつ、少し手直しした改訂版原稿を用意しました。以下に掲載するのは、その応援演説用の原稿です。文章を引用した場合は原稿を目で追いながら読みましたが、それ以外ではほとんど原稿を見ずに話しましたので、以下の原稿と実際に話したことには相当違いがありますが、それを手直ししている余裕はありませんので、ほぼ原稿のまま掲載しています。

 なお、本日の登壇者は、登壇順に以下の4人でした。
 1 下角 力 氏(日本共産党和歌山県委員会委員長)
 2 金原徹雄
 3 坂口多美子 氏(日本共産党・比例代表候補)
 4 ゆら登信 氏(無所属・和歌山県選挙区候補)

(動画追加)
 当日の動画を小谷英治さんがYouTubeにアップしてくださいました。
ゆら登信選挙区候補 個人演説会 和歌山市河西コミュ 20160626(49分)

冒頭~ 下角 力さん(途中から)
5分~ 金原徹雄
16分~ 坂口多美子さん
26分~ ゆら登信さん


 なお、最初の方が収録されていない下角さんの演説完全版については、貴志公一さんがFacebookにアップされた動画をご覧ください。 
 

2016年6月26日(日)午後6時30分~ 於:河西コミュニティセンター(和歌山市)2階多目的ホール
ゆら登信(たかのぶ)個人演説会における応援演説

 皆さん、今晩は。ただいまご紹介いただきました弁護士の金原(きんばら)と申します。
 私は、生まれは「梅原(うめはら)」、小学校以来今に至るまで「栄谷(さかえだに)」在住という完全な地元人間なので、お馴染みの顔がそこここにいらっしゃいます。今日は、ゆら登信(たかのぶ)さんの個人演説会に、このように多数おいでいただきまして、本当にありがとうございます。

 私の肩書きなどはどうでも良いのですが、一応ゆらさんが今度の選挙に立候補したこととの関連で、市民連合わかやまというのがどういう団体かだけは、一言ご紹介しておいた方が良いと思います。
 今回の参議院選挙和歌山県選挙区に、共産党が坂口多美子さんを、民主党が坂田隆徳さんをそれぞれ独自に擁立するという発表がなされ、このまま野党が分裂したまま選挙戦に突入したのでは話にならない、何としても野党統一候補を実現して勝ちに行かなければならないと決意した弁護士など市民有志が急遽昨年末に集まり、何の目算もない中、クリスマスイブの日に、県庁内の県政記者室で記者会見を開き、統一候補実現を県内各野党に要請する方針を公表して走り出しました。
 ゆらさんは、その最初から、豊田泰史弁護士とともに、野党統一候補の実現を目指す運動の主要メンバーであり続けたのです。
 記者会見以降の具体的な統一候補の擁立に向けた紆余曲折は省略しますが、そろそろ3月も終わろうという頃、さすがに「もう時間がない」、「ご免なさいと謝って、活動を終えるしかないのでは」という声が内部で聞こえ始めたその時、「それは絶対に駄目だ」と断言したのがゆらさんでした。
 ゆらさんは、野党統一候補擁立を求める県下の様々な集会に参加し、「何としても野党共闘の実現を!」という県民の熱い思いを真正面から受け止め、絶対に統一候補を実現しなければならないと決意していたのでした。
 私は、市民連合わかやま(当時は「安保法制の廃止を求める和歌山の会」と名乗っていました)の会議で、いよいよ候補者選定が行き詰まったことを確認したその席上、ゆらさんが、「候補者選びを断念することはできない。もしも、皆さんが『由良でいい』と言ってくださり、共産党、民主党が独自候補を取り下げて協力してくれるのであれば、私が出ることにしたい」という決意を披瀝するのを聞き、「よくぞそこまで決心してくれた」と感動しました。
 私が今日ここに立っているのは、その感動の延長線上で、私に出来ることは何でもやらなければと思ったからに他なりません。

 ところで、6月24日の新聞各紙が選挙戦序盤における情勢を一斉に伝え、改憲勢力が参議院の2/3をうかがう勢いという記事を掲載したのを読まれた方も多いのではないかと思います。この観測報道自体にも色々問題はあるのですが、それはさておき、このような観測が出ることにはそれなりの理由があります。
 今回改選期を迎える121議席は、6年前の選挙で選ばれた議員たちですが、当時は民主党の菅直人政権の時代で、与党であった民主党がそこそこ議席を確保した選挙でした。今の民進党に、当時のような力は正直ありません。
 新聞各紙が改憲勢力に分類する自民党、公明党、おおさか維新の会、日本のこころを大切にする党の4党が、観測のとおり、衆議院に続き参議院でも2/3以上の議席を確保するには、現有議席から16議席上積みするだけで良いのです。
 選挙前の民進党の46議席が、どこまでの減少で食い止められるかが、(民進党の運命などどうでも良いとしても)日本国憲法、そして日本国民の将来の運命を大きく左右するのです。
 私は、民進党とも共産党とも何の関係もありませんが、日本共産党が、坂口多美子さんを含む選挙区に擁立するはずだった多くの予定候補を比例区に回し(これだけでも多額の供託金の負担増加です)、民進党公認候補や無所属統一候補の支援を行う方針に大転換したのは、このような憲法の危機を突破することが、国民・市民の願いであり、大義であるということを理解した結果であると、私は高く評価し、感謝しているのです。
 憲法を守り、これを子や孫の世代に引き継いでいく責任を果たせるかどうか、今がまさにその正念場です。
 ゆら登信さんは、弁護士として、憲法の大切さを1人でも多くの人に知ってもらおうと、何年も前から県下各地で憲法について講演して回っており、和歌山の弁護士の中で、一番たくさん憲法学習会の講師を務めている人です。
 憲法を安倍政権による破壊から救い出し、次の世代に伝えるため、是非ゆら登信さんを国会に送り出してください。

 この他にも、6月20日の公開討論会で明らかとなった、自民党公認候補・鶴保庸介さんの、奨学金制度についての、あまりといえばあまりな無理解についてもお話したいと思ったのですが、持ち時間の関係から、泣く泣く省略します。詳しくは、今晩の私のブログをご参照ください。

 ただ、これだけは是非とも皆さんに知っていただきたいことがあります。
 国政選挙の際には必ず行われる毎日新聞・候補者アンケートの結果が公表されましたので、和歌山県選挙区の3人の候補者の回答を読んでみたのですが、3人の回答ががばらばらであった質問のうちの1つに目が吸い寄せられました。
 質問は以下のようなものでした。
【質問17】「日本の核武装について、あなたの考えに近いものを一つ選んでください。」
 これに対する3人の回答は以下のとおりです。
西本篤氏(幸福実現党)「核兵器を保有すべきだ」
由良登信氏(無所属)「将来にわたって検討すべきでない」
鶴保庸介氏(自民党)「国際情勢によっては検討すべきだ」
 何と、日本は絶対に核武装すべきではないと主張する候補者はゆら登信さん1人だけなのです。もしもゆらさんを落選させてしまえば、和歌山から選出される議員は、ただちに核武装すべきだという人か、もしくは、国際情勢によっては核武装を検討すべきだという人のどちらかになるのです。
 私も、候補者アンケートをこんなにじっくり読んだのは初めてなので、過去の和歌山の選挙でこういう事態があったのかどうか知りませんが、恐ろしい時代になったものだと思いませんか?

 最後に、6月23日に湯浅町の有田教育会館で開催された個人演説会で私が応援演説をした際、最も好評だったのが、私の話ではなく、東京の澤藤弁護士からゆら登信さんへの熱烈なエールを紹介した部分であったと後日聞きました。それなら、ということで、今日も最後は、澤藤先生からのメッセージをご紹介します。
 ゆらさんを応援してくださっているのは、東京弁護士会のベテラン、澤藤統一郎弁護士です。日本弁護士連合会に消費者問題対策委員会という委員会があって、消費者被害の救済などに活発に活動していますが、澤藤先生は、かつてその委員長を務めておられたことがあり、その澤藤委員長の下で副委員長を務めたのがゆらさんだったのです。
 澤藤先生は、ご自身のブログ「澤藤統一郎の憲法日記」(今年5月19日の記事)の中で、ゆらさんのことを以下のように評しておられます。

(引用開始)
 私は、由良さんをよく知る一人だ。日弁連の消費者委員会で活動をともにした。信頼のできる人だし、社会的弱者の立場に立つことを鮮明にしている人。到底、自ら国政に出ようというタイプには見えなかったが、この人が選挙に出るなら、なるほどよい候補者だ。人当たりが柔らかで、誰の意見にも穏やかに耳を傾ける。何よりも声がよい。歯切れがよいし、滑舌が滑らかで聞きやすい。そして、話が分かりやすい。説得力がある。
 がんばれ、由良さん。がんばれ、和歌山野党共闘。
(引用終わり)

 ゆら登信さんの当選を目指し、最後までみんなで頑張りましょう。ありがとうございました。
 

(補注)
【鶴保庸介氏の奨学金に関する意見】
1 ご本人が話されたこと
 2016年6月20日、和歌山県岩出市の「ホテルいとう」で開かれた公開討論会(主催:わかやま夢スクール)での発言から。
「奨学金を貰って、ある程度社会に出てですね、ある程度収入も得られる立場になったときに、返さないようにしてもらったら、楽は楽ですよ。でもそうするべきか?それが世の中のあるべき姿なんだという風に、そう若者が思ってらっしゃるとしたら、私は悲しい思いをするんですね」
 以下の動画の54分~をご覧ください。

 なお、56分~あたりでの発言で、学校の教員になったら奨学金が免除される制度があるかのような発言がありますが、日本学生支援機構ホームページに以下のように説明されている制度(既に廃止されている)のことを言っておられるのでしょうかね?国会議員だからといって、全ての法律制度に通暁することはもちろん不可能でしょうが、それにしてもねえ。
(引用開始)
なお、平成10年(1998年)4月1日以降に大学(学部)、短期大学もしくは高等専門学校の1年次に入学し貸与を受け、卒業後教育の職に就いた場合の奨学金返還特別免除制度は廃止されました。ただし、平成10年(1998年)3月31日以前にこれらの学校に入学し、その在学期間中の平成10年(1998年)4月1日以降に第一種奨学金の貸与を受け、引続き進学している等就職するまでの期間が所定の要件を満たしている場合は、奨学金返還特別免除制度の対象になります。
(引用終わり)

2 ニュース和歌山からのアンケート調査に答えたこと
 全国紙に挟み込んで配布されるフリーペーパー「ニュース和歌山」からのアンケートに対する回答(6月18日号に掲載)は以下のとおりでした。
(引用開始)
 質問 奨学金の給付型を増やす政策はお考えですか。
 給付型奨学金制度の創設に向け、しっかり進めます。経済状況にかかわらず、学ぶ意欲と能力のある全ての若者が質の高い教育を受けられる社会を作らねばなりません。また、無利子奨学金の採用枠拡大や、返還月額が所得に連動する制度を定着させることで返還の不安を軽くし、学業に集中できる環境を作ります。
(引用終わり) 

3 それで?
 ニュース和歌山への回答を誰が書いたのか知りませんし、草稿をスタッフが書くこと自体、別に非難されることでもないとは思いますが、少なくとも回答した内容には本人が責任を負ってもらわなければね。

ゆら登信(たかのぶ)さんへの応援演説その2~6/25選挙カーからの訴え(和歌山市内)

ゆら登信(たかのぶ)さんへの応援演説その2~6/25選挙カーからの訴え(和歌山市内)
(配信日:2016年6月25日)

 第24回参議院議員通常選挙も今日(6月25日)で4日目、選挙戦最初の休日(土曜日)、各候補とも県内各地を精力的遊説していることでしょう。
 野党統一候補のゆら登信(たかのぶ)さんも、日中は和歌山市内各所の街頭で演説し、JR和歌山駅前と(和歌山城)公園前では、ゆらさん自身の演説以外は、全て応援してくれている若者たちに任せるという大胆な試みを行ったとか。
 そして、ゆらさん自身は、夜7時から御坊市の市民文化会館大ホールで開催される個人演説会、というより「地元大集会」に参加するため和歌山市をあとにしましたが、選挙カー自体は、午後8時まで一刻も休ませることをせず(機械とはいえ可愛そうな気もしますが)、和歌山市内でフル稼働させるというスケジュールが組まれ、ゆらさんに代わって住民の皆さんに訴える弁士が必要ということで、午後6時から8時まできっちり2時間、私がゆら選挙カーに乗車し、白手袋を着けて窓から手を振ったり(生まれて初めての経験です)、市内5箇所で、道ばたに駐めた選挙カーの屋根の上に上がり、それぞれ10分ずつ、ゆら登信(たかのぶ)さんへの投票を訴える演説を行いました。
 あいにくの雨模様(小雨だったのがまだしも幸いでしたが)の上、時間も時間でしたから、道行く人はほとんどおらず、家の中にいる人たちに呼びかけるという具合でした。
 今朝から、6カ月点検に出かけたディーラーショールームの中や、夕方出発する前の選対事務所の中で急いで書き上げた原稿をもとにお話しました。
 拙い内容ではありますが、以下に転記します。
 明日(6月26日)も、ゆらさんは和歌山市です。
 個人演説会は、以下の3箇所で開かれます。
  16時00分~ 和歌山市・楠見東小学校 
  16時30分~ 和歌山市・砂山小学校 
  18時30分~ 和歌山市・河西コミセン
 私は、18時30分からの河西(かせい)コミュニティセンターで応援弁士を務める予定です。今回の持ち時間は約7分で、23日の有田教育会館(湯浅町)よりやや少なめなので、内容を吟味しなければ。和歌山市及びその周辺にお住まいの方は、是非連れ立って近くの会場にお越しください。
 

2016年6月25日(土)午後6時~8時 和歌山市内5箇所に駐めた選挙カーの上で
ゆら登信(たかのぶ)候補への投票を呼びかける応援演説

 皆さん、こんにちは(注:日が暮れそうになったら「こんばんは」)。
 私たちは、今度の参議院選挙の和歌山選挙区に無所属で立候補した野党統一候補、弁護士のゆら登信(たかのぶ)さんを推薦し、何としても国会に送り出したいと応援している市民団体、市民連合わかやまのメンバーです。
 私は、弁護士の金原(きんばら)と申します。短い時間ですが、お耳を傾けていただけると嬉しいです。

 今日、私から皆さんに訴えたいことは2つだけです。
 1つは、私たちの平和な暮らしを守ってきた日本国憲法が、その制定から70年目の今年、最大の危機を迎えているということです。
 そして2つ目は、日本の将来を担う子ども・若者たちの教育権の保障についてです。

 最初に、憲法の危機についてお話します。
 そう言うと、「憲法なんて難しくて分からない」と仰る方がいます。そういう方に私は、こういう風に説明することにしています。
 人間は、きれいな水や空気がなければ生きていけませんが、私たちがそのことに気がつくのは、水や空気が汚され、きれいだった時の有り難みを実感した時かもしれないのです。けれども、その時にはもう遅く、いったん汚された自然環境を元通りにするのは容易なことではありません。
 憲法についても、水や空気と同じようなところがあります。
 多くの人にとって、普段から、憲法の有り難みを実感している人はそう多くはないかもしれません。
 実際に、多くの人が憲法の大切さに気付くのは、憲法が蔑(ないがし)ろにされ、憲法による権力へのしばりが失われようとしている危機の時でしょう。
 数十年来の政府解釈を一片の閣議決定で覆し、集団的自衛権の行使を認めた一昨年以来、安倍政権による憲法無視の暴政の数々は目に余ります。
 憲法9条を無視したいわゆる安保法制を強引に成立させただけではなく、21条の表現の自由・報道の自由の旨を没却してマスメディアに強引な介入を繰り返したり、さらに、昨年の通常国会閉会後、衆参両院の各1/4以上の野党議員から、臨時国会の召集を請求したにもかかわらず、安倍政権は、憲法53条によって召集することを義務づけられているにもかかわらずこれを無視し、ついに臨時国会を召集しませんでした、
 権力者が、自分にとって都合が悪ければ憲法を守らなくてもよいという国を「独裁国家」と言うのです。日本海の対岸に、そういう国がありますよね。日本は、今どんどんその国に近付いて行っており、私はそのことに非常に強い危機感を抱いています。
 私たち市民連合わかやまの正式名称は、「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合わかやま」です。
 安保法制が憲法9条に違反することは、全国すべての弁護士会、最高裁判所元長官や歴代の内角法制局長官らを含め、圧倒的多数の法律専門家が一致して認めています。
 それにもかかわらず、自衛隊員から犠牲者、戦死者が出る。また、自衛隊が他国の市民を殺傷してしまう。そういう危機が目の前に迫っています。安保法制を1日も早く廃止し、そのような事態を何としても阻止しなければなりません。
 また、昨日(6月24日)の新聞各紙は、選挙序盤における情勢を一斉に伝え、一致して、改憲勢力が参議院の2/3をうかがう勢いという記事を掲載しました。この種の観測報道の問題自体はさておくとして、今度の参議院選挙の結果、新聞各紙が改憲勢力に分類する自民党、公明党、おおさか維新の会、日本のこころを大切にする党の4党で、衆議院に続き参議院でも観測の基礎となったデ2/3を確保したならば、憲法改正案を国会で発議し、明文改憲に踏み出すことが優に予想されます。その意味で、憲法を守れるかどうかの瀬戸際であることは間違いありません。
 私たちは、きれいな水や空気と同じように、失ったものの大切さを、失ってから初めて気付いて後悔するようなことがあってはなりません。
 ゆら登信さんは、弁護士として、憲法の大切さを1人でも多くの人に知ってもらおうと、何年も前から県下各地で憲法について講演して回っており、和歌山の弁護士の中で、一番たくさん憲法学習会の講師を務めている人です。
 憲法を安倍政権による破壊から救い出し、次の世代に伝えるため、是非ゆら登信さんを国会に送り出してください。

 もう1つ、ゆらさんの重点公約の1つである「教育権の保障」についてお話します。
 文科省は、道徳を正式教科とし、子どもたちに道徳の点数を付けて序列化するという愚劣な教育政策を進めていますが、本来が国がやらなければならないことはそんなことではなく、憲法26条が保障する教育を受ける権利を実効性あるものにするため、義務教育課程だけではなく、高校から大学にかけての高等教育についても、無償化の方向に政策の舵を切るべきなのです。
 日本が自由と平等を基本原理とする国であることは、与党支持者の方の大半もご同意いただけるものと思いますが、そうであるならば、どのよな経済環境の家庭に生まれ落ちるかという、子どもたちにとって選択の余地はなく、何の責任もない事情によって、受けられる教育の質や量に大きな差があっても良いものでしょうか?それで、この国が自由で平等な国だと胸をはれるのでしょうか?
 ここで私の個人的な体験をお話させてください。私の家庭は決して裕福ではありませんでしたが、それでも大学の法学部を卒業し、時間はかかりましたが、司法試験に合格して弁護士になることができました。
 そのようにして私が「弁護士になりたい」という夢を実現する上で、自宅から通える距離にある大阪市立大学の年間授業料がわずか1万2000円であったという事情はとても大きなことでした。
 今や、国立大学でさえ、授業料だけで年間約54万円が必要ですし、自宅から通学できず、親元を離れて暮らさざるを得ないとなると、親や学生本人の負担は本当に大変です。従って、学費の無償化を目指すだけではなく、返済義務のない給費制の奨学金を拡充することが、どうしても必要です。
 この点について、今回の選挙に立候補している各候補の考え方が端的に分かる得難い機会がありました。6月20日に岩出市で、若い学生の皆さんなどが中心となって、立候補予定者3人に様々なテーマについてその意見をただす公開討論会が開かれたのですが、奨学金問題も、彼らの強い関心を持つテーマとして各候補にその意見が求められました。
 ゆら登信さんは、奨学金を返済できず、裁判所に呼び出されて被告席に座らされる多くの若者を見たことを紹介し、将来の日本への投資として、給付型奨学金を制度として確立することが必要であると訴えました。
 これに対して与党候補は、「奨学金を貰って、ある程度収入も得られる立場になった時に、返さないようにしてもらったら、楽は楽ですよ、でもそうするべきか?それが世の中のあるべき姿なんだというふうに若者が思ってらっしゃるとしたら、私は悲しい思いをするんですね」と答えました。
 私は、討論会の翌日、YouTubeにアップされた動画でその回答を聴き、私の方が悲しくなりました。
 政治というのは、どの政策に重点を置くかの選択にほかなりません。
 日本の将来のために、意欲のある若者が、たとえ経済的境遇が違っても、誰もが心おきなく勉学ができる環境を整えるため、重点的な予算配分をすべきだというゆら登信さんを是非応援し、国会に送り出してください。皆さんもゆらさんと一緒に、日本の将来の希望でである子どもたち、若者たちのために、日本の政策の方向を変えるための1票を投じてください。よろしくお願いします。
 ご静聴、ありがとうございました。

(参考動画)
参議院議員和歌山選挙区公開討論会ー和歌山夢スクールー2016062011(1時間58分)

※奨学金についての各候補の発言は、54分頃以降です。

ゆら登信(たかのぶ)さんへの応援演説その1~6/23有田教育会館(有田郡湯浅町)にて

ゆら登信(たかのぶ)さんへの応援演説その1~6/23有田教育会館(有田郡湯浅町)にて
(配信日:2016年6月23日)
 
 第24回参議院議員通常選挙公示翌日の今日(6月23日)、午後6時30分から、有田郡湯浅町の有田教育会館2階において、和歌山県選挙区に立候補した弁護士のゆら登信(たかのぶ)さんの個人演説会が開かれました。
CIMG6222 私は、ゆらさんの推薦母体である市民連合わかやま(安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合わかやま)を代表して、参加者にゆらさんへの支援を訴える応援弁士として、持ち時間10分ということでお話をする機会をいただきました。
 スピーチ用の原稿を作っておれば、それをそのままアップすれば良いのですが、あいにく今日は原稿を書くだけの時間が全くとれず、出たとこ勝負でお話しましたので、以下に掲載するのは「再現原稿」であり、再現の正確性は全く疑わしいものです。あとから考えて、「こう言っておけば良かった」と思うところは、遠慮なく訂正したりしています。
 ちなみに、主催者代表による開会挨拶の後の発言順は、1人目が私、2人目がゆらさん、3人目が坂口多美子さん(日本共産党比例代表候補)、最後が松坂英樹さん(地元選出県議会議員)でした。
 なお、末尾の集合写真は、松坂英樹さんのブログに掲載されたものを、ご了解を得て転載させていただいたものです。
 

2016年6月23日(木)午後6時30分~ 於:有田教育会館(有田郡湯浅町)2階
ゆら登信(たかのぶ)個人演説会における応援演説

 皆さん、今晩は。ただいまご紹介いただきました弁護士の金原と申します。「初めまして」と申し上げなければならない方もたくさんおられる一方、お馴染みの方も何人も来てくださっているようです。
 市民連合わかやまを代表して、皆さんにゆら登信(たかのぶ)さんへのご支援をお願いする者としては、本来であれば、私の桐蔭高校時代の同級生である市民連合わかやま共同代表の豊田泰史弁護士こそ適任であると思うのですが、選挙対策のための重要な会議があり、私が代わってお話させていただくことになりました。

 そもそも、市民連合わかやまというのはどういう団体かと言うと、2016年7月の参議院選挙の和歌山県選挙区で、野党が分裂していたのでは話にならない、何としても野党統一候補を実現して勝ちに行かなければならないと決意した弁護士などの市民有志が集まった団体であり、何の目算もない中、昨年のクリスマスイブの日に、県庁内の県政記者室で記者会見を開き、統一候補実現を県内各野党に要請する方針を公表して走り出しました。
 ゆらさんは、その最初の記者会見の時から、豊田弁護士とともに、野党統一候補の実現を、(当時の)民主党や共産党にお願いする立場の側の主要メンバーであったのです。記者会見以降、具体的な統一候補の擁立に向け、様々な検討や交渉の場には、ほぼ必ずゆらさんの姿がありました。あくまでも「擁立する側」の人間としてですが。
 そのゆらさんが、何故、「擁立される側」に立場を換えることになったのか、お話します。
 統一候補の擁立を目指す活動は紆余曲折を経ながら、適当な候補者を確保することができないまま3月も終わろうという時期になり、さすがに「もう時間がない」、「ご免なさいと謝って、活動を終えるしかないのでは」という声が内部で聞こえ始めたその時、「それは絶対に駄目だ」と言い切ったのがゆらさんでした。
 ゆらさんは、野党統一候補擁立を求める県下の様々な集会に参加し、「何としても野党共闘の実現を!」という県民の熱い思いを真正面から受け止め、絶対に統一候補を実現しなければならないと決意していたのでした。
 私は、市民連合わかやま(当時は「安保法制の廃止を求める和歌山の会」と名乗っていました)の会議で、いよいよ候補者選定が行き詰まったことを確認したその席上、ゆらさんが、「候補者選びを断念することはできない。もしも、皆さんが『由良でいい』と言ってくださり、共産党、民主党が独自候補を取り下げて協力してくれるのであれば、私が出ることにしたい」という決意を披瀝するのを聞き、「よくぞそこまで決心してくれたものだ」と感動しました。
  
 ところで、全国32の1人区ので全てにおいて、野党共闘(「事実上の」という枕詞が必要なところもありますが)が実現したのは、「何としても憲法を守らなければ」「そのためには参院選で絶対に負ける訳にはいかない」という危機感、切迫感を共有した多くの市民の声が原動力となったことは間違いありません。
 ご存知のように、憲法を改正するためには、衆参両院のそれぞれ2/3以上の多数で改憲案を発議し、国民投票で過半数の賛成を得る必要があるのですが、既に与党の自民・公明は、衆議院で2/3以上の議席を確保しています。そして、参議院では、いまだ2/3の議席は持っていませんが、おおさか維新の会や日本のこころを大切にする党などの改憲政党も含めれば、今回の選挙で、自公ら改憲政党4党が、合わせて16議席増やすだけで参議院でも改憲派が2/3以上の議席を持つことになるのです。
 今回改選される議席数は121議席。その中で16議席を増やすことは自民党にとってもそこそこハードルが高いと思われますか?いえ、決してそうではありません。今回改選期を迎えるのは、6年前、民主党の菅直人政権の下で実施された選挙で当選した議員たちですが、6年前にはまだそこそこ民主党に力があり、比例代表選挙では、自民党よりも民主党の方が多く当選していたのです。今では信じられませんが。民進党が改選46議席から16減らすことなど、3年前の参院選での民主党の惨敗ぶりを想起すれば(全部で17議席しか取れなかった)、少しも驚くべきことではありません。
 今回、市民の強い後押しがあったからとはいえ、日本共産党が、大半の選挙区で立候補予定者を下ろし、無所属候補だけではなく、民進党の公認候補も支援する決断をしたのは、民進党が惨敗すれば、憲法明文改憲の危機を直ちに招くことになると判断し、それを何としてでも阻止しなければならないと決断したからに違いないと私は理解しており、その共産党の姿勢を心から敬意をもって高く評価しています。
 私はもともと共産党のシンパでも何でもない、典型的な無党派、支持政党なしの人間ですが、立候補予定者を選挙区から比例に回したことによる300万円から600万円への供託金増額分300万円は、民進党が負担しても罰は当たらない選挙区も多いはずだと思っています。
 それだけ今度の参議院選挙は重要です。大げさではなく、日本国憲法施行後、最大の危機を迎えていることは間違いありません。

 さて、政策などについては、ゆらさん本人からお話するはずなので、私からは、ゆらさんの人となりなどを紹介すべきだと思うのですが、今日は1日仕事が忙しく、スピーチ用の原稿を書いている時間が全くありませんでした。
 そこで、昨日の私のブログでもご紹介したのですが、県外にもゆらさんを熱烈に応援している人がおり、そのことをインターネットで発信してくださっているということをご紹介して私の責めをふさぎたいと思います。

 まず1人目は、東京弁護士会のベテラン、澤藤統一郎弁護士です。日本弁護士連合会に消費者問題対策委員会という委員会があって、消費者被害の救済などに活発に活動していますが、澤藤先生は、かつてその委員長を務めておられたことがあり、その澤藤委員長の下で副委員長を務めたのがゆらさんだったのです。
 澤藤先生は、ご自身のブログ「澤藤統一郎の憲法日記」(今年5月19日の記事)の中で、ゆらさんのことを以下のように評しておられます。

(引用開始)
 私は、由良さんをよく知る一人だ。日弁連の消費者委員会で活動をともにした。信頼のできる人だし、社会的弱者の立場に立つことを鮮明にしている人。到底、自ら国政に出ようというタイプには見えなかったが、この人が選挙に出るなら、なるほどよい候補者だ。人当たりが柔らかで、誰の意見にも穏やかに耳を傾ける。何よりも声がよい。歯切れがよいし、滑舌が滑らかで聞きやすい。そして、話が分かりやすい。説得力がある。
 がんばれ、由良さん。がんばれ、和歌山野党共闘。
(引用終わり)

 そして、もう1人ご紹介するのは、フリージャーナリストの田中龍作さんです。田中さんは、ご自身のサイト「田中龍作ジャーナル」に取材活動の成果を掲載し、積極的な活動をされている方です。
 その田中さんが、公示後最初の取材地に和歌山を選び、昨日8時45分から南海和歌山市駅前で行われたゆらさんの出発式を取材し、その後、自民党の鶴保庸介氏による県庁前と和歌山市役所前での演説会を取材した結果を「田中龍作ジャーナル」に掲載されましたので、そのうちの末尾の部分を引用したいと思います。

(引用開始)
 若者、老人、障がい者、生活保護受給者が駆けつけてくる由良候補の出陣式と違い、鶴保氏を出迎えるのは権力の一翼を担う人々だった。
 6年前民主党候補として鶴保氏と戦い12万票もの差をつけられた島久美子氏が次のように語った。
 「当時自分がアリで相手がゾウだと感じた。由良さんはアリです。アリが塊となってゾウを足の裏からひっくり返そう」。
 塊となったアリが象を倒す戦いが日本中で始まった。
(引用終わり)

 島久美子さんが言われたとおり、私たちは小さなアリに過ぎません。けれども小さなアリでも、ゾウを倒すことは可能です。
 この闘いは絶対負ける訳にはいきません。団結して勝ち抜きましょう。よろしくお願いします。

ゆら演説会(有田教育会館) 

「2016参議院和歌山選挙区公開討論会」(6/20わかやま夢スクール実行委員会)動画を視聴してください

 今晩(2016年6月21日)配信した「メルマガ金原No.2494」を転載します。

「2016参議院和歌山選挙区公開討論会」(6/20わかやま夢スクール実行委員会)動画を視聴してください

 選挙の立候補予定者を招いた公開討論会というのは、今や決して珍しいものではなく、全国的には、青年会議所が中心になって呼びかけることが多いようです。
 今年の参議院議員選挙は、選挙権年齢が18歳以上に引き下げられた後、初めて行われる国政選挙ということで、公開討論会の運営に若者が参加する工夫を行うところが増えているようです。
 和歌山がまさにそうで、昨日(6月20日)の夜、岩出市の「ホテルいとう」で行われた「2016参議院和歌山選挙区公開討論会」(和歌山夢スクール実行委員会主催)は、粉河高校など出身の大学生らが作った「わかやま夢スクール実行委員会」が主催したもので、各候補者への質問項目も、高校生らの意見を取り入れるなどの工夫をこらしたそうです。
 広報用チラシから、文字データを引用します。

(引用開始)

2016
参議院和歌山選挙区
公開討論会
わかやま夢スクール

平成28年6月20日(月)
ホテルいとう(岩出市宮83)四階 鳳凰の間
開場 午後5時30分
開会 午後6時
閉会 午後8時

出演予定者
つるほ庸介
西本あつし
ゆら登信

内容
 
リンカーンフォーラム式(公開討論会を通じて政治家を選ぶというルールを日本に根付かせる実践運動と
ネットワーク創りを行っている)討論会
主催
わかやま夢スクール実行委員会
後援・賛同
公開討論会支援リンカーンフォーラム
日本青年会議所和歌山ブロック協議会
和歌山大学地域連携・生涯学習センター
呼びかけ団体
NPO法人わかやま市民自治ネットワーク
KOKO塾「まなびの郷」
粉河大学(KOKO塾をOB・OGがサポートする組織)
入場料
無料(予約不要)
事務局
和歌山市吉田787 郵政クラブ内 担当 橋本
電話073-431-2339 FAX 073-422-7868
(引用終わり)

 以上のとおり、つるほ庸介氏(自由民主党)、西本あつし氏(幸福実現党)、ゆら登信氏(無所属/市民連合わかやま等推薦)の3人全員が出席し、事前に主催者から提示されていた質問項目に答えていくというスタイルで行われました。
 当日会場で配布されたとおぼしい「予定質問事項」をブログにアップした人がおり、これを読むと、「発言時間各質問2分以内+補足説明2分以内 又は他候補予定者への質問1分以内 質問への受け答えは2分以内)というルールであったようです。
 
 それでは、公開討論会の動画がアップされていますので(小谷さん、ありがとうございます)、これを
紹介しつつ、各質問項目に対する各候補者の発言を視聴するための目安の時間を書き込んでおきますので、ご活用ください。
 
参議院議員和歌山選挙区公開討論会ー和歌山夢スクールー2016062011(1時間58分)

自己紹介を含めた所信表明
 7分~ 西本あつし氏
 9分~ つるほ庸介氏
 11分~ ゆら登信氏
質問1 若者にアピールする政策
 16分~ つるほ庸介氏
 18分~ ゆら登信氏
 20分~ 西本あつし氏
 23分~ ゆら登信氏(補足説明)
 25分~ つるほ庸介氏(補足説明・安保法制について)
質問2 政治不信を払しょくの具体的な政策 
 28分~ ゆら登信氏
 30分~ 西本あつし氏
 32分~ つるほ庸介氏
 34分~ ゆら登信氏(つるほ氏、西本氏に対する質問・企業献金について)
 35分~ つるほ庸介氏(ゆら氏の質問に対する回答)
 37分~ 西本あつし氏(ゆら氏の質問に対する回答)
質問3 安定して生活を継続していける制度・政策
 41分~ 西本あつし氏
 43分~ つるほ庸介氏
 45分~ ゆら登信氏
 47分~ 西本あつし氏(補足説明)
 49分~ ゆら登信氏(補足説明)
 51分~ つるほ庸介氏(補足説明)
質問4 奨学金(貸与制奨学金?)から給付金(給付制奨学金?)への移行するために若者として何をすべきか?
 54分~ つるほ庸介氏
 57分~ ゆら登信氏
 59分~ 西本つよし氏
 1時間02分~ ゆら登信氏(補足説明)
 1時間03分~ 西本あつし氏(補足説明)
 1時間06分~ つるほ庸介氏(補足説明)
質問5 若者の流出について
 1時間08分~ ゆら登信氏
 1時間10分~ 西本あつし氏
 1時間12分~ つるほ庸介氏
 1時間15分~ ゆら登信氏(補足説明)
 1時間17分~ 西本あつし氏(補足説明)
質問6 最も訴えたい政策
 1時間20分~ 西本あつし氏
 1時間23分~ つるほ庸介氏
 1時間25分~ ゆら登信氏
 1時間27分~ つるほ庸介氏(補足説明)
 1時間30分~ 西本あつし氏(補足説明)
 1時間32分~ ゆら登信氏(補足説明)
〇×問題
 1時間32分~ 「日米同盟は外交・防衛上で最も重要な関係である」
   〇 西本、つるほ
   × ゆら
 1時間35分~ 「国会議員は一人ひとり仕事を担っていると思うか」
   〇 西本、つるほ、ゆら
 1時間36分~ 「和歌山には大企業が必要だ」
   〇 西本、つるほ、ゆら
 1時間36分~ 「和歌山にもっと大学をつくらなければならない」
   〇 西本、つるほ、ゆら
 1時間37分~ 「公営のカジノは必要だ」
   × 西本、つるほ、ゆら
 1時間37分~ コメント つるほ庸介氏
 1時間38分~ コメント ゆら登信氏
 1時間39分~ コメント 西本あつし氏
〇×問題(会場のみなさまもご参加ください)
 1時間41分~ 「経済は回復傾向にある」
   〇 つるほ
   × 西本、ゆら
 1時間42分~ 「日本国憲法を見直す見直す時期だと考える」
   〇 西本、つるほ
   × ゆら
 1時間42分~ 「今の総理に良い印象を持っている」
   〇 つるほ
   × 西本、ゆら
 1時間43分~ 「国会議員の給料は多いと思う」
   〇 西本、ゆら
   × つるほ
 1時間44分~ コメント つるほ庸介氏
 1時間46分~ コメント ゆら登信氏
 1時間47分~ コメント 西本あつし氏
最後の感想
 1時間49分~ ゆら登信氏
 1時間51分~ 西本あつし氏
 1時間53分~ つるほ庸介氏

 棄権はせずに投票するつもりでいる人の中で、まだ誰に投票するかを決めていないというような人がはたしてどれほどいるのかよく分かりませんが(少なくとも、私の周囲にはそういう人はあまりいないもの
で)、最近は、案外そういう人もいるのかもしれないという気もしています。
 初めて選挙権を行使できることになった若者、あるいは、しばらく投票所から足が遠ざかっていた人たちの中で、投票に行こうと思うが誰に投票するか決めていないという人に、是非この公開討論会の動画を視聴して、自分の考えに最も近い候補を選び、棄権することなく投票して欲しいと切に願っています。
 この公開討論会を準備し、開催にこぎつけた「わかやま夢スクール実行委員会」の皆さんに、心から感謝したいと思います。

 なお、付言すると、私自身がこの3人のうちの誰の意見に最も共感しているかということは、それをよく知っている人に対しては、あえて書く必要もないことですし、知らない人に対しては、余計な先入観なく、この公開討論に耳を傾けていただきたいと思っていますので、この動画を視聴した上での私の感想は、あえてここには書かないことにしました(他の機会には大いに書くかもしれませんが)。

(参考記事)

インターネット選挙運動のすすめ~参院選公示まであと2日

 今晩(2016年6月20日)配信した「メルマガ金原No.2493」を転載します。

インターネット選挙運動のすすめ~参院選公示まであと2日

 参院選公示まであと2日、立候補予定者やその事務所関係者はもちろんですが、これまで選挙に直接関わったことなど一度もないけれど、現在の日本の政治状況に強い危機感を抱き、自分に出来ることを是非やりたいと考えている市民が今までになく増えているという実感を、多くの人が感じているのではないでしょうか。

 ところで、今年の参議院議員選挙は、18歳、19歳の国民が選挙権を行使する初の国政選挙となる訳ですが、3年前の参議院議員選挙は、インターネット選挙運動が解禁された後、初めて実施される国政選挙でした。
 あれから3年、その間には2014年12月の衆議院総選挙も行われましたが、インターネット
が政治の流れを変えたという実例を、私たちはまだ持ち得ていないと言っても間違いではないでしょう。

 さて、いよいよ明後日から選挙運動突入です。
 3年前からインターネットによる選挙運動が解禁されたと言っても、インターネット媒体にも公職選挙法の選挙運動に関する規制は等しく適用されるのですから、インターネットだけ事前運動ができる・・・はずがありませんので、ご注意を。
 とりあえず、公示まであと2日、参考となるサイトでしっかり勉強した上で、合法的に何が出来るのかをよく見極めてください。
 インターネットによる選挙運動を解説したサイトは、探せば色々ありますが、最新のものとして(何しろ今日アップされました)、NPJ(News for the People in Japan)の特設ページ「選挙へ行こう~自民党改憲草案と参議院選挙@2016」に掲載された大城聡弁護士による論考をご紹介しておきます。

公職選挙法とインターネット ~新しい言論空間の誕生~
寄稿:大城聡(弁護士) 2016年6月20日

(抜粋引用開始)
1 インターネット選挙運動の解禁
 公職選挙法が改正され、前回の参議院議員選挙(2013年)からインターネットによる選挙運動が解禁され
ました。解禁前は、インターネットのホームページやブログなども「文書図画の頒布」(同法142条)にあた
ると解釈されて、選挙期間中の書き込み、更新が禁止されていました。
 しかし、公職選挙法の改正で、「インターネットを利用する方法による文書図画の頒布」は自由となり
ました(同法142条の3)。改正後は、インターネットによる選挙運動は原則自由です。
 実は、この法改正によって、選挙に関するインターネット上の言論(報道・評論)も実質的に自由に行えるようになりました。今回の参議院選挙では、選挙権年齢が18歳以上に引き下げられます。インターネットから情報を得ることが多い世代が、どのような情報に接して投票先を選ぶことになるのかは、民主主義
の未来にかかわる非常に重要な問題です。
 そこで、本稿では、公職選挙法とインターネットを利用した言論(報道・評論)がどのように自由になっ
たのか、その意義は何なのかを解説します。
2 実質的に禁止されていた選挙に関するインターネット上の言論
(略)
3 インターネットを利用するときの注意点
 公職選挙法は、候補者に対して悪質な誹謗中傷をする等表現の自由を濫用して選挙の公正を害すること
がないよう、インターネット等の適正な利用に努めなければならないと定めています(同法142条の7)。
 また、公職選挙法は、何人に対しても、署名運動の禁止(同法138条の2)、人気投票の公表の禁止(同法138条の3)を規定していますので、これらの禁止行為はインターネットを利用しても行うことはできません

 また、電子メールを利用する方法による選挙運動用文書図画については、候補者・政党等に限って頒布することができますが、候補者・政党等以外の一般有権者は引き続き禁止されていますので注意が必要で
す(公職選挙法142条の4第1項)。
 この他に、投票日当日は情報発信しないなど、候補者・政党以外の第三者が選挙運動をするときに守るべきルールを守れば、選挙期間中もインターネットで選挙について情報発信ができます。インターネット
選挙解禁の法改正は、選挙運動だけではなく、選挙に関する言論の自由の場も生み出したのです。
4 インターネット上に生まれた新しい言論空間
 選挙運動で、「清き一票のお願い」や「対立候補者への批判」という情報だけがインターネット上で溢
れても、有権者にとっては十分な判断材料があるとは言えません。むしろ、インターネット選挙解禁によって生まれた新しい言論空間には、これまでの選挙の常識であった「清き一票のお願い」、「対立候補者
への批判」からの脱却が期待されます。
 インターネットによってより多くの情報を知ることで、有権者はより賢く、より深く考えて、投票先を
決めることができるようになります。インターネット選挙解禁によって生まれた新しい言論空間は、民主主義の未来を左右する非常に重要なものです。
 インターネット上では、社会問題に取り組む様々な個人や団体が情報を発信しています。社会問題の解決には多くの場合、より有効な政策が必要です。社会問題と選挙を結びつけた情報があれば、自分の関心ある社会問題に関する情報を調べることで、政策から吟味して投票先を選ぶこともできるようになります。また、各候補者・政党の政策を比較、論評する情報があれば、投票先を選ぶ際の判断材料の一つとなります。選挙期間中に、新聞・テレビだけではなく、インターネットを利用してさまざまな情報に接するこ
とで、自分の一票をどのように使うか、より良く考えることができます。
 インターネット選挙解禁の真の効果があらわれるのは、これからです。選挙という民主主義の重要な機会に、良い情報を発信すること、そして、良い情報を受け取ること、その両方を私たち自身が行うことが、自分たちの社会を自ら責任を持って担っていくために必要なのです。インターネット選挙解禁は、新しい言論空間を生み出しました。それがより良い未来の選択につながるかどうか、その鍵は私たち自身が持
っているのです。
(引用終わり)
 
 なお、もっと詳細な情報が知りたい(そんな勉強をしている時間があるのか?という問題はありますが)という人のためには、総務省ホームページの選挙関連情報を集めているコーナーの中に「インターネット選挙運動の解禁に関する情報」というページがありますので、そこに集められた資料の中から、自分が知りたい情報が見つけやすいコンテンツを選んでアクセスすることをお奨めします。

 「インターネット選挙運動解禁(公職選挙法の一部を改正する法律)の概要」というPDFファイル21ページの説明資料がありますので、系統的に理解するためにはまずこれを読むべきなのでしょう。

 ただし、これではやや迂遠なので、もっと具体的なケースに即した解説が読みたいという人のためには、「改正公職選挙法(インターネット選挙運動解禁)ガイドライン/インターネット選挙運動等に関する各党協議会」(第1版:平成25年4月26日)が良いと思います。もっとも、PDFファイルで67ページもありますが、何も全部読む必要はありません。冒頭に、目次として様々な設問が掲載されていますので、自分の知りたい内容を目次で探し、該当ページの解説を読めば良いのです。

 例えば、「【問11】候補者・政党等以外の者は、SNSのユーザー間でやりとりするメッセージ機能を利用して選挙運動用文書図画を頒布することはできるか。また、当該選挙運動用文書図画がメッセージの受信者自身の電子メールアドレスに自動的に転送された場合、選挙運動用電子メールの送信主体の規制に違反したこととなるか。- 19 -」が知りたければ、19頁の解説を読んでみることになります。

(引用開始)
【答】
1 本改正では、「電子メール」を、特定電子メール法の定義を用いて、「SMTP方式又は電話番号方
式を使用した電気通信」としており(公職選挙法142条の3第1項、特定電子メール法2条1号)、これらの通信方式以外の通信方式を用いるもの、具体的には、フェイスブックやLINEなどSNSのユー
ザー間でやりとりするメッセージ機能は、「電子メール」ではなく、「ウェブサイト等」に含まれる。
 したがって、候補者・政党等以外の者も、SNSのユーザー間でやりとりするメッセージ機能を利用し
て選挙運動用文書図画を頒布することができる。
2 また、仮に、当該メッセージ機能を利用して頒布された選挙運動用文書図画が受信者自身の電子メールアドレスに自動的に転送された場合には、それはメッセージの受信者自身の設定によるものであり、メッセージの送信者があずかり知るところではないため、メッセージの送信者自身は、あくまで、ウェブサイト等を利用する方法により選挙運動用文書図画を頒布したものと評価され、送信主体の規制に違反した
こととはならない。
(引用終わり)
 
 ただ、このガイドラインが作られた時は、まだ選挙権は20歳以上の者しか行使できませんでしたので、18歳、19歳の者が、SNSを利用してどんなことが出来るのかがよく分かりません。
 それについては、総務省と文部科学省が共同で作った高校生向け副教材「私たちが拓く日本の未来」を紹介するコーナーからQ&Aに入っていくという方法があります。
 この冊子の「参考編 第1章 投票と選挙運動等についてのQ&A」を参考にしてください。
 例えば、こういうQ&Aなどが参考になるのではと思います。

(引用開始)
Q15 私は18歳です。今回の選挙で誰に投票しようかと,インターネットで候補者のホームページを調べてみたところ,○○さんの政策に最も共感しました。○○さんは,誠実で良さそうな人なので,SNSで○○さんのメッセージを広めようと思いました。こうしたインターネットを使った活動はできるのでしょう
か。また,こうしたインターネットを使った活動を行う場合に注意する点があれば教えてください。
 選挙運動は,選挙ごとに決められた選挙運動期間(選挙の公示日又は告示日に候補者が立候補の届出をした時から投票日の前日までの間)内にしか行うことができません。したがって,選挙運動期間内において,満18歳以上の者であれば,ホームページ,ツイッター,フェイスブック,LINEなどのウェブ
サイト等を利用する方法による選挙運動を行うことができます。
 例えば,次ページの図表のように,自分で選挙運動メッセージを掲示板・ブログなどに書き込んだり,他人の選挙運動の様子を動画共有サイトなどに投稿したり,他人の選挙運動メッセージをSNSなどで広
めることなどができます。
 ただし,ウェブサイト等を利用する方法による選挙運動を行う場合,電子メールアドレスやその他その人に連絡するために必要となる情報(ツイッターのユーザー名や返信用フォームのURL等)を表示することが義務付けられています。一方,電子メールを利用する選挙運動は,候補者や政党等のみに限られ,満18歳未満の者だけでなく,満18歳以上の者も行うことができないので注意が必要です。また,候補者や
政党等から来た選挙運動のための電子メールを他の選挙人に転送することも禁止されています。
(引用終わり)
 
 以上のアンサーの中で「電子メールアドレスやその他その人に連絡するために必要となる情報(ツイッターのユーザー名や返信用フォームのURL等)を表示することが義務付けられています。」という、いわゆる「表示義務」について、どの程度の表示をすれば義務を果たしたことになるのか気になると思いますので、先にご紹介した「ガイドライン」から該当部分を引用しましょう。
 
(引用開始)
【問19】 ウェブサイト等を利用する方法により選挙運動用・落選運動用文書図画を頒布する場合において、電子メールアドレス等をどこに表示すれば表示義務を果たしたことになるか。例えば、ウェブサイト、掲示板、ツイッター、フェイスブックの場合、どこに書けばよいのか、リンク先の記載でよいのか。
【答】
1 ウェブサイト等を利用する方法により選挙運動用・落選運動用文書図画を頒布するに当たっては、その者の電子メールアドレスその他のインターネット等を利用する方法によりその者に連絡をする際に必要となる情報が、当該文書図画に係る電気通信の受信をする者が使用する通信端末機器の映像面に正しく表示されるようにしなければならない(公職選挙法142条の3第3項、142条の5第1項)。
2 具体的には、例えば、ウェブサイト(いわゆるホームページ)の場合、全体が1つの文書図画と評価されるため、トップページに電子メールアドレス等を分かりやすく表示するのが原則である。
 ただし、そのウェブサイト中の「トップページに戻る」等のリンクを介して、又はブラウザの「戻る」機能を利用してトップページを表示させることができないページがある場合には、表示義務を課した趣旨から、その中に電子メールアドレス等を表示する必要がある。
3 掲示板の場合、1つ1つの書込みが「文書図画の頒布」と評価されるので、1つ1つの書込みの中に、電子メールアドレス等の連絡先情報を表示する必要がある。
 もっとも、掲示板に自らのIDやハンドルネームを記載し、当該記載に張られたリンク先のページに電子メールアドレス等の連絡先情報が記載されている場合には、表示義務を果たしていると考えられる。
4 ツイッターやフェイスブックの場合、投稿をすると、自動的に投稿者のユーザー名が表示され、かつ、ユーザー名によりその者に対し連絡が可能であるので、投稿の中身に電子メールアドレス等を記載していなくても、表示義務を果たしていると考えられる。
(引用終わり)

 調べてみれば、「こんなことも出来るのか!」という発見があるかもしれません。文明国の中で、日本ほど選挙運動が不自由な国はないと言われていますが、そういうがんじがらめの規制の中で、インターネットによる選挙運動は規制が非常に緩やかな方です(これが当たり前だと思いますが)。是非賢く活用しましょう。
 

(付録)
『この島~憲法9条のうた~』 作詞・作曲:からすのまさき 演奏:m&n

※“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama 2015”から

参院選公示前最後の日曜日(6/19)に行われた市民と野党による合同街頭演説会~東京有楽町&JR和歌山駅前

 今晩(2016年6月19日)配信した「メルマガ金原No.2492」を転載します。

参院選公示前最後の日曜日(6/19)に行われた市民と野党による合同街頭演説会~東京有楽町&JR和歌山駅前

 参院選公示前の最後の日曜日となった今日(6月19日)、おそらく全国各地で様々な陣営による街頭演説会が行われたことでしょうね。
 その中でも全国的な注目を集めたのは、東京有楽町で行われた市民連合(安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合)と4野党代表による街頭演説でしょう。
 いくつか動画がアップされていますが、その中から(「あえて」と言いたい)民進党公式チャンネルにアップされた動画をご紹介します。
 
民進党・野党4党首と市民連合による合同街頭説明会(東京) 2016年6月19日(26分)

冒頭~ 司会 奥田愛基さん(SEALDs)
22秒~ 山口二郎さん(立憲デモクラシーの会)
4分~ 吉田忠智さん(社会民主党党首)
9分~ 志位和夫さん(日本共産党委員長)
15分~ 岡田克也さん(民進党代表)
20分~ 溝井萌子さん(SEALDs)
24分~ 各党党首が手を繋いで共闘をアピール
※生活の党と山本太郎となかまたちの小沢一郎代表も登壇予定であったものの、不幸ごとがあり、やむなく欠席となったとのことでした。

 そして、同じく今日(6月19日)正午からJR和歌山駅前では、市民連合わかやまが擁立し、日本共産党、生活の党と山本太郎となかまたち、社会民主党が推薦する(順番はゆら事務所に張り出してある各党から届いた推薦書の日付順による)ゆら登信(たかのぶ)さんによる街頭演説会が行われました。
 まだ動画はアップされていないようなので、私がFacebookに投稿したレポートと写真の一部を引用します。その熱気を推測していただければ幸いです。
 なお、演説会が始まった時には結構強い雨が降っていたのですが、最後にゆらさん本人の演説が始まるころには、ほとんど雨も上がり、ゆらさんが「雨男」ではないことが実証されたと公式Facebookで強調されていました。
CIMG6184 本日(6月19日)JR和歌山駅前において、ゆら登信(たかのぶ)さんの街頭演説会が行われました。写真は、開始前、街宣車が駐まっている車道手前の新橘ビル(ゆらさんの法律事務所が入居している)の1階ロビーでの、街宣車で演説予定の弁士の皆さんの集合写真です。天候が良ければ、全員街宣車の上にあがっていただく予定だったのですが、あいにくの雨のため、それは危険ということで、代わりにロビーでの記念撮影となったものです。
 写真は、向かって右から、
渡辺義彦さん(元衆議院議員、生活の党と山本太郎となかまたち)
古梅敏彦さん(社会民主党和歌山県連常任幹事)
坂口多美子さん(日本共産党比例予定候補)
ゆら登信さん
島久美子さん(一般社団法人共助のまちづくり協会理事長)
豊田泰史さん(市民連合わかやま共同代表)
です。
 
CIMG6192 6月19日(日)正午からの街頭演説会。雨の中、近鉄百貨店側の歩道から多くの方が演説に耳を傾けていただきました。それにしても、1週間前の12日といい今日といい、何故和歌山駅前で大がかりな街頭演説会をやろうとすると雨が降るのか?(戦犯さがしが始まっているとかいないとか)。
 雨の中、ずっと司会を務めていただいたのは「安保関連法に反対するママの会@わかやま」の松永久視子さんでした。
 以下は、応援弁士の皆さんの写真です(登壇順)。
古梅敏彦さん(社会民主党和歌山県連常任幹事)
渡辺義彦さん(元衆議院議員、生活の党と山本太郎となかまたち)
馬場潔子さん(安保関連法に反対するママの会@わかやま)
島久美子さん(一般社団法人共助のまちづくり協会理事長、6年前の参院選和歌山県選挙区に民主党公認で立候補)
 なお、トップバッターの豊田泰史さん、2番手の坂口多美子さんについては、雨が激しく、申し訳ありませんが、新橘ビルの中で雨宿りしていたため、写真がありません。
 6月19日(日)正午からJR和歌山駅前で行われた、ゆら登信(たかのぶ)さんの街頭演説会に、小沢一郎さんから連帯のメッセージが寄せられ、司会の松永久視子さんから披露されました。以下に全文を書き写します。
(引用開始)
 いよいよ参議院議員選挙が近づいてまいりました。
 今度の選挙は、私ども野党にとりまして、政権交代への足掛かりとなる大変重要な選挙でございます。
 暴走する安倍政権を止めるため、国民の生活を守るため、今回の選挙は野党が一致結束して闘ってまい
ります。
 ここ和歌山においては、ゆら登信さんが立憲主義、民主主義を取り戻すべく立ち上がりました。
 和歌山から日本を変えるため、ゆら登信さんへ多大なるご支援を賜りますようお願い申し上げます。
 共に頑張りましょう。
 平成二十八年六月十九日
    生活の党と山本太郎となかまたち 代表 小沢一郎
(引用終わり)
 
CIMG6205 6月19日(日)正午からJR和歌山駅前で行われた、ゆら登信(たかのぶ)さんの街頭演説。応援弁士の皆さんのお話が全部終わった後、いよいよ「本人」というタスキをかけたゆらさんの登場です。
 なお、司会の松永さんだけではなく、自分の演説が終わった後も、島久美子さんは、ゆらさんが演説されている間、ずっとゆらさんの横で手を振っておられましたし、ご自分が街宣車に登る順番が来る前も、雨の中、街宣車の横に立って、ずっと手を振っておられました。さらに言えば、正午からの街頭演説が始まる前、「ママの会」や若者が街頭宣伝を行っていたのですが、そこでも島さんは、ゆらさんのパンフレットを道行く人に配ってくださっていました。島さんの“本気”には頭が下がります。6年前の参院選和歌山県選挙区に民主党公認で立候補し(この時は共産党公認候補も出ていました)、自民党現職に惜敗した島さんですが、その時に得た多くの有権者からの支持に対する決着を今こそつけるべき時だと腹をくくっておられるというのは、単なる私の憶測に過ぎません。
 ところで、肝心のゆらさんの演説ですが、堂に入ってきましたね。あとは、今日の渡辺義彦さんの演説なども参考にして、もっと短いフレーズで訴えるパターンも必要かなとは思いますが。
 
 有楽町と和歌山駅前の2箇所の街頭演説会をご紹介しました。あと3日で選挙戦に突入です。全国各地、それぞれ選挙区の事情は異なるでしょうが、最後まで悔いを残さぬように頑張りましょう。
 

(付録)
『この島~憲法9条のうた~』 作詞・作曲:からすのまさき 演奏:m&n

※“HAPPY BIRTHDAY 憲法 in Wakayama (2014)”から

CIMG6180 

市民連合リレートーク「市民がつくる新しい政治」(6/10)を視聴する~“対話”を進め広げるために

 今晩(2016年6月13日)配信した「メルマガ金原No.2486」を転載します。

市民連合リレートーク「市民がつくる新しい政治」(6/10)を視聴する~“対話”を進め広げるために

 いよいよ参議院議員通常選挙の投票日までちょうど1か月となった6月10日(金)、全電通会館ホールにおいて、市民連合(安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合)が主催するリレートーク「
市民がつくる新しい政治」が開かれました。
 東京でも全国でも、いささか行事疲れしているのか、この日の参加者も多くはなかったようですが、あと1か月、市民の間に「対話」を進め、広げて行くための貴重な素材を提供してくれる(佐藤学氏発言
)有意義なリレートークだったと思います。
 また、生まれて初めて選挙にかかわる人のための「公職選挙法入門」を竹内彰志弁護士が解説していま
すので(16分~)これも参考にしてください。
 以下に動画を視聴するための目安時間を書いておきますので、興味を引かれた発言者の分だけでも是非
視聴されるようお勧めします。
 例えば、日ごろ「野党がだらしない!」と思っている人は、まず中野晃一さんの発言(51分~)に耳を傾けられて
はどうでしょうか。
 また、SEALDsの千葉泰真さんが、パワーポイントを使って報告された「選挙を変える。市民が変える。~今年の選挙の光景をどのように変えるか~」も聞き応えがありますよ。
 
2016年6月10日 市民連合「市民がつくる新しい政治」リレートーク(2時間29分)

1分~ 開会挨拶 佐藤学さん(安全保障関連法に反対する学者の会)
7分~ 市民連合の取り組み方針の提起 山口二郎さん(立憲デモクラシーの会)
16分~ 公職選挙法について 竹内彰志さん(弁護士)
リレートーク
25分~ 大沢真理さん(安全保障関連法に反対する学者の会)
33分~ 菱山南帆子さん(総がかり行動実行委員会)
41分~ 町田ひろみさん(安保関連法に反対するママの会)
51分~ 中野晃一さん(立憲デモクラシーの会)
1時間01分~ 高野千春さん(SEALDs)
1時間08分~ 池田香代子さん(翻訳家)
1時間18分~ 斉藤凜さん(SEALDsKANSAI)
1時間25分~ 広渡清吾さん(安全保障関連法に反対する学者の会)
1時間35分~ 岡歩美さん(SEALDsTOKAI)
1時間45分~ 青井未帆さん(立憲デモクラシーの会)
1時間54分~ 「選挙を変える。市民が変える。」 千葉秦真さん(SEALDs)
2時間21分~ 閉会挨拶 福山真劫さん(総がかり行動実行委員会)
司会 
佐藤学さん(安全保障関連法に反対する学者の会)
長尾詩子さん(安保関連法に反対するママの会)

ゆら登信(たかのぶ)さん@和歌山が市民連合と関西市民連合から推薦を得ました

 今晩(2016年6月12日)配信した「メルマガ金原No.2485」を転載します。

ゆら登信(たかのぶ)さん@和歌山が市民連合と関西市民連合から推薦を得ました

 参院選の公示(6月22日)まであと10日と迫った今日(6月12日)午後3時30分から、JR和歌山駅前の新橘ビル8階A会議室において、和歌山県選挙区に立候補を予定するゆら登信(たかのぶ)さんと、市民連合(安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合)及び関西市民連合(安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める関西市民連合)との間で政策協定が調印され、ゆら登信さんが、市民連合及び関西市民連合の推薦候補となりました。
 それぞれの政策協定書の内容は以下のとおりです。
 
 安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合(以下、市民連合)は、「立憲主義、民主主義、平和主義の擁護と再生は、誰もが自由で尊厳あるくらしをおくるための前提となるものである。私たち市民連合は、安全保障関連法を廃止、立憲主義を回復し、自由な個人が相互の尊重のうえに持続可能な政治経済社会を構築する政治と政策の実現を志向するという理念の下、下記の3点を公約する「市民派・野党統一」候補を推薦し、市民連合推薦候補として全力で支援を行います。
公約1 安全保障関連法の廃止
公約2 立憲主義の回復(集団的自衛権行使容認の閣議決定の撤回を含む)
公約3 個人の尊厳を擁護する政治の実現
 なお、市民連合は、推薦候補に対し、公約3について、下記の政策志向の共有を要望します。
①格差・貧困の拡大や雇用の不安定化ではなく、公正な分配・再分配や労働条件にもとづく健全で持続可能な経済
②復古的な考えの押しつけを拒み、人権の尊重にもとづいたジェンダー平等や教育の実現
③マスコミや教育現場などにおける言論の自由の擁護
④沖縄の民意をふみにじる辺野古新基地建設の中止
⑤脱原発と再生可能エネルギーの振興
  
          安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合
 
 私は、市民連合の掲げる上記3点を2016年参議院選挙において公約します。
 市民連合の推薦を受け、当選したあかつきには、原則として任期満了まで特定政党に属さず、上記公約実現のため全力を挙げることを約束します。
          2016年6月12日
               由 良 登 信
(引用終わり)

安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める関西市民連合 政策協定書
(引用開始)
 「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める関西市民連合(以下関西市民連合)は、安保法制の廃止、立憲主義の回復、個人の尊厳を尊重する政治の実現を目指す立場から、下記の3点を公約する候補を関西市民連合推薦候補として全力で支援を行います。
                       記
一、安全保障関連法の廃止
二、立憲主義の回復(集団的自衛権行使容認の閣議決定の撤回)
三、個人の尊厳を擁護する政治の実現
(とりわけ憲法13条個人の尊重、第24条個人の尊厳の擁護に基づいた両性の本質的平等、第25条生存権、第26条教育権、第27、28条労働権の確立に向けて)

 
私は、関西市民連合の掲げる上記項目3点を2016年参議院選挙において公約します。
          2016年6月12日
               由 良 登 信
(引用終わり) 

 今日の協定調印式の司会進行は、いつものとおり(?)私が担当しました。
 時間配分の点を除けば、おおむね私が事前にお願いしたとおりに進行しましたので、今日の進行表を以下に引用しておきます。

開会 参加者の紹介
 司会・金原徹雄(市民連合わかやま、弁護士) 
挨拶・趣旨説明 豊田泰史氏(市民連合わかやま代表、弁護士)
政策協定書 調印
 ゆら氏が市民連合及び関西市民連合との協定書2通ずつに署名捺印
調印後 記念撮影
① 署名した者だけでまず撮影(市民連合、関西市民連合、5人全員)
② ママの会メンバーなど、応援隊の皆さんも加わって(ボードも持って)記念撮影
記者会見
(1)冒頭発言
 ① ゆら登信(たかのぶ)氏
 ② 西谷 修氏(市民連合、立憲デモクラシーの会呼びかけ人、立教大学特任教授)
 ③ 大野 至氏(関西市民連合、SEALDs KANSAI)
 ④ 堀内秀雄氏(ゆら登信応援隊(後援会)代表、和歌山大学元副学長・名誉教授)
 ⑤ 豊田泰史氏(市民連合わかやま代表、弁護士)
(2)質疑応答
終了後 記念撮影2
(5人全員が手をつないで健闘を誓い合う

 実は、午後4時30分から、会場の新橘ビル(このビルの中にゆらさんの法律事務所が入居しています)の前に停めた街宣車の上から街頭演説を行う予定となっており、記者からの質問の時間を15分は確保したいと考えていたので、冒頭発言は4時10分か15分には終わって欲しいなと思っていたのですが、西谷修教授以下、皆さん、今の危機的状況についての切実な認識を縷々述べられ、司会としても途中で発言をさえぎる訳にもいかず、内心「困ったなあ」と焦っていました。けれども、記者の方が気を利かせてくれたのか、質疑が5分で終了し、何とか、雨の中、駅前に集まってくださった多くの市民の皆さんをそれほど待たせずに済みました。
 西谷さん、大野さん、堀内さんから、いずれも力のこもったスピーチをいただいたのですが、詳しくはいずれ動画がアップされると思いますので、ブログには追加でご紹介できればと思います。
 ここでは1つだけ、西谷修先生の発言から印象に残ったお話をご紹介しておきます。

「和歌山では、民進党の推薦が得られていないということだけれど、東京に帰ったら、民進党に影響力があるという山口二郎(法政大学教授)に、『是非、和歌山に行ってくれ』と言うつもりです」

 ・・・是非期待して山口教授(立憲デモクラシーの会共同代表)の来県をお待ちしたいと思います。

(付言)
 言うまでもないと思いますが、市民連合との政策協定書は、ゆらさんが、市民主導の無所属候補なので、こういう内容となっていますが、民進党公認候補との政策協定では、公約3までであり、「なお、・・・」以下はないそうです。

(写真/記念写真2枚は西郷章さんが撮影したものを使わせていただきました。2通の協定書は原本のカラーコピーをスキャンしたものです。)
市民連合&関西市民連合と協定調印市民連合&関西市民連合と協定調印②市民連合協定書関西市民連合協定書
 

必読!市民連合から4野党への要望書(付・6/12に和歌山のゆら登信さんと市民連合が政策協定に調印します)

 今晩(2016年6月8日)配信した「メルマガ金原No.2481」を転載します。

必読!市民連合から4野党への要望書(付・6/12に和歌山のゆら登信さんと市民連合が政策協定に調印します)

 参院選の公示(6月22日)まであと2週間となりましたが、昨日(6月7日)、野党共闘のための大きな動きがありました。
 市民連合(安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合)から、民進党、日本共産党、社会民主党、生活の党と山本太郎となかまたちの野党4党に対し、「野党4党の政策に対する市民連合の要望書」が提出され、これに4党の党首(社民党は幹事長)が署名しました。
 以下に、要望書の全文を引用するとともに、共同記者会見の動画をご紹介します。

 これまで、その名のとおり、「安保法制の廃止と立憲主義の回復」を第一に主張してきた市民連合が、それ以外の政策ビジョンを具体的に明確にして野党4党に要望し、4党も「要望を受け止め」ることを約した意義は決して小さくないと思います。今はまだこれが「4党共通公約」とはなっていませんが、私たち市民の力で、事実上の4党共通公約化させるのが理想です。そして、とりわけ若い有権者に、このビジョンをどれだけ伝えられるか?1人1人が頑張るしかないですね。

 しかし、中央が共闘の姿勢を示しても、地方までその意思が貫徹されるのだろうか?という不安を抱える和歌山から眺めると、昨日の4党代表による署名と記者会見の様子は実に眩しいものがあります。
 
市民連合の政策要望書に対する野党4党代表と市民連合との共同記者会見 2016年6月7日(40分)

1分~ 司会 佐藤学氏(学者の会) 
1分~ 経過説明 山口二郎氏(立憲デモクラシーの会・学者の会)
4分~ 要望書の内容説明 諏訪原健氏(SEALDs)
8分~ 西郷南海子氏(安保関連法に反対するママの会)
11分~ 4党代表署名
14分~ 岡田克也氏(民進党代表)
16分~ 志位和夫氏(日本共産党委員長)
19分~ 又市征治氏(社会民主党幹事長) 
21分~ 小沢一郎氏(生活の党代表)
23分~ 記念撮影
26分~ 記者会見
 
野党4党の政策に対する市民連合の要望書
(引用開始)
 来る参議院選挙において、以下の政策を掲げ、その実現に努めるよう野党4党に要望します。

I 安全保障関連法の廃止と立憲主義の回復(集団的自衛権行使容認の閣議決定の撤回を含む)を実現すること、そのための最低限の前提として、参議院において与党および改憲勢力が3分の2の議席を獲得し、憲法改正へと動くことを何としても阻止することを望みます。

 上記のIに加えて、市民連合は、個人の尊厳の擁護を実現する政治を求める市民連合として、以下のⅡをすべての野党が実現するよう要望します。

Ⅱ すべての国民の個人の尊厳を無条件で尊重し、これまでの政策的支援からこぼれおちていた若者と女性も含めて、公正で持続可能な社会と経済をつくるための機会を保障することを望みます。
 日本社会における格差は、もはや経済成長の阻害要因となっています。公正な分配・再分配や労働条件を実現し、格差や貧困を解消することこそが、生活者の購買力を高め、健全な需要を喚起し、持続可能な経済成長を可能にします。
 誰もが自由で尊厳ある暮らしを送ることができる公正で健全な社会モデルへの転換を図るために、格差のひずみがとりわけ集中してきた若者や女性に対する差別の撤廃から、真っ先に着手していく必要があります。

1.子どもや若者が、人生のスタートで「格差の壁」に直面するようでは、日本の未来は描けません。格差を解消するために、以下の政策を実現することを望みます。
 保育の質の向上と拡充、保育士の待遇の大幅改善、高校完全無償化、給付制奨学金・奨学金債務の減免、正規・非正規の均等待遇、同一価値労働同一賃金、最低賃金を1,000円以上に引き上げ、若いカップル・家族のためのセーフティネットとしての公共住宅の拡大、公職選挙法の改正(被選挙権年齢の引き下げ、市民に開かれた選挙のための抜本的見直し)
2.女性が、個人としてリスペクト(尊重)される。いまどき当たり前だと思います。女性の尊厳と機会を保障するために、以下の政策を実現することを望みます。
 女性に対する雇用差別の撤廃、男女賃金格差の是正、選択的夫婦別姓の実現、国と地方議会における議員の男女同数を目指すこと、包括的な性暴力禁止法と性暴力被害者支援法の制定
3.特権的な富裕層のためのマネーゲームではダメ、社会基盤が守られてこそ持続的な経済成長は可能になります。そのために、以下の政策を実現することを望みます。
 貧困の解消、累進所得税、法人課税、資産課税のバランスの回復による公正な税制の実現(タックスヘイブン対策を含む)、今回のTPP合意反対、被災地復興支援、沖縄の民意を無視した辺野古新基地建設の中止、原発に依存しない社会の実現へ向けた地域分散型エネルギーの推進

  2016年6月7日

 私たちは、以上の政策の実現のために、参議院選挙での野党の勝利に向けて、各党とともに全力で戦います。

安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合(呼びかけ5団体有志)
戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」有志:高田健、福山真劫、小田川義和
SEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動)有志:奥田愛基、諏訪原健
安全保障関連法に反対する学者の会有志:広渡清吾、佐藤学
立憲デモクラシーの会有志:山口二郎、中野晃一、青井未帆
安保関連法に反対するママの会有志:西郷南海子、町田ひろみ、長尾詩子
 
 上記要望を受け止め、参議院選挙勝利に向けて、ともに全力で戦います。

民進党代表 岡田克也
日本共産党委員長 志位和夫
社会民主党党首(吉田忠智) 又市征治 ※吉田党首からは後日ご署名いただきます。
生活の党と山本太郎と仲間たち代表 小沢一郎

(引用終わり)

 ところで、市民連合は、中央での野党4党への働きかけと並行して、特に32の1人区における野党統一候補との間で積極的に政策協定を締結し、独自に「推薦」を行ってきました。
 けれども、私の地元・和歌山県選挙区では、市民連合わかやまが、弁護士のゆら登信(たかのぶ)氏を推薦し、野党各党にも推薦を要請した結果、日本共産党、生活の党と山本太郎となかまたち、社会民主党の3党からは推薦を得たものの、民進党は、独自候補を下ろす(衆院選和歌山2区に転身させる)という事実上の協力を行いながら、かたくなにゆら氏を推薦しないという態度をとり続けており、4党間の選挙協力未成立ということで、市民連合の一人区マップでは、香川、佐賀とともに、最後まで「共闘の兆し」(黄色)に分類されていたのですが、気がついてみると、いつのまにか「統一候補決定」に昇格(?)していました。
 おそらく市民連合としても、「これ以上待てない」と見切ったのでしょう。

 ということで、来る6月12日(日)午後3時30分から、ゆら登信(たかのぶ)氏と市民連合との間で政策協定が調印されることになり、市民連合からは、立憲デモクラシーの会呼びかけ人でもある西谷修さん(立教大学特任教授)が和歌山まで来てくださることになりました。
 さらに、同日午後4時30分から、調印式に出席した皆さんが、JR和歌山駅前で、街頭報告演説会を行うことが予定されていますので、和歌山の皆さん、12日(日)は是非和歌山駅前(正面西口側)に集まってください。
 以下に、政策協定調印式・記者会見・街頭報告演説会を案内するために昨日発信したプレスリリースの本文を引用しておきます。なお、発信者は市民連合わかやまです。

(引用開始)
 私たち「市民連合わかやま」(安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合わかやま)が、来たるべき参議院選挙和歌山県選挙区において、与党候補に対抗できる統一候補として、ゆら登信(たかのぶ)氏を推薦し、その後、社会民主党、日本共産党、生活の党と山本太郎となかまたちの3党からもご推薦いただいたことは、皆さまご承知のとおりです。
 そして、このたび、「野党共闘」実現を精力的に呼びかけてきた「市民連合(安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合)」とゆら登信(たかのぶ)氏が政策協定を結び、「市民連合」としてゆら氏を推薦いただける運びとなり、以下のとおり調印式を行い(公開)、引き続き記者会見を行いますので、取材方を何卒よろしくお願い致します。
                     記
日 時 2016年6月12日(日)午後3時30分~
場 所 新橘ビル 8階 A会議室(JR和歌山駅前)
      和歌山市美園町5-1-2
出席者(予定)
 ゆら登信(たかのぶ)氏
 西谷 修氏(立教大学特任教授、市民連合、立憲デモクラシーの会呼びかけ人)
 大野 至氏(関西市民連合、SEALDs KANSAI)
 豊田泰史 市民連合わかやま代表
 ほか
備 考 
 上記政策協定調印式・記者会見に引き続き、午後4時30分ころより、JR和歌山駅前付近において、上記出席予定者による街頭報告演説会を行う予定ですので、こちらの方も取材をよろしくお願いします。
(引用終わり)
 

18歳選挙権行使を前に~「18歳のためのレッスン」と「選挙に行かない男と、付き合ってはいけない5つの理由」のご紹介

 今晩(2016年5月31日)配信した「メルマガ金原No.2473」を転載します。

18歳選挙権行使を前に~「18歳のためのレッスン」と「選挙に行かない男と、付き合ってはいけない5つの理由」のご紹介

 「デモクラTV+映像ドキュメント.com」共同企画による「18歳のためのレッスン」という対話
シリーズがネット上で公開されています。
 昨年(2015年)8月に第1回の小森陽一さん(東京大学教授、「九条の会」事務局長)の回を公開するに際し、映像ドキュメント.comに以下のようなコメントが掲載されました。
 
「来年の参議院選から選挙権が18歳に引き下げられるのを機に、若い人たちと昨今の安倍政治に対抗するメッセージを発信していこうということで始めた企画の第1回(デモクラTVとの共同企画で月1回の予定)。」

 その後、回を重ねて既に10本がアップされており(原則各回60分)、初めて18歳、19歳の若者が選挙権を行使する国政選挙(第24回参議院議員通常選挙)の公示まであと1ヶ月を切ったこの時期に、
まとめてご紹介することとしました。
 18歳、19歳に限りませんが、若い人々がこれらの動画の1つだけでも視聴する気になるためのきっかけになれば嬉しいのですが。
 
 なお、以下には、映像ドキュメント.comがYouTubeにアップした動画とその解説を引用しますが、デモクラTVからも、アーカイブの動画や音声を視聴することができます。

18歳のためのレッスン1 小森陽一さんとSEALDsメンバー 安保法制と憲法

 来年の参議院選から選挙権が18歳に引き下げられるのを機に、若い人たちと昨今の安倍政治に対抗す
るメッセージを発信していこうということで始めた企画の第1回(デモクラTVとの共同企画で月1回の予
定)。
 今回は安保法制と憲法をテーマに、小森陽一(九条の会事務局長)さんが問題提起、SEALDs(シールズ
、自由と民主主義のための学生緊急行動)にかかわる学生たちと討論した。
 小森陽一さんは、なぜ安倍政権が憲法違反と言われようとがむしゃらに安保法制を押し通そうとしているのか、その歴史的経緯について説明。学生たちは、安倍政治に対し声をあげるなかで思ったこと、考え
たことなどを語り、話しあった。
 学生たちの発言はそれぞれにおもしろかったのだけどひとつだけ、「政治学とか難しいことはわからな
くても、まともに普通に考えれば、いま起こっていることはおかしい」。
 今後に向けては戦略的投票の有効性が話題になった。
内容
1.小森陽一さんの問題提起
2.シールズ(SEALDs)メンバー4人との討論
3.4人による「18歳の弟妹へのメッセージ」
 
18歳のためのレッスン2 樋口陽一さんとSEALDsメンバー 立憲主義と安保法制

 「立憲主義と安保法制」と題し、憲法学者樋口陽一さんとシールズのメンバーによる“白熱ゼミ”。
 学生たちは「国会前デモは、動員されたものではない」、「過去の戦争を総括できない安倍首相が憲法
違反の安保法案を出すのは信じられない」、「『民主主義って何だ』という問いに、はじめは『何だ』と問いかけていたが、今では自分たちが民主主義の主体として自覚したことを意味する『これだ』と応答す
るようになった」などと発言。
 それをうけて憲法学者樋口陽一さんは、「2012年の自民党憲法草案は江戸時代の御触書のように命令調のものである」、「民意を尊重するという名目で96条改憲をねらったが“裏口入学”と言われてひっこめたが、今度は民意を無視して閣議決定を行った」と指摘。「アベノミクスでごまかした衆議院選挙で勝利し、後はやりたい放題。『必要は方法を生む』の言葉のとおり、法の安定性を欠いたままである」、「アメリカがやってきた朝鮮戦争、アフガン戦争、イラク戦争などについてまともな報告書もない。1
931~45年の戦争についての総括もない」と安倍政権の民主主義の否定を批判した。
 そして、戦前の竹越與三郎の『人生讀本』の“虚偽の愛国心”を紹介し、真実を述べることこそ真の愛
国心だと語った。
 学生の一人は、18歳の“弟妹へのメッセージ”として「来年から手にする選挙権は何億円積まれても価値がある」と述べた。

18歳のためのレッスン3 高橋哲哉さんと学生 沖縄米軍基地と日米安保条約 v.2

 日本人の9割近くが在日米軍基地を認める「日米安保条約」を支持。しかし、米軍基地は7割以上が沖
縄に集中。これは本土の沖縄に対する差別ではないのか。琉球処分以来の「植民地支配」の継続ではない
のか。哲学者高橋哲哉さんは問う。
 いま多くの人が集団的自衛権にかかわる「安保法制」に反対しながら、他方でその出発点に位置する「日米安保条約」を支持している。この矛盾を解決するには、本土が沖縄の基地を「応分に」引き受けなけ
ればならない。そのとき、私たちは何を考え始めるのか。
 護憲派が6割に達し、「安保法制」反対が多数になったいま、安倍政権は、沖縄の民意に耳を傾けず、辺野古埋め立てを強行しようとしている。そんなときだから「日米安保条約」を考え直すチャンスなのではないのか。

18歳のためのレッスン4 西谷修さんと学生 ほんとうの戦争の話をしようか v.2

 「きょうは戦争の話をしようと思う」ということではじまった18歳のレッスン第4回。講師は西谷修
さん(フランス文学・思想、立教大学大学院特任教授)。
 「人間は昔から戦争をやってきた」というときの戦争がどういうものだったのかにはじまり、戦争の内
実が時代とともにいかに変わってきたかを語り、そしてたどり着いた21世紀の戦争=「テロとの戦争」の内実へと話は進展した。
 悪ではなかった戦争(主権国家にとって戦争は権利であった)が悪となり戦争が正当化できなくなっていった経緯や、国家間戦争が無効になって現在の「テロとの戦争」につながっていく話はわかりやすく、
じっくり耳を傾けていただければと思う。
 質疑では、安倍首相の「テロリストには屈しない」という発言や中国との関係、靖国神社をどうとらえるか、戦争の民営化、国家と企業の逆転といった話題が出て、この日本で人が生きていくためには政治を取り戻すこと、私たちが動くことで政治を再稼働させることの重要性が語られた。

18歳のためのレッスン5 小林節さんと学生 安全保障法は違憲だ!

 人は幸福を求めて生きているというところから話ははじまった。政府の仕事とは、人が幸福を求めて生
きる社会のなかで(ぶつかるときもあるので利害を調整して)我々を幸福に導く環境を整えること。その要素は、より自由であること、より豊かであること、より平和であることの3つ。いわば政府は幸福の環境を整えるサービス機関。憲法はその設計図にあたるもので、主権者である私たちが任期つきで権力を預
けるためのもの──と小林さん。
 ところが安倍内閣は、憲法に書かれていること(具体的には9条、96条、99条)を破り、議会制民
主主義すら実質的に否定した。こういう違憲政府は退場させなくてはならない。
 きたる7月の参議院選挙が重要。安倍内閣の憲法悪事に市民が気づきはじめるなか、眠っていた浮動票が起きて風をつくれば、まっとうな政権交代が起きる。32ある一人区で野党が統一候補をたて20勝てばそれは可能になる。憲法を守らない政治家は躾け直され、私たち主権者の側も憲法をたてに政府を監視
する主としての感覚がよみがえってくるのではないか、と話を締めくくった。
 学生たちとの質疑応答では、かつてはつきあいがあった自民党の改憲論者との議論がどうだったかを語り、いまは憲法の条文を語ることより立憲主義を定着させることの方が重要だと考えるようになったと心境を語った。

18歳のためのレッスン6 浜矩子さんと若者たち グローバル市民の声が聞こえる!

 アベノミクスをアホノミクスと言い換えた浜矩子(同志社大学大学院教授)さんが、今度はグローバル
資本主義の「シ・ホ・ン」を「シ・ミ・ン」と置き換えて、「グローバル市民主義」というキーワードを
創りました。
 安保法案に反対して国会前に集まったいろんな人々は、国境なき時代の自由な市民、「グローバル市民」です。浜さんの換喩はとどまるところを知らず、Joe Southの「おれの靴で歩いてみなよ、1マイル(Walk a mile in my shoes)」という歌が、「あんたの靴で歩いてみよう、1マイル」と読み換えられます。他人の痛みがわかる落語の登場人物の気分でしょうか。「グローバル市民」は「グローバル長屋の住
民たち」と呼べば、ぐっと身近に見えてきませんか。
 経済は、どんな形状をしているでしょうか?浜さんは3つの三角形で説明します。
 ①成長・競争・分配 ②地球・国家・地域 ③ヒト・モノ・カネ
 ヒトはずっと経済生活を続けています。その経済が、とめどない欲望や、かぎりない収奪のためだけなら、ヒトはとっくに経済なんか捨てているでしょう。結局、ヒトのためにならない経済なんて、経済じゃ
ないんです。「分配と地域とヒト」、これがグローバル市民主義の基底なのです。
 いま、世界中で若者たちが「再分配」を求めて立ち上がっています。“わたしたちはあきらめない!”、“On Lache Rien!”、“We Are 99%!” etc。18歳のみなさんも、すでにグローバル市民の一員ですよ。

18歳のためのレッスン7 前田哲男さんと若者たち ガイドラインから〈戦争法〉を見直す

 18歳のためのレッスン第7回はジャーナリストで軍事評論家の前田哲男さんを招いて、日米安保、そ
してガイドライン(日米防衛協力のための指針)から見た〈戦争法〉について語ってもらった。
 日米の軍人同士で進められてきた防衛協力のガイドラインが、いまや憲法の制約を無視し、安保条約す
ら乗り越えてしまった事実。
 それを裏付けるために〈戦争法〉がつくられ実行に移されようとしていること。
 これに対抗するにはどうしたらいいのか。
 中国脅威論や北朝鮮脅威論が漠然と広がるなか、私たちが考えるべき安全保障政策とは。威嚇と対立、軍拡の応酬ではない安全保障について話はおよんだ。

18歳のためのレッスン8 ジャン・ユンカーマンさんと若者たち 沖縄戦は終わっていない


 ジャン・ユンカーマン監督のドキュメンタリー『沖縄 うりずんの雨』は、国内で上映され大きな反響と
数々の賞を受けました。このドキュメン-タリーは、4月から「平和のための元軍人会」(Veterans For Peace)の協力で、アメリカでの上映運動が始まります。
 沖縄の人々は太平洋戦争末期に「本土」の捨て石とされ、例を見ない悲惨な地上戦を経験しました。戦後、アメリカは沖縄を「戦利品」(the Spoils of War)として占領を開始し、本土復帰後も広い範囲を基地として使用し続けています。日本政府はそれらに「思いやり予算」(Host Country Contribution)までつけています。さらに、日米政府は普天間基地返還の代替地として辺野古沖に新基地建設を強行しようと
しています。沖縄の人々はこうした状況そのものを「差別」と受けとめています。
 「戦利品」と「差別」の交差するところに今の沖縄はあります。ユンカーマン監督は、沖縄に対する責
任は、日米両政府と両国市民にあると指摘します。
 第8回レッスンは、ドキュメンタリー『沖縄 うりずんの雨』にそってユンカーマンさんの戦争に対する考えを聞き、若者たちが質問し討議をします。それを18歳へのメッセージとし、最後に「命(ぬち)どぅ宝 / 命こそ宝」という沖縄の文化が日米の市民に共有されることを願う監督のメッセージが語られます。

18歳のためのレッスン9  澤地久枝さんと若者たち アベ政治を許さない v.2

 ノンフィクション作家澤地久枝さん(85歳)が、孫より若い人たちと対話しました。
 今回のレッスンで、澤地さんは、アフガニスタンで用水建設に献身する医師中村哲さんの非軍事の思想
と行動を紹介し、昭和史の専門家として、日本がなぜ15年ものあいだ無謀な戦争を続けたのかを振り返り、今、アベ政治のもとで進む貧困・格差とテロの連鎖にふれて、「九条精神」の新しさを熱っぽく語り
ました。
 それに対して、若者たちが一つ一つ言葉を選んで真剣に応えました。
(澤地さんたちは、毎月3日、全国一斉に「アベ政治を許さない」というポスターを掲げ、新しい市民運
動を続けています)
アベ政治を許さない

18歳のためのレッスン10 山田厚史さんと若者たち 現代の貧困・格差

 18歳選挙が始まります。安保、原発、沖縄基地などと並んで若者たちの未来に「貧困・格差」の暗雲が漂っています。経済のグローバル化の名のもとに貧困・格差が社会のあちこちに現れています。金融と財政を操る政治家と経済人は、社会的資本(道路、交通などのインフラ+教育・医療制度+空気・海・山・川などの自然資源)を破壊して顧みず、子ども、若者、シングルマザー、老人などを貧困の淵に押しや
っています。18歳以上に選挙権が引き下げられた今、若者たちに未来は託されているのです。
 デモクラTV代表(元朝日新聞経済部記者)山田厚史さんと若者たちが、「現代の貧困・格差」について語りあいました。

(番外編/選挙に行かない男と、付き合ってはいけない5つの理由)
 「18歳のためのレッスン」番外編として、選挙の季節がめぐってくるたびに思い出す名文「選挙に行
かない男と、付き合ってはいけない5つの理由」(駒崎弘樹氏)をあらためてご紹介しておきます。
 「病児保育のNPO法人フローレンス代表 駒崎弘樹のblog」に掲載されたオリジナルがこちら
 より多くの人が目にしたであろうBLOGOSに転載された方がこちらです。
 このブログが書かれた2012年12月15日というのは、日本の政治が「暗転」した
第46回衆議院総選挙投票日の前日でした。
 2009年の政権交代選挙で投票権を行使した有権者が7000万人以上。これに対して2012年衆院選挙で投票所に足を運んだ者は約6000万人。2014年衆院選挙ではさらに5300万人にまで落
ち込み、これが自民・公明の与党に過大な議席を与え続けている主要な原因となっています。
 「選挙に行かない男と、付き合ってはいけない5つの理由」に共感し、実践する若き女性たちが1人でも多からんことを!

ゆら登信(たかのぶ)さんが野党3党の推薦を得て事務所開きを行いました@和歌山

 今晩(2016年5月18日)配信した「メルマガ金原No.2460」を転載します。

ゆら登信(たかのぶ)さんが野党3党の推薦を得て事務所開きを行いました@和歌山

 市民連合わかやま(安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合わかやま)の広報係といっていいのかどうか、何となくそういう役回りになっている私としては、今日5月18日は1つの節目の日として、皆さんにご報告すべきことがいくつかあります。
 去る5月6日に市民連合わかやまは、弁護士のゆら登信(たかのぶ)さんとの間で政策協定を締結し、7月の参院選和歌山県選挙区に同氏を擁立し、全力で支援することになったということは、既に本メルマガ(ブログ)でご紹介してきたとおりです。
 

 そして、本日(5月18日)、大きな動きが2つありました。いずれも、私が報道機関プレスリリースを送っていますので、それを引用してご紹介に代えたいと思います。
 まず、本日午後1時から和歌山県庁内の県政記者室で行った、ゆら氏に対する政党推薦を報告するための記者会見です。
 
(プレスリリースから引用開始)
 私たち「市民連合わかやま」(安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合わかやま)は、去る5月6日、弁護士のゆら登信(たかのぶ)氏との間で政策協定を結び、来るべき参院選和歌山県選挙区において与党候補に対抗できる統一候補として同氏を推薦し、全力で支援することを決定しました。
 また、かねてより同氏への推薦を要請していた県内各野党の内、このたび、日本共産党和歌山県委員会及び社会民主党和歌山県連合とゆら登信氏及び当市民連合わかやまとの間において政策協定を締結し、ゆら氏をご推薦いただける運びとなりました。
 つきましては、下記日程にて、両党から推薦を得たことをお知らせするための記者会見を開催することとなりましたので、ご案内致します。
                  記
日時 2016年5月18日(水)午後1時00分~
場所 和歌山県庁内県政記者室
出席者 ゆら登信弁護士、豊田泰史市民連合わかやま代表、日本共産党和歌山県委員会、社会民主党和歌山県連合
備考 県政記者室加盟社以外のメディアによる取材の可否は、県政記者室まで直接お問い合わせください。
(引用終わり)

 私は、仕事のために記者会見に同席することはできませんでしたが、その席で配布された「政策協定書」の写しは入手しましたので、その全文を以下に引用します。
 内容は、去る5月6日の市民連合わかやまとゆら氏との協定書と同一です。

(引用開始)
                 
政  策  協  定  書
 2016年7月予定の参議院選挙和歌山選挙区において、安保法制の廃止と立憲主義の回復、戦争する国づくりをすすめる安倍政権の暴走を阻止するため、下記の基本政策で合意し、勝利するために全力をあげます。
                          記
       1 憲法違反の安保関連法(戦争法)の廃止
       2 集団的自衛権行使容認の閣議決定の撤回
       3 日本の政治に立憲主義と民主主義を取り戻す
                                    2016年5月16日
  参議院和歌山選挙区立候補予定者
         由 良 登 信
  安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合わかやま
    代表  豊 田 泰 史
  社会民主党和歌山県連合
    代表  野見山   海
  日本共産党和歌山県委員会
    委員長 下 門   力
(引用終わり)

 記者会見の模様は、和歌山放送ニュースが報道しています。
 
和歌山放送ニュース 2016年05月18日 18時16分 
市民連合の由良登信氏を共産・社民・生活が推薦

(引用開始)
 この夏の参議院選挙・和歌山県選挙区で、市民団体「市民連合わかやま」から、野党統一候補として擁立する新人で弁護士の由良登信(ゆら・たかのぶ)氏について、きょう(18日)までに共産・社民・生活の野党3党が推薦することを決めました。
 共産党県委員会と社民党県連、それに市民連合わかやまは、おととい(16日)安保関連法案の廃止と、集団的自衛権行使を容認する閣議決定の撤回、立憲主義と民主主義を取り戻すことの3点を柱とする政策協定を由良氏と結び、推薦することになりました。
 また、市民連合わかやまが今月(5月)6日に推薦を依頼していた「生活の党と山本太郎となかまたち」も、きょう党本部から「推薦状を送った」と連絡があり、これで、民進党を除く野党3党が統一候補として推薦することになりました。
 由良氏と市民連合わかやまの豊田泰史(とよだ・やすふみ)代表、共産党県委員会の下角力(しもかど・つとむ)委員長の3人は、きょう午後、和歌山県庁で記者会見し、豊田代表と下角委員長は「暴走を続ける安倍政権に歯止めを掛けるべく、政策協定を結び、由良氏を統一候補として擁立出来ることを大変喜んでいる」と述べ、推薦に消極的な姿勢を示す民進党に対しては「選挙区候補を転戦させたことで協力を得られたと考えているが、引き続き、県連の岸本周平(きしもと・しゅうへい)代表に働きかけていく」と話しました。
 この夏の参議院選挙の和歌山県選挙区には由良氏のほかに、自民党の現職・鶴保庸介(つるほ・ようすけ)氏と、幸福実現党の新人で党県本部副代表の西本篤(にしもと・あつし)氏が立候補を表明しています。
(引用終わり)
 
 午後1時からの記者会見から少し経った夕刻6時から、南海和歌山市駅前の一角で、ゆら登信(たかのぶ)さんの「事務所開き」が行われました。
 これについても、私が報道機関に送ったプレスリリースを引用します。

(プレスリリースから引用開始)
 私たち「市民連合わかやま」(安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合わかやま)は、来るべき参院選和歌山県選挙区に、与党候補に対抗できる統一候補を擁立すべく努力を重ねた結果、去る5月6日、弁護士のゆら登信(たかのぶ)氏との間において、①憲法違反の安保関連法の廃止、②集団的自衛権行使容認の閣議決定の撤回、③日本の政治に立憲主義と民主主義を取り戻すことを内容とする政策協定を締結することができました。
 そして、ゆら登信(たかのぶ)氏の信念や政策を県民に広く知っていただくための活動拠点となる事務所を南海和歌山市駅前に開設し、下記日程にて、事務所開きを行いますのでご案内申し上げます。
                  記
日時 2016年5月18日(水)午後6時00分~
場所 和歌山市杉の馬場2丁目81 厚仁ビル1階(〒640-8212)
     TEL:073-428-7300 FAX:073-428-7301
出席者 ゆら登信弁護士、豊田泰史市民連合わかやま代表ほか
備考 事務所が大変手狭なためご迷惑をおかけすることがあるかと存じますが、何卒ご容赦ください。
(引用終わり)
 
CIMG5956 リリースにも書いたとおり、南海和歌山市駅のすぐ前の角地に立つビルの1階で、場所的には非常に分かりやすく、立地条件は良好である代わり、狭いことは否めません。市民からのカンパによって運営せざるを得ないのだから、贅沢は言っていられませんしね。

 6時から始まった「事務所開き」は、芝野友樹弁護士の司会のもと、スムースかつ和やかな、ゆらさんの人柄にふさわしい雰囲気で進行し、約30分でとどこおりなく終了しました。
 式次第代わりに、発言された方のお名前をご紹介します。

司会 芝野友樹さん(弁護士)
挨拶 豊田泰史さん(市民連合わかやま代表、弁護士)
※以上のお2人の写真は、私のFacebookアルバム「ゆら登信(たかのぶ)さん『事務所開き』1」をご覧ください。
 
応援スピーチ
 坂口多美子さん(日本共産党和歌山県委員会)
 東山昭久さん(社会民主党和歌山県連合)
 多田さん(安保関連法に反対するママの会@わかやま)
応援メッセージ朗読
 花田惠子さん(9条ネットわかやま共同代表)
が、小沢一郎さん(生活の党と山本太郎となかまたち代表)と島久美子さん(6年前の参院選和歌山県選挙区に民主党公認で出馬して自民党現職と闘い惜敗)から寄せられたメッセージを紹介してくださいました。
※以上の皆さんの写真は、私のFacebookアルバム「ゆら登信(たかのぶ)さん『事務所開き』2」をご覧ください。
 それにしても、この中に坂田隆徳さん(民進党/参院選和歌山県選挙区への出馬を取り下げ衆院和歌山2区候補に転身することを表明)の姿がなかったのはまことに残念と言うしかありません。
 
ゆら登信(たかのぶ)さん
※ゆらさんのスピーチする姿、応援スピーチをしてくださった方々との手を繋いでの記念撮影、「頑張ろう」に唱和する参加者などの写真は、私のFacebookアルバム「ゆら登信(たかのぶ)さん『事務所開き』3」をご覧ください。

 最後に、今日の事務所開きのために、生活の党と山本太郎となかまたち共同代表の小沢一郎さんから寄せられたメッセージをご紹介します。
 
(引用開始)
 ゆら登信様の事務所開きを心よりお祝い申し上げます。
 現在の自民党一強政治を食い止めるためには、野党が一丸となって立ち向かう必要があります。
 その中で、このたび地元の関係皆様方のご尽力により、野党共闘のかたちが整いましたこと、大変心強く思います。
 地元和歌山のため、日本の政治を変えるため、ゆら様の掲げる政策は、まさに私どもの基本理念である「国民の生活が第一」の政策であると思います。長年の弁護士生活で培った経験は、必ずや国政の場で力を発揮できるものと確信しております。
 本日を機に所期の目的達成のため、どうかより一層のご支援をゆら登信様に賜りましよう、よろしくお願い申し上げますとともに、ゆら様の益々のご奮闘とご参会皆様のご健勝を心よりお祈り申し上げます。
  平成二十八年五月十八日
    生活の党と山本太郎となかまたち 代表 小沢一郎
(引用終わり)
CIMG5963
 

ゆら登信(たかのぶ)さんが「市民連合わかやま」と政策協定を結び正式に立候補を表明しました(参院選和歌山県選挙区)

 今晩(2016年5月6日)配信した「メルマガ金原No.2448」を転載します。
 
ゆら登信(たかのぶ)さんが「市民連合わかやま」と政策協定を結び正式に立候補を表明しました(参院選和歌山県選挙区)

 本日(5月6日)午後2時から、和歌山市勤労者総合センター6階文化ホールにおいて、「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合わかやま(略称:市民連合わかやま)」が通算3回目となる「集い」を開催し、その中で、「市民連合わかやま」と由良登信(ゆら・たかのぶ)氏との政策協定調印式を
行いました。
 とりあえず、今晩のうちに目に付いた報道として、テレビ和歌山ニュースと和歌山放送ニュースを引用
します。
 
テレビ和歌山ニュース 2016-05-06(金)18:42
参院選へ統一候補として立候補
(引用開始)
 今年夏の参議院議員選挙に市民団体から擁立された無所属の新人の弁護士、由良登信氏が今日、和歌山
選挙区から立候補することを正式に表明しました。
 無所属の新人で弁護士の由良登信氏は今日、和歌山市の勤労者総合センターで市民団体「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合わかやま」との間で、安全保障関連法案の廃止と、集団的自衛権行使容認の閣議決定の撤回など3項目の政策協定を結んだ上で改めて参院選和歌山選挙区への立候補を表明
しました。
 由良氏は御坊市出身の63歳、中央大学法学部卒業後弁護士として活動し、和歌山弁護士会会長などを
歴任しています。
 由良氏を巡っては、擁立した「市民連合わかやま」が、県内の野党各党に統一候補としての推薦を要請しています。民進党県連と共産党県委員会などとでは推薦に対する温度差があるものの、和歌山選挙区に立候補を予定していた候補者の衆院選和歌山2区や参院選比例代表への鞍替えを表明していて、由良氏は
事実上の野党統一候補となりました。
 参議院議員選挙和歌山選挙区には由良氏のほか、これまでに自民党の現職、鶴保庸介氏と幸福実現党の
新人、西本篤氏が立候補を表明しています。
(引用終わり)
 
和歌山放送ニュース 2016年05月06日20時44分
市民連合わかやまが由良登信氏擁立を正式決定

 安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民団体「市民連合わかやま」は、きょう(6日)、この夏
の参議院選挙和歌山県選挙区に野党統一候補としての擁立を進めている新人で弁護士の由良登信(ゆら・た
かのぶ)氏と政策協定を結び、由良氏を市民連合わかやまの推薦候補とすることを正式に決めました。
CIMG5833 きょう午後2時から和歌山市西汀丁(にしみぎわちょう)の勤労者総合センターで開かれた支援者の集いで、市民連合わかやまの豊田泰史(とよだ・やすふみ)代表と由良氏が、安保関連法案の廃止と、集団的自衛権行使を容認する閣議決定の撤回、立憲主義と民主主義を取り戻すことの3点を柱とする政策協定書に
調印しました。
 由良氏は「日本が戦争する国へ行くのか、恒久平和のため外国と友好関係を結ぶのか、いまが分岐点だ。更に、格差の拡大や福祉の切り捨てを進める安倍政権の暴走を止めるため全力で戦う」と決意を表明し
ました。
 市民連合わかやまは、民進、共産、社民など野党各党に推薦を働きかけていますが、豊田代表は「共産と社民の両党とも前向きで、今後歩調を合わせて速やかに発表できるよう調整を続けている」と話したう
えで、きょう新たに「生活の党と山本太郎となかまたち」にも推薦を依頼したことを明らかにしました。
 一方「統一候補とは考えていない」として、推薦には消極的な姿勢の民進党について由良氏は「既に決めていた立候補予定者を衆議院和歌山2区に転戦させたということは、事実上、私に協力してもらえたと考えている。同じく候補の比例転戦を決めた共産党にも感謝し、野党統一候補として安倍政権の暴走を止
めるため、全力で戦っていく」と述べました。
 市民連合わかやまは今後も引き続き民進党と協議を続け、参議院選挙以降の選挙で民進党の候補者を支
援する考えを示しました。
 この夏の参議院選挙の和歌山県選挙区には、由良氏のほかに、自民党の現職・鶴保庸介(つるほ・ようすけ)氏と、幸福実現党の新人で党県本部副代表の  西本篤(にしもと・あつし)氏が立候補を表明していま
す。
(引用終わり)
 
 今日も私が司会を務めましたので、手元にある進行予定に基づき、今日の「集い」の流れを簡単にご報告しておきます。
 
1 開会挨拶・経過報告 豊田泰史「市民連合わかやま」代表
 豊田代表から、4月16日(第2回集い)において、由良登信氏を7月の参院選和歌山県選挙区における与党候補に対抗するための統一候補として擁立する旨決定し、県内各野党に推薦依頼したこと、その後、民進党と日本共産党が独自候補を他に転身させて和歌山県選挙区の候補からははずす決定を行ったことをうけ、本日、由良
氏と正式に政策協定を締結する運びとなった経緯を報告しました。

2 政策協定調印式
 準備された「政策協定書(案)」は、以下のとおりシンプルなものでした。

(引用開始)
                  政  策  協  定  書

 安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合わかやま(以下、市民連合わかやま)は、立憲主義・民主主義・平和主義の理念に基き、戦争をしない国から戦争ができる国づくりを進める安倍政権の暴走を阻止するため、下記の3点を公約する市民派野党統一候補・由良登信弁護士を擁立し、市民連合わかやま推薦の候補として全力で支援いたします。

                   記

    1 憲法違反の安保関連法(戦争法)の廃止
    2 集団的自衛権行使容認の閣議決定の撤回
    3 日本の政治に立憲主義と民主主義を取り戻す

 私、由良登信は、市民連合わかやまの掲げる上記3点を2016年の参議院選挙において公約とし、安倍政権の打倒に向け全力を尽くすことを約束いたします。

                                  2016年5月6日
(引用終わり)

 由良登信氏と豊田泰史「市民連合わかやま」代表が、それぞれ「政策協定書」に署名・押印し、参加者から盛大な拍手が送られました。
 
3 由良登信氏決意表明
 由良登信氏から、正式に立候補の決意が表明されました。

CIMG58454 推薦人・来賓からの挨拶
① 堀内秀雄氏(和歌山大学元副学長、名誉教授)
 推薦人を代表して、堀内秀雄さんが、市民が自分たちの候補を擁立することの意義と、その候補として
由良さんが最適の資質を持っていることについて、詳しく紹介されました。
② 塩田 潤氏(安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める関西市民連合、SEALDsKANSAI)
 今日の「集い」のために、関西市民連合から3人の方が応援に駆け付けてくださいました。3人を代表
して、神戸大学院生の塩田潤さんから、応援のメッセージをいただきました。

5 今後の取組方針
 今後の運動の進め方の概略につき、「市民連合わかやま」の琴浦龍彦さんから説明していただきました

 そのうちの「基本方向」のみご紹介します。
(1)ワンコイン(500円)の2万人カンパ
(2)10万人の応援隊
(3)100の推せん団体、3000人の推薦者
(4)25万票の得票で、由良さんを国会へ

 その後、同じ会場で、午後3時から記者会見が行われました。出席者は以下の5名でした。

由良登信氏 
豊田泰史氏 
堀内秀雄氏 
花田惠子氏(9条ネットわかやま共同代表)
金原徹雄(司会)

 花田さんは、「市民連合わかやま(当初の名称は「安保法制の廃止を求める和歌山の会」)」の候補者選定作業に当初から関わっておられましたが、まだ誰も(多分由良さん自身も)「由良弁護士を統一候補に」というアイデアを思いついていなかった時から、「由良さんが絶対にいい」と考えておられたということです。何という目の高さ!

 さて、何だかものすごく忙しくなりそうなのですが(みんな、今でも十分に忙しい)、みなさん明るい
ですね、というのが私の印象です。
 とにかく、わくわくする選挙にしよう、というのが、選挙に関しては大半が素人である私たちの共通認
識ではないかと思います。
 同じ忙しい思いをするのなら、明るくやらなければね。
 ・・・これを「甘い」としたり顔で評する選挙の「玄人」に一泡吹かせたいと本気になる市民がこれからどれだけ出てくるかが勝負でしょう。

「市民連合わかやま」の新たなスタート~由良登信(ゆら・たかのぶ)さんとともに

 今晩(2016年4月17日)配信した「メルマガ金原No.2429」を転載します。

「市民連合わかやま」の新たなスタート~由良登信(ゆら・たかのぶ)さんとともに 

 昨年のクリスマスイブの午後、和歌山県庁内の県政記者室において、「安保法制の廃止を求める和
歌山の会」のメンバーによる記者会見が行われました。
 会見で明らかにしたのは、野党各党に対し、2016年夏の参議院議員選挙の和歌山県選挙区に、
 ① 先の国会で成立した安全保障関連法の廃止 
 ② 集団的自衛権の行使を容認した閣議決定の撤回                
 ③ 日本の政治に立憲主義と民主主義を取り戻すこと
を確約し、その実行を期待できる統一候補を擁立し、各党が協力して選挙に取り組むことなどを申し入れ
るということであり、その時点で何らかの成算があった訳でも何でもありません。
 第一、この時点で既に、日本共産党と民主党(当時)は和歌山県選挙区に独自の公認候補擁立を決定済みであり、野党統一候補を実現するためには、上記2名の候補者の両名とも、もしくは少なくともどちらか一方は必ず立候補を取り下げてもらわねばならず、他の選挙区に比べてもハードルが高い状況であった
のです。
 しかし、野党共闘(統一候補擁立)を実現できなければ、過去の選挙結果を振り返るまでもなく、事実上、与党の議席を安泰にするという結果を招くことは火を見るよりも明らかであり、そのような事態を許すような余裕は私たちにないと決意した有志による、やむにやまれぬ見切り発車であったと言うべきでし
ょう。
 この12月24日の動きについては、当日のうちに、私のメルマガ(ブログ)でご紹介しました(「安保法制の廃止を求める和歌山の会(仮称)」が野党統一候補の擁立を目指して走り出しました/2015
年12月24日)。

 それから、御用納めの12月28日までに、民主党、日本共産党、社民党、維新の党の野党4党(「生活の党と山本太郎となかまたち」の県組織はなく、それ以外の「野党」に要請しなかった理由は説明するまでもないでしょう)に要請したところまでは、私の第2ブログ「あしたの朝 目がさめたら(弁護士・金原徹雄のブログ 2)」に一度載せたことがありました(
【安保法制の廃止を求める和歌山の会(仮称)暫定ニュース第1号 2015年12月29日】/2015年12月29日)。

 しかし、その後、1月30日(土)に「第1回 賛同団体・賛同者のつどい」(於:プラザホープ)を成功裡に開催するなどということはあったものの、暫定ニュース第2号も一向に発行せず、深く静かに潜行していたというのは、ことが具体的な候補者探しという非常にデリケートな段階に入っていたからであることは、多くの方にご理解いただけていたことと思います。
 その間の具体的な経緯のうち、私が知っていることもありますが、今は書くべき時期ではないでしょう。

 さて、多くの方が統一候補擁立に向けて大きな動きがあったことを知ったのは、4月10日(日)付の
毎日新聞朝刊(和歌山版)の記事によってでしょう。
 
毎日新聞 2016年4月10日 地方版
市民団体、由良氏擁立へ 3野党へ協力を要請/和歌山

(引用開始)
 今夏の参院選和歌山選挙区(改選数1)で野党統一候補の擁立を目指している「安保法制の廃止を求める和歌山の会」の候補者選考委員会は9日、民進、共産、社民の3党の県幹部に対し、同会メンバーの弁護士で元和歌山弁護士会会長の由良登信氏(63)を統一候補として擁立したい考えを伝え、協力を要請した。同会は16日に和歌山市内で開く集会で県内の賛同団体・個人の承認を得た上で、記者会見して会
の候補者として発表する予定。
 同会が具体的な候補者名を3党に伝えたのは初めて。関係者によると、和歌山市内であった会合で同会
の豊田泰史共同代表らが3党の県幹部に対し、擁立後の由良氏への政党推薦などを打診した。
 新人の坂田隆徳氏(36)の擁立を既に発表している民進党の岸本周平・県連代表は会合後の取材に対
し、「会が擁立を決めて正式に要請があってから検討する」と話した。【阿部弘賢】
(引用終わり)

 個人的には、このタイミングでこの記事が出たことは予想外でしたが、9日の会合を聞きつけて会議室の前で張り込み、会議を終えて出てきた関係者からの取材を試みた(のでしょうね)毎日新聞記者の頑張りを賞賛するしかないでしょうか。

CIMG5570 そして、上記記事にある 「16日に和歌山市内で開く集会」というのが、昨日(4月16日)午後2時
から、和歌山市勤労者総合センター6階文化ホールで開かれた「安保法制の廃止を求める和歌山の会 第2回 賛同団体・賛同者のつどい」です。
 これまでに賛同の意思を表明された98団体及び個人61名に開催を呼びかけたところ、間際のお知らせであったにもかかわらず、110名の方が参加され、会場は熱気と、そして「ほっとした」という安心感の入り交じった雰囲気に包まれて和やか
に進行しました。
 マスコミ取材は、冒頭の主催者開会挨拶(豊田泰史代表)のみOKとし、それ以降は非公開で行いましたが、参加できなかった賛同団体・賛同者の皆さまのためにも、その概略のみ記録しておきます(司会役の私が作っていた進行メモを基に書き足しました)。

午後2時(実質は5分遅れの和歌山時間)~3時
1 司会 金原徹雄
2 主催者挨拶 豊田泰史代表
 ※公開はここまでで、マスコミは退席
3 経過報告と提案 豊田泰史代表
4 推薦のことば
 ① 堀内秀雄氏(和歌山大学名誉教授)
 ② 前田一彦氏(戦争する国づくりストップ!田辺・西牟婁住民の会)
 ③ 田村悠紀栄氏(カトリック修道女)
 ④ 服部涼平氏(和歌山大学4回生)
 ⑤ 馬場潔子氏(安保関連法に反対するママの会@わかやま)
 ※他に司会が「9条ママnetキュッと」の笠松美奈さんからのメールを紹介
5 由良登信(ゆら・たかのぶ)氏の推薦受諾と所信の表明
6 会場が満場一致の拍手で由良氏を統一候補として野党に推薦を求めることを承認
7 今後の方針についての説明と活動が新たなステージに入ったことを機に会名称を変更することを豊田代表が提案。新名称を、全国的な動きとの連携も視野に、「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市
民連合わかやま」(略称「市民連合わかやま」)とすることが異議なく了承された。
8 閉会

 その後、午後4時から同じ和歌山市勤労者総合センターの3階特別会議室に場所を移し、記者会見を行
いました。
 ここでは、報道機関各社に事前に送った記者会見を案内するプレスリリースの一部を引用します。

(抜粋引用開始)
 私達「安保法制の廃止を求める和歌山の会」は、昨年12月24日に記者会見を開き、2016年7月
の参議院選挙和歌山県選挙区に、
 ① 先の国会で成立した安全保障関連法の廃止 
 ② 集団的自衛権の行使を容認した閣議決定の撤回               
 ③ 日本の政治に立憲主義と民主主義を取り戻すこと
を確約しその実行を期待できる統一候補を擁立することなどを県内各野党に要請する予定であることを公表し、同月28日までに、民主党、日本共産党、社民党、維新の党の県内野党4党(当時)に上記申し入
れを行いました。
 その後、1月30日に開催した「第1回 賛同団体・賛同者の集い」などを通じ、県内の多くの団体・個人の皆様から、「何としても統一候補を擁立して欲しい」という熱い要請や叱咤の声をいただき、当会と
しても鋭意、上記条件に合致する候補の擁立に向けた努力を重ねてまいりました。
CIMG5596 その結果、ようやく当会として、参院選和歌山県選挙区において、与党候補に対抗して闘うことのできる統一候補として、野党各党に推薦を要請できる人物にめどをつけ、来る4月16日(土)午後2時より、和歌山市勤労者総合センター6階文化ホールにおいて、「第2回 賛同団体・賛同者の集い」を開催し、正式に決定する見通しとなりました(同「集い」につきましては、冒頭の主催者代表挨拶の部分のみ公開
し、その後は非公開として取材はご遠慮いただく予定です)。
 つきましては、上記「集い」終了後、下記日程で記者会見を行い、「集い」での決定内容等についてご
報告したいと思いますので、何卒ご出席をよろしくお願いします。
(引用終わり)

 記者会見は、
1 豊田泰史代表からこれまでの経過と「つどい」の結果を報告
2 堀内秀雄氏が推薦人を代表して推薦理由を述べる
3 「つどい」発言者の内、服部涼平さんと馬場潔子さんに記者会見でもコメントしてもらう
4 由良登信氏による意向表明
5 質疑応答
という流れで約1時間行われました。
 
 既にネットで読める記事もいくつかアップされていますが、その中からご紹介すべきなのはやはり毎日
新聞ですかね。

毎日新聞 2016年4月17日 地方版
市民連合が由良氏擁立を表明 3野党、一本化に温度差 /和歌山

(引用開始)
 今夏の参院選和歌山選挙区(改選数1)で野党統一候補の擁立を目指している「安保法制の廃止を求める和歌山の会」は16日、同会メンバーの弁護士、由良登信氏(63)を会の候補者に決定したと発表した。週明けにも野党各党に推薦を要請する方針だが、各党の受け止めには温度差があり、今後民進党の対
応が鍵となる。
 同日和歌山市内であった集会で正式決定。会の名称も「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民
連合わかやま」に変更した。
 ただ、一本化には民進、共産の両党が既に擁立を表明している新人候補者の取り下げが必要になるが、各党の考え方の溝はまだ埋まっていない。発表を受け、共産党の下角力県委員長が「政権打倒のために統一候補は必要。ぜひ実現させたい」と意気込む一方、民進党の岸本周平県連代表と社民党の出口征二県連
幹事長は「正式な要請を受けた段階で検討したい」と慎重な姿勢を崩していない。
 市民連合の豊田泰史代表は「あくまでも由良氏を統一候補として選挙戦に臨みたい。(両党にも)協力
してもらえるという感触を得ている」と期待をにじませた。【倉沢仁志、阿部弘賢】
(引用終わり)

 テレビ和歌山ニュースと朝日新聞(和歌山版)から、由良登信氏の発言を紹介した部分を引用しておきます。

テレビ和歌山ニュース 2016-04-16(土) 19:42
市民団体が参院選の統一候補を推薦
(抜粋引用開始)  
 記者会見した由良氏は「統一候補で参議院議員選挙に勝ち、安保法制の廃止を求めていくという市民の思いを受け止める必要があり、そう思ってきた私自身がそれを受け止められればと決意した。憲法を無視する政権を主権者、国民として放っておけない」と話しました。
(引用終わり)

朝日新聞(和歌山版) 2016年4月17日(日)
由良氏擁立する市民ら 団体の名称を変更し「市民連合わかやま」

(抜粋引用開始)
 由良氏は「戦争する国に突っ走るのか、憲法9条を持つ平和国家として世界と交渉していくのか岐路に立っている。参院選勝利のため、野党は私に一本化してくれると期待している」と話した。
(引用終わり)

 なお、記者会見における質疑応答を除く前半部分の動画を、(発言者の了解を得て)西郷章さんがFacebookにアップされています。音量レベルは低いので、少し聞きづらいかもしれませんが、豊田代表、堀内先生、服部さん、馬場さん、そして由良弁護士の発言を確認することができます。
 
 
CIMG5587 さて、ここまで由良登信弁護士の人となりや業績などについては全然触れてきませんでした。ひとつには、私たち弁護士にとって、あまりに身近な存在であり、あらためて紹介するまでもないような気分になってしまいやすいということがある他、経歴や活動歴を書き出そうとすると相当膨大なことになってしまい
ますので(昨日、つどいや記者会見で配られたプロフィールは何とA4版3枚にびっしり書き込まれていた)、いずれ由良弁護士からプロフィールのデータを送ってもらって、別の機会に紹介しようと思います
 以下には、昨日配布されたプロフィールのごく一部だけ抜き書きしておきます。
 
由良登信(ゆら・たかのぶ)
1952年6月4日生まれ 63歳
和歌山県御坊市出身 同市在住 (事務所は和歌山市)
和歌山県立日高高校、中央大学法学部卒業
1984年 司法試験合格
1986年 司法修習修了(38期) 弁護士登録して和歌山弁護士会に入会
(主な経歴)
元和歌山弁護士会会長
元日本弁護士連合会常務理事
元日本弁護士連合会消費者問題対策委員会副委員長(消費者信用部会長)
元和歌山県消費生活審議会副会長
(現在)
和歌山弁護士会憲法委員会委員長
日本弁護士連合会憲法問題対策本部委員
憲法9条を守る和歌山弁護士の会会員
反貧困ネットワークわかやま代表
生きるためのなんでも相談村実行委員会委員長
全国クレサラ・生活再建問題対策協議会幹事
ほか多数

 由良弁護士は、私より2歳年上で、弁護士としては3年先輩になります。「消費者問題の由良」「過労死の由良」「環境問題の由良」などとして様々な分野で活躍してこられた他、「憲法問題の由良」ということでいえば、和歌山県下各地からの講師要請に、日程のやりくりさえつけば基本的にどこにでも行くという姿勢を貫き、休み
の日にはそこら中を講演で飛び回っているという印象があります。
 昨日配布されたプロフィールにも、「橋本市、紀の川市、有田市、金屋町(現在の有田川町)、湯浅町、広川町、御坊市、日高町、美浜町、みなべ町、田辺市、龍神(現在の田辺市龍神村)など県下各地でも講師活動をしてきました。
」と書かれていました。もちろん、和歌山市内での講師活動は数知れずです。
 憲法問題の学習会講師を頼まれた和歌山の弁護士は、まず由良弁護士に最新の資料とレジュメを送ってもらって安心する(?)と言われています(私のところに頼んでくる者がめったにいないのは、人徳の差というものでしょう)。

 毎日新聞が伝えるように、状況は必ずしも楽観できるとは言い切れませんが、他に選択肢はあり得ないと(少なくとも私たちは)信じていますので、由良さんとともに当初に掲げた目標、すなわち、
 ① 先の国会で成立した安全保障関連法の廃止 
 ② 集団的自衛権の行使を容認した閣議決定の撤回                
 ③ 日本の政治に立憲主義と民主主義を取り戻すこと
の実現に向けて全力を尽くしたいと思います。
 もちろん、皆さん1人1人のご支援とご協力がなければ絶対に実現できません。何卒よろしくお願いします。
 
(金原Facebookタイムラインから)
由良登信氏写真3枚

田辺・西牟婁(和歌山県)が“熱い!”~「1/32を掴み取れ!-野党共闘の陣-」(3/5@紀南文化会館大ホール)他のご案内

 今晩(2016年2月21日)配信した「メルマガ金原No.2373」を転載します。

田辺・西牟婁(和歌山県)が“熱い!”~「1/32を掴み取れ!-野党共闘の陣-」(3/5@紀南文化会館大ホール)他のご案内

 昨日(2月20日)は、田辺市のお隣りの白浜町で、「戦争法」に反対する退職教職員の会が主催する学習会でお話させていただき、講演の後の意見交換での活動報告や提案を聞きながら、参加者の皆さんの
熱意に感心一入でした(あの天候の中ですしね)。
 今日は、その会場で参加者に配布されていたチラシの中から3枚をご紹介しようと思います。
 3月から4月にかけて田辺市の紀南文化会館で開催される3つの企画ですが、田辺・西牟婁の皆さんは
本当に“熱い!”。
 和歌山市やその他の地域も、田辺・西牟婁を見習ってもっと熱くなれ、ということで今日は田辺・西牟婁特集です。
 
【1/32を掴み取れ!―野党共闘の陣―】
日時 2016年3月5日(土)14:00~(開場13:30)
場所 紀南文化会館 大ホール
     和歌山県田辺市新屋敷町1番地
主催 戦争する国づくりストップ!田辺・西牟婁住民の会
お問合せ TEL:0739-22-2152

 とりあえず、主催団体を「戦争する国づくりストップ!田辺・西牟婁住民の会」としたのは、昨日、白
浜でいただいたチラシに「住民の会」の名前しか掲載されていなかったからですが、Facebookのイベントページのタイトル部分には「公開・主催者:WAVEs」とありつつ、それ以外に主催団体や連絡先などの、イベントページには当然あってしかるべき記載が全然ないという不思議な告知がされており、それがあろうことか紀南文化会館の「大ホール(キャパ1224名!)」でやるというのですから、「田辺というのは、大胆な人たちが多いところらしい」と思ってしまいました。
 ちなみに、昨夜帰宅してから色々情報検索をしたところ、どうやら公式フライヤーらしきものが
WAVEsのFacebookページに掲載されており、何とか「主催団体:戦争する国づくりストップ!田辺・西牟婁住民の会」と判読できましたので、主催者についてはこれで間違いないようです。
 もっとも、「田辺・西牟婁住民の会」の公式Facebookページには、いまだに「住民の会が主催します」という告知は載っていませんが・・・。
 みんな、あまり細かなことは気にしないということでしょうね。
 
 イベントの開催趣旨や概要を、イベントページから引用します。
 3月5日までに和歌山でも「野党共闘」による統一候補擁立にめどがついていればいいのですが。
 
(引用開始)
全国に32ある1人区の内の1つを勝ちとるため 
今こそ、野党は共闘し和歌山に新たな風を! 
市民団体が、野党共闘を後押しする思いの丈をぶつけます。
≪概要≫
・WAVEsコント
・各政党紹介
・各団体スピーチ...etc  
  
-HOST-
・WAVEs
・戦争する国づくりストップ!田辺・西牟婁住民の会
-GUEST-
・民主党
・日本共産党
・社民党
(*各県連の幹部が参加)
・各市民団体&地元議員
-SPECIAL GUEST-
SEALDs KANSAI
SADL 民主主義と生活を守る有志
(引用終わり)

【フクシマを忘れない!吉沢正巳さん(希望の牧場・ふくしま)田辺でも語る】
第3回 原発ゼロ!フクシマを忘れない!田辺・西牟婁アクションin2016
日時 2016年3月13日(日)
 13:30 開会 基調提案
 13:50 講演 吉沢正巳氏(希望の牧場・ふくしま 代表)
 14:45 アピール採択 閉会
 15:00 アピール行進
 15:40 田辺駅前流れ解散
場所 紀南文化会館 小ホール
主催 原発ゼロ!フクシマを忘れない!田辺・西牟婁アクションin2016実行委員会
お問合せ先 TEL:0739-22-2152

 和歌山市では午前10時から、和歌山城西の丸広場において、
「フクシマを忘れない!原発ゼロへ 和歌山アクション2016」が開催されますが、田辺でも同日、上記集会が開かれます。
 希望の牧場・ふくしま(浪江町)から車を運転して和歌山までやって来た吉沢正巳さんは、まず午前中に西の丸広場でスピーチされた後、ただちに田辺の紀南文化会館に移動ということになるのですから、な
かなか忙しい1日になりそうです。
 多分、吉沢さんのお話は、田辺での方が多めに時間がとられていると思います。田辺・西牟婁地方の方
には、是非ご参加いただければと思います。
 なお、余計なことかもしれませんが、この集会のタイトルが、上に記したとおり(第3回 原発ゼロ!フクシマを忘れない!田辺・西牟婁アクションin2016)かどうか自信がありません(チラシを読んでもよく分かりませんでした)。間違っていたらご免なさい。

【平和を紡ぐスプリングコンサート】
日時 2016年4月3日(日)14:00~(開場13:30)
場所 紀南文化会館 小ホール
チケット 前売1,500円 当日2,000円
      チケット取扱:岩本楽器店、紀南文化会館
出演者
市民コーラス ピースナウ
前田佳世(ソプラノ歌手) 
 田辺市出身。大阪音楽大学大学院、並びにドイツのドレスデン国立音楽大学院ソリストクラス修了。オペラや宗教曲のソリストとして活躍を重ね、田辺市内で歌唱講座の講師も務めている。車と電車が好きな3歳の息子くんの子育てのかたわら「9条ママnetキュッと」の立ち上げなど、平和な未来を残すため、活動の場を広げている。
関守研悟(ギター・ピアノ・ヴォーカリスト・僧侶)
 白浜町生まれ。早稲田大学法学部を卒業後、仏道修行のため神戸の祥福寺専門道場に入門。2005年
、白浜町・聖福寺(しょうふくじ)第15代目住職就任。僧侶として初めての法話を務める際、唱歌や童謡などをギターで弾き語り披露したところ、それが好評で、以後音楽を用いた講演を各地で行っている。
息子さんの夢は歌うイケメン僧侶。
森松慶子(エレクトーン奏者・昨編曲者)
 愛媛県出身。5歳でオルガン、8歳でエレクトーンを始める。お茶の水女子大卒業後、エレクトーンの
世界を深めるため東京芸術大学楽理科に入学。芸大在学中に安宅賞受賞。国立音楽大学・東邦音楽短大講師を経て現在、音楽ライター、日本電子キーボード音楽学会編集委員等を務める。自身のコンサートから
、ヨサコイ・バレエの音楽制作まで幅広い音楽活動を展開中。対する二人の子どもは運動系。
主催 平和を紡ぐスプリングコンサート実行委員会
連絡先 0739-22-2152(西牟婁地評事務局内) 090-8759-3714(津村)

 いただいた素敵なチラシには、「平和の願いを歌声に乗せて...」とあるだけで、曲目紹介などはあ
りません。当日のお楽しみに、ということでしょうか。
 もっとも、「市民コーラス ピースナウ」には、私の知人・西郷章さんも団員として登録し、毎回とはいかぬものの、
昨日(2月20日)の練習にも荒天を押して和歌山市から参加されたそうです。
 また、練習に参加された他のFacebook友達の投稿などを読むと、「アンパンマンのマーチ」や「Hey和」
(ゆず)などの練習に精を出しているようです。
 これも楽しみな企画として、お奨めしたいと思います。

掴み取れ!チラシフクシマを忘れない!田辺2016平和を紡ぐスプリングコンサート 

放送大学で学ぶ“貧困”~「貧困と社会('15)」(西澤晃彦神戸大学大学院教授)受講の奨め

 今晩(2016年1月30日)配信した「メルマガ金原No.2351」を転載します。

放送大学で学ぶ“貧困”~「貧困と社会('15)」(西澤晃彦神戸大学大学院教授)受講の奨め

 2015年10月に「日本美術史('14)」試験問題無断削除掲載事件が発覚したため、現役の放送大学学生の身でありながら(であればこそ)、黙ってはいられず、大学執行部を批判する記事を2本も書くことになってしまいましたが(巻末参照)、本来であれば、今日書くような記事だけを書いていたかった、というのが正直な気持ちです。

 放送大学(学部は教養学部のみで大学院もあり)の講義は、テレビ科目またはラジオ科目として提供され(インターネット授業というのも始まりましたが)、いずれも45分授業×15回で構成されています

 正式に受講して単位を取得するためには1科目あたり11,000円の授業料が必要ですが(テキスト代込み)、BSデジタル放送(テレビ231チャンネル、ラジオ531チャンネル、いずれも無料)やケ
ーブルテレビを視聴できる環境にある方であれば、入学することなく、視聴することが可能です。
 ただし、放送大学の学生であれば、(受講登録していない科目であっても)ラジオ科目は全科目、テレビ科目もめぼしいものはほとんどが、インターネットによるオンデマンド配信でも視聴できますが、学生でない方は、BSもしくはケーブルテレビで、番組表で確認できる放送時間にしか視聴できません(まあ、仕方ないですよね)。

 私は、一度入学金を払えば10年間在籍できるという権利をフルに活用するつもりなので、半期(年2学期制)に放送授業2科目、面接授業1科目というまことにゆったりしたペースで受講していますが(10年間このペースでは卒業できません。入学当初に少し頑張ったのです)、すぐには受講登録をしない科
目でも、録音、録画して、視たり聴いたりして勉強しています・・・と言うか、楽しんでいます。
 そして、そのように録画・録音して内容を確認した上で、感心した、あるいは興味を引かれた科目を次学期に受講登録することも珍しくありません。

 現在、教養学部では、平成28年4月入学生の募集を行っているところですが、在学生である私は、2月13日~29日(WEBの場合)の科目登録申請に備え、次学期にどの科目を登録しようかと考えつつ、4月から新規開講される科目のどれを録画・録音しようかと頭をひねるという、これが結構楽しい時期なのです(今学期の単位認定試験も終わりましたしね)。

 さて今日は、私が絶対に次学期に登録しようと考えている科目を皆さんにご紹介しますので、入学して科目登録しないまでも(半年間在籍の科目履修生や1年間の選科履修生もありますが)、BSデジタル放送やケーブルテレビを視聴できる環境にある方には、是非、録音(ラジオ科目ですから)して全15回
を聴いて学んでいただきたいとお勧めしようと思っているのです。
 その科目というのは、平成27年4月に開講した「貧困と社会」です。
 
放送大学教養学部 生活と福祉コース 導入科目
「貧困と社会('15)」
主任講師 西澤晃彦客員教授(神戸大学大学院教授)
放送メディア ラジオ(BS531チャンネル)
放送時間(平成28年度) 第1学期:(木曜)8時15分~9時00分
シラバス
シラバスPDF版

 以下に、少し長くなりますが、シラバスを引用しますので、読んでいただきたいと思います。
 なお、15回の講義の全てを、主任講師の西澤晃彦神戸大学大学院(国際文化学研究科)教授が担当しています。

(シラバスから引用開始)
講義概要
貧困という現象に対して、社会学的にアプローチする。
貧困は、いつも、低い生活水準以上の意味をもって貧者に体験されている。彼ら彼女らは、貧困によって
関係とアイデンティティを不確かなものにしている。そのことこそ、貧困体験の中核的要素とさえいえる。また、貧困は、いつも自動的に社会問題として認知されてきた訳ではなかった。貧者が同じ社会の一員として想定され、有形無形、直接間接の交換や贈与が開始されることで、ようやく貧困は「われわれ」の問題になる。貧困は、社会という拡がりがどう想像されるのか――社会が誰を排除し誰を迎え入れるのか――によって、解決されるべき問題とみなされたり放置されたり時には貧者が敵視されたりする。貧困と社会の関係あるいは社会の中の貧者について、できるだけ具体的に論じていきたい。

授業の目標
この授業を、政策論や援助技術論「以前」のところで、貧困を静かに考える機会にしたいと思う。なぜ彼はあのように言うのか、なぜ彼女はあのようにふるまうのか、そうしたことには必ず理由がある。それを理解する手掛かりと構えを身につけることを目標とする。

履修上の留意点
自らの様々な記憶を掘り起こしながら、また、想像力を発揮させつつ、「私たち」の問題として思考して
ほしい。

1 イントロダクション~社会とは何であるのか~
社会福祉、社会保険、社会保障、あるいは社会主義や社会運動。なぜ、それらは「社会」と冠せられなければならないのか。このことの意味を検討しながら、私たちが社会という拡がりを想像することの根底には社会問題としての貧困があることを示す。15回を通してたびたび登場するいくつかの概念についても
概説する。
【キーワード】貧困、社会、社会問題

2 貧困の個人化~貧苦の意味の変容~
貧しさゆえの苦しさは「ずっとあった」といえるものなのだろう。しかし、近代は、貧しさゆえの苦しさ―貧苦―を、「貧しい私」という存在の耐え難さというヴェールを通して、私たちに感覚させるよう
になった。そのような貧困体験の質的変容をもたらした近代空間の成立過程について述べる。
【キーワード】近代化、個人化、都市下層

3 貧困の隠蔽~「文明化」される社会~
国家的な「文明化」の企ては、多くの貧困層を公教育という回路を通じて内部化しつつ、それになじまない非組織・非定住・非家族の人々を排除しその不可視化をすすめた。この過程は、それ以降の日本の貧困層のあり方を決定づけることになる。明治・大正・昭和初期の、貧困層への排除と包摂について検討する

【キーワード】文明化、国民国家、都市下層

4 貧困の忘却~「豊かな社会」の陥穽(かんせい)~
総貧困状態としての敗戦直後から、「総中流の神話」へ。その過程を通じ、貧困は積極的に忘却され無意識へと沈められていった。そうした時代にも無論貧困はあった。高度経済成長期における貧困層のあり様
についても述べたい。
【キーワード】集合的無意識、中流社会

5 貧困の犯罪化~新自由主義の刻印~

高度経済成長後、忘却は攻撃へと転回する。「生活保護の不正受給」をめぐる議論の変遷と政府の対応の
流れをたどりながら、日本における「貧困の犯罪化」(Z・バウマン)過程を検討する。
【キーワード】貧困の犯罪化、新自由主義

6 貧困の再発見(1)~格差から貧困へ~
経済のグローバリゼーションとそれにともなう政策変更の帰結として、一国内の中心-周辺格差、都市部における社会的分極化は加速された。それとともに貧困層は量的にも増大した。再発見された貧困を「新しい」現象としてではなく、質的に連続したものとして論じる。世紀をまたいだ格差社会論争の限界を踏ま
え、社会的排除という視点の重要性について確認する。
【キーワード】グローバリゼーション、格差社会、社会的排除

7 貧困の再発見(2)~誰が排除されているのか~

貧困層は、社会的に排除されてまたカテゴリカルに分断されて各々の現実を生きている。生活保護受給者、単身(高齢)世帯、母子世帯、若年貧困層、野宿者(ホームレス)、外国人労働者、そうしたそれぞれ
の現実を貫いてある、排除のメカニズムについて論じる。
【キーワード】社会的排除、マイノリティ

8 子どもの貧困
ようやく子どもの貧困は論じられるようにはなったが、社会的にも政策的にも反応は乏しい。ここでは、
親から子への貧困の継承過程――貧困の再生産――を中心としつつ、子どもの貧困への社会的無関心の背
景についても議論する。
【キーワード】子ども、貧困の再生産

9 若者の貧困
二一世紀に入って、「若者の貧困」が大きく論じられるようになった。若年貧困層の現状を把握するとと
もに、関係とアイデンティティの問題として彼ら彼女らの貧困にアプローチする。
【キーワード】社会的排除、アイデンティティ、承認、場所の空間

10 貧困の空間社会学(1)~漂泊する人々、しゃがみこむ人々~
地域社会から切断された空間を流動する人々。その一方で、そのような寄る辺ない暗い海にこぎ出すこと
ができず、しゃがみこむ人々。地理的な移動という観点から、貧困を捉え返す。
【キーワード】地理的移動

11 貧困の空間社会学(2)~「地方」はどこへ行くのか~
戦後の「中央」と「地方」の関係を踏まえつつ、また、「地方」における人口と経済の動向を押さえなが
ら、「地方」における貧困について考察する。
【キーワード】中央と地方、人口減少

12 貧困の空間社会学(3)~分断される大都市~
グローバル経済の影響のもと、大都市社会が中間層を縮減させつつ二極化することが指摘されてきた。そ
うした議論と人口動向を踏まえ、今日的なそして今後の大都市における貧困層のあり様について述べる。
【キーワード】グローバリゼーション、大都市、社会的分極化、郊外

13 貧困という体験(1)~貧者の社会的世界~
80年代以降になされた貧困層の社会学的研究は、ばらばらにジャンルわけされており、直接に貧困の意味を問うものではなかったが、そこにおける知見は、貧困という体験が人に何をもたらすのかについて多くの示唆を与えてくれている。寄せ場、外国人労働者、野宿者(ホームレス)などの研究を読み、貧困体験
が人々の関係世界をどのようなものにするのかを考察する。
【キーワード】社会的世界、都市下層

14 貧困という体験(2)~貧者のアイデンティティ~
13回に引き続き、貧困体験が人々の内面世界にもたらす刻印について論じたい。貧者におけるアイデンテ
ィティの構築過程とたえざる危機について述べる。
【キーワード】アイデンティティ、都市下層

15 貧困と社会
これまでの議論を踏まえながら、「社会的なもの」の現状と今後について大胆に考えてみたいと思う。
【キーワード】社会、社会的なもの

(引用終わり) 
 
 私は、この全15回の講義を録音し、MD(古い!)にダビングして車の中で聴きました。とても感銘
を受けました。
 「貧困という現象に対して、社会学的にアプローチする。」という、シラバスの最初に書かれ、第1回
の講義でも語られたことが、全15回の講義でどのように貫徹されているのかという関心をもって聴いていたのですが、法学部出身で社会学の素養などほとんど持たない私にも、「社会学的にアプローチする。
」とはどういうことか?を感得させてくれる、歯ごたえのある、それでいて分かりやすい講義でした。
 放送大学の講義には、複数の講師が分担する科目と、主任講師が1人で全部の授業を担当する科目とがあり、前述したとおり、「貧困と社会('15)」は後者なのですが、1人の講師の視点から捉えた一貫性のある貧困問題についての見取図が提示されることにより、受講生の理解がより深いところまで到達できるのだと思いました。もちろん、そのことは、主任講師の説を鵜呑みにするということではなく、見聞を広げて自ら思考するための土台とするという趣旨であることは言うまでもありません。

 このように体系的に貧困問題を学べる優れた講義が、(BSデジタル放送やケーブルテレビが視聴できればですが)無料で聴講できるというのは得がたい機会だと思いますので、そのような環境のある方に是非視聴
をお勧めしたいと思います。
 あらためて、「貧困と社会('15)」の放送時間をご紹介しておきます。
 
【平成27年度(2015) 第2学期 集中放送授業期間】
2016年2月6日(土)~2月20日(土) 
午前6時00分~6時45分 全15回集中放送

【平成28年度(2016年) 第1学期】
2016年4月7日(木)から毎週木曜日の
午前8時15分~9時00分 全16週で15回まで放送(GW中は1回休み) 

※放送授業科目の視聴・聴取方法、録画・録音方法についてはこちらをお読みください。
  
(参考書籍)
『貧者の領域―誰が排除されているのか』 

『貧困と社会 (放送大学教材)』 
貧困と社会 (放送大学教材)
西澤 晃彦
放送大学教育振興会
2015-03


(付記 2016年度新規開講科目について)
 2016年第1学期(4月~)に新規開講される科目については、もちろんまだ放送されていませんの
で、その感想を述べる訳にはいきませんが、公開されているシラバスを眺めながら、その内容を想像する
のも楽しみなことです。
 ただ、私が興味を持っている科目を挙げだすときりがありませんので、ここでは1科目だけ、「貧困と
社会('15)」と関連する科目をご紹介しておきます。
 私も、まずは録画の上視聴してみて、いずれ、科目登録するかもしれません。

放送大学教養学部 社会と産業コース 専門科目
「移動と定住の社会学('16)」
主任講師
 北川由紀彦准教授(放送大学准教授)
 丹野清人客員教授(首都大学東京教授)
放送メディア テレビ
放送時間(平成28年度) 第1学期:(火曜)20時00分~20時45分
講義概要
近代社会の特徴の一つは、人の「移動」である。本科目では、現代社会を、人の移動と定住という観点から社会学的に解読していく。具体的には、海外からの移住労働者、国内における都市移住・出稼ぎ者、「ホームレス」などの住居喪失者といった人々に注目し、そうした人びとが生み出される構造的な背景や彼
ら・彼女らをとりまく諸問題について、社会学の研究成果等を参照しながら、論じていく。
シラバスシラバスPDF版 

(付録)
『Don't mind (どんまい)』 作詞・作曲:ヒポポ大王 演奏
:ヒポポフォークゲリラ
 

「ミナセン(みんなで選挙)」の動きにも注目しています

 今晩(2016年1月13日)配信した「メルマガ金原No.2334」を転載します。

「ミナセン(みんなで選挙)」の動きにも注目しています

 「ミナセン(みんなで選挙)」でネット検索すると、先月(2015年12月)22日に行われた「ミナセン(みんなで選挙) 東京」発足の記者会見と「2016.7 日本に市民革命を起こす! 座間宮ガレイ氏 全国ツア
ー報告会」に関連するサイトが次々とヒットします。
 
151222 「ミナセン みんなで選挙 東京」発足記者会見 ダイジェスト(5分13秒)

151222 ミナセン東京発足!2016 7日本に市民革命を起こす! 座間宮ガレイ氏 全国ツアー報告会 ダイジ
ェスト(5分39秒)


 「東京」が付いていない「ミナセン(みんなで選挙)」はないか?と探したら、すぐに見つかったのは次の2つでした。
 

 このサイトで、ようやく「「ミナセン」の説明は以下のとおりです。」という文章を発見しました。

(引用開始)
~市民選対全国連絡会「ミナセン(みんなで選挙)」とは~
「ミナセン(みんなで選挙)」とは、来夏の選挙において野党候補の1人でも多い当選をめざし、野党結集
を支援するために各地で立ち上がった「市民選対勝手連」の全国的な連絡会です。各地の「市民選対勝手連」において、市民グループが、勉強会や情報収集をもとに、主体的に、参院選の候補者の選定、野党あるいは統一候補の調整、比例の統一会派推進、決定した候補の応援などを行います。全国各地でこのメン
バー約200人がFacebookの非公開ページで集い、日々、活発に情報交換しています。
ミナセンの機能は:
●野党とのパイプ役:野党の意向を全国の勝手連のメンバーに伝えるだけでなく、全国の勝手連の状況や
意向を野党に伝えるなどの双方向の連絡する役割。
●全国の横断的な取り組みの窓口:各地のママの会、SEALDs、学者、弁護士など、地域と地域をつなぐ役割

(引用終わり)
 
 もう1つ発見したサイトでは、1月22日に開催予定のシンポジウムが予告されていました。
 

 開催概要の部分だけ抜き出して紹介します。

(引用開始)
日時:2016年1月22日(金)15時半~17時半(開場15時)
会場: 参議院議員会館1階講堂プログラム:
1. なぜ今「選挙」なのか(プチ憲法カフェ)
 恐すぎ緊急事態条項改憲(太田啓子弁護士・小口幸人弁護士)
2. 選挙状況分析
3. 全国勝手連報告~勝手連のつくり方、活動・参加のしかた~
 熊本、石川、東北、東京、神奈川、千葉、埼玉など各地ミナセンより
4. 関係団体・賛同人からの挨拶(市民連合/SEALDsなど交渉中)
5. パネルディスカッション「野党結集の課題・市民に望むこと」
パネラー:
民主福山哲郎参議/維新初鹿昭博衆議/社民福島みずほ参議(予定)
共産・生活の党要請中
(司会・進行 岩上安身氏)
参加費:1000円(定員300名、入場先着順)
主催:ミナセン全国連絡会&実行委員会
minasen2016@gmail.com
チラシ
(引用終わり)
 
 この市民選対の動きはメディアでも注目されつつあります。

東京新聞 2016年1月11日 朝刊
市民発で「改憲阻止」 野党共闘支援 都内で勉強会

(抜粋引用開始)
 夏の参院選で自民党など改憲勢力が議席の三分の二を握るのを阻止するため、野党共闘を市民がどう後押しするかを話し合う勉強会が十日、東京都文京区で開かれた。次の衆院選も見据え、都内の小選挙区す
べてに勝手連をつくることを目標にしている。
 新宿区で幼稚園を経営する池田優さん(27)が「二歳の娘が生まれてから世の中の見方が変わった」と、安全保障関連法の強行採決などに憤る仲間と企画。インターネット番組「選挙ジョッキー」パーソナ
リティーで、全国を回り勝手連づくりを呼び掛けている座間宮ガレイさん(38)をゲストに招いた。
 座間宮さんは「民意だけでは戦争は止められない。必要なのは議席」と、戦略的に選挙を戦う重要性を訴えた。参加者から参院選について「一人区以外で野党を支援するにはどうすればいいか」と質問されると「票をまとめて誰かを応援するか、候補者を立てるかの二つのやり方がある。市民から統一候補を立て
ることも視野に、いろんなアドバルーンを上げて」と答えた。
(略)
 各グループの情報は、フェイスブックの「東京全選挙区ワクワク同好会」に順次掲載される。(柏崎智
子)
(引用終わり)

クリスチャン・トゥデイ 2016年1月11日21時01分
野党共闘求める 全国各地で「市民選対勝手連」誕生(記者:守田早生里)

(抜粋引用開始)
 全国的な動きを集結させた「市民連合」に続き、全国で続々と誕生している「市民選対勝手連」。今夏の選挙において、野党共闘を求めて候補者を支援する団体で、各地域の選挙環境に応じて、その地域に根
差した活動を展開。全国各地に30の「勝手連」が既に誕生している。
 昨年末に発足記者会見を終え、10日、千葉市内でキックオフパーティーを行ったのは、千葉県の勝手連「ミナちば」。全国で選挙分析を行い、講演会などを行っている「ブロガー」座間宮ガレイ氏が、昨年12月1日に千葉県を訪れたのをきっかけに、直後の12月4日には数人の有志によって、千葉県の「市民選対勝手連」のフェイスブックページが開設された。現在のフェイスブック登録メンバーは60人ほど
だ。
 会見後、初の具体的な活動となったキックオフパーティーでは、プロのDJが音楽を担当。コーヒーや
茶菓子なども用意され、「政治」を語る場としては、全く新しいスタイルといった印象だった。参加者は
、100人を超え、20代、30代の若い層の参加、また女性の姿が多かったのも印象的だった。
(略)
 パーティーは、「ワールドカフェ」と呼ばれる少人数のグループディスカッションから始まった。テーマは、「私たちが望む社会とは?」「どうやって政治や選挙の話を日常生活の中で切り出すか?」の二つ。参院選を語る前に、まずは自分たちが望む社会の青写真を描き、最大の目的である安保関連法を廃止に追い込む野党勢力を国政に送り出すため、選挙や政治に関心のない層へのアプローチについて意見交換を
行った。
(略)
 「ワールドカフェ」に続いて行われたのは、両候補者によるトークセッション。安保関連法について、
立憲主義について各3分ずつ話した。
(略)
 ユニークなイベントとして、候補者に質問を書いたメモを箱の中に入れ、「くじ引き方式」で質問を選
ぶ「くじ引き質問大会」も行われた。選ばれた質問を書いた人には、プレゼントもあるという「新春」な
らではの企画となった。
(略)
 パーティーの最後には、「民主主義ってなんだ?」「これだ!」のコールや、「野党がんばれ!」「野
党は共闘!」などと参加者が声を合わせた。散会後も会場に残って、市民らと熱心に話す両候補の姿があった。浅野氏はこの日、3人の子どもを同建物内の保育室に預けての参加となり、会場を出た後は、すっ
かり母親の顔になっていた。
(引用終わり)

 おそらく、著名なブロガー(と言うより、東京新聞が書いているとおり、「選挙ジョッキー」パーソナリティの方が今やふさわしい)座間宮ガレイ氏の、FacebookYouTubeなどをフォローしている人なら、「何を今さら」ということだろうとは思いますが、年末からどたばたで「安保法制の廃止を求める和歌山の会(仮称)」を立ち上げ、年明けから何とかこれを動かしていこうと試行錯誤(四苦八苦と言ってもよい
?)している我々にとって、全国の動きと連携するところまで気が回っていなかったというのが正直なところです(今後は分かりませんけど)。

 ところで、事情に疎い者は誰でも気になると思いますが、「市民連合(安保法制の廃止と立憲主義の回
復を求める市民連合)」と「ミナセン(みんなで選挙)」って、どう役割分担していくんでしょう?
 「立憲デモクラシーの会」「安全保障関連法に反対する学者の会」の関係みたいなものなんだろうか?
 とにかく、結果的に足を引っ張り合うようなことだけは絶対にないと信じたいですね。

1月5日・新宿駅西口「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」新春大街宣の動画を視聴してこれからを思う

 今晩(2016年1月6日)配信した「メルマガ金原No.2327」を転載します。

1月5日・新宿駅西口「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」新春大街宣の動画を視聴してこれからを思う

 「市民連合」(安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合)初の本格的な対外行動として取り
組まれた昨日(1月5日)の新宿駅西口での街頭演説会の模様を記録にとどめておこうと思います。
 少し検索するだけでも、全編収録した動画がいくつもアップされており、撮影された角度も違い、マイ
クが拾った音声の具合も違いますので、この際、気がついたものは全部ご紹介しておきます。
 そのうち、民主党放送局が撮影した動画に、視聴のための目安の時間を記入しておきます。
 なお、各登壇者によるスピーチの文字起こしについては、SNSには結構アップされていたように思う
のですが、すぐに見つけられなかったので、発見次第、ブログの方に追記します。
 このうち、全国に先駆け、夏の参院選での野党統一候補擁立に成功した熊本からの報告(安保関連法に反対するパパママの会・熊本)は、これに続こうとする全国の市民(私たち和歌山もそうですが)を勇気付けてくれるスピーチです。是非、動画を視聴し、文字起こしを読んでください。
 
全編動画その1 民主党放送局(1時間34分)

1分~ 小林 節さん(慶應義塾大学名誉教授・弁護士)
 スピーチ文字起こし
5分~ 瀧本知加さん(安保関連法に反対するパパママの会・熊本)
 スピーチ文字起こし
11分~ 吉田忠智さん(社会民主党党首・参議院議員)
17分~ 香山リカさん(精神科医)
22分~ 福山真劫さん(戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会)
26分~ 高田 健さん(同上)
31分~ 蓮  舫さん(民主党代表代行)
38分~ 内田 樹さん(神戸女学院大学名誉教授)
 参考「内田樹の研究室」より朝日新聞にインタビューが掲載された。市民連合の新宿西口街宣でも、だいたい同じようなことを話した。「街宣でのスピーチをブログに採録してほしい」というリクエストが
あったので、新聞掲載のインタビューに、今日話したことをすこし加筆して以下に掲げる。
46分~ 志位和夫さん(日本共産党委員長・衆議院議員)
 スピーチ詳報(しんぶん赤旗より)
54分~ 小田川義和さん(戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会)
57分~ 中野晃一さん(上智大学教授・立憲デモクラシーの会)
1時間09分~ 本間信和さん(SEALDs)
 スピーチ文字起こし
1時間14分~ 想田和弘さん(映画作家)
 参考「不幸にも「テロ事件」が日本で起きたときのために記す」(マガジン9「映画作家・想田和弘の
観察する日々」より)
1時間18分~ 初鹿明博さん(維新の党国会対策委員長代理・衆議院議員)
1時間27分~ 佐藤 学さん(学習院大学教授・安保関連法に反対する学者の会)
 
全編動画その2 UPLAN(1時間36分)


全編動画その3 hiroshi kuwahara(1時間35分)


全編動画その4 小野真澄(1時間37分)



(付録)
『Don't mind (どんまい)』 作詞・作曲:ヒポポ大王 演奏:ヒポポフォークゲリラ 
 

「安保法制の廃止を求める和歌山の会(仮称)」が野党統一候補の擁立を目指して走り出しました

 今晩(2015年12月24日)配信した「メルマガ金原No.2314」を転載します。

「安保法制の廃止を求める和歌山の会(仮称)」が野党統一候補の擁立を目指して走り出しました

 クリスマスイブと言っても普段と何の変わりもない私ですが、福井地裁(林潤裁判長)が、関西電力高浜原子力発電所3、4号機の再稼働の差し止めを命じた同地裁の4月の仮処分決定を取り消した上、同大飯原発3、4号機に対して周辺住民らが求めていた再稼働差し止めの仮処分の申し立ても却下する決定をしたというニュースに、ある程度予想されていたこととはいえ、暗澹とした気持ちにならざるを得ません

 今日の福井地裁決定や目前に迫ることになった高浜原発再稼働も、メルマガ(ブログ)で是非取り上げねばとは思うのですが、私自身が少しは関わっている活動に関し、今日の12時30分から、和歌山県庁内の県政記者室において記者会見を開きましたので、今日はこちらの方をご報告します。
 新聞による報道は明日以降になるでしょうから、とりあえず和歌山放送ニュースを引用します。
 
WBS和歌山放送ニュース 2015年12月24日 18時51分
野党統一候補擁立への動き 参院選和歌山選挙区(写真付)

(引用開始)
 安全保障法制の廃止に向けて取り組んでいる市民団体がきょう(12/24)記者会見し、来年夏の参議院議員選挙の和歌山県選挙区で野党による統一候補の擁立を目指して働きかけていく方針を明らかにし
ました。
 野党統一候補への動きを始めたのは、「憲法9条を守る和歌山弁護士の会」や、「安保関連法に反対す
るママの会@わかやま」などでつくる仮称・安保法制の廃止を求める和歌山の会です。
 きょう午後、関係者が県庁で記者会見し、先の国会で成立した安全保障関連法の廃止や、集団的自衛権の行使を容認した閣議決定の撤回などに取り組んでくれる人を来年夏の参議院選挙和歌山県選挙区で野党の統一候補として擁立できるよう今後、民主、維新、共産、社民などの主な野党に働きかけていくことを
明らかにしました。
 民主党と共産党は、和歌山県選挙区でそれぞれ独自候補の擁立を表明していて、記者会見した豊田泰史(とよだ・やすふみ)弁護士は、「いずれかの候補予定者、もしくは第三の統一候補を模索し、少しでも自民党に勝てる候補者を擁立できるよう野党だけでなく、さまざまな団体に働きかけていきたい」と話し
ました。
 会では、今後、年内に県内の野党を回り、統一候補擁立に向けた合同会議の設置などを求めることにし
ています。
 来年夏の参議院議員選挙を巡っては、熊本県選挙区で、民主、共産、維新、社民の野党が、統一候補の
擁立を決め、きのう(12/23)発表しています。
(引用終わり)

 上の記事にもあるとおり、「戦争させない・9条壊すな!くまもとネット」の呼びかけが実を結び、昨日(12月23日)、推薦する民主、共産、維新、社民、新社会の各党なども同席して、全国初の統一候
補となる阿部広美氏が正式に立候補を表明する記者会見が開かれたと報じられています
 この他にも、全国の1人区を中心に、野党統一候補の擁立を模索する動きが活発化しており、今日の和歌山の動きも、そのような流れの中にあることは言うまでもありません。

 とはいえ、熊本のようにうまくいくという目算がある訳でも何でもありません。和歌山と熊本では、相
当に事情が違いますしね。
 けれども、このまま何もせず手をこまねいていては取り返しのつかない事態になる、何とかしなければという、多くの県民が抱いているであろう危機感を共有した有志が先週(18日の金曜日だった)集まり、「とにかく年内に走り出そう、記者会見をやるなら24日だろう」ということは決めたものの、政党(野党)に対する「要請書」も、県下の様々な団体に呼びかける「ご賛同のお願い」も、その時点ではまだ草稿すらないという状況から今日を迎えたのですから、記者会見が終わった時点で、「やれやれ」と言い
ながら我が身の肩を叩いたのも宜(むべ)なるかなというところです。
 もちろん、全てはこれからなのですが。

CIMG4925 ここで、記者会見に出席して発言した方をご紹介しておきます。皆さん、様々な肩書き、役職をお持ちの人たちですが、ここでは、「安保法制の廃止を求める和歌山の会(仮称)」に賛同した団体のみ表記します(馬場さんと松浦さんの役職を記載していないのは、私が知らないからに過ぎません)。もっとも、「ママの会」については、賛同するかどうか機関決定するような組織ではないということで(だったかな)、後ろに(有志)がつくようです。
※写真左奥から順に、由良さん、馬場さん、豊田さん、藤井さん、松浦さん。 

 豊田泰史さん(憲法9条を守る和歌山弁護士の会代表世話人)
 藤井幹雄さん(憲法9条を守る和歌山弁護士の会代表世話人、9条ネットわかやま世話人代表)
 由良登信さん(憲法9条を守る和歌山弁護士の会会員)
 馬場潔子さん(安保関連法に反対するママの会@わかやま)
 松浦攸吉さん(平和と憲法を守りたい市民の声)

 以下に、これから急速に増やしていかねばならないと考えている県下の様々な団体への「ご賛同のお願い」を引用します。皆さまから寄せられる賛同の声が、野党協力、さらにはその先の参院選勝利のための
必須の条件です。
 何卒よろしくお願いします。

(引用開始)
                                     2015年12月24日

             ご   賛   同   の   お   願   い
              ~野党統一候補の擁立を目指して~

安全保障法制の廃止と立憲主義の回復を願う
和歌山県内各団体の皆さまへ

 2015年9月19日。日本の立憲主義と民主主義が為政者によって大きく傷つけられたこの日を私たちは決して忘れません。憲法をないがしろにする政権の存続を許す限り、この傷がいやされることはあり
ません。
 私たちは、このような思いから、野党各党に対し、来年夏の参議院議員選挙の和歌山選挙区に、
  ① 先の国会で成立した安全保障関連法の廃止 
  ② 集団的自衛権の行使を容認した閣議決定の撤回                
  ③ 日本の政治に立憲主義と民主主義を取り戻すこと
を確約し、その実行を期待できる統一候補を擁立し、各党が協力して選挙に取り組むこと、そのために、野党各党とこの呼びかけに賛同する団体による合同会議を早急に開催することを求め、本日以降、速やかに県内各野党に要請することにしております。
 来夏の参議院議員選挙における野党間の選挙協力、とりわけ1人区での協力の必要性については、どなたもご異論のないところと思いますが、現状は必ずしも私たちの期待する方向に動いているとは言えませ
ん。
 そこで、安保法制の廃止と立憲主義の回復を願う多くの和歌山県民の声を野党各党に届け、その期待に応えられる統一候補を擁立したいと考えています。どうかこの呼びかけに賛同してください。その賛同の声を野党の皆さんに届け、私たちの未来を共に切り開きましょう。

               
安保法制の廃止を求める和歌山の会(仮称)
                (連絡先)和歌山市六番丁24ニッセイ和歌山ビル11階
                        あすか綜合法律事務所
                          TEL(073)433-3980 FAX(073)433-3981

賛同していただける団体は、以下に所定事項をご記入の上、上記連絡先宛にFAXで送信願います(郵送でも受け付けさせていただきます)。なお、賛同団体名は適宜の方法で公開させていただきますので、ご了承ください。

野党統一候補の擁立を目指す各野党への要請の趣旨に賛同します。

団体名称

代表者氏名

連絡先住所

連絡先電話              FAX 

メールアドレス

(2015年12月22日現在の賛同団体)
憲法9条を守る和歌山弁護士の会、9条ネットわかやま、平和と憲法を守りたい市民の声、安保関連法に反対するママの会@わかやま(有志)
(引用終わり)
 

 「安保法制の廃止を求める和歌山の会(仮称)」は、まだ代表も決まっていません。もしかすると、ず
っと代表なしかもしれません。それは良いとしても、事務局体制も決まっていません(これは至急何とかしなければ)。このため、上記「ご賛同のお願い」発送作業も、本来なら年内に主要な団体にお送りすべきところではありますが、相当に難しいのではないかと思います。
 そこで、いくつかのメーリングリストに「ご賛同のお願い」の文書ファイルを添付して投稿し、「拡散」をお願いしているところですが、このメルマガ(ブログ)をお読みになった和歌山県下の団体で、ご賛同いただけるところは、PDFファイルをプリントアウトの上、所定事項を書き込み、連絡先である「あすか綜合法律事務所」宛に、FAX送信(または郵送)をお願いしたく、お手数をおかけしますが、何卒ご協力をお願いします。
 
 なお、団体に入っていないけれど、あるいは、団体として賛同するのは難しいけれど、是非個人として賛同したいという方がおられるかもしれず、そのような「個人賛同もOKか?」ということは、申し訳ありませんが、まだ一度も話し合ったことがないため、私の一存では何とも言えません。
 これも、重要な宿題として早急に検討しなければと思います。
 
 何もしないよりは千倍も万倍もましということで、見切り発車しました。走りながら考えねばならないことが次々と出てきます。皆さんも一緒に走っていただけませんか?

(忘れないために)
 「自由と平和のための京大有志の会」による「あしたのための声明書」(2015年9月19日)を、「忘れないために」しばらくメルマガ(ブログ)の末尾に掲載することにしました。

(引用開始)
  あしたのための声明書

わたしたちは、忘れない。
人びとの声に耳をふさぎ、まともに答弁もせず法案を通した首相の厚顔を。
戦争に行きたくないと叫ぶ若者を「利己的」と罵った議員の無恥を。
強行採決も連休を過ぎれば忘れると言い放った官房長官の傲慢を。

わたしたちは、忘れない。
マスコミを懲らしめる、と恫喝した議員の思い上がりを。
権力に媚び、おもねるだけの報道人と言論人の醜さを。
居眠りに耽る議員たちの弛緩を。

わたしたちは、忘れない。
声を上げた若者たちの美しさを。
街頭に立ったお年寄りたちの威厳を。
内部からの告発に踏み切った人びとの勇気を。

わたしたちは、忘れない。
戦争の体験者が学生のデモに加わっていた姿を。
路上で、職場で、田んぼで、プラカードを掲げた人びとの決意を。
聞き届けられない声を、それでも上げつづけてきた人びとの苦しく切ない歴史を。

きょうは、はじまりの日。
憲法を貶めた法律を葬り去る作業のはじまり。
賛成票を投じたツケを議員たちが苦々しく噛みしめる日々のはじまり。
人の生命を軽んじ、人の尊厳を踏みにじる独裁政治の終わりのはじまり。
自由と平和への願いをさらに深く、さらに広く共有するための、あらゆる試みのはじまり。

わたしたちは、忘れない、あきらめない、屈しない。

     
自由と平和のための京大有志の会
(引用終わり)
 

(付録)
『ケサラ』 演奏:自由の森学園有志(2015年9月16日@国会正門前)
 

ご賛同のお願い 

「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」結成記者会見(12/20)を視聴して

 今晩(2015年12月22日)配信した「メルマガ金原No.2312」を転載します。

「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」結成記者会見(12/20)を視聴して

 激動の2015年もあと1週間余りの年の瀬となり、安全保障関連法をめぐる動きもにわかに慌ただし
さを増してきました。
 一昨日(12月20日)は「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」の結成記者会見が開
かれ、昨日(21日)は、「安保法制違憲訴訟の会」が方針説明の記者会見を開きました。
 いずれも重要な動きなので、メルマガ(ブログ)で詳しくフォローしたいのは山々ながら、諸般の事情
(主として時間の都合)により、とりあえず今日のところは、一昨日の「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」の結成記者会見の動画などをご紹介するにとどめます。
 
20151220「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」結成会見 全録(58分)

冒頭~ 中野晃一氏(司会・「立憲デモクラシーの会」有志)
1分~ 佐藤学氏(「安全保障関連法に反対する学者の会」有志)
8分~ 山口二郎氏(「立憲デモクラシーの会」有志)
15分~ 高田健氏(「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」有志)
19分~ 西郷南海子氏(「安保関連法に反対するママの会」有志)
24分~ 諏訪原健氏(「SEALDs自由と民主主義のための学生緊急行動」有志)
29分~ 質疑応答
 
 全編視聴するためには1時間近くを要するのですが、各メディアによる報道の中で最も詳細に会見の模様を報じたのは産経ニュースでした。多分、WEB版だけで、産経新聞本紙には載っていないと思いますが(未確認)、まことに貴重な詳報です。是非ご活用ください(会員登録しなくても無料で全文読めるし)。
 

 なお、「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」が公表した「趣旨・要綱」については、しんぶん赤旗が詳細に伝えていますのでお読みください。
 

 以下に、「趣旨・要綱」の内、「2.要綱」を引用します。

(引用開始)
安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合 
1.趣旨 (略)
2.要綱
【理念】
 立憲主義、民主主義、平和主義の擁護と再生は、誰もが自由で尊厳あるくらしをおくるための前提とな
るものである。私たち市民連合は、安全保障関連法を廃止、立憲主義を回復し、自由な個人が相互の尊重
のうえに持続可能な政治経済社会を構築する政治と政策の実現を志向する。
【方針】
1.市民連合は、2000万人署名を共通の基礎とし、
(1)安全保障関連法の廃止
(2)立憲主義の回復(集団的自衛権行使容認の閣議決定の撤回を含む)
(3)個人の尊厳を擁護する政治の実現
に向けた野党共闘を要求し、これらの課題についての公約を基準に、参議院選における候補者の推薦と支
援をおこなう。
2.市民連合は、参議院選挙における1人区(32選挙区)すべてにおいて、野党が協議・調整によって候補者を1人に絞りこむことを要請する。候補者に関する協議・調整は、選挙区ごとの事情を勘案し、野党とともに必要に応じて市民団体が関与し、その調整によって「無所属」の候補者が擁立される場合も考えられる(無所属候補者は、当選後の議員活動について、市民連合や関与した市民団体との間に一定の協
定を締結するものとする)。
3.市民連合は、個人の尊厳を擁護する政治の実現を目指し、
(1)格差・貧困の拡大や雇用の不安定化ではなく、公正な分配・再配分や労働条件にもとづく健全で持続可
能な経済
(2)復古的な考えの押しつけを拒み、人権の尊重にもとづいたジェンダー平等や教育の実現
(3)マスコミや教育現場などにおける言論の自由の擁護
(4)沖縄の民意をふみにじる辺野古新基地建設の中止
(5)脱原発と再生可能エネルギーの振興
などのテーマにおいて政策志向を共有する候補者を重点的に支援していく。
4.市民連合は、「2000万人戦争法の廃止を求める統一署名」の共同のよびかけ29団体の個人有志、また市民連合の理念と方針に賛同する諸団体有志および個人によって組織し、各地域において野党(無
所属)統一候補擁立を目指し活動している市民団体との連携をはかる。
(引用終わり)

 記者会見でも質問が出ていましたが、上記【方針】の「3」で掲げられた5つの「テーマにおいて政策
志向を共有する候補者を重点的に支援していく」とある部分をどう評価するかはなかなか難しいところかもしれません。あくまで「重点的」であって、5つのテーマのどれかに反対だからといって「支援しない」と言っている訳ではないのだから問題ない、というのが一つの考え方でしょうし、ハードルを上げすぎると、結集からこぼれ落ちる勢力が増えてしまい、かえって逆効果ではないか、というのがもう一つの考え方でしょう。これをどう考えるかは、各地域ごとの事情によるところが大きいだろうとは思いますが。

 それから、【方針】の「4」で、「市民連合」が、「団体の個人有志」および「個人」によって組織するとしていて、団体そのものを構成要素としていないことは(記者会見出席者にも一々「有志」がついていたのはそういう事情でしょう)、「そうだろうな」と私は得心しました。「立憲デモクラシーの会」
が、会として「市民連合」の構成団体になるなどということは想像できませんしね。
 とはいえ、全くの個人の集まりという訳ではなく、団体を背負った「個人有志」であるところが重要だ
という、まことに微妙な部分を抱えての個人の結集であるのだろうと思います。
 この点は、現在、全国各地で野党統一候補の擁立を目指して活動している個人・団体にとっては切実な問題であり、「市民連合」の行き方は、大いに参考になることでしょう。
 

(忘れないために)
 「自由と平和のための京大有志の会」による「あしたのための声明書」(2015年9月19日)を、「忘れないために」しばらくメルマガ(ブログ)の末尾に掲載することにしました。

(引用開始)
  あしたのための声明書

わたしたちは、忘れない。
人びとの声に耳をふさぎ、まともに答弁もせず法案を通した首相の厚顔を。
戦争に行きたくないと叫ぶ若者を「利己的」と罵った議員の無恥を。
強行採決も連休を過ぎれば忘れると言い放った官房長官の傲慢を。

わたしたちは、忘れない。
マスコミを懲らしめる、と恫喝した議員の思い上がりを。
権力に媚び、おもねるだけの報道人と言論人の醜さを。
居眠りに耽る議員たちの弛緩を。

わたしたちは、忘れない。
声を上げた若者たちの美しさを。
街頭に立ったお年寄りたちの威厳を。
内部からの告発に踏み切った人びとの勇気を。

わたしたちは、忘れない。
戦争の体験者が学生のデモに加わっていた姿を。
路上で、職場で、田んぼで、プラカードを掲げた人びとの決意を。
聞き届けられない声を、それでも上げつづけてきた人びとの苦しく切ない歴史を。

きょうは、はじまりの日。
憲法を貶めた法律を葬り去る作業のはじまり。
賛成票を投じたツケを議員たちが苦々しく噛みしめる日々のはじまり。
人の生命を軽んじ、人の尊厳を踏みにじる独裁政治の終わりのはじまり。
自由と平和への願いをさらに深く、さらに広く共有するための、あらゆる試みのはじまり。

わたしたちは、忘れない、あきらめない、屈しない。

     
自由と平和のための京大有志の会
(引用終わり)

次期参院選野党協力への期待~熊本から、岡山から

 今晩(2015年12月18日)配信した「メルマガ金原No.2308」を転載します。

次期参院選野党協力への期待~熊本から、岡山から

 来年7月の参議院選挙を衆参同日選挙にして、自民党、公明党、おおさか維新の会の改憲勢力が両院の3分の2以上の議席を確保し、一気に明文改憲に突き進むというシナリオが公然と語られるようになる一方、それを阻止するための野党共闘を市民の側から働きかける動きも急となっていますが、その最初の成果として、熊本県での野党共闘成立が伝えられています。

毎日新聞 2015年12月16日 東京朝刊
来夏参院選 4野党、熊本に統一候補 共産、擁立取り下げ

(引用開始)
 民主や維新、共産、社民の野党4党は15日、来年夏の参院選熊本選挙区(改選数1)に無所属の統一候補を擁立する方針を決めた。参院選で野党候補の一本化が決まったのは全国で初めて。民主や社民が推す熊本市の弁護士、阿部広美氏(49)を擁立する見通しで、共産は7月に公認候補として発表していた芋生(いもう)よしや氏(60)の擁立を取り下げる。
 安全保障関連法に反対する市民団体が今月7日、県内の野党各党に候補の一本化を要望。それを受け、新社会党を加えた5党と連合熊本で協議していた。
 参院選で共産が候補を取り下げるのも今回が初めて。近く各党が阿部氏に立候補を要請する予定になっている。
(引用終わり)

 上記の記事に「安全保障関連法に反対する市民団体」というのは、「戦争させない・9条壊すな!くまもとネット」のことで、今月5日に記者会見を開き、7日に県内野党に要請行動、そして15日に野党間で合意成立というのですから、あらかた事前の根回しは出来ていたのかな、とも思いますし、呼びかけた市民団体の名称からも、中央の「総がかり行動実行委員会」の枠組みが、熊本でも機能していたことが伺われます。

 このような、野党の結集を目指す市民団体は、参議院1人区の鹿児島県、石川県、愛媛県をはじめ、各地で結成され、野党各党に働きかけていることが伝えられています。

 今日は、そのような団体の中でもとりわけ名前がユニークということで目についた「おかやまいっぽん」が、「岡山の野党協力を応援します。」と題して12月12日に開催した集会の模様が、IWJ岡山チャンネル1で中継され、アーカイブを視聴できますので、ご紹介します。
 
2015/12/12 【岡山】岡山の野党協力を応援します。(動画)(1時間32分)
【スピーチ】
2分~ 高谷幸氏(岡山大学准教授、社会学)
7分~ 山本圭氏(岡山大学講師、政治学)
【各政党から】
11分~ 大平喜信氏(日本共産党、衆議院議員)
21分~ 宮原領平氏(社会民主党岡山県連合常任幹事・女性青年委員長)
28分~ 高井崇志氏(維新の党、衆議院議員)
38分~ 津村啓介氏(民主党、衆議院議員)
【リレートーク】
47分~ 野党協力を応援する人々からのリレートーク
【スピーチ等】
1時間14分~ 江田五月氏(民主党、参議院議員)
1時間18分~ 植本完治氏(日本共産党岡山県委員会書記長)
1時間21分~ リアクション・トーク
1時間27分~ 署名提出
日時 2015年12月12日(土)10:30〜
場所 岡山国際交流センター(岡山市北区)
主催 おかやまいっぽん「岡山の野党協力を応援します。」実行委員会

 当日の進行表を書き写していて気がついたのですが、江田五月さんは参議院岡山選挙区選出でした。調べてみたところ、来年改選期を迎えます。江田さん(74歳)がもう一度立候補するのか、後進に道を譲るのか、私は全然知りませんが、この選挙区は野党が議席を守れるかどうかというところであり、誰が立候補するにせよ、絶対負けられない選挙区ですよね。どうか頑張って欲しい。

 さて、「それでは和歌山はどうなんだ?」ということになるのですが、それについてはいずれまた近いうちに、ということにしておきます。
 

(忘れないために)
 「自由と平和のための京大有志の会」による「あしたのための声明書」(2015年9月19日)を、「忘れないために」しばらくメルマガ(ブログ)の末尾に掲載することにしました。

(引用開始)
  あしたのための声明書

わたしたちは、忘れない。
人びとの声に耳をふさぎ、まともに答弁もせず法案を通した首相の厚顔を。
戦争に行きたくないと叫ぶ若者を「利己的」と罵った議員の無恥を。
強行採決も連休を過ぎれば忘れると言い放った官房長官の傲慢を。

わたしたちは、忘れない。
マスコミを懲らしめる、と恫喝した議員の思い上がりを。
権力に媚び、おもねるだけの報道人と言論人の醜さを。
居眠りに耽る議員たちの弛緩を。

わたしたちは、忘れない。
声を上げた若者たちの美しさを。
街頭に立ったお年寄りたちの威厳を。
内部からの告発に踏み切った人びとの勇気を。

わたしたちは、忘れない。
戦争の体験者が学生のデモに加わっていた姿を。
路上で、職場で、田んぼで、プラカードを掲げた人びとの決意を。
聞き届けられない声を、それでも上げつづけてきた人びとの苦しく切ない歴史を。

きょうは、はじまりの日。
憲法を貶めた法律を葬り去る作業のはじまり。
賛成票を投じたツケを議員たちが苦々しく噛みしめる日々のはじまり。
人の生命を軽んじ、人の尊厳を踏みにじる独裁政治の終わりのはじまり。
自由と平和への願いをさらに深く、さらに広く共有するための、あらゆる試みのはじまり。

わたしたちは、忘れない、あきらめない、屈しない。

     
自由と平和のための京大有志の会
(引用終わり)
 

(付録)
『大阪のおばちゃん』 作詞・作曲:ヒポポ大王 演奏:ヒポポフォークゲリラ婦人部
 

「過労死等防止対策推進シンポジウム(和歌山会場)」(11/24)のご案内

 今晩(2015年11月9日)配信した「メルマガ金原No.2269」を転載します。

「過労死等防止対策推進シンポジウム(和歌山会場)」(11/24)のご案内

 ここしばらく、私のメルマガ(ブログ)で取り上げる素材に「和歌山ネタ」が多いということに気がつかれている方もいらっしゃるかもしれません。
 実際に、お伝えすべき企画が例年になく多いことも事実であり、その点については、昨日書いたとおり
です(
「第12回 憲法フェスタ」(11/3 守ろう9条 紀の川 市民の会)レポートと11月中の和歌山での取組予定のお知らせ/2015年11月8日)。
 と同時に、日が暮れてから接見に回らなければならない刑事事件を受任した影響で(別に日暮れ前でも良いのですが、往復に時間がかかるもので)、執筆に時間を要する題材は取り上げにくいという事情もあります。
 というような前置きはさておき、今日は弁護士会のレターケースに入っていたチラシで知ったシンポジウムをご紹介しようと思います。テーマは「過労死」であり、いつも私が書いている題材の中にはめったに入って来ないものですが、重要な問題であり、多くの人が関心を持って学ぶべきテーマであることは間違いありません。
 まずは、チラシ掲載情報を転記します。

チラシ文字情報から引用開始)
チラシ表面~
過労死等防止対策推進シンポジウム(和歌山会場)

過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ
毎年11月は「過労死等防止啓発月間」です。

日時 平成27年11月24日(火)
    14:00~17:00(受付開始 13:30)
会場 和歌山ビッグ愛 大ホール
    (和歌山市手平2丁目1-2)
参加無料[事前申込] 
定員:100名

主催:厚生労働省
後援:和歌山県、和歌山市
協力:
 過労死等防止対策推進全国センター
 全国過労死を考える家族の会
 過労死弁護団全国連絡会議

チラシ裏面~
和歌山会場 過労死等防止対策推進シンポジウムを開催します。

プログラム
[基調講演]岩城  穣 氏(弁護士・過労死防止全国センター事務局長)
[行政報告]和歌山労働局
[演劇]演劇集団和歌山
[過労死遺族の訴え]過労死を考える家族の会
[パネルディスカッション]
 コーディネーター:
  岩城  穣 氏
 パネリスト:
  奥村 明春 氏(医師 おおみや診療所 所長)
  小池 江利 氏(大阪過労死を考える家族の会 代表)
  堂前  健 氏(連合和歌山 副事務局長)

会場のご案内
和歌山ビッグ愛 大ホール
(和歌山市手平2丁目1-2)
JR和歌山駅から徒歩 約15分
JR宮前駅から徒歩 約8分

参加申込について

参加には事前の申し込みが必要です。(定員以下の場合は、当日参加可能)
以下の参加申込書に必要事項を記入の上、FAXにてお申込みください。
◆申し込み先:FAX 052-915-1523
  株式会社プロセスユニーク 過労死等防止対策推進シンポジウム 受付窓口 行
◆Webからの申込みは、下記ホームページをご覧ください。
(金原注)ホームページからの申込フォームはこちらからお願いします。
参加ご希望の方は、職業/所属団体名、名前(ふりがな)、郵便番号、住所、電話番号を明記し、FAX、または、ホームページからお申し込みください。申し込み締切りは11月19日(木)です。申込み多数の場合、事前に締切る場合がありますのでご了承ください。

過労死等防止対策推進シンポジウム 参加申込書
 (掲載省略) 

※申込みいただいた個人情報は、主催者が適正に管理し、シンポジウムの運営のみに使用いたします。

(お問い合わせ先)株式会社プロセスユニーク 電話:052-919-7883
E-mail:
karoushiboushisympo@p-unique.co.jp
(引用終わり)

 正直に申し上げて、これまでの弁護士生活の中で過労死事件に直接関わったことは一度もなく(相談だけで終わった、あるいは経験豊富な弁護士を紹介した、ということは別として)、自ら語るなにものも持たず、第一、「毎年11月は「過労死等防止啓発月間」です。」などということも恥ずかしながら初めて知りました。
 そして、厚生労働省が主催する過労死等防止対策推進シンポジウムが全国29箇所で開催され
るということも、ホームページの記載を読んで知った次第です。

 調べてみると、昨年成立した過労死等防止対策推進法に以下のような規定があり、これに基づいたシンポジウムの開催なのだということが分かります。
 
過労死等防止対策推進法(平成二十六年六月二十七日法律第百号)
 (過労死等防止啓発月間)
第五条 国民の間に広く過労死等を防止することの重要性について自覚を促し、これに対する関心と理解
を深めるため、過労死等防止啓発月間を設ける。
2 過労死等防止啓発月間は、十一月とする。
3 国及び地方公共団体は、過労死等防止啓発月間の趣旨にふさわしい事業が実施されるよう努めなければならない。

 ところで、私がこのシンポジウムをご紹介しようと思い立ったのは、急に過労死問題の重要性に目覚め
たから、と言いたいところですが、実は、和歌山会場の登壇者の中にお馴染みの名前を発見したからということでもあるのです。
 演劇集団和歌山による「演劇」がどのようなものか興味がありますし、奥村明春先生からは医師としての貴重なお話が伺えそうです。
 それに、基調講演とコーディネーターという大役を務められる岩城穣(いわき・ゆたか)弁護士(大阪
弁護士会)は、和歌山県那賀郡打田町(現在は紀の川市)のご出身で、私の司法修習生時代の同期の友人のお兄さんでもあります(岩城穣弁護士が私たちの1期先輩。もっとも、年齢は私の方が少し上だったか)。
 事務所(いわき総合法律事務所)のホームページには、もちろん「過労死・過労自殺相談ガイド」のコーナーが設けられています。
 そして岩城先生は、今年の「過労死等防止推進月間」に全国各地で行われるシンポジウムの内、和歌山だけではなく、大阪、島根、岡山でも、基調講演やコーディネーターを務めることになっているそうです(「岩城弁護士のはばかり日記」より)。
 11月24日の和歌山でのシンポジウムも是非参加したいところではありますが、仕事のために伺えな
いのが残念です。
 この問題に関心を持つ方に是非参加をお勧めしたいと思います。
 

(忘れないために)
 「自由と平和のための京大有志の会」による「あしたのための声明書」(2015年9月19日)を、「忘れないために」しばらくメルマガ(ブログ)の末尾に掲載することにしました。

(引用開始)
  あしたのための声明書

わたしたちは、忘れない。
人びとの声に耳をふさぎ、まともに答弁もせず法案を通した首相の厚顔を。
戦争に行きたくないと叫ぶ若者を「利己的」と罵った議員の無恥を。
強行採決も連休を過ぎれば忘れると言い放った官房長官の傲慢を。

わたしたちは、忘れない。
マスコミを懲らしめる、と恫喝した議員の思い上がりを。
権力に媚び、おもねるだけの報道人と言論人の醜さを。
居眠りに耽る議員たちの弛緩を。

わたしたちは、忘れない。
声を上げた若者たちの美しさを。
街頭に立ったお年寄りたちの威厳を。
内部からの告発に踏み切った人びとの勇気を。

わたしたちは、忘れない。
戦争の体験者が学生のデモに加わっていた姿を。
路上で、職場で、田んぼで、プラカードを掲げた人びとの決意を。
聞き届けられない声を、それでも上げつづけてきた人びとの苦しく切ない歴史を。

きょうは、はじまりの日。
憲法を貶めた法律を葬り去る作業のはじまり。
賛成票を投じたツケを議員たちが苦々しく噛みしめる日々のはじまり。
人の生命を軽んじ、人の尊厳を踏みにじる独裁政治の終わりのはじまり。
自由と平和への願いをさらに深く、さらに広く共有するための、あらゆる試みのはじまり。

わたしたちは、忘れない、あきらめない、屈しない。

     
自由と平和のための京大有志の会
(引用終わり)
 

(付録)
『ケサラ』 演奏:自由の森学園(2013年 音楽祭)
  

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11/3から2000万人「戦争法の廃止を求める統一署名」スタート~でも「統一」は外した方がよいと思う

 今晩(2015年11月1日)配信した「メルマガ金原No.2261」を転載します。

11/3から2000万人「戦争法の廃止を求める統一署名」スタート~でも「統一」は外した方がよいと思う

 世に行われている署名は星の数ほどあれど、「目指せ!1000万署名」というのはそうあるものではないと思い、「1000万」「署名」でGoogle検索してみると、そこそこあるものですね。例えば、
脱原発を実現し、自然エネルギー中心の社会を求める全国署名(さようなら原発1000万人署名)(「さようなら原発」一千万署名 市民の会)
核兵器廃絶1000万署名(原水禁ほか)
戦争絶対反対!許すな改憲!1000万人署名(改憲・戦争・原発・貧困許さない大行動 代表・鈴木達夫)
などというのがヒットしました。

 この他、自治体のホームページからもリンクされている、
拉致被害者救出1000万署名(家族会、救う会)
というような1000万署名もありますし、私たちとは正反対の立場から、
美しい日本の憲法をつくる1000万人賛同署名(美しい日本の憲法をつくる国民の会)
などというのも取り組まれています。もっともこの最後のものは、署名とは言いながら、「代筆可」ということから分かるように、実質的には来るべき国民投票運動に備えた「改憲支援者名簿」作り(選挙の際の候補者後援会入会申込書のようなもの)でしょう。この動きについて書いた私のブログ(「改憲派」の準備はここまで進んでいる/2015年2月22日)もご参照いただければと思います。

 さらに、お隣の韓国でも、ハンギョレ新聞の伝えるところによると、野党が中心となって「(歴史教科書)国定化反対1000万市民街頭署名戦」に突入しているとか。人口5100万人余の韓国で「1000万署名」という目標は、日本で言えば「2000万署名」に相当する大変な数ですね。

 ここでようやく本題の「2000万人署名」にたどり着きました。
 私が皆さんに呼びかけようというのが、「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」が呼びかける2000万人「戦争法の廃止を求める統一署名」です。
 何が「統一」なのかということですが、「総がかり行動実行委員会」公式サイトの中の「2000万人「戦争法の廃止を求める統一署名」に、ご協力ください」というコーナーに掲載された「署名用紙鑑(ワード)」を読めばその間の事情が分かるでしょう。
 それにしても、「署名の協力依頼、期間、連絡先などの文書」のクリック用タイトルが「署名用紙鑑」
(しょめいようしかがみ)というのは、いかに大急ぎでアップしたとはいえ、「普通の市民や学生」にも理解できる表現に至急訂正して欲しい、と希望しておきます(私なら「ご協力のお願い」にしますけどね)。

署名用紙鑑(ワード)
(引用開始)
      2000万人
     「戦争法の廃止を求める統一署名」にご協力ください
                   2015年11月
                   戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会

 憲法違反の戦争法(安全保障関連法)が、安倍自公政権のもと、大多数の世論を踏みにじり、国会内の
多数の横暴で「成立」させられました。
 戦争法は、政府のこれまでの憲法解釈を180度転換した閣議決定(2014年7月1日)にもとづく
もので、平和主義、立憲主義、民主主義を破壊するものであり、絶対に許せません。「戦争法は廃止せよ
」の声は国内外に満ちています。
 戦争法を廃止するために、総がかり行動実行委員会は一緒に活動してきた諸団体とともに、「戦争法の廃止を求める統一署名」を2000万人以上集めることを呼びかけます。この2000万署名運動は、みなさんお一人ひとりのご協力がなければ成功しません。それぞれの知人・友人、地域、職場、学園などで
の積極的な署名呼びかけをよろしくお願いします。
              
署名の目標は2000万人以上です。ただちに取り組みましょう 
 署名にただちに取り組みましょう。
 全国の地域・街頭、職場、学園などいたるところ、草の根で、対話を重ね、署名を集める団体、個人をひろげ、「取り扱い団体」をどんどん増やし、力を合わせ、対話を重ね、2000万人以上の署名を実現しましょう。なお、請願には年齢制限はなく、定住外国人も請願できますし、非定住もネット署名は可能
です。積極的に声をかけていきましょう。
 集約日は、2016年4月25日とします。5月3日憲法集会での発表をめざし、それまでの半年間に
2000万人以上の署名を集めましょう。
 
署名は集まり次第届けてください 
 署名は集まり次第どんどん届けてください。多数の署名簿をまとめて送られる場合は、できるだけ「筆
数」を添付してくだされば幸いです。なお、FAXは無効となりますので、ご注意を。
 送り先・届け先は、「取り扱い団体」の住所、または「〒101-0063東京都千代田区神田淡路町1-15
 塚崎ビル3F 戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」にお願いします。
 
ポスターなどのグッズもあります 
 署名用紙の増し刷りは大歓迎です。総がかり行動実行委員会のホームページからダウンロードできます
。ポスターなど署名推進のためのグッズも用意しています。
 
連絡先・問い合わせ先 
◇各取り扱い団体
◇戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会
   戦争をさせない1000人委員会 ℡:03-3526-2920
   解釈で憲法9条を壊すな!実行委員会 ℡:03-3221-4668
   戦争する国づくりストップ!憲法を守り・いかす共同センター ℡:03-5842-5611
              
◆なお、同じ内容の署名がインターネットでもできるようにします。ただし、ネット署名は国会請願署名
にならないので、その署名は署名人数として算入し、首相官邸に届けることにします。
(引用終わり)

 以上で、この署名の趣旨はだいたいご理解いただけたかとは思いますが、「統一」ということの意味は
明瞭ではありません。強いて言えば、「戦争法を廃止するために、総がかり行動実行委員会は一緒に活動してきた諸団体とともに、「戦争法の廃止を求める統一署名」を2000万人以上集めることを呼びかけます。」ですかね。
 「総がかり行動実行委員会」WEBサイトの署名コーナーに、「従来はともすると別々に取り組まれて
いた署名運動を1本化するという画期的な試みです。これを全国で拡げに拡げましょう。この運動はいま
求められている参院選での野党の協力と勝利にも大きな弾みとなると確信しております。」とあるのが結局、「統一」ということの説明の全てのようです。
 「画期的な」「統一署名」ということの意味は、従来型の運動の実態を知る者に対しては、これで十分
伝わると思いますが、およそ連合とも全労連とも、民主党とも共産党とも社民党とも、何の関係もなかっ
た「市民や学生」に通じますかね?と言うよりも、通じさせる必要がありますかね?

 私自身は、労働組合とも政党とも何の関係もありませんが、この10年、様々な運動に直接・間接に加わり(内6年間は「憲法9条を守る和歌山弁護士の会」事務局長として)、少しは従来型の運動とも関わりを持ってきましたので、今回の「統一署名」がいかに「画期的」かは十分に分かるつもりです。
 それは理解するのですが、何も署名用紙に記載するタイトルまで「戦争法の廃止を求める統一署名」としなくてもよいのに、と思わざるを得ません。街頭で署名を求める時、友人、知人に署名用紙を届けて協力を依頼する時、いちいち「統一署名」の意味を説明するのですか?まさかね。でも、説明を求められたら答えない訳にはいかないでしょう。(旧)社会党と日本共産党の対立の歴史から説明を始めるのですか?

 この署名用紙の表題にある「統一署名」という言葉が目に飛び込んできた時、もっぱら「組織内」に向
けたアピールだという印象を私は受けました。第一、「統一」という言葉から、「統一署名」以外の「戦争法の廃止を求める署名」を排除する気配を感じる人がいるかもしれません。皆さんはどう思われるでしょうか?
 ここで、その署名用紙の内容(氏名・住所記載欄を除く)を転記しておきます。
  
(引用開始)
衆議院議長 大島理森 様
参議院議長 山崎正昭 様
内閣総理大臣 安倍晋三 様
 
           戦争法の廃止を求める統一署名

 2015年9月19日に参議院で“強行採決”され、“成立”した「平和安全保障関連法」は、憲法9条が禁じる国際紛争解決のための武力行使を可能とするもので、憲法違反であることは明らかです。したがって、「平和安全」の名にかかわらず、その内容はまぎれもなく戦争法です。また、憲法解釈を180度くつがえした閣議決定に基づいた違憲の立法は、内閣と国会による立憲主義の否定であり、断じて認めることはでき
ません。
 この戦争法が発動されれば、日本は海外で戦争する国になり、自衛隊は海外で殺し殺されることになり
、日本自体が武力紛争の当事者となって、「平和安全」とはまったく逆の事態を招くことになります。
 戦争法に対しては、国会審議の段階で、憲法の専門家をはじめ、さまざまな分野の人びとから反対の声が上がり、世論調査でも8割が政府の説明は不十分と答えていました。全国の人びとの強い反対の声を国会
内の数の力で踏みにじった採決は、主権在民と民主主義を壊す暴挙であり、正当性を欠くものです。
 以上の趣旨から、次の事項について請願します。
                  【請願事項】
一、戦争法である「平和安全保障関連法」をすみやかに廃止してください。
一、立憲主義の原則を堅持し、憲法9条を守り、いかしてください。

(5名分の署名欄 略)
 
呼びかけ 戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会
TEL 03-3526-2920(1000人委員会) 03-3221-4668(9条壊すな!実行委員会) 03-5842-5611(憲法共同
センター)
共同呼びかけ 戦争をさせない1000人委員会/解釈で憲法9条を壊すな!実行委員会/戦争する国づくりストップ!憲法を守り・いかす共同センター/安倍教育政策NO!ネット/<安倍政権にNO!>東京・地域ネットワーク/安全保障関連法に反対する学者の会/安全保障関連法に反対する医療・介護・福祉関係者の会/安保関連法に反対するママの会/NGO非戦ネット/沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック/女の平和/改憲問題対策法律家6団体連絡会/原発をなくす全国連絡会/国連人権勧告の実現を!実行委員会/さようなら原発1000万人アクション/自由と民主主義のための学生緊急行動(SEALDs)/首都圏反原発連合/戦時性暴力問題対策会議/宗教者・門徒・信者国会前大集会/脱原発をめざす女たちの会/止めよう!辺野古埋立て 国会包囲実行委員会/日韓つながり直しキャンペーン2015/日本軍「慰安婦」問題解決全国行動/反貧困ネットワーク/「秘密保護法」廃止へ!実行委員会/mネット・民法改正情報ネットワーク/立憲デモクラシーの会/全国労働組合連絡協議会/全国労働金庫労働組合連合会

※集約次第お送り下さい 送り先:〒101- 0063 東京都千代田区神田淡路町1?15 塚崎ビル3F 総がかり
行動実行委員会
(引用終わり)

 なお、上に転記したのは「総がかり行動実行委員会」の「2000万人「戦争法の廃止を求める統一署名」に、ご協力ください」コーナーにアップされた署名用紙の内、PDF版の方です。
 内容的には、もう1つアップされているワード版とほぼ同じですが、微妙に違うところもあります(使用された文字のポイント数が全然違う他、集約後の署名用紙の送付先を記載した位置が違っていたり、「ただし、FAXは無効となりますので、ご注意を」がワード版にはあるがPDF版にはないなど)。
 そもそも、ワード版の方はPDF版に比べて署名欄の幅が狭く、2行にまたがって書きたい人や視力が
低下した人には不向きです。しかし、取扱い団体を記入するためにはワード版を使わざるを得ず、明後日(11月3日)、「第12回 憲法フェスタ」を開催する和歌山市の「守ろう9条 紀の川 市民の会」(私も運営委員)では、急遽、ワード版をベースとしながら、字のポイント数や署名欄の行間隔をなどをPD
F版に近づけたハイブリッド版を事務局が作って対応することになりました。
 ひいき目で言うのではありませんが、このハイブリッド版が一番良いように思います(個人的には、タイトルから「統一」を外せば完璧です)。

 2000万人署名というのは並大抵なことで実現できる数字ではありません。そのためには、労働組合や政党、従来から活動している様々な団体の組織力をフルに動員することが絶対に必要です。
 そのことを大前提としながら、さらに一段も二段も協力を呼びかける層を拡げなければ、2000万人
署名も、来夏の参議院選挙における勝利もあり得ないことは誰しも認識していることと思います。
 公式には11月3日からスタートする戦争法の廃止を求める2000万人署名。私の地元和歌山では、先ほども触れたように、同日、「守ろう9条 紀の川 市民の会」が和歌山市河北コミセンを会場に開催する「第12回 憲法フェスタ」において、参加者に対し、会場での署名をお願いする他、署名用紙を持ち帰って周囲に署名を勧めて欲しいと要請する予定です。フェスタでは、2000万人署名の主要な呼びかけ団体の一つである「戦争をさせない1000人委員会」の呼びかけ人でもある高作正博関西大学教授(憲法学)が記念講演をされます。和歌山市周辺の方には是非足をお運びいただければと思います。
 

(忘れないために)
 「自由と平和のための京大有志の会」による「あしたのための声明書」(2015年9月19日)を、「忘れないために」しばらくメルマガ(ブログ)の末尾に掲載することにしました。

(引用開始)
  あしたのための声明書