2006年03月04日

ブラジリアでカーニバルを過ごす

25日から4日間に渡って行われていたカーニバルが終わる。ブラジル中がお祭りモードから抜け、日常を取り戻しつつある。リオデジャネイロでは、雨が降ったのが残念だったが、それでも例年通り盛大に行われた。サンパウロは最終的に採点をめぐって争いが起き、ジャーナリストが黒人差別の発言をした、しないで裁判沙汰になるかもしれない状況らしい。サルバドールでは今年、日本人初(外国人初)のMusa(女神=グループの看板となるダンサー)が誕生し話題を呼んだ。

さて、ブラジリアはというと。
数年前からブラジリアの代表的カーニバルは衛星都市セイランジャで行われている。その名もCeilambodromoセイランボドロモ。他の大都市のカーニバルとは正直比べ物にはならないが、それでも少しずつ、カーニバルらしいものが育ってきているといえる。今年は2チームが優勝した。各チームがリオのカーニバルのように山車を引きながら創作ダンスを繰り広げていた。毎日3万から5万人の観客が集まり、多くの警察も動員されていたので、全く混乱もなく成功裏に終わった。このことは、特にセイランジャが誕生した頃から住んでいる住民たちにとっては感慨深い出来事となった。文化的イベントがセイランジャで開催されそれが全国へと放送されること、「治安が悪い」と言われているセイランジャで混乱なくカーニバルが終了したことは、彼らの誇りになったようだ。

ただ、セイランジャでブラジリア連邦区を代表するカーニバルが行われる一方、中心部であるプラノピロットでもフレーボ(ブラジル特有の音楽の一種)の集まりや、メインストリートでのパレードなどが行われており、中心部住民のほとんどはセイランジャへは足を運ばない。旅行する人も多いし、ブラジリアに残った人もプラノピロットのパーティーに行くか、クラブやバーなどに集まる。つまり、連邦区を代表するカーニバルを衛星都市で開催することは、衛星都市住民と中心部住民の住み分けを促進させたといえる。
カーニバル前には、HIVやその他の性感染病対策に取り組む政府によって、「コンドーム使用促進キャンペーン」が行われ、CMや新聞、ラジオで啓発が行われ、パレード中もコンドームが配られていた。

カーニバルの国ブラジルだが、カーニバルが好きではないという人も多い。単に人ごみが嫌いという人もいるが、アンチカーニバルの一部は宗教心の強い人々だ。彼らはカーニバルではなく、ヘバニャオンRebanhaoとよばれるカトリックやプロテスタントの集会に足を運ぶ。
各国地域でカーニバルの意味合いは違うが、ブラジルでは簡単にいえば、キリストの苦悩の40日間が始まる灰色の水曜日(Quarta-feira de Cinza)の前のお祭り。そのため、宗教心の強い人は40日間が始まる前にカーニバルで馬鹿騒ぎをすることを好まず、Rebanhaoに参加する。26日には8千人がプラノピロットで行われたRebanhaoに集まった。そして、3月1日、灰色の水曜日にはミサが行われ、Jejum(断食)が始まる。曜日を選んで肉や食事を断ったり、パンと水だけで過ごしたりする。そして40日後、聖週間にはいり、復活祭となる。

今はまだ、ブラジリアのカーニバルは観光客を呼び込めるイベントとはいえない。が、これから徐々に育っていけば、ブラジリエンシ(ブラジリア出身者)がそのための努力を惜しまなければ、「文化のない街」という不名誉な称号を振り払うことができる日も近いかもしれない。


wakanalivedoor at 11:42│Comments(2)TrackBack(0)

トラックバックURL

この記事へのコメント

1. Posted by 綾子   2006年03月06日 15:53
4 カーニバルというとリオのカーニバルを想像する日本人が多く、同じ時期に色々な場所でカーニバルをしていると言うと驚かれる。留学したことで、今まで自分は〜人はどうだと決め付けていたということに気が付いた。例えば私は今までブラジル人はサッカーが好き、ブラジル人の女性は皆サンバを踊れる。一人の人間としてみていなかったのだ。同じ民族でもAを好きだという人もいれば嫌いだという人もいる。多くのブラジル人、日本人は〜と言葉を変えて説明している今日この頃。ので、カーニバルを好まない人がいても「おぉ、そうか」と驚かない。だが、それが宗教と関係しているということは知らなかった。
2. Posted by W   2006年03月08日 03:09
宗教的理由というのも意外に多いのです。そしてそのような理由でカーニバルに参加しない人々が徐々に増えてきているように感じます。数十年前からブラジリアではカーニバルの時期にRebanhaoがありキリスト教徒が集まっていましたが、その「集客力」は年々強まっています。
特に貧困層の間で信者数を伸ばしているエヴァンジェリコの拡大とも関係しているようです。エヴァンジェリコの一派には、人前で踊ること、化粧をすること、肌を過度に露出させること、ピアスをつけることを禁止している一派もあり、カーニバルの「乱痴気騒ぎ」とは正反対。

カーニバルとRebanhao(Rebanho=キリスト教信者の意)が今後どうなっていくのか、注目です。

コメントする

名前
URL
 
  絵文字