前回、「スタッフの採用募集をしても、全く応募がないので、顧問先を減らすことにした!」という税理士先生のお話を掲載しました。「自分が引き続き毎月訪問するなら、顧問料を10万円増額してください」と交渉した結果、3件中2件で快諾されたというお話です。
間違いなく顧問先の満足度が高いからこそできた交渉ですが、いったいどんな顧問関係を構築されているのか?を聞いてみました。

すると、

「社長と話す内容は毎回ばらばらで多岐に渡るが、社長にとっては自分が下そうとしている意思決定を顧問税理士という第三者に評価させることで、客観的に自分の判断を眺めたいというニーズがあるのだろう。時には背中を押して欲しいこともあるだろうし、時にはブレーキをかけて欲しいこともあるのだと思う。そういった意思決定に絡めていると感謝されるし、その立ち位置を任せてくれる顧問先のために自分は尽力したい。」と話されました。
なるほど納得できたし、方針の本質がわかって大変感動を覚えました。


「スタッフの採用募集をかけても、全く応募が無いので、顧問先を減らす方針にしました!」とおっしゃったが、戦力に合わせて顧問契約を解除するというのが方針の本質ではなく、この採用難の環境を主体的に捉えて、ご自身が果たすべき役割や存在価値が何かを見つめなおし、その役割や価値を本当に必要としてくれているお客様を明確にすることで、ご自身が直接尽力するお相手と、スタッフに担当変更するお相手をこの機会にはっきりさせようというのが方針の本質なのだとわかりました。


「先生に直接見てもらいたいと言われるから、なかなか担当変更したいと言い出せない。」とおっしゃる税理士先生にも時々お会いしますが、顧問先が先生に求めているニーズは、本当に先生しか対応できないことなのか、十分明確にしないままで遠慮のロスを発生させていることもありそうな気がします。上記先生のように、明確に意思表示をすることで、顧問先のニーズをはっきりさせることはお互いにとって有益なことかもしれないと、良い気付きを得ました。