わく三の「ま、こんなもんでしょ。」

日々の『こんなもん』

2007年09月

切手を買う為にコンビニに入った。
レジではお客さんが公共料金の支払いをしている。
僕はその後ろに並んだ。そして僕の後ろにはおばちゃんが並んだ。

隣のレジに店員が入り
『二番目にお並びのお客さまこちらへどうぞ』
と声を掛けてきた。

僕はそのレジに向かったが、僕の後ろに並んでいたおばちゃんがスーッと当然のように割り込んできた。

『あの〜二番目にお並びの方が先ですよ!』
という店員の言葉を待っていたが、普通におばちゃんの商品のお会計をはじめた。

信じられん!
順番関係ないのかよ!
注意ぐらいしろよ!

まぁこんな事で怒っても仕方ないので、穏便にスルーしてやった。
そしてレジが僕の番なった。

「80円切手を一枚下さい」
『80円切手一枚ですね!…お会計150円になります!』

…おかしくない?
僕はそれしか頼んでないのに…

僕は150円支払った。

あのコンビに店員何考えとるんじゃ!?

僕には50歳を過ぎた女性の友達がいる。その名はガースー。
酒癖が悪く、色んなところで暴れまくっているのに、本人は「色んな人から好かれている!」と思い込んでいるおばちゃんだ。

僕は毎月第一月曜日、綾瀬の宴会場で開かれる「万来寄席」に出させてもらっている。
ガースーは長い間ダンスを習っていて誰かに見てもらう発表の場が欲しいと言うので、僕が主催者に頼み込んでその寄席に出させてもらう事になった。

頼み込んであげたはいいが、かなり不安。やる前から後悔。

前座『○○町会ダンス婦人部の皆さん』
チラシにはこう書いた。
ガースーの仲間が7人で踊る。

『もう張り切っちゃうわよ!』
張り切ってるのが姿が更に不安にさせる。


そして当日。

いつも飲んで暴れるガースーがその日は妙に静かだ。
どうやら緊張しているらしい。
いつもとまるで違う。

僕がお客さんにガースー達を紹介する。
そして踊りが始まった。

...ガースーの勢いがない。
踊っている姿がやけに小さい。
そして特にアクシデントも無く終了。

『私やったわよ!!』
ガースーはとても満足気☆

しかしその後、表情が変わり不満をあらわにした。
『なんで私にご祝儀がでないの〜!?』
お客様からおひねりが出なかったのが不満らしい。
そんなに簡単に出るもんではない。

『すいませ〜ん。レモンハイ!』
ガースーは客席に移り、お酒を注文し飲みはじめた。

舞台では演芸が進行中。
『レモンハイおかわり!』
ガースーのお酒も進んでいく。

その日は『東京の灯よいつまでも』の『新川二郎』さんが遊びにきていた。
せっかくなので舞台に上がって頂き、一曲歌って頂いた。
会場は大盛り上がり。
割り箸に万札がはさまれ舞台にご祝儀が運ばれていった。

それを見たガースーは...
『私にはくれないのに...』
とひがんでいる。

比較する人が違いすぎる。

万来寄席が終了。
その頃にはガースーはベロベロ。いつも通りだ。

ガースーが何かを見つけて走っていった。
その先には、新川二郎さんがっ!

『ジロウちゃ〜ん!』
ガースーは、新川さんに抱きついた。
そしてほっぺたにキス。
....やってしまった。

嫌がる新川さん。
....と思いきや
『やれやれ、仕方ないなぁ〜☆』
抱きついたガースーの腰に手を回し、まんざらでもない様子。

なんとかガースーを引き離し追い返した。
僕は主催者に平謝り。
二度とガースーは踊らせない。

その後、気分直しにとある居酒屋に入った。
『あんた〜、ちゃんと見なさいよ!』
聞き覚えのある声がする。

見るとやっぱりガースーだった。

『あんた〜私の踊りちゃんと見てるの!?』
見知らぬお客さんの前で強引に踊っている。
見せられる方も迷惑な...

『はい!踊り終わり!...あんた達ご祝儀払いなさいよ!』

...自分からご祝儀を要求している。
あり得ない...
新手のカツアゲか!?

『私のダンス最高よ!!!』

ガースーは本当に困ったおばちゃんだ。
でも憎めない、それがガースー。

8月15日
青森での仕事を終え、そのまま車で帰る事になった。
高速に乗った時には深夜12時を回っていた。

運転は僕がしていたが、さすがに眠い。
僕以外の皆寝てしまっている。
三時間程運転する、もう限界になってきた。
『俺は大丈夫だから少し寝たら?』
その言葉に甘え、少しだけ先輩に運転を代わってもらう事にした。

僕は助手席に移るとすぐに寝てしまった。
30分程で目が覚めた。

(もう少し寝たい...が、先輩に運転させっぱなしでは悪いな...)

「先輩まだ眠くないですか?」
ふと先輩を見ると...
顔はやや上を向き、まぶたは完全に閉じ、小さくイビキをかいていた。

...熟睡だ!
車は偉い速度が出ている。
自己ったら即死だ。

「わーわー!!あー!!!」
僕は訳の分からない奇声を上げて先輩の体を揺すった。
動揺して言葉が出なくなるもんだ。

先輩は目を覚まし、咳払いを一つして僕に言った。
『大丈夫だよ!眠くないから。』

....今寝てたじゃねーかよ!
僕の眠気はいっぺんに吹っ飛んだ。

この夏一番怖い体験だった。

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