May 09, 2005

脱線した列車が突っ込んだマンション

神戸の列車事故。
発生からの2週間、かなりいろんな媒体でいろんな角度から報道されていて、私も例にもれずびっくりしたし、不安に思ったり気の毒に思ったり、とても複雑な心境。

JRの体制が悪いとか、運転士が悪いとか、決めつけることはできないし責任取らせてもどうにもならないと思う。劇団印象のアツト君がブログに書いているように、このような事故が二度と起こらないよう約束するなんて無理だとも思う。

ただ、亡くなった方々の事故当日出かける前の話とか、遺族の話とか聞くと悲しくなる。
やりきれないのは、被害者にも運転士や宴会してた人々含むJRにも、誰にも悪気がなかったということ。

あまり報道されてないけど、私は、列車が突っ込んだマンションに住んでいる人たちの気持ちを考えても、やりきれなくなる。というのは、昨年私が住んでいた建物で殺人事件が起きたときのことを思い出すからだと思う。

こういう公の場で話題にするのは初めてなのだが、昨年夏、私が住んでいた4F建てマンションで、同居していた若いカップルの男が部屋で女を殺して、自らも命を絶とうとしたという事件があったのだ。

事件発生直後に外から帰ってきた私は、遺体が運ばれた夜中まで自室に入ることができず、その夜から数日間は警察やマスコミが建物を取り囲んでいる状態。階段が一つしかないので、廊下まで血塗れだった事件現場の部屋の前を毎日通らなければならず、往来が多いエリアなので、建物から出入りするたびに、道行く人の視線を気にしなければならない。
結局耐えられなくなってしばらくして引っ越したのだが、このつらい思いは経験しない人には解り難いらしくて、親しい友人や家族でさえも、あまり心配してくれなかった。

「同じ階じゃなくてよかったじゃん」
「通り魔とかじゃなくて痴話ゲンカでよかったね」
などと気休めを言ってくれるのだが、気にしないようにしても気になるものなのだ。
それに、最大のプライベートな空間であり、どこよりもくつろげる場所であるはずの我が家で、常に他人の目を気にしなければいけないなんて。

殺人事件が起きた当時、私は仕事が忙しくて毎日終電やタクシー帰りだったので、ほんとに精神的にまいった。
会社にいるも地獄、家にいるも地獄。
建物に入るたびに通行人の目を気にしなければならず、事件があった部屋の前を通るたびに身の毛がよだつ思いをするので、夜中コンビニに軽く出ていくのも嫌になる。

たった一人が死んだ賃貸マンションで暮らすのでもこんなにつらいんだから、100人が死んだ自分で買ったマンションに平気で暮らせるという方がおかしい。しかも2週間経った今でも、撤去作業や献花やマスコミ取材で常に人がうろうろしている状態だぞ!
「突っ込んだのが住居のある階じゃなくてよかった」
「JRが買い上げてくれるから良かったじゃん」
なんていう次元の問題じゃないんだ、ほんと。
今でもたくさんの人たちが、そのつらさに耐えながらあのマンションで暮らしているかと思うと胸が痛むし、去年味わったつらい気持ちが甦る。

一刻も早く、住民の皆さんが落ち着いた生活を送れるようになりますように。

*BGM
Elizeth Cardoso "Noturno" "Grandes Momentos"

waleska at 23:06コメント(1)トラックバック(1)時事問題  

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1. 友人のブログから -脱線した列車が突っ込んだマンション-  [ △ ゾウの猿芝居 ▽ ]   May 11, 2005 00:34
尼崎の事故について。 僕は、テレビをほとんど見ないから、 ブラウン管の向こうで、どんな報道がなされているのかわからないけど、 ニュースというものを、いろんな角度から見たいと思っている。 友人のブログで、乗客の不幸ではなく、 マンションの居住者の不運について、

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1. Posted by Waleska   May 16, 2005 01:40
5月14日の毎日新聞朝刊に、このマンションの住民について書いた記事があり、真剣に読んでしまいました。

もう40戸くらいのうち、すでに29戸が引っ越してしまったとのこと。JRが買い取るとか決まらないうちに、賃貸に移った人も多かったみたい。

私が前住んでたマンションでも、殺人事件後1ヶ月くらいで3人くらいが引っ越していきました。私も前住んでたところには愛着もあり、立地も部屋の位置も申し分なかったんですが、事件後その愛着が薄れてしまい、結局離れることを決意しました。

記事には、老後夫婦でひっそり暮らすためにここのマンションの部屋を買った夫婦の話とか、私が想像していた以上の苦悩が記されていました。私が味わったつらさの100倍くらいつらいんだろうな、と再び考えさせられました。

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