April 19, 2018

okazu通信 第59号「WAF in Mumbai延期決定のいきさつ」

okazu通信 第59号をシェアします。

Wall Art Project 応援団の皆さんへ。
インド農村部の学校を舞台に芸術祭を開催してきたWall Art Projectからのお便りです。現地コーディネーター・okazuが現地で活動する中で出会う人、もの、見たこと、聞いたこと、感じたこと、それらを伝える“okazu通信”。日本でのWAP報告会や、展覧会などの情報、プロジェクトの想いをお伝えする“わふわふNEWS”。Wall Art Projectがこの世界で巻き起こしていく活動のすべてを見守ってください。
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okazu通信 第59号 「WAF in Mumbai 延期決定のいきさつ」
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ダラヴィ地区の入り口から少し入ったところを車内から。

 3月31日、照りつける日差しの中、僕たちが乗る乗用車はアジア最大規模のスラム、ムンバイのDharavi(ダラヴィ)地区の小道に入り込もうとしていた。「ダラヴィは革製品のはじめとした家族経営の小さな工房が密集している地域です。その数は2万軒以上と言われています。ここで作られた革製品が、某有名ブランドへ輸出されているんです」と、WAF in ムンバイを一緒に計画しているインド人パートナーDilipさんは話した。これまでに身を置いたことのない地域に入っていく興奮を抑えながら、彼の早口の英語を理解するのに努めていた。
 スラムという言葉から想起されるバラックが並んでいるイメージとは少し違い、入り口には小さな店がびっしりと並んでいる。網の目状に小さな道が走っており、迷い込んだら元来た道は引き返せなさそうだ。「奥へ進むと私たちでも迷うでしょうね」と同行したRoshniさん。彼女は学生時代、研究課題のために訪れたことがあるそうだ。いつの間にかバイクで道を案内してくれる人が現れた。これは曲がりきれるはずがない、という角に差し掛かる。車を降りて歩いていこうとするとそこに腰掛けている普通のおじさんが誘導してくれギリギリで通過(壁との距離は1cm)。誰がやってきたんだろうという住民の視線に見守られながら学校の敷地に入っていく。ダラヴィで30年ほど活動を続けるNGOが運営している学校で、案内してくれた人は学校の主任Vikramさんだった。Vikram さんはDilipさんのWAF開催の呼びかけに反応したそうで、学生時代の同級生とのこと。
 校舎を一通り見学する。350人ほどの子どもたちが通っているこの学校は、2部生になっており、幼稚園クラスから7年生までが通っている。Vikramさんへダラヴィの問題は何か尋ねてみた。「問題は数多くあります。ですが少しずつ改善もみられます。例えば、衛生環境が優れないこと、トイレが不足していることなどが問題でしたが、この10年ほど、人々の意識に訴える活動を続けてきて、住民が維持費を負担するなどしてトイレの数も増えました。ダラヴィの中で生活が完結するので、外へ目を向ける機会が少ないことも問題です。親も子どもをダラヴィの外へ出したがらない。早婚も問題と言えるでしょう。女児が性的な事件に巻き込まれる前に15歳以下で結婚させてしまうケースが少なくありません。」
「学校に通っている子どもが、途中でやめてしまうことはありますか?」
「1クラスに1〜2人くらい、学校全体で毎年15人ほど。経済的な理由が多いです。女の子たちは学びへの意欲が高いのですが、親が途中で通わせるのをやめてしまうこともあります。男子は、教育を受けることよりも、働き、収入を得ることに興味が強く、やめてしまうケースがあります」
 諸々、この学校をめぐる話を聞いた後で、実際にプロジェクトを行うにあたっての話をした。教室の壁にはすでに絵が描かれていた。早寝早起き、歯磨き、入浴、社会での振る舞い方、動物の絵、アルファベットなど、いわゆる「教育的な絵」だ。学校側としてはこういう絵が必要だと考えているらしい。ここ数年、この傾向がインドの各地の学校で見られる。昨年のアースアートプロジェクト2017の際も、教育課のオフィサーにこの部分を説得するのに非常に骨が折れた。はじめ「アートで学校を満たし、アートスペースに一変させよう」と言っていたDilipさんたちも話を聞くうちにそちらの方向へ寄って行き、アートと教育的な絵をうまくミックスすることはできないだろうか、と持ちかけてくる。「ウォールアートプロジェクトが描くのは、教科書にもあるような絵ではなくて、子どもたちの想像力を刺激して、自由に発想していいんだよ、ということを伝えるような絵です。だから描く内容はアーティストに任せます」と伝え、Vikramさんへ映像を見せる。すると、「これは素晴らしいですね・・・校長に相談してみます」と考えが変わったようだ。事前にこの映像を見せておいてよとDilipさんに言いたかったところだが、話がどんどん展開していくので、その機を逸する。「学校で芸術祭をするってどういうこと?」というクエスチョンから始まるのはいつものことなのだけれど。Dilipさんの本業は広告業なので、プロジェクトのストーリーをどう描き、見せていくかという部分が常に念頭にある。「外壁から撮影していき、内壁へ迫っていくようなカメラワークで・・・」と、発信するためのアイディアが先行していくが、40度を超える真夏の中、外壁を描くのは至難の技です、死人が出るかもしれませんよ!とブレーキをかける。ブレインストーミングで、アイディアが溢れてくるのはよいのだが。沈黙が続く会議よりはましかもしれない。アートを学ぶ学生をどう巻き込めるか、そもそもテーマをどうするのかなど、話し合いは5時間ほどに及んだ。頭からは湯気がほとばしっていた。
 だが、ここまで話し合いをしたものの、肝心な資金繰りが芳しくない、という現状があった。今回の僕たちの役割はあくまでアートディレクションとコーディネーションであり、資金繰りはDilipさんたちの役目。学校からの許可がなかなか下りなかったことなどがあり、彼らは十分に動けていなかった。もっと早くそれを伝えてくれていればよかったのに。ゴーを出すかどうか区切りの日を決めましょう、ということにし、4月10日に設定した。
 数日間、メールでのやり取りが続いた後、日本やその他の国、インドの他地域からアーティストを招くのは、来年以降にする、という結論が出た。今年はムンバイに拠点を置くアーティストたちと年間を通じたワークショップを行い、次年度へ向けた機運をつくることに。妥当なところだろう。1月のミーティングで、来年にしましょうよ、と言っていた僕たちの希望通りになった、といえばよいのだろうか。態勢を整え、準備してくれていたアーティストの皆さんには申し訳ないのだけれど・・・。1年目、僕たちは「インスピレーション・パートナー」として関わり、実際の出番は2年目。アートディレクションという形で関わることになった。
 「資金繰りは任せて!という言葉を鵜呑みにせずに、進行状況を常々確認する」「この日までに資金繰りの目処が立っていたらゴーを出す、などのカレンダーを作る(このカレンダーが崩れるのは目に見えているけど。ないよりはマシ)」など、得た教訓は多い。Dilipさんたちがどんな人たちなのか、それがわかったことも収穫だと考えよう。アイディアを生み出す力、行動力、ネットワーク、プレゼン力は素晴らしい。
 この結果をインド人アーティストDibin Thilakanさんへ伝えた。場所は、南インド・ケーララ州・コチ。ちょうど彼の個展も開催中だった。おすすめのドリンク屋さんへ入り、アボカド・シェイクをすすりながらダラヴィでのことを話した。「ケーララの学校現場でも似たようなことを考えていますね。学校の絵は、教育的な絵であるべき、と。プランが変わってしまうことはインドではよくあることなので気にしないでください(笑)。」その言葉に救われる思いがした。面舵いっぱい、気持ちを切り替える。

okazu


☆**☆**☆わふのこNEWS☆**☆**☆
 インドでの18日の滞在終盤、デリーにてラストスパート中なWAPです。気温は連日35度を超えていましたが、諸々のミッションをコンプリート。
日本でお会いしましょう!

*雨水貯水タンクを改良しました!
第2回世界森会議で制作した雨水貯水タンク。暴風雨でやられてしまった部分を改良し、しっかりとした土台を作ってきました。
その模様をタイムラプスにしました!下記リンク先よりご覧ください。(自動で再生されます)

https://www.youtube.com/watch?v=O5C3TU11VAo


*第3回世界森会議へ向け、スピーカー募集中です!
持続可能な社会へ向けて実践を重ねる人々や、動き出そうとしている人々が経験や知識を伝え合う場、世界森会議。今年の開催はラダックです。ご自身の取り組みを伝えに来ませんか?聞きに来る、という人も歓迎です!「漆と絵師」展もLAMOというギャラリーで合わせて開催します。


【とき】2018年8月19日〜26日
【ところ】インド・ジャンムー&カシュミール州 ラダック・マトー村のゴンパ(寺院)スクール
☆2017年7-8月マトー村で開催したEarth Art Project in Ladakh 2017、ドキュメンタリー映像はこちら。まだ限定公開していますが、サポーターの皆さん、ぜひご覧ください!
標高3800mの学校での芸術祭「アースアートプロジェクト 2017」
https://www.youtube.com/watch?v=pglopO0EFMM


 *「漆と絵師」展、お手伝い募集です!
工芸と絵画、二つのコラボレーションから「用の美」を伝える。ウォールアートプロジェクトの新しい挑戦です。
日本の漆をインドへ。漆は知れば知るほど奥の深い素材です。日本人と漆は縄文時代からの長い付き合い。
使えば使うほど味が増していく漆器は、時代を超えて受け継がれ、最終的には大地に還るエコフレンドリーな存在です。
私たちはそれと呼応する作品に出会いました。古い道具に宿る八百万の神を表現した香川大介さん。ひっかえとっかえで使うのではなく、愛着を持って使われた道具に宿るものの声。その展示、ワークショップ、レクチャーを手伝ってくださる方を募集中です!

【展示】
蒔絵師八木由紀子・塗師一田萌里の漆器
絵師・香川大介の「蔵の22神像」と他作品

【とき】2018年9月2日〜9日
【ところ】インド・マハラシュトラ州 ムンバイ ・ARTISANS'(https://www.facebook.com/artisans.centre.9/)、ムンバイ大学など
詳細はお尋ねください。右記メールに返信をください。
info⭐︎wafes.net(⭐︎を@にかえて

*ウォールアートフェスティバルふくしま in 猪苗代 2018、チラシができました!
日本に着く頃にはチラシが事務所に届いている予定です。置いていただける場所があればぜひご一報を!!
郵送いたします。



 (デザインワーク:Blue Bear Inc.)

【とき】2018年10月15日〜滞在制作開始
       11月3日、4日 完成作品を一般公開する芸術祭当日
【ところ】福島県猪苗代町 翁島小学校 吾妻中学校(10/27の公開制作) 猪苗代高校 はじまりの美術館

*WAP応援団、更新の時期が迫っています。
2017年度もWAPの応援、誠にありがとうございました!!
みなさんに直接会うことはなかなか叶いませんが、okazu通信&わふのこNEWSを通じて活動を見守っていただいていると思い、
次へと進んでいく背中を押してもらっています。
2018年5月31日で2017年度は終了し、2018年度がはじまります。応援団登録を更新していただき、引き続きWAPの活動を見守っていただければ幸いです。
〜更新方法〜
●一口3000円の会費を納入(お振り込み、または直接納入)。
●振り込み先  みずほ銀行  成城支店  普通 1170797  トクヒ)ウォールアートプロジェクト

加入いただける方はinfo⭐︎wafes.net(⭐︎を@にかえて)にご連絡ください。
どうぞよろしくお願い致します!

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ウォールアートプロジェクト 2017年度

【助成】ポーラ美術振興財団 国際交流基金 東京都歴史文化財団アーツカウンシル東京(アースアートプロジェクト in ラダック2017)
【協賛】貝印株式会社 株式会社コンピューターシステムハウス Blue Bear Inc. kai manufacturing India pvt. ltd. 
    三部会計事務所 ポーラスター株式会社 みらいなこどもプロジェクト(WAFふくしま in 猪苗代 2018)
【協力】KOKUYO CAMLIN (アースアートプロジェクト in ラダック2017)
【後援】日印友好交流年記念事業認定(アースアートプロジェクトinラダック2017、第2回世界森会議)
【WAP応援団2017】 2018.4.14 現在

藤岡南中学校 星フミ子 林原裕子 角川真穂子 山崎春美 ツツミエミコ 山川真実 江川雄一 関口泉 田中鴻介 橋本琉ノ介 るつこ 諸戸里帆 石永仁子 田枝麻美 北辻ファミリー 市橋晴菜 細井藍子 工藤亜矢 枝元なほみ 唐沢絵美里 笹原花音 南加絵 大崎健太郎 高津友美 益田玲 ブーヴィエやよい 小栗千隼 柴田風也 水野絵菜 猪瀬透 楠ファミリー Mariko Tanaka 真理 Maki Ohkojima Sui&Ayako 松岡亮 おりょう みえ 上條美香 柴辰夫 内野友稀 八木由紀子 一田萌里 S&R&H 香川大介 河鍋春恵 本田啓之 渡辺直子 鹿島和生 JUNAI NAKAGAWA 中尾敦子 ギャラリー403 五十嵐3兄弟 伊東瑞歩 阿部ひかり 

wall_art at 13:01|PermalinkComments(0)making of WAF | ART PLUS BLUE

January 20, 2018

アオ族の村を訪れる_畔

インド北東部、ナガランドのアオ族の村のひとつ、Ungma村にて出会った竹を編んだ床。
天井裏、家の壁、大小違う幅の竹を編みつくられている。美しい・・・。
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この家のお母さんは、機織り機さえも使わない伝統的な手織りでショールを作っていた。
(クラフト編で紹介します)

ゲストハウスのAさんに案内で手仕事ものを作っている人々を訪れ、村を巡った。
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村は小高い丘陵にある。(*これは別の村の風景だけれど、イメージはこんな感じだ)


この村の家々にはほとんど、雨水貯水設備が!
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この地域の雨季は、5月から10月までの約半年。1月の今は乾季で雨はほとんど降らない。
(乾季、と言っても空気がそれほど乾燥しているわけでもない)
O「溜めた雨水は何に使うんですか?」
Aさん「雨の降らない今のような時期に家事のいろいろな用途に使うのよ。お皿洗いとか、植物の水やりとか、本当にいろいろ。」

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 伝統的なかまど。石を三つ並べ、そこで調理する。頭上に棚が吊るされており、そこで豚肉やトウモロコシ、さまざまなものをスモークする。そうでない時は薪を置いておき、乾燥させる。

 
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竹でできたバルコニー。洗濯物が干してある。床上式になっている家が多く、一階部分には薪や農機具などが貯蔵されている。はじめの写真の竹の床の下も同じように貯蔵スペースになっている。


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キッチンガーデンも竹で。奥にある木はパパイヤ。

軒先にはきれいな花々を育てている家が多い。
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この家のお気に入りは多肉植物?

okazu 


wall_art at 23:48|PermalinkComments(0)ナガランド 

January 10, 2018

いくつかの収穫があった日

この日はムンバイ西部でいくつかプレゼン。
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まずは、SOPHIA POLYTECHNIC COLLEGE。在ムンバイ日本総領事館など、在外公館があるエリアにある美術大学で、アート、ビジュアルデザイン、服飾などの学科がある女子大学。Sabinaさんに美術学部の長につないでもらい、会いに行くことに。学校の周囲にちょっとした軽食を出す屋台が出ていて、学生がたむろっていた。他学科がある校舎も周囲にあり、食関係らしき制服を着た学生も。

学部長室に入ると、何やら打ち合わせ中だった。
右から2番目が学部長のMeenalさん。他の方々は、画家、デザイナーとして活躍しつつ、この学校で教鞭をとっている方々。
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本題は、「漆と絵師」展の最中に、漆にまつわるレクチャーや、絵師・香川大介さんとのワークショップを行うことは可能だろうか、という打診だ。映像を含めプレゼンをし、漆器や香川さんの作品集「蔵の22神像」を見てもらう。
周りにいる方々に「この材料は何の木ですか」「この器の絵はどうやって描いているのですか」「この赤は何からできているのですか」など、クリエイター畑から見た質問が次々に寄せられて、答え甲斐があってが楽しい。
「漆も、香川さんの作品もすばらしいですね。ぜひ、学生たちへのレクチャーをお願いします。絵を学んでいる学生にとって香川さんの話はより興味深いのでは、と思います。連絡をとっていきましょう」とMeenalさん。よかった、ここで一つ関わりが持てそうだ。
これまでにも学生の時に知り合い、卒業して、職についた後でも応援してくれているインドの人々がいるので、輪を広げる機会をもらえることは大変ありがたい。

打ち合わせを終えると、お昼を過ぎていた。
テクテク歩いていると、「ピザ、サンドウィッチ、アイスクリームが食べたい人が絶対に立ち寄るべき場所」という看板が。その強気っぷりに感化され、その店でお昼ご飯にすることに。
O「中で食べられるんですか?」
店の人「Yes, Yes。こっちだこっちだ」
椅子もテーブルも見当たらない。
O「どこで食べるんですか」
店の人「この上で」、とアイスクリームを保存する冷凍庫(コンビニにある、上にフタが付いていてひいいて開けるタイプの冷凍庫を想像してほしい)のフタをバシッと叩き、「注文は?」と聞いてくる。
あ、なるほどね、冷凍庫の上で立ち食いなわけね、と少々間をおいて理解し、チーズピザを注文する。と、「注文は俺じゃなくて、あっちの入り口のカウンターで」と言われる。最初からそう言ってほしいよね、と思いながらそんなことはしょっちゅうなので、特に気にせず「チーズピザ、ひとつ」と注文し、代金を払うと、レシートに番号が書かれ、渡される。それを先ほどの店員に渡す。すると、彼は持ち場のテーブルの引き出しの中から、ピザ用のパンを取り出し、ケチャップを塗り、玉ねぎやピーマンをその場で刻み、パンに乗せていく。そしてオーブンへ。
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意外としっかりとしたオーブンで焼き加減を見ながらちゃんと焼いてくれた。

その脇で、別のお客さんのチーズサンドウィッチを作るおじさん。
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挟んだ後、奥にある焼き器でベイク。
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ピザが出てきた。8等分にされている。
出来立てなので、うん、まぁ、おいしい。ただ看板負けしているのは否めない。
僕が期待値を高め過ぎてしまったんだろうな。
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その足でCYMZORA ART GALLERYへ。
Monishaから話を聞き訪れてみようと思っていたのだが、午前中に行った大学から徒歩10分くらいのところにあった。
この建物の2階フロア。
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この場所で48年続くギャラリーだそうだ。
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Sheila Malhotraさんの個展の開催中だった。

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絵の展示を中心にしたギャラリーだそうだ。
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「どちらからいらっしゃったのですか?」と尋ねられ、経緯を話すと、「なるほど、私はこのギャラリーのディレクターKです。事務所で詳しい話をしましょう」と中へ。

態勢を整え、プレゼン。
「なるほど、芸術になかなか触れる機会のない子どもたちにとって、大切な社会貢献ですね。漆や、九十九神という概念は初めて知りましたが、持続可能な未来を考えるきっかけを社会へ提供するということも意義あることと思います。もし、当ギャラリーで展示をすることになれば、ギャラリーの使用料も検討できると思います」と言ってくれた。
費用はそれなりにかかってしまうけれど、このギャラリーに勤めて28年になるKさんの嬉しい申し出。まず一つ候補を確保できたことは安心材料になった。この地区を後にする。

実はFort周辺で「ここで展示ができたら」と思っているギャラリーのディレクターから連絡を待っているものの、なかなか返事がない。ディレクターが出張で不在とのこと。数日前、この日に帰ってくる予定、と聞いており、午前中に午後3時くらいにはいる予定だ、電話でスタッフに確認したので、訪れてみる。「あ、すみません、まだ来ていないのです。来たら連絡を取り継ぎますので・・・」と申し訳なさそうなスタッフ。連絡をお願いし、その場を後にする。

ううむ、ここがどうなるかでこの先の進め方も変わるのだが、待つしかない。と、考えながら歩いていると道路の正面にあるギャラリーの看板が。この先を右に、と書いてある。
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「このビル(かなり年季が入っている)にギャラリーが本当にあるのか??」という疑問を抱かずにはおれなかったのだが、建物の階段を上っていく。木造の階段だ(こういう階段はこのあたりの古い建物に共通だ)。高等裁判所が近いので、公証人の看板があちらこちらにある。灯りも少ないし、仮にここにギャラリーがあったとしてもエキシビションは無理なんじゃ・・・と思いつつ。脇に、何をしているのわからないおじさんたちがいる。ここにギャラリーはありますか、と尋ねると、あぁこの上だ、と答えが。

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3階の踊り場に出ると、この看板が。
これがあるということは確かにギャラリーは存在するようだ。
が、訪れるべきかどうか、まだ心は迷っている。
「まぁここまで階段を上ってきたことだし」と、思い切って矢印の方向へ。

すると作品が廊下に並んでいる!
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と思っていると、この写真の扉から女性が。
「こんにちは」
O「こんにちは。あの、ここはギャラリーですか?」
「そうですよ。どうぞこちらです」と手招きされ扉の中に入っていくと、3m×3mくらいのスペースに絵が飾ってあり、テーブルと椅子が置いてある。
「何か絵をお探しですか」と尋ねられたので、展示場所を探している、という旨を伝える。女性の顔に一瞬残念そうな色が浮かんだのだが、奥から背の高い男性が現れた。
女性が男性に僕のことを伝えると、「そうですか、まぁそちらにどうぞ」と椅子を勧められる。
もろもろ事情を伝え、プレゼン資料を見せると、「なるほど。私はキュレーターとして活動しているのですが、ムンバイとドバイでGlobal Art Fairというアートフェアを開催していまして、そこに参加する作家やギャラリーを今募集中なのです。日本や他のアジアの国々からも参加してもらいたいと思っているところで。今いるスペースはアーティストから作品を預かり、買いたい人とつなぎ販売する場所で、私たちにとってはフェアが一番大きなイベントなんですよ。社会と芸術を繋がる活動、とても大切だと思います。私たちは商業的に活動していますが、協力できることがあると思います」とのこと。

棚から牡丹餅的で、なかなか面白い展開。
詳しく話を聞き、また打ち合わせさせてもらうことに。

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帰り道、前回のブログで書いたムンバイ駅の外観。
 
ホストのTさんが今夜もカレーを作っていてくれた。
このあたりでの家賃の相場や、物件の探し方を教えてもらう。
「すべてアプリでできるわよ」と言う彼女。携帯電話の料金のリチャージもアプリでお願いした。
うーむ、なんと簡便化していることだろう。スマホがインド社会を変えているなぁ、とかなりのダイナミズムを感じる。

okazu
 


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January 09, 2018

北ムンバイを動く

この日は北ムンバイを動き回る。
その最中、目に留まったのは↓ 
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おぉー!雨水活用!
どこの壁だろうと思って見てみると、インド全国で知らない大人はほぼいないんじゃないか、と思えるほどの大手飲料水メーカーの工場。

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次の壁には、「飲み水は地球上の水の・・・」と書いてある。
壁の前に路上で暮らす人々がいて、はっきりと見えなかったのが残念。
なんせ走行中のオートリキシャから撮ったので。

でも、飲料水メーカーが雨水活用を積極的にうたっているというのはよいことだな、と率直な感想を持った。 noco projectやGlobal Forest Meetingのことを話に行っても良いかもしれない。

アポ1件目は、ムンバイ大学で日本語を教えるSarita先生。
2013年のWAFからお世話になっており、日本語を学ぶ学生たちをWAFに送り込んだり、いろいろな方につないでくださっている。

「漆と絵師」展の最中にムンバイ大学でレクチャーやワークショップができないだろうか、と相談すると「できると思いますよ。日程を調整してみましょう」とおっしゃってくれた。
ムンバイで日本語を勉強する学生の数は増えているそうだ。1月20日には日本語スピーチコンテストがあるとのこと。よかったら来ませんか?と誘われたけれど、あいにくその日はムンバイを離れている。

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手前にあるのがサリタ先生愛用の漆器。
「このお皿、とてもかわいいですね。こっそりもらっちゃおうかな(笑)」
と、ワルリ画とのコラボレーションを気に入ってもらえた。嬉しい!

その後、Earth Art Project in Ladakh 2017へ画材を提供していただいたKOKUYO Camlin社へ。
CEOの土井さんにお目にかかり、ドキュメンタリー映像とBOOKで報告した。KOKUYO Camlin社には、2013年のWAFから計6回(WAF2013〜2016、EAP2014・2017)、継続的にサポートをいただいている。
「変わらない精力的な活動に、こちらも元気をもらえます」と、ムンバイを拠点に活躍なさっている土井さんにエールをいただいた。Art Plus Blueでこれから取り組んでいきたいプロジェクトのことも相談し、検討していただけることに。

その後、Bandraのとあるセレクトショップへ。道中、町を見渡すと、宝石店やおしゃれなカフェなどが点在している。ボリウッドスターの家も多い、と聞いたことがある。そこに店を構えているのだから高級志向かなと思いきや、なかなか手頃な価格帯のものを扱っていた。だが、よく商品を見てみると良い値段がするものもあり、見せ方など、参考になった。

そのすぐ近くにおしゃれなカフェ・レストランがあって、通訳としてマーケティングリサーチに同行した時に入ったことのあるお店だった。アボガトとグラノーラ、ハチミツのスムージーを注文。うまい!!これは日本でも作ってみたい。

駅から電車でParelへ。夕方、南下する電車は空いている。北上する方は、片足だけを車内にいれ、腕で体を支えている乗客がほとんどで、大丈夫かな、、、と心配になる。

okazu


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January 08, 2018

濃い打ち合わせとParelの町並み

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Parel周辺の夕暮れのマーケット。花かざりとナリヤル(ココナツ)を売っている。

この日もいろいろな人に会いに行く。
Sabinaさんに紹介してもらった友人のSさんは、国際的に活躍するファッションデザイナーで、特にハンドバッグのデザインで名が知られている。日本にも取引先があるとのことだ。
オフィスはColabaの一等地にあるビル。「彼女はビジネスと学校を運営しているの」と聞いていたので、いろいろ話を展開する道筋を頭に浮かべながら、オフィスへお邪魔する。

「ちょっと書類仕事をしなくてはいけないから、作業をしながらで失礼しますね。説明してもらえますか?」と切り出されたので、それなら、と要点をまず伝えそのあとで肉付けをするモードに切り替えて説明をする。

ワイルドローズのワークショップ、「漆と絵師」展内での漆のワークショップやレクチャー、という段になって学校の話題へ。

「Rajasthanで義父が設立した私立の学校を運営しているんです。そこはとても古い建物を改装しているのだけれど、毎朝の朝会で木片を火にくべるお祈り(=ヒンドゥ教の祭事に行われる儀式)をしていて、サンスクリット語の授業もしています。通常は英語で授業をしているのだけどね。新しい知識やコンピューターの技術など現代社会で必要とされる学力と合わせて、古くから受け継がれてきた伝統的な知識や知恵も合わせて教えることが大事だと思っているの。そして、この写真を見てみて。校舎の壁に子どもたちが絵を描いているんです。ダンス、音楽の時間もとっています。バスケットボールコートやスケートリンクも作りました。子どもたちはそれぞれ得意なものが違うから、自分にあった何かを見つけられるように、と思って。ちなみにコンピューターの台数は、クラスの子たちが一斉にアクセスできるだけを揃えました。音楽の楽器も。取り残される子がいないように」

この内容を実現するためには、資金も労力もとてもかかるだろうことは、想像するに易い。
一体何がモチベーションになっているのですか、と尋ねた。

「私はデザイナーとして、満足する人生を歩んでいます。子どもたちも巣立ったし、生きたいように生きられる。義父が存命時は学校にはほぼノータッチできたのだけれど、最後の時に任されたの。私のスタンスとして、全く何もしないか、するとしたら全力を尽くすか、その2択だから、頑張ってるのよ」

識字率はどのくらいなのだろうか、聞いてみた。
「Rajasthanの識字率って、高くないのよ。南インドと違って。実感としてだけど、全体で見て40%くらいなのでは。私たちの学校の保護者たちの80%は読み書きができません」
これには驚いた。

そして、じゃぁ何ができるだろう、ということ。
自分の学校でワイルドローズのようなワークショップをするならば、良い壁がある。子どもたちや教師たちを参加させることもできる。泊まる場所や食事も用意できる。周辺の私立の学校の校長先生たちに話をして、同じような条件で受け入れてもらうこともできる。ただ、渡航費やアーティストフィーを用意することは難しい。Art Plus Blueの活動はすばらしいと思うし、一緒に何かできたらとても嬉しい。なんなら1年間ずっと絵を描けるような数の学校とも幾らでもでもつなげられる。
どうよ?どうやって進められると思う??とだんだん熱くなってきたSさんを前に、ふむふむ、ふむふむとうなづきながら、頭を大回転させて何をどのように進めていけばいいのかを探していた。

ワイルドローズのようなアートのワークショップはもちろん、『ふくしままっぷ』を介して、福島の子たちともつなげたい。Rajasthanはとても地域性のあるところだし、伝統的なもの+現代的なもののどちらも携えられるように、という教育指針にはとても共感できる。交流が生まれたらとても面白そうだ。
漆器も気に入ってくれて、このレクチャーも子どもたちにしてもらえたら嬉しい、とも。
お互いにどうやっていけるか、考えましょう、となって別れた。
Sさんはその場でサンプリングの仕事に戻って行った。

その足で、Colabaの気になっていたギャラリーへ。
TARQ。
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Rithika Merchantさんの個展「WHERE THE WATER TAKES US」が開催中だった。
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木の床が美しいこのギャラリー。
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何かの神話の世界観を思わせる作品に心惹かれた。
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キュレーターの方にここでエキシビションを開催したい場合、どうすればよいだろうかと話をしてみる。
「残念ですが、2019年まで予定が埋まっているのです。ですが、今後ご一緒できることもあると思うのでぜひディレクターとミーティングをしてみてください」とのこと。
うーーーむ、ムンバイのギャラリー事情が少しずつ分かってきたぞ。帰って早速メールだ〜。

宿へと戻る途中、道が通行止めになっていて途中から歩いていかなければいけないことに。
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歩道をバイクで行くおじさん。不思議な顔をしたり、驚いたり、嫌な顔をする人は一人もいない。完全に当たり前。唯一、僕が「うわっ」と焦ったぐらい(笑)

1kg◯◯RS〜という声があっちでもこっちでも聞こえてくる。特にマーケットって決まっているわけではない普通の路上なのだけれど。活気がある。
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活気にあてられたのか(?)、ちょっと足を止めたくなったところにうまそうなパン屋さんが。
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全部店で作っているというので食べてみることに。
ベジチーズバーガー(40RS=70円)。下にあるのは、パイ。

これをレンジで温めて出してくれたのが、写真左に写っている女の子。
11ー12歳くらい?初めは無表情だったのだが、こちらが笑顔で、たどたどしいマラティ語で話しかけると少し表情が崩れた。ピンボケしているのはマンチュリアンドック。
でた〜!ダハヌのAgni Bakeryに行くとほぼ必ず食べるものの一つ。この店のはガーリック強め。40RS。
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店内には、こんなにデコレートされたケーキがずらり。
誕生日をしっかり祝うインドでは需要が高いんだろうなぁ。
300〜400RSくらいみたいだ。
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この通りは個人商店の集積地のようなもので、人々がひしめいていた。
こうしてテクテク歩いていると、企業のチェーン店ではない個人商店がいかに多いかがわかる。
家族経営のところが多そうだ。一つ一つのお店は大きくないし、扱っているものの値段もそんなに高価ではない。同系統のお店もたくさんある。一体どうやって商売を成り立たせているのか、踏み込んで調べたくなる。多方面へのつながりなのだろうけれど、うーーーーん。解析してみたい。

家ではホストのTさんがご飯を作ってくれていた。
Baji Pao。Bajiがカレー。Paoがパン。うま!
コーラを合わせると美味しいからって、わざわざ買ってきてくれた。
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Tさんに漆器や、香川大介さんの「蔵の22神像」の画集を見せる。
日本が好きな彼女にとって、とても響いいたようで、特に香川さんの画集を食い入るように見つめていた。
「いくつか、インドの神様の要素が含まれているね。

ツボの神様 
お金を持っている(ラクシュミ)、手が複数ある(カーリー)魂を伴っている、ハスの花がある(神様のイメージ)
 

お椀の神様 
人間の体にあるチャクラの3番目がお腹にあるのだけど、お椀の淵の部分がちょうど3番目の位置に来ている
 

茶碗の神様
インダス文明の遺跡で見つかったものと似ている


豆つぶしの神様 

チャクラの模様に似ている


ハンマーの神様 
波打っているのは、ハンマーで金属を叩いた時の様子に見える


と鋭い考察も含め、話してくれた。
見る人によって読み取るものが違う。面白いな〜〜〜。

okazu




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January 07, 2018

ムンバイの休日にあちこち歩き回る。

ホストが作ってくれる朝ごはん、ポハ。ポハは乾燥させたお米を水で戻し、マスタードシードなどの軽めのスパイス、コリアンダーで味付けをしている。これにはジャガイモが入っているのがポイント。
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日曜、人々はショッピングに出ているだろう、と思い、この辺りで最も高級と言われるモールへ訪れる。
有名ブランドショップがひしめいている。
自分なりの視点でお店に並んでいるもの、価格、お客さんの動き、様子などを眺めてみる。
親子連れも多く、客層は休日を家族で楽しむ富裕層、という感じだ。

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しばらく動き回り、今度はNehru Centerへ。
Nehruは言わずもがなインドの初代首相の名前だ。ここにアートギャラリーがあるとわかったので訪れてみた。
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タワー状の特徴的な外見。


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内部へ。
校外学習で来たのであろう学生たちが記念写真を撮っている。

この写真の奥がアートギャラリー。残念ながら翌日からの展示の準備の真っ只中だった。
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展示の申請はどうすれば良いのか尋ねると、
「値段はこれです。この申し込み用紙に記入して3月までに郵送してください。もし理事会の選考に通れば通知が行きます。時期は選べません。通った場合、2021年以降の利用になります」
なにっ?!2021年!??価格は一週間で約9万円くらい。

展示スペースは他に筒状のエリアを用いた壁に展示するところもあり、3人のグループ展が開催されていた。休日ということもあってか、人出は結構ある。
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上の階にはムンバイの発展の常設展や図書スペースがある。
写真は撮れなかった。
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外見地図。まさか2021年まで予約でいっぱいとは・・・という驚きを抱え場所を移る。
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Sabinaさんから、散歩をしていたらクラフト市がやっていたのでのぞいてみたんです。
もし時間があれば行ってみては?という情報をもらい、向かってみる。
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インド国内の手仕事を作っている職人さんたちがお店を出している。
主催はインド政府のMinisrty of Minority Affairs。ちょっと珍しい。

会場内には人だかりができていて、なりきり写真パネルや、牛の写真パネル、音楽ライブなどお楽しみポイントも。ここでも家族連れが多い。家族、仲いいなぁ。
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ライブステージ。
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食エリアで一番人だかりがあった、ビリヤニ屋さん。
その場で鳥を焼くジューシーな煙・・・・。
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第一印象は、購買意欲旺盛、ということ。
価格もモールや他のお店に比べ、割安感があるのだろう。これいくら、あれは?という声が各お店で飛び交っている。お店数は、おそらく60軒ほどだったろうか。インドの東西南北いろいろなところからやってきていた。もちろん値段交渉はあるが気に入ったものがあったらパッと買ってしまう、という光景も多かったように思う。

作り手と消費者が結びつく場がきちんと用意されれば、インドの手仕事が残っていく可能性が高まるだろうな、と思った。エキシビションってそういう価値があるな、と再認識。それは日本でも同じだろう。問題は、そのセッティングを上手にやることが、そんなに簡単な仕事ではないということだ。この企画は、政府主導のものだったので会場もとても良い場所だったし、宣伝にもお金がかかっていた。人員もかなり割かれているだろう。「漆と絵師」展をするにあたって、広報をいかに仕掛けていけるか、とても重要な課題だ。人口はいる。その人たちに限られた予算でどう情報を届け足を運んでもらうか。やっぱり人とのつながりだな、とまずはそれを作るところから、と再認識。

 okazu

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January 06, 2018

新しい拠点から動き出す

この日は朝、宿を変える。
Air BnBでムンバイの北にも南にもアプローチがしやすい場所に宿が取れた。
情報によると、とあるアパートの一室のリビングルームにシングルベッドが一つ、部屋にはトイレ・バス・キッチン付き。簡単に言うと「普通のアパートの部屋に泊めてあげますよ」ということ。選んだ理由は価格(一泊800RS)と、言語に英語、ヒンディ語、Basic Japaneseと書いてあったからだ。
迎えてくれたホストは、気さくで丁寧な女性。
Basic Japanese、というのは、日本のドラマや映画、音楽が好きでそれを見ているうちになんとなくわかるようになってきたのだそうだ。「好きな俳優は、堺雅人。最近見ているドラマは『逃げ恥』。ガッキーは本当に可愛いですね」とのこと。まさかインドで聞くとは思っていなかった単語の連発に驚きを隠せない(笑)このあとのアポですぐに動かなければいけなかったので、続きはまた今度と言って外へ。

アポは、北ムンバイにて。年末に会ったReemaが所属しているPioneer Nationという団体のディレクター Dr. Ajay Prabhakarさんと。Ajayさんとは昨年の3月ぶりの再会。

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Ajayさんは、国連の文化機関で10年文化財保全のリサーチの仕事をしてきた方。アフリカの遺跡調査の成果が評価され、インド人としてガンディさんに次ぐ2番目にAfrica Awardを衆生している。インド国内でも遺跡や文化財の保存、修復などのコンサルタントを専門分野に活動している。
同時に、学校向けのカリキュラム開発にも取り組んでおり、インド国内100校の学校で採用されている。ムンバイ市内の有数の学校でも用いられている。
Pioneer Nationは、そういった活動を広げていくために設立。最新のプロジェクトは、幼児教育に携わる教師向けの教材開発と、ケアセンターの設立だそうだ。

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Wall Art Project、Art Plus Blue Foundationとして、どんな関わり合いができるのかを模索した。
お互いの経験値をテーブルの上に並べて、その中から協働できる部分を探す。
WAPとして積み重ねてきたのは、
アートを媒介にしたコンテンツやワークショップを学校・市民向けに提供すること。
本や冊子などのデザイン。
日本とのつながり。
Art Plus Blueとしてこれから進めていきたいのは、
「漆と絵師」展、ワイルドローズのワークショップ、絵の交換で子どもたちをつなぐプロジェクト・・・

文化の専門家であるAjayさんは、アートにも造詣が深い。漆器をムンバイのような都会で展開していくためにはどうすればいいのか、貴重なアドバイスももらった。ありがたい。

想いにも共通項が多い両者の経験値をどのように活かせるか、じっくり考えたいと思う。

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ムンバイのアートスペースをなるべく回ってみようと訪れた、Kala GodhaにあるMax Muller Bhawan。ドイツ政府の文化機関BOETHE INSTITUTのギャラリーだ。

YAEL BARTANAの「PRE-ENACTMENTS」展。2本の映像を上映していた。
ちょっとインドとは思えない空間に新鮮さを感じながら鑑賞した。

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Kala Godhaエリアにはミュージアムやギャラリーが集まっていて、Colabaと合わせたムンバイのアートの中心部。少し路地を入っていくとおしゃれなカフェやセレクトショップもある。

ムンバイローカルcentral線の終着点、チャットラパティ・シヴァジー駅。イギリス統治時代、130年前に建てられ、世界遺産にもなっている。
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切符を買うために列に並ぶ。
smart cardというものがあるのだが、日本と違って自動改札機はない。
切符の自動販売機にかざして買うためのもの。自動販売機の列は人の数が少ないので早く買うことができる。ちなみに、改札もない。なので切符がなくても電車に乗ってしまうことは可能。でも、駅や車内で「切符拝見」と駅員に不意に尋ねられることがある。

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2等だと5駅分、5ルピー(8円)なので、安い。
ファーストクラスという等級が上の席もあって、それだと50Rs。

宿から徒歩2分のParel駅から宿への道。Indian Bulls Finace Centerという巨大な金融系のビルの足元をいく。朝晩、出勤・帰宅の人々で溢れかえる。
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脇には、銀行や大手企業が入る高層ビル。
その足元はこんな具合。 

部屋に戻ると、ホストが夕飯を準備してくれていた。
日本人とネットで連絡をとることは2013年くらいからしていて、友達がいろいろなものを送ってくれるそうだ。福山雅治のグッズが送られてきたときは狂喜乱舞したそうだ(笑)
ただ、単にはしゃぐというわけでもなく、冷静に作品の意味や演技の分析もしていて、そのあたりがインド人っぽい!

数日お世話になります。

okazu


 
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January 05, 2018

LAMO、Monishaさんとのミーティング

この日は、LAMO (Ladakh Media and Art Organization)のMonishaさんへプレゼン。
これは彼女の自宅なのだけれど、海がすぐ目の前。
ここで彼女に初めて会い、Earth Art Project in Ladakh 2017へ向けたミーティングをしたのはもう1年前になる。大学院でラダックの遊牧民やクラフトにまつわる研究をした彼女の知識や見識はとても深い。
そして、Earth Art Project in Ladakh 2017の期間中に、LAMOでの淺井さんとラダックのコンテンポラリーアーティストたちとの壁画ワークショップ・アーティストトークが実現した。

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8月に開催を予定している第3回世界森会議のことを相談する。
誰かスピーカーになってもらえる人はいるだろうか、と尋ねると、
「LAMO自体が、2005年から廃墟同然だった建物を地元の素材と職人さんと共同で建て直したスペースだから、これを主導してくれた建築家の話はきっと面白いと思うわ。屋根の材料はMatho村のものを使っているしね。私の方からは、古い家を伝統的な手法を材料を用いてリノベーションして、それをどう活用していくか、という話ができると思う」
とのこと。

漆器を見せると、「へぇ、はじめてみたわ。ラダックも建物の窓枠には伝統的な木工の飾りをつけるでしょう?あとテーブルも木製で、手仕事だし。単純に木、手仕事、ということ以上に共通点があるかもしれないわね。ダライ・ラマがラダックでティーチングをするときに必ず必要な木の道具があるのだけれど、それを作る村もあるしね。世界森会議の期間中に、『漆と絵師』の作品をLAMOで展示することもできると思うから、まずは日程を調整してみましょう」とお返事をもらった。

「ムンバイでの展示会も、できる限り応援するわ。できることがあったら言ってね」とムンバイのアート界とつながりの深い彼女から心強い言葉をもらった。
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それにしてもいい景色。この先にはアフリカ大陸。

okazu

 

January 04, 2018

村を後にする前に。

村を後にするこの日、朝からあっちに行ったりこっちに行ったり。
Rajeshさんと話をし、Tushar、Harshad、Sacchan、VikasにWAPの2018年の活動について伝える。
WAF in 猪苗代 2018へ向けて、Tusharは「自分たちが描いた作品がこうして次の展開につながってくれたことが嬉しい。Kusunoki Brothersが来てくれたこと、帰って友達に伝えてくれたこと、いろいろなことがつながっている。 猪苗代で描いた作品は観れるの?と聞かれることも多くて、去年の10月の猪苗代でのマルシェでのようにまた観てもらえたらとても嬉しい」

そしてAshram Schoolや彼らの集落の学校と福島の子どもたちの絵プロジェクトで、ロングタームの視野を持ってつながりを作っていこう、と話す。

帰りの足でチクファームへ。
noco house建設から3年、noco cafe、omoyaからは2年がたった。すべて健在。
ただ、土壁にヒビが入って、そこからネズミが入ってくる可能性があるため修復したほうがいいだろうということに。
雨水タンクには、20分の1くらいの水が溜まっていた。
雨降りが激しいと、流れる雨水に勢いがつき、タンクに入らずに飛び出てしまうため、取水部とタンクとのコネクトが一つの課題。

家へ戻り、荷物をピック。
バイクで送ってもらおうと思ったのだが、ガソリンがない!
オートリキシャのおじさんに電話をしたら運よくつかまり、駅まで送ってもらえることに。
あ〜〜よかった。

電車の出発10分前に駅に着き、乗り込む。
バタバタしていたので、一息つく。

ムンバイに着いたのは夕方4時頃。電車の中で検索した宿へ。
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つかまえたのは珍しい古い型のタクシー。
ギアがハンドルの脇に。ガチャガチャやってギアチェンジ。
アクセルペダルの脇には、謎の木のボックス。
シートはフラットで、頭を乗せるクッションはない。

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足元にはシャフトが。


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ドアを開けるレバーと窓を開けるハンドル。


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メーター制。交渉の必要がなくて楽。
でも、乗車拒否のタクシーも多いので、それが難点。

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下町風のところに泊まる。


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宿について、今日の一食目。チキンビリヤニ。
150 RS(=270円)。

明日からは連日のプレゼン。
がんばろう!

okazu



wall_art at 16:21|PermalinkComments(0)ワルリ 

January 03, 2018

オーガニック畑と地鶏からみるワルリの食の風景

昨夜遅くに帰ってきたRajeshさんと再会。近況を伝え合う。
警察で開催されるスポーツ大会の会場の壁に、スポーツをする人々の絵を依頼されたのだそうだ。

この日もDahanuの銀行へ。いろいろとクリアになる。
Morさんとも再びミーティング。

夕方、Harsha家が始めたというオーガニック野菜の畑を見せてもらう。
大根がにょきにょき!
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葉っぱもきれい。虫に食べられていない。

トマト、チリ、コリアンダー、ナス、カリフラワーを育てているとのこと。
Navdanyaで習ったように、牛ふんとミミズを放ち、土作りをしているのだそうだ。
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Harshadのお母さん、Nirmaさんは、学校の先生。自分が受け持っている学校でも子どもたちとオーガニックの野菜を育て始めた。第二回世界森会議でバンガロールのManuさんが伝えたエディブルスクールヤードの実践。子どもたちも喜んで野菜作りをしているのだそう!

親子で頑張っている様子、嬉しかった〜〜〜!!

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夕暮れ。

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自分たちで家に帰っていく牛の家族。

家に帰ると、ピタージーが火のそばで何やら作業をしている。
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「チキンカレー用の鶏をさばいているんだ」
というので、作業を観察。

step.1 地鶏を丸焼きにする。

頭を落とし、血抜きをする。
羽をむしる。
木の炎で焼く。
羽の残りをよくむしる。
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腿から解体していく。
腸と胃を除き、ぶつ切りにする。
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Step. 2  カレーにする。

鶏肉(1kg)と竹の子(輪切りにしてよく洗う)を鍋に入れる。
ターメリック大さじ1.5
チリパウダー大さじ1.5
ニンニク、グリーンリチリを潰したもの
Hingraj 少々
トマト一つ分
油 油のカップで3.5杯
以上を入れ、混ぜる。

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Step. 3 煮込む。
特製ガラムマサラを大さじ1.5杯。
混ぜる
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水を150cc位を3杯。
強火で煮る。
味の調整でガラムマサラ
塩 大さじ 1.5(はじめに入れ忘れてた?)
油 2杯 追加
ピストルマサラ

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ピストルマサラ。

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煮込み時間は約20分、完成。

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いただきます!
たけのこは家の庭で採れたもの。鶏は育てているもの。
風味がよくでおいしい。おかわりしてしまう。

「ホーム・メイドガラムマサラの中身はなんですか?」とピタージーに尋ねると、
カーリーミルチ(黒胡椒)
レワン(なぞ)
タージ(なぞ)
コリアンダー
ランビーパッティ(なぞ)
カスカス(なぞ)
ハルダー(ターメリック)
とのこと。

うーん、大体、なぞだ(笑) 

okazu


wall_art at 23:30|PermalinkComments(0)ワルリ