June 11, 2021

okazu通信 第89号「ワルリまつりへようこそ」

みなさん、こんにちは!
梅雨明けなのか!?調布市仙川ではここ数日いい天気が続いています。
いかがお過ごしですか?
okazu通信の最新号を配信します。
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okazu通信 第89号「ワルリまつりへようこそ」
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友達の木 

 「この草の葉っぱをすりつぶして傷口に塗ると、血が止まるんだ。稲刈りの最中に鎌で切った時はすぐに葉っぱを揉み、その汁をつけるべし」と、夕暮れ時に私を散歩に連れ出してくれたラジェーシュさんは教えてくれた。「この木の枝は結婚式の時に儀式に使うもの。ここまで取りに来るんだ」「この木は、『友達の木』と言って、この木の葉っぱをこっそり掌の中に隠しておいて、友達になりたい人と握手するときに渡すんだ」薬効だけでなく、友情の証としても使われるあたりが面白い。「木が友情を取り持つのか、なんだかこの人たち素敵」と、彼らの文化に惚れた瞬間だったかもしれない。
 それ以来、ワルリ画を見る目が変わった。むしろ、見えていなかったものが見えるようになった。そこに描かれているのは、描き手の記憶。例えば、稲穂を揺らす風。地表に露出している根っこ。人々の微妙な仕草。夕暮れにマンゴーの大木に帰ってくる鳥たちが空に描く軌跡。薪を燃やして出る煙とスパイスの匂い。網で捕まえた川魚のぬめり。それらが丸と三角と線だけで表現されているすごさ。
 村での経験を重ねるにつれて、ワルリ画は雄弁に語り始めた。その「語り」が、自分の中に蓄積されてくるにつれ、他の人に伝えたくなった。ワルリ族の村でWall Art Festivalを3度、ノコプロジェクトで3軒の建物を建て、世界森会議を開催したモチベーションの源は疑いようもなく、そこにある。
 コロナ禍に見舞われ、新世代の画家たちワイェダ兄弟は昨年の5月、ある作品を描いた。「recreation(再創造)」というタイトルが付けられた絵には、ジャングルの中に見覚えのある人工物が立ち並び、そこにコロナウィルスも描かれていた。「自然環境とモダンライフのバランスをどうとればいいのだろう、とはずっと思っていて。コロナウィルスは崩れたバランスを再び均すためにもたらされたものなのかもしれない、という考えがよぎったんです。」と話していた。
 それから1年がたち、当時はまだ余波くらいにしかすぎなかったコロナウィルスの影響が、第3波として彼らの村を直撃した。それが4月〜5月にかけてのことだった。状況はましになってきているそうだが、先日話した時も村人が1人亡くなったと聞いた。これがバランスを取るためなのだとしたら、自然と共にある暮らしを続けてきた彼らは、巻き添えになったようなものだ。
 ウォールアートプロジェクトのオンライン・ミーティングの際に、「彼らにとっても、私たちにとっても、外の人とのコミュニケーションが大切かもしれないね。今まで通りに人に会ったり、話したりできない今だからこそ」というやりとりがあった。それを「ワルリまつり」として具体化して、ツォモリリ文庫でワルリ画の展示をしながら、3つのワークショップを開催する。ワルリ族の村に行ったことがある人なら、懐かしく再訪する気持ちで、未見の人には、少しでも行った気持ちになってもらえたら嬉しい。
 「コロナウイルス終わったら早く遊びにいきたいです (ゆえ 5歳より)」とは、2歳の時にワルリ族の村へ遊びにきたゆえちゃんからのメッセージ。とても励まされた。彼女たちが行きたくなった時、村に行けるよう、つながりを保っていたい。「ワルリ族の村」と書かれた扉をいつでもノックできるように。彼らといつでもハグして笑いあえるように。

Okazu

 “recreation”の話を聞いたオンライントークセッション・ノコチームのビヨンドコロナ
「先住民ワルリ族の知恵」(2020年5月21日配信)
https://youtu.be/r8SDsRlbZuo

★★★わふのこNEWS★★★

!【ワルリまつり】!

ツォモリリ文庫を運営するウォールアートプロジェクトが、2012年から関わりを持ち続けているインド西部に暮らす先住民族ワルリ族。社会から取り残されがちな先住民である彼らの村もコロナ禍で厳しい状況に陥っています。彼らにエールを送るために「ワルリまつり」を開催中です。
ワルリ画やワルリ画Tシャツ、ポストカードの収益の一部をプールして、コロナで親を亡くしたワルリ族の子どもの教育支援をします。
(2021.6.11現在 ワルリ画4枚、the deep 12冊、ポストカード6枚 プール額23400円)
「ワルリまつり」期間中は、ワークショップも開催します。ワークショップの講師陣は、ウォールアートプロジェクトが関わりを持ち続けているワルリ族の皆さん。感染症予防について村人へ情報を伝えたり、自費でマスクを配るなど、自分たちにできることに取り組んでいます。講師へ参加人数に応じた謝礼を支払い、まずは彼らの暮らしをサポートしようと思います。

 ワークショップは全て!オンライン参加可能です!

6月19日(土)
–ツォモリリ文庫読書会 vol.2 “the deep”を読む–
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ハンドメイドの美しい絵本として話題になっている「the deep」(出版:Tara Books)。著者は、新進気鋭のワルリ画家トゥシャール・ワイェダ(Tushar Vayeda)とマユール・ワイェダ(Mayur Vayeda)兄弟で、私たちと共にウォールアートプロジェクトを開催している仲間です。彼らの生まれ故郷であるインド西部の村と、大都市ムンバイ・滞在制作に臨んだ瀬戸内海粟島で見つけた”発見”とは?
深い海の底へ想いを馳せる一冊を、みんなで一緒に読み進めましょう。
オンラインで著者であるVayeda兄弟をゲストに迎え、みなさんの質問に答えてもらいます。遠慮なく絵本にまつわる秘話など聞いてみましょう。
詳細▶︎http://tsomoriribunko.com/readingsession_vol-2-the-deep/
*「the deep」については、下記URLをご覧ください。絵本は必携ではありませんが、事前にご購入を希望される場合、こちらからお求めいただけます。
https://tsomoriri.thebase.in/items/36811132
*「the deep」の収益の一部は教育支援の資金としてプールされます。

6月20日(日)
–オンライントークセッション「ワルリ族の村からの便り」–
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今まさに雨季に入ろうとしているワルリ族の村。緑がぐんぐん成長し、雨で湿り気を増す田んぼが牛で耕されたり、川で魚をとるのが楽しい季節でもあります。村に暮らす青年たちとオンラインでつながるトークセッションです。2部構成になっています。
第1部は、ウォールアートプロジェクトに一緒に取り組んできたワルリ族の青年ハルシャッド・ワイェダ(Harshad Vayeda)さんにそんな村の様子を映像に収めてもらい、オンラインで案内してもらいます。
第2部では、the deepの作者で、同じくウォールアートプロジェクトの仲間であるトゥシャールさんとマユールさんが描いている新作のワルリ画を写真や映像で見せてもらい、コロナ禍を過ごす彼らが作品に込めているフィロソフィーやメッセージを聞きます。
詳細▶︎http://tsomoriribunko.com/warli_onlinetalksession/

6月26日(土) / 27日(日)
ーアートワークショップ「ワルリ画を描いてみよう!」ー 
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一年の半分を農業、半分を絵を描いて暮らすワルリ画家ラジェーシュ・モール(Rajesh Mor)。福島県猪苗代町の公立学校で描いた教室の壁4面の壁画が話題になった彼を講師に招きます。まず、Morさんが描くワルリ画をデモンストレーションで見せてもらいます。その後、彼の作品を見ながらお気に入りの場所を選び、模写します。その絵をMorさんに見てもらい、「こうするとよくなるよ」というフィードバックをもらい、自分のワルリ画の完成度をあげていきます。
材料は、Morさんが日本へ来たときに残してくれた赤土が塗られているキャンバス地に、ポスターカラーを使って描きます。
*6月27日(日)のみ、会場参加が満員となっております。
詳細▶︎ http://tsomoriribunko.com/try_warlipainting_mor/
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ウォールアートプロジェクト 2021年度
【協賛】貝印株式会社 Blue Bear Inc. ポーラスター株式会社
【WAP応援団 2021】 2021.6.11 現在 21名
薮内利明 林原裕子 宇佐美晶宏 内野友稀 みいたん ひろちゃん 東京ヨーガセンター まるこ 小野養豚ん 栗林久美子 竹之内美江 
鈴木保人 佐保田雅代 佐保田昌美 長照寺 北辻宣宏 永作佳紀 なべちゃん ツツミエミコ しらがさちこ 鹿島和生

【お知らせ】
ウォールアートプロジェクト応援団の更新時期となりました。個人的に、法人として、寄付の形で応援してくださる方を募集中です。
加入方法
1)一口3000円の会費を納入(お振り込み、または直接納入)
振り込み先 
みずほ銀行 成城支店 1170797 トクヒ)ウォールアートプロジェクト
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May 30, 2021

okazu通信 第88号「ワルリ族の村続報」

みなさん、こんにちは!
ウォールアートプロジェクトのおかずです。梅雨に入り、植物の生長も目を見張りますね。
いかがお過ごしですか?
okazu通信の最新号を配信します。
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okazu通信 第88号「ワルリ族の村続報」
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松岡さんの壁画の中ではしゃぐ子もたち

ワルリ族の村では、異例の早さで雨期がやってこようとしているそうだ。例年なら、6月半ばすぎに曇り空が多くなり、雨が降り出すのだが、すでに乾き切っていた川に水が満ち、魚がやってきたらしい。「気候変動の影響だろうな」とワルリ画家のマユールから伝え聞いた。
 彼の村での状況は、一月前から比較すると徐々によくなってきているそうだ。(その時の様子は前回のokazu通信参照 http://blog.livedoor.jp/wall_art/archives/52087606.html)
 病院が満員状態でなくなりつつあり、症状が出てきたからといって自宅待機をするのではなく、診察を受ける人が増えてきている。とは言え、先日は大雨をもたらしたサイクロンの影響で村中が停電となり、病院内の電源が落ちてしまう大変困った状態に陥ったそうだ。
 また、友人の母が熱や咳などの症状がなかったにもかかわらず、突然酸素レベルが低下し、亡くなってしまった。死因はコロナウィルス感染であったという。
 予断を許さない状況は続く中、彼と兄トゥシャールは137世帯、900人にマスクを配った。近々別の村にも配りに行くという。前号のokazu通信で書いたように、何かのサポートになれば、と預かっていた彼らの作品を購入したのだが、殊勝にも彼らはこちらの想いを受け止め、村に還元してくれた。とても嬉しい。
 ワルリ族の村で最後にWall Art Festivalを開催した2016年。noco projectでカフェや母屋を建築し、同時進行で芸術祭に臨んだ。正直、心身ともに過酷ではあったが、大きな充実感に満たされていた。最近振り返ったWAF2016の映像にその様子が記録されていた
映像 https://youtu.be/bb3ochKqvps
 ハイライトの一つは、松岡亮さんのplay pray paintだった。床一面に紙を敷き詰めた教室で、12色のクレヨンが渡される。クレヨンを自分が持っているもの(例えば、時間や人間関係、才能、お金など)に見立て、1時間でそれを使い切り、自分の一生を描き出す。映像を見てもらえればわかるのだけど、かなり勢いよく臨んでも使い切るのはなかなか難しい。子どもたちも前のめりで、熱量が物凄かった。それはあくまで「見立て」ではあるけれど「人生ってあっという間だし、振り絞って生きようっ」と、深く感じたことが忘れられない。
 松岡さんの絵は、何かの形を象ったものではない。いわゆる抽象だ。色の洪水、とも言える壁画で囲まれた教室の中、子どもたち数人が踊っていた光景を覚えている。私が入ると、照れて動きを止めてしまったけれど。絵を見た大人たちは「これがあの形に見える」「この意味は?」と、思考していたけれど、子どもたちはただただ純粋にあの空間を楽しんでいたんだな、と思える。思考するのも自由。楽しむのも自由。絵と時間を過ごす豊かさを。言葉にせずとも、松岡さんはそう語っていたのかもしれない。
 マユールもplay pray paintに参加していたし、トゥシャールも松岡さんの壁画が描かれていくところを間近で見ている。彼らがどんなことを感じたかは、彼らにしか分からないけれど、血肉となったことは間違いない。一つの経験が何をもたらし、何を生むのか、誰にもわからない。けれど、何かが生まれる予感がするのなら、そこに身を委ねたいと思う。6月、ワルリ族の村とオンラインでつながるプログラムを企画している。

okazu


!!わふのこNEWS!!


松岡亮展 刺繍と絵「目を瞑って。見る。」「何も見えない。」

5月30日(本日、日曜)、31日(月)残り2日となりました!

松岡さんの2020-21にかけての集大成。絵に出会いにきてください。

会場:ツォモリリ文庫(調布市仙川町1-25-4)

本日日曜:11:00-18:00

明日月曜:12:00-18:00

http://tsomoriribunko.com/ryomatsuoka2021/

作品の一部は、オンラインショップでもご覧いただけます。

https://tsomoriri.thebase.in/categories/3475253


ワルリ画展

トゥシャール&マユール ワイェダ兄弟と、ラジェーシュ・モール作品をツォモリリ文庫の一坪ギャラリーにて展示します。

Tara Booksより出版されている、ワイェダ兄弟著「the deep」も必見の美しい絵本です。

期間中、オンラインワルリ画ワークショップや、ワルリ族の村へショートトリップなどを企画します。詳細は追って発表します。

6月4日(金)〜6月28日(月)*予定

定休日:火・水・木


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【お知らせ】
ウォールアートプロジェクト応援団の更新時期となりました。個人的に、法人として、寄付の形で応援してくださる方を募集中です。
加入方法
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ウォールアートプロジェクト 2021年度
【協賛】貝印株式会社 Blue Bear Inc. ポーラスター株式会社
【WAP応援団 2021】 2021.5.28 現在 19名
薮内利明 林原裕子 宇佐美晶宏 内野友稀 みいたん ひろちゃん 東京ヨーガセンター まるこ 小野養豚ん 栗林久美子 竹之内美江 
鈴木保人 佐保田雅代 佐保田昌美 長照寺 北辻宣弘 永作佳紀 なべちゃん ツツミエミコ

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 ウォールアートプロジェクト 2020年度
【協賛】貝印株式会社 株式会社コンピューターシステムハウス Blue Bear Inc. ポーラスター株式会社 
【WAP応援団2020】2021.4.8 現在 34名
みえ 永作佳紀 長照寺 夏目知道 林原裕子 鈴木洋子 敦子 五十嵐ファミリー 山崎春美 まるこ ツツミエミコ 内野友稀 いとうみずほ K’s Family 橋本淳司 小栗朔也 なべちゃん 本田啓之 みいたん 佐藤敬子 栗林久美子 竹之内美江 佐保田雅代 鹿島和生 東京ヨーガセンター 松大輔 ayako&suirei 酒匂克之 佐保田昌美 まつしたひかる 小栗千隼 渡邉昌宏 いやまっち 増永玲子

【お問合せ】info@wafes.net
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wall_art at 08:35|PermalinkComments(0)ワルリ | okazu通信

May 07, 2021

okazu通信 第87号「ワルリ族の村でのCOVID-19の状況」

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2017年にワルリ族の村で開催した第2回世界森会議にて

 4月30日、訃報が飛び込んできた。
ワルリ族の村でプロジェクトを行う度にお世話になってきたヴァンガード家の次男Aさんが新型コロナウィルス感染のために亡くなった。まだ40歳を過ぎたところで、快活なトラックのドライバーであった。彼が残した2人の子どもたちと妻のこと、兄弟ファミリーのことを想うと、胸が痛む。
 ワルリ族の村があるインド西部マハラシュトラ州にはインドで最も激しく感染の波が押し寄せている。ずっとプロジェクトを共に行なってきたワイェダ兄弟のマユールと電話で話をした。村もロックダウンとなり、マーケットの商店も閉店。食料は手元にある米や豆の備蓄で乗り切らねばならなくなっている。昨年の4−5月、オンライントークセッションで現地と繋がった時は、政府からマスクや消毒液の支給もあり、感染者もごく僅かであったのだが、今の状況は大変逼迫している。症状が出ても、村に唯一の病院には病床と酸素吸引器が不足していること、「一度隔離されたら、もう村には戻ってこられないかもしれない」という恐れから、家に籠る場合が多いらしく、状況が悪化している。Aさんの遺体もムンバイ近くの病院から戻ってくる事なく、火葬された。
 村ではまだマスクをする、消毒する、密を避けるという対策への理解が十分とは言えず、ワイェダ兄弟は、ウィルスについて、マスクや手の消毒の必要性、いかに感染が広がるかについて村人に事あるごとに説明をしてきているそうだ。現金収入が途絶え、マスクや消毒液を購入することができない人に提供したり、薬や食料を分けてあげているという。45歳以上の人々へのワクチン接種は行われ、18~45歳の人々へも順次行われているそうだが、時間がかかることが予想される。ワイェダ家では、家の中でもマスクをしているとのこと。
 WAFを開催してきた村の学校の先生たちにも電話で様子を聞いた。「学校は1年間休校状態で、クラス10の卒業試験(日本で言う大学受験)も延期になっている。子どもたちの学びを続けるために、特に高学年のクラス向けに授業をしていた時もあったけれど、今は完全にストップしているんだ」。彼らは村から15kmほど離れたダハヌの町で暮らしている。町も当然ロックダウンで、営業が午前7時から11時まで許されている食料店、医療品店で買い物をし、乗り切っているそうだ。
 何かできる事なないだろうか、と思案した結果、村で一番動けそうなワイェダ兄弟から預かっていたワルリ画の作品を購入することにし、彼らに送金した。別の集落で暮らしているモールさんの作品も、完成から10ヶ月近く経ってもムンバイへ行くことができないため発送できずにいるのだが、送金した。マユールからは、「It will help us in many ways. Thanks」(色々な方法で役立てます。ありがとう)というメッセージが来た。日本にいても予断を許さない状況には違いない。確実に出来るのは、これまでの繋がりを大切に、お互いを想い合うことだろうか。


ウォールアートプロジェクトは、ワイェダ兄弟の著作「the deep」(出版: Tara Books)の売り上げの一部をプールし、親を亡くした子どもの教育資金など、私たちを心から迎え入れてくれた村の子どもたちのために役立てたいと思っています。(出版社よりワイェダ兄弟へロイヤリティも支払われるとのことです)本の詳細はこちらをご覧ください。

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ウォールアートプロジェクト 2021年度
【協賛】貝印株式会社 Blue Bear Inc. ポーラスター株式会社
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 ウォールアートプロジェクト 2020年度
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【WAP応援団2020】2021.4.8 現在 34名
みえ 永作佳紀 長照寺 夏目知道 林原裕子 鈴木洋子 敦子 五十嵐ファミリー 山崎春美 まるこ ツツミエミコ 内野友稀 いとうみずほ K’s Family 橋本淳司 小栗朔也 なべちゃん 本田啓之 みいたん 佐藤敬子 栗林久美子 竹之内美江 佐保田雅代 鹿島和生 東京ヨーガセンター 松大輔 ayako&suirei 酒匂克之 佐保田昌美 まつしたひかる 小栗千隼 渡邉昌宏 いやまっち 増永玲子

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April 22, 2021

okazu通信 第86号「3・11とウォールアートプロジェクト」

みなさん、こんにちは!
ウォールアートプロジェクトのおかずです。お元気ですか?
東京では暖かい日が続いていて、青葉の色がどんどん深まってくるのを感じます。
okazu通信の最新号を配信します。
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okazu通信 第86号「3・11とウォールアートプロジェクト」
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加茂昂<福島県双葉郡大熊町野上秋葉台付近にたたずむ> 2021
道路に立つ看板には「この先帰還困難区域につき通行止め」とある


 水戸芸術館で開催中の「3・11とアーティスト 10年目の想像」を見た。WAF2014の招聘アーティスト・加茂昂さんの作品に久しぶりに会った。油絵の大作だった。丹念に、執拗なほどに重ねられた数多の筆跡を見て、ワルリ族の村で一月半滞在し、毎日油絵具で壁画制作に臨んでいた姿を思い出す。壁画「眼差しを手向ける」を完成させ、最後には子どもたちに「You are strong!」と声をかけられていた。
 会場のキャプションによると、加茂さんは2016年から帰宅困難区域に実家のある友人を頼り、双葉郡富岡町に通っていたそうだ。2019年にはアーティストインレジデンスに招聘され、半年間富岡町の学校の教室を仕事場に、子どもたちの間近で作品制作をしていた。展示されていた作品はいずれも双葉郡内に実際にある風景を描いたものだ。ウォールアートプロジェクトも富岡町とは縁がある。
 時計の針を10年分、2011年まで巻き戻そう。
 2011年3月11日、私はインド・ビハール州のブッダガヤ近くのスジャータ村にいた。2度目のWAFである、”WAF2011”を開催し、淺井さんの壁画「祝福のダンス」が描かれた教室で放課後、ゴロンと横になっていた。子どもたちが飛び込んできて、「okazuの故郷が大変なことになっているぞ、テレビでニュースをみろ!」と言う。村に一台しかないテレビがある孤児院へ彼らに手を引かれるようにして急ぐ。インドの放送局には限られた映像しか入ってこないのか、同じ映像がアナウンサーの緊迫した声と合わせて繰り返し流されていた。孤児院には20名ほどの男子、教員、スタッフが一緒に暮らしていて、こぞって心配してくれた。か細いインターネットの通信環境でPCにへばりつき、情報収集していた私がへこたれなかったのは、彼らがいてくれたからに他ならない。学校の子どもたちは応援のメッセージをたくさんよこしてくれた。その中には「勇気を持って」という言葉が多くあって、今思えば、招聘アーティストのひとり、遠藤一郎さんが壁画に描いた言葉「ヒンマート(勇気)」とリンクしていたかもしれない。(下部、写真)
 帰国し、桜が満開だった郡山の災害対策本部へ行き、富岡町・川内村の皆さんがビッグパレットふくしまに避難していることを知る。自分も被災し、避難している立場であるものの町の人々の代表として窓口に立っていた町役場の課長さんに、インドからのメッセージと、WAFのことを伝えた。「避難所にいる子どもたちのためにワークショップを開催してもらえたら」という言葉を受け取る。慰問のような形ではなく、一緒に何かを作る時間を、とのことだった。現地の人と一緒に芸術祭を作る、を命題にするウォールアートプロジェクトの出番、と思った。淺井さんや遠藤一郎さんたちのワークショップをし、インドの子どもたちやお寺からの募金も使わせてもらい、彼らからのメッセージを展示した。参加してくれた人々からの「気持ちがすっとした」「いいものをみた」という言葉が嬉しかった。Wall Art Festival in Fukushima2011、日本からインドへ、インドから日本へ、温かなものがやりとりされた。
 私の中に、福島とインドとをアートを媒介にしてつなぎたい、それはインドに長期間滞在していた福島出身の自分だからできることなのではないか、と希望が生まれていた。地平線から顔を出した太陽を見た時のように、心が動いた。おそらくこの出来事がなかったら、私は日本に帰国して、教員採用試験を受けて、今頃はどこかの教室で授業をしていたことだろう。
 それから福島県内の協力者の方々と毎年地道にコツコツと報告会を重ねた。参加者が5人くらいの時もあった。けれど「福島で何かやらないと」、という気持ちは全く無くならなかった。大きく動いたのは2016年、郡山の、母校の高校での報告会をきっかけに、猪苗代のみんなと出会うことになった。お金はほとんどなかったけれど、ワルリ族のVayeda兄弟たちを猪苗代に初招聘することを決め、「Wall Art Festival in猪苗代 プロローグ」を行うことができた。それから約5年、実行委員会のメンバーと心血を注ぎ、今、猪苗代の学校に11の作品が存在している。それが私にとっての10年間だ。
 横浜で開催されていたキュンチョメ個展「ここにいるあなたへ」も見た。15以上の映像作品群は、「3・11後」のフクシマや津波被災地へ心を寄せてきた軌跡の集積だった。そして、この先のフクシマを想っていた。「3・11とアーティスト 10年目の想像」(水戸芸術館)では、「3・11後」、被災した地域の人々と関わりを保ち、アプローチを続けたアーティストの営みを鏡にして、観客が自分の10年間を振り返ることが意図されていたかもしれない。私はその目論見通り、10年間を振り返った。そして、この先を想う。
 先日、福島県猪苗代町でのアートプロジェクトが、福島県地域創生総合支援事業の助成案件として採択されたというgood newsが飛び込んできた。これで向こう3年間、新しい形で活動を継続できる可能性が生まれた。私たちにとっては福島で何かができる、物凄く嬉しい出来事だ。
 今10年前を振り返ったように未来で2021年へ時計の針を戻した時、その時の自分と握手をしたくなるように、日々を積み重ねて行きたい。アーティストたちが示している「忘れない意志」を自分の中に宿しながら。
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遠藤一郎さんの壁画が描かれた(2011.2)教室で、日本へエールを送るインドの子どもたち。
壁面には、「ヒンマート(勇気)」と描かれている。(2011.3.12撮影)


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(2011年当時のブログ。3月から5月にかけて読んでもらえたら嬉しいです。http://blog.livedoor.jp/wall_art/archives/2011-03-12.html

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【WAP応援団 2021】 2021.4.22 現在 2名
薮内利明 林原裕子

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April 08, 2021

okazu通信 第85号「okazu雑感 2021年4月」

今年のWAPは、猪苗代でのウォールアートフェスティバルと通年のアートプロジェクト、
そして「アートの窓」プロジェクトという新しい計画も進めています。
インドにもなるべく早く行きたいところですが・・・!
今年もどうぞ、見守ってください。
ウォールアートプロジェクト応援団は、2021年度も募集中です。皆様のご声援、どうぞよろしくお願い致します。

【WAP応援団加入はこちらをご覧ください】
http://wallartproject.net/2020/01/29/supporter/

ウォールアートプロジェクトのメルマガ・okazu通信 第85号をお送りします。
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okazu通信 第85号「okazu雑感 2021年4月」
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淺井さんがソフト粘着剤で作った生き物と伊吹じゃこう草とユキノシタ

「あれ、太りました?」最近、久しぶりに会った数人に立て続けに言われている。それもそのはず(?)、最後にインドに行ってから13カ月が経過している。2008年に初めてインドに行って以来、こんなに間が開くのは初めてのことだ。体重計に乗ってみると5キロほど増えている(一緒に計測された体内年齢は29歳でちょっと安堵した)。インドにいると、日本にいる時よりも歩く距離が多いし、精神的な運動量も多い故か、何かとカロリーを消費する。ちゃんとご飯(カレー)を食べていても体重はそんなに増えなかった。
 そんなことを考えていると、そろそろインドに行きたくなってくる。ツォモリリの関係でインドの工房や、職人チームとは毎日何かしら連絡をとっている。新型コロナウィルスのワクチン接種も進んでいるそうだが、ムンバイやワルリ族の村もあるマハラシュトラ州では新規陽性患者の増加は止まっていない。インドに行くのはもう少し先になりそうだ。
 長距離移動が制限され、思うように物事を進められなくなった今、私たちは自然界から、変化することを迫られているのかもしれない。
 先月開催していた、淺井裕介展「星屑の子供」。「自然は変化を求め続けているのかもしれない」という淺井さんの言葉が印象的だった。7日間の壁画の公開制作期間中、壁画はどんどん変わる。一度描いたところが上描きされ、全く違う様相を見せる。当初予定のなかった壁にも絵が描かれていく。気づくと淺井さんの手で生み出された立体物が増えていたり、作品に活けた植物を変えたり、空間に常に変化が起き続けていた。
 その時、私は福岡伸一さんの著書を読んでもいたので、淺井さんは「動的平衡」という現象を体現しているかのようだ、なんて空想していた。動的平衡とは、例えば、人間の姿形は短期間で大きく外見が変化することはないけれど、細胞が生まれ、壊され、排出されて、を繰り返していて、物質レベルでは別物になりつつ、生命を維持している。自分で細胞を壊し、壊し続けることで生命体として安定している。何もせずそのままでいたら、劣化していってしまう。「変化」は生命体がその活動を続けるために必要不可欠な現象なのだ。
 ウォールアートプロジェクトも変化を繰り返してきた。ビハール州で始まったWAF。WAFはさくら市や、ワルリ族の村へ。ラダックでアースアートプロジェクト。ワルリ族とノコプロジェクト、世界森会議。WAFは猪苗代へ。2020年はオンライントークセッションの実施、WAFふくしま in 猪苗代 2020のオンライン開催。そう考えると、プロジェクトとして変化に富んだ健全な生命活動を行ってきたんだな、と思う。逆にそうであったからこそ、ここまで続いている、と言えるかもしれない。自分自身も大きく変わったと思う。
 「次の作品を描くために、消すんです」、とWAF2010の作品を白い壁に戻すときに淺井さんは話していた。絵を消すのは、端的に、もったいない。けれど、”絵描き”という生命体である淺井さんとしては、消すことで次の作品を生み出すことへつながる。それから10年経った今、残す、ということも考えている。変化の真っ只中にある。人であっても、プロジェクトであっても、「生命体としての連続性」を視野に入れるとき、新しい地平線が見える気がした。ウォールアートプロジェクトも変化を続けていく。もちろん、私も。

 okazu

★わふのこNEWS☆
ウォールアートプロジェクトが主催するイベントのお知らせです。
会場はいずれもツォモリリ文庫(調布市仙川町1-25-4)です。

◆ブロックプリント展 エキゾチックガーデンの小宇宙
4月9日(金)〜5月17日(月)
インドの熟練の職人技が凝縮されたブロックプリント。今回の主役は、古い細密画の中から木版のモチーフを復刻させ、豊かな植物の世界を描き出すブリジット・シンの作品。色鮮やかな植物の森に迷い込みにいらしてください。
http://tsomoriribunko.com/exoticgarden2021/
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◆ツォモリリマルシェ 2021夏
4月29日(木)〜5月10日(月)
ふと立ち止まって「毎日の暮らし」足元を見つめる。私たちはこのコロナ禍当たり前のことを学び直しているような気がします。ツォモリリマルシェは、植物の力、大地の力を借り毎日の衣食住のあり方るマルシェですゴールデンウィークは、オーガニックなものたちの販売会、手作り石鹸やミミズコンポスト和綿で糸つむぎするワークショップやヘルシーなごはん会など……。興味あること、ワクワクすることいくつでも、奮ってご参加ください。
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◆松岡亮展 『目を瞑って。見る。』『何も見えない』
5月21日(月)〜5月31日(月)
松岡亮さんの個展を開催します。展示作品は、刺繍と絵。とても楽しみなエキシビションです!!
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ウォールアートプロジェクト 2020年度
【協賛】貝印株式会社 株式会社コンピューターシステムハウス Blue Bear Inc. ポーラスター株式会社 
【WAP応援団2020】2021.4.8 現在 34名
みえ 永作佳紀 長照寺 夏目知道 林原裕子 鈴木洋子 敦子 五十嵐ファミリー 山崎春美 まるこ ツツミエミコ 内野友稀 いとうみずほ K’s Family 橋本淳司 小栗朔也 なべちゃん 本田啓之 みいたん 佐藤敬子 栗林久美子 竹之内美江 佐保田雅代 鹿島和生 東京ヨーガセンター 松大輔 ayako&suirei 酒匂克之 佐保田昌美 まつしたひかる 小栗千隼 渡邉昌宏 いやまっち 増永玲子

【WAP応援団加入はこちらをご覧ください】
http://wallartproject.net/2020/01/29/supporter/

【お問合せ】info@wafes.net



 


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October 20, 2020

市橋晴菜@東中学校、浅野友理子@翁島小学校

この日は、朝一で緑小学校へ。昨日のワークショップで子どもたちが描いた絵について話を聞かせてもらう。はじめなかなか手を動かせなかった子も多かったけれど、一夜明けて、描いた生き物のキャラクターが見事に立っていた。動画編集中。

そうして、東中学校へ。この日から、中学生とのワークショップの予定。柱の作業を進めつつ、布の作業も進めていった。


一方、翁島小学校で制作中の浅野さんは、猪苗代湖の環境保全活動を平成13年より翁島小学校の子どもたちと取り組んでいらっしゃる鬼多見賢さんにヒシやアサザの詳しい話を聞かせていただきに出かけた。

猪苗代湖で見られるヒシ。実は、生長し重くなると、水中に落ち、芽を出し、枝を伸ばす。アンカーの役割を果たしつつ、エネルギーを使い切った実は軽くなり、水面に浮き、やがて浜辺に打ちあがる。今まで砂浜で拾っていた実はそれだったのだ。

じつは、ヒシは4種類ほどに分けられている。ヒメビシ、ヒシ、トウヒ、オニビシだ。それぞれ明らかに形、大きさが違うので、別種かともいきや、実はヒシが環境に合わせて姿を変えてきたものだそうだ。
大変興味深かった。

昭和20年代にお生まれの鬼多見さんは、「子どもの頃、腹が減るとヒシを拾い集めては塩茹でにして!と母に頼み、おやつにしていたんだ。食感は栗っぽいんだよ。今はそういうものを食べなくなってしまったね」と教えてくれた。
 
猪苗代湖は、アサザの開花面積が日本一になったこともある。多年草のアサザは酸素をよく供給し、栄養の摂取量も多いため、湖の水質を保つバランサーとしての役割や、湖面の波を抑えるなどの働きもしてきた。黄色い花も美しい。虫が葉を食べることで、枯れた後もヘドロ化せずに循環の中に戻っていっていたそうだ。近年では一年草で繁殖力旺盛なヒシに生息域を侵食されている。

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先日、私は翁島小の子どもたちのヨシ刈り活動に混ぜていただいた。
昔は、刈りとったヨシを雪囲いに使い、家の西側に設置して、家を守っていたそうだ。ヨシ刈りで鬼多見さんが教えてくださったのは、昨年刈った場所のヨシは、生長が遅く、茎も細い。放って置かれているものは、どんどん生長していく。枯れると、堆積し、土となってきた。それが繰り返され、猪苗代湖の岸辺が増え、水辺は湖心側へ縮小傾向にある。今では、雪囲いにヨシは使われないため、刈る人もいない。

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鬼多見さんの主導でヨシが刈られてきた場所は、砂浜に戻り、シジミが姿を現すようになった。それらは在来種ではないそうだが(在来種の和シジミは護岸工事のされていない、U字溝が通っていない川縁に少しいるそう)、崩れつつあった生態系が昔の姿を取り戻してきているそうだ。

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シジミ取りにはしゃぐ子どもたち。

非常に豊かな環境なのだと、改めて深く感じた。子どもたちは肌感覚でそれを知っていくだろう。
何年かたって猪苗代の外に出た時、それを強く感じるのではないだろうか。
私自身、インドに行き来を初めてからというもの、子ども時代を過ごした田んぼと畑が広がる八山田を懐かしく思うし、通学路ではいつでも好奇心を刺激されていた。
その感覚を長年にわたって子どもたちにもたらしている鬼多見さんに、敬意を表する。 なんて大きなプレゼントだろう。

浅野さんも制作へのヒントが得られたそうだ。翁島小の校長先生がブログでレポートしてくださっている。
http://www.town.inawashiro.fukushima.jp/cb/schoolhp/s-okina/entry.html

子どもたちは盛んに浅野さんと言葉を交わしているそうで、ワクワクが広がっていく。

okazu 

October 19, 2020

浅野友理子さん滞在制作開始@翁島小学校

猪苗代でのウォールアートフェスティバルは、2016年、インドから招いたワルリ族のアーティストたち3人が、猪苗代町立翁島小学校の図工室でワルリ画の公開制作をさせてもらったことから、熱を持ち始めたと言っていい。
詳しくは当時のブログに譲るとして▶︎http://blog.livedoor.jp/wall_art/archives/2016-11.html?p=2
WAF2018での、岩切章悟さんの作品。小栗千隼さんと子どもたち・先生たちの作品。
WAF2019での、淺井裕介さんと子どもたち・先生たちの作品
そして、WAF2020。
翁島小学校での滞在制作に臨むのは、浅野友理子さん。
昨日夕方に現地入りし、今日、早速制作を開始。
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実をつけたヒシ

アイディアを膨らませるために紙にスケッチしていたところ、見に来た子どもたちに「壁に描いたらいいのに」と声をかけられて、「それもそうだよね」と、壁面に筆を入れた。
僕はこのことが嬉しかった。今回のWAFのテーマは、対話。
コロナ禍の状況で、日常の様々なことが今まで通りに、思った通りに行かない日々、誰かと話すことで今まで思ってもみなかった視野が広がるのではないか、そう思っている。
ふと子どもと浅野さんの間に生まれた言葉と意思のやりとりが、展開を変えた。

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特別に開いてくださった全校集会。

浅野さんは、9月半ばに3〜6年生が猪苗代湖の環境保全運動の一環で行っているヒシ回収に参加し、 フィールドワークを共にしている。

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ヘドロ化したヒシを回収する。この日の総回収量は2.2トン! photo from 翁島小学校HPより引用

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ヒシの実。マキビシはここからきているのだそう。

浅野さんは、食文化や植物を切り口に、訪れた土地で出会った人々とのエピソードとともに描いている。このヒシ回収の体験が、早速今回の壁画に反映されようとしている。

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壁画は天井にも及ぶ計画。
楽しみな滞在制作になりそう!

okazu


October 16, 2020

市橋晴菜 滞在制作@猪苗代町立東中学校 2020/10/16 DAY6



市橋晴菜さんの制作@東中学校6日目。ここまでで大枠が定まってきたそう。ここからが本番!とばかりに細部への描き込みも加速してきました。 毎日、昼休みや放課後には、この多目的ホールをぐるっと囲んだ2階で、生徒たちが合唱の練習をしています。周囲360°から響いてくる頑張っている歌声が、胸にキュンときて、涙ぐみそうになります。。。!この日手伝いに来てくれた実行委員会メンバー(東中OB/OG)によると、当時から合唱に力が入っていたそうです。10月31日の文化祭で合唱が発表されます。偶然にもこの日はWAFふくしま in 猪苗代2020の当日!歌の力×絵の力。お互いに響き合うその日を想像しています。この日の校長先生からの発信でも、歌と絵に関わりの深い「祈り」について書かれていました。 http://www.town.inawashiro.fukushima.... 転載します。 === ウォールアートも本格的な制作に入り,6日目を迎えました。  アーティストの市橋晴菜さん,プロジェクト代表のおおくにあきこさん,ディレクターの浜尾和徳さんのお三方は,今日も朝早くから制作に取り組んでいます。  写真上は,東中の敷地内で採った「土」です。その「土」もアートの一部として生命を与えています(写真中右…浜尾さんが指さししている部分)。  「土」だけでなく,数多くの顔料,筆等(写真中左)で毎日,「生命の木」に命が吹き込まれています。  ちなみに写真右下の稲は,地元・猪苗代町のもので,晴菜さん曰く『このアート制作の守り神…見守っていただけるように。』とのことです。このアートは,祈りとともに制作されています。  (制作のようすは,下記リンクからご覧いただけます。) == リンク先に、写真も掲載されていますので、ぜひご覧ください!

October 15, 2020

市橋晴菜 ワークショップ「生命の木に生き物を描く」@猪苗代町立長瀬小学校



市橋晴菜さんの制作の一環で、小学校でもワークショップを開催させていただきました。 10月15日は、猪苗代町立長瀬小学校にて。生命の木に生き物を描く、がテーマです。 一本の木にたくさんの生き物たちが集まってくる。生き物たちは木に生かされ、逆に木を生かしてもいる。生命の循環や、生物多様性がイメージされるテーマです。 ワークショップの前に、市橋さんが手書きで子どもたちにお手紙を書きました。そして、生命の木の根っこ、土の中にいる今までに見たことのない生き物を想像して、心の準備を整えてもらいました。 猪苗代町の土で作った絵具の説明から始まり、まずは木の幹を塗る練習。慎重に、丁寧に塗り進め、初めて使ったとは思えないほど、良い出来。その後、灰やススも絵具として使い、想像してきた生き物たちを根っこに描いていきました。最後は、絵具のもとである顔料を使って仕上げ。 この映像では、子どもたち(と一緒に描いた先生方)が生き物の紹介をしてくれています。 長瀬小学校の校長先生が、このワークショップのレポートを学校のホームページに記載してくださいました。 http://www.town.inawashiro.fukushima.... 授業で学んだ食物連鎖などの内容ともリンクしたようで、嬉しい限りでした!

October 14, 2020

香川大介さんの制作@猪苗代高校 10/14


快晴のこの日、頂上を見せる磐梯山が美術室の窓から香川さんの制作を見守っていました。昨日、教室の背後の壁面が大きな変化を見せました。一筆一筆塗り重ねられる絵具。実は、95%が美術室にあった卒業した生徒たちが残していったものです。ということは、特別な画材を使わずともここまでの表現ができるということ・・・絵を描くことの可能性の広さを感じます。この撮影は、午前でした。午後にはアシストも入り、画面がまた変わったことでしょう。明日の発信をお楽しみに!
制作は、10月30日まで。きっとあっという間にその日を迎えることでしょう。 10月31日、11月1日には、オンラインでのアーティストトークがあります。上記のYouTubeチャンネル(WAFFin猪苗代事務局)での配信になります。詳しくは、下記公式ウェブサイトをご覧ください。 ウォールアートフェスティバルふくしま in 猪苗代webサイト http://wafes.net/inawashiro/

香川大介さんとのオンライントークセッション
(主催ウォールアートプロジェクト)

●ノコチームのビヨンド・コロナvol.5 「ある二人のアーティストにとっての、アートの行方」


ノコチームのビヨンド・コロナ、オンライントークセッション第5回は、画家の淺井裕介さん、香川大介さんをゲストに迎えました。絵を描くこと、作ることをやめないふたりのアーティスト。何かを創ることは、ヒトが持つ野生なのでしょうか?今、ふたりが気になっているのは「風」だそうです。ふたりの原点、辿ってきた道、そしてこれからやっていきたいことに迫りました。ビヨンド・コロナで生きていくあなたの野生と、どこかでリンクするかもしれません。

ノコチームのビヨンド・コロナvol.7 「風にまつわるだらだらトーク」


オンライントークセッションvol.5で終わりそうで終わらなかった風の話。画家・アーティストとして、土、水、木など様々な素材を用いる淺井裕介さん、香川大介さんにとっても、気になる存在だそうです。ゲストに、藤井一至さん(土の研究者/森林総合研究所 主任研究員)をお迎えしました!藤井さんは「大地の五億年」(山と渓谷社)「土 地球最後のナゾ─100億人を養う土壌を求めて」(光文社新書)も著していらっしゃいますが、洒脱なトークが絶妙で、いつも楽しく新しいことを教えていただいています。肩肘を張らずに風について考える夕刻でした。

ノコチームのビヨンド・コロナvol.8 「場と創作」


インド・ビハール州・カガリアという小さな町の学校で開催されたWall Art festival in Khagaria 2015。画家・香川大介さんは学校の中で、ダンサー・南加絵さんは屋外で制作に臨みました。大きなインパクトを生んだ2人の作品。
その創作熱の源泉は、どこにあるのか? それを解き明かすために、「場所」の存在は必要不可欠です。 旅を重ねるこのお二人に、場と創作の関わりについて、お話を伺いました。 お二人を招聘して開催するインド・ラダックでのEarth Art Projectへ向けたトーク!