August 12, 2023

August 12, 2023

[森の芸術祭への道のり vol.7] 2ヶ月後の植樹地


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Forest Art Festival当日の6月11日からちょうど2ヶ月後、8月11日にマトー村の植樹地に訪れた。迎えてくれたのは、2ヶ月間、丹精込めてお世話してくださっているマトー寺院のJamyang Paldan Shipaさん。木々の総数6100本という規模の世話をするハードワークを受けてくれる村人がなかなか見つからない中、彼が名乗りを上げてくれた。

「はるばる日本からやってきてくださった皆さんが植えた木でもあるし、村人もまた力を傾けて植樹しましたからね。」とJamyangさん。

植えた時は木の棒にしか見えなかった柳(Sar-chang サルチャン)の苗がすくすくと育っている。
 

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足元が砂なのに、芽吹いている。


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ワイルドローズ(Sia シア)

6月から7月末はラダックの夏真っ盛りの時期なのだが、今年は天候が変で、曇りの日や雨の日が多かったという。植樹地にも雨が流れとなって流れ込んだそうだ。レーの街では床上浸水してしまった箇所もあったそう。


雨と点滴灌漑の効果で苗木の成長はもちろん、下草がかなり目立っていた。水が通ったことで、眠っていた種が芽吹いたのだろう。
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風にそよいでいた。


この草本が冬の間に枯れることで、地面に横たわり、分解され、腐植となっていくのではないだろうか。腐植がさらに進み、土壌となっていってくれたら。


今回携行している土壌学者・藤井一至さんの著書「土 地球最後のナゾ」にならい、土を観察してみた。

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苗木の足元の断層。よく見ると木の根っこがある。

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乾いた状態はさらさら。
 


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湿っていると若干の粘土感。砂利も混じっている。
 

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色は赤みがかっている(紫っぽい)
 

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湧水の出ているエリア。背の低い苔類のような植物が繁茂している。


目を見張る成果を確認した一方、葉を出していない苗木も見受けられた。葉を出しているのは、7割ほどだろうか。

「水は点滴で与えられているのだけれど、どうしても個体によりけりな部分もあるからね。残念ながらね」とJamyangさん。

この2ヶ月で点滴灌漑とこの土地との感覚も掴めたので、次の植樹のタイミングである3月末から4月に芽が出ていないものは抜いて、アプリコットやリンゴなど、他の草木を植えてみよう、ということに。


この日は直射日光があまりにも強く、帽子をかぶっていても日射病になりそうなほど。。。

1時間ほどで切り上げることに。


それにしてもこの環境下でお世話をしてくれているJamyangさんには頭が下がる。


連絡を密に取りましょう、と握手を交わし、植樹地を後にした。


マトー寺院からの植樹地の遠景。

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一番右側には貯水池。左へ、コミュニティホール、植樹地、バスケットボールコート。


本文に登場した土壌学者、藤井一至さんをお招きして「『大地の五億年』『土 地球最後のナゾ』の著者・藤井一至さんに聴く(オンライントーク)」を開催します。

土の成り立ちや、土が秘めている可能性についてお話ししていただきます。足元、さらにアスファルトの下にある土について思いを馳せ、つながる時間になります。
 
9月17日(日)18:30〜19:30 
参加費 500円
詳細は、info@tsomoriribunko.comまでお問い合わせください。参加方法をお伝えいたします。


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