[トーク] npo: ゼロからスタートする国際プロジェクト、10年継続の秘訣 by おおくにあきこ×浜尾和徳漆と絵師展への道

June 02, 2018

okazu通信 第60号「いよいよラダックで森会議」

IMG_8231
マトー村の婦人会のお母さんたちと炊き出しの打ち合わせ

 はじめてラダックに足を踏み入れたときを今でも忘れない。山登りをしていた僕にとっては「これが全部富士山よりも高いのか・・・」と高山に囲まれたレー空港に降り立った時点ですでに、天国のような眺め、と感動していた。テンションが上がった僕は調子に乗ってレーのバザールを散策したり、PCに向かってブログ記事を書いていた。高度順応なんて余裕でしょ、と数時間後ベッドの上でうめいている自分の姿なんて予想できずに。窓の外にはふわりふわりと柳の木の綿が舞っていた。akkoさんがホテルに頼んで来てもらったドクターに注射を打ってもらい、高山病は事なきを得た。それ以来「着いたら単行本を読みながらお湯をガブガブ飲んで寝る」を鉄則に、ラダックに足繁く通っている。
 そのうち、レーを走る車の数が激増し、ホテルやゲストハウスが乱立し(あるニュースレターではキノコのように生えている、と比喩していた)、地下水の水位が下がってきている、という変化を目撃してきた。毎年気温が上がり、2010年の洪水被害以降、心配がつきない、という声も聞く。地球の気候変動の影響は局所で顕著に現れる、ということを知った。「今年も暑いね」と日本で感じる以上の事がラダックで起きている。
 2014年にアースアートプロジェクトを初めて開催したのは、ラダックの遊牧民やファーマーが直面している状況を発信したい、そこで暮らす子どもたちに表現すること、発信することを知ってほしい、と思ったからだった。標高5000mにある学校に集った子どもたち、教師、遊牧民の族長7人、高僧リンポチェ、そしてアーティスト、ボランティアたちが署名したプーガ宣言は、その意思を表明したものだった。思えば、その動きが世界森会議の種だった。その場にいたワルリ族の青年たちがラダックの現状を知り、自分たちの村にも同じような急激な変化が起きていると感じ取ったことがノコプロジェクトを始めるきっかけになったのだから。ある意味、第3回世界森会議をラダックで開催するのは里帰りのようなものだ。昨年のアースアートプロジェクト2017の準備期間中に、マトー村の人々が木を植え始めた、と聞いてピンときたのも必然だったのだろう。
 「この村は、他とは違う」そう感じたのはマトー村に続く真っ直ぐな一本道を軽自動車で土埃を上げながら走っていた時のこと。「インダス川を挟んで向こう側の山裾に、マトーという村があってね。Mang-tho、喜びにあふれた、というのが語源なんだけれど、いいところなんだよ。行ってみるかい?」と僕たちが拠点にしているゲストハウスのDechenさんとShakunさん夫妻が車を出してくれた。左右には荒野が広がっている。と、思いきや、何かが植わっている。目をこらすと、それが苗木であることがわかった。「あれは、木ですよね。植林しているんでしょうか」とDechenさんに尋ねる。「詳しくはわからないんだが、村人とお寺のお坊さんたちが植えたと聞いたよ」とのこと。見渡す限り荒野、岩石地帯なのだが、木は育つのだろうか、と素朴な疑問がよぎる。
 村に入るとその疑問は解消した。標高3800mを超える場所に緑が生い茂っている。マトー村では古くから豊富な雪解け水を活用して伝統的な家の建築に必要な樹木を植えてきたのだ、と評議員やお寺の僧侶に聞いた。芸術祭へ向けた滞在制作中、木の世話をする村人とすれ違ったのも一度や二度ではない。急激な坂を上り下りしなければいけないので大変なのだが、ジュレー、と挨拶すると笑顔でジュレーと返してくれた。完成した作品を一般公開するエキシビション当日、婦人会のお母さんたちが各家から調理器具や野菜、小麦などの食材を持ち寄り、ラダックの伝統料理400人分の炊き出しをしてくれた。彼女たちが作品やパフォーマンスへ向けるまなざしと、「こういうものを子どもたちに見せなきゃね」という言葉は、僕の胸に刺さった。外貨を獲得しやすい観光業に容易に依拠するのではなく、木を植え、林業を再活性させようとしている人々と、これからのマトー村、ラダック、僕たちが生きて行く世界の行く末を、一緒に話し、考えたいと思った。世界森会議、というタイトルは大袈裟で堅苦しく見えるかもしれないけれど、やりたいのは、そういうシンプルなことだ。互いの顔を見ながら智や経験を共有する。この蓄積が世界を変えていくのではないだろうか。目指せ、第100回。その3。

okazu


☆**☆**☆わふのこNEWS☆**☆**☆
 日本へ帰国して一ヶ月があっという間に過ぎました。ワルリ族の村ではまもなく雨季に入ります。
これまでに建てたノコハウスのメンテナンスも完了し、タンクに雨水が貯まる日が待ち遠しいです。

*6月5日、第3回世界森会議キックオフ&説明会開催です!
お馴染みの貝印本社内のkai houseにて開催です。これまでに森会議に参加した人、参加したい人の声が聞けるチャンスです。
第1回に参加したSageさんのカリンバ演奏、香川大介さんのお話など、盛りだくさんの時間。
17:00〜18:00にはワルリカレーとチャイをお楽しみください。参加費無料です。ぜひお運びください!!

ノコプロジェクト「第3回世界森会議@ラダック」説明会
とき     6月5日(火)18:00〜20:00 
17:00開場 カレー&チャイタイム

ところ 貝印株式会社 本社「カイハウス」2階
    東京都千代田区岩本町3-9-5
                都営地下鉄岩本町駅A2出口徒歩1分

内容 「アースアートプロジェクト2017」
                       ドキュメンタリー上映会

   「ノコな未来」トークセッション
登壇予定者
夏目知道(愛知県立芸術大学准教授・空間デザイナー)
橋本淳司(水ジャーナリスト・慶応義塾大学非常勤講師)
Sage (カリンバ奏者・製作者)
香川大介(絵師)
小栗千隼(漫画家)
中川十内(写真家)

※ウォールアートプロジェクトがプロデュースするインドの手仕事ブランド「ツォモリリ」展示販売もあります。(15:00〜)

主催 ウォールアートプロジェクト

問い合わせ先 ウォールアートプロジェクト

info@wafes.net

090-2328-0230(おおくにあきこ)
協力 貝印株式会社

Facebookイベントページ https://www.facebook.com/events/226574374761128/?active_tab=discussion

ノコプロジェクトウェブサイト 
http://wallartproject.net/nocoproject/
ワルリ画 Rajesh L. Mor


*第3回世界森会議へ向け、スピーカー・参加者募集中です!

​第3回世界森会議のテーマは、ラダックの水。水ジャーナリストの橋本淳司さんと、根雪、村を流れる雪解け水、地下水など、ラダックの水を巡ります。
ご自身の取り組みを伝えたい方、ラダックの人々の話を聞きたい方、募集中です!「漆と絵師」展もLAMOというギャラリーで合わせて開催します。

【とき】2018年8月19日〜26日

【ところ】インド・ジャンムー&カシミール州 ラダック・マトー村のゴンパ(寺院)スクール

☆2017年7-8月マトー村で開催したEarth Art Project in Ladakh 2017、ドキュメンタリー映像はこちら。まだ限定公開していますが、サポーターの皆さん、ぜひご覧ください!
標高3800mの学校での芸術祭「アースアートプロジェクト2017」
https://www.youtube.com/watch?v=pglopO0EFMM

  *「漆と絵師」展、お手伝い募集です!
工芸と絵画、二つのコラボレーションから「用の美」を伝える。ウォールアートプロジェクトの新しい挑戦です。
日本の漆をインドへ。漆は知れば知るほど奥の深い素材です。日本人と漆は縄文時代からの長い付き合い。
使えば使うほど味わいが増していく漆器は、時代を超えて受け継がれ、最終的には大地に還るエコフレンドリーな存在です。
私たちはそれと呼応する作品に出会いました。古い道具に宿る八百万の神を表現した香川大介さん。ひっかえとっかえで使うのではなく、愛着を持って使われた道具に宿るものの声。その展示、ワークショップ、レクチャーを手伝ってくださる方を募集中です!
 【展示】
蒔絵師八木由紀子・塗師一田萌里の漆器
絵師・香川大介の「蔵の22神像」と他作品
【とき】2018年9月2日〜9日
【ところ】インド・マハラシュトラ州 ムンバイ ・ARTISANS'(https://www.facebook.com/artisans.centre.9/)、ムンバイ大学など

詳細はお尋ねください。本メールに返信をください。アドレス:info@wafes.net

 *ウォールアートフェスティバルふくしまin 猪苗代2018、準備が進んでいます!!
協賛企業を募集中です。

【とき】2018年10月15日〜滞在制作開始
       11月3日、4日 完成作品を一般公開する芸術祭当日
【ところ】福島県猪苗代町 翁島小学校 吾妻中学校(10/27の公開制作) 猪苗代高校 はじまりの美術館

 *WAP応援団、更新の時期が迫っています。
2017年度もWAPの応援、誠にありがとうございました!!
明日から2018年度が始まります。上記のプロジェクトに加え、東京・仙川にウォールアートプロジェクトの新拠点「ツォモリリ文庫」をオープンします。
応援団登録を更新していただき、引き続きWAPの活動を見守っていただければ幸いです。

〜更新方法〜
●一口3000円の会費を納入(お振り込み、または直接納入)。
●振り込み先  みずほ銀行  成城支店  普通 1170797  トクヒ)ウォールアートプロジェクト

 更新いただける方はこのメールに返信ください。
どうぞよろしくお願い致します!
====================================================================
ウォールアートプロジェクト 2017年度
【助成】ポーラ美術振興財団 国際交流基金 東京都歴史文化財団アーツカウンシル東京(アースアートプロジェクトin ラダック2017)
【協賛】貝印株式会社 株式会社コンピューターシステムハウス Blue Bear Inc. kai manufacturing India pvt. ltd. 
    三部会計事務所 ポーラスター株式会社 みらいなこどもプロジェクト 未夏with NPO法人猪苗代研究所 
    いな暮らし OPTICAL YABUUCHI 未夏with 長照寺 道交会 MINA KIKAKU 小西食堂(WAFふくしまin 猪苗代2018)
【協力】KOKUYO CAMLIN (アースアートプロジェクトin ラダック2017)
【後援】日印友好交流年記念事業認定(アースアートプロジェクトinラダック2017、第2回世界森会議)

【WAP応援団2017】2018.5.31 現在
藤岡南中学校 星フミ子 林原裕子 角川真穂子 山崎春美 ツツミエミコ 山川真実 江川雄一 関口泉 田中鴻介 橋本琉ノ介 るつこ 諸戸里帆 石永仁子 田枝麻美 北辻ファミリー 市橋晴菜 細井藍子 工藤亜矢 枝元なほみ 唐沢絵美里 笹原花音 南加絵 大崎健太郎 高津友美 益田玲 ブーヴィエやよい 小栗千隼 柴田風也 水野絵菜 猪瀬透 楠ファミリー Mariko Tanaka 真理 Maki Ohkojima Sui&Ayako 松岡亮 おりょう みえ 上條美香 柴辰夫 内野友稀 八木由紀子 一田萌里 S&R&H 香川大介 河鍋春恵 本田啓之 渡辺直子 鹿島和生 JUNAI NAKAGAWA 中尾敦子 ギャラリー403 五十嵐3兄弟 伊東瑞歩 阿部ひかり

【WAP応援団2018】2018.5.31 現在
るつ J-cook 益田玲 五十嵐3姉弟 諸戸里帆 林原裕子 Mariko Tanaka


コメントする

名前
URL
 
  絵文字
 
 
[トーク] npo: ゼロからスタートする国際プロジェクト、10年継続の秘訣 by おおくにあきこ×浜尾和徳漆と絵師展への道