2013年03月03日

それから

死んでいた僕をライブに誘ってくれたのは、朋友の成田君だった。

3年以上も会っていないのに、音楽から離れていた僕を、彼が救ってくれたのだ。



しかし実は、このライブの話をもらったとき、受けるかどうか、正直迷っていた。

伝えたいことなど、何もなかった。

やりたい音楽も、なにもなかった。

一度抜け殻になってしまった人間が、ロックなどできるのだろうか?

全く自分に自信が無かったし、もう人前で歌を歌う資格すら無いと思っていた。


僕は迷って、迷って、迷って、

ずっと考えた結果、もう一度、自分のロックを取り戻すことにした。

自分の「心の声」に、
耳を傾けたのだ。


「ロックとは何か?」

その答えはいつも持っていた。

どんな時も、それは自分の胸の中で、ずっと光り輝いていたのだ。

「心の声」を聴いた。
僕も神様も、ずっとこの日を待っていたのだった。


僕はバンドのメンバーにメールをした。

一度だけ、ライブやりませんか?
命を賭けて歌います。と。

返事は奇跡的に全員OKだった。

今思えば、この瞬間に僕のスイッチが入ったのかもしれない。


2012年、9月29日
こうして、赤坂グラフィティでのライブが決まった。

僕はこの日を一生忘れないだろう。

wamuw at 21:49|PermalinkComments(0)TrackBack(0) もう愛しかない。それが世界を動かしている。 

2013年02月21日

それから

2010年、3月6日、
高円寺 ペンギンハウス

忘れもしないあのライブの後、僕の心は、深く深く傷付いてしまい、完全に折れて立ち直れなくなってしまった。

傷付いてしまった理由は、ここでは言えない。



もう、これ以上、お客さんに嘘はつけないと思った。

こんな状態で、ライブなんてやってはいけないと思った。

いろんなものに目をつぶってやってきたけれど、もう限界であることがようやくわかった。

僕は、真剣に、命を懸けて、音楽をやる自分自身と、ずっとずっと向き合ってきたのだ。

真面目に向き合ってきたがゆえに、傷付いてしまったのだ。

僕は、遊びや娯楽で音楽をやったことなど、ただの一度もなかった。命を懸けていたのだ。


ライブのあと、ケースにしまわれた僕のギターは、この日からしばらくの間、空気に触れることなく眠り続けることになった。

部屋の角で、埃をかぶって腐っていくギターが目に入るたびに、まるで自分自身の姿そのものを見るかのようで、胸を痛める日々が続いた。

煮え切らない想いは、毎日僕を苦しめた。

そのうち、痛みを感じている自分自身にも、僕は嘘をつくようになっていた。

音楽なんて、やらなくても生きていけるよ、大丈夫だよ、と。

そして2年が経ち、僕はもう埃まみれのギターケースを見ても何の痛みも感じなくなっていた。

音楽をやらない生活を、音楽と決別する人生を、諦めと共に受け入れ始めたちょうどその頃、

自分のついた嘘のために傷だらけになってしまった僕の心を、矢のように貫く一通のメールが来た。



「ライブ、やりませんか?」



バンドというものは、きちんと決着をつけなければ、呪いのように死ぬまで後悔させられる。

いずれにせよ、人生のどこかで、僕はバンドに対して綺麗にけじめをつける必要があったのだ。

wamuw at 16:27|PermalinkComments(0)TrackBack(0) もう愛しかない。それが世界を動かしている。 

2010年06月22日

「車窓にて」を弾く

仕事をしている最中に限って、録音のアイデアが次から次へと湧いてきてしまって、もう居ても立ってもいられなくなるくらい興奮してしまうのだけれども、いざ帰宅すると、もう体が疲れてぐったりしてしまって、結局録音には手を付けられない毎日。

前進しない人生、前進しない自分に、不安と焦燥感ばかりがのしかかって、それに殺されそうになる毎日。

録音するだけの気力と体力に恵まれた日というのは、実はそうそうないのだけれど、昨日は久し振りにベースをがっつり録音しました。

最初は全然指が動かなくて、音も出なくて、もうこんなことやっててもさっぱり報われないし、今さら無意味なんじゃないかと思ったりもした。

誰にも期待されず、誰にも必要とされていない僕の音楽。

何がやりたくて、何を伝えたいのか。
自問自答ばかりを繰り返す僕の音楽。


でも、やる。


一旦録音を始めてしまうと、作曲に似ている感覚、
そう、異次元との繋がりみたいなものを感じる。

絶望的だったベースの演奏は、何度も何度も録り直していくにつれて希望と感性を取り戻し、運指は研ぎ澄まされ、音には意志が乗せられていく。

もはや曲の最初と終わりでは、全くの別人が弾いているような感じすらある。

自分が右肩上がりに覚醒してゆく様子が、こんなにも曲の中で露骨に映し出されてしまうとは、自分で聴いていて笑ってしまう。

それだけ音楽とは嘘をつかないものだということ。当たり前の事だ。

誠実に接していればいるほど、それは尚更そうでなければならない。


wamuw at 00:42|PermalinkComments(6)TrackBack(0)

2010年06月04日

モーリー大学

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画像は東急大井町線の大岡山駅です。
駅ビルがそもそも病院になっているというか、
病院が駅を飲み込んでしまったというか、

駅と病院の複合レジャー施設。それが大岡山。
(レジャー言うな)

で、駅の目の前は東工大です。

僕は学生時代にキャンバスの中で人に言えない悪いことをたくさんしてきたので、たとえ母校でなくてもキャンパスというだけで、なんか申し訳ないというか、ちょっとしたテロリスト気分になってしまってですね、うっかりすると昔の血が騒いでしまうので、胸を張って足を踏み入れることができません。

で、なんで大岡山にいるのかと。

普段は赤い京急がお似合いのこのわたくしが、気高い東急沿線に一体何の用だと。
どこのセレブ気取りかと。ロハスかと。

いやいや実はですね、師匠の講演会を見にきたのですよ。
師匠のラジオ番組が終わってからというもの、ちょっと自分のバイタリティが落ちてたんですね。
感性のアンテナ感度が鈍くなってしまったというか。

なのでこの日は、この世界の中での自分の立ち位置をもう一度きちんと確認するため、そして、ハングリーな感性の切れ味をもう一度取り戻すために、ここに来ました。


僕は当日券なので、席は後ろのほうです。
それにしても受講者のみなさん、真面目で知的で、なんだかホッとします。安心しますよ。
いかにも心に揺るぎない芯を持った人達といったオーラがぷんぷんします。
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東工大の教授さんが前説をしてくださいました。
上の画像はちょうど前説でルーピー(鳩山)の話をしているところです。


そして前説のあと、師匠の登場。
牛丼とチョコレートの食いすぎではないでしょうか。
相変わらず熊のような体型ですが、それもまた懐かしい感じがします。

この日の師匠の講義は、人種差別や宗教差別、人権団体に対する世論とメディアの対応や、それに対してネット掲示板やツィッターで行われている国境を越えた世界中の議論および中傷合戦について、記事や動画をパソコンでアップしながらトークを進めていくような感じでした。

話術は素晴らしいですね、相変わらず。すっごく面白かったです。
全然飽きないし、ぐいぐい引き込まれていきましたよ。

それにしても師匠、ネットを完全に使いこなしてます。
ネットに振り回されている人が圧倒的に多いこの現代社会の中で、
完全に目的意識をもって我流で使いこなしています。
目からウロコが落ちるほどの衝撃。もう世界中から情報ソースを引っ張り出してきます。
なんかイスラム教徒専用のSNSに「なりすまし」で潜入してました。
・・・これがジャーナリズムの「公正性」に対する姿勢か!凄い!


そういえば、セーラー服の女子高生が単身で乗り込んで来てましたね。
しかも前売り券で席も前のほう。見るからに頭の切れそうな子です。
何ていうか、眼光に腰が据わっていました。

知的で勇敢で早熟です。
ああいう若い子が一人でもこうして足を運んでくれることが何よりも嬉しい。拍手を送りたい。


講演会の後は、駅前の居酒屋で懇親会があったのですが、僕はナイーブで純情な臆病者なので欠席しました。
(大勢での飲み会が苦手!忘年会!合コン!Fuck you!!)

だって知らない人達の中に入っていって、核問題や北朝鮮討論をぶちかます自信も実力もないですから。

ここに来てる人たちは、みんな社会人としてのディベートスキルが見るからに凄そうなんですよ。
海外のニュースサイトとか、英語でも平気で読めちゃってるような気がします。


wamuw at 08:51|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 君が世界を殺したいなら。 

2010年05月29日

谷崎潤一郎 「蓼食う虫」

蓼食う虫
この本を読んだのは、あの「ドグラマグラ」を読破した直後でした。

さすがに最初の5〜6ページは、「ドグラマグラ」によって感受性が混乱させられたせいで、なかなか情景をイメージできませんでした。

比較的マイルドな文章なのですが、「ドグラマグラ」の後遺症のせいで、読むのが少々かったるかったのだけれども、さすがに谷崎潤一郎。登場人物に女性が出てくるやいなや、その和服の着付けや染め模様から漂わせる心理描写のきめ細やかさで、一気に読み手の心を奪っていく。

妻の美佐子へ宛てた、従弟からの「手紙」。
その内容には、はっきりとは明記されてはいなかったけれども、


僕はこのように想像する。


美佐子はおそらく、恋人の子供を堕胎したのだと。

さらに恋人は、美佐子と要の離婚を望んではおらず、あくまでも遊びの恋愛として貫き通すつもりであり、しかるべき時期が来たら、きちんと関係を終わらせたいと望んでいるのではないかと。(恋人は、美佐子の結婚生活に対する不適性を既に見抜いていると思う)

これがもし、書かずしてそこまで読者に想像させるほどの谷崎の筆技であったとしたならば、時代を超えて輝くその才能に、僕の血管は全身で痺れてしまう。

結末の処理は見事。

夫、要の心のつぶやきには僕自身恥ずかしくなるくらいに共感してしまう。

いつの時代も男というものは、こんなものなのかもしれない。

wamuw at 13:14|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 君が世界を殺したいなら。 

2010年03月05日

ライブの告知です。

明日ライブをやります。

高円寺ペンギンハウス

18:30オープン
19:00スタート

4バンド出演
僕らは3番目

今夜が最後のリハーサルです。これで明日は決まってしまうと思う。


wamuw at 19:00|PermalinkComments(4)TrackBack(0) 基本的にスタジオではパンツ一枚。 

2010年02月28日

もうちょっと。あともうちょっと。

昨日のスタジオは楽しかった。
みんなが曲をどうすべきかを一生懸命に考えてくれて、その姿を見ているだけでとても嬉しくなった。

そんなメンバーの気持ちに対して、僕は「歌」という役割を立派に全うすることで
応えようと思う。

せっかくいろいろ考えて演奏してくれているのだから、彼らに恥をかかせるような歌は歌いたくない。

この「歌」だったら大丈夫だと、彼らにそう思ってもらえるような僕自身の歌を歌いたい。




wamuw at 17:47|PermalinkComments(2)TrackBack(0) 基本的にスタジオではパンツ一枚。 

2010年02月15日

節目ってのが必ずあってね。

どうやったらお客さんをまるごと抱きしめるようなライブができるかなって、ずっと考えています。

歌詞とじっくり向かい合う時間がめっきり減ってしまって、その反面、仕事がどんどん充実してゆくのは、何だか寂しいものですよ。

仕事も音楽も、僕が人間らしくあるために必要なこと。
こうして悩んで、苦しんで、悔いを残しながら人生は進んでいくんだな。

wamuw at 23:32|PermalinkComments(2)TrackBack(0) 君が世界を殺したいなら。 

2010年01月10日

COUNTDOWN JAPAN 09/10〜その4

ここでGOGO!7188のライブを観たのは、きっと何か神の啓示みたいなものに違いないと思った。
というのも、ちょうど僕は、このGOGO!7188というバンドのCDをたまたまTUTAYAで借りており、それを聴いてからというもの、すっかり彼女たちの音楽に夢中になっていたからだ。

果たしてライブではどうなのか?
僕はこのライブを本当に楽しみにしていた。
CDに記録されている、あの熱い演奏と歌の再現はさすがに無理だろうな〜、などと、鼻歌まじりに想像したりするのも楽しかった。少なくとも開演前までは・・・。

このあと僕は、そんな甘ったるい想像をぶっとばすようなモノ凄いライブを目の当たりにすることになる。


ライブ開始の合図が鳴った。
僕は、Voユウの入場から、いきなり神の姿を見てしまった。

一体なんなんだ、あの、「いるだけで」発せられる威圧感は。

あんな破格の存在感は見たことがない。まだライブは始まっていないのである。

立って、歩く。ただそれだけで黙らせるこの迫力。

くぐりぬけてきた戦場の数がこの殺気立つオーラを作りあげているのだとしたら、今日までの道のりを想像するだけでぞっとする。

レベルが違う。文字どおり空いた口が塞がらない。

僕の頭は混乱していた。ユウは神ではないかと・・。

ユウはテレキャスターを一発だけ「ジャキーン!」とかき鳴らした。
1曲目、「ジェットにんじん」である。
もうここで死ぬかと思った。これがロックかと・・・。

モッシュしまくる観客。
それをあたかも当然の現象のように、全く構うことなく歌うユウ。
この踊り狂う愚民どもをステージから見降ろしながら、
ユウは何を思っているのだろうか?

MCはアッコが務める。ユウは一言もしゃべらない。そこがユウの持つ魔力と神秘性をさらに加速させる。

とにかく驚いたのは、計算された音のバランスである。
おそらく彼女たちは、自分たちが目指すべき音像を正確に把握している。
もう出したい音に何の迷いもないのだろう。
ベースとギターが織りなす絶妙な周波数のコンビネーション。

これで、この音で、たったの3人である。
完璧以外の言葉は見つからない。

ギターを弾くユウは抜群にカッコよかった。
こんなにカッコいいギタリストだとは思わなかった。
この日、いろんなバンドでたくさんのギタリストを見てきたけれど、
ユウが断トツぶっちぎりで一番巧い。
一番巧くて一番カッコいい。
こんなカッコいいギタリスト、見たことがない。

ギターという大きな武器を、肩の上まで高々と担ぎあげるユウの神々しい姿。
金のショートパンツから、黒いストッキングに纏われた艶めかしい足が、すらりと伸びている。
この堂々たる風貌。なんということだろう。
男ならこのジャンヌ・ダルクに惚れないわけがない。

僕はCDだけ聴いて勘違いをしていた。
そしてこのライブを見て、理解した。

何のことはない。
今まで何人ものプロデューサーが彼女たちのアルバムに挑んできたが、その英知をもってしても、このバンドの持つ破格のスケールをCDに収めきれなかったというだけの話である。

これはCDで聴く音楽ではない。

絶対もう一度見に行く。
必ず見に行く。
ツェッペリンよりGOGO!7188のほうが絶対にカッコいい。




wamuw at 14:23|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 音楽よ、もっと怒れ! 

2010年01月06日

COUNTDOWN JAPAN 09/10〜その3

泉谷しげるが予想以上に良くて、こういうライブイベントっていうのは新しい出逢いや収穫があって、なかなかいいもんだなぁ、お得だなぁ、などと思いながら、間々田優のステージへ向かいました。

間々田優・・。

ラジオで聞いて、ずいぶん強烈な個性の持ち主だなぁと思っていました。
歌詞が借り物でない自分の言葉で書かれているので、胸に突き刺さるような鋭利な暴力性を持っている。

歌唱も「誰々っぽい」ところが無く、ちゃんとした「自分の歌」を持っている逸材。
自己プロデュース能力があるらしく、椎名林檎ほどではないにせよ、楽曲さえブレイクすれば大化けする可能性大。

ディレクターの責任は重大です。
これが売れなかったら業界の恥。日本の恥ですから。

そんな間々田優の正体を知りたくて、わくわくしながらステージの前で待っていました。
知名度が低いせいか集客力がないので、フロアの半分ぐらいしかお客さんは入っていませんでしたが、鋭い嗅覚を持った一部のリスナー達は、しっかりステージ前を陣取っていました。
間々田優を知っているのが自分だけではないことにほっとしました。

ライブが始まりました。
元気いっぱいに飛び出してくる間々田優。
とにかく自分の存在を知らしめてやろうとありとあらゆるサプライズを仕掛けてくる。

自己顕示欲が溢れすぎてコントロールできていない。
とにかく注目と、声援と、愛を、ステージで渇望しまくる野心家。
愛を与えるCoccoとは真逆のベクトル。
愛を欲しがって欲しがって叫ばずにはいられないというこの感じ。

お客さんが求めているものなんて、ちっとも興味が持てないというような、あの試行錯誤していた昔の自分のような、悲しくも懐かしい感じ。

あの日の間々田優は、たとえ客席に飛び込んでいったとしても、お客さんに受け止めてもらえなかっただろう。

歌と歌詞。
僕ら観客が間々田優に求めていたのは、この二つだった。

直立不動でもいい。
パフォーマンスなんて、なくてもいい。
ただ、歌詞と歌で、僕らを震わせて欲しかった。

僕はラジオで、君の歌と歌詞にしびれて、ここまで来たのだ。
君にやりたいことがあるのは知っている。
自作自演能力があることも分かった。
君には世に出る天性の資質がある。モノが違う。
自分の歌と歌詞に強い自信をもっていい。
なので、まずはしっかり歌って欲しい。
まずは音楽をしっかりやって欲しい。

僕は間々田優の将来に期待しています。
君はモノが違うのだから、自分を過剰に演出することなく、正面から在りのままの間々田優で歌えばいいんだよ。

弱々しくて、未熟で、腹黒くて、醜い、間々田優で・・・。

僕は待ってます。
君のことを好きになる一歩手前で・・。










wamuw at 22:47|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 音楽よ、もっと怒れ! 
肖像画
ササキ
走れデモクラシー。恋と革命。
純文学ロックンロールが奏でる告白リアル・ノンフィクションブログ。
連絡はme-fire-lips@hotmail.co.jpまで。
愛されて、泣きました。