2015年09月23日

日本陸軍は蒋介石のスポンサーが英米であると兵士に周知していた

辻政信が書いた「シンガポール攻略」(毎日ワンズ版)の巻末に、「これだけ讀めば戦は勝てる」が収録されており、開戦直後、シンガポール攻略戦に参加した日本軍は、これを熟読していたものと思われる。

一応、発行部数は、当時40万部だったとされる。

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http://www.nids.go.jp/publication/kiyo/pdf/bulletin_j11_1_3.pdf

日本軍とインテリジェンス
――成功と失敗の事例から――
小谷 賢

英軍全体の訓練に対しての評価も、「訓練は一般にその程度低く、かつ防勢色彩濃厚なり」
(27)としており、攻撃主体の日本陸軍から見れば、控えめな訓練に映ったようである。また
陸軍は英空軍に対して「操縦者の素質は比較的良好にして使用機には第一流実用機を含み
あるも、その訓練の現状は不十分なり」(28)というような評価を下していた。
陸軍は南方戦線に赴く将兵のために、『これだけ読めば戦は勝てる』という小冊子を40
万部も刷っており、この中で英軍については以下のように書かれている。
今度の敵を支那軍と比べると、将校は西洋人で下士官は大部分土人(ママ)である
から軍隊の上下の精神的団結は全く零だ。唯飛行機や戦車や自動車や大砲の数は支那
軍より遥かに多いから注意しなければならぬが、旧式のものが多いのみならず、折角
の武器を使うものが弱兵だから役には立たぬ。(29)
日本軍は英軍に対して統率的評価を試みており、英兵はそれなりの戦闘力を有している
ようだが、現地兵との折り合いが良くなく、極東英軍全体としてはそれ程の脅威はない、
と判断していたようである。また前述したように、陸軍はマレー半島からシンガポールに
至る緻密な情報収集活動によって、現地の様子を良く把握していたため、1941 年1 月に検
討されたシンガポール攻略作戦計画においても、マレー半島南下作戦によって成功の可能
性は高いと判断していた(30)。基本的に陸軍の考えは、「英米可分」であったため、限定的
対英戦争を志向していたのである。

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辻政信については、評価が極端だが、私は、以下のブログと同意見である。

辻正信の「これだけ読めば戦いは勝てる」をどうよむ。
http://blog.livedoor.jp/mediaproducer/archives/50634351.html

「これだけ讀めば戦は勝てる」において、蒋介石は、英米のエージェントであったと3箇所に書いてある。

文章表現的にはこうなっている。

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「これだけ読めば戦いは勝てる」からの該当箇所の抜粋


・蒋介石を助けて日本と戦わせてきた黒幕は英・米である。彼らは日本の興隆を目の上のたんこぶとしてあらゆる手段で日本の発展を妨害し、重慶政権や仏印、蘭印などをそそのかして日本に敵対させようとしている。彼らの希望する所はアジア民族の相克消耗であり、彼らの恐れる所はアジア民族が日本の力で独立を図ることである。


・もうすでに時機は遅過ぎるくらいで、これ以上我慢していたら日本の飛行機も軍艦も自動車も動かなくなる。支那事変以来もう五年も経った。十万以上の戦友が大陸に骨を曝したが、その戦友を殺した蒋介石の武器は大部分英、米から売られたものだ。英米は東洋を永久に植民地にするために東洋民族の団結を嫌い、日本と支那とを戦わせることにすべての政策を集中しつつある。


・重慶政権の臍の紐は英・米に通じている。早くこれを切らねば日支事変は永久に収まらない。


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大本営参謀辻政信は、このように蒋介石政権を評価していたのである。

支那での戦争を、日本の侵略戦争だと断罪する歴史家、日本の左翼政党にとっては、40万部も刷られた小冊子にかように書かれていた事実をどう否定するのであろうか?

日本共産党は、つい最近の選挙公報に、「侵略戦争への反省」と書いてあったはずだが、この小冊子の記述をどう否定するのか?

その辻政信は、「蒋介石の密使 辻政信(祥伝社新書) 」によれば、蒋介石のエージェントであるという記述がある。

一方、「幻の日本爆撃計画」(アラン・アームストロング)にかく記述がある。

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198〜200頁

アメリカ人のゲリラ航空戦隊の結成計画を秘密にしておくことがルーズベルトと蒋介石にとって不可能だったことは、やがて明らかになるのだった。日本側は、この米中合同の先制空爆計画に関する貴重な情報を入手する手段を持っていたのである。

中略

宋子文、クレア・シエノールト、そしてワシントンにいる彼らの仲間の行動は、東京にとって秘密ではなかった。重慶の中国国民党政府と緊密な関係を持つ日本側諜報員が、”特別航空戦隊”に関する情報と、中国が重爆撃機を使って東京に爆弾を投下するという噂を日本側に通報していた。

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どうやら、陸軍は、蒋介石の懐深くに入り込んでいたようである。



waninoosewa at 08:22│Comments(2)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Clip to Evernote ◆◆ 歴史の検証、見直し 

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この記事へのコメント

2. Posted by 一斎   2015年09月24日 18:09
辻政信の評判が宜しくないのは、「これだけ讀めば戦は勝てる」という小冊子の著者であり、史料価値ある文献であることから、GHQとしては、代理人を使って悪者に仕立て上げ、小冊子の存在を抹殺したかったのではないかと、推測します。
1. Posted by 山路 敬介   2015年09月24日 05:25
「辻の評価は難しい」が良く言われますね。
あるいは悪の標本のように言う人がいます。
ですが、それは戦後の行動に謎が多い事、戦前と戦後を自分の中で、その明晰な頭脳と行動力ですっきりと切り分けてしまえる能力によるのだと思います。
戦中の苛斂誅求な捕虜や部下への扱いにも起因していると思うのですが、それも現在だから言える事じゃないかな。
くわえて、自決せずに議員になったり「潜行三千里」などが売れたやっかみもありましたね。
「蒋介石の密使」は戦後の話であって、戦前の部分はブログ主様のように、
>陸軍は、蒋介石の懐深くに入り込んでいたようである
と理解したほうが正解でしょう。

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