2009年07月20日

高速無料化が地方経済に最後のとどめを刺し大量失業が加速するかもしれない

政権交代を掲げる民主党が政策として主張する高速道路自由化政策に期待する意見は多い。

菅の時、高速道路無料化で一票入れたが 2009/ 7/19 20:33 [ No.2887319 / 2887337 ]
投稿者 : honnenogod
高速道路無料化は日本を変える一歩になる可能性は高い
リチャード・クーも日本の住宅事情で可処分所得が食われている事を指摘するが高速道路無料化で住宅事情のあり方とビジネスモデルの変化が日本の変化の起爆剤になることは期待したい

確かに、こういう期待もあると思う。

しかし、
ある理由から、高速道路自由化には大きな落とし穴があると、私は思っている。

それは、大量失業が加速することである。


あの投稿者は、自分が失業するかもしれないことに気づいているのであろうか?
特に小売・流通業、サービス業において大量失業が発生する可能性があるのだ。

ピンとこない人がいるかもので解説する。

高速道路が完全無料化すると、高速道路からアクセスの良い立地のスーパーおよびその中の出店企業が売上を伸ばす。このことは、説明するまでもないことだ。

それは、イオン系列である。

イオンが出店している地点を思い浮かべてほしい。何故か高速道路の出口付近に多いのだ。幹線道路ではなく、高速道路からのアクセスが良い地点に目をつけた出店であることくらいビジネス感覚がある人ならばわかるはずだ。
そして、ある地方都市では、高速道路開通に合わせて、インターチェンジ付近にイオンおよび専門店(ユニクロなどのカテゴリーキラー)が新規出店し、大盛況である。そのスーパーにはその都市だけではなく、近隣から高速で買い物に来る客がいるからである。
その一方で、駅前商店街はガラガラである。地域の名だたる時計屋、書店、CDショップ、洋服店、靴屋、陶器屋、和菓子屋、ふとん屋、資生堂薬局みんな店を閉めた。そして、今度その都市の百貨店が店を閉める。それによって数百人規模の失業者が生まれることが確定した。

これは、郊外出店の影響ではなく、高速道路インターチェンジ出店の影響により、その都市の中心市街地が、地方からの顧客を完全に奪われた結果なのだ。日本全国そうなっているはずだ。

※イトーヨーカ堂は、高速道路ではなく、地域密着型の出店なので高速道路無料化のメリットはあまりない。

小売業は、この不景気でどこも青息吐息である。政令指定都市でも駅前の百貨店が店仕舞いするほとだから、あと少し打撃を受けただけで閉店するところが続出するであろう。
そのきっかけになるのが、民主党が主張する高速道路無料化である。
イオン系列に地方客(高速道路使用)がさらに集中し、駅前商店街の売上がその分さらに目減りするので、駅前商店街の百貨店と小売・流通業、サービス業の倒産廃業が加速するのである。

ここまでは、具体的な地点や具体的な数字を使った説明ではなかったので、一例で紹介しよう。
出典は中小企業白書や商業統計表である。中小企業診断士のテキストなどにも関連する記述がある。

・サブプライムショックなどもあり、多くの業種で倒産件数は増加している⇒小売売上の低迷
http://www.gamenews.ne.jp/archives/2009/01/post_4451.html
・業種別の創業率、廃業率でみると、全国的に廃業率が上回る状況が続いている。⇒小売売上の低迷
http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/h19/h19_hakusho/html/j1210000.html
・存続企業のパフォーマンスが退出する企業に比して悪くなるという不自然な新陳代謝が出版や印刷分野、家具製造業などで起きている。⇒小売売上の低迷
・ス−パーが売上を伸ばている一方、専門店のシエアが低下
⇒駅前商店街の専門店は廃業寸前
・全都道府県において、店舗面積500?未満規模での販売額がマイナスで地域を問わず、特に規模が小さい専門店のパフォーマンスが悪化している。⇒中小小売業の多くは廃業寸前
・消費者向けの電子商取引の市場規模は年々増加している。⇒駅前商店街への悪影響加速
・債務超過企業は少なからず存在する。
http://finance.bb-tax.net/over07.html
・百貨店1店の閉鎖による失業者は約数百人規模
http://www.hokkaido-np.co.jp/cont/maruiimai_news/57658.html

これに対して、中小企業庁もさまざまの施策を講じている。
http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/g_book/index.html
しかし、これら施策も高速道路完全無料化で施策の大半が無駄に終わるかもしれない。

イオンやイトーヨーカ堂などのスーパーの新規出店については、かつては大規模小売店法、中心市街地活性化法などで規制してきた面があったが、今や、これら大手スーパーが自由に新規出店しやすい規制となっている。

中心市街地の活性化に関する法律
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%BF%83%E5%B8%82%E8%A1%97%E5%9C%B0%E6%B4%BB%E6%80%A7%E5%8C%96%E6%B3%95
1990年代に入ってから、日本全国の地方都市で郊外化が進むようになり、中心市街地の衰退や空洞化が目立つようになってきた。この法律はこれらを是正することを目的としている。

大規模小売店舗法
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E8%A6%8F%E6%A8%A1%E5%B0%8F%E5%A3%B2%E5%BA%97%E8%88%97%E6%B3%95
本来、この法律は、地域小売商業者を保護するためのものではなく、消費者の利益と、中小小売店の利益のバランスを目ざしたものであった。しかしながら、この法律に基づく出店調整においては、地元の商工会議所(または商工会)の意見を聴くことが定められ、それに沿って調整が進められた。この、商工会議所の意見を定めるための調査審議機関が、商業活動調整協議会(商調協)である[3]。

商調協は、商業関係者、消費者、そして中立の立場に立つ学識経験者の三者によって構成され、三者の一致によって審議を進める方法がとられた。商業関係者は、地元商業者の代表であり、既存の中小零細商業者で構成される商店街組織の代表や、既存大型店の代表も含まれる。このため、商調協は、既存の商店主や、すでに進出済みの大型店に対し、出店に反対するという一種の既得権を与えることになった。このような、既存の商店街や大型店の既得権益の擁護にもつながる運用が可能であることから、大店法は運用面で様々な問題が生じ、店舗網の拡大を目ざす流通業界からは、改善を求める声が出されていた。

この法律を改正し、さらに廃止に追い込んだのは、国内の大手流通業界ではなく、日本市場の開放を求める米国の「外圧」であった[4]。日米の貿易格差を縮小する目的で行われた日米構造協議において、1990年2月に、米国が「大型小売店舗法(大店法)を地方自治体の上乗せ規制を含めて撤廃すべきだ」と要求し[5]、この問題が協議の焦点のひとつとなった。当時、設立されたばかりの日米合弁会社である日本トイザらスが、国内第1号店として新潟市への出店を計画していたが、大型店の出店に反対する地元商店街の意向を受けた事実上の大型店出店凍結により、進出の見通しが全く立たないままであった[6]。4月に入ると、米国は「法律があろうとなかろうと、米国の企業が日本で店を開くことができるようになるのであれば、かまわないという見方もある」と[7]、柔軟な態度を示した。この結果、4月に発表された日米構造協議の中間報告で、「現行大店法の枠組みの中で法律上実施可能な最大限の措置である下記の運用適正化措置を実施する」として、出店調整処理期間の短縮や、出店調整手続き・機関の明確化・透明化、地方公共団体の独自規制の抑制が合意された。合意を受け、翌1991年に行われた大規模小売店舗法の改正で、これまで商工会議所(商工会)に置かれて大型店の出店を扱っていた商業活動調整協議会(商調協)が廃止されることとなった。これ以降、大店法の運用は大幅に緩和され、各地で大規模なショッピングセンターの進出が進むこととなる。

その後、1995年に入ると、こんどはコダック社が、日本だけにおいて市場占有率が低いのは、富士フイルム社が排他的な市場慣行を利用しているためであり、大店法もそのひとつだと問題にした、いわゆる「日米フィルム紛争」が始まった。この問題は二国間交渉では結着せず、1996年に世界貿易機関 (WTO) に持ち込まれ、紛争処理小委員会(パネル)が設置された。WTOパネルは、1998年1月に、日本側の主張をほぼ全面的に認めて米国の訴えを退ける最終報告を行った[8]。このように、日米フィルム紛争は日本側の勝利に終わったものの、その過程において、大店法にWTO違反の「疑い」があることは否定できないことも明らかとなった[9]。そこで、日本政府は、大店法を廃止する方針を定め、問題は、それに伴って危惧される商店街の衰退をどのようにして防ぐかという点に移った。

こうして、1998年(平成10年)の第142国会において、大型店を規制する考え方から転換し、大型店と地域社会との融和の促進を図ることを目的とし、店舗面積等の量的な調整は行わない「大規模小売店舗立地法」(大店立地法)が成立し、この新法により「大店法」は廃止されることとなった。同時に、中心市街地の空洞化を食い止めるため、新たに「中心市街地活性化法」が制定され、都市計画の面からも規制を強化しようと、「都市計画法」が一部改正された。これら三つの立法は相互に関連しているので、第142国会では、大規模小売店舗立地法、中心市街地活性化法と改正都市計画法の3法が、まとめて「まちづくり3法」と呼ばれた。これら3法のうち、中心市街地活性化法と改正都市計画法は速やかに施行された。一方、大規模小売店舗立地法は、大型店進出に対する中心市街地の体力が強化されるのを待つ必要があるとして、2年後の2000年6月に施行されており、この時点で大規模小売店舗法も廃止された。

都市計画法
http://www.nomu.com/column/vol155.html
 大規模集客施設(法では特定大規模建築物と言う)立地に関する重要な変更点。
 1)   大規模集客施設立地が可能な用途地域を、現行の6地域から3地域へ限定する。
※ 大規模集客施設:床面積10,000?超の店舗、映画館、アミューズメント施設、展示場等をいう(従来の規制対象は物販店のみが対象⇒規制の対象が広がった)
※ 10,000?超の店舗が立地可能な地域は、商業地域、近隣商業地域、準工業地域となる
※ 準工業地域は、3大都市圏と政令指定都市を除いて、地方では原則規制する方向
 2)  市街化調整区域では、従来は計画的大規模開発の場合は立地が許可されたが、今後は原則禁止となる
3)  白地地域においては、今後、大規模集客施設は原則禁止となる


これらの法律をもってしても、日本は今、既存の商店街の衰退が避けられない状況にある。
都市計画法が、新規大規模出店の歯止めになった感はあるが、遅すぎたのである。
外圧によって、日本の既存の小売業(負け組)は、衰退から廃業の危機にさらされている。そして、その最後のとどめをさすかもしれないのが、高速道路無料化である。
政令指定都市の駅前百貨店が業績不振で閉店するのが、最新のシグナルである。
イオンとイオンに出店する小売業以外が、負け組として規模縮小か廃業の選択を迫られるのである。
そして、駅前中心市街地に公共投資してきたこれまでの税金が無駄に消えるのである。


イオン以外の小売業、イオンに出店していないサービス業務のあなた!
あなたの企業は、今倒産寸前(債務超過)ではありませんか?

倒産寸前なら、高速道路無料化で最後のとどめを刺され、廃業あるいは失業するかもしれませんよ!

それでもあなたは、高速道路無料化を支持するのですか?

民主党案は無料化だけを主張しており、無料になって利益が得られる業種や小売業に新たな経済的負担、税負担(固定資産税など)を打ち出してはいない。
民主党は、地方経済を注意深く分析したのであろうか?
民主党は高速道路無料化が疲弊した地方経済に最後のとどめになる可能性があることに気づいているのであろうか?(もし気づいたうえで無料化を主張したとすればそれは売国行為である)
私は、イオンやイトーヨーカー堂などの勝ち組に対し、出店地の固定資産税評価を大幅に見直し、売上税を適用するなど、課税強化によって、廃業、大量失業に備えるべきだと考える。

ー民主党に言っておきたいことー
政策的に高速道路無料化は一見正しい論理だが、今強行すると、大量失業を生む危険性が高いので、ワークシエアリング的発想で高速道路無料化を見送るべきではないか!
もし、強行して大量失業が現実のものになったらその政治責任は民主党が負うべきである!

ー自民党に言いたいことー
今高速道路無料化を急ぐと、疲弊した地方経済がさらに疲弊し、地方都市で大量失業が発生するので無料化は急ぐべきではないと、街頭演説ではっきり言ってもらえませんか?

補足
私は、高速道路無料化そのものには反対ではない。高度成長期はそうすべきだった。しかし、この経済状況、地方都市の景気動向、中心市街地の状況から、高速道路無料化が最後のとどめを刺す可能性が強く、景気がいい時ならともかく、この景気動向で高速道路無料化を強行すると大量失業の懸念があると判断している。
経済学者でなくてもちょっと調べればわかることなのでブログのテーマとして取り上げた次第である。



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この記事へのコメント

2. Posted by SHIRASU J   2009年08月22日 06:05
> 地方は切り捨てないと財政が持たない。

なるほどそういう見方もありますね
1. Posted by とうりすがり   2009年08月22日 01:00
地方は切り捨てないと財政が持たない。

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