ケモノガリ 8 (ガガガ文庫)

あらすじ

クラブ本拠地で繰り広げられる激戦につぐ激戦。仲間たちは孤軍奮闘を余儀なくされていた。そこへ義勇軍が増援に現れ、あやなたちが戦地に降り立つのだった。一方、赤神楼樹はアストライアとの最期の戦いへ歩を進める。家族や友人の記憶を捨て、殺すことだけに特化した存在になっていた。同じ才を持ちながら異なる道を選択した存在を狩るため、洗練し尽くすため、“ケモノガリ”として大切な人を守り切るために、戦いの果てを目指すのだった―。殺人の才能をもつ少年の物語、ここに終幕!興奮必死の結末を見よ!!

 

以下、ネタバレあります。

楼樹VSアストライア!
己を削りながら互いを上回ろうとする二人の血塗れのスパイラル!
ただ全力を尽くすのではなく、全力を超えるために戦いに不要なものを捨て去っていくのが痛々しくもありますが、痺れます。
文章が熱い!

余分なものを排除するたびに、徐々に赤神楼樹が先鋭化していることに気付く。
ただ、アストライアを殺害するための生き物と化している。
……それでいい。

親を忘れ、 シャーリーやイヌガミを忘れ、あやなの名前すら忘れて勝利を求める楼樹が、

「―――くん!」

とあやなに呼びかけられるシーンが素晴らしい!
宿敵との殺し合いよりも、ただ、あやなの涙を拭いたいと願う楼樹。
あれだけ戦って、勝利を願って、最後の最後で、反転する。失いたくないものを手に入れる。
期待を超える、素晴らしい決着でした。

決戦前に明かされたアストライアの過去も良かった。もう一人の楼樹でした。

あやなが”虚無”にとどめを刺す場面では、アストライアがあやなのことを恐ろしいと言っていたのを実感。
全ての黒幕とローマ法王がいて緊迫した駆け引きが繰り広げられる中で”恥ずかしそうに頬を染める”ことができる日常のうしなわさはイカれてます。
恋する乙女は無敵!

他キャラではベイカー爺さんの最後が格好良すぎる。

シャーリーは壁にもたれかかって眠っているジャック・ベイカーを揺り起こした。しばらくして、彼女は気付いた。
ジャック・ベイカーは既に死んでいた。

R.I.P 爺さん。

そして最後。島での決戦が終わって残り70ページ。
えらい長いエピローグだなと思っていたら、エンターテイナーの襲撃と逃走劇、そしてケモノガリの死と楼樹の再生が起きる。
ケモノガリは最後の最後まで気を抜けないですね。そこが良い!
 
エピローグではシャーリー、ついに言ってしまいます。

「……そうね。男だったらそれに決めちゃいましょう。シャノン・ワードワース。いい名前」

続きはエヴォリミットで! 

ケモノガリ 8 (ガガガ文庫)
東出 祐一郎
小学館 (2014-06-18)
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