生ポアニキ (オーバーラップ文庫)

あらすじ

半不登校で孤独な生活を送る木村ユースケは、カウンセラーの勧めで新たに設けられた『恋愛生活保護』を申請した。これで相性の良い自分好みの女の子が現れて、幸せになれる…はずだったのだが、約束の日、家に来たのは女の子ではなく、一糸まとわぬマッチョな“アニキ”だった!一方で本来現れるはずの鳳来寺ユリは転校生として現れるも、ユースケの好みとはことごとく違う。家に住み着いたアニキ、ユースケを拒絶する転校生、そして秘密を抱えて近づくクラスメイト・松笠アザミ…。謎が謎を呼び、アニキの汗がほとばしる!果たしてユースケに恋人は出来るのか!?全ての答えは筋トレの先にある!少年少女と一人のマッチョが織りなす健全なる物語。ハイテンション・マッスル・ラブコメここに交付!!



以下、ネタバレがあります。

疲れからか不幸にも黒塗りの高級車に追突してしまったり、体調不良だったりして中々更新ができなかったんですが、『生ポアニキ』を読んで目からうろこが落ちました。
そうだ、ボクには筋肉が足りなかったんだ!筋肉があればブログも更新できる!そうなんですね、アニキ!

オビには”ラノベ史上最大の問題作”と書いてありますが、そこまで凄い問題作ではない。

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自分に自信を持つことができず周りからも見下されている少年がボーイ・ミーツ・ガール&アニキして、他人と衝突しながらも成長し、恋をする青春ラブコメディ。
東京忍者のようなマジで作者も編集もお薬やりながら作ったんじゃなかろうかという問題作に比べれば真っ当なラノベです。
小説の体をなしているのが東京忍者との大きな違いですね。

主人公は木村ユースケ。
両親をなくした後、学校ではいじめられ、半不登校になる。
部屋はゴミだらけ。不健康で、”中年のようにお腹だけが妙に出ている餓鬼のような体型”。
彼がカウンセラーから勧められたのは『恋愛生活保護』。

僕のように、このままでは結婚はもちろん恋人など出来ず、片想いすらままならない人間でもない限りは受給資格が与えられないのだ。
(P62)

という恋愛弱者のための出会いプログラムです。
『恋愛生活保護』に通ったユースケのクズぶりが素敵。モテない高校生の妄想が一人称で炸裂する!

(略)僕好みな、素朴で優しくて、僕よりも低身長で初恋もしたことがない浮き世離れした色白の美少女(処女)がやって来ることは間違いなかった。
(P10)

そんなユースケの元に、やってきたのは巨大なダンボール。
中から現れる、

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全裸のアニキ!
(BGMはターミネーター2)


役所の手違いで送られてきたアニキに困惑するユースケの元に、本来の『恋愛生活保護』の相手である鳳来寺ユリが現れるのですが、この挿絵がひどい。
ライトノベル史上最悪のヒロイン初登場挿絵だと思います。

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デスニードラウンドに続き「ピー○くん」が登場!

更にはみんな大好きワックとロナウダも登場します。
”薄っぺらなビーフパティ”、”パサつきかけているパティ”、”チープさのあるピクルス”、”ワックのポテトはたまに人体に刺さるほどに硬いものがある”と書かれていてこれぞワック!
チキンナゲットとか多少体に悪いくらいのモノのほうが美味しかったりしますしね!

一方、アニキの(作る食事描写)は喉に絡みつくくらい濃厚です。
2ページに渡ってゴーヤチャンプルーの食事シーンが描かれるのですが、アニキにピクリともなびかなかったユースケが思わずガッツイてしまうほど。

(略)グッとくる苦味で、はっきりと伝わってくるのだ。
……あ、ごくんっと口の中のものを呑み込むと、かすかに爽やかさが漂う。
(P94)

アニキの隠し味が効いてますね!

ストーリーは王道です。
心も体も貧弱ゥだったユースケがアニキやユリとの交流や健康的な生活を続けることで心身ともに成長していく。ヒロインのユリがピンチに陥るが、成長したユースケが駆けつける。最後はアニキ。

終盤のアニキとユリの『恋愛生活保護』の内、どちらかを解消しなくてはならず、悩むユースケ、身を引こうとするユリ。という場面は三者の関係の変化が現れていて面白かったです。
速瀬達がユリを脅して襲おうとするのは展開がありきたりすぎて残念でした。
速瀬が急に登場(ちょっと伏線はあるけど)&行動がテンプレヤンキーすぎて、ストーリー転がすためだけのキャラに感じます。某Y先輩みたいな味のある先輩でいてほしかった。

ところで、結局、アニキって何だったんだろう……。 
生ポアニキ (オーバーラップ文庫)
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