2007年10月30日
第57回相殺…第505条
【登場人物】
森矢:伊勢越百貨店バイヤー
山田ミラーズ:セール用商材屋。元伊勢越社員。
【物語】
森矢は伊勢越百貨店ゴルフ用品売り場
のバイヤー。
もう4年も次長として権力を握っている。
プロ野球球団Gヤンズ
の日本シリーズ出場がなくなり、
便乗セールはないものと思っていた。
しかし社長の鶴の一声で、感謝セール開催が決定。
慌ててセール用商材
をかき集めている。
森矢:明日までに「ボロクラブ」のポロ200枚と
ゴルフクラブ夫婦ペア
で10セット用意できない?
山田:またそんな無茶な
明日は無理ですよ〜。
森矢:そこを頼むよ〜。今度の紳士大市に商品入れ
なくてもいいのかな〜?
山田:う〜。でもお支払いは…。
森矢:そうだ
この前間違って
20枚のところ80枚納品
してもらちゃったヒコーキ柄Tシャツ!
あれ返品する
その返金分と相殺で支払ったってことにしろよ
山田:実際返品してもらってからでなきゃ
返金できませんよ〜
(心の叫び:ジャブジャブ接待してやってるのに、
便宜を図ってくれたことは一切なしって…
そんなのありかよ!!)
【過去問】
自己の有する債権に同時履行の抗弁権が付着している場合には、これを自働債権として相殺することができない。(H11−31)
森矢:伊勢越百貨店バイヤー
山田ミラーズ:セール用商材屋。元伊勢越社員。
【物語】
森矢は伊勢越百貨店ゴルフ用品売り場
のバイヤー。もう4年も次長として権力を握っている。
プロ野球球団Gヤンズ
の日本シリーズ出場がなくなり、便乗セールはないものと思っていた。
しかし社長の鶴の一声で、感謝セール開催が決定。
慌ててセール用商材
をかき集めている。森矢:明日までに「ボロクラブ」のポロ200枚と
ゴルフクラブ夫婦ペア
で10セット用意できない?山田:またそんな無茶な
明日は無理ですよ〜。森矢:そこを頼むよ〜。今度の紳士大市に商品入れ
なくてもいいのかな〜?
山田:う〜。でもお支払いは…。
森矢:そうだ
この前間違って20枚のところ80枚納品
してもらちゃったヒコーキ柄Tシャツ!
あれ返品する

その返金分と相殺で支払ったってことにしろよ

山田:実際返品してもらってからでなきゃ
返金できませんよ〜

(心の叫び:ジャブジャブ接待してやってるのに、
便宜を図ってくれたことは一切なしって…
そんなのありかよ!!)
【過去問】
自己の有する債権に同時履行の抗弁権が付着している場合には、これを自働債権として相殺することができない。(H11−31)
【正解】「○」
【解説】

さくら:百貨店と山田さんとの間で交わした売買契約は
(返品の契約も)双務契約の一つで、
契約した当事者が、互いに対価的意味を持つ債務
を負います。
双務契約においては当事者の一方は相手方が
その債務の履行をするまでは自己の債務の履行を
拒むことができます。これが「同時履行の抗弁権」
といわれるものです。
(同時履行の抗弁)
第533条 双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができる。ただし、相手方の債務が弁済期にないときは、この限りでない。
山田:それそれ、返品されるまで、返金はしなくてもいい
私はその権利を持っているんですよね
さくら:それを踏まえた上で、そもそも相殺するには、
「債務の性質が相殺を許すものであること」
という要件が必要です。
(相殺の要件等)
第505条 2人が互いに同種の目的を有する債務を負担する場合において、双方の債務が弁済期にあるときは、各債務者は、そのについて相殺によってその債務を免れることができる。ただし、債務の性質がこれを許さないときは、この限りでない。
森矢:山田の返金する債務と俺の代金支払い債務は
同じ金銭債務同士だし、
山田の債務は俺にとって自働債権なんだから
相殺してもいいと思うんだけど
さくら:自働債権の意味が解ってないみたいね
自働債権というのは相殺の要件ではないの。
相殺を言い出した側の債権という意味。
仮に山田さんが新規商品の代金支払請求権と
返金債権(債務)を相殺する場合には、この返金債権(債務)は
受働債権となるわけで、相対的な呼び方です。
しかもこの契約の主体は「俺」ではなく百貨店だし
さて、話を戻すと、仮に返金請求権について
代金支払債権(債務)との相殺を認めてしまうと
山田さんが商品の返品請求について
同時履行の抗弁権を失ってしまいます。
山田:え〜それはないよ〜
さくら:だから自働債権に同時履行の抗弁権が付着して
いるときは、「債務(債権)の性質が相殺を許さない」
とされます。
つまり、要件にあてはまっていないから相殺する
ことができません。
森矢:法律がそういっても俺が許す
さくら:天皇でも法律には従わねばならないのよ
ランキング参加中です!クリックをお願いします。
【解説】

さくら:百貨店と山田さんとの間で交わした売買契約は
(返品の契約も)双務契約の一つで、
契約した当事者が、互いに対価的意味を持つ債務
を負います。
双務契約においては当事者の一方は相手方が
その債務の履行をするまでは自己の債務の履行を
拒むことができます。これが「同時履行の抗弁権」
といわれるものです。
(同時履行の抗弁)
第533条 双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができる。ただし、相手方の債務が弁済期にないときは、この限りでない。
山田:それそれ、返品されるまで、返金はしなくてもいい

私はその権利を持っているんですよね

さくら:それを踏まえた上で、そもそも相殺するには、
「債務の性質が相殺を許すものであること」
という要件が必要です。
(相殺の要件等)
第505条 2人が互いに同種の目的を有する債務を負担する場合において、双方の債務が弁済期にあるときは、各債務者は、そのについて相殺によってその債務を免れることができる。ただし、債務の性質がこれを許さないときは、この限りでない。
森矢:山田の返金する債務と俺の代金支払い債務は
同じ金銭債務同士だし、
山田の債務は俺にとって自働債権なんだから
相殺してもいいと思うんだけど

さくら:自働債権の意味が解ってないみたいね

自働債権というのは相殺の要件ではないの。
相殺を言い出した側の債権という意味。
仮に山田さんが新規商品の代金支払請求権と
返金債権(債務)を相殺する場合には、この返金債権(債務)は
受働債権となるわけで、相対的な呼び方です。
しかもこの契約の主体は「俺」ではなく百貨店だし

さて、話を戻すと、仮に返金請求権について
代金支払債権(債務)との相殺を認めてしまうと
山田さんが商品の返品請求について
同時履行の抗弁権を失ってしまいます。
山田:え〜それはないよ〜

さくら:だから自働債権に同時履行の抗弁権が付着して
いるときは、「債務(債権)の性質が相殺を許さない」
とされます。
つまり、要件にあてはまっていないから相殺する
ことができません。
森矢:法律がそういっても俺が許す

さくら:天皇でも法律には従わねばならないのよ


