2007年11月13日
第59回危険負担…第534・536条
【登場人物】
三ツ輪メケメケ:元祖ビジュアル系シャンソン歌手
(甲)
カーリー・ロココ:華道家(乙)
【物語】
三ツ輪:最近軽井沢の「黒薔薇館」
にもすっかり
足が遠のいてしまって…
別荘も案外手入れが大変なのよね。
そろそろどなたかにお譲りしようかしら。
ロココ:まあ
それなら是非私に
三ツ輪:あら
あなた大事にしてくださる?
ロココ:もちろんですわ
2人は売買契約を締結した。ところがその後
「黒薔薇館」
は落雷
で全焼。
2人は意気消沈した
三ツ輪:なんて事でしょう
人に譲ろうとしたせいで
「黒薔薇館」
を怒らせてしまったのかも…
ロココ:せっかくお花でゴージャスに飾ってあげよう
と思っていたのに
(お金
は払わないといけないのかしら
どうしましょう…)
【過去問】
甲は、軽井沢に所有する別荘を乙に売り渡す旨の契約を締結したところ、別荘が落雷により全焼した。全焼が売買契約締結後であり、それが落雷によるものであった場合は、危険負担の債権者主義の問題である。(司S56−5)
三ツ輪メケメケ:元祖ビジュアル系シャンソン歌手
(甲)
カーリー・ロココ:華道家(乙)
【物語】
三ツ輪:最近軽井沢の「黒薔薇館」
にもすっかり足が遠のいてしまって…
別荘も案外手入れが大変なのよね。
そろそろどなたかにお譲りしようかしら。
ロココ:まあ
それなら是非私に
三ツ輪:あら
あなた大事にしてくださる?ロココ:もちろんですわ

2人は売買契約を締結した。ところがその後
「黒薔薇館」
は落雷
で全焼。2人は意気消沈した

三ツ輪:なんて事でしょう
人に譲ろうとしたせいで「黒薔薇館」
を怒らせてしまったのかも…ロココ:せっかくお花でゴージャスに飾ってあげよう
と思っていたのに

(お金
は払わないといけないのかしらどうしましょう…)
【過去問】
甲は、軽井沢に所有する別荘を乙に売り渡す旨の契約を締結したところ、別荘が落雷により全焼した。全焼が売買契約締結後であり、それが落雷によるものであった場合は、危険負担の債権者主義の問題である。(司S56−5)
【正解】「○」

さくら:別荘は焼けてしまって、引き渡しは不可能で
すから、三ツ輪さんの目的物引渡債務は消滅
します。
引渡しができなくなったのは落雷のせいで
すから、債務不履行の問題にはなりません。
三ツ輪:私のせいではないということね。
さくら:お2人のした別荘の売買契約は双務契約です
から、一方の債務(目的物引渡債務)の消滅
により他方の債務(代金債務)も消滅する
のかが問題になります。
つまりどちらが目的物の消滅による危険
(損失)を負担するのかという「危険負担」の
問題です。
民法は、履行不能になった債務を基準に
みたときの「債務者」が危険を負担するのを
原則としています(債務者主義)。
一方の債務が消滅すればもう一方の債務も
消滅するのが公平ですから。
(債務者の危険負担等)
第536条 前2条に規定する場合を除き、当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなったときは、債務者は、反対給付を受ける権利を有しない。
2 債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債務者は、反対給付を受ける権利を失わない。この場合において、自己の債務を免れたことによって利益を得たときは、これを債権者に償還しなければならない。
ロココ:私は別荘の代金を支払わなくてすむ
ということ?
さくら:いえいえ。
当事者が物の個性に着目して取引する、特定
物に関する物権の設定または移転を
双務契約の目的とした場合は、債権者が
危険を負担することになります。
これを「債権者主義」といいます。
(債権者の危険負担)
第534条 特定物に関する物権の設定又は移転を双務契約の目的とした場合において、その物が債務者の責めに帰することができない事由によって滅失し、又は損傷したときは、その滅失又は損傷は、債権者の負担に帰する。
ロココ:じゃあ私は別荘の代金を支払わなけれ
ばならないってことですわね。
別荘だと、どうして払わなければならないの
かしら。
さくら:特定物に関しては、契約の成立後、債権者も
物の価格の高騰など利益を受ける可能性あ
るってことで、焼失などの損失も負担する
べきだということなんです。
三ツ輪:なんだか世知辛いわね
。
さくら:はあ。(三ツ輪さんには有利な話なんだけど)
まあ、普通は、不動産の契約では特約で、
「引渡しの前日までは売主、引渡し日以降は
買主の負担とする」とか
「買主が本契約を締結した目的を達すること
ができない場合には、本契約を解除すること
ができる」などとしておきます。
ロココ:普通だなんてまっぴらごめんだわ
。
さくら:…。私には解らない
オネエワールド。
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さくら:別荘は焼けてしまって、引き渡しは不可能で
すから、三ツ輪さんの目的物引渡債務は消滅
します。
引渡しができなくなったのは落雷のせいで
すから、債務不履行の問題にはなりません。
三ツ輪:私のせいではないということね。
さくら:お2人のした別荘の売買契約は双務契約です
から、一方の債務(目的物引渡債務)の消滅
により他方の債務(代金債務)も消滅する
のかが問題になります。
つまりどちらが目的物の消滅による危険
(損失)を負担するのかという「危険負担」の
問題です。
民法は、履行不能になった債務を基準に
みたときの「債務者」が危険を負担するのを
原則としています(債務者主義)。
一方の債務が消滅すればもう一方の債務も
消滅するのが公平ですから。
(債務者の危険負担等)
第536条 前2条に規定する場合を除き、当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなったときは、債務者は、反対給付を受ける権利を有しない。
2 債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債務者は、反対給付を受ける権利を失わない。この場合において、自己の債務を免れたことによって利益を得たときは、これを債権者に償還しなければならない。
ロココ:私は別荘の代金を支払わなくてすむ
ということ?
さくら:いえいえ。
当事者が物の個性に着目して取引する、特定
物に関する物権の設定または移転を
双務契約の目的とした場合は、債権者が
危険を負担することになります。
これを「債権者主義」といいます。
(債権者の危険負担)
第534条 特定物に関する物権の設定又は移転を双務契約の目的とした場合において、その物が債務者の責めに帰することができない事由によって滅失し、又は損傷したときは、その滅失又は損傷は、債権者の負担に帰する。
ロココ:じゃあ私は別荘の代金を支払わなけれ
ばならないってことですわね。
別荘だと、どうして払わなければならないの
かしら。
さくら:特定物に関しては、契約の成立後、債権者も
物の価格の高騰など利益を受ける可能性あ
るってことで、焼失などの損失も負担する
べきだということなんです。
三ツ輪:なんだか世知辛いわね
。さくら:はあ。(三ツ輪さんには有利な話なんだけど)
まあ、普通は、不動産の契約では特約で、
「引渡しの前日までは売主、引渡し日以降は
買主の負担とする」とか
「買主が本契約を締結した目的を達すること
ができない場合には、本契約を解除すること
ができる」などとしておきます。
ロココ:普通だなんてまっぴらごめんだわ
。さくら:…。私には解らない
オネエワールド。
