2007年11月20日

第60回負担付贈与…553条

【登場人物】

高級料亭「一兆」女将(A)
娘婿(B)

【物語】

高級料亭「一兆」の女将は景気回復の
兆しを読んで、支店を出すことを決めた。

「一兆」の株式のすべてをもっていた女将は、
娘婿にその3分の1を贈与し、支店の経営を任せることにした。
そのかわり建設費のローンは
娘婿が支払っていくという契約で。。。

女将:ちょっとあんた、。

娘婿:(ビクッ)何の事でっしゃろ。

女将:ローンちゃんと払えてへんねんて?

娘婿:売り上げはちゃんと上がってます

女将:誤魔化したらあかん。ローンの話してんねん。
    ローン払えんようなお方に
    支店は任せられんわなぁ。

娘婿:いや、先月はちょっとパートの人が

女将:言い訳無用。契約は解除させてもらいますっ!

【過去問】

 負担付贈与においてBがその負担である義務の履行を怠るときは、Aは契約の解除をすることができる。(H17−28)



【正解】「○」

さくら:
sakura04贈与契約は、当事者の一方が自己の財産を
無償で相手方に与える契約です。
無償契約であり、
    一方だけが義務を負う片務契約であり、
    当事者の合意のみで効力が生じる諾成契約
    でもあります。

さくら:もっとも、女将さんは娘婿がローンを払うという債務を
    負担させています。

    贈与にあたって受贈者に一定の給付をなすべき
    債務を負担させる贈与契約を
    負担付贈与といいます。
    負担付贈与における贈与者の給付と受贈者の負担は、
    実質的には双務契約(ex.売買契約)における
    給付・反対給付と同様の対価関係を
    認めることができます。
    そこで、負担付贈与については、
    その性質に反しない限り、双務契約に関する規定が
    準用されます(553条)。

(負担付贈与)
第553条 負担付贈与については、この節に定めるもののほか、その性質に反しない限り、双務契約に関する規定を準用する。

さくら:具体的には、同時履行の抗弁権(533条)
    ・危険負担(534条〜536条)・解除(540条以下)
    などの規定が準用されることになります。
    したがって、本問において、娘婿Bがその負担である
    義務の履行を怠るときは、贈与者Aである女将は
    当該贈与契約を解除することができます(541条等)。

娘婿:そんな了見がせまいからミシュランで
    星もらえへんねん。

女将:パートのせいにしてごまかそうなんて
    許しまへんで。


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