2008年10月22日
08年度第31回抵当権3・第389条
【登場人物】
定男:名家の坊ちゃん。
篤子:定男の嫁。
島津:篤子の父。地方の名士。
【物語】
親の商売のために、鹿児島から東京の名家に嫁いだ篤子。
しかしいまだに、夫・定男の心が読めないでいた
金持ちだとばかり思っていたのに、
実は借金があるらしく、
持っている土地には抵当権が設定されていた
不安になった篤子は実家の父に連絡した
篤子:あ、パパ?お願いがあるの。
島津:どうした。喧嘩したのか
離婚は絶対ダメだ!
なんとしてもダメだ!俺のビジネスに差し障る。
篤子:まったく
そんなことまだ言ってないでしょ!
ちょっと作戦
を考えたんだけど協力してくれない?
篤子に頼まれ、島津は定男の土地にビルを建てさせた
これでよしと安心したのもつかの間、土地の抵当権が
実行されてしまい、ビル共々競売されることになった
篤子:どういうこと?ビルはうちのパパのものだから
競売されないのではなくて
【過去問】
抵当権設定後に抵当地に建物が築造された場合に、その建物が抵当権設定者以外の者によって築造されたときは、土地の抵当権者は、抵当地と共に一括してその建物を競売することはできない。(H16−27)
定男:名家の坊ちゃん。
篤子:定男の嫁。
島津:篤子の父。地方の名士。
【物語】
親の商売のために、鹿児島から東京の名家に嫁いだ篤子。
しかしいまだに、夫・定男の心が読めないでいた

金持ちだとばかり思っていたのに、
実は借金があるらしく、
持っている土地には抵当権が設定されていた

不安になった篤子は実家の父に連絡した

篤子:あ、パパ?お願いがあるの。
島津:どうした。喧嘩したのか
離婚は絶対ダメだ!なんとしてもダメだ!俺のビジネスに差し障る。
篤子:まったく
そんなことまだ言ってないでしょ!ちょっと作戦
を考えたんだけど協力してくれない?篤子に頼まれ、島津は定男の土地にビルを建てさせた

これでよしと安心したのもつかの間、土地の抵当権が
実行されてしまい、ビル共々競売されることになった

篤子:どういうこと?ビルはうちのパパのものだから
競売されないのではなくて

【過去問】
抵当権設定後に抵当地に建物が築造された場合に、その建物が抵当権設定者以外の者によって築造されたときは、土地の抵当権者は、抵当地と共に一括してその建物を競売することはできない。(H16−27)
【正解】「×」
【解説】
さくら:
残念ながら、土地に抵当権を設定した後で、
その土地上に建物が築造された場合は、
土地の抵当権者は、土地とともに
その建物を競売することができます(389条1項)。
建物を収去する前提で、
土地だけを競売にかけることもできますが、
建物を無用に壊わすのは不経済なので、
一括競売が認められたのです。
篤子:えー。そうなの?
さくら:昔、一括競売は、「抵当権設定者」が、
抵当地上に建物を建てた場合にのみ
認められていたんですが、平成15年改正で、
篤子さんの父上のような、「抵当権設定者以外の者」
が建物を建てた場合でも認められるようになりました。
建物の無用な取り壊しを防ぐ必要があることに
変わりないからです。
反対に、建物の所有者が抵当権者に対抗できる
敷地利用権を有する場合は、一括競売は
できません(389条2項)。
篤子:抵当権者に対抗できる敷地利用権を
有するってなに?
さくら:要するに、土地の賃借権や地上権など、
土地を利用する権利で、抵当権の登記よりも
先に登記したもののことです。
敷地利用権の登記が先にしてあれば、
土地の抵当権が実行されても、敷地利用権を
主張して建物を存続させることができます。
そのため、この場合は、建物の無用な取壊しに
配慮する必要はありませんから、一括競売の対象に
ならないというわけです。
篤子:ということは、抵当権の登記より先に
登記した敷地利用権がないと、一括競売
されてしまうのね。
私としたことが…抜かりはないと思ったのに。
さくら:敷地利用権がどうなっているのかを
確認しないで建物を建てたのですから、
しょうがないですね。
篤子:くーっ。そもそも結婚もよく調べてからすればよかった。
でも、私、離婚はしないわよ
なんとしても取り返すわっ。戦略立てなきゃ!
私、前しか見ない!後ろは振り返らないのっ
【条文】
(抵当地の上の建物の競売)
第389条 抵当権の設定後に抵当地に建物が築造されたときは、抵当権者は、土地とともにその建物を競売することができる。ただし、その優先権は、土地の代価についてのみ行使することができる。
2 前項の規定は、その建物の所有者が抵当地を占有するについて抵当権者に対抗することができる権利を有する場合には、適用しない。
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【解説】
残念ながら、土地に抵当権を設定した後で、
その土地上に建物が築造された場合は、
土地の抵当権者は、土地とともに
その建物を競売することができます(389条1項)。
建物を収去する前提で、
土地だけを競売にかけることもできますが、
建物を無用に壊わすのは不経済なので、
一括競売が認められたのです。
篤子:えー。そうなの?
さくら:昔、一括競売は、「抵当権設定者」が、
抵当地上に建物を建てた場合にのみ
認められていたんですが、平成15年改正で、
篤子さんの父上のような、「抵当権設定者以外の者」
が建物を建てた場合でも認められるようになりました。
建物の無用な取り壊しを防ぐ必要があることに
変わりないからです。
反対に、建物の所有者が抵当権者に対抗できる
敷地利用権を有する場合は、一括競売は
できません(389条2項)。
篤子:抵当権者に対抗できる敷地利用権を
有するってなに?
さくら:要するに、土地の賃借権や地上権など、
土地を利用する権利で、抵当権の登記よりも
先に登記したもののことです。
敷地利用権の登記が先にしてあれば、
土地の抵当権が実行されても、敷地利用権を
主張して建物を存続させることができます。
そのため、この場合は、建物の無用な取壊しに
配慮する必要はありませんから、一括競売の対象に
ならないというわけです。
篤子:ということは、抵当権の登記より先に
登記した敷地利用権がないと、一括競売
されてしまうのね。
私としたことが…抜かりはないと思ったのに。
さくら:敷地利用権がどうなっているのかを
確認しないで建物を建てたのですから、
しょうがないですね。
篤子:くーっ。そもそも結婚もよく調べてからすればよかった。
でも、私、離婚はしないわよ

なんとしても取り返すわっ。戦略立てなきゃ!
私、前しか見ない!後ろは振り返らないのっ

【条文】
(抵当地の上の建物の競売)
第389条 抵当権の設定後に抵当地に建物が築造されたときは、抵当権者は、土地とともにその建物を競売することができる。ただし、その優先権は、土地の代価についてのみ行使することができる。
2 前項の規定は、その建物の所有者が抵当地を占有するについて抵当権者に対抗することができる権利を有する場合には、適用しない。

