2008年11月12日
08年度第34回債権者代位権―423条
【登場人物】
尾花:賃借人・ベンチャー企業社長(A)
藪:マンションのオーナー(B)
平林:ガンマニア(C)
【物語】
新エネルギー関連のベンチャー企業を立ち上げた尾花氏
ビジネスの拠点として「ホワイトメゾン」
を借りる契約をした。
ところが引越しを前に、室内を見学に行ったところ、平林と名乗る女性がマンションに住んでいた。
部屋には5人の子供とモデルガンがずらり。
尾花:藪さん
どういうことですか?
ホワイトメゾンに人が住んでいましたよ!
藪:なんですかやぶから棒に…
尾花:そんなアメリカンジョークはいりません。
一刻も早くあの重装備な人を撤退させてください
藪:あー。あの人ね
私もあの人苦手なんだよー。
やぶへびにならないといいけど…
尾花:なに寝言いってるんですか?
(あー、この人アテにならない
自分で直接交渉しよう。)
尾花は、再度ホワイトメゾンに出向き、平林と直接対決することにした。
尾花:平林さん、あなたにはここに住む権利がないんです。
出て行ってください
平井:私は薮さんからここに住める「かも」って言われたのよ
(ここでモデルガンを構える
)
尾花:わっ。物騒なものは引っ込めてください。
「かも」でしょ?
私はれっきとした賃借人ですから、
藪さんに代わって、あなたに出てけと
いわせていただきます
平井:どうしてあなたから出てけと言われなきゃいけないの
このガンで「鴨」でも「雁」でもおとしてやる!
ねぎしょって出直して来い
【過去問】
AはBから同人の所有する建物を賃借する契約を締結したが、その建物の引渡しが行われていない状態のもとでそれをCが権原なく占有してしまった場合において、Aが、自己の賃借権を保全するためにBに代位して、Cに対して建物の明渡しを請求するときは、Aは、建物を直接自己へ引き渡すことを請求することができる。(H17−27)
尾花:賃借人・ベンチャー企業社長(A)
藪:マンションのオーナー(B)
平林:ガンマニア(C)
【物語】
新エネルギー関連のベンチャー企業を立ち上げた尾花氏
ビジネスの拠点として「ホワイトメゾン」
を借りる契約をした。ところが引越しを前に、室内を見学に行ったところ、平林と名乗る女性がマンションに住んでいた。
部屋には5人の子供とモデルガンがずらり。
尾花:藪さん
どういうことですか?ホワイトメゾンに人が住んでいましたよ!
藪:なんですかやぶから棒に…
尾花:そんなアメリカンジョークはいりません。
一刻も早くあの重装備な人を撤退させてください

藪:あー。あの人ね
私もあの人苦手なんだよー。やぶへびにならないといいけど…
尾花:なに寝言いってるんですか?
(あー、この人アテにならない

自分で直接交渉しよう。)
尾花は、再度ホワイトメゾンに出向き、平林と直接対決することにした。
尾花:平林さん、あなたにはここに住む権利がないんです。
出て行ってください

平井:私は薮さんからここに住める「かも」って言われたのよ

(ここでモデルガンを構える
)尾花:わっ。物騒なものは引っ込めてください。
「かも」でしょ?
私はれっきとした賃借人ですから、
藪さんに代わって、あなたに出てけと
いわせていただきます

平井:どうしてあなたから出てけと言われなきゃいけないの

このガンで「鴨」でも「雁」でもおとしてやる!
ねぎしょって出直して来い

【過去問】
AはBから同人の所有する建物を賃借する契約を締結したが、その建物の引渡しが行われていない状態のもとでそれをCが権原なく占有してしまった場合において、Aが、自己の賃借権を保全するためにBに代位して、Cに対して建物の明渡しを請求するときは、Aは、建物を直接自己へ引き渡すことを請求することができる。(H17−27)
【正解】「○」
【解説】
さくら:
尾花さんは、賃貸人である藪氏に対して使用・収益を請求することはできますが、不法占有者に対する
妨害排除請求は認められないのが原則です。
そこで、尾花さんは、賃貸人の不法占有者
に対する妨害排除請求権を、債権者代位権
に基づいて代位行使したというわけです。
平林:尾花さんが保全しようとしているのは、賃借権
(賃貸人に対し目的物の使用収益を請求する権利)
でしょ。
そんなものに債権者代位権を利用できるんですか?
さくら:おっしゃるとおり、債権者代位権(423条)は、
債権者の責任財産を保全するための制度ですから、
本来、金銭債権を保全するために行使することを
予定しています。
尾花:損害賠償請求権とか、金銭債権でないとダメですか?
さくら:実は、大丈夫なんです。
判例は、423条が保全する債権について特に制限を
していないとして、金銭債権でなくても、債務者の
権利行使によって債権が保全される関係があれば
債権者代位権の行使を認めています。
これを『転用』といいます。
今回と同じ様な事例で、賃借人は、賃貸人の
不法占拠者に対する妨害排除請求権を
代位行使できるとし、その上で、
賃借人は、自己へ直接明け渡すように請求できる
としました(最判S29.9.24)。
尾花:できるんですね
でも、私が前例を変えたのではないところが残念!
ポイント
判例は、代位行使の目的が金銭や不動産の場合には、債権者は、直接自己に引き渡すよう請求することができるとしています(最大判S10.3.12、最判S29.9.24)。これは、債務者が受領を拒絶する事態に配慮したものです。
【条文】
(債権者代位権)
第423条 債権者は、自己の債権を保全するため、債務者に属する権利を行使することができる。ただし、債務者の一身に専属する権利は、この限りでない。
2 債権者は、その債権の期限が到来しない間は、裁判上の代位によらなければ、前項の権利を行使することができない。ただし、保存行為は、この限りでない。
民法なエブリディでは過去にも債権者代位権について
取り上げています。あわせてご覧ください。
2007年09月26日
http://blog.livedoor.jp/wanwansakura/archives/64705416.html
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【解説】
尾花さんは、賃貸人である藪氏に対して使用・収益を請求することはできますが、不法占有者に対する
妨害排除請求は認められないのが原則です。
そこで、尾花さんは、賃貸人の不法占有者
に対する妨害排除請求権を、債権者代位権
に基づいて代位行使したというわけです。
平林:尾花さんが保全しようとしているのは、賃借権
(賃貸人に対し目的物の使用収益を請求する権利)
でしょ。
そんなものに債権者代位権を利用できるんですか?
さくら:おっしゃるとおり、債権者代位権(423条)は、
債権者の責任財産を保全するための制度ですから、
本来、金銭債権を保全するために行使することを
予定しています。
尾花:損害賠償請求権とか、金銭債権でないとダメですか?
さくら:実は、大丈夫なんです。
判例は、423条が保全する債権について特に制限を
していないとして、金銭債権でなくても、債務者の
権利行使によって債権が保全される関係があれば
債権者代位権の行使を認めています。
これを『転用』といいます。
今回と同じ様な事例で、賃借人は、賃貸人の
不法占拠者に対する妨害排除請求権を
代位行使できるとし、その上で、
賃借人は、自己へ直接明け渡すように請求できる
としました(最判S29.9.24)。
尾花:できるんですね

でも、私が前例を変えたのではないところが残念!
ポイント判例は、代位行使の目的が金銭や不動産の場合には、債権者は、直接自己に引き渡すよう請求することができるとしています(最大判S10.3.12、最判S29.9.24)。これは、債務者が受領を拒絶する事態に配慮したものです。
【条文】
(債権者代位権)
第423条 債権者は、自己の債権を保全するため、債務者に属する権利を行使することができる。ただし、債務者の一身に専属する権利は、この限りでない。
2 債権者は、その債権の期限が到来しない間は、裁判上の代位によらなければ、前項の権利を行使することができない。ただし、保存行為は、この限りでない。
民法なエブリディでは過去にも債権者代位権について
取り上げています。あわせてご覧ください。
2007年09月26日
http://blog.livedoor.jp/wanwansakura/archives/64705416.html

