2008年12月10日
08年度第38回債権譲渡―467条
【登場人物】
太郎:債権者(甲)
一郎:債務者(乙)
善美:譲受人1(丙)
秀直:譲受人2(丁)
【物語】
太郎の自社株がこのところ急落


自分に不信感をもっているという噂の
善美の動きが不安でたまらない。
太郎:うーん、これでは持ちこたえられない
早いとこ手を打たないと。
太郎は、善美に対する債務を清算しようと、
債務の弁済に代えて、一郎に対する債権を
善美に譲渡することにした。
太郎:あんたには、一郎への債権を譲渡するからね。
債権譲渡の承諾書は、一郎から渡してもらうことに
なってるから。
一郎は、12月5日の確定日付ある承諾書を用意し、同日、善美にこれを交付した。
しかし、その頃、別の債権者・秀直も太郎に詰め寄っていた。
秀直:あんたの会社の株価急落してるでしょ
大丈夫なの?
秀直のプレッシャーは、太郎には堪えた。
優柔不断にも、太郎は、秀直にも一郎に対する債権を譲渡すると約束し、12月4日の確定日付ある証書による通知を一郎宛に発送した。
6日の午後、通知は一郎に届いた。
一郎:えー、もう善美君に債権譲渡の承諾書を
渡しちゃってるのに…
朝礼暮改!無責任だな。
【過去問】
甲の乙に対する債権を丙と丁とに二重譲渡した場合、丙への譲渡につき確定日付のある承諾書を乙が丙に交付した後に、丁への譲渡につき確定日付のある通知を甲が乙に送付し、これが丙の確定日付より先であっても、丙は丁に優先する。(司H2−29)
太郎:債権者(甲)
一郎:債務者(乙)
善美:譲受人1(丙)
秀直:譲受人2(丁)
【物語】
太郎の自社株がこのところ急落



自分に不信感をもっているという噂の
善美の動きが不安でたまらない。
太郎:うーん、これでは持ちこたえられない

早いとこ手を打たないと。
太郎は、善美に対する債務を清算しようと、
債務の弁済に代えて、一郎に対する債権を
善美に譲渡することにした。
太郎:あんたには、一郎への債権を譲渡するからね。
債権譲渡の承諾書は、一郎から渡してもらうことに
なってるから。
一郎は、12月5日の確定日付ある承諾書を用意し、同日、善美にこれを交付した。
しかし、その頃、別の債権者・秀直も太郎に詰め寄っていた。
秀直:あんたの会社の株価急落してるでしょ

大丈夫なの?
秀直のプレッシャーは、太郎には堪えた。
優柔不断にも、太郎は、秀直にも一郎に対する債権を譲渡すると約束し、12月4日の確定日付ある証書による通知を一郎宛に発送した。
6日の午後、通知は一郎に届いた。
一郎:えー、もう善美君に債権譲渡の承諾書を
渡しちゃってるのに…
朝礼暮改!無責任だな。
【過去問】
甲の乙に対する債権を丙と丁とに二重譲渡した場合、丙への譲渡につき確定日付のある承諾書を乙が丙に交付した後に、丁への譲渡につき確定日付のある通知を甲が乙に送付し、これが丙の確定日付より先であっても、丙は丁に優先する。(司H2−29)
【正解】「○」
【解説】
さくら:
指名債権の譲渡は、当事者の合意だけで
できますが、これを債務者に対抗するには、
譲渡人の債務者に対する通知
または債務者の承諾が必要です
(467条1項)。
また、債務者以外の第三者に対して
対抗するには、この通知または承諾を
確定日付のある証書によってすることが
必要です(467条2項)。
一郎:確定日付ある証書による通知や承諾を、
善美君と秀直君の両方にしちゃってるんですよ
この場合、証書の日付が先の方を優先するのか、
到達または承諾した順を優先するのか、
どっちなんです?
さくら:債権が二重に譲渡された場合、判例は、
譲受人相互の間の優劣について、通知または
承諾に付された確定日付の先後ではなく、
確定日付のある通知が債務者に到達した日時
または確定日付のある債務者の承諾の日時の
先後によって決すべきである、としています
(最判S49.3.7)。
債権者が誰かについて一番利害関係があるのは、
弁済する債務者ですから、債務者が通知または
承諾を認識した先後によって優劣を決定
しようというわけです。
一郎:善美さんへの確定日付のある証書による
承諾が先だったので、善美さんが優先する。
ということは、私は善美さんに返済すればいいんですね
まあ、返済しなければならないことに代わりはな
いんですから、どなたでもいいんですけど。
どっちが組しやすいかなー。
【条文】
(指名債権の譲渡の対抗要件)
民法第467条 指名債権の譲渡は、譲渡人が債務者に通知をし、又は債務者が承諾をしなければ、債務者その他の第三者に対抗することができない。
2 前項の通知又は承諾は、確定日付のある証書によってしなければ、債務者以外の第三者に対抗することができない。
『民法なエブリディ』では他にも債権譲渡について取り上げています。
あわせてご覧ください。
2007年10月24日
第56回債権譲渡…467条
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【解説】
指名債権の譲渡は、当事者の合意だけで
できますが、これを債務者に対抗するには、
譲渡人の債務者に対する通知
または債務者の承諾が必要です
(467条1項)。
また、債務者以外の第三者に対して
対抗するには、この通知または承諾を
確定日付のある証書によってすることが
必要です(467条2項)。
一郎:確定日付ある証書による通知や承諾を、
善美君と秀直君の両方にしちゃってるんですよ

この場合、証書の日付が先の方を優先するのか、
到達または承諾した順を優先するのか、
どっちなんです?
さくら:債権が二重に譲渡された場合、判例は、
譲受人相互の間の優劣について、通知または
承諾に付された確定日付の先後ではなく、
確定日付のある通知が債務者に到達した日時
または確定日付のある債務者の承諾の日時の
先後によって決すべきである、としています
(最判S49.3.7)。
債権者が誰かについて一番利害関係があるのは、
弁済する債務者ですから、債務者が通知または
承諾を認識した先後によって優劣を決定
しようというわけです。
一郎:善美さんへの確定日付のある証書による
承諾が先だったので、善美さんが優先する。
ということは、私は善美さんに返済すればいいんですね

まあ、返済しなければならないことに代わりはな
いんですから、どなたでもいいんですけど。
どっちが組しやすいかなー。
【条文】
(指名債権の譲渡の対抗要件)
民法第467条 指名債権の譲渡は、譲渡人が債務者に通知をし、又は債務者が承諾をしなければ、債務者その他の第三者に対抗することができない。
2 前項の通知又は承諾は、確定日付のある証書によってしなければ、債務者以外の第三者に対抗することができない。
『民法なエブリディ』では他にも債権譲渡について取り上げています。
あわせてご覧ください。
2007年10月24日
第56回債権譲渡…467条

