2009年01月14日

08年度第42回危険負担

【登場人物】

甘井明子:資産家(A)
南大門:貿易商(B)

【物語】

明子:金は天下の回り物!
   私みたいなお金持ちは定額給付金は辞退するけど
   どんどん使わなくちゃね!!

南大門:(やっとみつけた!今時殊勝な人!)
    円高の今ならお買い得!
    白磁の花瓶はいかがですか?お姉さん

明子:お、お姉さん(久しぶりに言われたわ)って
   私のこと?
   どんな品物なのかしら?

南大門:あの韓流スター、ぺ・ヨンヨン様が
    オークションに出したものなんですよー。
    ブランド物買うより一品物!

明子:なんだか怪しいけど…
   景気回復のため、マクロ経済のため…
   えぃ、買った!で、お品物はどこ?

南大門:あ、それはまだ私の国の倉庫にあるんです。
    すぐに輸送の手配しますね。

南大門が祖国に連絡をいれたところ、その花瓶は
すでに割れていたとのこと。

南大門:あのー。非常に申し上げにくいことなんですが
    くだんの花瓶が割れてしまっていたんです。
    すみません。

明子:えー、なんか縁起悪―い
   とにかくお金は払わないからねっ

【過去問】
 Aは、Bからその倉庫に保管中の特定物である高価な花瓶を購入したが、花瓶は、契約の成立時点で既に割れていた。花瓶の引渡しがされていない以上、Bが危険を負担し、Aの代金債務は消滅する。(司H9−38)



【正解】「×」

【解説】

明子:ちょっと待って。正解「×」って
   Aって私のことよね?私の債務が消滅しない?
   代金払えってこと
   冗談じゃないわ

sakura02さくら:
あ、あそういうわけじゃなくて…
えっとそもそもこれはBが危険を負担したり
      Aの代金債務が消滅するという話では
      ないというところで「×」なんです。

明子:言ってる意味がわかりません

さくら:この過去問は、危険負担の問題であるか
    のように見せていているのですが、
    危険負担は、双務契約が成立した後で
    一方の債務が履行不能となった場合に、
    他方の債務も消滅するのかという問題です。
    つまり、後発的不能の場合です。

   一方、契約の成立以前に債権に実現可能性
   ない場合原始的不能といいます。
  
   この事例では、契約前に花瓶が割れていた
   のですから、南大門さんの花瓶を引き渡す債務
   (明子さんの債権)には実現可能性がなく、
   原始的不能の場合にあたります。
   したがって、そもそも契約が成立していない
   ということになります。

明子:結局お金は払わなくていいの?いけないの?

さくら:契約してないのに払うって言うんですか
    給付金の支給が決定していないのに払うの使うのって
    言ってるみたいなものですよ


『民法なエブリディ』では他にも危険負担について
取りあげています。あわせてご覧ください。

2007年11月13日
第59回危険負担…第534・536条
http://blog.livedoor.jp/wanwansakura/archives/64773590.html


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