2009年01月28日

08年度第44回贈与…550条

【登場人物】

益田:実業家(A)
遼・ハニカム:高校生ゴルフ選手(B)
遼パパ:遼の父親

【物語】

実業家の益田はゴルフが大好き。
若手プロ遼・ハニカムの後援会長をしている。

益田:遼君、今年頑張ったからさ、ご褒美にあのビルやる。
   自由に使っていいよ

遼:本当ですか?ありがとうございます
  一生の宝物にします

遼はビルにトレーニング施設を作り、仲間にも開放し、
トレーニングに励んでいた。

しかし、益田は事業業績が悪化、どうしてもあのビルを
取り返したい。

益田:あーどうしよう
   返せって言いにくいな〜
   遼のオヤジさんがなんて言うかな〜。

【過去問】
 判例の趣旨に照らすと、未登記の建物を書面によらず贈与した場合において、贈与者Aが受贈者Bにその建物を引き渡したときは、Aはその贈与契約を撤回することができない。(H17−28)


【正解】「○」

【解説】

益田:そもそもタダで譲ったんだから
   返してもらえるよね

sakura04さくら:
贈与契約を締結しても、口約束だけで
書面を作っておらず、しかも履行が
      終わっていなければ、
      各当事者は撤回することができます
      (550条)。
      軽率な贈与は好ましくないので、
      その効力を制限する一方、
      書面によって贈与者の意思が明確になるのを
      待つことで将来の紛争を防止しようという
      趣旨です。

遼パパ:書面は作っていませんが、
    建物の引き渡しがあったのですから、
    撤回できないのではありませんか?

益田:おれ自身あの建物登記してなかったし、
   遼くんもまだ登記してないはずだけど…

さくら:ここは、建物の引渡しだけで「履行が終った」と
    いえるかという問題になりますね。
    「履行が終わった」というためには、贈与者の
    贈与の意思が明確に表されている行為があれば
    よいとされています。
    具体的には、目的物が動産の場合は引渡し、
    不動産の場合は引渡し又は登記の移転のいずれか
    があれば足ります(不動産について最判S31.1.27、
    最判S40.3.26など)。
    
    未登記の建物を引き渡せば、贈与契約は撤回
    することができなくなりますね。

益田:そうなんだぁ。早まったなぁ

【条文】

(書面によらない贈与の撤回)
第550条 書面によらない贈与は、各当事者が撤回することができる。ただし、履行の終わった部分については、この限りでない


『民法なエブリディ』では他にも贈与について取りあげています。
併せてご覧ください。

2007年11月20日
第60回負担付贈与…553条
http://blog.livedoor.jp/wanwansakura/archives/64782551.html



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