【登場人物】
ノビタ
ドラ衛門

【物語】

静香ちゃんとスネ男がドライブしているのを見たノビタ。
どこでもドアや竹コプターなどに頼らず、自分で自動車を
運転したいんだと一念発起。
ようやく免許をとったが…。

ノビタ:どら衛門。自動車の免許をとったけど、
    静香ちゃんとドライブするのに自動車がないんだ。

どら衛門:買えばいいじゃん。

ノビタ:でも、お金がないんだよぉ。

どら衛門:CM収入が入ったんじゃなかったの?

ノビタ:ジャイヤンが俺の分だって、全部持って
    いっちゃったんだ。
    アイツなんて、ちょこっとしかCMに
    出てなかったくせに!

どら衛門:しょうがないヤツだなぁ。

ノビタ:ねぇ、どら衛門、ポケットから自動車を
    出してくれよ。

どら衛門:え〜っ。やっと自分の力で免許をとったのに
     またボクを頼るわけ

ノビタ:今度の日曜日に静香ちゃんとドライブ行くって
    約束しちゃったんだ。
    このとおり、一生のお願い! 

どら衛門:(もう僕を頼ったら駄目だってわからせるために
     ここは空約束だけしておくか。
     わかったよ。僕のどこでも自動車をあげる。

ノビタ:ヤッホー!
    やっぱり僕のどら衛門だ

どら衛門:(…僕は、君に自動車をあげるつもりはないからね)


【問題】
 甲は、贈与の意思がないのに、ある物を乙に贈与する旨の意思表示をした。乙の善意悪意を問わず乙は所有権を取得する。(司S37−55)
【正解】×

ノビタ:どら衛門は、どこでも自動車を僕にくれるって
    言ったんだよ!
    それなのに、自動車をもらえないわけ

さくら:どら衛門は、内心では贈与する意思がない
    にもかかわらず、贈与すると意思表示を
    していますね。
    このように、真意ではないことを知りながら
    した意思表示を心裡(しんり)留保といいます。

ノビタ:心裡留保…。

さくら:はい。
    真意を心の裡(うち)に留め置くという意味です。

ノビタ:そんなことよりも、日曜日までに自動車が
    手に入るかどうかが問題なんだよ。

さくら:心裡留保は、原則として有効です(93条本文)。
    人の内心は外部からわかりませんから、
    内心は違うからといって意思表示を無効とすると
    相手方が不測の不利益を被るからです。

ノビタ:贈与の意思表示が有効ということは、
    自動車は僕のものになったってことだね?

さくら:そうとも限りません。
    相手方が表意者の真意を知っていたか(悪意)、
    又は真意を知ることができたとき(善意有過失)は、
    その意思表示は無効となります(93条但書)。
    相手方が、表意者の真意を知っていた場合や
    知ることができた場合まで、意思表示を有効に
    する必要はないからです。
    したがって、ノビタさんが、悪意又は善意有過失
    であった場合には、贈与の意思表示は無効であり、
    自動車を取得することができません。

ノビタ:僕は、どら衛門が自動車をくれるつもりが
    なかったなんて、知らなかったよ。

さくら:知らなくても、もう長いこと一緒なんだから、
    どら衛門の本心ぐらい、わかったのではない
    ですか?

ノビタ:え〜っ、そんな。。。

どら衛門:ノビタ君、もう頼らないって言ったジャン
     僕は、そういう君になって欲しいんだ。

(心裡留保)
第93条 意思表示は、表意者がその真意ではないことを知ってしたときであっても、そのためにその効力を妨げられない。ただし、相手方が表意者の真意を知り、又は知ることができたときは、その意思表示は、無効とする。

トヨタ ドラえもんCM
http://www.youtube.com/watch?v=n0zdcl8zuHI